観光経営学 (よくわかる観光学)

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観光経営の在り方がよくわかる

各種観光関連サービスの経営を解説する教科書です。観光産業の経営人材養成に役立ちます。何らかの意味で楽しみを目的とする旅行を意味する観光は、国際的にも国内的にもますます盛んになっています。観光学を学ぶ学生,および観光に関連する実務者にお勧めしたい一冊です。

岡本 伸之 (著)
出版社 : 朝倉書店 (2013/10/15) 、出典:出版社HP

編集者 岡本伸之帝京大学経済学部
執筆者
岡本伸之 帝京大学経済学部 (1章)
矢ケ崎紀子 首都大学東京都市環境学部 (2章)
奖“裘 帝京大学经济学部(3章)
篠崎 宏 株式会社JTB 総合研究所 (4章)
大谷新太郎 阪南大学国際観光学部 (5章)
柳田義男 杏林大学外国語学部 (6.1 節)
西村剛 株式会社 ANA 綜合研究所 (62節)
野口洋平 杏林大学外国語学部 (7章)
帝京大学经济学部 (8章)
丹治朋子 川村学園女子大学生活創造学部 (9章)
古本泰之 杏林大学外国語学部 (10章)
後藤克洋株式会社 KPMG FAS (11章)
山口有次 桜美林大学 不久了不下学群 (12章)
金 蘭正 鈴鹿国際大学国際人間科学部 (13.1 ~13.3節)
産 錦珍九州国際大学国際関係学部 (13.4~13.5節)
福島規子 九州国際大学国際関係学部 (14.1~14.2 節)
美 聖淑 帝塚山大学经管学部 (143節)
鈴木涼太郎 相模女子大学学芸学部 (15章)
執筆順 ( )は執筆担当

はじめに

何らかの意味で楽しみを目的とする旅行を意味する観光は,国際的にも国内的にもますます盛んになっている.その結果,現在では観光が政府の成長戦略の一翼に位置づけられるなど,その経済的重要性が高まり,企業経営や地域経営の分野で観光経営の在り方に関心が寄せられるようになった観光経営人材の育成が喫緊の課題とされるわけであるが,こうした社会情勢の変化を背景として,わが国でも観光を研究・教育の対象とする大学の数が,半世紀前の状況を知るものとしては,急増したとの印象を持つ。しかし,観光が今後の成長分野であることを万人が認めるなかで,これは当然の成り行きといえよう。
本書は,上記のような背景の中で、4年制大学レベルにおける観光経営の入門書としての役割を発揮させることを意図して編んだ。大学における観光経営教育の使命は,社会現象としての観光が生起する原因と結果,その因果の連鎖を学生に理解させることである。その上で,観光のさらなる健全な発展を実現するための知識・技能・経験を自主的に身に付けさせる必要がある.そのためには,大学としても学びの場をインターンシップなどによって観光の現場に拓いて,学生の創造的な勉学意欲を引き出す必要がある.
観光経営を専攻する学生の多くは,観光関連の各種事業活動を担う多方面の企業や,地域において観光まちづくりを担う各種事業主体を卒業後の進路として選択するものと期待される.実際の選択の対象は,観光とは無縁に見える進路が有り得るが,現代社会においては観光と無縁の企業など存在しえないともいえる。このような状況では、どのような進路を選んだとしても観光産業の新たな発展を担う可能性がある。学士の学位を取得するまでには、観光が直面する諸問題の解決と諸課題の達成に資する知見を幅広く、しかも掘り下げて修得することによって,各人の就業力としてほしい、
本書は,上記のような問題意識に基づいて,『観光経営学」の標題のもとで,観光に関わる各種事業活動の経営の側面に関連する論考を収録したものである.各章の「観光経営の基礎」,「観光政策・行政」,「観光まちづくり」「観光行動と観光市場」,「ICT革命と観光産業」,「交通産業経営」,「旅行産業経営一旅行業の近未来」,「宿泊産業経営」,「外食産業経営」,「博物館と美術館」,「ホテルアセットマネジメント」,「集客戦略」,「観光産業の人的資源管理」,「接遇と顧客満足」,「ポストモダンと観光」といった標題から本書の概略を推量してほしい.
それぞれの章の執筆者には,編者の責任で適任者を選んだ.各執筆者は朝倉書店編集部の適切な指導に従って,極力読みやすい教科書となるよう努めた.

2013年8月
岡本伸之

岡本 伸之 (著)
出版社 : 朝倉書店 (2013/10/15) 、出典:出版社HP

目次

1. 観光経営の基礎
1.1 観光事業の経営特性
1.2 事業分野と経営課題
1.3 観光事業の経営戦略
2.観光政策・行政
2.1 基本法、関連法令
2.2 重点施策
2.3 推進体制(観光庁および関連団体)
3. 観光まちづくり
3.1 観光まちづくりの起こりと意義
3.2 持続可能な観光まちづくり事業体から観光まちづくりプラットフォームへ
3.3 観光まちづくりの段階的展開手法と今後の展開方向
4. 観光行動と観光市場
4.1 観光行動の3つの特性
4.2 データから読み取る観光市場
4. 3観光産業の市場戦略
5. ICT革命と観光産業
5.1 観光におけるICT 革命の影響
5.2 観光を構成する各要素におけるICT革命の影響
5.3観光産業とICTをめぐる動向と展望
6. 交通産業経営
6.1 鉄道事業
6.2 航空事業
7. 旅行産業経営——旅行業の近未来
7.1 旅行業の機能と役割
7.2 パッケージツアー
7.3 旅行業の新たな展開
8. 宿泊産業経営
8.1 宿泊産業の概要
8.2 ホテル業の経営特性
8.3 旅館業の経営特性
8.4 宿泊産業の展望と課題
9. 外食産業経営
9.1 外食産業の市場構成
9.2 チェーンレストラン経営
9.3 外食産業の現代的課題
10. 博物館と美術館
10.1 博物館・美術館の概要
10.2 博物館・美術館を取り巻く状況
10.3 観光地における博物館・美術館の役割
10.4 特色ある事例
10.5 今後の課題
11. ホテルアセットマネジメント
11.1 ホテルアセットマネジメントの歴史
11.2 ホテルアセットマネジメントの組織と機能
11. 3日本のホテルアセットマネジメント形成の背景
11.4 ホテルアセットマネジメント発展への課題とチャレンジ
12. 集客戦略
12.1 集客の捉え方
12.2 集客方法の考え方
12.3 集客戦略の重要ポイント
13. 観光産業の人的資源管理
13.1 人的資源管理とは
13.2 観光産業の人的資源管理の特徴
13.3 柔軟性理論(人件費の変動費化)
13.4 感情労働とは
13.5 感情労働と組織管理
14.接遇と顧客満足
14.1 日本のおもてなし
14.2 向社会的行動と配慮行動
14.3 顧客満足とは
15. ポストモダンと観光
15.1 現代観光とポストモダン
15.2 ポストモダンをめぐる諸議論
15.3 観光のモダンとポストモダン
15.4 テーマパーク化する消費空間と「ツーリズムの終焉」
15.5 ポストモダン観光論の限界と観光経営への示唆
索引

観光経営の基礎
1.1 観光事業の経営特性

岡本 伸之 (著)
出版社 : 朝倉書店 (2013/10/15) 、出典:出版社HP