ハック思考〜最短最速で世界が変わる方法論〜 (NewsPicks Book)

【最新 グロースハックについて学ぶためのおすすめ本 – 基本知識から成功事例まで】も確認する

ハック思考が身につく

創業2年半で顧客売上を240億も増やしたスーパーグロースハッカーの初の著書です。グロースハックの基本を学び、その思考法を身に付けることで売上やPVアップ、退会率の減少などビジネスにおける成果を劇的に上げることができます。

須藤 憲司 (著)
出版社 : 幻冬舎 (2020/3/18)、出典:出版社HP

CONTENTS

◆3分でわかるこの本の概要
■Rule
■Hack
■HOW?
■Know-how
■Knack
■Experience

◆はじめに なぜあなたが世界をHackする必要があるのか?
■日本が直面する3つの問題点
■不確実な未来を生き残る知恵
■WHY?
■Solution
■Hackすることは新時代を生きる知恵
■鬱屈とした現状を打破する「ハッカー・ウェイ」
■成長を加速するマインドセットと方法論

第1章 世界をHackするための2ステップ
■偉人のマンガで見つけた世界をHackする方法
■Hackするとはどういうことなのか?
■世界を違った目で見ることで、世界を変える
■世界をHackして、事業を改善する事業
■あなたを助けてくれる究極のスキルは何か?

第2章 真の因果の見つけ方
■観察、考察、推察、洞察という4つの察する力
■ニュートンはなぜ万有引力を発見できたのか?
■子供のときの好奇心「Sense of wonder」を取り戻す
■なぜ取り組むべき問題を間違えてしまうのか?
■売れるから良い売り場か? 良い売り場だから売れるのか?
■Hackするためにはアンバランスこそ重要
■あなたが悪戦苦闘している問題は、果たして本当に問題なのか?
■具体的に行動に移すための皮膚感覚としての知恵

第3章 “視点、の引き出し
■3つのメガネをかけ分ける
■教科書に学ぶ最強のビジネスモデル
■ビジネスモデルとして優れているとは何か?
■面接で話した「リクルートの売上を3兆円にする方法」
■決済の重要性 マイクロクライアントの台頭
■個人情報を積極的に売れ!
■未来を予測する方法

第4章 “方法、の引き出し
■構造とメカニズムを理解する
■言葉のHack
■キング牧師の演説の真相
■身体性のHack
■われわれは、雰囲気で理解を開始し、コピーで理解を完了する
■お金と時間のHack
■250億円使って見えてきたこと
■マーケティングはプレイスがすべて
■流通戦略を中心にしたお金の使い方
■お金と時間を事業成長に転換
■時間の使い方がギアを決める
■インプットの量と質、意識と無意識
■より有限なもの、より稀少なものから考える
■組織のHack
■1時間で学ぶ、責任者がやること
■採用で70%が決まると思え
■2階層つくれたらあとは同じ
■自分のメッセージを絞る
■自分の認知のHack
■良い採用ができないという嘘
■ちゃんと諦めているか
■認知の壁
■CEOに採用権限がなくなった
■従業員一人の10%のほうが、はるかに重要
■挑戦が体験に、体験が経験に

第5章 “勇気“の引き出し
■経験を通じて思い切りを培う
■事業計画が達成できない
■あるべき方向へ世界は落下している
■目標や計画を達成するよりも大切なこと
■仕事が、環境が、人が、人を創る
■逆境をどう過ごすか? 逃げない、拗ねない、諦めない
■企業の存在意義
■理想の会社をつくりたい
■自己組織化する組織を目指す
■全裸経営
■好かれる会社でありたい
■会社にまた行きたい! と子供が思ってくれることの意味
■組織図が逆ピラミッドに
■自己組織化の要点は何か?
■不完全な器をつくり、そこにいる人が余白を埋める会社を目指す
■成功や失敗がわかる前進が善
■行動しないリスクは大きい
■未来なんてわからない
■なぜドラクエの主人公は勇者なのか?

第6章 人生の出来事すべてが引き出しになる
■観を鍛える
■スタートアップ経営者が失敗から得た5つの学び
■個人エンパワーメント時代の経営
■問いを経営の中心に
■問いの質を高めるためには、質の高いインタラクションが必要
■Cogito ergo sum
■経営は自己学習するプログラム
■不確実な未来を見通す知恵
■小さく悩むな、大きく悩め

◆最後に

○巻末付録 ケーススタディ

ブックデザイン
トサカデザイン(戸倉 巌、小酒保子)

イラスト
片山由貴

図版製作
美創

ブックライティング
篠原舞

編集
篠原舞
山口奈緒子
箕輪厚介

ハッカー
坪田信貴

須藤 憲司 (著)
出版社 : 幻冬舎 (2020/3/18)、出典:出版社HP

3分でわかるこの本の概要

われわれを取り巻く世界のルールは非常にシンプルにできています。
仕事も、勉強も、スポーツにおいても、皆がかけがえのない人生の時間や時にお金を投じて、何らかの成果を得ようとしています。
個人だけでなく、法人だって同じように、従業員の時間とお金を投じて何 らかの成果を得ようとしていることには変わりはありません。

Rule 世界のルール

同じインプットから大きな成果を得られるように転換効率を劇的に高めることをハックと呼びます。
この本では、どうやってあなたが世界をハックして、最短最速で成果を劇 的に高めるか? について、書いていきたいと考えています。

私自身、これまで自分の周りの世界をハックして、身の丈以上の成果を得てきました。

Hack
Hackとは

ハック思考で実現したトラックレコード
(会社員時代)
・雑誌の部数が毎年10%落ちている時代に、担当していた30誌の販売部数を2年連続で昨対30%伸ばす
・20万UUくらいのサイトを4ヶ月で500万UUに増やす
・新規事業を立ち上げ、4年間連続で売上2倍成長(2×2×2×2=16倍に)
・4種類ある全社表彰(大手営業、イノベーション、新規事業、経営論文)をすべて獲得
・リクルート史上最年少執行役員に(当時) (その後退職し、シリコンバレーで起業)
・退職するとSNSで告知したら、Google、楽天、ヤフー、KDDIをはじめ、様々な企業から勉強会の依頼が殺到
・起業時に30社のVC(ベンチャーキャピタル)が出資に手を挙げる
・資金調達を累計34億円以上実施
・JAL、ネスレ、クレディセゾンなど国内外500社以上の大企業が次々と、事業を成長させるために開発したサービスを導入
・創業から3年でお客様の売上を総計約240億円伸ばす
・毎年50以上の経営会議に呼ばれ、アドバイスを求められる

多分にチームや仲間があってのことだから、自分一人で出した結果ですと は到底言えませんし、もちろん幸運も偶然もありますけれど、単なるラッキーだけでもありません。 自分の周りの人たちに働きかけ、影響を及ぼすことで、こんなことが実現しました。

僕自身がどうやって世界をハックする方法を見つけたのか?
それを使って、どうやってビジネスをハックし、成長をハックしてきたの か? をお伝えしたいと考えています。

世界をハックするのに複雑なプロセスは必要ありません。
人と違う規則性や法則を見つけて、……①
その規則性や法則を構成するシステムのスキマに介入する。……②
というたった2つのステップで実行できます。

例えば、「エレベーターの待ち時間をどのように最小化するか?」という有名な問題があります。

話の舞台は、ある大きなオフィス・ビル。

HOW?
たった3つのステップで世界を Hackできる

そのビルの管理会社は、「ビルに設置されたエレベーターの待ち時間が長い」と借主から多くのクレームを受けていました。

困った担当者は、エレベーター・システムの設計の専門家を呼んで、実態を調べることにしました。
専門家たちは、詳細な分析を行った結果、下記の解決策を提案しました。

1)エレベーターの増設
2)より高速なエレベーターへの機種変更
3)新たに開発されたエレベーター制御装置の設置

要するに、専門家たちは、大幅なコストをかけない限り、クレームの解決 は行えないことを明らかにしたわけです。 同時にその投資費用は、このビルの収入からすると大きすぎて回収できないことも発見し、この問題は、完全に「デッドロック」したかに見えました。

は、部下を招集し、この事態について相談しました。
長時間の会議が開かれ、皆が疲れてきた頃、それまで口を開かなかった新人が、おずおずと一つの提案を行いました。

「各階のエレベーターの前に、大きな鏡を置きませんか?」
すると2週間後、エレベーターに対するクレームは、一件もなくなったので

さて、ここで皆さんに、考えていただきたいのです。
なぜ、「エレベーターの前に鏡を置くこと」で、「エレベーターの待ち時間を減らす」という「問題」が「解決」したのか。
それは、「エレベーターの前に置いた鏡によって、エレベーターを待っている人が、そこを覗き込み、身だしなみを整えたり、後ろにいる魅力的な異 性に目をやったりする時間が増えたから」です。

その結果として、「エレベーターの待ち時間」——正確に言うならば、 「エレベーターの待ち時間として認識される時間」は、激減することになりました。
つまり、「鏡を置くこと」で、「エレベーターの待ち時間はまったく変わっていない」のにもかかわらず、その時間を「待ち時間」として認識しなく なった、ということになります。
かくして「問題」は解決されたというものです。

つまり、そもそもの問題は、「待ち時間」そのものよりも、「待っている担当者は、部下を招集し、この事態について相談しました。 長時間の会議が開かれ、皆が疲れてきた頃、それまで口を開かなかった新 人が、おずおずと一つの提案を行いました。
「各階のエレベーターの前に、大きな鏡を置きませんか?」 すると2週間後、エレベーターに対するクレームは、一件もなくなったので
さて、ここで皆さんに、考えていただきたいのです。 なぜ、「エレベーターの前に鏡を置くこと」で、「エレベーターの待ち時 間を減らす」という「問題」が「解決」したのか。
それは、「エレベーターの前に置いた鏡によって、エレベーターを待って いる人が、そこを覗き込み、身だしなみを整えたり、後ろにいる魅力的な異 性に目をやったりする時間が増えたから」です。
その結果として、「エレベーターの待ち時間」——正確に言うならば、 「エレベーターの待ち時間として認識される時間」は、激減することになり ました。
つまり、「鏡を置くこと」で、「エレベーターの待ち時間はまったく変わ っていない」のにもかかわらず、その時間を「待ち時間」として認識しなく なった、ということになります。 かくして「問題」は解決されたというものです。
つまり、そもそもの問題は、「待ち時間」そのものよりも、「待っていることを認識している時間」だったということになります。
問題の所在を何に置くか? によって、解決方法は大きく変わってきます。
このケースでは、低コストでの問題解決が可能になったということになります。

世界をHackするためのたった2つのステップ
→世界を違った角度から見つめ、他人が気づいていない規則性や法則に気づく
→その規則性や法則を構成するシステムのスキマに介入する

先ほどのエレベーターの例を基に世界をHackする2つのステップについて考えてみましょう。

・因果関係を疑い、真の因果を解明するステップ
(待ち時間が長いから、クレームが起きている→待っていることを認識している時間が長いから、クレームが起きている)
・その規則性や法則を構成するシステムのスキマに介入してハックする (他に暇つぶしになるもの=鏡を置いて、待っていることを認識する時間を減らす)
ということになります。
やっていることは非常にシンプル。むしろくだらない。なのに効果的。
これが、ハックの威力です。
「極めて少ない労力とコストで大きな成果をあげる」、これをいかに実現するか? が本当の知恵の絞りどころなわけです。
エンジニアでなくても、特別な才能がなくてもできて、仕事・勉強・スポーツ・恋愛・子育てなど様々な領域で活用することができます。
皆さんも、一見くだらない方法で成果が劇的に変わるのであれば、やって みたいと思いませんか?
Know-how
レオナルド・ダ・ヴィンチもメカニズムを見つけて、
そのシステムのスキマに主題を表現し世界を Hackしている

先ほどくだらないという言葉を使いましたが、この規則性や法則を見つけ て、それを構成するシステムのスキマに介入するということは、ずーっと昔 から使われてきた手法です。
例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチも人体のメカニズムを理解することで、人体そのものの描き方から建築物の構造や遠近法にまで応用していたこ とは、大量に残されていたcodex(手稿)からわかっています。
このメカニズムを活用して、どのように主題を最大限に伝えるか? を試行錯誤していたんですね。優れたアートの前に、優れた人間理解があったものと推察されます。

そして、ハックしていく際に重要なのは、知識や技術や理論以上に、このような実際の経験やトライアンドエラーを通じて身につけた暗黙知や皮膚感覚だと考えています。自分で経験して身につけた感覚に勝るものはありません。

Knack
技術や理論より、
暗黙知や皮膚感覚が重要

天才と言われたレオナルド・ダ・ヴィンチですら、努力を通じて偉大な作品にたどり着いているわけです。
次に、日本が誇る天才、葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(図版 1)を見てみましょう。
海外では「The Great Wave」と呼ばれるこの作品は、北斎が72歳の頃の作品です(図版1)。

須藤 憲司 (著)
出版社 : 幻冬舎 (2020/3/18)、出典:出版社HP