新版 落語の名作 あらすじ100 (面白くてよくわかる学校で教えない教科書

【最新 落語について学ぶためのおすすめ本 – 初心者から上級者まで】も確認する

人気演目を網羅

「文七元結」「芝浜」「時そば」「居残り佐平次」「寿限無」をはじめ、寄席、落語会で演じられる古典落語の名作100席をあらすじで紹介していきます。人気の定番噺から大根田まで、ジャンル別に厳選・収録されています。時代を越えて愛され続けてきた落語の魅力がよくわかる1冊です。

青木 伸広 (著), 十一代目 金原亭馬生 (監修)
出版社 : 日本文芸社; 新版 (2017/11/18)、出典:出版社HP


新版 落語の名作 あらすじ100

はじめに

近年、各種メディアで取り上げられ、寄席も大入りが続くなど、落語を取り巻く環境は、良い意味で大きく変 化しました。入門者も年々増え続け、東都に寄席小屋が四百軒あった黄金期を凌駕しております。氷河期にも例 えられた冬の時代を経て、輝きを取り戻した一因は、この混沌とした世情にあるのかもしれません。
落語は、ほとんどが人間の失敗を描いています。大酒飲み、博打好き、乱暴者、お調子者など、登場人物もいわゆるダメ人間ばかりです。
しかし、落語の国の住人たちは、このどうにもならない日々を、笑い飛ばして明るく生きています。胸躍るヒーロー物語はありませんが、「頑張らなくていいんだよ」「楽しみはふとした日常にあるんだよ」と教えてくれます。
本書は先に出版した演目本を再編集、西炯子先生が素敵な表紙絵を描いてくださいました。落語会でよく高座にかかる演目より、特に人気のある百編を厳選しております。どうぞ、リラックスしてお楽しみください。
2017年1月
らくごカフェ主宰 青木伸広

ごあいさつ

落語ブームという言葉がございます。
戦後、綺羅星のごとく輝いていた名人上手が巻き起こした全国的な落語人気の沸騰から、近年のテレビやマル チメディアを巻き込んだブームまで、多様に形を変えながら常に時代とともに歩んでいる落語。数ある古典芸能 のなかでも、これほど皆様の身近にあって親しまれているものは、そう多くはないでしょう。
では、なぜ落語がそれほどまでに愛されるのか。それは、古典という枠のなかにあっても、落語の持つテーマ がいまだに色あせず、決して古びていないからにほかなりません。
活気あふれる市井の人々の生活、ときには争いながらもしっかりと寄り添う夫婦愛、世代を超えてつながりあう人情、武士や職人の凛とした真っ直ぐな生き様、そして時の権力者への反骨精神……。
それを「笑い」や「涙」という極上のエッセンスで包み込んだ落語。そうです、落語が描く情景は、日本人の 生活そのものであり、八っつあんや熊さん、与太郎、ご隠居さんといった登場人物は我々の分身なのです。
今、ここに百編のストーリーがあります。そのどれもが、古き良き時代から現代まで変わらずに愛され続けて いる珠玉の物語です。
古典といっても決して敷居が高いことはございません。どうぞ皆様、安心して落語の持つ暖かさに触れ、ユー モアに酔いしれ、懐かしい時代に思いを馳せ、ご自身の「今」に重ね合わせてください。
本書がきっかけで少しでも落語に興味を持っていただけたなら、そして従来からの落語ファンの皆様が鑑賞の 一助として楽しんでくだすったなら、監修者として無上の喜びでございます。
十一代目 金原亭馬生

青木 伸広 (著), 十一代目 金原亭馬生 (監修)
出版社 : 日本文芸社; 新版 (2017/11/18)、出典:出版社HP

目次

はじめに 青木伸広
ごあいさつ 十一代目金原亭馬生

第一章 これだけは押さえておきたい超基本ネタ
牛ほめ
金明竹
たらちね
やかん
道灌
寿限無
饅頭怖い
時そば
子ほめ
道具屋

第二章 とにかく大爆笑~抱腹絶倒もの
粗忽の使者
百川
反对伸
転失気
強情灸
艦内に
無精床
堀の内
代書屋
浮世床
二十四孝
蜘蛛駕館
宗論
つぼ算
小言幸兵衛

第三章 動物と子どもにはかなわない
ねずみ
桃太郎
真館
初天神
たぬき
素人鰻
猫と金魚

第四章 ほろりと泣ける人情噺
子別れ
文七元結
唐茄子屋政談
芝浜
柳田角之進
ねずみ穴
中村仲蔵

第五章 ヒーロー&ヒロイン登場
居残り佐平次
お神酒徳利
抜け雀
蒟蒻問答
たがや
三方一両損
お血脈
お菊の皿

第六章 近くて遠きは男女の仲
お見立て
幾代謝
厩火事
青菜
鮑のし
明鳥
細入れ
お直し
崇徳院
三枚起請
川心中
付き

第七章 一度は聴きたい大ネタ
井戸の茶碗
へっつい幽霊
大工調べ
黄金餅
宿屋の富
宿屋の仇討ち
火焔太鼓
寝床

第八章 愛すべきダメ人間たち
湯屋番
らくだ
親子酒
禁酒番屋
試し酒
船徳
幇間腹
家見舞い
野ざらし
粗忽長屋
長短
粗忽の針
六尺棒

第九章 落語の風情にどっぷりひたる
花見の仇討
酢豆腐
あくび指南
目黒のさんま
化物使い
長屋の花見
あたま山
猫の血
だくだく
うどん屋

名人列伝1
名人列伝2
名人列伝3
名人列伝4
名人列伝5
名人列伝6
名人列伝7
名人列伝8

落語&寄席用語辞典
落語 ひとくち歴史案内

第一章
これだけは押さえておきたい
超基本ネタ

青木 伸広 (著), 十一代目 金原亭馬生 (監修)
出版社 : 日本文芸社; 新版 (2017/11/18)、出典:出版社HP