若宮正子のおすすめ書籍4冊 -60歳をこえての勉強法、学ぶ姿勢

独学のススメ-頑張らない! 「定年後」の学び方10か条

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現代において医療技術の進歩し、平均寿命は、男性が81.25歳、女性が87.32歳と昔に比べると大きく伸びました。年々伸び続けており、今後は平均寿命が90歳台に突入する可能性も大いに考えられます。その一方で、体力、筋力も年が経つにつれて衰えていき、平均寿命は長くなったものの、興味が湧かなかったり、やりたいことが見つからず、せっかくの1日をなんとなく過ごしてしまう高齢者の方も一定数存在しているのです。本書は、定年後から新たな分野を1から学び始め、80歳を超えた今なお、新たなことに挑戦し続けている若宮正子氏が提案する定年後の学び方が10か条にまとめられています。

本書は13章で構成されており、第1章から第10章までは各章の冒頭に10か条が1つずつ書かれており、その後に詳細や補足についての説明がされています。第11章では上級編と称しシニア世代は今一度、理科と現代社会は学びなおす必要があるとし、高齢者もデジタル機器を用いて学習するように勧めています。第11章では、最上級編となっており、介護分野においてITを活用することについて考えながら、今の社会にはITと介護の両方に詳しい人が求められていることに言及しています。第13章では、有名な脳科学者である茂木健一郎氏との対談の様子が書かれており、人生は60歳を過ぎてからが楽しいといった非常に興味深い会話の内容を読むことができます。

本書では、若宮氏が老後の生活は心掛け次第でいくらでも充実したものになるということを自らの体験をもとに綴り、様々なことに挑戦して生き生きと活動している姿勢は見習うべきものがあります。好奇心旺盛で実行力もあり、高齢者というイメージからはほど遠いものの、社会通念に染まらず、ワクワクすることを大切にし学びを欠かさないということ、無理をしないで、自分の趣味・嗜好や向き不向きをよく見極めていろいろな世界に飛び込んでいけば、老後はいくらでも充実したものになるということを本書を通してたくさんの人にわかってもらえるでしょう。

60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。

若宮 正子 (著)
新潮社 (2017/11/24)、出典:出版社HP

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あなたは年をとることに抵抗がありますか?人生は何歳がピークだと思いますか?どう思うかは人それぞれですが、年金制度に問題が出てきていたり、少子高齢化問題が深刻になりつつあるということもあり、特に若い世代には自分が年をとることに嫌悪感を抱く人もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかしながら、まとまった時間が確保できるようになるのが高齢になってからであるということもまた事実です。学生時代は学校での勉強に精を出し、社会に出てからは会社の一員としてほぼ毎日働いているため、自由に使える時間が一番多いのは定年後からなのです。本書の著者である若宮正子氏はこの、定年後の時間の使い方に着目し、改めて人生のおもしろさに気づきました。本書はこうした体験から人生はどうしたら面白く、豊かなものになるのか書かれています。

本書は4章構成となっています。第1章では、心も体も元気でいるためということに注目し、健康診断の結果よりも機嫌が良い方が大切だということ、いやなことはせず、やりたいことだけに時間を使うようにするといった若宮氏ならではの視点から展開されていきます。第2章では、毎日を楽しく過ごすためについて書かれており、80歳を過ぎてから趣味として始めたプログラミングやオンライン上のシニアコミュニティの様子に触れています。第3章には82歳の人生を振り返って感じたことや考えたことが述べられており、第4章では老いていくことに対する若宮氏の捉え方、生きていく上で学び続けることの偉大さについて書かれています。

本書はタイトルだけを見ると、60歳周辺の方のために書かれた本のように見えますが、決してそのようなことはなく、人生の築き方について学ぶためにも全ての世代の方に読んで欲しい一冊になっています。より良い人生を送るために今何をするべきなのか、本書を読んで考えてみてはいかがでしょうか。

明日のために、心にたくさん木を育てましょう

明日のために、心にたくさん木を育てましょう

若宮正子 (著)
ぴあ (2017/12/8)、出典:出版社HP

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「あなたは、心の中に、何本の木を持っていますか?」本書のはじめにはこう書かれています。もちろんこれは比喩的な表現であり、著者である若宮正子氏も自分の中にはインターネットの木、旅行の木、ピアノの木といった数え切れないほど多くの種類の木を持っていると言っていました。これらの木は全て種子から育てられました。本書では私たちがどのようにして心の木を増やし、育てれば良いのか、また、なぜ増やすことが大事なのか、若宮氏の体験を踏まえながら書かれています。

若宮氏は、1935年生まれの現在82歳の方です。高校を卒業後都市銀行へ勤務し、定年後からパソコンを独学で学び始めます。81歳で作ったスマホゲーム「hinadann(ひな壇)」はWWDC2017で取り上げられたため、多くの注目を集めました。現在ではシニア世代へのデジタル機器普及活動を行うなど、ご高齢ながらもご活躍されています。

本書は6章構成となっており、ここでは1、2、6章を抜粋して紹介します。第1章では、失敗する勇気について書かれています。自分の手が届く範囲で満足するのではなく、常に何かに挑戦すること、人生というものは勝負ではなく、勝ち負けは気にしないといった何事にも前向きに取り組む姿勢を示してくれます。第2章ではクリエイティブであり続けることについて言及されており、若宮氏は欲しいものや必要なものは全て自分でつくるよう努力しているといいます。常に自分ならどうするのか考える習慣を身につけること、途中で諦めて投げ出さないことの大切さを学べます。

第6章では、次の世代に向けて書かれており、ご高齢ならではの目線から、私たち含めどのような人生を送るべきなのかアドバイスしています。この章では、「人生は“風待ち”。焦らず機を待ちましょう」という言葉があります。今の社会に照らしてみても非常にインパクトのある言葉です。自分が合わせるのではなく、自分に合うまでひたすら待てば良いという、深い言葉です。

あなたの心の中には何本の木がありますか?少ないという人も多いという人も、一度本書を手にとって人生を豊かにする方法を見つけてもらえればと思います。

 

花のパソコン道

若宮 正子 (著)
インプレスR&D (2014/9/11)、出典:出版社HP

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本書は、高齢者向けのパソコン講座の様子を描き、デジタル機器の全くの初心者が、徐々にパソコンの使い方を覚えられる本になっています。会話形式でパソコン講座のストーリーが進んでいき、その過程で、登場人物たちがパソコンに慣れ親しんでいきます。読者も彼らと一緒にパソコンの使い方がわかるように、場面がまとめられています。パソコンの使い方の解説書は、世に数多く出回っていますが、その中でも本書は、高齢者向けのパソコン講座の会話を書籍にしている、珍しいタイプです。

パソコンがよくわからない高齢者向けの内容であるため、解説書として本書を読む方は限られてくるでしょう。用語の解説も、正確なものではなく、理解のしやすさを優先させているため、少しでもパソコンを扱ったことがある初心者の方には向かないと思います。パソコン操作も初歩的なものばかりです。そのため、一見すると、パソコンについて何も知らない初心者が読む本であり、そのほかの人が読むものではないと感じてしまいます。しかし、実際は、操作方法ではないところが重要です。

著者は、本書を楽しく読めるようにするために、やる気に満ちたアクティブシニア群像を中心にした親しみやすいストーリー形式にしたとしています。この形式にしていることで、新しいものごとを始めることと年齢は関係しないことや、新たな世界で成長していく姿、新しいものごとに挑戦することの意義について再認識させられます。一般的なパソコンの専門書とは一線を画す一冊です。