【最新】ドローンの知識を深めるためのおすすめ本 – ドローンの仕組みから運用方法まで

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ドローンはどんな仕組みなんだろうか?今後どんな目的で使われる?

ドローンは映像を撮影したり、荷物を運んだりと多くの分野ですでに活躍しています。今後、技術の発展によってさらなる使い道が開拓されるでしょう。そこで今回、そもそもドローンはどのような仕組みで動いているのか、進化を遂げると何ができるようになるのかがわかる本をご紹介します。

 

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出典:出版社HP

続・ドローン産業応用のすべて: 進化する自律飛行が変える未来

ドローン産業の急速な発展を知る

本書は、『ドローン産業応用のすべて』の続編であり、この間の約2年半の期間にドローン産業がどのように進展したかをまとめています。本書だけを読んでもドローン産業の応用について広く学ぶことができますが、前書と併せて読むことドローン分野の急速な発展を学ぶことができる構成となっており、ドローン産業の確実な進化を体感できます。

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はじめに

本書は、2018年2月にオーム社から出版された『ドローン産業応用のすべて』の続編で、この約2年半の期間にドローン産業がどのように進展したかをまとめている。『ドローン産業応用のすべて』が大変好評であったので、今回の書名は頭に「続」を冠して「続・ドローン産業応用のすべて」とした。とくに、3章の「ドローン利活用最前線」はこの2年半での利活用のすそ野の広がりを詳細に紹介している。前書も本書も「ドローン利活用最前線」の章に最も力を入れて編集しており、執筆者は各分野の利活用の最前線でご活躍の方々(法人)に執筆いただいた。3章を執筆いただいた各法人は、わが国の最先端を進んでいるドローン利活用法人であることは論を待たない。したがって、本書によってドローンビジネスの最も大きなシェアを占めるドローンユーザーの利活用の全貌が理解できるといっても過言ではない。すなわち、わが国のドローン産業がどこまで来ているか、その実像が正確に把握できるということである。

前書を執筆いただいた方々の多くは、本書も執筆いただいたので、前書と本書を読み比べてみることで、その差分が新しい展開ということになる。例えば、前書ではドローン利活用の計画であった内容が、本書では実際に利活用がなされて、その結果いろいろな課題が見えてきたといった考察が記載されており、読み応えのある内容になっている。あるいは、前書では実証試験であったものが、本書ではビジネスとして成立しているといった内容である。2つを読み比べることで、分野によっては急速に進化し発展している領域と、必ずしもそうではない分野があることも判明する。さらに、前書にはなかった「建築分野における利活用最前線」、「マイクロドローン利活用最前線」、「エンターテインメントにおける利活用最前線」が新たに追加されていることもドローン産業の新しい動向で、これまで難しい分野であった領域が新たに開拓されて利活用が始まっており、確実に進化していることが理解できる。

本書は、2章で「ドローンの自律制御技術と周辺技術」を紹介している。前書では同じく2章で「ドローンの自律制御技術」を紹介した。前書と本書の大きな違いは「周辺技術」である。特に、この2年半の間にAI、深層学習、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、5G、携帯電話の上空利用などの技術が飛躍的な速度で進化しており、そのインパクトがドローン自律制御技術にも波及して、自律制御技術に大きな変革と進化を及ぼしている。これらの技術を「周辺技術」と称して、本書の2章で詳しく記述している。2章の執筆者もわが国を代表する第一線の方々(法人)である。ここで紹介している「周辺技術」は、この2年半で劇的な技術革新となっており、本書では積極的に取り上げ、ドローンの自律制御技術の近未来を照らし出そうと企画した次第である。

本書の1章は、前書では「ドローンの歴史と要素技術・飛行制御」であったが、本書では「世界のドローン産業をめぐる最新動向」について紹介している。わが国のドローン産業を語る場合、多くの機体が海外から輸入されている現状を鑑みたとき、地政学的に海外動向は必須であり、正しい日本のドローン産業の現状分析と展望には、グローバルな視点が欠かせないからである。1章では、世界のドローンビジネス動向、技術動向、法整備動向、利活用動向について俯瞰的に考察している。この結果、世界と日本での微妙な応用分野の違いなどを紹介しながら、日本のドローン産業の世界の中での立ち位置や課題を議論している。また、わが国では世界と比べて明らかに後れをとっている物流ドローンについて世界の先進的事例を紹介し、さらに、こちらも大幅に後れをとっているドローンの大型化によるパッセンジャードローンについて、激烈な競争の構図を紹介している。

4章は、前書では「ドローン管制システム/運航管理システム構築に向けて」であったが、国のプロジェクト(NEDO/DRESSプロジェクト)でかなりの部分が開発されたため、ドローンの目視外・第三者上空飛行には必須の「運航管理システム」の全体像を紹介している。さらに、「無人航空機性能評価基準に関する研究開発」や「国際標準化(ISO)の動向」などもDRESSプロジェクトでも実施しているため、現在どこまで来ているかについて述べている。

5章は、前書では「空の産業革命推進に向けた課題と展望」であった。ここでの課題のうち法整備がこの2年半で飛躍的に進んでおり、飛行レベルの最終形態であるレベル4に関する法整備に着手する段階にまで来ている。そこで、5章では、「大都市上空飛行をはじめとする目視外・第三者上空飛行の実現に向けて」について、法整備の準備状況などを解説し、どのようなコンセプトと法体系で、大都市上空飛行をはじめとする目視外・第三者上空飛行を許可するのかという観点から論じている。

本書の最後は、結言に代えて「ドローン産業の新たな展開」について、本書発行時点で世界を恐怖に陥らせている新型コロナウイルスの感染拡大防止とドローンの役割について、新たな応用分野の創出という視点から現状と課題を述べている。

以上に述べたように、本書は『ドローン産業応用のすべて』と『続・ドローン産業応用のすべて』を、可能な限り章立てを変えないように心掛け、両書を対比して読んでいただくと、この2年半のさまざまな分野でのドローン産業の進化が克明に理解されるように企画・編集している。つまり前書の内容を刷新する新版というよりは、前書からの伸びしろを実感していただけるように配慮した構成となっている。こうした観点からのドローンに関する体系的な書籍は、編著者の知る限り前書とこの本書しかない。

最後に、本書出版に関して総数35法人の皆様のご協力がありました。ご多忙の中、執筆をご快諾いただき、懇切丁寧で貴重な原稿をご提供いただきました。ここに厚く御礼申し上げます。

また、このような機会を与えていただきました株式会社オーム社の「OHM」編集長の矢野友規氏、および可香史織氏に感謝申し上げます。

2020年7月
野波健蔽

目次

はじめに

1章 世界のドローン産業をめぐる最新動向
1.1 世界のドローン産業におけるビジネス動向
1.1.1 ハードウェアのコモディティ化とソフトウェアの競争激化
1.1.2 世界のドローン産業の大分類と小分類
(1) ハードウェア
(2) ソフトウェア
(3) サービス
1.1.3 世界のドローン市場の成長予測
1.1.4 ドローンに関する仕事の分類とドローンの拠点

1.2 世界のドローン産業における技術動向
1.2.1 ドローンのデザイン動向
1.2.2 ドローンサイズとフレーム素材
1.2.3 モーター・プロペラ・シュラウド技術
1.2.4 バッテリー技術
1.2.5 電子速度制御器
1.2.6 ドローンの一般的な衝突回避技術動向
(1) ビジョンベース(Vision based)
(2) 超音波(Ultrasound)
(3) 赤外線(Infrared)
(4) LiDAR(ライダー)
(5) レーダー(Radar)
1.2.7 ドローン搭載センサー
1.2.8 ドローン自律飛行とデータ解析のためのソフトウェア
1.2.9 ソフトウェアのオープンソース化とクローズドソース化
1.2.10 ドローンの自動化から自律化へ
1.2.11 高速大容量通信5G環境によるインフラの高度化
1.2.12 ドローン搭載用携帯電話の上空利用

1.3 世界のドローン法整備の動向
1.3.1 アジア地域
(1) 日本
(2) 中国
(3) シンガポール
1.3.2 南北アメリカ地域
(1) 米国
(2) カナダ
(3) ブラジル
1.3.3 オセアニア地域
(1) オーストラリア
(2) ニュージーランド
1.3.4 ヨーロッパ地域
(1) 英国
(2) フランス
(3) ドイツ
(4) イタリア
(5) スイス
(6) スペイン
(7) スウェーデン
(8) フィンランド
1.3.5 アフリカ地域
(1) ケニア
(2) 南アフリカ共和国
(3) ジンバブエ

1.4 世界のドローン利活用動向
1.4.1 利活用分野別のビジネス予測
1.4.2 農林水産業分野の利活用動向
1.4.3 マッピング分野の利活用動向(林業、鉱業、建設、不動産、検査、測量など)
1.4.4 災害対応分野の利活用動向
1.4.5 配送と物流分野の利活用動向
1.4.6 乗客用ドローン(空飛ぶクルマ)の動向

2章 ドローンの自律制御技術と周辺技術
2.1 モデル予測制御による衝突回避
2.1.1 モデル予測制御
2.1.2 モデル予測制御を用いたドローンの衝突回避システム
2.1.3 飛行実験

2.2 最新のビジュアルSLAMによる自律制御
2.2.1 ビジュアルSLAMの概要
2.2.2 ビジュアルSLAMの原理
(1) 映像から特徴点を抽出する
(2) 特徴点を重ね合わせて特徴点マップを生成する
(3) 特徴点マップと画角内の特徴点を照合して自己位置を推定する
2.2.3 ビジュアルSLAMの方式
(1) 単眼カメラによるSLAM
(2) ステレオカメラによるSLAM
2.2.4 ビジュアルSLAMの性質(利用上の注意点)

2.3 環境認識と知能型AIベース自律制御
2.3.1 畳み込みニューラルネットワーク
2.3.2 環境認識
2.3.3 インテリジェントなAIベース自律制御
2.3.4 まとめ

2.4 大型飛行ロボットのあるべき姿
2.4.1 AI技術によって高度化された自律飛行制御
2.4.2 飛行自律性・環境複雑性・ミッション複雑性と飛行リスク
2.4.3 群知能活用によるドローンショー、物流や災害対応への活用

2.5 深層学習アルゴリズムによるビッグデータ処理
2.5.1 ディープラーニングとニューラルネットワーク
2.5.2 ビッグデータ
2.5.3 ハードウェアパワー
2.5.4 先端的ディープラーニングアルゴリズム
2.5.5 ディープラーニングの成功要因と課題

2.6 エッジコンピューティングとクラウドコンピューティング
2.6.1 クラウドコンピューティングとは
2.6.2 クラウドの種類:パブリッククラウドとプライベートクラウド
2.6.3 クラウドの種類:IaaS、PaaS、SaaS
2.6.4 クラウドのメリット
2.6.5 クラウドのデメリット
2.6.6 エッジコンピューティングとは
2.6.7 エッジコンピューティングのデメリット
2.6.8 ドローンにおけるクラウドとエッジの活用

2.7 携帯電話ネットワークの上空利用に向けた取り組み
2.7.1 モバイルネットワークの進展
2.7.2 ドローンにモバイル通信を活用するメリット
2.7.3 実用化に向けた課題
2.7.4 実用化に向けた取組み状況
(1) ドローンの長距離目視外飛行(レベル3)への取組み
(2) 運航管理システム(UTM)への取組み

2.8 自律飛行ロボットと無線周波数帯
2.8.1 ドローンの無線システム
(1) 産業用ドローンが使用する主な無線システム
(2) 操縦用の無線システム
(3) テレメトリング通信
(4) 映像伝送システム
(5) GNSS受信機
2.8.2 無線システムの脆弱性
(1) 操縦用の2.4GHz無線機
(2) 混雑する2.4GHz帯
(3) 受信機の電力干渉と感度抑圧
(4) 市街地にあふれる商用無線局
(5) フェールセーフと訓練
(6) ドローンのEMC対策と電波環境調査の必要性

2.9 自律型ドローンとアンチドローン(カウンタードローン)
2.9.1 検出、追跡、識別
2.9.2 非双方向対策
2.9.3 物理的阻止ソリューション

2.10 高信頼性駆動系に関するドローン
2.10.1 高信頼性駆動系を備えたドローンの必要性
2.10.2 ドローンの飛行原理
2.10.3 同軸同回転のマルチコプター
2.10.4 デンスプロペラ構造のマルチコプター
2.10.5 空飛ぶタクシー

3章 ドローン利活用最前線
3.1 日本における利活用動向と展望
3.1.1 日本におけるドローン市場成長予測と産業の現状
3.1.2 目視外飛行とドローンによる物資搬送
3.1.3 農林水産業分野でのドローン活用
3.1.4 インフラ維持管理・測量分野でのドローン活用
3.1.5 ドローン利活用の最前線

3.2 農業・林業・水産業分野における利活用最前線
3.2.1 農業分野における全体傾向
(1) ロードマップ
(2) 農業分野の諸動向
3.2.2 農薬散布ドローンの実装実績と課題
(1) 農薬散布ドローンの現状
(2) 農薬散布ドローンの飛躍的普及を目指して
3.2.3 精密農業におけるドローン活用
(1) 精密農業に必要なドローンの高精度飛行制御技術
(2) 農業分野で活用が広がるドローンの活用(果樹受粉でのドローン適用)
(3) 果樹へのドローンの活用(摘花へのドローン適用の可能性)
(4) 農業分野におけるこれからのドローン
(5) 農林水産省のドローン活用にかかわる普及促進策
3.2.4 ドローンによる農業リモートセンシングの新展開
(1) ドローンによる農業リモートセンシングの発展
(2) ドローンに搭載されているセンシング用カメラ
(3) 利活用の現状
(4) 今後の動向
3.2.5 先進ドローンリモートセンシングのスマート農業への活用
(1) 現場操作性の高い低コストのリモートセンシングプラットフォーム
(2) 農業のスマート化におけるドローンリモートセンシングの役割
(3) 先進ドローンリモートセンシングの構造と機能
(4) 確かな使い方のためのワークフロー
(5) 高度な自動見回りの普及と省力的な空中管理作業へ

3.3 測量分野における利活用最前線
3.3.1 ドローンによるレーザー測量
(1) ドローン測量の変革
(2) 写真測量とレーザー測量の違い
(3) レーザーシステムの概要と構成機器の選択条件
(4) ドローン搭載型レーザーシステム(TDOT)
(5) ドローン搭載型グリーンレーザー機器の概要と事例
(6) 今後の傾向
3.3.2 測量分野におけるドローンの応用と利活用事例
(1) ドローン搭載型レーザースキャナーの精度に関する評価事例
(2) 諸施設の施工管理のためのドローンの活用
(3) グリーンレーザードローンの概要と計測事例
(4) UAV撮影による火口の3次元モデル作成
3.3.3 測量用UAV-LiDARの評価と区分整備に向けて
(1) 技術的指針の現状
(2) 測量用UAV-LiDARの性能評価の現状と主旨
(3) 機器仕様
(4) 機器の検査
(5) 機器の評価結果を踏まえた点密度の検証
(6) マルチパルスの検証(参考)
(7) 今後の課題と考察
3.3.4 建設・測量分野でのドローン活用トータルソリューション
(1) スマートコンストラクション
(2) ドローン測量の「次の課題」
(3) ドローン測量から進捗管理ツールへ
(4) 現場での使われ方
3.3.5 上空気象観測におけるドローンの可能性
(1) 気象観測
(2) 上空気象観測ドローン
(3) 産業用ドローンと計測分野

3.4 設備・インフラ点検分野における利活用最前線
3.4.1 設備・インフラ点検分野におけるドローン利活用
(1) 設備・インフラ点検市場の特徴と市場規模
(2) 閉鎖環境の設備・インフラ点検
(3) 屋内設備・インフラ点検、パトロール
(4) プラントの設備・インフラ点検
3.4.2 非GPS環境対応型ドローンなどによる社会インフラ点検
(1) 「道路定期点検要領」の改定
(2) 「点検支援技術性能カタログ(案)」
(3) 「新技術利用のガイドライン(案)」
(4) 道路橋梁定期点検要領の改訂説明会が全国で開催
(5) 各地方整備局において新技術の採用がはじまる
(6) さまざまな施設でドローンによる点検が本格化
(7) 今後の展望
3.4.3自動飛行するUAVを用いた橋梁への近接撮影と点検画像の技術
(1) なぜUAVでの大型橋点検が難しいのか
(2) 大型橋点検へのチャレンジ
(3) 撮影(外業)の概要
(4) 解析(内業)の概要
(5) 残された課題
3.4.4 橋梁点検におけるドローン活用
(1) 橋梁点検におけるドローン活用の概要
(2) 橋梁点検画像の撮影
(3) 橋梁点検画像の活用
(4) 国土交通省が推進する
3次元成果品納品
3.4.5 下水道などの閉鎖空間を有するインフラ施設での点検調査
(1) 閉鎖性空間用UAVの仕様
(2) 飛行原理
(3) 下水道事業での利活用
(4)Air Slider®による点検調査の手順
(5)Air Slider®による下水道の点検調査
3.4.6 狭・高・暗所における小型ドローンの活用
(1) 「狭所」「高所」「暗所」の設備点検に特化した産業小型ドローン「IBIS」
(2) 室内施設の画像解析・編集技術
(3) データの保管・編集クラウド「LAPIS」

3.5 建築分野における利活用最前線
3.5.1 建築分野におけるドローン技術の動向と社会実装に向けた取組み
(1) 建築分野におけるドローン活用領域
(2) 建築分野における活用範囲と動向
(3) 建築分野における国のドローン事業
(4) 日本建築学会におけるドローン関連研究活動
(5) 建築研究所の研究事例紹介
(6) 産業分野におけるドローン技術の普及活動
(7) まとめと今後の展望

3.6災害対応分野における利活用最前線
3.6.1 自然災害対応における利活用
(1) 災害対応分野におけるドローン利活用の動向
(2) 災害対応時における社会実装プロセスとレジリエンス
(3) 近年の政府の災害対応の取組み
(4) 災害対応分野におけるドローン利活用の戦略的な取組み
3.6.2 災害医療対応での利活用
(1) 災害医療の特徴
(2) 災害医療でのドローン活用の利点と課題
(3) 海外での災害対応への応用
(4) 日常の医療での利用状況
(5) 支援者支援
3.6.3 災害対応におけるドローンの活用
(1) 災害現場でのドローンの活用
(2) 災害被害の定量的な把握
(3) 被災地における生存者の探索

3.7 警備分野における利活用最前線
3.7.1 警備分野におけるドローンの役割
(1) セコムのセキュリティサービス
(2) セキュリティサービスにおけるドローンの役割
3.7.2 商用サービスの事例
3.7.3 実証実験の事例
3.7.4 警備分野でのさらなる利活用に向けて

3.8 物流分野における利活用最前線
3.8.1 楽天が推進するドローン物流事業
(1) ドローン物流事業のミッションと利点
(2) ソリューションの概要
(3) 秩父市における日本初の目視外補助者なし飛行によるドローン宅配実証
(4) 横須賀市における猿島への日本初の有料ドローン配送サービス
(5) 課題と展望
3.8.2 日本郵便におけるドローンの物流利活用
(1) 福島県浜通り地区におけるドローン郵便局間輸送実用化(2018年)
(2) 東京都西多摩郡奥多摩町におけるドローン個宅配送試行(2020年)
(3) 今後の展望と課題
3.8.3 倉庫管理分野の利活用最前線
(1) 倉庫管理分野におけるドローン活用の概要
(2) 倉庫管理のための4つの重要技術
(3) 倉庫管理でドローンが活用されるためのポイント
(4) 今後の展望

3.9 マイクロドローンの利活用最前線
3.9.1 マイクロドローンを用いたエレベーター点検
(1) 背景
(2) いちかわ未来創造会議「小型ドローンを活用したエレベーター内部点検実証実験」
(3) 点検手法
(4) 点検結果
(5) 今後の課題
3.9.2 ホビー分野におけるマイクロドローンの活用
(1) ホビードローンによるドローンレース
(2) インドア空撮のマイクロドローン

3.10 エンターテインメントにおける利活用最前線
3.10.1 ドローンライトショー(ドローンディスプレイ)
3.10.2 屋内ドローンパフォーマンス
3.10.3 ドローンレース

4章 国プロ(NEDO)の研究開発の概要および国際標準化の動き
4.1 NEDO/DRESSプロジェクトの概要

4.2 NEDO/DRESSプロジェクトの成果
4.2.1 ドローンの飛行性能評価試験
4.2.2 無人航空機を活用したインフラ点検分野
4.2.3 無人航空機を活用した災害対応分野
4.2.4 目視外および第三者上空での飛行に向けた無人航空機の性能評価基準
4.2.5 長時間作業を実現する燃料電池ドローンの研究開発
4.2.6 無人航空機の運航管理システムの開発
4.2.7 情報提供機能の開発
(1) ドローン向け気象情報提供機能の研究開発
(2) 無人航空機の安全航行のための空間情報基盤の開発
4.2.8 運航管理システムの全体設計に関する研究開発
(1) 運航管理コンセプトの定義
(2) 運航管理システムアーキテクチャの設計
(3) 運航管理シミュレーターの開発、および運航管理コンセプト/システムの評価・検証
4.2.9 無人航空機の衝突回避技術の開発
4.2.10 協調式SAA

4.3 ドローンに関する国際標準化の動向

5章 大都市上空飛行をはじめとする目視外・第三者上空飛行の実現に向けて
5.1 さらなる産業応用を実現する法整備の状況
5.1.1 法整備に至る背景
5.1.2 法整備の検討状況

5.2 所有者情報把握(機体の登録・識別)
5.2.1 所有者情報把握の必要性
5.2.2 所有者情報把握(機体の登録・識別)制度の概要
5.2.3 所有者情報把握(機体の登録・識別)制度の対象

5.3 機体の安全性確保
5.3.1 機体の安全性に関する認証制度の概要
5.3.2 機体の認証方法

5.4 操縦者・運航管理者の技能確保
5.4.1 操縦ライセンス制度の背景
5.4.2 操縦ライセンス制度の概要
5.4.3 民間団体などの活用
5.4.4 無人航空機の飛行に関する基礎的知識に関する取組み

5.5 運行管理に関するルールなど
5.5.1 運航管理に関するルールの概要
5.5.2 運航管理システム
5.5.3 許可・承認手続きの効率化

5.6 ドローンのリスクアセスメント
5.6.1 ドローンビジネスとリスクアセスメント
5.6.2 リスクアセスメントで必要とする情報と実施体制
5.6.3 リスクアセスメントの手順
(1) 機械類の制限の決定
(2) 危険度の同定
(3) リスク見積りとリスク評価
(4) 文書化

5.7 人口密集地の飛行におけるプライバシー

5.8 サイバーセキュリティとネットワーク
5.8.1 「サイバーセキュリティ2019」について
5.8.2 「ドローンセキュリティガイド(第1版)」について

5.9 私有地および第三者私有地上空の飛行について
5.9.1 基本的な考え方
5.9.2 土地所有権をクリアするための考え方
5.9.3 土地所有権を侵害した場合のペナルティ
(1) 民事上のペナルティ
(2) 刑事上のペナルティ

5.10 自律型ドローンの事故責任
(1) 保険とドローンの自律飛行&車の自動運転について
(2) ドローン事故で誰がどのような法律上の責任を負うか?

結言 ドローン産業の新たな展開
C.1 地球規模の生物学的危機と社会システム変革期到来
C.2 ドローン産業の新たな展開に対する課題
C.3 ドローン産業をパンデミック危機からの救世主に

索引
執筆者一覧

ドローンビジネス参入ガイド

ドローンビジネス業界を知る

ドローンに関する基礎知識、ドローンビジネスに関する全体像などが広くまとめられており、これからドローンビジネスを始めようと考えている人がドローン業界について学ぶことができます。各分野で著名な企業や自治体の方へのインタビューが掲載されているほか、プロジェクトの企画書テンプレートもダウンロードでき、実用的なものとなっています。

関口 大介 (著), 岩崎 覚史 (著)
翔泳社

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※本書に掲載されている実行結果を記した画面イメージなどは、特定の設定に基づいた環境にて再現される一例です。
※本書に記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。
※本書の内容は、2017年7月執筆時点のものです。

関口 大介 (著), 岩崎 覚史 (著)
翔泳社

はじめに

現在では、飛行機に乗り空を飛ぶことは特別なものではありません。しかし、「思った通りに自在に空を飛ぶ・手軽に空を飛ぶ」ことにはまだ高いハードルがあります。
有人航空機、ヘリコプターの資格は難関であり、ラジコンヘリコプターも私たちの身近にあるとは言えません。
ドローンの魅力は何よりもその手軽さにあると言えます。そして、ドローンによって、今まで十分に活用されてこなかった「空」というフィールドをようやく活用できるようになったと言えます。
ドローンビジネスの可能性とは、この「空」というフィールドの持つ可能性と言えます。かつて、自動車の発明によって地上を自在に行き来できるようになり、人々の生活の在り方や産業が大きく変化したように、ドローンも同じようなインパクトをもたらすでしょう。
多くの方がこの本を読んで、ドローンビジネスの可能性に触れ、1つでも多くのドローン関連企業が立ち上がることを心より願っています。
2017年8月吉日
関口大介

空の産業革命と言われ、世界中で急速に市場規模が拡大すると予想されている「ドローンビジネス」。日本でドローンが注目されるようになった2015年を「ドローン元年」とするなら、2017年は様々な産業にドローンが活用され始めてきた「産業用ドローン元年」と捉えられています。2017年に入ってから本書で取り扱っている色々な産業において実証実験の成果が出始めており、まさに「実証実験からビジネス利用への移行の過渡期」と言えるでしょう。
本書は、ドローンを活用したビジネスを検討されている方に向けて、各分野への参入のヒントや実例を多数掲載しております。インターネット産業がそうであったように、急成長する市場で競争力となるのは、企業規模の大小ではなくアイデアと実行力。ドローンビジネスに参入するなら今しかありません。
本書をきっかけに、新しいドローンビジネスを立ち上げられる方が一人でも増えることを願っております。

2017年8月吉日
岩崎覚史

関口 大介 (著), 岩崎 覚史 (著)
翔泳社

CONTENTS

はじめに
本書の対象読者とダウンロードファイルについて

Part1 ドローンで切り開かれる新しい市場
Chaptr1 拡大するドローンビジネスの世界
01 急成長するドローン市場
02 ドローンの産業活用が進む理由
03 地方で広がるドローンビジネスの可能性
04 ドローン産業に対する国の動向
INTERVIEW DRONE FUND
05 まとめ

Chapter2 ドローンビジネスの始め方
01 整いつつあるドローンビジネスの環境
02 ドローンビジネスを始めるには
03 操縦技術や基礎知識の習得の仕方
04 ドローンを使ったビジネスの考え方
05 ドローンを使ったビジネスの進め方
INTERVIEW 千葉市長
06 まとめ

Part6 分野別ビジネス参入手法2
Chapter3 映像分野
01 空撮映像によっていち早くドローンの業務活用が進んだ映像業界
02 映像撮影現場での活用事例
03 ドローン空撮業務で必要な機材
04 参入する際に準備すること
05 事業立ち上げの流れ
06 売上とコストの考え方
07 プロジェクト立案テンプレート
COLUMN ベンチャーキャピタルからの資金調達について
INTERVIEW 株式会社Dron é motion(ドローンエモーション)
08 まとめ

Chapter4 土木・測量分野
01 工事の効率化が求められる土木業界
02 土木・測量現場での活用概要
03 事例:ルーチェサーチ株式会社によるレーザー測量サービス
04 事例:株式会社百々組による土木分野でのドローン空撮の活用
05 参入する際に必要な知識(業界ルールや法律)
06 ドローン写真測量で必要な機材
07 事業立ち上げの流れ
08 売上やコストの考え方
09 プロジェクト立案テンプレート
COLUMN ドローン操縦訓練の重要性について
INTERVIEW ルーチェサーチ株式会社
10 まとめ

Chapter5 農業分野
01 企業の参入で効率化が進む農業界
02 農薬散布への利用
03 ドローン・ジャパン株式会社が行う精密農業の支援
04 参入する際に必要な知識(業界ルールや法令)
05 ドローンの農業での活用で必要な機材
06 事業立ち上げの流れ
07 売上やコストの考え方
08 プロジェクト立案テンプレート
INTERVIEW ドローン・ジャパン株式会社
09 まとめ

Chapter6 インフラメンテナンス分野
01 老朽化する日本のインフラと長寿命化の必要性
02 研究の進む先端技術によるインフラ点検とドローン活用
03 ドローンを使った実証実験
04 事例:高知県のドローンを使った砂防堰堤調査
05 事例:東北地方整備局によるドローンを使ったダム巡視の取り組み
06 参入する際に必要な知識(業界ルールや法令)
07 ドローンによるインフラメンテナンスで必要な機材
08 事業立ち上げの流れ
09 売上とコストの考え方
10 プロジェクト立案テンプレート
COLUMN 個人事業か法人化か
INTERVIEW テラドローン株式会社
11 まとめ

Chapter7 警備分野
01 機械化の進む警備業界
02 事例:セコム株式会社のドローンを使った監視システム
03 参入する際に必要な知識(業界ルールや法令)
04 売上やコストの考え方
05 事業立ち上げの流れ
06 プロジェクト立案テンプレート
07 まとめ
COLUMN ドローンビジネスと法務

Chapter8 物流分野
01 変化する物流業界と求められる効率化
02 千葉市での実証実験
03 参入する際に必要な知識(業界ルールや法令)
04 ドローン配送で必要な機材
05 事業立ち上げの流れ
06 売上やコストの考え方
07 プロジェクト立案テンプレート
COLUMN ドローンレースビジネスについて
INTERVIEW 株式会社かもめや
08 まとめ

Chapter9 災害対策分野
01 日本の国土と災害
02 災害現場での活用事例
03 参入する際に必要な知識①(業界ルールや法令)
04 参入する際に必要な知識②(業界ルールや法令)
05 必要な機材と事業としての災害対策分野
06 プロジェクト立案テンプレート
COLUMN 最新のドローンを知るには展示会に自ら足を運んで見ることが一番INTERVIEW 一般社団法人 救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(通称:EDAC)
07 まとめ

Chapter10 周辺産業
01 ドローンスクールとは
02 ドローンスクール開業のために必要なこと
03 転職・人材紹介サービス
04 転職・人材紹介サービス開業のために必要なこと
05 ドローン飛行場
06 ドローンレンタルサービス
07 ドローンエンジニア育成サービス
INTERVIEW 一般社団法人ドローン大学校
COLUMN ドローンのエンタメビジネスへの活用について

Chapter11 海外事例
01 幅広い事業を展開するドローン総合企業
02 建造物へのドローン活用に強み
03 空域情報をAPIとして提供
04 データ分析に特化したドローンサービスを提供
05 ドローンオペレーターと依頼者のマッチングサービス
06 空撮写真・空撮映像の販売サービス
07 空撮写真・空撮映像共有コミュニティ
08 報道におけるドローン活用
09 ドローンによる精密農業のサービスを提供
10 アプリで農薬散布サービスを予約
11 人力頼みの植林の大幅なコストダウンを目指す
12 ドローンのデータ加工サービス
13 空撮データの加工とリアルタイムマップ作成
14 株式会社小松製作所とも提携する空撮データ加工サービス
15 海上油田・オイルガス施設・発電所などの点検ソリューション
16 建築業向け測量ソリューション
17 工場・倉庫の在庫を自動管理
18 ドローンから施設やイベントを守るセキュリティサービスを提供
19 ドローンで配送・物流を効率化
20 世界的な配送・物流企業が挑む集荷サービス
21 物流革命で命を救う
22 農村配送を含むドローン物流
23 安全で効率的なドローンのオペレーティング環境を提供
24 フライトに関する総合支援サービス
INTERVIEW 株式会社エクサイジングジャパン/深圳市航空業協会
COLUMN 自社サービスか受託ビジネスか

Part3 ドローン製品と基礎知識
Chapter12 ドローンカタログ
01 小型・中型機種・製品カタログ
PHANTOM 4 PRO
MAVIC PRO
NSPIRE 2
SPARK
Parrot Bebop-Pro 3D Modeling
DOBBY
Parrot Disco-Pro AG
Solo

02 大型機種・製品カタログ
MATRICE 200シリーズ
SPREADING WINGS S900
MATRICE 600 PRO
SPREADING WINGS S1000+
AGRAS MG-1
ACSL -PF1
MATRICE 100
PF1-Survey
ZION QC 730
ZION CH 940
ZION AC 1500
ZION PG 700
PD6B
PDH-01
PD6B-AW-ARM
X-F1
SPIDER
TSV-AQ1
Mulsan DAN04
TSV-AH1
COLUMN ドローンビジネスにおける海外進出時の注意点について
INTERVIEW DJI JAPAN株式会社

Chapter13 ドローンの飛行に必要な基礎知識
01 機体のチェック(本体・プロペラ・バッテリー等)
02 気象情報の確認
03 現場周辺の確認
04 飛行前チェックと飛行テスト
05 飛行の心得
INTERVIEW AIR CAM
COLUMN ドローンビジネスと知財について

Chapter14 ドローンに関連する各種法令と飛行許可申請書の書き方
01 航空法への対応
02 小型無人機等飛行禁止法への対応
03 民法(土地者)への対応
04 道路交通法(公道)への対応
05 その他の法令への対応
06 個人情報保護法への対応
07 電波法への対応
08 包括申請の取得
09 本稿における全国包括申請の前提条件
10 書類の準備
INTERVIEW 佐々木慎太郎 行政書士事務所
COLUMN 安全に対するコストがかけられない仕事は勇気ある撤退を

Appendix ドローンの種類と仕組み
01 ドローンの種類
02 ドローン各部の機能
03 ソフトウェア技術
04 飛行の仕組み

INDEX

関口 大介 (著), 岩崎 覚史 (著)
翔泳社

本書の対象読者とダウンロードファイルについて

本書について
本書は、ドローンを利用したビジネスを考えている方に向けて、各分野におけるドローン活用の実態、市場参入に必要となる様々な知識、ドローン関連機材を含めたコストの考え方、法令関連の知識について解説します。ビジネス用途のドローンのカタログ情報や、基礎知識も網羅しています。
また各分野で著名な企業のインタビューも掲載。実際の活用事例を確認できます。さらにドローンによるプロジェクトを立ち上げる時に役立つ企画書テンプレートをダウンロードできます。
これからドローン市場に参入したいビジネスマンの方、必携の1冊です。

対象読者
・ドローンを使ったビジネスを考えている企業及び担当者
・ドローンを使ったビジネスで起業を考えている方
・映像、土木・測量、農業、インフラメンテナンス、警備、物流、災害対策分野でドローンを活用した事業のコンサルティングを行っている方

ダウンロードファイルについて
本書のChapter3から9で紹介している企画書テンプレートのデータは以下のURLからダウンロードできます。

サンプルのダウンロードページ
URL http://www.shoeisha.co.jp/book/download

関口 大介 (著), 岩崎 覚史 (著)
翔泳社

ドローンビジネスレポート -U.S.DRONE BUSINESS REPORT

米国におけるドローンの動向を知る

本書は、米国でコンサルタントをしている著者が米国の最新事例を活用して、ドローンの可能性やドローンによってどのような課題か解決できるかを分析、解説している本です。ドローンビジネスの今後の展望を知りたい方やそれらを体系的に理解したい方に向けられている本です。

はじめに

本書は商業ドローンを使った新サービスやコストダウンを、欧米の最新ビジネス・モデルから分析していきます。現在の商業ドローン業界は、自動車の黎明期に似ています。「ドローン」は発明されたのですが、飛ぶべき空路や飛行ルールがないのです。
1900年代初頭、ヘンリー・フォード氏が大量生産技術を発明し、自動車は金持ちの『高価なおもちゃ』から『大衆の乗り物』に生まれ変わりました。
しかし、米国で自動車が家内制手工業から産業に成長したのは、州政府や連邦政府が道路整備に力を入れたためです。特に、1921年の「連邦ハイウェイ整備支援法(The Federal Aid Highway Act)」により、州を超えて全米を結ぶ高速道路も整備されていきました。
それまで人々は、遠くにある学校や病院に行くことができない不便に甘んじていました。しかし、誰でも車を手にすることで、遠くの学校に通学し、急病に苦しむ人を病院に連れて行きました。物流産業が成長し、人々は安く豊富な品物を手に入れます。車の大衆化は産業全体を活性化させました。人々は初めて「移動の自由」を謳歌したのです。
商業ドローンの登場により、空のビジネスも一般企業が利用できるようになりました。あと数年もすれば、だれでもリモートセンシング精密農業や橋・線路のインスペクション(点検)、そしてドローン宅配などを安全に利用するでしょう。時代はすべての人や企業が「空の自由」を謳歌できる方向に向かっており、大きなビジネスチャンスが広がっています。

CONTENTS

はじめに

第1章
本レポートを読むための基礎知識
1-01:UAV、UAS、sUASの定義
1-02:ドローンは空飛ぶロボット
1-03:娯楽用マルチローター
1-04:業務用マルチローター
1-05:業務用フィックス・ウィング
1-06:中・大型業務用ドローン
1-07:高々度ソーラードローン
1-08:ドローンシステムの基本構成要素
1-09:テレメトリー/オートパイロット
1-10:地上操縦システム(GCS)/ミッションプランナー
1-11:商業ドローンの運行規制
1-12:ドローンのインフラについて
1-13:NASA-UTM(ドローン管制システム)

第2章
ドローン・ビジネスが抱える難題とは
2-01:ドローンの可能性と現実
2-02:視野外飛行の壁を乗り越える
2-03:空港の近くで商業ドローンを飛ばす
2-04:頭上飛行を実現する取り組み
(コラム1)ドローンに関する衝突実験
2-05:ドローン・セキュリティーとリモートID

第3章
ドローン・ビジネスのエコシステム
3-01:3つの革新技術について
3-02:商業ドローン産業は管制インフラが必要
3-03:商業ドローンのエコシステム
3-04:エレメント分析−安全運用/ガバナンス
3-05:エレメント分析−機体セキュリティー
3-06:エレメント分析−ネットワーク/データ・セキュリティー
3-07:エレメント分析−マルチ・ドローン・ユース
3-08:エレメント分析−ドローン・ネットワーク
3-09:エレメント分析−運用設備オートメーション
3-10:エレメント分析−アプリケーション・マーケット

第4章
ドローン配送のビジネス・モデル
4-01:商業ドローン・ビジネス・モデル
4-02:ドローン技術をインフラから考える
4-03:米アマゾンの狙うドローン配送
4-04:統合運行管理システムをめぐる官民の戦い
4-05:参入相次ぐドローン配送分野
4-06:ドローン配送の真価はコスト・ダウン
4-07:ドローン配送における直送モデル
(コラム2)アマゾンの突拍子もない特許
4-08:ドローン配送におけるトラック・モデル
4-09:ステーション・モデルを狙うDHL
4-10:固定翼ドローンを使う途上国モデル

第5章
ドローン・インスペクションのビジネス・モデル
5-01:商業ドローン検査のメリット
(コラム3)エアーガイとロボットガイ
5-02:サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック(SDGE)
5-03:電力網点検のパイロット・プログラム
5-04:給電線ドローン点検のコスト優位
5-05:社内運用とアウトソース
(コラム4)二極化する商業ドローン
5-06:BNSF社の大規模自動ドローン検査

第6章
さまざまなドローン・ビジネス・モデル
6-01:ウォールマートのドローン在庫管理システム
(コラム5)室内ドローン飛行の将来
6-02:ドローンを使ったヤードの在庫管理
6-03:潜在市場の大きいカウンター・ドローン
6-04:高性能カウンター・ドローン・システム
(コラム6)改造武装ドローンとレーザー砲防御
6-05:スワーム(編隊飛行)ドローン
(コラム7)スワーム・ドローンによる人工授粉?

第7章
ドローン・ビジネスの全体像
7-01:パッセンジャー・ドローンとは
7-02:渋滞が嫌なら空を飛べ
7-03:NASAの次世代航空機ビジネス
7-04:ウーバー・エレベートの概要
7-05:マルチモード都市交通システム
7-06:高々度ソーラー・ドローンの世界
7-07:参入相次ぐ高々度ソーラー

おわりに

拡大資料(1)~(18)

世界のドローン
関連企業・団体一覧

著者プロフィール

カバーデザイン:武田俊典
本文DTP:BT2デザイン事務所

ドローン・ビジネス徹底解説 今すぐ使えるドローン活用の実践事例

ドローンビジネスの最前線を分野別で解説

本書は、産業分野ごとのドローンビジネスの動向について解説した本です。ドローンビジネスは現在急成長しており、従来のビジネスモデルを変えると考えられ、注目を集めています。しかし、ドローンが与える影響は産業によって、大きく異なります。国内外でのドローン活用の動向、今後の課題についてまとめられています。

本書に掲載されているコンテンツの著作権は、著作権法により保護されています。

これらについて、著作権法で認められるもの、規約等により許諾が明示されているものを除き権利者に無断で転載・複製・翻訳・販売・貸与・印刷・データ配信(Webページへの転載など送信可能化を含む)・改ざん等する行為は、固く禁じられています。

ビジネス+ITBOOKSについて

ビジネス+ITBOOKSは、Webメディア「ビジネス+IT」に掲載された連載を元に書籍化、電子書籍化されています。書籍化、電子書籍化にあたっては掲載された記事を元に加筆、修正、改変をしております。

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ビジネス+ITでは本書に掲載した連載の最新記事などのほか、ビジネスやITに関連した2万本超の記事/年2000本超のイベント・セミナー情報などを幅広く掲載しています。

はじめに

ドローンの業務活用は全世界で進み始めています。その中でドローン関連ビジネス市場も動き始めています。機体市場は消費者市場からスタートし、マルチコプター型ドローンで70~80%のシェアを握るDJIがリードしており、中国ではそのDJIを追いかける形で機体市場を中心にビジネスがけん引されています。一方、欧米ではドローンを活用するサービスやアプリケーション、ソリューションといった分野でのビジネスが立ち上がり始めています。
この本では、黎明期から普及期に差し掛かっているドローンビジネスに向けて参考になるように構成されています。
第一章では、ドローンビジネスの流れ、構造、国内市場規模を解説しています。
第二章では、建築、農業、建設、災害調査、物流、空撮、エンタメという各業務分野でのドローン活用を詳しく解説しています。
第三章では、サービスとしてのドローン、技術課題、トレンドとその可能性を解説しています。
ドローン関連ビジネスは様々な分野で、日本においても、黎明期から普及期の端境にあります。
この本を通じて、ドローンビジネスの現況を理解いただきますとともに、それをヒントとし、読者の方々のビジネスに寄与いただければ幸いです。

ドローン・ジャパン 取締役会長 春原 久徳

目次

【市場】ドローン業界のこれまでを復習 法改正の影響と市場予測のあたりはずれ
(2018年5月11日掲載)

【建築】土木・建築業必見、建設現場の進捗管理・測量でのドローン活用方法・技術を徹底解説
(2017年8月23日掲載)

【農業】「農薬散布」「精密農業」「害獣対策」のドローン活用の今とこれから
(2017年9月14日掲載)

【建設】エネルギー・建設業界のドローン活用解説、「太陽光パネル」から「橋梁点検」まで
(2017年10月16日掲載)

【災害調査】ドローンの災害調査・遭難救助の基本、活用の課題から必要な技術まで
(2017年12月04日掲載)

【物流】ドローンは物流を変えるのか?「空の産業革命」をめぐる現実と課題
(2018年1月5日掲載)

【空撮】ドローン空撮で何ができる?映画、ニュースなど映像分野別活用事例をまとめて解説
(2018年2月7日掲載)

【エンタメ】エンタメでも進む「ドローン活用」、アート・VR・MR・広告にも広がる
(2018年3月16日掲載)

【フレームワーク】ドローンの飛行データを生かした「Drone as a Service (Daas)」を理解する
(2018年6月6日掲載)

空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? ドローンを制する者は、世界を制す

ドローンが変える社会はどうなるか

本書は、2016年に出版されたドローンの将来性について解説している本です。ドローンは社会、産業を大きく変えるとされているため、ドローンの覇権争いは激しく、中国や米国の企業は現在も開発競争を続けています。著者は、プレイヤーである企業に直接インタビューし、ドローンの将来性について聞き出しています。

はじめに

2015年、ドローンは突然、世間の注目を浴びた

「未来が見えていた」人たちが成功する

おそらく本書は、巷にあふれるドローン(Drone)本とは少しばかり異なる。今日、スマートフォンが何であるのかを事細かに語るのがバカらしいのと同じで、ドローンが何なのかを詳細まで語るような本ではない。
また本書は、見方によっては、ドローンに魅せられ、この数年間で総額1000万円を超える数十台の機体を購入した男の悲哀の物語とも言える。本書のタイトルを『アイ・ラブ・ドローン!』にしようか、真剣に迷ったほどだ。
まず話は、今から四半世紀近く前にさかのぼる。

1994年夏、僕はフロリダのディズニー・ワールドにいた。その年は、学生時代から毎年参加しているアメリカコンピュータ学会のCG分科会(通称SIGGRAPH)の総会がオーランドで開催されていて、昼の学会とは違う挑戦的なプレゼンテーションが、夜な夜なディズニー・ワールドで行われていた。例えば、人工ビーチに巨大なグラフィック・スーパーコンピュータを並べて生成したリアルタイム高解像度テレビゲームや、その中に登場するディズニーキャラクターとVRゴーグルをかけながら踊る拡張現実アプリケーションなど、夜は夜で楽しい数日間だった。
そこで僕は、とても興味深い実験を目にした。それは「ビデオ・オン・デマンド」と呼ばれるもので、将来、高速ネットワークが各家庭に入ると、ビデオレンタル店に行かなくてもクリックひとつで家のモニターに見たい映画を瞬時に映し出すことができる、というものだった。
当時はまだインターネット黎明期で、グーグルやYahoo!どころかITという言葉すらもなく、大手企業が自社サイトを立ち上げるはるか前の時代で、WEBサイトそのものを見たこともない人がほとんどだった。
そんな時代に画期的な実験を主催したタイム・ワーナーは、映像だけでなく、音楽も書籍も「リアルなストア」にわざわざ出向いて購入したりレンタルする必要がなくなる、と参加者に説明していた。しかし、旅先で一緒になった日本のジャーナリストが、「これは国土が広いアメリカでの話で、日本は国土が小さく、女性が夜中でもひとりでレンタルビデオ店に出かけられるほど安全なので、普及しないな」と話していたのをよく覚えている。

さて、それからおよそ四半世紀後の今日。現実はどうだろう?誰もが家にいながら、ネットワークを通じて映像を購入もしくはレンタルし、同様に音楽や書籍も家にいながら入手できる時代になった。いや、正確には「家」ではなく「どこでも」だが。もしかしたら、本書をそのようにして入手した読者も多いのではないだろうか。
前出のジャーナリストとは違い、1994年当時にタイム・ワーナーがフロリダで数カ月行った実験を見て、「未来」を感じた者は大勢いた。高速ネットワークが各家庭を網羅し、家にいながら次々と映像を楽しめる「未来が見えていた」人たちが、今、多くのサービスを手がけて、ビジネスとして成功しているのは、言うまでもない。

2012年夏にドローンと出会い再び“懐かしい未来”を感じた

時は、2012年の夏に戻る。その夏、僕はシーズン中ずっと、イビサでDJをして過ごした。
イビサは地中海に浮かぶスペインの島で、世界中のダンスミュージックの聖地として、長年知られている場所だ。そのイビサ島にある、ギネスブックにも載る世界最大のクラブで、毎週木曜日の深夜2時半からが僕の担当だった。
この「イビサの夏」は、毎年増える観光客に合わせて少しずつ広がり、今では6月第2週から10月第2週までの4カ月間を「夏」と呼んでいる。その間、僕はずっとイビサにいるわけで、確かに楽しいが、夜な夜な1万人を超える酔っ払い相手は次第に気疲れし、そこで何か息抜きが必要だと考えた。
もちろん、イビサの楽しみはクラブだけではない。地中海のビーチは美しく、おいしいレストランもいっぱいある。だが、イビサ中のビーチを全部回って、すべてのおいしいレストランにも行き、週1度のレギュラーDJと、ゲストで他のクラブでプレイするDJと、そして友人のパーティに遊びに行く日々を考えると、週に5日は明け方まで仕事に私事にと大暴れしていることになる。だから、僕は今までとはまったく違う息抜きをしたくなっていた。
また、イビサといえば、先端を行くイメージと重なって聞こえはいいが、地元の友人たちとは「ここはバナナ共和国だから」と言って、インフラの遅れや品物不足に嘆きながら、いつも笑っていたものだ。必要なケーブルやプラグなどの仕事道具は、月に1度、飛行機で40分ほどのバルセロナまで買い出しに出向き、わざわざ仕入れなければならないほどだった。
バルセロナの空港から街までは、AeroBusと呼ばれる空港バスが便利で、街の中心地であるカタルーニャ広場まで安価でアクセスできる。帰りも同じようにカタルーニャ広場から空港までこのバスを利用するのだが、出発地のカタルーニャ広場にはバルセロナ唯一のデパート「エル・コルテ・イングレス」があって、「バナナ共和国」に戻る前にはいつも、ここで最後の買い物をしながら出発までの時間調整をしていた。上階には「バナナ共和国」にはない大きな家電コーナーがあって、外づけハードディスクからMacの周辺機器まで、ひと通りのものはここで購入が可能だった。

ある日、その家電コーナーの隅に、少しだけ変わった形のものを見つけた。それが、iPhoneで操縦して飛ばせるカメラ付きドローン、フランスのパロット(Parrot)の「AR・Drone2.0」だった。
前モデルであるカメラなしの機体を友人が持っていて飛ばしたことがあるが、まあ、おもちゃだと思った。楽しいには違いないが、そこまで楽しくもなかった。しかし、そのときの僕には、なぜかこのドローンが光って見えたのだ。
何となく予感はあった。イビサでの退屈しのぎのためだけでなく、何かを感じた僕は、気がつくとその大きな商品を抱えてレジに向かっていた。イビサで時間を持て余していた僕は、島に戻るやいなや、エージェントが借りてくれたアパートからわずか5分の場所にある夕日が美しいビーチへ、早速ドローンを持って出かけた。
初めてのフライトはそれなりに緊張するもので、その上思った通りにはなかなか飛ばない。だから楽しいとも思うし、イライラもする。
そして、見事に飛んだときの感じは、おそらくライト兄弟が世界初の有人飛行に成功したときの感動に近いであろうものがあった。とにかくうれしかった。そして、今までにない「新しい何か」を、この安普請のおもちゃに感じていた。
しかしその後、おもちゃ、市販機、自作機、業務機と、わずか3年半で20機を超えるドローンを手に入れるとは思わなかった。予算にしておよそ1000万円強。最高機種は300万円を超え、もはや自動車を買える値段である。ちなみに、今の僕は自動車を1台も所有していない。

今まで、かなりの大金をテクノロジーに貢いできた自負がある。この数年間のドローンに限らず、過去には1台数億円する画像処理専用のスーパーコンピュータから、指2本程度の大きさの世界最小スマートフォンまで、最新のテクノロジーが詰め込まれた逸品には目がない。使ってみなければテクノロジーはわからない、というのを言い訳に、また同時に、多額の勉強代を長く支払ってきただけあって、それなりにモノを見極める目も養われてきた(はずだ)。
だから、今、目の前にあるデバイスの可能性を、スペックではなく直感的に嗅ぎ分けられる力はそれなりにある(と信じて疑わない)。そして、久しぶりに「ドローン」に、懐かしい未来を感じたのだ。その懐かしさは、ネットワークが家庭に映画や音楽を運ぶ可能性を実感したあのとき、僕が四半世紀も前の1994年、フロリダのディズニー・ワールドで感じたものと同じだった。

インターネットは現実空間へ拡張していく時代に入る

現在、ドローンには大きな可能性があると、多くの識者は言う。空撮から農業、リアルな対戦ゲームやスピードレース、そして建築に兵器と、それなりのわかりやすい可能性があるのは確かだ。
中でも、アマゾンが提案した未来ビジョン映像「アマゾン・プレミア」の反響は大きい。デジタル化できないもの、例えば古書やスニーカー、そして薬まで、ドローンが各家庭にモノを運んでくる「それなりに現実的な未来」は、ただ興奮するだけでなく、コストの面からも納得がいく。
アマゾンは、ひとつの配送に高コストをかける企業として知られている。そして、そのコストの5分の1は不在配達にかかっている。日本の大手宅配便も同じように、不在配達率はおよそ5分の1。すなわち、人手をかけてわざわざ家まで運んでも、5回に1回は不在で再配達が必要になるということだ。集荷センターや集配センターなどのロジスティックスのハブは先鋭化したが、各人の家だけは非効率化がどうしても解消できない。英語で言う「ラストワンマイル(最後の1マイル)」こそ、最もコストがかかるのだ。
もし、このコストがロボティクスによって無人化するならば、企業にとって莫大な利益が見込めることになる。なにしろ、20%近い無駄を省けるからだ。
すでに、シンガポール郵便局はドローン配送の実験を開始し、スイス国営郵便事業会社は、山岳地帯の配送にドローンを実際に使用している。
こうなると、ドローンによる新しいネットワークは「現実社会のインターネット」になる。今から10年ほど前に出した自著『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社新書)に記したように、2016年前後には、デジタルだけで完結するサービスは大きな進化を望めなくなる。
その後は、UberやAirbnbといった「現実空間へ拡張していくインターネット」が中心となるだろう。それを広義にIoT(モノのインターネット化)やインダストリー4.0とさまざまな名前で呼んでいるだけで、すべては現実空間へ拡張していくインターネットのことである。
また、この機に便乗するように、日本でも多くの人々がドローン業界に急速に集結しているように見える。だが、僕が冷静に見る限り、問題は、日本の技術ではなく、ドローン産業に関わる人材にある。ドローンを知らない企業や自治体から暴利を貪り、補助金漬けで金に目がくらむドローン・エンジニアやベンダー(売り手)が後を絶たない。
この様相は、3DCGがもてはやされた、かつての日本のコンピュータ・グラフィックス業界と似ている。ご存知のように、そのあげく、国産CGコンテンツの未来はほぼ潰えることになってしまった。
この歴史を教訓に、ドローンは同じ轍を踏んではならない。だが、日本のドローン業界で著名な大学教授の話を聞いても、できたばかりのドローン・ベンチャーと仕事をしても、補助金や目先の金に目がくらんでいてまともな仕事をすることができない。これは、この1年ほど、彼らと共に仕事をしてきた僕の実感である。この「良くない懐かしさ」は、かつての日本のCG業界と本当によく似ている。

ドローンは大きくふたつに分けて考える

今度は、ドローンをサービスの点から見ることにしよう。僕は、現在のドローンを取り巻く環境は、パーソナルコンピュータや3DCGのそれに似ていると、これまでにも何度か書いてきた。ドローン黎明期である今は、コンピュータ産業の黎明期とも似ていると思えてならない。そのように考えているのは僕だけではなく、米国版『WIRED(ワイアード)』の編集長だったクリス・アンダーソンをはじめ、多くの「歴史を見てきた者」たちも同じだ。そしてドローンは、現在の情報産業の延長上に位置することも間違いない。
ドローンは大きくふたつに分けて考えるべきだと僕は考えている。
ひとつは「インターネットの延長線上にないドローン」。つまりは、今、多くの人が空撮などに使っているものだ。そして、もうひとつ、これから社会を大きく揺るがすのは「インターネットの延長線上にあるドローン」である。どういうことかだって?詳しくは、これから本書で説明していくとして、現在のドローンを取り巻く環境は、時代で言えば1993年のインターネットの状況と似ていると感じる。まだ、Yahoo!もグーグルもアマゾンもない時代だ。ウィンドウズ95すらなかった。
だから、「インターネットの延長線上にあるドローン」と言っても、まだ多くの人たちはイメージできないだろう。Yahoo!もグーグルもアマゾンもないインターネットの世界で、インターネットをどのように使ったらいいのか、ほとんどの人がイメージできないのと同じだ。その当時、最も利用されていたのは電子メールで、これと同じことが今、ドローンでも起きている。前述したように、シンガポールやスイス国営郵便事業会社はすでにドローンによる配達を始めているのだ。
だから、今後はドローン界隈から、新たなYahoo!やグーグルが出てくる、と考えるのが正しい。だがいったい、それはどのような企業で、どのような姿なのだろうか?
僕はそれを「現実世界のサーチエンジン」と呼ぶ。インターネットではクローリング(検索ロボットを使った情報収集)により、あらゆるデータを蓄積して再構築する企業が王者だ。それは、アップルでもマイクロソフトでもない。
多くの人たちは、見た目重視ゆえ、iPhoneなど「目に見えるもの」に心を奪われるが、実際のインターネットにおける勝者は、「目に見えないもの」を主に扱う企業だ。それがグーグル。今日、グーグルは世界のサーバーの10%以上を保有し、インターネット上に点在する情報の90%以上にアクセス可能で、それらを再構築することができる。

カリフォルニア大学バークレー校名誉教授(経済学)で、現在はグーグル社チーフ・エコノミストのハル・ヴァリアンは「文明の幕開けから2003年までの情報をすべて合わせても、5エクサバイト(500京バイト)の情報しかなかった。ところが今は、同じ量を2日で蓄積している」と語っている。
すなわち、わずか数年で世界は一変し、考えられないことが次々と起こることになる。そして、今までの覇者はグーグルだが、もし今後数年以内に、「現実世界のサーチエンジン」を提供する企業が登場すれば、世界は再び一変することになる。

ドローンによって、インターネットは重力に挑戦する

テクノロジーの進歩によって、今後3年間に起きる革命は「RNG」と呼ばれている。R=ロボット、N=ナノテクノロジー、G=遺伝子工学である。これらを分子とすれば、その分母になるのが、AI=人工知能だ。
その予測タイムスケジュールは10年刻みで、2015年から2024年がロボット革命、2025年から2034年がナノテクノロジー革命、そして2035年から2044年が遺伝子工学革命で、さらに2045年には人工知能の進化とともに「シンギュラリティ」が起きる、と言われている。このシンギュラリティとは、グーグルのAI開発責任者であるレイ・カーツワイルが提唱する、技術的特異点のことだ。
2045年にこのシンギュラリティを迎えると、テクノロジーは全人類の知能を超えて、これ以降は、テクノロジーがテクノロジーを開発し始めることになる。これを不気味だと考える人もいるかもしれない。だが、もし今から3年前に、すべての人々のポケットにGPS受信機が入っている未来がやってくる、と話したら、同じように「不気味な未来」だと感じたのではないだろうか?
2045年のシンギュラリティ=技術的特異点にそう感じるのも、正しい“現在”の、人類の感情だ。だからその未来は、やがてやってくるのだろう。正しい未来は、現在から見れば単なる「バラ色」ではなく、「不気味なバラ色」なのだ。

その先駆けとなる、これから10年かけて起きるロボット革命の中心的存在が、「インターネットの延長線上にあるドローン」である。その可能性は、今のインターネット業界の認識をはるかに凌駕するものと考えられる。なぜなら、この世には、デジタル化できないもののほうが圧倒的に多いからで、それらが移動し動くために、物理的なネットワークが必要となるのだ。
そして今、インターネットは、重力に挑戦する。これが、ドローンの可能性だ。
その可能性を探るため、世界的なドローン産業の先人たちに会いに行ってみることにした。わからないことがあれば、出向いて話を聞くのがいい。これは、どんなときでも僕の基本的なスタンスである。

アメリカには、前述した米国版『ワイアード』元編集長で、『ロングテール「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』や『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』『MAKERS 21世紀の産業革命が始まる』などの名著で知られるクリス・アンダーソンが率いる「3Dロボティクス」がある。一方、中国では、世界のドローン市場の約7割を握っている「DJI」が、恐ろしいほどの勢いで成長中だ。この2社に、独自の道を行くフランスの「パロット」を含めた3社が、ドローン業界で激しい争いを展開している。だから、3DロボティクスのCEOクリス・アンダーソン氏、DJIの会長・李洋湘(Zexiang Li)氏、パロットのCEOアンリ・セドゥ氏にお会いして、自らの目で未来の可能性を確かめることにした。

こうして、僕のドローンを巡る旅は始まった。
この産業の背後には、膨大な数の部品メーカーや研究機関が控えている。カメラやセンサーなどの分野で高い技術力を誇る日本企業も、こうした枠組みの中で高等な戦略を練っている(と、信じたい)。
また、ドローン業界を通して世界を見ることで、これからの社会のあり方や、アメリカと中国の覇権争いの行方がぼんやり浮かび上がるのではないだろうか。これは、まだ僕の直感的仮説にすぎない。
ただし、冷戦以降、世界で最も大きな「静かなる大戦」が行われている米中サイバーウォーの次に来るのは、ロボット大戦、それももしかしたらドローン大戦になるかもしれない。これは、決して映画の中の出来事ではないし、現実を直視すれば可能性を否定することは誰にもできない。それは、10年後から15年後の現実の話である。そして、その中で日本がどのようなポジションになっていくのか、この旅を通じて、おぼろげながらもわかることがあるのではないだろうか、と考えている。

本書のタイトルは、『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』にした。映画『ブレードランナー』の原作として知られる、フィリップ・K・ディックの傑作SF『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』への僕なりのオマージュである。この作品が、第3次世界大戦後の世界に突如としてやってきた人型アンドロイドの人間に対する複雑な想いを描いているのに対して、今、眼前に突如として現れた「空飛ぶロボット」ドローンは、もしかすると宅配便ドライバーを複雑な想いで見ているのではないか、と考えたのだ。

ドローンは、あらゆる意味で世界を変える。そして、ドローンを制するものが次の世界を制する可能性が極めて高い。それは、かつてのグーグルがそうであったように。その限りない可能性を前に、われわれはどう考え、どう動くべきなのか。本書がその糸口になれば、これ以上の喜びはない。

2016年1月 ラスベガスにて 高城剛

目次

はじめに
2015年、ドローンは突然、世間の注目を浴びた
「未来が見えていた」人たちが成功する
2012年夏にドローンと出会い、再び「懐かしい未来、を感じた
インターネットは現実空間へ拡張していく時代に入る
ドローンは大きくふたつに分けて考える
ドローンによって、インターネットは重力に挑戦する

第1章 ドローンの現状
ドローンとは何なのか?
無人操縦できる小型航空機、ドローン
ラジコンヘリとの違いは「自律性」にある
デジカメや写メの普及が写真撮影の楽しさを広めた
空からの撮影はドローンの楽しみのひとつ
ドローンは「空飛ぶスマホ」
10年前、現在のスマートフォンの普及を予測した人はどれだけいた?
iPhoneの失敗を予想した人は多かった
自動車の登場に「恐れ」を感じた19世紀の話
自動車やスマートフォン同様、ドローンの普及も決して止められない
ドローン・コミュニティ
「インターネットの延長線上にあるドローン」とは?
ドローンは大きくふたつに分けられる
人が介在しないほうが安全性が高く、安価になる
地上61~122メートルのブルーオーシャン
ドローンが「ラストワンマイル問題」を解決する
すでにスタートした、ドローンを使った配達テスト
地上61~122メートルは最後のフロンティア
リスクと利権のことを考えてみよう
農村部や建設業界での期待値

第2章 ドローンと世界3大メーカー
クリス・アンダーソンという人物
IT業界で最も強い発言力を持つジャーナリスト
最強ジャーナリストがドローン会社の経営者に
アメリカ・3Dロボティクスの挑戦
アメリカドローン産業の中心地、バークレー
クリス・アンダーソンとの対話
大学研究室のような雰囲気のバークレーオフィス
メキシコ・ティフアナの工場を見学
最新ドローン「Solo」とGoPro
機能を追加・拡張できるドローン「Solo」
3DロボティクスとGoProの決別
ドローン市場の一7割を押さえる、中国DJI
創業10年弱で起業価値1兆円超えを達成
DJIをトップに引き上げた傑作「Phantom」
独自路線を選んだDJI
チャイニーズ・シリコンバレーの勢い
巨大なテクノロジー地帯「珠江デルタ」
昔の秋葉原をはるかに超える規模の電気街
街中に「ものづくりの文化」があふれている
全中国の頭脳が中国版シリコンバレーに集結
中国のスピードと「博才感」
ハードとソフトの両輪で進められるか?
ものづくりの力を失ったアメリカ
ハードウェアを「アップデート」する中国
中国はハードとソフトの両輪で進む
第三勢力、フランスのパロット
通信機メーカーからドローン企業に
パロットCEO・セドゥ氏インタビュー
資金や技術でなく「鳥」を語る企業

第3章 ドローンと日本
日本におけるドローン法制の整備
ドローン落下事件などを受けて法整備が進む
将来は免許制導入の可能性も
ドローン特区は日本で実現するのか?
ドローンに関する実証実験が盛んに
沖縄・下地島は「ドローン特区」になる?
DJIのドローンは「準日本機」
日本製の部品が各社のドローンを支えている
プロデュース能力を失ったソニー
「国産ドローン」は、実現不可能な目標なのか?
スマホ業界と同様に、日本製ドローンのシェア拡大は難題
米中には、技術者を生み出す素地がある
ロボティクス研究への投資額が少なすぎる現実
他国に比べて低い日本の労働効率

第4章 ドローンの未来
ドローン革命の日まで、あと5年?
世界中の才能を集めつつあるドローン業界
ドローンが日常に溶け込む日が、あと数年でやってくる
話題の「モノのインターネット」とは?
次は、インターネットがモノの世界に広がる
現実世界のサーチエンジン
ドローンで変わるのはどんな業界か?
危険な場所での点検作業や農業などへの活用
災害時の状況分析や、報道などにも有功活用できる
ドローンがもたらす予想もつかない未来
クリス・アンダーソンは言い切った。「ドローンは箱にすぎない」
ドローンを支えるインフラの整備
IT革命の次に来るのは「ドローン革命」
ドローンを制した国が覇権国家の地位につく
アメリカと中国、それぞれの企業の強みと弱み
ハードとソフトは本来ひとつのもの
日本に残されたふたつの道、アメリカか、中国か?
米中の争いは、中国が圧倒的に優位
ソフトに弱い日本はどちらに舵を取るべきか?

おわりに

ドローンを墜落させないための最低限の知識
まず電子コンパスの仕組みを理解しよう
ドローンのGPSの特性を理解しよう
バッテリー残量と気圧、気温の関係を理解しよう
ドローンで変わった僕のライフスタイル

マンガでわかるドローン

ドローンの基礎知識を漫画で学ぶ

本書は、ドローンに詳しくない方に向けて基礎知識とビジネスの展開について漫画でわかりやすく解説した本です。ドローンは、近年注目されていますが、一体何がすごいのか、飛ばすにはどうすればいいか、といった素朴な疑問を持っている方も少なくありません。そこで、誰でもわかるような文章で、ドローンの基本からビジネスの動向までをわかりやすく解説しています。

ドローン大学校 (編集), 名倉 真悟 (著), 深森 あき (著), トレンドプロ (著)
オーム社

本書を発行するにあたって、内容に誤りのないようできる限りの注意を払いましたが、本書の内容を適用した結果生じたこと、また、適用できなかった結果について、著者、出版社とも一切の責任を負いませんのでご了承ください。

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ドローン大学校 (編集), 名倉 真悟 (著), 深森 あき (著), トレンドプロ (著)
オーム社

はじめに

空を飛ぶ——、それは人類が古来抱き続けてきた夢です。ライト兄弟が大空に羽ばたいてから100年余、私たちは新たなテクノロジーを手にしました。
それがドローンです。
ドローンは、ホビーだけでなく、ビジネスの世界でもいま最も注目を浴びているテクノロジーです。大きな可能性を秘めており、新しいビジネスモデルが生み出されることが期待されています。
楽しいだけでなく役に立つ、そしてビジネス利用が見込まれるとなると、普及しないわけがありません。ホビー用のトイドローンから、業務用の大型ドローンまで、メーカーも機種もどんどん増えており、ドローン市場はいま、急速な広がりをみせています。
手軽なトイドローンは、手持ちのスマートフォンにアプリを入れることで操作でき、買ったその日から誰でも意のままに操ることができます。
それは、裏を返せば、とても怖いモノであるということもできます。
人ごみの中にドローンが墜落してあわや怪我人が出るところだった、飛行場でドローンが飛んでいて航空機の運航に支障が出た……など、普及とともに事故・事案も増えてきています。
安心して、そして安全にビジネスでの利用を広げていくため、飛行空域の制限、飛行方法に関する規制がつくられるなど、ドローンの飛行に関する法整備が進められています。手軽だから悪用することも容易、ならば規制の対象となる、これは当然の流れです。
しかしながら、ルールが複雑化するにつれて、ドローンはビギナーにとって身近なものではなくなってきているのではないか、このままだと市場の成長も止まってしまうのではないかと、私は心配しているのです。
私は、2016年に一般社団法人 ドローン大学校とオンラインサロン ドローン大学院を立ち上げ、プロフェッショナルの育成と健全な利活用の周知に努めてきました。現在、修了生は400名を超えています。
ドローンについてお伝えしていく中で、スクールの受講生だけでなく、これからドローンに触れようとする多くの方に、わかりやすい教本が必要であるという考えに至り、本書を編纂いたしました。
「この操作はビギナーには難しいのか」「こう伝えればわかりやすいのか」「この順番で教えると理解がスムーズなのだな」……、これまでの経験のすべてを、本書に注ぎ込んでいます。

最後に、これまでに多くの修了生・受講生の皆様、そして講師・スタッフの皆様に、私は支えられてきました。この場を借りて、深く感謝を申し上げます。また、本書の出版にあたって多大なご助力・ご指導を頂きました立教大学ビジネススクールの田中道昭教授に御礼を申し上げます。マンガを制作してくださった、シナリオライターの星井博文様、作画の深森あき様、トレンド・プロ様、および出版元の株式会社オーム社様にもお世話になりました。ありがとうございました。
本書が新たなドローンビジネスを創造し、皆様が活躍する一助となれば幸いです。

2019年11月

一般社団法人ドローン大学校
代表理事 名倉 真悟

ドローン大学校 (編集), 名倉 真悟 (著), 深森 あき (著), トレンドプロ (著)
オーム社

目次

プロローグ ドローン! あらわる!

第1章 ドローンの基礎知識
1. ドローンは航空機、だから「航空法」を守らなくてはならない!
2. どのメーカーのドローンが優れているか
3. なぜプロペラの数がドローンによって違うのか
4. ドローンの歴史
5. ドローンの主要機種
6. ドローンの構造

第2章 ドローンを飛ばすには?
1. 忘れてはダメ! 飛行前・飛行後の点検は法令上の義務
2. ロケハンは必ず行う!
3. ドローンにとって風と雨は大敵!
4. GPSは万能か?
5. 法令やルールは知らなかったでは済まされない!
6. 承認・許可が必要な飛行

第3章 プロのドローンオペレーターになるには?
1. 飛行予定情報を事前に整理・確認しなければならない
2. 安全な運航に必要不可欠なブリーフィング
3. 飛行中に注意すべきこと
4. キャリブレーションは定期的に行おう
5. 安全な運航のために

第4章 ドローンビジネスの展望
1. ドローンビジネスの市場規模
2. 大きな成長が見込まれる点検分野
3. 長い実績がある農業分野でのドローンの利活用
4. 期待が高まる物流分野でのドローンの利活用
5. 社会的貢献度が高いその他サービス分野でのドローンの利活用
6. 飛躍的に精度が高くなる土木・建築分野でのドローンの利活用
7. 「航空法」などの規制が少ない屋内でのドローンの利活用
8. ニッチな市場ながら社会貢献度の高い防犯分野でのドローンの利活用
9. 空撮分野でのドローンの利活用
10. ドローンを使った新たなビジネスを考える際は政府の政策も参考に
11. 空飛ぶタクシーの計画

付録:2019年「航空法」「航空法施行規則」大改正のポイント解説

ドローン大学校 (編集), 名倉 真悟 (著), 深森 あき (著), トレンドプロ (著)
オーム社

ドローン・ビジネスの衝撃 小型無人飛行機が切り開く新たなマーケット

ドローンは社会をどう変えるのか

本書は、小型の無人飛行機であるドローンがどのようにビジネスで活用されるのか、またドローンによって私たちの社会がどのように変化するのかについてまとめています。2015年に出版された本であるため、最新の動向というよりは、その当時の動向を振り返る材料として、もしくは、ドローンのポテンシャルを見つめ直すためのきっかけとなる本だと言えます。

CONTENTS

はじめに

第1章 なぜいま「ドローン」か
「ドローン」は何を指すのか
なぜ注目されるのか
ドローンとはどのような機械か
どのくらいの市場があるのか
これからどう進化するのか

ドローン業界のキーパーソンに聞く
ドローンの周辺ビジネスは、今後さまざまなシーンで伸びてくる
——東京大学大学院教授・鈴木真二

第2章 多様化するドローン活用
盛況を見せた「第1回国際ドローン展」
ドローンの特性
ドローンの用途①「飛ぶ」
ドローンの用途②写す
ドローンの用途③運ぶ
ドローンの用途④守る
思いがけない用途が生まれる

ドローン業界のキーパーソンに聞く
「ドローンは落ちるもの」という前提で行動した方が良い
——株式会社BIRDMAN・コバヤシタケル

第3章 システムに組み込まれるドローン
システムの力
ドローンと配送システム
ドローンと建設システム
ドローンと警備システム
ドローンと資産管理システム

ドローン業界のキーパーソンに聞く
目的を明確にして、開発に取り組む
——セコム株式会社・安田稔

第4章 ドローン・ビジネスのバリューチェーン
ネット通販を支えるもの
ドローンのバリューチェーン①企画
ドローンのバリューチェーン②準備
ドローンのバリューチェーン③運用
ドローンのバリューチェーン④保守・点検
ドローンのバリューチェーン⑤後工程
ドローンサービスプロバイダーという発想

ドローン業界のキーパーソンに聞く
既存ビジネスの可能性を広げる、ツールとしてのドローン
——MIKAWAYA2株式会社・鯉渕美穂

第5章 ドローンと規制
赤旗法の過ち
ドローンの課題①飛行
ドローンの課題②操縦者
ドローンの課題③機体の安全性
ドローンの課題④電波
ドローンの課題⑤輸送
ドローンの課題⑥プライバシー
ドローンの課題⑦データ
自動車のない世界に現れた電気自動車

ドローン業界のキーパーソンに聞く
適切な規制が行われることで、市場の拡大が期待できる
——株式会社プロドローン・河野雅一

第6章 空飛ぶロボットとしてのドローン
空飛ぶペースメーカーとジョギングを
単調で汚い、危険な仕事
人にはまねできない働き方
ロボット化を支える技術
ロボット政策に力を入れる政府
ドローンとの競争

ドローン業界のキーパーソンに聞く
世の中の常識は、10年あれば一変する
——首都大学東京・泉 岳樹

おわりに

謝辞

帯写真:Moment Open/Getty Images
本文写真:朝日新聞出版 写真部

はじめに

六本木に現れた「空飛ぶロボット店員」
2015年3月。六本木にある東京ミッドタウンの一画に、“ブーン”というプロペラ音が鳴り響いた。音を立てていたのは、小型の無人飛行機「ドローン」。4つの回転翼(ローター)を持つ、クアッドコプターと呼ばれる形をしている。それが自動で空を飛び、高いところに陳列された靴を取ってくるパフォーマンスを見せていたのだ。その名も「空中ストア」である。靴メーカーのクロックスが、新しく発売された軽量スニーカーのプロモーションとして、3日間限定で行ったイベントだった。
空中ストアが開設されていたのは、東京ミッドタウン内のアトリウムと呼ばれる吹き抜けスペース。そこに高さ5メートル、幅10メートル、奥行き6メートルという巨大なディスプレイが設置された。イベントは観客参加型で、整理券を受け取った観客が、順番に指定した靴をドローンに取ってきてもらうという内容だった。
参加者はまず、陳列棚から少し離れた位置にあるタブレット端末から、好きな色の靴を選ぶ。するとドローンが飛び立ち、指定された靴をめがけて宙を移動する。それぞれの靴の上には、直径6センチメートルの金属製の鉄板があり、ドローンはこれを電磁石アームでつかむ。すると鉄板が持ち上がり、それにぶら下げられた靴も一緒に運ばれる。ゴール地点にはカゴが用意されており、ドローンがつかんでいた靴を放すと、カゴの中にぽとりと落ちるという仕組みになっていた。ドローンは自動で制御され、いったん靴を選択すれば、参加者は待っているだけで良い。スタッフの側でも、緊急時を除いて操作は行わない仕組みになっており、さながら「空飛ぶロボット店員」というところだ。
ただ安全性を考慮して、ドローンが飛行するのは、ネット状のフェンスで隔てられた陳列スペースのみ。ドローンが靴を落下させるカゴも、フェンスの向こう側にあった。また靴をつかむのに必ず成功するわけではなく、筆者が見学に訪れた際には、位置がうまく合わずに失敗するという場面が頻繁に見られた。筆者は娘を連れて行き、ドローンの「操作」をさせたのだが、その時もドローンはピックアップに失敗。何も持たず、申し訳なさそうに戻ってくるドローンを眺めることになった。
ところがおもしろいもので、けなげにチャレンジするドローンの姿を見ていると、むしろ応援したいという気持ちがわいてくる。会場につめかけた多くの観客(アトリウムは3層吹き抜けのため、2階や3階にも人々が集まっていた)も同じ気持ちだったようで、ドローンがスニーカーをつかむのに成功するたび、大きな拍手が起きていた。また前述の通り、操作といってもタブレットから商品を選ぶというだけなのだが、自分もやってみたいという観客が殺到。1時間ごとに行われるデモンストレーションの整理券は、配布開始時間になると早々になくなっていた。

空への憧れ

フランス国立図書館に、いまから1世紀以上前の1910年に描かれた、「西暦2000年の未来予想図」が残されている。遠隔操作で建物を建てるロボットや、巨大な飛行船、さらには本の内容を電線で人の頭に送り込む装置など、その想像力には限りがない。中でも頻繁に登場しているのが、空を自在に活用する人々の姿である。一人乗りの飛行機に乗って都市の上を飛び回る人々や、それを取り締まる空飛ぶ警察官。背中にコウモリの翼のような装置を着け、空を飛んで消火や救助活動を行う消防士。ヘリコプターのような機械に乗って、夜間に空から偵察活動を行う人。そして飛行機用のドライブスルーといったところだろうか、飛行機に乗ったまま空中で飲み物を受け取る人、などなど。さまざまな空の活用法を思い描いている。

考えてみれば、未来の社会を予想した絵やSF作品には、必ずといっていいほど「空飛ぶ機械」が登場している。それだけ宙を自在に移動し、空という空間を利用する能力には、人間の夢をかきたてる何かがあるのだろう。ネットを通じた小口決済サービスのペイパル創業者で、ベンチャーキャピタル界の大物であるピーター・ティールも、かつてこんなことを述べている。

「空飛ぶ車がほしかったのに、手にしたのは140字だ」

起業家たちにツイッター、すなわち140字の短文を投稿するというウェブサービスを開発する程度で満足するのではなく、もっと大きな志を持つことを呼びかける言葉だが、そこで引き合いに出されるのが「空飛ぶ車」というところに、100年前と変わらぬ空への憧れを感じることができるだろう。
ただ、この言葉、起業家の背中を押すという趣旨には賛同できるとしても、はたして適切な喩えと言えるだろうか。たしかに100年前に描かれたような、小型飛行機が町中を飛び交うという未来はまだ到来していない。しかし先ほどの「空中ストア」を見れば、少しずつ時代が前に進んでいるとわかるだろう。
それとも「スニーカーを運んだぐらいでは」と思われただろうか。それでは米国発のベンチャー企業、マターネットを紹介しよう。モノ(Matter)のネット(Net)という奇妙な名前がつけられた会社だが、彼らが構築しようとしているのは、まさにこの名前通りのシステムだ。自律で動くドローンをあちこちに配置し、ちょうどバケツリレーのようにして荷物を遠くまで運ぶ、空の配送ネットワークを実現しようというのである。独自に開発中のドローンは、本書を執筆している時点で、2キログラム以下の荷物を20キロメートルまで輸送可能な性能を実現している。ハイチやブータン、パプアニューギニアといった国々ですでに実証実験を行っており、2015年夏には、スイス国際航空と共同でスイス国内での実験を開始する予定となっている。
マターネットの計画が順調に進めば、小型の飛行機が忙しく空を飛び回るという、まさにSFのような光景が実現されるかもしれない。さすがに飛躍しすぎだろうか?ところが彼らの計画には、現実的なメリットが存在している。マターネットがアフリカ・レソト王国のマセル地区を対象に行ったケーススタディーでは、50の拠点を設置し、150台のドローンを導入した場合、必要なコストは。90万ドルと算出された。これは1レーンの道路2キロを敷設した場合のコスト100万ドルよりも少ない。地上に道路を敷設するよりも安く、物流網を整備できる可能性があるのだ。
もちろん陸路と空路では、運べる荷物の重さや天候による影響など多くの違いがある。すでに効率的な物流網が構築されている場所では、簡単には「ドローン空輸」への移行は起きないだろう。しかし途上国のように、これからインフラ整備を行う地域では、ドローンによる空輸の方が安上がりになる可能性もある。しかもドローンは人間のドライバーが不要で、休まず働くことができ、これからさらなる性能の向上も期待できる。私たちの知らない、まったく新しい物流の姿が生まれ、そこから新しい社会の形も生まれてくるかもしれない。
たしかに私たちが大人になっても、空飛ぶ車は普及していなかった。しかし空飛ぶロボットの方は、すぐそこまで来ている。

本書について

本書の目的は「ドローン」と呼ばれる小型の無人飛行機、中でもビジネス向けのドローンがどのように活用されつつあるのか、またそれによって私たちの社会がどう変わりつつあるのかを見ていくことである。そのためにいま研究されているドローン技術や、実際のドローン運用に向けた実証実験など、具体的な事例を見ていきたい。

第1章「なぜいま『ドローン』か」では、本書で扱う「ドローン」とは何かを定義した上で、それが注目される理由や、今後の技術展開について見ていく。
第2章「多様化するドローン活用」では、ドローンがビジネスにおいてどのような特性を持ち、主にどのような用途で活用されているのかを整理する。
第3章「システムに組み込まれるドローン」では、主なドローンの活用事例の中から、より大きなシステムの一部としてドローンを導入しているものを取り上げ、それがいかに大きな価値を生み出すのかを解説する。
第4章「ドローン・ビジネスのバリューチェーン」では、ドローンのビジネス活用を成立させる上で、どのような周辺技術やサービスが必要になるのかを見ていく。
第5章「ドローンと規制」では、ドローンが抱えるさまざまな課題を整理した上で、それにどのようなルールや法規制が課されようとしているのかを解説する。
第6章「空飛ぶロボットとしてのドローン」では、ドローンが持つ「空飛ぶロボット」としての側面に注目し、それが私たちの社会をどう変えていく可能性があるのかを考える。
また本書の執筆にあたって取材させていただいた方々の言葉を、インタビュー形式でその都度紹介していく。
ある技術がどう発展するのか、またそれが社会の中でどう普及していくのかを正確に予測することは難しい。世界初の有人動力飛行を成し遂げたライト兄弟の一人、三男のウィルバー・ライトも、「人類は1000年たっても飛ぶことはできないだろう」と周囲に漏らしていたそうである。しかし1903年、彼らはライトフライヤー号を飛ばすことに成功した。そして米国における最初の定期商業航空会社が誕生したのは、わずか11年後の1914年のことだったのである。その後飛行機は、米国における重要な社会インフラとして順調に発展していった。
ドローンも飛行機と同じように、関連インフラの整備やビジネスモデルの確立が急速に進む可能性がある。あらゆる可能性を否定せず、現状を見ていくことにしよう。

ドローンの衝撃 (扶桑社新書)

ドローンの革新性と悪用される懸念

ドローンはセンセーショナルな取り上げ方をされることが少なくありませんが、将来的にドローンの市場は10兆円産業になると予測されるほどの可能性を持っています。本書では、飛行の仕組みや規制、企業の動向などについてまとめており、ドローンを体系的に理解できる入門書となっています。

目次

はじめに

第一章 日本でも幕開けした「ドローン元年」
軍事技術として発達してきたドローンの歴史
誤爆で多くの犠牲者を生んだ“キラー・ドローン”
軍事技術のスピンオフによって産業に転用
ドローンの構造と技術
ドローンの公共活用
農業や映像分野で活躍する商用ドローン
ドローン・ジャーナリズムに観光PR、ラグビー日本代表も活用
アマゾンやDHLが動き出したドローン物流革命
「DIY」に惹かれて個人利用も増加
グーグル、フェイブックも参入する世界ドローン市場の規模と展望

第二章 ドローン産業の幕開け
世界の空を飛び回る中国DJI社のドローン
警察や公的機関がドローンを利用しているカナダ
意外にも後手に回っている!? アメリカのドローン事情
今後の飛躍が期待されるヨーロッパのドローン
世界最速!? ドローン開発に国家の威信をかけた韓国
ドローン産業が期待を集める最大の理由

第三章 国産ドローンの開発とドローン特区
セコムのドローンを使った警備サービス
研究責任者に聞く、警備用ドローン開発の真意
ドローン採用のもうひとつのメリット、人間の力を活かす
ドローンは総合技術、飛ぶだけでは不合格
空からの視点の追求、“ドローン以後”の可能性
FAAが世界で初めて認可、ヤマハの無人小型飛行機
日本政府のプロジェクトとしてはじまった無人機開発
ヤマハ発動機の教訓、ドローン実用化に必要なこと
ドローン特区構想・地方創生の夢
立ちはだかる法律の壁

第四章 ドローンの犯罪利用の可能性
フランス・サッカー代表ドローン盗撮事件
盗撮よりも被害が大きい?ドローンが持つ匿名性
麻薬カルテルも期待するドローン技術
ドローンが刑務所への輸送手段に
ホワイトハウスに墜落したドローン
ドローンが持つテロの危険性
市販ドローンは犯罪には威力を発揮しない
日本政府のドローン犯罪への対応
米国のドローン犯罪規制
ドローン少年逮捕の余波
これから起こりうるドローン犯罪
軍事利用シーンに見る、ドローン犯罪の可能性
一般人が犯罪を起こす可能性

第五章 日本産ドローンの未来はどうなる?
国産ドローンの開発第一人者・野波健蔵教授の歩んできた道
自律制御システム研究所が開発する国産ドローン
自律制御システム研究所の産業用ドローン
官民一体で目指すドローン大国ニッポン
ドローンは是か非か。法整備を巡る各国の動き
東日本大震災とドローン
災害用ロボットへの期待、その先鞭としてのドローン
野波教授に聞くドローン技術の未来
ドローンはどこに飛んでいくのか

おわりに

参考文献

はじめに

ドローンという言葉をよく耳にするようになった。
その名が広く一般に認知されるようになったのは、おそらく2015年4月頃ではなかっただろうか。
4月22日、首相官邸に一機のドローンが墜落しているのが見つかった。複数のプロペラを持ち、独特な機械音とともに空を駆け回る小型無人飛行機は、危険や犯罪を連想させる怪しげな飛行物として、まず広く日本社会の注目を浴びた。

ただドローンの名はすでに数年前から、ガジェット好きやラジコン愛好家など一部の人々の間ですでに広く知れ渡っていた。スタイリッシュでSF世界を連想させるような独特なフォルム、旧来のラジコンにはなかったような新機能の数々。そんな、次世代感。匂いたつ様相が、人々の心を惹きつけていたのだ。

現在、社会の相反する評価がある中で、世界の名だたる大企業たちがドローンに新たな可能性を見出し、次々と投資を加速させている。ビジネス分野においては、様々な用途で使えるであろう最新テクノロジーとして、熱狂と称賛を一身に浴びているのだ。

不安と犯罪を巻き起こす不吉な予兆として語られる一方、技術革新の新たな一幕として期待を背負うドローン。相反する評価と、賛否両論の渦。車、インターネットなど、過去に人間の生活を一変させた技術が登場した際に通過してきた道を、ドローンはいま進みはじめている。
はたして、ドローンとは一体何なのか。
ドローンが社会に与える衝撃の正体とは。
今回、本書を執筆する以前、ドローンのことを知りたいと考え、関連資料を漁ってみたことがある。ただ、ドローンに関する情報はほとんどなかった。なかったと言ったら語弊がある。情報としては存在していたが、その全体像を知ることができる書籍がなかった。それはきっと、ドローンが時代の先を行っているため、包括的に説明することがまだてきない証明なのではと感じた。

本書でドローンのことをすべて書ききれているとは到底思えない。ただ、ドローンについて少しでも知ってもらい、理解を含める足掛かりになれば書き手の冥利に尽きる。少し欲を言えば、ドローン文化が根付くのに寄与できればとも考えている。これは、同時にドローンに対する私のスタンスを告白するものでもある。
本書執筆するにあたり、国内外のドローン関係者の話を聞くことにした。その詳細については後述するが、皆が一様に話していた印象深い論点をまずここに記しておきたい。
「ドローンはロボットと人間の共生の第一幕を開く」
「ドローンの未来に必要なのは世論の同意」
本書を手に取ってくれた方々が本を閉じる際に、このふたつの論点について少しでも同意していただければ幸いだ。

本書ではまず、ドローンを取り巻いた社会の状況を整理するように努めた。賛否両論が巻き起こっているドローンという存在について、その論点を改めて整理してみようという趣旨だ。また、これから世界および日本のドローン産業が進むであろう方向を、読者のみなさんに正確に判断していただくために、できるだけ多くの情報ソースを集める作業に徹した。日本の資料はもちろん、海外の資料、また海外のドローン関係者、および直接研究に携わる人たちの声を通して、できるだけ詳細にドローンの現在地を描き出すことに務めたと理解していただきたい。

未開拓で、これから始まろうとしている新たな分野だけに、当初、どれくらいの情報が集まるか不安だったが、取材を続ける過程でドローン、もしくはドローン産業に対する新たな発見、論点を見つけることができたと自負している。特に国際的視点から日本のドローン産業を読み解くという作業はあまり成されていないので、本書がきっかけとなり議論が深まれば嬉しく思う。

なお、本書はドローンの技術を専門的に解説する、いわゆる技術専門書の類ではない。おそらく、ドローンが普及するにつれ、高名な研究者や企業、団体が発行する解説書が増えて行くだろうから、正確なドローン技術の現状については、そちらを参考にしていただいほうがよいだろう。

本書ではまず、第一章でドローンとはそもそも何なのか。現在、どのように使われているのか。今後、利用にあたりどのような可能性があるのかを概略的に見ていきたい。こちらには、すでに使われているもの、計画中のものなどを含む。各国ともに、ドローンに対する理解が少しずつ異なるが、細かい相違などはなるべく気にせず、その実態を大枠で知ることができるように整理した。
第二章では、国際市場におけるドローンについて取り扱う。欧米、アジアの国々は現在、ドローンについて何を考え、何を期待し、実際にどう動きだそうとしているのか。世界のドローン先駆者たちの声や資料をもとに、その実態に迫ろうと考えている。
第三章では、日本のドローンを産業の現状について整理した。また、ドローンを実際に現場で利用しようしている企業の研究担当者に直接取材を試みた。加えて、政府や地方自治体のドローンに関わる動きについても言及する。
第四章では、ドローンと犯罪について取り上げる。ドローンが普及するためには、決して逃れられないテーマである。ドローンの危険性は実際のところどれくらいなのか。また、これから先にその危険性が増えることはないのか。すでに世界で起こっている犯罪などを取り上げながら、未来に起こりうるであろう犯罪をシュミレーションする。終章となる第五章では、日本の国産ドローン開発第一人者である野波健蔵教授へのインタビューを通じて、日本のドローン産業の未来、またドローンそのものの未来を描いてみる。

これから先、ドローンはどこに飛んで行くのか。まずは、その歴史を振り返り、離陸地点から明らかにしていきたい。

トコトンやさしいドローンの本 (今日からモノ知りシリーズ)

ドローンの基本がわかる入門書

ドローンは、近年注目を集めており、様々な産業での活用が期待されています。本書では、ドローンの歴史からドローンの市場、法規制、ドローンの種類、飛行の仕組みと制御法、実際の操縦やメンテナンスなど幅広い基礎的な知識をまとめています。

鈴木 真二 (監修), (一社)日本UAS産業振興協議会 (編集)
日刊工業新聞社

はじめに

ドローンという言葉が一般的になったのは、2013年12月にAmazon.comがドローンを使った配送のデモンストレーション・ビデオを発表したときでした。小さな模型ヘリコプターのような無人航空機が注文した商品を自宅の玄関先に届ける映像は衝撃的でした。
ドローンはそもそも第二次世界大戦中に標的用無人航空機(ターゲット・ドローン)として開発され、その後も軍用の無人航空機を指すことが多くありました。現在のような小型無人航空機がドローンとして認知されだしたのは、2010年にフランスで発売されたAR Droneという複数のプロペラで飛行するマルチコプター型ホビー機あたりからで、その後、中国のDJI社のドローンが空撮用小型無人航空機として世界中に普及しました。マルチコプターが愛好家用のラジコン模型機の枠を飛び出し、一般の人に受け入れられたのは、電動駆動用のバッテリー、ジャイロや加速度計などのセンサ、WiFiなどの通信機器など、主要なコンポーネントがスマートフォンと共用でき、安価で、しかも簡単に飛ばすことができるためでした。
2014年にドローンに関係する組織や人のコミュニティーとして私どもは一般社団法人日本UAS産業振興会(略称JUIDA)を設立しました。UASは無人航空機システムを意味します。当時は、ドローンに関する基本的な法律もなく、安全に利用するための自主的なガイドライン作りから活動を始めました。こうした動きは、2015年4月に首相官邸屋上でのドローン落下事件で、状況が一変しました。その年に、航空法が改正されドローンを利用する基本的な規則が定まり、安全上認められる範囲を超えた飛行には申請して許可を得ることが必要になりました。
ドローン利用の規制が強められたとはいえ、「空の産業革命」ドローンには大きな経済波及効果が期待されています。安倍首相は、2015年11月に、「早ければ3年以内に小型無人機(ドローン)を使った荷物配送を可能にする」と発言し、規制だけではなくその活用にも政府が取り組むことを明言し、事実、翌12月には「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」が設置され、議論が定期的に行われています。JUIDAでは、ドローンの操縦法、基礎知識、安全管理手法を学ぶJUIDA認定スクール制度を発足させ、技能と知識を備えた人材養成を開始しています。
本書では、ドローンの基礎的な項目を、その歴史から始め、一般的な飛行の原理やドローン固有の技術と操作法といった技術的内容、日本のそして世界的なルール作り、活用方法など、ドローンを取り巻く話題を網羅しました。ドローンは、従来の航空技術、電気電子技術、通信技術を安価で簡単に利用できる小型無人航空機というかたちで融合した空飛ぶロボットです。この飛行ロボットをどのように利用すればよいのか、災害現場での空撮や物資輸送、大規模な建造物の点検のような公共的な利用は、私たちが安全で安心な生活を送るために、映画や番組でのダイナミックな空撮は私たちの生活を活気あるものに、物流や通信での利用は新たな産業振興のために推進されるでしょう。こうしたものは受け身の利益にすぎません。大空の下でドローンを飛ばせば、鳥のように空を飛びたいという太古からの人類の夢をいとも簡単に叶えてくれます。こうした体験は、皆さんの人生観を変える、ドローンの最大の利用法かもしれません。新たな技術である無人航空機ドローンをトコトン知るために本書を利用いただきたいと思います。
2016年10月

鈴木真二 JUIDA理事長

鈴木 真二 (監修), (一社)日本UAS産業振興協議会 (編集)
日刊工業新聞社

目次

第1章 ドローンとは何か
1 ドローンの種類「マルチコプターが多く普及」
2 ドローンの歴史①「標的機から始まったドローン開発」
3 ドローンの歴史②「ドローンの産業利用は農薬散布から始まった」
4 主なドローンメーカー「ベンチャー企業が群雄割拠する」
5 ドローンの市場予測「急成長を遂げるドローン市場」

第2章 ドローンの仕組み
6 飛行の原理「翼型は上下の圧力差で揚力を得る」
7 水平飛行とホバリング「安定な飛行には力のつり合いが重要」
8 飛行機の操縦「飛行機は、推力・エルロン・エレベーター・ラダーで操作」
9 ヘリコプターの操縦「ローターのピッチ角を変えて揚力を操作」
10 マルチコプターの操縦「複数のプロペラを多様に回転させて移動」
11 ドローンの機構「基本的な遠隔操作用の機器」

第3章 ドローンの要素技術
12 プロポの仕組み「遠隔操作により、ドローンに指令を与えるのがプロポ」
13 受信機の仕組み「プロポから電波で遠隔操作、指令を受け取るのが受信機」
14 モーターの仕組み「小型高出力のモーター」
15 プロペラの仕組み「プロペラのピッチで推力が決まる」
16 バッテリーの仕組み「ドローンに必要な電力のエネルギー源」
17 有線給電/無線給電「ドローンの飛行時間を拡大するための方策」
18 スピコンの仕組み「ドローンのモーターを制御」
19 フライトコントローラーの仕組み「姿勢安定と航法を司る心臓部」
20 機体の構造「ドローンの機体の構造」
21 ジャイロ、加速度計の役割「ドローンの姿勢を安定化させるために必要なセンサ」
22 コンパスの役割「ドローンの向いている方向を検出するのがコンパス」
23 GPSの役割「ドローンの航法はGPSベースが主流」
24 高度計の役割「ドローンの高度は、GPSのほかに、高度計で補填されている」
25 視覚センサの役割「ドローンに視覚センサを搭載し可能性が拡大」
26 無線技術「ドローンの飛行には地上と繋ぐ無線技術が不可欠」
27 無線通信の将来「ドローンの飛行を広範囲に拡大するキーテクノロジー」

第4章 ドローンの飛ばし方
28 プロペラの調整と組立「バランスが重要なプロペラ」
29 バッテリーの特徴「電圧、容量、放電能力が重要なスペック」
30 カメラのセッティング「ドローンでは比較的簡単に空撮が可能」
31 飛行前の調整「起動前のさまざまな点検が重要」
32 航空気象「天候や周囲の風の変化に常に注意を払う」
33 飛行に注意すべき場所「安全に飛行を楽しむために」
34 使用する周波数帯「電波帯をきちんと把握」
35 点検整備「飛行後点検と日常点検」
36 離着陸の練習「ドローンを傷つけないために」
37 上昇・降下、ホバリングの練習「基本操作をきちんと覚えよう」
38 前進・後退、左右の移動の練習「移動を自由に行う技術を身に付けよう」
39 プライバシーへの配慮「リスクと伴うため十分な配慮が必要」
40 目視範囲とドローンの見え方「VLOSで飛行させる」
41 飛行中に発生するトラブル「トラブル要因を把握」
42 ドローンの墜落「事故発生時の対応」
43 高度な飛行「自由自在の操作できるようにしよう」
44 FPV飛行「自分がドローンに乗っているような感覚」
45 自動飛行「指定したルートで指令を実行」

第5章 安全に飛ばすには
46 落下の危険性「正常な飛行ができない状態になったとき」
47 リスクの考え方「ドローンの安全な運用のためにリスク管理を行う」
48 フェールセーフの考え方「より安全側に作動する仕組みを組み込む」
49 飛行計画の立案、飛行ログの保存「飛行計画を提出する場合」
50 目立つことで衝突防止「派手な色や光で目立つ存在に」
51 バッテリーの取り扱い「小型軽量、高出力のリチウムポリマーバッテリー」
52 日本の法規制(航空法)「無人飛行機に対応した航空法が施行」
53 改正された航空法について「飛行空域と飛行方法の設定」
54 飛行許可の申請方法「国土交通省に許可申請を行う」
55 航空法以外の規制「さまざまな法律にもドローンの規制がある」
56 操縦ライセンス「各国で進むドローンの操縦のライセンス化」
57 保険への加入「ドローンを安心して運用するため」
58 安全技術(ジオフェンス、自動帰還)「ドローンの安全な航行をサポート」

第6章 ドローンの利用方法
59 空撮での利用「手軽なドローンで空撮が広がる」
60 測量での利用「土木分野で活躍するドローン」
61 農業での利用「農業のIT化にかかせないドローン」
62 物流での利用「小包などの配達で実用化が進む」
63 中継基地としての利用「電波通信網の一翼を担う」
64 点検・警備での利用「人の代わりに安全な作業を実現」

【コラム】
●ドローンレース
●マリリン・モンローとドローン
●ソーラープレーン
●美しきハリウッド女優と無線技術
●室内での自動飛行
●世界の法規制
●ドローンによる国際貨物輸送
●GPSの精度

【付録】
●各国のドローンに関連する主な支援組織
●主なオープンソース、フライトソフト
●主なドローン用フライトシミュレータソフト

参考文献
索引
監修者・著者略歴

鈴木 真二 (監修), (一社)日本UAS産業振興協議会 (編集)
日刊工業新聞社

きちんと知りたい! ドローンメカニズムの基礎知識

ドローンの仕組みと運用の仕組みを図で学ぶ

本書は、図やイラストを使って、ドローンのメカニズムについてまとめた本です。各部品のメカニズムやシステムとの関係性について書かれています。運用の際に航空管制や法規制のテクニカルな内容もあります。

鈴木 真二 (監修), (一社)日本UAS産業振興協議会 (編集)
日刊工業新聞社

はじめに

2018年韓国・平昌オリンピックにおいて、1218台のドローンが五輪の輪を描き、また、スノーボーダーの動きを巧みに表現しました。実際には、開会式ではなく前年12月に撮影された動画が配信されたとのことですが、LEDで発光するドローンが素晴らしい表現をしました。しかも、すべてのドローンはインテル社の「Shooting Star」と呼ばれるコンピューターシステムで集中制御され、1人のオペレーターの指令によって操作されていました。ドローンの限りない可能性を示すイベントだったと言えるでしょう。

日本では、2015年11月に、安倍首相が「早ければ3年以内に小型無人機(ドローン)を使った荷物配送を可能にする」と発言したことを契機に、翌12月には「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」が設置され、ドローン活用の議論が定期的に行われています。2015年4月に首相官邸で不審なドローンが落下していることが発見され、一挙にドローンの規制が強化されたのですが、強化だけではなく、産業育成、利用拡大による利便性の向上を政府が目指したものでした。2018年は、安倍首相の発言した3年後にちょうど相当します。ドローンにとっては重要な年になるはずです。

ドローンという言葉は、第二次大戦時に標的機「ターゲット・ドローン」という無人航空機として使用されることに端を発します。ターゲット・ドローンは現代でも各国で利用されていますが、現在、ドローンとして普及したマルチコプターはまったく別物と言えます。複数のプロペラを回転させ、浮上するアイデア自体は古く、有人ヘリのプロトタイプとして1920年代に離陸に成功しています。ただし、その方式は、有人飛行としては効率が悪く、有人ヘリは大きなローターを回転させる方式で現在に至っています。電動モーターでプロペラを回転させて飛行する現在のドローンが最初に市販されたのは日本からであったと認識されています。日本のキーエンス社は、1989年に「ジャイロソーサー」という玩具としてのドローンを開発しました。半導体ジャイロではなくメカ的な精密小型ジャイロと、リチウムポリマーバッテリーではなくニッカド電池という当時の技術でした。まさにドローンでしたが、時代が早すぎたというべきでしょう。現在のドローンのブームは、フランスのパロット社の「AR Drone」というやはり玩具によりもたらされました。スマートフォンやタブレットなどの技術を利用したことが成功の要因でした。

玩具として世に出たドローンですが、その後、中国のDJI社などがカメラを搭載した「空飛ぶカメラ」というべきドローンを販売し、産業用にも利用されるようになり、さらには、警備や物流に活用が始まっています。日本では、遠隔操作の無人ヘリコプターが農薬散布用に1990年代から使用されており、ドローンの農業利用も始まっています。こうした状況の中、ドローンの産業利用を促進させるためにJUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)が2014年に誕生しました。JUIDAの活動は、ドローン関係者の情報交換、安全ガイドラインの策定、試験飛行場の開設などから始まり、現在は、ドローンの操縦法、基礎知識、安全管理手法を学ぶJUIDA認定スクール制度を発足させ、技能と知識を備えた人材養成を全国で行っています。

本書は、2016年にドローンの入門書として「トコトンやさしいドローンの本」(日刊工業新聞)の続編として、ドローンに関係するさまざまな疑問をより詳しく解説するために企画しました。現在、ドローンの活用に向け、政府での制度整備も進められていますが、その整備には、複数の省庁が複雑に関連しています。ドローンの関連する分野の広さを物語っていると言える。ドローンは玩具として誕生した比較的コンパクトなシステムですが、その利用まで考えますと、さまざまな分野に関連しています。その全貌の理解が進めば幸いです。

2018年6月
一般社団法人 日本UAS産業振興協議会 理事長 鈴木 真二

鈴木 真二 (監修), (一社)日本UAS産業振興協議会 (編集)
日刊工業新聞社

CONTENTS

はじめに

第1章 ドローンとは?
1-1 なぜドローンと呼ばれるようになった?
1-2 ドローンにはどんな種類がある?
1-3 ドローンはいつごろ生まれたか?
1-4 ドローンはどこで作られている?
1-5 最初は何を買ってどこで練習するか?
COLUMN1 人が乗るドローン

第2章 ドローンのメカニズム<基礎編>
2-1 なぜプロペラは4つなのか?
2-2 ほかの垂直離着陸機には何がある?
2-3 スマホで操縦ができる?
2-4 プロポには種類がある?
2-5 無線の仕組みとは?
2-6 VRで操縦?
2-7 乾電池ではなくリポ?
2-8 モーターの仕組み
2-9 便利な自動離着陸とは?
2-10 飛行機タイプのメカニズムとは?
2-11 ハイブリッドタイプとは?
2-12 ドローンの敵「風」に対処する仕組みは?
2-13 ドローンを作る(1)ドローン製作の全体像
2-14 ドローンを作る(2)何を準備すれば良いの?
2-15 ドローンを作る(3)フライトコントローラーはどこから入手?
2-16 ドローンを作る(4)どのように調整すれば良いの?
COLUMN2 水陸空用のドローン

第3章 ドローンのメカニズム<上級編>
3-1 なぜジャイロが必要?
3-2 なぜ空中停止ができるの?
3-3 GPSの原理とは?
3-4 なぜ方位がわかるの?
3-5 リポ(リチウムイオンポリマー2次電池)取り扱い方は?
3-6 衝突防止ってなぜ?
3-7 ドローンはなぜうるさい?
3-8 ドローンはなぜ落ちる?
3-9 ジオフェンスとは?
3-10 どんなセンサーを使う?(1)ジャイロ・加速度計
3-11 どんなセンサーを使う?(2)高度センサー
3-12 どんなセンサーを使う?(3)方位センサー
3-13 どんなセンサーを使う?(4)カメラ
3-14 どんなセンサーを使う?(5)3D情報の取得
3-15 どんなセンサーを使う?(6)熱センサー
COLUMN3 宇宙ステーションで使うドローン

第4章 ドローンの操縦と飛行メカニズム
4-1 どんな機体が良い?
4-2 空中で止めるには?四角を描くには?
4-3 向きを反転させて飛ばすには?8の字を描くには?
4-4 FPVで飛ばすには?
4-5 操縦免許は必要?
4-6 どんな法律を知っていれば良い?
4-7 どこで練習すれば良いの?
4-8 何を準備すれば良いの?
4-9 最初の飛行に必要なものは?
4-10 風はどうして起きる?
4-11 気象情報はどこから得る?
4-12 風を測るには?
4-13 自動飛行に挑戦するには?
4-14 事故が起きたらどうするの?
4-15 どんな保険があるの?
4-16 海外で飛ばすには?
4-17 空の区分とは
4-18 飛行場の仕組みとは?
4-19 静止が苦手なドローンできれいな空撮映像を撮る仕組みとは?
COLUMN4 風雨に耐えるドローン

第5章 安全な飛行のためのメカニズム
5-1 航空管制の仕組みは?
5-2 衝突防止装置とは?
5-3 航空機の避けるルールとは?
5-4 ドローン航空管制とは?
5-5 ADS-Bとは?
5-6 携帯電話回線は利用できない?
5-7 ヒューマンファクターとは?
5-8 ヒューマンエラーを防ぐには?
5-9 事故調査とは?

COLUMN5 飛行前のチェックリスト

第6章 ドローンを仕事にしよう
6-1 どんな資格、機材を用意すれば良いの?
6-2 パイロットはどのように探すの?
6-3 飛行申請はどのように出すの?
6-4 個人事業主になるには
6-5 会社を作るには
6-6 リスク管理とは何のこと?
6-7 どのようなビジネスがあるのか?
COLUMN6 屋内を自動で飛ぶドローン
COLUMN7 ドローン・ビジネスの可能性

索引

鈴木 真二 (監修), (一社)日本UAS産業振興協議会 (編集)
日刊工業新聞社