死ぬ瞬間の5つの後悔 – その5つは手遅れになってから気づくこと

死ぬときに後悔をしたくはないと誰もが思っていることでしょう。しかし、後悔のない人生を送るためにはどうすれば良いのかわかる人は少ないと思います。新潮社から出版された「死ぬ瞬間の5つの後悔」は、人の最期を看取り続けてきた女性介護人が死の床で聞いた誰にでも共通する5つの後悔を書いています。実際の体験をもとに書いているのでとてもためになる1冊です。

ブロニーウェア (Bronnie Ware)(1967年2月19日生まれ)は、オーストラリアの作家、ソングライター、そしてやる気を起こさせるスピーカーであり、緩和ケアを受けている間に彼女が耳にした死に際に最も抱かれる後悔について書いた著書で最もよく知られています。彼女は最初に2009年のブログ記事の “Regrets of the Dying”という投稿でその洞察を共有しました。そのブログ記事は世界中で広く共有され、2012年までに800万人に読まれました。

2012年、彼女は自身のブログ記事を「死ぬ瞬間の5つの後悔(The Top Five Regrets of the Dying – A Life Transformed by the Dearly Departing)」の回顧録本へと広げ、これは27の言語に翻訳されました。2014年に、彼女は自身の2冊目の著作”Your Year For Change: 52 Reflections For Regret-Free Living”を発行しました。45歳で最初の子供を産んだ後、ウェアは自身の著作:Bloom: A Tale of Courage, Surrender, and Breaking Through Upper Limits の中で彼女の経験について書いています。

ブロニーウェアによると、死に近づいている人々によって共有された5つの最も一般的な後悔は以下のものである:

1. 他人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった。
2. あんなに働かなければよかった。
3. 自分の感情を表す勇気を持てばよかった。
4. 友達と連絡を絶やさずにいればよかった。
5. もっと自分を幸せにしてあげればよかった。

2018年の調査でも同様の結論に達し、人々は自分の夢を追いかけることや自身の最大限の能力の発揮ができなかったなど、「理想に関連した後悔」を表明する可能性が高いことが分かりました。

手遅れになってから気づく後悔

本書は、長年数多くの「最期」を看取り続けてきた女性介護人が、死の床で聞いた誰にでも共通する後悔を綴っています。死の間際にならないと気づかない後悔を今知ることで、後悔しない人生を送るために行動することができます。幸せで悔いのない人生だったと思えるようにするにはどうしたら良いかは誰でも知りたいと思うでしょう。

自分に正直に生きればよかったと後悔しているグレースさんと言う女性の話が紹介されています。グレースさんは暴君の夫と結婚してから50年以上周囲に求められる役割を果たしてきました。結婚してからずっと、夫から離れて旅をすることや、横暴な夫にあれこれ指示をされず、何よりもシンプルで幸せな生活を送ることを夢見てきました。そして夫が就寝の老人ホームに入ることになり、やっと自由を手に入れたと思ったばかりの時にかなり進行している不治の病が見つかったのです。寝たきりになり、夢見てきた生活がとうとう実現できなくなってしまったのです。

どうして強くなって夫に立ち向かい、やりたいことをやることができなかったのだろうと勇気のなかった自分に猛烈に腹を立てていたそうです。死に直面し、もう他人にどう思われるかなど気にしていない今、どうしてもっと早くに離婚をするという選択肢を選べなかったのかと後悔し、全てはもう遅いという事実に打ちのめされていました。グレースさんは自分に正直に生きていればよかったという後悔をしたまま死んでしまったのです。本書の著者はこの体験からグレースと、他人にどう思われているかは気にせず自分に正直に生きると約束したそうです。

このように介護を通して死が近づいてきた人と接してきた著者が、人はどんな後悔を死ぬ前にするのか体験したことをもとに書いています。後悔をしない人生を送るためには何をしたら良いか一度気になったら手にしてみてはいかがでしょうか。

ブロニー ウェア (著), Bronnie Ware (原著), 仁木 めぐみ (翻訳)
出版社: 新潮社 (2012/12/1)、出典:amazon.co.jp