続・世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

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ジョークの世界から真の日本人像がわかる

この本を読めば、世界で日本がどう見られているかよくわかります。それをジョークにして、わかりやすく、読みやすく、楽しく書いてある本です。ジョークの内容が日本人の国民性だけではなく、世界情勢・風刺にも絡んでいるので解説を読んで初めて意味が分かるものもあります。楽しいだけでなく為になる一冊です。

早坂 隆 (著)
出版社 : 中央公論新社 (2009/3/1)、出典:出版社HP

まえがき

ヨーロッパでは、ドイツ出身の「トキオ・ホテル」という名のロックバンドが大変な人気だが、命名の由来は、「東京に行ったことはないが、なんかカッコイイから」。

日本にまつわるイメージは、以前よりもかなりの多様性を見せている。そんな状況を受けて最近、ジョークの世界でも幅広い日本人像が登場するようになった。

前著『世界の日本人ジョーク集』(中公新書ラクレ)では、世界に広く流布するジョークの中から、日本人が「出演」しているものをピックアップし、それらのジョークを通じて、海外の人々の有している「対日観」や「日本人のイメージ」を考察した。自分の長所や短所というのは、意外と自分にはわからないもので、他人から指摘されて初めて気づかされるといったことは、往々にしてあるものだ。自画像というのは、大抵、あまり似ていないものである。

そんな前著の刊行後、読者の方々からの反応で多かったのが、「日本人がジョークの中で
意外と存在感を発揮していることに驚いた」というものだった。

実際、日本人はジョークの世界で、なかなかの「名演技」を披露している。「主演」とまではいかないが、言うなれば「名脇役」といった存在だ。「助演男優賞」くらいには十分、ノミネートされている。ちなみに、主役級はアメリカ人。主演男優賞は一昔前ならジョージ・W・ブッシュで、今後はバラク・オバマの名演技に期待、といったところであろう。

本書では、前著に収録した以降の新作や、埋もれていた傑作などを精選し、改めて「世界の日本に対する眼」を、肩肘張らず、楽しみながら、考えていきたい。日本の景気も深刻な後退局面を迎えたが、こんな時こそ「笑う」という行為を、大切にしたいと思う。我が国には「笑う門には福来る」という、先人たちの知恵と経験則に基づいた、味わい深い至言もあるのだから。
それでは、世界が日本をどう見ているか、「笑いながら」探っていこう。

早坂 隆 (著)
出版社 : 中央公論新社 (2009/3/1)、出典:出版社HP

目次

まえがき

第一章 世界屈指の花形ブランド
【ハイテクの本家】
●最先端手術の結果
メイド・イン・ジャパンの実力
●最新型パソコン
●橋の建設
●橋の造り方
世界に誇る橋梁技術
●解決法
●死人に口なし
●天国の変貌
驚かれる日本のトイレ
●日本の地獄と中国の地獄
中国大陸を走る日本の新幹線
●最新型体重計
●日米の比較
●移植
●エンジンと心臓

【アイデアを形にする力】
●ゾウの本
●牛の扱い方
小型化を図る国民性
●ロボット秘書
●マッチ
●新・世界の七不思議?
日本のフルーツ
●復興支援
●コーヒー
缶コーヒーの発明
●環境対策
地球温暖化への取り組み

【世界のクルマ屋】
●進歩
●体感温度の違い
●運転方法
意外と普及していないカーナビ
●宇宙進出
●最新型カーラジオ
●修理工場
ドイツ車よりもトヨタ車を購入しよう?

第二章 それでも日本は経済大国?
【ジャパニーズ・マネジメント】
●日本的経営手腕
定番のビジネスマンジョーク
●経営の合理化
●願いは叶う
●大遅刻
●黒猫
カロウシとカイゼン
●休暇
●サイレン
●クビ
●節約
●日伊の違い その一
●日伊の違い その二
●眼鏡店
●夫婦喧嘩

【底力】
●日本の不況
不況を扱った英語のダジャレ
●ビジネスチャンス
●最後の願い
イタい日本?

【豊かさボケ】
●なくしたもの
●バカ比べ
日本は格差社会か?
●担保
●要らない
真の雇用問題の発生

第三章 グローバル化の波にさらされて
【国際政治】
●難問
影の薄い日本の首相
混迷する日本の政治
●政治とメディア
●良いニュースと悪いニュース
麻生政権の行方

【近隣諸国との関係】
●日本人店鋪VS.中国人店鋪
国際情勢を反映するジョーク
●実現不可能
のび太が首相に?
●喧嘩の発端
●日中比較論
北京五輪を巡る問題
●願いごと

【日米関係】
●歴史の授業 その一
パパ・ブッシュの失態
●ムチ打ちの刑
●迎撃ミサイル

第四章 世界史の中のニッポン
【日本人移民】
●丁重な日本人
日本人移民を揶揄
ブラジルに渡った日本人移民

【太平洋戦争という過去】
●報い
パール・ハーバー
●ヤマシタ将軍
リム・ボーセン
●命名の法則
山本五十六
●最後のジョーク
●イオウジマからの手紙
歴史認識共有の困難さ
●歴史の授業 その二
ポーリン・ハンソン
●叫び
日本はナチスドイツと同類?
スポーツの話と戦争の話題

第五章 スポーツと食は国境を越える
【野球】
日本の首相よりもマツザカ
●ボストンの買い物
「D-mat」or「DICE-K」
●日本人プレイヤーの特徴
マツザカとグローバリズム
●発音
発音が難しい「フクドメ」

【食文化】
●日本式ダイエット
箸とフォーク
●主食
スシ・ボールという魔球
●ミソ・スープ
ミスター・ヌードルの功績を讃える
●大食い選手権
アメリカで有名な日本人フードファイター

第六章 日本人のカタチ
【人の目を気にする】
「物真似」気質
●風防実験
●脱出方法
日本人の日本人論好き?
●見栄
世界に最も好影響を与えている国

【優秀】
●脳の値段
●日本人ドクター
●症状改善

【笑いに厳しい】
●理解
日本人の笑いのセンス
海を越える日本のお笑い番組
●面白いジョーク
世界で人気の番組は他にもある

【やっぱり英語が下手】
●サイン
日本人の英語の発音
●ペパローニ
●肉屋にて

【大和撫子像】
理想の結婚相手
●ホシモタ
●乳房の値段
●憧れのフジ
ゲイシャとジャポルノ

【独特の死生観】
●ジェスチャー
●身体の使い道
ハラキリの世界的知名度
●欠席
「フランダースの犬」に見る死生観

【仏教・禅の国】
●奇跡
●ざわめき
●ブッダの手
ヨーロッパでの「ゼン」ブーム
●警告
●人生最大の罪
●坊主と幌馬車

あとがき

イラスト/つだゆみ
本文DTP/市川真樹子

早坂 隆 (著)
出版社 : 中央公論新社 (2009/3/1)、出典:出版社HP