医者が教える 小林式 お風呂健康法

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入浴で体調管理をする方法

医者である筆者が医学的見地に基づき考案した「バス・ストレッチ」が紹介されているだけでなく、なぜ入浴で体調管理ができるのかという点に関する論理的な説明もあり、知識を深めることにもつながります。本書で述べられている入浴法を実践することで、入浴の素晴らしい健康効果を最大限に享受できるようになります。

小林 弘幸 (著)
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81x3EPU-hQL.jpg、出典:出版社HP

 

この本は縦書きでレイアウトされています。
また、ご覧になる機種により、表示の差が認められることがあります。

本作品を電子書籍版に収録するにあたり、一部の漢字が簡略体で表記されている場合があります。

はじめに

お風呂で体調管理できるなんて誰も思っていなかった

「お風呂に入ると疲れが取れる」これは、誰もが実感していることだと思います。
ところが、翌朝になると、もうだるい。
肩や腰も痛むし、根本的な「疲れ」と「痛み」が取れない。そう感じている方が多いのではないでしょうか。
私自身も、慢性的な疲れと痛みに悩まされています。
私は毎朝5時に起きます。そして少し仕事をした後、7時過ぎに家を出て大学の研究室へ向かいます。すると、この時点ですでに疲れています。かばんは重いし、横断歩道を小走りで渡っただけで、もうぐったり。学生時代に負った怪我の後遺症で、節々が痛むこともあります。
そんな私が大切にしているのが、お風呂です。
慌ただしい一日を終えてお風呂に入るひとときは、まさに至福です。疲れやストレスが溶け出していくような心地よさがありますし、体の痛みも和らぎます。
しかし、先述したように、しばらくするとまた「疲れ」と「痛み」に襲われます。
けれども、それを不思議に思うことはありませんでした。なぜなら、毎日忙しく働いているのだから、疲れるのは当然です。痛みに関しても、後遺症以外に、肩や腰も痛みますが、デスクワークが多いのだから仕方がない。そう思っていました。
つまり、慢性的な疲れや痛みをどうにかしたいけれど、その方法として「お風呂」を思い浮かべることはなかったということです。
みなさんもそうではないでしょうか。
お風呂は、体を清潔にするのはもちろんだけど、気持ちがいいから入る。そういう認識だと思います。
だから、5分で出ることもあるし、長風呂をすることもある。そのときの気分や時間的制限に応じて「ただ入っているだけ」であり、お風呂で体調管理をしようなんて、誰も思っていません。
しかし、結論から言うと、お風呂で体調管理をすることは可能です。
それどころか、お風呂は自分でできる唯一の治療だと言っても過言ではないのです。

入り方を変えるだけで、毎日のお風呂タイムが「治療」になる

私がお風呂の健康効果を意識するようになったのは、つい最近のことです。
私は歳で留学から帰ってきて、それから教授になるまでの2年間は、手術のことしか頭にありませんでした。言い方を変えると、手術のことさえ考えていれば、医師としての仕事を全うできました。
ところが、最近は役割が増えました。診療はもちろん、研究、学生への指導、講演会、本の執筆などのほか、医師会の理事やスポーツ庁の参与としての務めなどもあります。忙しすぎて、常に地に足がついていない感覚です。
そんな日々において、唯一心休まる場所がお風呂です。
お風呂に入っているときが一番、俗世間から離れられるというか、本当の自分に戻って、リセットできるような気がします。だから、時間がなくてお風呂に入れない日があると、調子が狂ってしまいます。
しかし、この、
「お風呂に入らないと、調子が狂う」
という気づきが、私に新しい発見をもたらしました。
調子の悪さ、すなわち、だるい、痛い、やる気が出ないなどの不定愁訴は、私が研究をしている自律神経と深いかかわりがあるからです。
「自律神経という観点から、お風呂の健康効果にアプローチできないだろうか?自律神経のバランスを整えるお風呂の入り方を追求すれば、多くの人が悩まされている、慢性的な疲れや痛みを改善できるに違いない」

その考えを元に、執筆することになったのが本書です。
実際、お風呂の健康効果は医学会でも近年注目を集めており、「毎日入浴する人は、そうでない人に比べて要介護になるリスクが3割低い」「週に5回以上入浴する人は、心臓や血管の状態がよい」など、さまざまな研究結果が報告されています。
日本人はもともとお風呂が大好きで、お風呂が体にいいことを体感として知っています。それにもかかわらず、その素晴らしい健康効果を最大限に享受しようとしていません。
しかし、それは非常にもったいないことです。せっかく毎日お風呂に入っているのだから、よりよい方法を採用しない手はないでしょう。
そこで私は、医学的見地に基づき「究極の入浴法」を検証しました。
「究極の入浴法」というのは、健康効果を最大限に高める入浴法のことです。もちろん、「熱いお湯につかるのはダメ」「水分補給をしっかり」というようなことは、みなさんもすでにご承知だと思います。しかし、それは、命を守るという必要最低限のものであり、「どうすればもっと健康になれるか?」という積極的な視点によるものだとは言えません。
私が本書でご紹介する「究極の入浴法」は、より能動的で総体的なもの。「お風呂に入っている間だけ気持ちがいい」のではなく、「お風呂に入っているときはもちろん、お風呂に入っていないときも、疲れや痛みがない体」を目指すものです。
それを叶えるカギは、「自律神経」と「腸」にあります。実は、これらを一気に整えるために有効なのが、お風呂に入ることだからです。
さらに、入浴中に実践することで相乗効果をもたらすストレッチ、名付けて「バス・ストレッチ」を考案しました。
入浴中に血流がよい状態でバス・ストレッチを行うことで、運動効率が上がり、体幹が鍛えられ、さらには自律神経のレベルが向上し、日常生活において疲れにくくなるという効果が期待できます。しかも、浮力がある状態で行うので、とてもラクにできます。何より、気持ちがいいのが特徴です。
毎日、自宅で、お金をかけずに、しかも気持ちよく「治療」ができる。入り方をちょっと変えるだけで、いつものお風呂タイムが治療になるのです。名付けて「小林式お風呂健康法」。
本書によって、あなたのお風呂タイムがより心地よくなり、日々の生活が活力にあふれ、人生がより素晴らしいものになることを願っています。

小林 弘幸 (著)
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81x3EPU-hQL.jpg、出典:出版社HP

 

目次
医者が教える小林式お風呂健康法

はじめに
お風呂で体調管理できるなんて誰も思っていなかった
入り方を変えるだけで、毎日のお風呂タイムが「治療」になる

目次
第1章 なぜお風呂で「疲れ」と「痛み」のない体を作れるのか?
理由もなく「疲れが取れない」「痛い」ということはない
慢性的な痛みや疲れのカギを握る「血流」
自律神経のよしあしは、「バランス」と「レベル」で決まる
大切なのは、乱れたバランスをいかに整えるか
女性は40歳を境に、副交感神経のレベルがガクンと落ちる
入浴すると、熱+水圧作用で血流がアップ!
規則正しい生活=自律神経のリズムに沿った生活
入浴で副交感神経のスイッチを押すと好循環が始まる
深い呼吸と笑顔で、さらに血流がよくなることは証明済み!
入浴は「腸」を整えて、血液の「質」も高める
脳や心に影響を与える、腸の意外な実力
自律神経と腸の機能を最大限アップさせるには
1章のポイント

第2章 小林式究極の入浴法とは?
「疲れ」と「痛み」がない体を作る究極のお風呂の入り方
STEP1湯船につかる(全身浴で約1分)
STEP2バス・ストレッチを行う(半身浴で約10分)
①側面伸ばし
②肩甲骨開き、
③首回し
④肩ほぐし
⑤上半身ひねり
⑥脚曲げ伸ばし
⑦足首パタパタ
⑧腸マッサージ
STEP3瞑想をする(半身浴で約3分)
2章のポイント

第3章「小林式お風呂健康法」はこんなにすごい!
エビデンスが続々!入浴の驚くべき健康効果
お風呂は身近なパワースポットでもある
バス・ストレッチは自律神経にアプローチする特別なストレッチ!
血管をダイナミックにマッサージする動的ストレッチ
筋肉を効率よく使えるようになるとエネルギーの無駄使いもなくなる
「入浴」×「パス・ストレッチ」はラクで気持ちがいいから続く
呼吸を意識することで呼吸筋が鍛えられる
お風呂で邪念も洗い流す
慌ただしい毎日であるほど、心と体を律する時間が必要
3章のポイント

第4章 もっと楽しく健康に!お風呂タイムを充実させるQ&A
Q夜、どうしても入浴できないときはシャワーでもいい?
Q健康になれる、朝のシャワーの浴び方は?
Q冷え性だから、半身浴だと寒い!
Qお風呂でのんびりするのが好き。長風呂でもいい?
Q温泉やスーパー銭湯でも、同じ入り方でいい?
Q入浴しないほうがいい人や場合は?
Q水分補給って、何をどれくらいがいいの?
Qおすすめの入浴剤は?
Q自律神経にいいお風呂の環境は?
Q帰宅するのが遅くて、「夕食の約1時間後」「就寝1~2時間前」を守れない
Qお風呂上がりに気をつけることは?
Q自分に合う入浴法を見極めるには?
4章のポイント

おわりに
大学時代、ラグビーでの負傷時に感じた「お風呂は究極の幸せ」

お風呂に入っているときだけ気持ちがいいのではもったいない。「小林式お風呂健康法」で人生を灰色にする「疲れ」や「痛み」と一生、無縁な体を作りましょう!

小林 弘幸 (著)
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81x3EPU-hQL.jpg、出典:出版社HP