最前線ヘルスケア医療ビジネスを知るおすすめ本リスト

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最前線ヘルスケア医療ビジネスの最前線を知ろう

現在のIT、AIの進歩に平行して、ヘルスケアにも多くの企業がテクノロジーを機能面に適用し、よりデジタル的に扱うことが広がってきました。今後数年間では、さらにヘルスケアに大きな変化が見られるかもしれません。今回は新しいヘルスケアテクノロジーがどのような面があるのかを知ることができる書籍を紹介します。

 

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出典:出版社HP

 

ファーストコールカンパニーシリーズ ヘルスケアビジネス成長戦略研究―――近未来の国内最大マーケットに挑む

ヘルスケア産業とビジネスについてよくわかる

産業の将来予測や構造分析に関して、ヘルスケア業界の様々な企業を多彩な切り口で整理されており、客観的データも示されていて非常に説得力があります。成功しているさまざまな企業の事例を知ることができる点もこの本の良いところです。

松室 孝明 (著), タナベ経営 ヘルスケアビジネスコンサルティングチーム (編集)
出版社: ダイヤモンド社 (2015/11/28)、出典:出版社HP

はじめに

コンサルティング件数倍増――その背景にある三つの現実

ここ三年間、タナベ経営において、医療・介護・健康増進といったヘルスケア分野で事業を営む法人からのコンサルティング依頼やセミナー参加が倍増している。
この事象について、筆者は次の「三つの現実」が背景にあると推察する。

一つ目の現実は、「社会的課題を数多く抱えるヘルスケア分野において、成長痛(経営上の課題)を抱える地場プレーヤーが確実に増えている」ことである。
課題認識がなければ、コンサルティングファームにはまず相談しない。
プレーヤー個々で解決できるレベルの課題であれば、当然、相談する必要はない。しかし、タナベ経営への相談件数は年々増えている。すなわち、「自前では解決できない成長痛の数が増えた」、また「成長痛を抱えるヘルスケア分野のプレーヤー数も増加している」と換言できよう。

二つ目の現実は、「プレーヤーの事業規模が、『コンサルティング』を依頼できるまでの規模になってきた」ことである。
ヘルスケア業界は、他業界に比べ大資本が少なく、中小・零細プレーヤーが圧倒的に多い。一方、コンサルティングを依頼するには、それなりの金額が必要となる。それでもコンサルティングの依頼が増えているということは、取りも直さず、「コンサルティングを依頼できる事業規模・体力を持ち得るプレーヤーが増えた」といえよう。
三つ目の現実は、「業界内で得られる情報・メソッドや自社の発想だけでは、今直面する経営課題の解決につながらないため、プレーヤーの関心が業界外の情報・メソッドへ移りつつある」ことだ。
タナベ経営を医療機関に例えれば、「総合病院」である。診療科になぞらえると、「食品科」「外食科」「住まい科」「流通科」「ヘルスケア科」「建設科」「自動車科」など、多岐にわたる診療科(ドメイン、事業領域)を有する。また、コンサルタントを医師に例えると、「戦略構築医」「事業承継医」「収益改革医」「組織改革医」「経営システム改革医」「現場強化・業務改善医」など、疾病別の専門医(経営課題別の専門性)をそろえる組織である。

医療・介護といったヘルスケア分野に特化したコンサルティングファーム(専門病院)ではなく、なぜタナベ経営(総合病院)に経営相談を依頼するのか?
「業界内で得られる情報・メソッドは、競合他社も取得でき、同質化する。だから、業界外の情報・メソッドに経営課題解決のヒントを求め、過去の自社や他のプレーヤーとは違う試みを行いたい」「業界の制度や診療報酬点数などに関する細かな対応ではなく、閉塞感を打破する戦略・組織改編に、今までとは違う視点でダイナミックに取り組みたい」と考える経営者が増えているからではないだろうか。事実、コンサルティングの際に、「他業界ではどのような取り組みを行っているのか?」「民間の超高収益企業が行っていることは何か?」といった質問を、クライアントから受けることが多々ある。

近未来の国内最大マーケット「ヘルスケア分野」

ヘルスケア市場は、二〇二五年に一○○兆円規模を誇る国内最大マーケットへと成長するといわれている。二〇一五年現在の市場規模は六○兆円超。たった一○年間で約二倍に拡大する超有望マーケットだ。
ちなみに、食品産業は八〇兆円、自動車産業は五〇兆円、建設産業は四〇兆円マーケットとされている。要するに、ヘルスケア分野とは、「今後一〇年間で、自動車業界がもう一つ誕生するレベルの成長力とインパクトを有する産業分野」なのである。さらに、このヘルスケア分野は、国内最大規模にまで成長する巨大マーケットでありながら、他業界のような大資本が存在せず、寡占化も進んでいない珍しい業界である。今後、業界プレーヤー同士による再編と同時に、異業種からの参入組により、業界全体の競合の構図が大きく変わることは確実である。
既存プレーヤーは常時、業界を規定する各種の制度改定リスクと背中合わせである上に、「戦略・ビジネスモデルの変革を推し進めなければ生き残れない」という現実と直面するだろう。一方、異業種からの参入組にとって、ヘルスケア分野は「現在の業種で培った戦略や経営資源を武器に、新たな成長機会をつかむことのできる、無限のポテンシャルを秘めたマーケット」と定義できよう。

マーケット拡大の波に乗るための「成長戦略」

短期間で国内最大にまで拡大するヘルスケア市場へ挑戦するには、今後の「戦い方(=戦略)」が重要となる。なぜなら、拡大一途のマーケットであり、多くの成長機会もあるが、同時に「国の意向による制度改定・規制緩和」「異業種からの参入加速」「マンパワー不足に伴うコストアップ・収益悪化」など、成長を阻害する多くのリスク・障害に直面することが確実だからである。
「タナベ経営は、地場法人の繁栄支援をミッションとする経営コンサルティングファームである。本書は、その企業ミッションに基づき、国内最大産業となるヘルスケア市場へ挑む事業者に対し、戦略上のヒント・示唆を発信するために執筆した。
なお、紹介事例の大半は上場企業である。理由は二つある。
上場企業とは「成長を義務付けられた企業」であり、常に次なる成長戦略、新しい事業機会を模索している。成長戦略を検討する上でのケーススタディーとして、上場企業は良質な戦略上のヒント・示唆に富んでいる。これが事例として上場企業を取り上げる理由の一つ目である。

二つ目の理由は、事例企業の戦略の推移や取り組みの進捗を、各社の公開情報(IR資料)を通じて、随時、誰もがベンチマークできるからである。気になる企業のIR資料を、定期的にウェブサイトなどから確認いただければ、当該企業の今と未来の戦略を無料で知ることができ、自法人の戦略上のヒントを得ることも可能だ。つまり、「戦略上のヒント・示唆に富む情報が容易に手に入る以上、普段から参考にしない手はない」という考えに基づいている。本書が、近未来の国内最大マーケットに挑もうとしている誇り高き経営者の皆さまの成長戦略構築の一助になれば幸いである。

本書を執筆するに当たって、ご協力を賜ったクライアントの皆さま、タナベ経営が主催する「ヘルスケアビジネス成長戦略研究会」を通じてご縁をいただいた経営者の皆さまをはじめ、 出版に際しご尽力いただいたダイヤモンド社の花岡則夫編集長、前田早章副編集長、編集・執筆にご協力いただいた安藤柾樹氏、杉本貴弘氏、装丁をご担当いただいた斉藤よしのぶ氏、共に企業繁栄を支援するタナベ経営の皆さんに、心より感謝申し上げます。

二〇一五年一〇月
タナベ経営 ヘルスケアビジネスコンサルティングチームリーダー 松室 孝明

松室 孝明 (著), タナベ経営 ヘルスケアビジネスコンサルティングチーム (編集)
出版社: ダイヤモンド社 (2015/11/28)、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1章 ヘルスケアビジネスを取り巻く環境
1 「ヘルスケアビジネス」とは何か?
2 データで見るヘルスケアビジネスの可能性
(1)増え続ける高齢者人口
(2)拡大一途のマーケットポテンシャル
(3)消費の主役は高齢者に変わる
(4) IPOに見るヘルスケアプレーヤー
3 法改正・規制緩和の波が生み出す業界再編
(1)異業種まで巻き込んだ医療法人再編
(2)店舗数半減のピンチに直面する調剤業界
(3)医薬品卸による垂直・水平統合の加速
(4)従来プレーヤーによる多角化
4 変革者や異業種の参入が業界再編を加速する
(1)大手流通の本格参入
(2)地域の健康拠点化を加速するドラッグストア
(3)外食産業による事業ポートフォリオ転換
(4)安全・安心の丸抱えを狙う警備会社
(5)本業とのすみ分けがなくなる学習産業
(6)医療会員一万人超を保有するリゾートホテル
(7)携帯電話・IT産業によるヘルスケアサービス開発
(8)福利厚生事業者・保険会社による予防・介護分野進出
(9)医療機関による介護事業者の駆逐
(10)加速化する多方面からの業界参入
5 経済産業省はヘルスケア分野の産業化を目指す
(1)大規模事業体の創出
(2)公的保険外サービスの活性化

第2章 近未来の国内最大マーケットに挑む
1 個別の企業・法人の努力では対抗できない潮流
(1)少子高齢化が生み出す肩車型社会
(2)給付範囲の抑制・給付金額削減は自明の理
2 全事業主の前に広がる無限のビジネスチャンス
(1)企業・法人の使命とは何か?
(2)財源がなければつくるしかない
(3)近未来の国内最大マーケットに挑むための五つの戦略アプローチ

第3章 専門的な顧客価値の追求
1 現在の事業に顧客価値はあるか?
(1)風邪の治療の価値は妥当か?
(2)ヘルスケア業界に不足している顧客価値とは?
(3)総合百貨店型ビジネスは専門店に負ける
2 顧客を選ばないから、提供価値が決まらない
(1)付き合う顧客を絞ると競争力が高まる
(2)特定のセグメントにターゲットを絞る
(3)顧客の特定の課題にサービスを絞る

第4章 ナンバーワン・ブランド事業の創造
1 ナンバーワン・ブランドになるには
(1)「二番」では駄目である
(2)「違い」と「差別化」は全く異なる
(3)ナンバーワンになれる領域とは?
2 圧倒的なナンバーワン・ブランドをつくる
(1)ナンバーワン・ブランドになる「コト」を突き詰める
(2)目指すべきナンバーワン・ブランドとは?
(3)圧倒的なナンバーワン・ブランドを構築する

第5章 高収益ビジネスモデルのデザイン
1 収益力格差はビジネスモデルの設計力格差
(1)営利・非営利の議論はナンセンス
(2)ビジネスモデルとは何か?
(3)制度改正に対する耐久性を増強する
2 意図的な多角化のデザイン
(1)フックと回収エンジンを切り分ける
(2)多角化のキーとなる順番
(3)シナジーという美辞麗句に逃げ込むな

第6章 イノベーションによる新たな成長エンジンの開発
1 イノベーションとは何か?
(1)イノベーションの必要性
(2)収入の種類をイノベーションする
2 新たな成長エンジン開発に向けた三つのアプローチ
(1)バリューチェーンのイノベーション
(2)ビジネスモデルのイノベーション
(3)機能・資源を活かしたイノベーション

第7章 「外貨」の獲得による 持続的成長軌道の確保
1 従来の業種・業態は関係ない?
(1)革新的なプレーヤーはアウトバウンド・インバウンドに対応
(2)社会的課題の解決には異業種の発想が不可欠
(3)インキュベーションの仕組み化
2 供給不足のホワイトスペースを攻略する
(1)ヘルスケア分野に存在する四つの供給不足マーケット
(2)供給不足マーケットの見つけ方
(3)ビジネスのスピードを高める提携・M&A戦略

おわりに 志高き経営者に送る三つのメッセージ

松室 孝明 (著), タナベ経営 ヘルスケアビジネスコンサルティングチーム (編集)
出版社: ダイヤモンド社 (2015/11/28)、出典:出版社HP

ヘルスケア産業のデジタル経営革命 破壊的変化を強みに変える次世代ビジネスモデルと最新戦略

ヘルスケア産業におけるデジタル技術の教科書

今後の医療エコシステムがどう変わるべきか、どう変わっていくのかを知りたい方におすすめで、教科書的な使い方もできます。将来のヘルスケアに関わる企業を4つに分類し、特徴を示しているのが非常に面白いです。業界の最新動向をつかみ、行く末を考える上でとても参考になります。

ジェフ・エルトン (著), アン・オリオーダン (著), 永田 満(監訳) (その他), 三木 俊哉 (翻訳)
出版社: 日経BP (2017/10/19)、出典:出版社HP

目次

序文
はじめに
日本語版序文
日本語版特別章
激変前夜、日本のヘルスケアビジネスへの提言と処方箋
リスクをチャンスに変える四つの次世代ビジネスモデル

Part1
押し寄せる変化の波
1章 ヘルスケア産業激変の背景
機会
変化の兆し
医療改革の中身
本当の改革
なぜ今回は違うのか
受動から能動へ

第2章 避けられない戦略的選択
市場ポジショニング
どんな市場をつくろうとするのか、その市場に影響を及ぼすには何が必要か
差別化能力
優位な市場ポジションを獲得・維持するためにはどんな能力が必要か
成果を生む事業構造
患者回帰のオペレーションと差別化能力の確保
会社の将来に対する責任

Part2
新たなビジネスモデル
戦略から価値へ
第3章 旧モデルと新モデル
古いモデルの特徴(多くの組織がここからスタート)
事業環境の大転換
新しいモデルは価値に対する支払いが鍵
新しいビジネスモデル
ハイブリッド型その他の新ソリューション
第4章 リーンイノベーター
ジェネリック企業の進化の過程
事業機会の変化、高まる重圧
リーンイノベーターモデルへの参入
リーンイノベーターモデルにとっての最初の課題
リーンイノベーターの技法
リーンオペレーションモデル
実行力が売り
リーンイノベーター
破壊者か、価値の先駆者か

第5章 患者サービスイノベーター
満たされていないニーズは何か
イノベーションでニーズを満たし、ギャップを埋める
患者サービスイノベーターの例
患者サービスイノベーターの問いかけ
患者サービスイノベーターのオペレーションモデル
治療法や患者ケアのイノベーション
患者サービスイノベーター
新しい販売モデルか、価値の先駆者か

第6章 バリューイノベーター
マインドセットシフト ――「病気」ではなく「健康」を
バリューイノベーター ――「生活者」向けサービスの提供者
新興バリューイノベーターの事例
バリューイノベーターとしての成功の条件
包括的ソリューションへ
バリューイノベーターのオペレーションモデル
デジタルに結合されたサービスを提供し、アウトカムにフォーカス
バリューイノベーター ――価値パートナー兼サービス提供者

第7章 新デジタル医療企業
ヘルスケア参入デジタル企業
デジタル参入ヘルスケア企業
スタートアップデジタル
ヘルスケアにおけるデジタルエコノミクス
短期的・長期的な影響
迅速なパートナーシップ
新デジタル医療企業のポジショニング、能力、構造
新デジタル医療企業 ― 破壊、そして新しい土台づくり

Part3 新しい組織づくり
第8章 協働と競争の新モデル
「外」からのイノベーション
顧客とともにめざすイノベーション
デジタル技術によるヘルスケアバリューチェーンの統合
ビッグデジタル ――デジタル消費者とデジタル医療の接点
競争 ―事業の保護
変化の触媒となる協業、協業の触媒となる変化

第9章 ヘルスケア・エコシステムの人材戦略
人材を通じた変革
求められる人材の採用
人材教育と定着化
価値創出のスキル

Part4 過去、そして未来へ
第10章 ヘルスケア新時代――中心は患者と価値
新しい未来
新しい言語
新しいエコノミクス
ここからが戦略のスタート

謝辞
原注

ジェフ・エルトン (著), アン・オリオーダン (著), 永田 満(監訳) (その他), 三木 俊哉 (翻訳)
出版社: 日経BP (2017/10/19)、出典:出版社HP

序文

世界には8億を超える人々がおり、ほとんどの地域で高齢化が進んでいる。大半の国では医療費の伸びがGDPの伸びを上回る。医療で主に評価されるのは、医療システムにとってのプラスの結果やプラスの変化よりも、売上高、治療件数、扱った患者数などの数量である。同時に、全世界の国々の経済生産性や長期的経済動向にとっての健康の重要性が、これほど意識された時代もかつてなかった。政府、医療機関、企業、個人を問わず誰もが、「健康」「責任」「結果」のバランスを正し、あらゆる関係者が生産的な役割を果たせるようにしなければならないとの重圧を感じている。 そしてわれわれは、実に素晴らしいチャンスを手にしている。今後の3年、5年あるいは1年で、われわれは世界中の患者ケアを飛躍的に改善できる。従来とは異なる方向で思いきって手を携えれば、医療の水準を世界的に改善できる。新しい分子標的療法、スマート診断、高度なデータ解析、デジタル技術によって、医療の定義は、医療機関や急性期医療などの介入的措置に頼った受動的なものから、積極的な健康管理へと変化する。急発展する国々は、切迫した医療ニーズにもっと効果的・効率的に対応する。人々の健康寿命が延び、入院や再入院が大幅に減る。優れた医療システムは必ずやより精度の高い医療の実践へと向かう。つまり、本当の意味で患者にスポットが当たり、治療をパーソナライズ化するために多様な情報や証拠がリアルタイムで提供されるのだ。するとさらに、医療に対する期待、医療そのものの水準が全世界で高まるだろう。

医療業界の大きな変化はすでに始まっている。産業の枠を越えた大規模な協力が初めて起ころうとしている。医療機関、製薬企業、医療機器メーカー、医療保険支払事業者、看護師、介護士、医療従事者、患者、市民、健康関連企業、革新的テクノロジー企業が、これまでになかったやり方で力を合わせている。その中心をなすのは、経済的な持続可能性に欠かせない医療アウトカムをいかに促進するか――。触媒となる要素にも事欠かない。科学の進歩、遺伝や健康、生活様式に関するデータの進化、そして市場にもたらされる技術的ソリューションの増加。これらの手を借りて、われわれは自分たちの習慣を監視、測定、修正し、健康や治療効果を改善することができる。

実際のところ、経済的、社会的および技術的要因が重なることで、今後の医療を担ううえでの人々の「仕事」は変化せざるをえない。個人、病院などの医療サービス提供者、保険事業者、政策立案者、規制当局、革新的医薬品メーカー、アプリケーション開発者、デジタルインフラ提供者など……。例外はない。

問題は、こうした変化をどんな「全体像」に結びつけるかである。われわれはいま、パフォーマンスや価値に重きを置く、新しいビジネスモデルないしオペレーションモデルの出現を目にしつつある。これらの新しいモデルはきわめて有望だ。医療の価値や効果を高め、患者の生活の質、企業や国家の生産性にもっと貢献できるようになる。だが、成功が保証されているわけではない。メディア、エンターテインメント、金融サービス、保険、写真、通信、輸送、宿泊など、幅広い産業を様変わりさせたデジタル革命を味方につけられるかどうかがカギである。

そのポテンシャルを最大限活用するため、経営幹部や業界リーダーは、市場をどのように再定義すればよいか、サービス中心のアプローチがどのように進化するか、結果や価値重視のパフォーマンスモデルにはどのようなパラメーターがあるか、そしてこの新しいモデルが自分たちの組織にどんな根本的影響を及ぼすかを理解しなければならない。

私たちはこの影響をきちんと認識するために、そして今後のあるべきビジネスモデルを予測し、それについて論じるために本書を書いた。確定的なモデルはまだないし、多くの読者にとって、新しいビジネスモデルの中身は、私たちが以降の各章で説明するものほど明確・簡潔ではないかもしれない。だが、環境の変化や求められる能力をもっと包括的に把握すれば、読者はきっと先見性のある柔軟かつ強固な戦略を練り上げ、効果的に自己変革できるだろう。医療の新時代におけるリーダーとなり、まだ姿を現したばかりのエコシステムを大きく改善することができるだろう。その際、そこには新たな医療基盤が築かれる。基盤が固まれば、あとはしめたもの。業界は着々と発展を重ねるだろう。

私たちが本書で何よりもフォーカスするのは、医薬品、バイオ医薬品、医療機器、診断機器の分野で必要とされる進化はどのようなものか、そして変革を推進し、まったく新しいオペレーション モデルへの道を開くデジタル医療の立役者は誰か、である。それ以外のプレーヤー、すなわち全世界の医療機関、医療保険支払事業者、医療従事者、その他の医療関連機関もやはり変わらなければならない。本書で取り上げる組織を参考に、彼らも自身の役割や選択肢をもっと明確に理解できるだろう。

医療部門全体に押し寄せる変化の波を説明し、あらゆる医療関係者が直面する重要な戦略的課題を概観する。パートIでは、医薬品、バイオ医薬品、医療機器、デジタル医療技術の分野で明らかになってきた四つのビジネスモデルについて解説する。これらのモデルは、従来のレガシー企業の変革努力により生まれたものもあれば、スタートアップのベンチャー企業の参入、医療を魅力的な新市場と見なして異業種から参入する企業がもたらしたものもある。パートmでは、パートナーシップやコラボレーションの新しい枠組み、価値中心のソリューションに求められる要件、アウトカムや価値を重視する組織にふさわしい人事評価システムについて検討する。最後のパートNでは、未来に目を向けながら、他の業界における破壊的変革の影響についてあらためて検討するとともに、すべての経営陣や市場アナリストが問うべき基本的問題をまとめる。

われわれは未来の医療について最良のシナリオを実現することができる。ただしそのた めには、患者を含む業界関係者のすべてが、医療エコシステムの変化の推進力、その結果 として現れる戦略的課題、機会、ビジネスモデルを理解しなければならない。 そしてわれわれは、未来をつくるために積極的に協力しなければならない。

ジェフ・エルトン (著), アン・オリオーダン (著), 永田 満(監訳) (その他), 三木 俊哉 (翻訳)
出版社: 日経BP (2017/10/19)、出典:出版社HP

はじめに

過去100年を振り返って、その業界で主たる製品・サービスを提供していたリーディングカンパニーが、外的な変化によって生存を脅かされない時期はなかった。外的な変化とは、大きな技術変革、政府・行政の変化、新しい経済モデル、革新的なライバルなど。それらが組み合わさるケースもある。生き延びた会社もあれば、生き延びなかった会社もある。リーダーの地位を守れたのは、ほんのわずかだ。

写真ならコダックやポラロイド、コンピューターならデジタルイクイップメントやデータゼネラル、携帯電話のノキアやブラックベリー、家庭用ビデオのブロックバスターなどが思い浮かぶ。デジタル化と高性能カメラ付きスマートフォンの登場で、従来のフィルム写真は市場の片隅に追いやられた。グラフィカルインターフェースやインターネット接続をそなえたパーソナルコンピューター(PC)は、中・大型コンピューターを主役の座から引きずり下ろした。グーグルのアンドロイドやアップルのiOS、統合アプリストア、そしてコンテンツパートナー自身のエコシステムが、携帯電話のそれまでの秩序をひっくり返した。規制緩和、ケーブルテレビ事業者の参入、通信手段としての携帯デバイスやインターネットの人気の高まりを受けて、地方の固定電話や長距離電話サービスは方向転換を余儀なくされた。そして、ネットフリックスはインターネット配信モデルを開発し、他の配信システムとあわせてビデオ店に痛手を負わせ、ストリーミングでとどめを刺した。

またこの間、市場シェアがさほどでもないPC企業のアップル、インターネット検索エンジンのグーグル(現アルファベット)が、時価総額で世界最大級の会社になった。この2社が先述のイノベーションの大部分を担い、通信、娯楽、仕事、商業の垣根を取り払った。彼らは他社が予測できなかった幅広い解決策や利便性を提供し、個人の関係、仕事の場所、娯楽の手段、音楽業界のあり方を様変わりさせた。われわれはそうした変化を歓迎し、彼らは新たな勝者となった。

医療も同じような大変革に直面しようとしている。いや、大変革はすでに進行中だ。私たちは本書の執筆に先立って2年間の調査を実施して、この点を把握するとともに、医薬品、バイオ医薬品、医療機器、医療診断および医療サービス企業の幹部に、客観的な全体像を知る機会を提供した。本書を書くことで、彼らがいま起こりつつある変化を理解し、その変化を新しい企業戦略のヒントにしてくれればと考えた。そのために、私たちは重要なトレンドを解明し、業績向上に資するビジネスモデルの選択肢を提供する。最終的なゴールは、医療にかかわる全員(上述の企業のほか、規制当局、保険事業者、病院などの医療サービス提供者、個人)がどうすれば患者の健康を増進させ、医療システム全体に付加価値をつけるための新しい役割を担えるか、という建設的な議論を促すことである。

過去、現在、これから の可能性

かつて医療効果の「エビデンス」といえば、何年もかかる臨床試験や承認後試験の結果を指していた。ところがいまや、デジタル的に収集したリアルワールドデータを通じて、集団スケールのエビデンスをものの数時間や数日、長くても数週間で入手できる。

製薬企業や医療機器メーカーはかつて、製品を市場に出してから、実際の臨床結果が予想と違うことに戸惑っていた。ところがいまや、さまざまな活動や結果をほぼリアルタイムで追跡できるため、人々の生活のどんな要因が治療や治療薬の効果に影響を与えるかを特定できる。やむをえない事情(治療ギャップ、食習慣の改善が不十分など)がどの程度アウトカムに影響するかもわかる。したがって、治療ギャップを埋めるなどの戦略を新しく策定できる。
医療機関はかつて診察室や診察用の施設で患者を診ていた。そして検査や治療のあと、患者にどうするべきかを告げ、緊急性がなければ、次の診察日まで待って様子を確認していた。ところがいまや、診察室や病院以外でも患者を診察し、進捗をリアルタイムで追跡し、必要に応じて治療法を修正することができる。

インプットからアウトカムへ

言い換えれば、医療に対するインプット(診察した患者、販売した薬剤や機器)ベースプローチからアウトプット(患者にとって最大限の医療アウトカム)ベースのアプローチへの移行が可能になったということだ。経済学の文献では、インプットベースの支払いとアウトプットベースの支払いは大きく区別される。支払いがインプットに基づく場合は、できるだけ少ない努力で同じ報酬を受け取りたいという逆インセンティブが働く。支払いがアウトプットに基づく場合は、生産性を最適化し、「システム」のベネフィットを最大化しようとのインセンティブが働きやすい。

たとえばヨーロッパでは「価値ベースの償還」への移行が起きており、保健当局や病院などの医療サービス提供者は、システム全体のニーズと個人に提供する治療とのバランスをとることが求められる。リソースの制約があるなか、人々にどれだけ大きなベネフィットを提供できるかで医療業界を評価しようという発想である。米国の医療保険制度改革法 (ACA)なども、そのアプローチと似ている部分がある。

同様に、医療保険支払事業者は直接的なケア提供に進出し、テクノロジー企業 医療機関からの独立や遠隔臨床モニタリング技術のサービス化を図り、医療機器的な患者ケア管理サービスを提供している。病院などの医療サービス提供者は財務リスクを管理し、提供サービス間のトレードオフを行い、アウトベースのアプローチを通じて支払いを受けようとしている。いずれの組織も他のパートナーと組んでサービスを創造、推進、提供している。そうした関係は、早期創薬の段階から臨床開発、商業化、患者のエンドユースにまで及ぶ。

患者へのパワーシフト

当然ながら、消費者としての患者が持つ力も進化している。100年前は、たとえ裕福 な国でもほとんどの人は医療を利用できなかった。8年前、米国やヨーロッパの大半の 人々は医療への一定のアクセスが公的に確保されるようになった。この8~8年間、保険 組合、民間雇用主、州、国はそのアクセスを拡大してきた。医療費償還の規制・プログラ ム、プロフェッショナル認定やそのガイドライン、施設免許制度、製品の承認においては 医療機関や医療専門家に焦点が当てられ、これによって市民や従業員は安全で有効なサー ビスを「ベネフィット」として利用できるようになった。われわれはいま、特定の病気や 症状を持つ患者の優先課題によって、治療(医薬品やその組み合わせ)、処置、サービスの価 値が決まる、そんな時代に入ろうとしている。患者はアウトカムに対してもっと直接的な 責任を負い、受益者兼アクティブ顧客としての新しい視点でそれを見ている。医療は患者 優先へと舵を切ろうとしているのだ。

新しいモデル

これも当然ながら、いままでとはまったく異なるビジネスモデルが姿を現し、新たなスタンダードになろうとしている。もはやそれは例外的な事象ではない。 マスマーケットのニーズに応えようとする者と、ニッチな領域にフォーカスしようとする者では、戦略やビジネスモデルに違いがある。さらに、「デジタルディスラプター」の存在がある。すなわち、新しいテクノロジーやサイエンスを駆使して、医療の提供方法や患者アウトカムへの影響に変革をもたらす企業である。

たとえば、過去3年間に開発された優れたテクノロジーをできるだけ効率的に市場に導入することで、価値を生み出しているプレーヤーがいる。こうした「リーンイノベーター」は、その多くがジェネリック医薬品企業を土台にしており、世界的にもきわめて効率の高い製造ノウハウやサプライチェーンをそなえている。優れた買収の目利き力を持ち成長意欲も旺盛で、既存の事業者、過去のコスト構造、生産性、オペレーションモデルへ常に挑戦状をたたきつけている。

次に、「患者サービスイノベーター」。最新の科学的知見を利用し、患者の疾病のなかでも最も重篤なものに焦点を当てながら、新しい専門治療薬や補完的な製品・サービスを提供する企業(または事業部門)である。「第三のモデル「バリューイノベーター」は、アウトカムを戦略の中心に据え、臨床スタッフを中心にリモートセンサー、医療機器などを配した統合デジタルサービスを特徴とし床アウトカムを大きく改善することを重視し、ビジネスの経済性を維持しながら、アウトカムの実現、医療リソースの配分効率の向上をめざそうとする。
最後に、「新デジタル医療企業」の台頭もめざましい。これはヘルスケアやライフサイエンス以外の分野で成長し、自社のネットワークやパートナーシップ、インフラ、システムなどの自社の能力を鑑みれば、この分野への参入が当然だと考える企業である。こうした企業はまだ影響力を及ぼしはじめたばかりで、そのモデルも手始めの段階にすぎない。だが、デバイスやアプリケーションの世界規模の幅広いエコシステム、広範な開発者コミュニティー、そしてクラウドに牽引された彼らの事業が、桁違いの優れたソリューションを低コストで提供するのは間違いない。「四つのモデルが登場しつつあるのは明らかだが、その数はもっと増えるだろう。本稿の仕上げにかかっている間にも、驚くべきテクノロジーが続々と誕生し、医薬品、治療法、ビジネスモデルの飛躍的進歩に貢献しそうだ。たとえば2015年の8月、米食品医薬品局(FDA)は3Dプリンターで製造された初の医薬品「スプリタム」を承認した。開発したのは米国の製薬企業アプレシアである。てんかんの治療に用いるこの錠剤は、粉末状 の原薬と液体を幾重にも重ねることで、ごく少量の水でも素早く水に溶ける。
まずは、飲み込みやすい錠剤をつくれば、患者も治療を続けやすいだろうとの目論見である。ところが、このテクノロジーが可能性として持つ影響力はおそらくもっと大きい。たとえば、患者ごとにふさわしい形状の医薬品を小規模に受注生産できるかもしれない。あるいは、特定患者の併存疾患に一度の投与で対応できるため、服薬コンプライアンスの助けになり、投薬ミスが減るかもしれない。まるでアマゾンのように注文や製造プロセスを効率化し、当日配達を可能にする企業が現れ、昔ながらの薬局やジェネリック医薬品メーカー、医薬品販売業者、患者アドヒアランスサービスに大打撃を与える可能性もなくはない。自身では資産を持たない会社が、いずれ薬局やジェネリック分野の「ウーバー」になる可能性もある。

勇気ある破壊と革新

私たちは本書の執筆に当たり、専門家として、医療という産業の有効性向上をサポートすることを目標に掲げた。しかし、医療は非常にパーソナルなものだ。だから執筆中は、気がつけば、こうした変化が自分や家族に、そしてまだ満たされないニーズを抱える人々に及ぼす影響について考え、話し合っていた。たどり着いた結論は、ヘルスケア企業や製薬企業、医療機器メーカー、医療に特化したテクノロジーを扱う新興企業は、医療環境を思いきって変革する勇気を持たなければならないということだ。従来の製品・サービスやテクノロジーにとどまらないビジネスモデルやオペレーションモデルの探究へと踏み出す際には、いろいろな意味で勇気が必要となってくるだろう。

プライバシーの問題や、患者のために幅広いデータソースをどう利用するかという問題に向き合い、新しいレベルの信頼や能力を勝ち取る必要があるし、患者にとっての責任が果たせるよう、倫理的・財務的なあらゆるジレンマを解決しなければならない。規制当局に対して防御姿勢をとるのではなく、正々堂々と振る舞い、かつては医療機関しかできなかった患者の利益を正しく代弁するという行為をしなければならない。信頼や勇気に基づくコラボレーションは、経済的基盤や優れたビジネスモデルに劣らず大切な条件かもしれない。

エグゼクティブ、マネジャー、チームリーダーをはじめ、あらゆる層の従業員も勇気を必要とする。それは組織内のカベを壊し、「統合者」として行動する勇気である。必ずしも製品をつくり、納入する必要はない。価値ある製品・サービスパッケージの作成に欠かせない存在として、患者や医療機関らと直接やりとりをすることになる。また、患者が断片的な情報をつなぎ合わせ、アウトカムを制限するギャップや欠陥を正すのをサポートする勇気も必要である。マネジャーは、そして何らかの分野の専門家は、これまでパートナーになったことのない人々や組織とつきあうため、直ちに発想を変えて視野を広げなければならない。

未来に身を委ねるのではなく、あなた自身が未来をつくるチャンスが目の前にある。だが、このチャンスをものにするには、少なからぬ人たちがスピーディーに動き、安全地帯から抜け出さなくてはならない。想像どおりに機能する医療システムの強固な基盤を築くためには、安全な戦略や用心深いアプローチだけでは不十分である。

戦略を少しずつ変えて環境の変化に対応するのではない。成長やコスト圧力、競争ダイナミクスの大きな変化に対応するのでもない。そうではなく、いかにして価値を創出・評価するか、さらに「価値」とはそもそも何かを見直そうとしている、そんな広義の医療業界にあって、自分たちの組織が果たす役割を見きわめるのである。足元の地面が恐ろしいほど揺れているときにこそ、リスクをものともせず、旗色を鮮明にするのである。

ジェフ・エルトン (著), アン・オリオーダン (著), 永田 満(監訳) (その他), 三木 俊哉 (翻訳)
出版社: 日経BP (2017/10/19)、出典:出版社HP

医療・介護を革新する ヘルスケアビジネス最前線

ヘルスケア産業の最前線の取り組みを学べる

中長期的な経営戦略の検討材料として活用するのにおすすめの一冊です。医療・介護の先行事例を多数紹介しています。拡大するヘルスケア産業における最前線の取り組みと新市場攻略のポイントが医療や高齢者住宅など、ケースごとにまとめられている為、わかりやすく、得られるものも多いです。

日経ヘルスケア (編集)
出版社: 日経BP (2020/3/25)、出典:出版社HP

発刊に当たって

これから先の20年、医療・介護現場に重くのしかかるのが、「社会保障の財源逼迫」「働き手不足」という2大問題です。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり始める2022年、働き盛りの15~64歳人口が大幅に減少する2040年を見据えて、これら2つの問題にいかに対応し、制度の持続可能性を維持すべきか。医療・介護現場を巻き込みながら、国の対策が急ピッチで進められようとしています。

現在、国が進める医療・介護政策を分類すると、「3つの効率化」に集約され ます。具体的には、(1)給付と負担のあり方を含めた医療・介護保険制度の効 率化、(2)医療・介護提供体制の効率化、(3)ICTやロボットなどを活用した 業務の効率化――です。

特に国が強力に推し進めているのが(3)で、ICTやロボットを活用した医療・介護現場の業務効率化というテーマは、企業にとって絶好のビジネスチャンスでもあります。現場のニーズに応える便利な機器・サービスを開発・提供できれば、大きな収益を見込めます。

また、高齢化の進展に伴って、健康・医療システムは「診断・治療」型から「予防・進行抑制・共生」型への転換が求められます。後者では個別のニーズに沿った多様なサービス・製品が求められるようになり、医療・介護事業者と周辺産業の事業者はこれまで以上に積極的な連携を取っていくよう、意識を変える必要があります。

医療・介護現場では、国の補助金などを待たずに企業と組んでニーズを満たす機器を開発したり、認知症の高齢者などに対するサービスを先んじて展開するケースが既に出てきています。本書では、そうした医療・介護の先行事例を多数紹介しました。医療機関、介護事業者、そして、ヘルスケア分野で の事業展開・拡大を検討されている事業者の方々に、中長期的な経営戦略の 検討材料としてご活用いただければ幸いです。

2020年3月 日経ヘルスケア編集長 村松謙一
※本書に収録した「日経ヘルスケア」の転載記事の情報は取材当時のものです。

日経ヘルスケア (編集)
出版社: 日経BP (2020/3/25)、出典:出版社HP

目次

ヘルスケア
医療・介護を革新する
ヘルスケアビジネス最前線
発刊に当たって
巻頭リポート 経済産業省ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2020
ヘルスケアの課題に挑む9人が登壇
ビジネスコンテスト部門
アイデアコンテスト部門
特集1
医療・介護令和のソリューション
20年後を見据えた3つの効率化
CASE 医療編
医療法人KNI・北原国際病院 AIで合併症に先手を打つ
医療法人医仁会・さくら総合病院集中治療・ケアの悩みを遠隔相談
医療法人芙蓉会 ICTで健康管理、異常を検知し早期介入
(株)ピアラボICT化や事務職増で看護業務に専念
倉敷中央病院 IoTで検査機器の稼働を見える化
社会医療法人慈生会・等潤病院患者や健診受診者にPHRを推奨
医療法人茜選会・目々澤醫院事前のAI問診で頭痛の問診時間を3分の1に
TREND じわり広がる業務のICT化
CASE 高齢者住宅・施設編
グッドタイムリビング(株) AI搭載ロボットで運搬業務などを代替へ。
パナソニック グループなど IoT活用しMCIの早期発見
SOMPOホールディングスなど5Gで入居者の顔認識や食事量を記録
(株)アズパートナーズ 業務省力化で生じた時間で機能訓練を充実。
イリーゼ練馬石神井台先進IoT/AIを試験導入しQOL向上を追求。
青森社会福祉振興団先進機器を積極導入、勤務シフト作成ソフトも開発
特別養護老人ホーム ひまわり・安城新設特養で効率化見据えた投資
TREND 睡眠センサーのトップシェア企業の戦略
CASE 在宅介護サービス編
(株)エムダブルエス日高 AIによる機能訓練メニューを提案
(株)やさしい手職員のスケジュールを可視化
デイサービス OLU OLU 送迎シフト作成ソフトで車両を7台から5台に
TREND AIによるケアプラン作成支援の動向
特集2
胎動する認知症マーケット
一目で分かる認知症マーケット予防、効果的・効率的ケアに焦点
OVERVIEW
国を挙げた対策が本格化、検査や脳トレなどの開発進む
CASE 100 医療法人江頭会・さくら病院
ニーズを見極め早期発見から入院時のケアまで対応
札幌いそべ頭痛・もの忘れクリニック
多職種で患者・家族をケア、当事者視点で診断・治療・予防
(株)ウェルネスパートナー・ウェルネス浜名湖
専門職を配置し認知症予防を充実、多様な独自プログラムを用意
社会福祉法人緑愛会・あたご苑
見守りセンサーのリニューアルで職員の負担と重大事故が減少
REPORT
「健康・医療戦略」支える経産省、「予防・進行抑制・共生」型への転換を支援
多職種・法人連携を円滑に進める情報共有ツールが続々登場
介護の生産性高める北九州モデル、市主導で業務分析やロボット導入
誌上セミナー
医療ビジネスの事業化に資する「真のニーズ」の見つけ方
寄稿
失敗しない介護ロボット活用術

日経ヘルスケア (編集)
出版社: 日経BP (2020/3/25)、出典:出版社HP

『月刊事業構想』 (ヘルスケアの新産業 人生100年時代、「健康」の新ビジネス)

ヘルスケアイノベーションに役に立つ専門誌

豊富に特集がまとめられており、新ビジネスを考える上でのアイデアやヒントを見つける上でとても参考になる一冊です。あらゆる事例が挙げられているので、勉強の為だけでなく、知見を広めるために読んでみても面白い本です。

事業構想大学院大学 出版部 (編集)
出版社: 株式会社日本ビジネス出版; 月刊版 (2019/10/1)、出典:出版社HP

新事業で未来を創る

事業構想大学院大学は、 新しい事業の発想・構想を目指す大学院大学です。
対象とする院生
■ 新規事業担当者(及び将来携わりたいと希望する方)
■ 事業承継者(及び事業承継予定者)
■ 地域活性化を志す方 (行政職員、NPO職員も含む)
■ ベンチャービジネス、ソーシャルビジネスで起業を目指す方
■ 新たな構想により自社を持続発展させたいと考える経営者

2020年4月入学出願受付中
12月入試出願受付中:11月25日(月) 出願締切
早期出願の特典があります
本学に興味をお持ちの方はお気軽に説明会、 セミナーにご参加ください。 (東京・名古屋・大阪・福岡の各校舎で実施中)

21世紀の新しい 温泉保養を考える

環境庁が推進する新・湯治
温泉地に長期滞在し、入浴と休息を繰り返し ながら病気を治したり、英気を養ったりする古 来からの習慣「湯治」。温泉の保護と振興を目 指す環境省は、21世紀型の新しい湯治を推進 するプロジェクトを開始した。企業の団体温泉 旅行に代わるワーケーションやハッカソンの可 能性を探り、温泉だけでなく周囲の自然や文化 を積極的に楽しむ、統合型の温泉旅行の開発 を目指す。(→p36)

東京で構築した ブランドと故郷へ

東京・下北沢で開業し、独自のスタイルと世 界観で多くのファンを獲得していた花屋 milcan(ミルカ)。店主の山田氏は、2018年 に出身地の八戸市にUターンし、地元の花や 植物を取り入れた作品を全国に発送している。 地方でもやりたい仕事ができることを、次世代に伝えることも目標の1つだ。(→p120)

地域に開かれた新しい交流の場

十和田のサードプレイス「14-54」
アメリカ人の青年が青森県十和田市にオープンした
スペース『14-54』。多種多様なイベントが開催されて、和田市現代美術館主催による企画も行われている。
スペースの貸し出しは基本的に無料。貸し出す際の 条件は、「地域を盛り上げたいという思いがあるかどうか」 だ。(→p118)

お米と野菜から生まれた人と自然に優しいクレヨン

おやさいクレヨン
青森在住のフリーランスデザイナーの女性 が生み出した「おやさいクレヨン』。それは、 青森県産の野菜とお米を主な原材料にしたクレヨンであり、しかも従来は収穫の際に 捨てられていた外葉などを使用している。 そのユニークな商品は日本を飛び出し、海 外でのコラボも始まっている。(→p122)

自然の中で旬の食材を堪能 「下北ジオ・ダイニング」

青森県むつ市
青森県北東部の下北半島に位置するむつ市。自然の景観の中で、ジオ(自然)が育んだ豊かな食材を堪能する「下北ジオ・ダ イニング」など、独自の観光施策に取り組 んでいる。それは、食と景観という地域資源 を組み合わせ、「世界でここにしかない」価 値をつくり出すための挑戦だ。(→p110)

一般家庭にも身近な ナチュラルコスメを提供

ビーバイ・イー(BbyE)
一般の消費者には手の届きにくい贅沢なものというイメー ジの強かったナチュラルコスメ。青山1店舗のみの展開 だが、化学由来成分に依存せず、生産者の顔が見える 原料を厳選し、通信販売も併せてプロダクトの普及に努めるビーバイ・イー。暮らしの中に自然の恵みを届け、「植 物と共に歩むやさしい暮らし」を提案する(→P128)

千年先も工藝を。 職人と行政の想い

千年未来工藝祭
「伝統工芸品の産地が集積する福井県 越前市で、若手職人たちと市の連携で スタートしたクラフトイベント「千年未来工芸祭」。伝統産業を新産業として捉え 直し、市民へのシビックプライド醸成を目指す。(→p60)

未来を築く、人材育成

先端教育
購読のご案内
月刊先端教育は、「未来を築く、人材育成」をテーマに、社会と教育界を結ぶ専門誌です。
幼児教育、学校教育、社会教育、生涯教育、企業内人材育成など、 あらゆる「人づくり」に関わる方に有益な情報・アイデアをお届けします。

事業構想大学院大学 出版部 (編集)
出版社: 株式会社日本ビジネス出版; 月刊版 (2019/10/1)、出典:出版社HP

CONTENTS 2019 NOVEMBER

PROJECT DESIGN
イノベーション特集
ヘルスケアの新産業
人生100年時代、「健康」の新ビジネス
数字で見る
ヘルスケア・予防関連ビジネス
未病対策から生まれる新ビジネス
ウェルビーイング向上に勝機
経済産業省のヘルスケア産業振興
「明るい超高齢社会」を構築
スポーツクラブ経営のルネサンス
連携で地域に新たなビジネスを
千葉大発ベンチャーのゲノムクリニック
遺伝子検査でがんリスクを知る
Holoeyes 医療コミュニケーションを革新
VR医療でデータビジネスを狙う
ヘルスデータサイエンティスト協会の人材育成
生涯型電子カルテに期待
メンタルヘルス対策が生むビジネスチャンス
能力を発揮できる職場を作る
環境省の「新・湯治」推進
温泉保養をバージョンアップ
日本スパ振興協会
健康関心度の高い層にアピール
ウェルネスツーリズムの核を作る
ヘルスケア領域は広範囲の業界にチャンス
構想と連携で生み出す新ビジネス
地域特集36
食と観光、知られざる魅力 青森県
三村申吾・青森県知事インタビュー
食・観光が牽引、選ばれる青森へ
数字で見る青森県
フォルテ 「地域目線」でIoTプロダクトを開発
青森初、上場ベンチャーを目指す
むつ市食とイルカを活かして「稼げる観光地」に
「世界でここにしかない」を追求
まちおこしゲリラ集団、マグロ女子会
「大間」を世界の表舞台へ
マグロで実現! 奇跡のまちづくり
たびすけ 「そこにしかない魅力」で人を呼び込む
地域を「編集」し、世界に届ける
十和田のサードプレイス 14-54] 人と地域がつながる場をつくる
ブランドを携えて故郷へ「milcah(ミルカ)」
立地に縛られないクリエイティブのカ
若年層流出阻止へ
「高度専門人材活躍の場」創出を

1年間でSDGsの新事業を
開発する研究会
SDGs新事業プロジェクト研究
2015年9月に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、企業を中心に広く知られるところとなりました。 しかしながら、特に日本企業においては、社会的責任(CSR)としての取組みや、コミュニケーションツールとしての活用 にとどまっているケースがほとんどと言える状況です。2030年のSDGs達成に向けて企業ができること、やるべきことはイ ノベーションであり、新たな価値を提供することです。 SDGs新事業プロジェクト研究は、1年間で新事業を開発する研究会です。 SDGsに関する理解を深めつつ、洞察やアイデア・高い視座・ビジネスモデルなど、新たな事業を開発するための知見をため、自社の経営資源を見直しながら、1年でSDGsの達成に貢献する新事業を開発します。

東京会場 期間:1年間
時間 4時間(13時~17時)
開催数、24回(月2回・12ヶ月)
定員15名※最少実施人数10名
主催 学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学事業構想研究所

開事業構想

PROJECT DESIGN
特別企画
地方創生フォーラム2019 開催レポート
地方創生、第2期へのヒント
第2期のカギは資源の集中投下と生産性向上
地方創生、事例から考える戦略策定
村上敬亮 内閣府 地方創生推進事務局 審議官
分子生理化学研究所
サプリメントが地域課題を解決
NTTドコモ
チャットボットで実現 行政の省人化
フォレストシー 中山間地域の課題をIoTで解決
遠距離無料無線で通信圏外をゼロに
地域が主役の戦略的な観光地域づくり
DMOを活用したインバウンド戦略
発想・アイデア
大企業×ベンチャー
公・民・学連携で実証を支援
西林加織三井不動産柏の葉まちづくり推進部 事業グループ主事
大阪発、未来への社会デザイン
ベンチャー投資で事業創出を加速
和田裕至 JR西日本イノベーションズ 代表取締役社長
SDGs×イノベーション
「非財務情報の標準化」で 新事業の芽を
三井久明国際開発センター(IDCJ)
富山市の都市経営
行政と市民が手を携え
住みよいまちづくり
クリエイティブのまち青山
植物と共に歩むやさしい暮らし
杉谷惠美 ピーバイ・イー代表取締役
新規事業開発のための広報視点
「リアリティの法則」で消費者を動かす
四元正弘社会情報大学院大学教授
インバウンドの心を捉える「ほんもの体験」
「体験」重視の旅で
滞在型観光地に転換
インセンティブツアーのニーズ変化で追い風
BtoBインバウンドを
和文化体験でつかむ
電通アドギア
チームビルディング・ツーリズムで地域経済を活性化
観光消費拡大、団体集客の極意
京都市のキャッシュレス推進事例から考える
インバウンド消費拡大への活路
Visa キャッシュレスは地方創生実現へのインフラ
タッチ決済、脱現金の原動力に
インタビュー
現代イノベーション考
発明を、変革を楽しむ会社に
山本良一 J.フロントリテイリング取締役 兼代表執行役社長
パイオニアの突破力
プレッシャーも喜劇に変える 上田慎一郎 映画監督
日本型シェアリングエコノミーの可能性
シェアリングが地方を変える
地域から興すイノベーション
大阪を世界につながる 共創都市に
吉川正晃 Human Hub Japan 代表
ブランディング手法の最先端
世界基準の 『グローバルブランディング』
石坂昌也 合同会社Design and Management グローバルブランドデザイナー/CEO
分析・論説
ザ・ライバルズスリープテック対決!
西川 vs エアウィーヴ
スポーツと地域活性
スポーツまちづくりの秘訣とは
松橋崇史拓殖大学商学部准教授
スポーツと地域活性
危機から再生、No.1チームに
島田慎二 千葉ジェッツふなばし代表取締役会長
デジタル時代の経営者
日本が直面する「2025年の崖」
一條和生事業構想大学院大学特別招聘教授
知が創る未来ビジネス
「見えない資産」が将来を決する
早川典重事業構想大学院大学特任教授)
事業を構想し実践する「ビジネスデザイン」
人と場を育み、産業の「森」をつくる
SDGs達成へ、民間資金を呼び込む
「お金の流れ」を変え、社会を変える
SDGs達成へ、民間資金を呼び込む
世界で動き出す「新しい金融」
地方創生の実践へ 議会質問のヒント
子どもの貧困って何だろう? 牧瀬稔関東学院大学法学部
地域創生学科准教授
産官学共創のキーファクター
神戸市における公民連携の推進
藤岡健神戸市企画調整局産学連携ラボ所長
実務家教員による大学教育
実務家教員のモデルとしての フレデリック・テイラー
Topics 132 「管理力」で不動産のブランド構築へ
さくら事務所、 マンションポータルを開設
書評・他
MPD通信
上場経験者の現役社長が
事業構想の実践論を講義
MPDの本棚
地域再生の切り札を広める

事業構想大学院大学 出版部 (編集)
出版社: 株式会社日本ビジネス出版; 月刊版 (2019/10/1)、出典:出版社HP

60分でわかる! AI医療&ヘルスケア 最前線

医療分野をテーマごとに理解する

イラストが多く、だれにでもとっつきやすい一冊です。また、図解されているのでわかりやすく概要を掴むことが出来ます。この本をきっかけに全体像を捉えた上で、興味のある分野をさらに深掘りしてみると面白いでしょう。

三津村 直貴 (著), 岡本 将輝(TOKYO analytica) (監修), 杉野 智啓(TOKYO analytica) (監修)
出版社: 技術評論社 (2019/9/17)、出典:出版社HP

Contents

Chapter 1
どこまでできる? Alx医療の基礎知識
001 世界で高まる「健康」への意識とその課題
002 医療を進化させるカギ「AI」
003 医療にAIを導入するメリット
004 医療の現場で活躍できるAIとは
005 「機械学習」で成長し続ける診断能力
006 日々の生活もAIで快適かつ健康に
007 ここまで進んだ! 海外AI医療最新事情
008 世界に対して出遅れる日本
009 政府が主導する「AI病院」 計画とは
Column 少子高齢化でAI医療が必要になる理由とは

Chapter2
通院せずに病気がわかる Alx検査の最前線
010 AIで検査がスムーズに進む!
011 広まるウェアラブル機器での健康管理
012 睡眠状態から健康リスクを管理する
013 もう苦しくない! 飲む内視鏡
014 メンタルの不調もAIで検出できる
015 AIによる遺伝子検査で「将来かかる病気」がわかる?
016 通信から充電まで 無線で医療はここまで進化する
017 AIと「埋め込み型センサー」で24時間のヘルスケアができる!
018 「見えない初期症状」をAIが検出 発症前に病気がわかる!
Column ビッグデータを分析し医師を支える「データサイエンティスト」

Chapter3
最適な治療ができる Alx診察の最前線
019 AIですばやく正確な診断ができる!
020 AIによる診断のしくみ
021 医師を圧倒したAIの診断
022 AIが見抜いた真の病名
023 AIで診察結果を多角的に分析し、予測まで行う
024 「リアルタイム内視鏡」で診察しながらがんを見つけ
025 AIは「参考」最後は医師が判断する
026 待ち時間が激減! AIによる問診とは
027 「在宅医療」の実現で通院も入院も不要になる!
Column 日本医師会が重視する、AIの「ホワイトボックス」化

Chapter 4
最新メカニクスとの融合 Alx手術の最前線
028 AIで医師の技術・地域格差はなくなる!
029 より正確な動作が可能に 手術用ロボットの導入
030 傷はたったの数センチ 驚異の低侵襲手術
031 ロボットの遠隔操作で名医の手術が身近に
032 AIとロボットによる「完全自動手術」実現のために
033 AIを活用したロボット手術でなければできないことは?
034 AIの高精度な予測で手術後も安心
035 急患の搬送から手術までのプロセスが変わる!
Column 日本の切り札になるか、世界屈指の内視鏡技術

Chapter5
こんなところでもAIが活躍 Alx薬の最前線
036 AIの活用で新薬開発のコストが下がる!
037 Amazonが薬品販売事業に進出
038 錠剤にチップが埋め込まれた「デジタル薬」とは
039 AIが調合する「あなた専用サプリメント」で健康に
040 「不治の病」がなくなる? 難病に効く薬をAIで開発 する
041 AIによる治験改革、シミュレーションと自動化ですばやく承認!
042 遺伝子データを解析し、疾患に最適な治療薬を見つけ
Column 創薬コストの問題は、まだ完全に解決していない

Chapter6
負担軽減もAIにお任せ Alx介護の最前線
043 周囲の負担も本人の負担もAIで軽減できる!
044 介護の現場で進むロボティクス支援
045 「排泄予測デバイス」でトイレのタイミングがわかる
046 コミュニケーションロボットとの対話で患者を見守る
047 「IoTベッド」が離床を検知、不慮の事故を防ぐ
048 「顔認識」するAIで施設外の徘徊を防止する
049 患者を癒す「ペットロボット」とは
050 AIのサポートで「自立支援型」の介護を実現
Column AIやロボットの導入につながる施策と介護報酬改定

Chapter7
実現に向けて越えるべき壁とは Alx医療の課題
051 「がん検査」のAIは「かぜ」を理解できる?
052 AIは「治療のためなら患者を殺す」?
053 未知の新疾病や珍しい疾患をAIは見抜けるの?
054 AIによる誤診の責任はどこにある?
055 患者の医療データは最重要機密 個人情報は守られる?
056 ブラックボックス化されたその思考 AIと倫理問題
057 法曹界では人種差別も AIの「偏見」はなくせる?
058 AI医療機器のコストは減らせる?
059 人間には何ができるのか AIと人間のかかわり
AI医療関連企業リスト
索引

■『ご注意』ご購入・ご利用の前に必ずお読みください
本書に記載された内容は、情報の提供のみを目的としています。したがって、本書を参考にした運用は、必ずご自身の責任と判断において行ってください。本書の情報に基づいた運用の結果、想定した通りの成果が得らなかったり、損害が発生しても弊社および著者はいかな
る責任も負いません。
本書に記載されている情報は、特に断りがない限り、2019年8月時点での情報に基づいています。サービスの内容や価格などすべての情報はご利用時には変更されている場合がありますので、ご注意ください。
本書は、著作権法上の保護を受けています。本書の一部あるいは全部について、いかなる方法においても無断で複写、複製することは禁じられています。
本文中に記載されている会社名、製品名などは、すべて関係各社の商標または登録商標、商品名です。なお、本文中にはTMマーク、Rマークは記載しておりません。

三津村 直貴 (著), 岡本 将輝(TOKYO analytica) (監修), 杉野 智啓(TOKYO analytica) (監修)
出版社: 技術評論社 (2019/9/17)、出典:出版社HP

デジタルヘルスケア (やさしく知りたい先端科学シリーズ5)

デジタル技術革新で医療が劇的に変わる

超高齢化社会において期待されている技術の一つが「デジタルヘルスケア」です。手術・介護を支援するロボット、アプリによるヘルスケアデータの管理、ICT技術による遠隔治療など、医療分野の最先端技術について実例を通して理解できる1冊です。

遊間 和子 (著), 武藤 正樹 (監修)
出版社: 創元社 (2020/2/19)、出典:出版社HP

はじめに

2040年、日本は高齢者人口のピークを迎える。2040年は団塊ジュニアが 65 歳以上の高齢者に仲間入りする年だ。この高齢化の頂上 へ向けて、日本は今、世界最速のスピードで坂道を駆け上っている。

2040年はどんな年になるだろう?そのとき日本の高齢化率は35%で世界トップ、そして医療、介護、子育てに費やす社会保障給付費は 190 兆円、GDP対比 24% に達する。ただこのGDP 対 比 24% は、ヨーロッパ諸国と比べれば真ん中ぐらいで、世界で飛び抜けて大きいとは言えない。

そして 2040 年の最大の問題は労働人口の減少だ。2040 年には、15歳から64歳の就労人口は、現在よりおよそ1500万人以上も減少する。つまりカネは何とかなっても絶対的ヒト不足の社会となる。

そこで 2040 年問題へ向けて、さまざまな施策が実施されている。いわゆる「人生 100年」「1億総活躍」の時代の訪れである。具体的には元気老人の活用、女性の活躍、ICTやAI、ロボット、外国人労働者の活用など。本書はこの中で、ICT や AI、ロボットなどのデジタルヘルスケアを中心に、2040 年の労働人口減少化時代のソリューションを展望している。

さて「デジタルヘルスケア」とは、ICT や AI、ビッグデータ、ロボットなど、デジタル技術によるヘルスケア関連の成果の向上を目指す技術のことだ。すでにウエアラブルなスマートウオッチや介護ロボット、リハビリ支援ロボット、手術支援ロボット、AIによる画像診断支援、ゲノム解析技術などが実用化されている。この他にもデジタルヘルスケアの舞台のそでには、次世代技術が所狭しと、出番を待っている。錠剤にセンサーを埋め込んだデジタルメディスン、生活支援ロボット、認知症の人のためのスマートハウス、AI によるケアプラン支援、デジタル ACP(アドバンス・ケア・プラ ンニング)など。

ただ一方、規制に阻まれた課題もある。遅々として進まぬオンライン診療、デジタル化を進める上で欠かせない個人識別子の課題、生 活支援ロボットの国際標準化、現行の医薬品医療機器等法での AI 技術やデジタルメディスンの取り扱いなど。

本書ではこうした課題についても、オランダやフィンランド、デンマークなどの海外事情を教えてくれている。2040 年まであと 20 年、本書を片手にさまざまな規制を乗り越え、デジタルヘルスケアの果実を手にしていただければ幸いである。

2020年元旦 国際医療福祉大学大学院 武藤正樹

遊間 和子 (著), 武藤 正樹 (監修)
出版社: 創元社 (2020/2/19)、出典:出版社HP

Contents

はじめに

Chapter1 少子高齢化で 求められるヘルスケア改革
101 高齢化が進む日本・
1-02 要介護者の急増と不足する介護人材
1-03 医師の高齢化と地域における不足・偏在
1-04 社会保障費の急騰
1-05 日本の医療の特徴と健康保険のしくみ
1-06 日本の介護の特徴と介護保険のしくみ
1-07 急性疾患から慢性疾患へ
1-08 平均寿命と健康寿命のギャップ
1-09 ヘルスケア改革① 治療から予防へ
1-10 ヘルスケア改革②施設から在宅へ
1-11 患者・市民中心のヘルスケア「地域包括ケア」
用語解説

Chapter2 ヘルスケアで進むデジタル化のインパクト
2-01 デジタルヘルスとは
2-02 デジタルヘルスがもたらすメリット
2-03 日本で進むデータヘルス改革
2-04 要となるヘルスケア分野のID
2-05 ヘルスケアデータを電子化して活用するEHR
2-06 組織をまたがる情報共有を可能にするHIE
2-07 個人が主体となって自らのデータを管理するPHR
2-08 デジタルヘルスを促進する「次世代医療基盤法」
2-09 バイオバンクの可能性と課題
2-10 生活支援ロボットと国際標準化
用語解説

Chapter3 デジタルヘルスケアが 浸透する社会
3-01 AIやIoTがもたらすヘルスケアイノベーション
3-02 健康を促進するスマートウォッチ
3-03 健康増進型保険でインセンティブを高める
3-04 AIが支援する個人別サプリメント選択
3-05 医師法が壁となっていたオンライン診察
3-06 個別化医療を加速するゲノム解析
3-07 本格化するAIによる画像診断支援
3-08 医師をサポートする手術支援ロボット
3-09 健康を管理するスマートベッド
8-10 ICTによる服薬アドヒアランス向上
3-11 機能回復を促す装着型サイボーグ
3-12 慢性疾患管理も簡単に
3-13 認知症介護の負担軽減
3-14 センサーによる排泄予知
3-15 AIによるケアプラン作成支援
3-16 終末期における希望を叶えたい
用語解説

Chapter4 欧米がリードするヘルスケアイノベーション
4-01 オランダのデジタルヘルス事情
4-02 フィンランドのデジタルヘルス事情
4-03 デンマークのデジタルヘルス事情
4-04 英国のデジタルヘルス事情
4-05 EUにおけるヘルスケアデータの流通
4-06 ヘルスケアに関わる国際標準化の動き
4-07 GAFAのヘルスケア分野への参入
用語解説

Chapter5 デジタルヘルスで変わる未来の社会
5-01 患者・市民と医療・介護従事者の意識改革
5-02 AI活用と倫理
5-03 個人情報保護と利活用のバランス
5-04 医療機器プログラムとデジタル療法
5-05 官民連携によるエコシステムの構築
5-06 QOL・QOD向上につながる新しい社会

さくいん
参考書籍・ 写真提供

遊間 和子 (著), 武藤 正樹 (監修)
出版社: 創元社 (2020/2/19)、出典:出版社HP