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『ラグビーをもっと知ろう – ラグビーがよく分かる5冊を紹介』も確認する
はじめに
ライターの福田はスポーツ好きの28才。学生時代やっていた野球が一番好きだが、サッカーもバスケも、スポーツはなんでも観るタイプだ。そして最近特にラグビーが気になっている。なにやら今年、日本でW杯がひらかれると聞いたからだ。ラグビーと言えば、2015年W杯の南アフリカ戦は観ていて、プチハマりした時期もあったのだがその後が続かなかった。でも、今年は間近で世界トップレベルの試合が観れる、またとないチャンス。もう一度熱狂できたら。そんな福田のもとにひとりの先生があらわれた――。
福田 はぁ~、やっと久しぶりの休みだ~。ゆっくりテレビを観るのも何週間ぶりだろ。お、ラグビーの日本対ニュージーランド戦?五郎丸ブームのときはちょっと観てたけど、やっぱりわからないことが多いんだよなあ。
大西 ……何がわかりませんか?
福田 びっくりした!えっ?あなたは誰ですか?
大西 はじめまして。ぼくは大西将太郎といいます。2007年W杯フランス大会にも出場し、日本の連敗記録を止めた立役者として有名です。
福田 えっ自分で有名って言っちゃった!でもすごい。何でそんな人がこんなところに?あっ、もう試合終了か。え31対69!結構点入れられたなあ。
大西 まぁ、ニュージーランドは世界一強いチームですからね。こんなもんですよ。
福田 ユニフォームが黒いから、「オールブラックス」って言うんですよね。素朴なギモンなんですけど、ニュージーランドって何でラグビーがこんなに強いんですか?
大西 ニュージーランドにとって、ラグビーは国技。何よりもラグビーというスポーツが文化として、国に根付いているんです。昔の日本の野球にあたるスポーツが、ここではラグビーと考えるとわかりやすいでしょう。ちなみにオールブラックスのキャプテンは、ニュージーランドの首相よりも有名と言われているんですよ。
福田 そんなにラグビー選手の知名度は高いんですね。じゃあ、日本全国に野球場があるように、ニュージーランドもいたるところにラグビー場があるんですか?
大西 そうですね。やっぱり芝生がいっぱいあって、ボールさえあればどこでもできる環境ですね。
福田 ぼくらが草野球をする感覚でラグビーをしているんですね。
大西 地域のクラブもたくさんあって、小学生の頃からラグビーに親しんでいます。
日本と世界との差は?
福田 小学生から?日本ではだいたい高校くらいからですよね?
大西 大多数はそうでしょう。でもぼくの地元・大阪はラグビーが盛んな土地柄でちょっとだけニュージーランドに近いかもしれません。小学生のラグビースクールもありますし、中学校でもラグビー部が結構あるんですよ。とはいえ、やはり日本とニュージーランドでは、小さい頃からボールに触れている時間が圧倒的に違う。その差ですね。彼らは楕円球を意のままに操れる。
福田 確かにニュージーランド、ハイライト観てもパス上手い!キックも完璧にコントロールしてる。なるほど、そこの経験値が違うんですね。でも、日本も世界ランキングは10位前後なんだ。健闘している方ですか。
大西 サッカー日本代表の世界ランキングが30~50位くらいなので、それと比べるとかなりいい位置にいるように見えます。でも、加盟協会の数がそもそも少ないんです。ラグビーをやっている地域はごく一部。そこは冷静に見る必要があります。
福田 じゃあ1位のニュージーランドとの差は10位くらいだけど、実際の実力差はかなり大きいんですね。
大西 はい。しかし日本代表は、2015年W杯の南アフリカ戦で「スポーツ史上ナンバーワンの大番狂わせ」を成しとげました。その試合以降、各国が日本を警戒してるのは間違いない。日本も着実に力をつけてきています。
福田 ニュージーランドを倒せる可能性はあるということか。ぼくもあの2015年W杯の南アフリカ戦は大興奮して観ましたよ。何か急にあのときの熱が戻ってきて…。そう言えば今年は日本でW杯なんですよね?大西さん、こうやって出会ったのも何かの縁です。ぼくにラグビーのいろはを教えてください!
目次 – ラグビーは3つのルールで熱狂できる
はじめに
日本と世界との差は?
Chapter1 ルール・ポジションをざっくり学ぶ
基本ルールは3つだけ!
イエローカードがあるよ
レフリーの手に注目するといいことがある
まずは、FWかBKか
身体が大きくパワフルなFW
点をとるために試行錯誤するBK
エースポジションはどこ?
ポジションの壁は溶けつつある
「キャプテン」の仕事は分散化
Chapter2 試合の攻防の流れを理解する〜攻撃編
攻撃の起点・セットプレー
セットプレーは攻撃チャンス
得点の手段と種類を整理しよう
トライをとるためには逆算して何が必要?
ボールを持った選手を孤立させてはダメ
キックの種類と効用
ペナルティゴールはトライ以上の破壊力?
パワープレーが特徴的な南アフリカ、ロシア
徹底的なキック攻撃をしかけたロシア
多彩なパスで相手陣を攻略する日本、オーストラリア
現代ラグビーは総合力の勝負
Chapter3 試合の攻防の流れを理解する~守備編
”ギャップ”をつくらないことが基本
相手を”ノミネート”、できているか?
ポジションの”ミスマッチ”は超危険!
槍で突くか、網を広げるか
必殺ワザ”カウンターラック”
Chapter4 勝敗をわける、地味だけど超重要プレー
ボール争奪戦・ブレイクダウン
攻撃と守備、どっちの人数が多い?
「背番号7」を追跡せよ
スクラムの見えないチカラ
「姿勢」が9割
Chapter5 天候、時間ごとの試合の観方
雨でも雪でも中止はほぼなし
雨の日は、キックが多くなる
日本代表にとって、雨は不利?
時間稼ぎもラクじゃない
取り締まる反則がある
ダラダラやってるとレフリーが注意する
Chapter6 テレビ観戦でのギモンに答える
監督はなぜスタンドにいるのか問題
ウォーターボーイにも注目すべし
「フェーズ」ってなんやねん
フェーズの数は辛抱強さを表す説
「アドバンテージ!」
謎の戦いの踊り
Chapter7 いざ、リアル観戦!
試合に行くきっかけは何でもOK
オススメのスタジアム
おっちゃんの横に座ってみよう
ゴールキックの際はお静かに
観客も試合が終わればノーサイドの精神を
「アフターマッチファンクション」こぼれ話
Chapter8 W杯が100倍楽しめる! 日本代表と世界のラグビー話
日本ラグビーの”これまで”
2015年の躍進支えた名将エディー・ジョーンズ
「勝つために手段を選ばない」エディーの恐ろしさ
スーパーラグビーがもたらすもの
2019を率いるジェイミー・ジョセフってどんな監督?
カオス状態をつくる戦術
今さら聞けない、外国出身でも日本代表になれる理由
外国人選手がもたらす、プレーや考え方の幅
世界のラグビー注目の3選手
大西ベスト3「押さえておくべき世界のイケメン」
大西ベスト5「押さえておくべき世界の名将」
大西ベスト5「押さえておくべきW杯の名勝負」
ラグビーメジャースポーツ化作戦
鍵を握るのは子どもだ
新リーグへの期待
あとがき