【最新 焼肉の技術について学ぶためのおすすめ本 – 肉の基本から焼き方まで】も確認する
肉好きのための焼肉本
監修者は焼肉店のオーナーであり、本書のコンセプトは「肉の部位を識ることにより、焼肉を楽しむための本」。したがって、レシピや調理法とかではなく、「焼肉店でどう焼けば美味しく食べられるか」を識りたい人向けの本です。脂を星で表しているので、太りたくない焼き肉好きにもおすすめです。
CONTENTS
焼肉はエンターテインメント
牛Beef
牛肉概要
牛の種類
牛肉の格付
牛肉の安全
牛一正肉
【まえ】
ザブトン[Zabuton]
肩芯[Katashin]
ミスジ[Misuji]
ウワミスジ[Uwamisuji]
肩サンカク[Katasankaku]
トウガラシ[Tohgarashi]
サンカクバラ[Sankakubara]
ブリスケ[Brisket]
【ロイン】
リブロース芯[Ribroast’shin’]
リブカブリ[Rib’kaburi]
マキ[Maki]
サーロイン[Sirloin]
ヒレ[Fillet]–
シャトーブリアン[Chateaubriand]
【ともバラ】
タテバラ[Tatebara]
ササニク[Sasaniku]
インサイドスカート[InsideSkirt]
カイノミ[Kainomi]
中落ち[Nakaochi]
【もも】
ランプ[Rump]
イチボ[Ichibo]
ウチモモ[Uchimomo]
シキンボ[Shikimbo]
ナカニク[Nakaniku]
ハバキ[Habaki]
センボン[Sembon]
トモサンカク[Tomosankaku]
シンシン[Shinshin]
カメノコ[Kamenoko]
【ホルモン】
タン元[Tongue’moto’]
タン先[Tongue’saki’]
タン下[Tongue’shita’]
ハラミ(Harami]
サガリ[Sagari]
タケノコ[Takenoko]
ハツ[Hatsu]
ハツアブラ[Hatsuabura]
レバー[Liver]
ミノ[Mino]
ミノサンド[Minosando]
ハチノス[Hachinosu]
ヤン[Yan]
センマイ[Senmai]
ギアラ[Giara]
コプチャン[Kopuchan]
シマチョウ[Shimachoh]
テッポウ[Teppoh]
ツラミ[Tsurami]
シビレ[Shibire]
スイゾウ[Suizoh]
フワ[Fuwa]
ウルテ[Urute]
マメ[Mame]
チレ[Chire]
ネクタイ[Necktie]
テール[Tail]
wagyu brands in Japan
ニッポン全国のブランド牛を知る!
松阪牛(三重県)
神戸ビーフ(兵庫県)
近江牛(滋賀県)
米沢牛(山形県)
いわて短角和牛(岩手県)
伊賀牛(三重県)
鳥取和牛オレイン55(鳥取県)
見島牛(山口県)
オリーブ牛(香川県)
土佐あかうし(高知県)
尾崎牛(宮崎県)
石垣牛(沖縄県)
和牛の肥育現場、拝見
~宮崎県・尾崎牧場を訪ねて~-
Beef Column
識って楽しい!牛肉コラム
「牛肉にも”旬”がある?」「あの部位の名前の由来は?」「話題の”熟成肉って何?」「炭火とガス火、どちらがいいの?」…などなど、牛肉にまつわるさまざまな雑学や一歩踏み込んだ考察、さらには肉のプロだからこそ知っている裏話までを網羅した34編のコラムを収録。焼肉初級者はもちろん、上級者でもますます焼肉を極めたくなる知識が満載。これを読めば焼肉店での肉談義がよりいっそう盛り上がること間違いなし!
豚Pork
豚肉概要
豚の種類
【正肉】
豚トロ[Tontoro]
肩ロース[Kataroast]
ロース[Roast]
ヒレ[Fillet]
バラ[Bara]
スペアリブ[Spareribs]
ランイチ[Ranichi]
ソトモモ[Sotomomo]
シンタマ[Shintama]
ウチモモ[Uchimomo]
【ホルモン】
タン[Tongue]
トンソク[Tonsoku]
ガツ[Gatsu]
ハラミ[Harami]
コブクロ[Kobukuro]
ハツ[Hatsu]
ショウチョウ[Shohchoh]
レバー[Liver]
チョクチョウ[Chokuchoh]
アミアブラ[Amiabura]
カシラニク[Kashiraniku]
ショクドウ[Shokudoh]
ダイチョウ[Daichoh]
チチカブ[Chichikabu]
ノドナンコツ[Nodonankotsu]
テール[Tail]
ミミ(Mimi]
マメ[Mame]
鶏Chicken
鶏肉概要
鶏の種類
【正肉】
ムネ[Mune]
モモ[Momo]
【骨付き肉・副品目】
手羽先[Tebasaki]
手羽元[Tebamoto]
ササミ[Sasami]
レバー[Liver]
砂肝[Sunagimo]
ハツ[Hatsu]
ヤゲンナンコツ[Yagennankotsu]
ヒザナンコツ[Hizanankotsu]
ツル[Tsuru]
クビカワ[Kubikawa]
サエズリ[Saezuri]
アズキ[Azuki]
背肝[Segimo]
テール[Tail]
そのほかの食肉VARIOUSMEAT
馬(うま)Horse
羊(ひつじ)Lamb.Mutton
山羊(やぎ)Chevon
鹿(しか)Venison
猪(いのしし)Boar
兎(うさぎ)Rabbit
鴨(かも)Duck
鳩(はと)Pigeon
雉(きじ)Pheasant
ダチョウOstrich
鯨(くじら)Whale
焼肉基本心得
これであなたも焼き奉行!
焼肉の焼き方・キホンの心得-
壱肉は室温にしてから焼く!
弐サシと厚みで焼き加減を変えろ!
参ホルモンは場数を踏むべし!
四迷ったら店員さんに訊け!
五ベストな打線を組み立てろ!
六塊肉には「低温調理」で挑め!
七レモンを最大活用せよ!
肉の流通
撮影協力店紹介
燒奥義
焼肉の焼き方一実践編
YAKINIQUEST焼奥義-
その1手かざし温度チェック
その2レモン直搾り
その3ブリッジ
その4リーンバック
その5 180°
その6 RRS
その7白金ルーレット
その8 Z-meat
参考文献参考URL
索引/INDEX
MEMO
「焼肉美味手帖」の使い方。
手帳サイズだから鞄の中に常備して、店での手引書、会話を盛り上げるネタ集として活用を。英語対応しているから外国人のアテンドにも便利だ。
特徴-Characteristics
それぞれの部位に備わる持ち味を簡潔に表示している。
部位マップ/階層
その部位が位置する場所をマーキング。
Detail Check!
肉の「見た目」に特化して、おいしいポイントを解説。
DATA
流通量の観点からの希少度、価格の高さ、脂ののり具合、肉質の硬さを5段階で評価。
TABインデックス
年の正肉を大きく四分割。そのページにある部位がどこに含まれるかが示されている。
牛肉コラム
牛肉にまつわるウンチクを紹介。Column披露すれば「肉通」を気取れる。
焼肉はエンターテインメント
“肉職人”が案内する知ればもっとおいしい「焼肉通」のはなし
肉で人を笑顔にしたい。私がそんな想いを抱いたのは、今から10年ほど前のこと。当時の仕事を通じて肉と深く関わるようになったのをきっかけに、「どうせなら肉をとことん突き詰めたい」と丁稚奉公さながら東京・芝浦の東京都中央卸売市場食肉市場へ通うようになりました。
全国から生きた牛や豚が運ばれて我々の口に入るべく加工される――その現場を目前にしてまざまざと実感したのは、「いただきます」とは「生きた命をいただく」という絶対的な事実。私の仕事は、その命をお客様に提供することだ、と。寿司の世界に寿司職人という言葉があるように、私は肉の世界の「肉職人」として、肉のおいしさ、焼肉の楽しさを余すところなく伝えていきたいと強く願っています。
本書には、私の経験から得られた「焼肉で幸福になるためのヒント」がたっぷり詰まっています。焼肉には、人と人を繋ぎ、人の輪を広げ、その場に笑いをもたらす力があります。この本を片手に、ぜひ焼肉のエンターテインメント性を感じていただけたら幸いです。
焼肉芝浦オーナー藤枝祐太
生きた命を余すことなく大切に頂く。
「命」のおいしさを最大限に感じてもらうべく、藤枝氏はなんと肉の部位によって異なるカットを施す。
藤枝氏の一日は肉切り包丁を研ぐことから始まる。「肉は切りたてがおいしい」と、自身の店では注文を受けてから一枚一枚丁寧にカットする。冷凍保存を一切しないがゆえに、風味は格別だ。
「肉職人」の底力を味わえる焼肉の聖地
■焼肉芝浦駒沢本店
東京都世田谷区駒沢5-16-9TEL03-5706-4129
営業時間:17:00~24:00(L.0.23:00)定休日:月曜
■焼肉芝浦三宿店
東京都世田谷区下馬1-45-6ウィスタリアプラザ2F
TEL03-6805-4129
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)定休日:木曜
■和牛食堂まるに新橋店
東京都港区西新橋2-6-1第二家ビル2FTEL03-6206-6660
営業時間:月~金11:30~14:00・17:00~24:00(L.0.23:00)
土17:00~24:00(L.0.23:00)定休日:日曜
藤枝氏の店で提供される肉は脂の融点が低い和牛雌肉のみ。人気のミスジやイチボ肉通が注目する赤身のシキンボ、希少性が高いシャトープリアンなど圧倒的な種類の部位を1枚から注文できる。焼肉ダレやホルタイダルは、もちろん無事添加。最高の牛肉を最高の状態で味わえるのだ。
牛Beef
ザブトン、トウガラシ、シンシンなどの「希少部位」。「ブランド牛」、「熟成肉」、「赤身肉」。さらには「A5」や「A4」といった「格付け」。こうした言葉が日常的に登場するほど、ここ数年、日本では空前の牛肉ブームが起こっている。その一方で、BSE問題や牛肉偽装事件など、牛肉をめぐるトラブルが世間を賑わせているのも事実である。本書では牛肉にまつわる基本のキ、部位の解説、語って盛り上がれる牛肉のウンチクを徹底的に紹介する。今こそ正しい知識を携えて、よりおいしい時間を味わっていただきたい。
意外と知らない「牛肉」の豆知識」
B.M.S.って何?
「格付け」は、今や牛肉を取り巻く流行語。B.M.S.=「ビーフ・マーブリング・スタンダード」はその一つで、赤身の内にどれだけサシが入っているかを12ランクで設定した牛脂肪交雑基準のことである。No.12が最高の脂肪交雑ランクになる。
おいしい肉の基本のキ、「和牛」の種類を心得るべし
日本で流通する牛肉には、国産牛肉と輸入牛肉がある。国産牛肉には、和牛肉とそれ以外(乳用種のホルスタイン種、ホルスタイン種の雌牛に黒毛和種の雄牛を交配して作られた交雑種)がある。以下では、我が国原産の和牛4品種を紹介。各々肉質が異なるため、好みを見つけてほしい。また、国産牛と和牛の違いについては、p.25のコラムを参照されたい。
牛の種類
黑毛和種
最も多く各地で生産されている和牛品種。毛色はやや褐色がかった黒。高い脂肪交雑能力を有することで、海外からも注目を集めている。オーストラリアで生産されていることでも話題に。
日本短角種
昨今の赤身肉ブームで熱い視線を集めているのがこれ。岩手、青森、秋田、北海道を中心に飼育。サシが少なく赤身が多いことから、グルタミン酸など旨み成分のもととなるアミノ酸を豊富に含む。
褐毛和種
ご覧のように毛色は明るい赤褐色で、「あか牛」「褐毛牛」とも呼ばれる。主な生産地は熊本県と高知県。余分な脂肪が除かれた適度な霜降りと、旨み成分を豊富に含んだ赤身のバランスが魅力だ。
無角和種
大正時代に黒毛和種とアバディーンアンガス種を交配、さらに昭和初期に改良した牛である。山口県萩市を中心に飼育。名前のとおり角を持たず、黒毛和種より濃い黒色をしている。
写真提供/独立行政法人家畜改良センター
牛肉の格付
格付は、己の好みの肉であるかを判断する「物差し」として活用すべし
焼肉店でお馴染みの「A5」や「A3」の表示。A5の肉は値段が高いからおいしいはず、でも実際はなんのことかわからない。そんな方は、「歩留等級(ぶとまりとうきゅう)」と「肉質等級」という規格を押さえていただきたい。簡単にいうと、歩留等級とは、枝肉(えだにく:生体から皮、内臓などを取り除いた状態)から無駄なく肉が取れる割合を表したもの。肉質等級とは、「脂肪交雑」、「肉の色沢」、「肉の締まり及びきめ」、「脂肪の光沢と質」の4項目から決定される評価だ。例えば脂肪を抑えて肉の旨みを楽しみたい場合は、敢えて「A3」を選択する。そんなことができれば、一人前の「肉通」と言えよう。
専門検査官によって厳格に格付判定された枝肉には、該当ランクのスタンプが押されて競りにかけられる。
歩留等級は3段階で決定。等級が低いということは自ずと痩せていてサシが入っている可能性が低くなり、高級牛肉と評価される見込みが薄くなる。かといって等級が高い肉のすべてに豊かなサシが入っているとも限らないことも覚えておこう。
例えば、
脂肪交雜…5
色の色沢…5
肉の締まり及びきめ…4
脂肪の光沢と質…5
⇨最終的な肉質の等級は「4」となります。
歩留等級は、「ロース芯の面積」、「バラの厚さ」、「皮下脂肪の厚さ」「半丸枝肉の重量」の4項目の数値を計算して、その総合的な判定結果を5段階で表示。実際の格付は上記のように歩留等級と肉質等級を連記して15段階で表示される。
等級 | 步留基準数值 | 歩留 |
A | 72以上 | 部分肉歩留が、標準より良いもの |
B | 69以上72未満 | 部分肉歩留が、標準のもの |
C | 69未満 | 部分肉歩留が、標準より劣るもの |
A | A 5 |
A 4 |
A 3 |
A 2 |
A 1 |
B | B 5 |
B 4 |
B 3 |
B 2 |
B 1 |
C | C 5 |
C 4 |
C 3 |
C 2 |
C 1 |
牛肉の安全
食の安全神話が崩壊しつつある今、欠かせない「牛トレーサビリティ制度」
食品偽装が大きく社会問題化した昨今。加えてBSEの発生など、牛肉を取り巻く環境はとかく騒々しい。安全がいかにして守られているかを理解することは、これからの時代に必須のスキルだ。
さて、国が実際に行っている具体的な措置はなんぞアという話だが、「牛トレーサビリティ制度」はその重要な取り組みの一つ。牛一頭一頭に個体識別番号を付与することで、牛が飼育されてから店舗に並ぶまでにどのような飼料を与えられていたか、生産者は誰かなどを追跡できるようになっている。食品のリスクコミュニケーションを体系化したツールとして、ますます重要性を帯びてくるにちがいない。
国内で飼育されるすべての牛の両耳には10桁の個体識別番号を表示した「耳標(じひょう)」が装着される。
小売店に並ぶ牛肉のパッケージには、個体識別番号を印字したラベルを貼ることが義務付けられている。
日本におけるBSE対策は?
日本では’01年にBSE(牛海綿状脳症)感染牛が確認されてから、食肉処理施設における特定危険部位の脱去、スクリーニング検査、飼料規制などの措置が取さい。ている。特に重要視されているのが飼料規制。BSEの伝達因子と考えられている「異常プリオン」を排除するために、牛由来の肉骨粉の利用と海外からの輸入が全面的に禁止されている。現在では、BSE発生のリスクは大幅に減少。日本の対策は国際的にも高く評価されている。
参考資料/公益社団法人日本食肉協議会「食肉の知識」
牛一正肉
牛を食肉処理し、内臓および四肢、頭、尾を切り離したものを「枝肉(えだにく)」といい、ここから取れる肉を「正肉」(しょうにく)」と呼ぶ。枝肉は農林水産省が承認している「牛部分肉取引規格」に基づいて分割され、更に細分化される。この本では分割単位ごとの肉の特性を踏まえながら各部位を紹介していきたい。
4つの大分割と13の部分肉
枝肉はまず大きく4つの部位一「まえ」「ロイン」「ともバラ」「もも」に分割される(大分割)。そこから13の「部分肉」に分けられ、更に細かく分割された肉が精肉店や焼肉店の店頭に並ぶことになる。以下にその大まかな図を示した。
牛肉部位図(正肉)
●まえ
牛の前半身部分。細かな筋肉が密集しているので赤身から霜降りまで様々な肉質の部位が入り組んでいる。なお本書では「ネック」および「すね」の部分肉は取り扱っていない。
●もも
牛の後ろ半身。脂の乗りが少なくやや硬めの肉が中心だが、昨今の赤身肉人気でがぜん注目を浴びている部位。なお本書では部分肉「すね」は取り扱っていない。
●ロイン
牛の背中、肩甲骨の下あたりから腰にかけての部分。柔らかく、ステーキに適した肉が取れる。一般的に牛肉の部位としては最も人気が高い肉が集結している。
●ともバラ
牛のお腹側の肉。あばら骨周辺の肉なので「バラ」と呼ばれる。肉質は硬めで甘い脂が豊富に入り込む部位なので焼肉で食すのに適している。特にタレとの相性がよい。