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3つの観点で学ぶ

観光学の初歩の初歩を、経営、地域再生、文化の三つの観点からわかりやすく紹介しています。観光についての基礎的かつ包括的な学習に資することを企図した構成となっており、観光について学ぶ学生は もちろんのこと、観光に関心がある一般の方にも読みやすい内容となっています。

大橋 昭一 (編集), 山田 良治 (編集), 神田 孝治 (編集)
出版社 : ナカニシヤ出版 (2016/12/25) 、出典:出版社HP

はしがき

日本では、2003年に観光立国を宣言して以降、本格的に外国人の訪日観光客増加を目指すようになり、2006年には観光立国推進基本法を制定し、2008年には観光庁も設立している。こうした動きは、グローバル化が進展する現代社会において、観光が重要な産業として位置づけられるようになったことによるものである。また観光立国推進基本法においても謳われているように、観光は地域の活性化にあたって大きな役割を果たすものとして社会的に位置づけられるようになっている。くわえて、グローバルな観光客の移動にともない、異なる文化の出会い・交流が活発になっており、かかる点への対応や理解も重要な問題となっている。
こうした社会状況に対応して、日本においても多くの大学で観光関連学部学科の設置がなされてきた。そして、学問としての観光学の深化を図るとともに、観光産業、観光を通じた地域再生のあり方、そして観光と文化の関係性に関する検討が加えられ、多くの教科書も出版されるなかで、観光教育の充実が図られてきた。しかしながら、上述の内容を初学者向けに包括的に紹介する書籍は、管見の限りいまだ出版されていない。

そこで本書は、第I部において観光現象および観光学の概要を解説し、第II部で観光の経営について、第II部で観光による地域再生について、そして第IV部で観光と文化について、具体例を挙げながら解説することにした。こうした構成をとることにより、観光についての基礎的かつ包括的な学習に資することを企図したのである。観光について学ぶ学生はもちろんのこと、観光に関心がある一般の方も、まずは本書を読むことで、観光および観光学の基礎知識を身につけていただきたい。そして、そこで興味を持った内容に関してさらに深く探究することを通じて、より人生を豊かにしていただくことを、編者一同、切に希望している。
最後に、本書の出版にあたって、ナカニシヤ出版の酒井敏行氏にご尽力いただいたことに謝意を表するとともに、和歌山大学観光学部。助成を受けたことを附記したい。

2016年11月
大橋昭一・山田良治・神田孝治

大橋 昭一 (編集), 山田 良治 (編集), 神田 孝治 (編集)
出版社 : ナカニシヤ出版 (2016/12/25) 、出典:出版社HP

目次

はしがき
第I部観光と観光学
1.観光とは何か(大橋昭一)
2.観光の歴史とその特徴(神田孝治)
3.観光学と観光教育(山田良治)

第Ⅱ部 観光の経営について学ぶ
4.観光と経営(竹林浩志)
5.旅行産業 (廣岡裕一)
6. 宿泊産業(竹田明弘)
7.観光人材(竹林 明)
8.観光統計(大井達雄)
9.観光マーケティング(佐野 楓)
10.観光とブランド (佐々木壮太郎)
11. 観光とコンテンツ (出口竜也)
12.観光と技術革新(尾久土正己)

第Ⅲ部 観光による地域再生について学ぶ
13. 観光と地域再生 (大浦由美)
14.観光と地域プロデュース (木川剛志)
15. 観光とまちづくり (堀田祐三子)
16.域学連携と地域再生 (上野山裕士)
17.都市農村交流と観光(藤田武弘)
18. 森林とレクリエーション(大浦由美)
19.観光と景観(永瀬節治)
20. ジオツーリズム(中串孝志)
21. アーバンツーリズム (堀田祐三子)

第Ⅳ部 観光と文化について学ぶ
22. 観光と文化(神田孝治)
23. 観光とイメージ(長坂契那)
24.観光と感情·(伊藤央二)
25. 観光とサステナビリティ(加藤久美)
26. 観光とジェンダー(吉田道代)
27. 観光と翻訳(竹鼻圭子)
28.観光と異文化間コミュニケーション(東悦子)
29.観光とデザイン (北村元成)
30. 観光と宗教(森正人)

人名索引
事項索引

大橋 昭一 (編集), 山田 良治 (編集), 神田 孝治 (編集)
出版社 : ナカニシヤ出版 (2016/12/25) 、出典:出版社HP