【最新】虚数・複素数について理解するためのおすすめ本 – 虚数の基本的理解から複素数の応用まで

虚数とは?複素数とは?

2乗するとマイナスになる「虚数」。その虚数と実数とを組み合わせた「複素数」。これらはいずれも現実に存在しない数です。実在しない数なのに、虚数・複素数は様々な場面で計算に用いられています。ここでは、そんな虚数・複素数について、基本的な理解をするところから、歴史、応用まで、広く学べる本をご紹介します。

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出典:出版社HP

ゼロからわかる虚数 (角川ソフィア文庫)

虚数についてゼロから理解する

本書は、虚数について、基礎の基礎から複素関数と微分・積分に至るまで解説しています。書名のとおりゼロからでも虚数について理解できるようになっており、特に前半の実数と虚数の基本的な説明はやさしく説明されているため、虚数についてゼロから学びたい方や苦手意識を持っている人でも理解することができます。

深川和久 (著)
出版社 : KADOKAWA (2017/4/25) 、出典:出版社HP

はじめに

本書のヒロインは「虚数」です。
虚数とは、高校1年のとき、2次方程式の解の公式に出てくる、√の中が負になったとき、「虚根」として習うものでした。つまり、新しい数iとして、2乗すると-1となる虚数単位i(i=√-1)とおくものでした。
本書の前半(第1章~第2章)では、「虚数」の登場から認められるまで、裏切りあり、波乱万丈の歴史ドラマを認められるまで淡々と描いたものです。もちろん、負の数、自然数、小数、分数、無理数など名脇役も登場します。どうしてヒロインかというと、名前が「i(アイ)」だから?
ドラマはヒロイン「虚数」が皆に受け入れられて、ハッピーエンドで終わっています。しかし、後日談がありました。このヒロインはヒロインだけあって、関係ないものどうしを結びつける不思議な力を持っていました。
本書の後半(第3章~第4章)では、そのような不思議な力をできるだけ難しくならないように、述べました。

「虚数i」の持つ不思議な結びつける力とは、なんたって、

実数と虚数を結び、新しい数の複素数を産んだこと、
さらに、新しい複素関数を産んだこと、

そして、名場面、オイラーの公式が発見されるというクライマックスが続くのです。
この公式、
e^ix=cos⁡x+i sin⁡x
によって、指数関数と三角関数が思いがけず、結びついたのです。
この公式xにπに代入すると、
e^iπ=-1
となり、式にe、i、π、-1、という、主役級の4大スターの数字が奇跡的に一緒に登場する式を得られたのです。
ちなみに15年ほど前の本屋大賞、小川洋子さんのミリオンセラー小説『博士の愛した数式』では、この数式が大活躍しました。

私ごとで恐縮ですが、大病ののち、小春日和の午後のつれづれ、こころあたりのない差出人から宅配便が届きました。KADOKAWAの堀由紀子さんという人からで、私がベレ出版より以前出版しておりました本の文庫化のお誘いでした。このお誘いをありがたく引き受けました。単行本から文庫へと結び付けてくれたのも、虚数なのでした。最初は、縦組みの書籍ということで不安もありましたが、彼女や校正の方の尽力を得て、無事に出版にこぎつけることができました。
最後に、「虚数i」の不思議な力が、いまこの本を手に持っている人とこの本書を結びつけるように願っています。

深川和久

深川和久 (著)
出版社 : KADOKAWA (2017/4/25) 、出典:出版社HP

ゼロからわかる虚数 目次

はじめに

第1章 虚数は本当にウソの数か?―ヒーローとしての虚数
01 虚数とはどのようなものか~2乗してマイナスになるとなぜいけない?
・虚数との出会いと別れ
・虚数は本当にありえない数か?
・数への信奉
02 実数の側の状況はどうか〜実数はどれくらい「まっとうな」数か?
・実数にはどういうものがあるか
・自然数について
・分数について
・自然数の崇拝と無理数について
・小数について
・結局実数にもいろいろとわけがある

第2章 虚数はこうして認められた!―虚数の誕生事情
03 負の数と虚数の生い立ちと定着まで~方程式から芽が出て成長した
・負の数と虚数
・負の数が認められるまで
・3次方程式と虚数
・虚数の定着
・図形的裏づけ

第3章 これが虚数のナマの姿だ!―虚数と複素数の世界
04 複素数と複素数平面~複素数の基本的性質を調べる
・虚数から複素数へ
・複素数の計算と複素数平面
・座標平面―ベクトルと平面—複素数平面
・実数と複素数のちがい
・複素数の性質のまとめ
05 複素数の乗法と回転~複素数をかけること
・特別な角の複素数をかけると
・極形式とは?
・ド・モアブルの定理(n乗)とn乗根
・オイラーの公式
・複素数の計算と図形
06 複素数とはどういう数か~複素数を超える数は存在するか
・実数を超えるただ1つの数字
・四元数と八元数

第4章 複素関数の微分・積分―実数と複素数の微分・積分のちがい
07 複素関数の微分~複素関数の微分の強い性質
・複素数に広げることの意味
・実数の関数と複素関数の微分の定義
・テイラー展開
・再び複素関数の微分
・複素関数の微分可能性は強烈!
08 複素関数と積分~計算を超える奇妙な性質
・実数の積分
・面積分と線積分
・複素関数の積分

文庫のおわりに
参考文献
索引

深川和久 (著)
出版社 : KADOKAWA (2017/4/25) 、出典:出版社HP

マンガでわかる虚数・複素数

虚数・複素数について図解で理解する入門書

本書は、虚数・複素数の入門書で、虚数・複素数を用いた電気回路の計算、複素数の工学的利用について理解することを最終的な目標としています。最後の複素数の工学的利用は少し難しい内容となっていますが、そこまでの虚数・複素数の説明は、図解を交えながら丁寧に記述されており、数学が苦手な人でも理解しやすくなっています。

相知 政司 (著), 石野 人衣 (イラスト), トレンド・プロ (その他)
出版社 : オーム社 (2010/11/12) 、出典:出版社HP

はじめに

最近の大学生はゆとり教育世代となり、多くの電気系学科では、電気回路の講義がわからない学生がでてきていると聞きます。私も大学で電気回路を担当しておりますが、簡単な電気回路の問題が解けない学生がいるのを目のあたりにしております。何とかしないといけないと思うのですが、特効薬は見あたりません。ただ、電気回路がわからない学生の多くが複素数の計算ができない、苦手であるということだけは、わかりました。そこで、オーム社さんに相談して、この本を執筆することにしました。

虚数は、英語でいうとImaginary Numberで想像上の数字となるのですが、なぜか、日本語に訳したときに「虚ろな数」と訳されてしまって、印象が悪くなってしまいました。しかし、実在する数なんて自然界にあるのでしょうか。人間が勝手に数字を作っただけで、数字がなかった時代と現在でも自然現象は同じです。ただ、人間が数字と数式を用いて自然現象を表して理解しようとしているだけでしょう。

さて、複素数は電気回路の中で、特に交流回路を取り扱うときには、とても強力な計算手法として実在の電圧波形や電流波形を計算することに利用されています。大学での電気回路の講義は主に交流理論と呼ばれ、電圧や電流を複素数として取り扱うことができないと単位が取得できません。また世の中には電気にかかわる資格がたくさんありますが、その資格試験にも交流理論、すなわち虚数・複素数を用いて解く問題がたくさんあります。

本書が虚数・複素数の入門書として多くの方に読まれて、一人でも多くの方に、虚数・複素数を用いた電気回路の計算に興味を持って頂き、理解して頂ければ幸いです。

最後になりましたが、本書を出版するにあたり、終始、有益なご助言を頂いたオーム社開発局の皆様、私の拙い原稿をおもしろく理解しやすいマンガにして頂いた永川成基様と石野人衣様、トレンド・プロの皆様に心から感謝いたします。

なお、本書は数学の専門書籍ではないので、数学的に考えると微妙な表現があるかもしれません。また、数学本来の歴史とは異なる表現もありますが、虚数・複素数の初学者が理解しやすいことを最優先に考えた結果ですのでご了承ください。

2010年11月
相知政司

相知 政司 (著), 石野 人衣 (イラスト), トレンド・プロ (その他)
出版社 : オーム社 (2010/11/12) 、出典:出版社HP

目次

○プロローグ アイのはじまり

○第1章 数の種類
1. 数の種類
■自然数と整数
■小数と分数
■無理数
■実数
2. 2次方程式の解の公式
3. 虚数iの導入ですべての2次方程式が解ける
4. 2次方程式の応用例
5. 2次方程式の解の公式の導き方
6. 平方根の筆算の仕方

○第2章 虚数iを拡張して複素数a+biへ
1. 複素数への拡張
2. 複素数の性質(大きさ、偏角)と複素平面
3. 複素数の四則演算
4. 複素数の四則演算を複素平面上に描く
5. 共役複素数とは
6. 演習問題

○第3章 極座標表示
1. 直交座標系と極座標系
2. 演習問題

○第4章 指数関数と複素数を関係づけるオイラーの公式
1. オイラーの公式
2. ネイピア数(自然対数の底)e
3. オイラーの公式の証明
4. ド・モアブルの公式
5. 指数を使った極座標表示
6. 微分の定義とネイピア数の微分
7. ネイピア数の実用例

○第5章 オイラーの公式と三角関数の加法定理
1. 三角関数の加法定理
2. 三角関数の加法定理は導き出せ
3. 演習問題

○第6章 複素数の性質、乗算と除算、極座標表示
1. 複素数の乗算とは
2. 複素数の除算とは
3. 度数法と弧度法に対応した三角関数表
4. 指数に関する公式
5. 対数関数
6. (-1)×(-1)=1、借金×借金=貯金になるわけ

○第7章 複素数の工学的利用
1. 交流回路
2. 複素数の工学的利用
3. 家庭用電圧の実効値
4. 正弦(サイン)波の相対的位置関係

○付録演習問題
参考文献
索引

相知 政司 (著), 石野 人衣 (イラスト), トレンド・プロ (その他)
出版社 : オーム社 (2010/11/12) 、出典:出版社HP

ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 虚数

なぜ虚数が存在しているのか

「2乗してマイナスになる数」という本来存在しない数である虚数が、何の役に立っているのか。不思議な数である虚数について面白く紹介した一冊です。簡潔な文章、イラストに加えてコラムや4コマ漫画などのコンテンツに富んでおり、楽しく虚数の世界について学ぶことができます。

和田純夫 (監修)
出版社 : ニュートンプレス (2020/1/21) 、出典:出版社HP

はじめに

虚数とは,「2乗するとマイナスになる数」です。中学校までに習うふつうの数では,プラス×プラスはプラスになり,マイナス×マイナスもプラスになります。つまり,0でない数を2乗する(2回かけあわせる)と,かならずプラスの数になります。したがって,ふつうの数の中には「2乗してマイナスになる数」などというものはみつかりません。いったいなぜ,ふつうの数とはことなる虚数という数を考える必要があったのでしょうか。

実は虚数は,科学の世界ではとても大きな役割をになっています。たとえば,ミクロな世界を物理学で解き明かそうとすると,虚数の計算が必要になります。さらには,私たちがくらす宇宙では,誕生時に「虚数時間」というものが流れていたという理論も提案されています。

本書では,とても不思議な数である虚数について“最強に”面白く紹介します。本書を読み終えるころには,虚数のありがたみが,きっと実感できることでしょう。虚数の世界をどうぞお楽しみください!

和田純夫 (監修)
出版社 : ニュートンプレス (2020/1/21) 、出典:出版社HP

目次

イントロダクション
1 これが虚数だ!
2 答のない問題が,虚数の誕生をもたらした
3 「足して10,かけて40」を,面積で考えてみよう
コラム 面積をあらわす日本の単位

1.こうして虚数が誕生した!
1 数直線を埋めつくす「実数」の世界
2 4000年の歴史をもつ2次方程式
3 古代メソポタミア人は,2次方程式を解いていた
4 「2乗してマイナスになる数」がないと,答が出せない
5 虚数が最初に登場した本,「アルス・マグナ」
6 カルダノが,虚数を生みだした
7 「解の公式」で,カルダノの問題を解いてみよう!①
8 「解の公式」で,カルダノの問題を解いてみよう!②
9 「解の公式」で,カルダノの問題を解いてみよう!③
Q 答が虚数の方程式
A 答は虚数?
10 デカルトは,虚数を「想像上の数」とよんだ
11 ウォリスは,負の面積を使って虚数を正当化しようとした
12 オイラーは,虚数をあらわす記号に「i」を使った!
4コマ 約束をやぶったカルダノ
4コマ 虚数は現代生活に欠かせない

2.虚数の“姿”をとらえる
1 マイナスの数を数直線で可視化する
2 空虚数は,数直線の外にあらわれる
3 実数と虚数がまざり合った複素数
コラム 複素数は,虚数なの?
4 矢印を使って,「実数」の足し算を考えよう
5 矢印を使って,「複素数」の足し算を考えよう
コラム マウスの単位は「ミッキー」

3.回転と拡大で複素数を計算!
1 マイナスのかけ算は,複素平面上の点を180度回転させる
2 虚数「i」のかけ算は,数直線上の点を90度回転させる
3 複素数にiをかけ算してみよう
4 複素数どうしをかけ算してみよう
5 「3+2i」をかけ算すると,北斗七星が回転して拡大される
コラム 北斗七星は皇帝の車だった?
6 「カルダノの問題」を,複素平面で確認しよう①
7 「カルダノの問題」を,複素平面で確認しよう②
コラム 博士!教えて!!虚数に大小はあるの?
コラム ガウス平面の発見者
9 「複素平面」を使って,お宝をさがしだそう
10 「複素平面」を使って,お宝をさがしだそうStep1
11 「複素平面」を使って,お宝をさがしだそうStep2
12 「複素平面」を使って,お宝をさがしだそうStep3
Q ボタンはどこ?
A 無事に脱出!
4コマ 第二の虚数ってないの?
4コマ 才能あふれるガウス
4コマ 星の出現を計算

4.現代科学と虚数
1 極小世界を探求する物理学「量子力学」
2 虚数なしには,電子のふるまいが説明できない
3 宇宙のはじまりは,物理法則が成り立たない?
4 宇宙誕生時,虚数時間が流れていたかもしれない
5 虚数時間で,宇宙のはじまりは“なめらか”になる
6 虚数と波を結びつける「オイラーの公式」
7 波や波動の解析には,オイラーの公式が欠かせない
8 世界一美しい数式「オイラーの等式」
コラム 博士!教えて!!虚数が,自然界に関わるのはなぜ?
4コマ シュレーディンガーの子
4コマ シュレーディンガーの猫

和田純夫 (監修)
出版社 : ニュートンプレス (2020/1/21) 、出典:出版社HP

複素数とはなにか (ブルーバックス)

複素数の入門書

本書は、複素数とは一体どんな数なのかを解説している、複素数の入門書です。基礎的なことについてその都度説明されているため、初学者でも無理なく読み進めることができます。本書の内容を理解しながら読み進めることで、複素数についてきちんと理解することができます。

示野 信一 (著)
出版社 : 講談社 (2012/10/19) 、出典:出版社HP

まえがき

複素数(あるいは虚数)とは,-1の平方根i=√-1を用いて,a+bi(a,bは実数)の形で表される数のことです.2乗すると-1になる「虚数」iというのは,奇妙でなじみにくいものでしょう.複素数とは何か,こんなものを考えて何かいいことがあるのか,という疑問に答えることが本書の目的です.
数については学校で時間をかけて習います.数の足し算,掛け算(九九)のような計算,分数,小数,負の数,無理数,指数の計算など,習う段階では難しかったことも,いつの間にか慣れて身についています.ところが,複素数を高校で習っても,数として受け入れるところまで慣れ親しんでいない人が多いようです.理工系分野で複素数を使っていても,やはり複素数に得体の知れないものという違和感を感じ,親しむとまではいかない人も少なくないと思います.実数は「現実」の数であるのに対して,虚数は「仮想」の数,不合理なものであるという,数学の歴史の中で複素数が受容されるまでに受けた抵抗を追体験しているかのようです.
複素数への違和感を取り払い,その美しさと有用性を知ってもらうために,本書を執筆しました.読み進む中で,だんだんと複素数に慣れ親んでもらうために,次のようなコースを辿ります.まず,自然数から整数,有理数,実数,そして複素数へと数の世界が広がっていく流れの中で複素数をとらえ,複素数を四則演算の代数的側面,平面上の点としての幾何学的側面の両面から詳しく見ます.本書でもっとも重要なド・モアブルの定理とその幾何学的理解を用いて,1のn乗根とその応用,美しい数式として名高いオイラーの公式

eiθ=cosθ+isinθ

の証明を与え,複素数の応用のいくつかを取り上げます.
基礎的なこともその都度説明するようにして,初学者や以前勉強したことを忘れてしまった人が無理なく読めるように配慮しました.一方で,話の筋道をきちんと辿ってしっかり理解してもらうことを重視しました.決して平坦な道のりではありませんが,わかったときの達成感は格別のものです.数式が多くて難しく感じる部分もあるかもしれませんが,難所は保留して先に進み後でじっくり考えるなど,自在に取り組んでもらえればと思います.
編集者の梓沢修氏には,執筆を支えていただくとともに原稿に対して有益な助言をいただきました.前任の岡山理科大学,そして現在所属する関西学院大学のスタッフ,学生たちからは様々なヒントをもらいました.この場を借りて感謝申し上げます.

2012年 盛夏の裏六甲にて
示野 信一

示野 信一 (著)
出版社 : 講談社 (2012/10/19) 、出典:出版社HP

目次

第1章 数の広がり
§1 いろいろな数
§2 四則演算
§3 減法と負の数
§4 乗法と負の数
§5 べき乗

第2章 複素数の四則演算
§1 虚数の兆し
§2 複素数
§3 複素数の四則演算

第3章 複素数の幾何学
§1 複素数平面における加法と乗法
§2 複素数と三角関数
§3 複素数の定義

第4章 複素数と方程式
§1 複素数と2次方程式
§2 1のべき根と方程式
§3 方程式の解の存在と解法

第5章 べき乗からオイラーの公式へ
§1 複利計算と指数
§2 指数関数の折れ線近似
§3 オイラーの公式
§4 指数関数と三角関数
§5 べき級数を用いたオイラーの公式の証明
§6 オイラーの公式の奇妙な仲間たち

第6章 複素数の応用
§1 複素数と平面幾何
§2 複素数と三角関数
§3 さらなる発展と応用

示野 信一 (著)
出版社 : 講談社 (2012/10/19) 、出典:出版社HP

Newton別冊『虚数がよくわかる 改訂第2版』 (ニュートン別冊)

虚数の世界を完全網羅

本書は2018年に刊行したニュートン別冊『虚数がよくわかる』の改訂版です。
数学や科学において重要な役割を果たしている虚数について、人類が虚数に至るまでの数拡張の歴史や虚数の性質、そしてその重要性をやさしく紹介しています。

筆者
出版社 : ニュートンプレス; 改訂第2版 (2020/3/16) 、出典:出版社HP

はじめに

かつて,フランスの数学者デカルトがその存在を認めず「想像上の数」とよんだ奇妙な数があります。それが,わたしたちが高校の数学で教わる「虚数」です。虚数の何が奇妙なのでしょうか?プラスの数もマイナスの数も,2乗する(2回かける)と必ずプラスになります。ところが虚数は,「2乗するとマイナスになる」のです。そのような数は,どこにも見当たらないように思えます。

では,なぜ高校では虚数を教わるのでしょうか。それは,数学において,虚数がきわめて重要な役割を果たしているからです。実は,虚数がなければ,数の世界は不完全なままになってしまうのです。

また,ミクロの世界を解き明かす「量子力学」においても,虚数はなくてはならない存在です。虚数がなければ,電子1個のふるまいすら,正しく知ることができないのです。

本書は2018年に刊行し好評いただいたニュートン別冊『虚数がよくわかる』の改訂版です。新たな特集記事を加えて大改訂を行い,より楽しく読みやすい内容に生まれ変わりました。人類が虚数に至るまでの数拡張の歴史や,虚数の性質,そして数学や物理学で虚数がどのように役立てられているかを,やさしく紹介しています。虚数の不思議な世界を,お楽しみください。

2020年3月

筆者
出版社 : ニュートンプレス; 改訂第2版 (2020/3/16) 、出典:出版社HP

目次

イントロダクション
人類は数の世界を拡張してきた
虚数をめぐる数学者・物理学者の歴史

1.虚数誕生への道のり
協力 織田和美 協力・監修 木村俊一
自然数
ゼロ
負の数
負の数のかけ算
有理数①〜②
無理数
実数
Column1 小数の表記法が生まれたのは16世紀
Column2 ピタゴラスは有理数が数のすべてであると信じた
Column3 古代メソポタミアの粘土板に刻まれた。
Column4 古代人はこうやって平方根を作図した
Column5 √2が無理数であることの証明
Column6 √2を分数であらわす方法連分数
Column7 方程式とは何か?
Topics 実数の完成と無限の概念

2.虚数とは何か
協力 織田和美/木村俊一
歳数とは
とけない問題
虚数誕生①〜②
市民権を得た虚数
Column8 「2次方程式」には,実数では答えが出せないものがある
Column9 4000年の歴史をもつ「2次方程式」
Column10 2次方程式の「解の公式」でカルダノの問題を解く方法
Column11 虚数誕生のきっかけは16世紀の「数学勝負」
Column12 ギャンブル好きで確率論の発展にも寄与したカルダノ
Q&A1 複素平面はなぜ「ガウス平面」とよばれる?
Q&A2 虚数に大小はある?

3.虚数と複素数
協力 織田和美 協力・執筆 木村俊一 執筆 小谷善行
複素数のあらわし方
複素数の足し算
複素数のかけ算①〜②
虚数で解く不思議なパズル①〜②
ガウスと複素数①〜②
数拡張の終着駅
Column13 「カルダノの問題」を複素平面で確かめてみよう
Column14 「マイナス×マイナス=マイナス」の世界とは?
Column15 複素数の「極形式」とは?
Column16 複素平面を幾何学に応用してみよう
Column17 複素平面の反転と無限遠点
Q&A3 -1の4乗根,8乗根,16乗根は?
Column18 「代数学の基本定理」の証明
Column19 フラクタルと複素数
Column20 複素数ニュートン法によるフラクタル
Topics 黄金比と複素数で正五角形を作図してみよう

4.人類の至宝オイラーの公式
協力 織田和美/木村俊一
三角関数
テイラー展開①〜②
虚数乗
オイラーの二つの式
πとiとe
オイラーの公式をながめる
オイラーの公式はなぜ重要か
Column21 三角関数って何?
Column22 自然対数の底「e」とは?
Column23 円周率「π」とは?
Column24 近代数学の基礎を築いた天才数学者オイラー

5.虚数と物理学
協力・執筆 和田純夫
光・天体と虚数
4次元時空と虚数①〜②
未知の粒子と虚数
量子力学と虚数①〜③
Q&A4 実在しない虚数が,なぜ自然界に関わる?
Topics 量子力学では,なぜ複素数が登場するのか?
Topics 「小林・益川理論」でも虚数が活躍する

筆者
出版社 : ニュートンプレス; 改訂第2版 (2020/3/16) 、出典:出版社HP

イントロダクション①

「答えのない問題」に出会うたび,人々は新しい数をこしらえた

古来人々は,「答えのない問題」に出会うたびに,新しい数の概念をひねりだしてきました。
数の中で,最も起源が古いのは,1,2.3,…という「自然数」です。自然数は,リンゴが1個,牛が2頭,日数が3日…というぐあいに,物の個数を数えるために生まれたものと考えられます。
その後,1と2の間の数や,3と4の間の数をあらわす言葉も必要になりました。「2倍すると3になる数」つまり3/2や,「1を10等分したもの」つまり0.1=1/10のような数はそうした中で生みだされたのでしょう。分数であらわすことができる数,つまり「有理数」の発明です。有理数を使うことで,ものの個数だけでなく,長さや重さ,体積などの「量」を数であらわすことができるようになりました。
その後,分数ではあらわせない数(有理数でない数)が発見されます。2の平方根(√2)や,黄金比(1+√5/2)=1.618…などの「無理数」です。今では円周率πや自然対数の底eなども無理数になることがわかっています。無理数を小数であらわすと,小数点以下の数字が決して循環することなくつづきます。
人類はさらに「ゼロ」や「負の数(マイナスの数)」までも数の仲間に含めます。そして,正負の数とゼロを含めて,有理数と無理数を合わせた数全体のことを「実数」としました。これによって,数をあらわす「数直線」はすべて埋めつくされたことになります。
ところが,人類は数直線の外にある数まで発見してしまいました。本書のテーマ「虚数」です。虚数とは,2乗するとマイナスになる数のことです。そんな常識はずれの数が,埋めつくされたはずの数直線を含む平面に広がっていたのです。実数と虚数を足してあらわされる数のことを「複素数」とよびます。こうして,次々と数の拡張をつづけてきた人類は,複素数にたどりついたのです。

人類は数の世界を拡張してきた
ここでは数の拡張を5段階で示しました。最も起源の古い数は,1,2,3,…という「自然数」です。次に,分母と分子が自然数の分数としてあらわせる(正の)「有理数」が,数の仲間入りを果たしました。その後,自然数の分数ではあらわせない(正の)「無理数」,さらに「ゼロ」や「負の数」が加わり,「実数」ができあがりました。今の日本の学校では,先に負の数,あとで無理数を習う順番になっていますが,人類の歴史の中では負の数の方が認められるのに時間がかかりました。そしてついに,本書のテーマである「虚数」が数の仲間入りを果たします。

イントロダクション②

虚数をめぐる数学者・物理学者の歴史年表

筆者
出版社 : ニュートンプレス; 改訂第2版 (2020/3/16) 、出典:出版社HP

虚数はなぜ人を惑わせるのか? (朝日新書)

日常に隠れた虚数の世界を学ぶ

コンピュータや宇宙まで虚数の世界を完全に網羅した一冊です。難しい数式を避け、文系や数学が苦手な人にもわかりやすく解説されています。虚数がどこで、何に使われているのか、なぜ必要なのか、簡潔に学ぶことができます。

竹内 薫 (著)
出版社 : 朝日新聞出版 (2019/8/9) 、出典:出版社HP

プロローグ

おいらの名前はシュレ猫。虚数の世界に棲む幻想的なお猫様だ。え?チェシャ猫の親戚かって?ああ、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に出てくるあいつのことか。まあ、似てるっちゃあ似てるのかもしれないが、知らねえなあ。少なくとも親戚じゃないことだけはたしかだ。なにしろ、おいらは半分生きてて、半分死んでる、時空を超越した特別な猫なんだから。おいらみたいなのが、そこらへんにうようよいたら、大変じゃねぇか。

そもそもこの本を手に取ってくれているということは、アナタは虚数が大好きか、逆に不信の念を抱いているはず。虚数が大好きな読者には、説明は不要なので、いきなり第1章に突入していただいて結構だ。でも、虚数に首を傾げている読者は、このままプロローグを読み進めてくだせい。

おいらも猫の学校で虚数を初めて教わったときはびっくらこいた。なにしろ、2個あるおやつを2乗したら4個で、4個を2乗したら6個になるのはあたりまえなのに、いきなりカオにゃん先生に騙されたんだからな。
先生は黒板に「おやつ2!」と書いた。
「おいシュレ猫、先生とのジャンケン勝負に負けなかったら、この数の2乗のおやつをおまえにやる」

おいらはすぐにこの取引に乗った。ジャンケンポーン。ふ、いったい先生様、なに考えてやがんだ。猫のジャンケンは常にあいこに決まってるじゃんか。なにしろ、前肢の構造上、チョキは出せないし、グーもきちんとできない。つまりは肉球を見せながらのパーしか出せないわけでおあいこ。ふふふ、これでおやつ4個いただき!
だが、先生はため息をついてこう言った。
「残念だったな。おあいこだ。シュレ猫、先生におやつを4個くれ」
はぁ?何言ってんの?逆だろ、逆。おいらが4個もらう方だろうが。
「先生、なに言ってるにゃ。2個の2乗は4個で、おいらは負けなかったんだから先生から4個もらうんで~す~よ」
「2個じゃないぞ。黒板には2iって書いてあるだろう。このiは虚数といってな、2乗すると-1になる数なんだよ。つまり、2iを2乗すると-4。だから、おまえが先生に4個おやつをくれなくちゃいけない。こんなの宇宙の常識だろうが。なあクラスのみんな、虚数って知ってるだろう?」
すると、教室の猫どもの半分くらいが手……前肢をあげた。うん?たしかに黒板をよくよく見ると「!」じゃなくて「i」だった。でも、おいらはiなんて知らないから、頭の中で勝手にビックリマークに修正してしまっていたらしい。

「先生、これ詐欺じゃないすか!仮に!がiだったとしても、2乗したらマイナスになるなんてインチキにゃ!」
先生はにやりと笑った。
「ほほう、ということは、シュレ猫君。iがインチキなら、キミの存在そのものがインチキということになるが、それでもいいのか?」
は?おいらの存在そのものがインチキ?まったくもって意味不明。すると、優等生のおニャニャが髭をピンと立たせてこうのたまった。
「シュレ猫く~ん、数学の授業ではまだ教わっていないけれど、虚数がなくなったら、われわれのような特別な猫は消滅してしまうって、社会科の時間に何度も教わったじゃない?先生はこれから、その数学的な意味を説明してくれようとしてるのよ。わからないの?」
うーん、そういえば、かすかに記憶の片隅に残っている。世の中には虚の数があると言われているけれど、その数がなくなったら、われわれ一族だけでなく、宇宙そのものが消滅してしまうって話。でも、そんなバカなことがあるかって感じたから、あまりよく話を聞いていなかったんだよな。
「カオにゃん先生、でも、クラスの半分くらいも『2乗したらマイナスになる数なんて知らない』っていってるじゃないすか」
先生はふたたびニヤリと笑った。
「だから、これからその不思議な数について数学の立場からじっくり解説しようとしてるんじゃないか。シュレ猫、この本のおわりで虚数の正体がつかめたら、-4をもう1回2乗して、先生がクラスの全猫におやつを配ってやる。それでいいか?」
「わかったにゃん」
う、いきなりかわいい返事をしてしまったが、この本は、おいらみたいに「虚数ってなんだかわかった気がしない」という、もやもや感をぬぐいきれない読者のための、カオにゃん先生特別授業だと思ってもらいたい。
にゃにゃ!前口上はこれくらいにして、それではいざ、摩訶不思議な虚数世界へGOi

竹内 薫 (著)
出版社 : 朝日新聞出版 (2019/8/9) 、出典:出版社HP

虚数はなぜ人を惑わせるのか 目次

プロローグ

第1章 虚数はどこに存在するのか?
日常に隠れている虚数
iの不思議
虚数との出会い
シュレ猫コラム① いろ~んな数
虚数がなければパソコンもスマホもない
測定装置では虚数を検出できない
相対性理論とピタゴラスの定理
アインシュタインが気づいた4次元の世界
日常の常識にこだわると間違える

第2章 人類の想像を超え発展した数学
人間は数を数える動物
ピタゴラスがしようとしたこと
すべてはインドで始まっていた
0と虚数
シュレ猫コラム② 無限の発見と探究
シュレ猫コラム③ なぜ欧米人は7に線を入れるのか

第3章 ネコでもわかる虚数の性質となりたち
複素数と虚数の歴史
虚数は目に見える
マイナスとマイナスをかけるとプラスになる意味
シュレ猫コラム④ 世界一簡単にわかる虚数の計算方法
虚数にも大小はある?
虚数は行列だった?

第4章 数学を合理的に再構成する
数の発展とはなんだろう?
筆算という高度な計算
なぜ使わないデシリットルを教えるのか
シュレ猫コラム⑤ ややこしいナントカ進法
かけ算、そして1000
シュレ猫コラム⑥ 格子の方法
小数より分数、はしたの数が先
最後は割り算、そして……
シュレ猫コラム⑦ 分数で割るときは「逆さにしてかける」?
xやyが入ってくると一気に世界が変わる

第5章 読んだらハマる関数の世界
式さえあればコンピュータに計算させられる
労働時間に比例しない給与体系
関数と方程式
2次方程式の解はどこへ行った?
関数は自動販売機
コンピュータグラフィックスと虚数

第6章 もっとも美しい数式・オイラーの等式と虚数
オイラーの等式に魅せられた人々
シュレ猫コラム⑧ オイラーWHO?
利子に利子がつくということ
シュレ猫コラム⑨ 指数関数と三角関数の深い関係
とうとう虚数金利を採用する銀行が登場した
「世界一美しい等式」は世界一コワイ?
シュレ猫コラム⑩ なぜオイラーの等式が美しいのか

第7章 ホーキングの時間の宇宙
時間と空間は相対的なもの
シュレ猫コラム⑪ 重さと質量の違い
宇宙は計算機である
虚時間だとなぜ宇宙の始まりが丸くなるのか
虚時間のその後

エピローグ

図版 谷口正孝一
イラスト 平田利之

竹内 薫 (著)
出版社 : 朝日新聞出版 (2019/8/9) 、出典:出版社HP

複素数のはなし―見えない数を使いこなす

複素数の応用を学ぶ

高校で教わる複素数と大学で学ぶ関数論の間には大きなギャップがあります。本書は、そのギャップを埋めるため、複素関数に関する高校の知識を前提とし、複素数の応用に重点を置いています。大学の関数論の理解を手助けする一冊です。

鷹尾 洋保 (著)
出版社 : 日科技連出版社 (1997/10/1) 、出典:出版社HP

まえがき

複素数については、理科系を志望する高校生の皆さんは、高校の数学ではじめて出合うことでしょう。そこでは、2次方程式の根の求め方から虚数単位iを学び、複素数平面や一部の写像までが取り上げられています。そして、厳しい受験戦争を経て大学に入ったとします。大学では「関数論」の名の下に複素数の関数について整然とした理論が教えられます。

ところが、高校で教わる複素数と、この関数論の間は大きなギャップがあるように思えてなりません。三角関数を複素数の指数関数で表わせば、その積分がやさしくできることは高校生にも分かるはずですが、高校では教えていません。大学では、関数論まで行く前に、微分方程式や電気回路を解くために、突然のように複素数が現われて戸惑うこともあります。また、関数論の理論は精緻なものですが、かなり煩雑で、複素数を応用すると何ができるかが分かるのは、かなり内容が進んでからです。

わたくしは元来数学では素人です。そのわたくしがこの『複素数のはなし』を書こうと思ったのは、自分の経験からこのギャップを何とか埋められないかと考えたからです。

そこで、まず、わたくしは高校の知識を基礎にした複素数の応用の話を取り上げました。つぎに、関数論に話を進めますが、複素数を応用するとこんなことができるという目標を常に示しつつ、説明することに努めました。複素関数の理論は最小限とし、応用に重点を置きました。

高校生には高校生の利用の仕方があり、また大学で関数論で戸惑っている方にも理解の助けとなるようにと念じて枠組みを作りました。

複素数の関数の応用としては、「等角写像」と「定積分の計算」という2つの主な分野がありますが、皆さんの必要に応じ、そのどちらへも基礎の部から別々に進めるように構成したつもりです。

この日科技連出版社の数学関連の本には、大村平という優れた著者がいます。大村さんは40年来の先輩であり、友人でもあります。彼の勧めによりわたくしは先に『微分方程式のはなし』を書き、そして、今回も貴重なアドバイスを頂き、この本を書きました。厚く感謝します。

また、円柱や翼型まわりの流れの写真については、久保田弘敏東京大学教授のご尽力を頂きました、日科技連出版社の山口忠夫部長にも出版にあたって適切なご助言を頂きました。このお二人にも厚くお礼を申し上げます。

この本が複素数を理解し、それを応用することに少しでも役にたてば、筆者のこれに過ぎる喜びはありません。

平成9年8月
鷲尾洋保

鷹尾 洋保 (著)
出版社 : 日科技連出版社 (1997/10/1) 、出典:出版社HP

目次

まえがき
1. はじめに—複素数を使うとできること

第1部 複素数とはどんなもの
2. 見えない数—i
数の生い立ち
虚数の登場
3. 見えない数を見る―複素数平面—
複素数平面
複素数の四則計算
2乗・平方根
1のn乗根を求める
4. 不思議な数―π,i,e
eの発見
テイラー級数
eを求める
5. 三角関数は指数関数の子供
三角関数を複素数で表わす
三角関数の公式をだす
三角関数の積分
6. 愛の愛情i^-i―複素数の関数—
指数関数
対数関数
ベキ関数
複素数の三角関数・双曲線関数

第2部 複素数を使ってみよう
7. 振動を複素数で表わす
8. 微分方程式を解く
複素数を使って微分方程式を解く
ネライをつけて微分方程式を解く
揺さぶられる運動
9. 電気屋さんの必需品―複素インピーダンス—
インピーダンスが複素数なわけ
並列の回路のインピーダンス
電流を求めてみよう
共振回路
10. ダッチロールの形―連立微分方程式―
飛行機の運動方程式
同次方程式を解く
ダッチロールの形を求める

第3部 形も流れもかえる—等角写像の応用―
11. 複素数と等角写像
等角写像とは
正則関数
等角写像のいろいろな例
12. 固体の中の温度分布―ラプラスの方程式―
温度分布の方程式
温度分布を等角写像する
逆の等角写像
寺円与像の等角写像
13. 流れを変えるー流体力学への応用―
流れの方程式
流れ関数
流れを等角写像する
円柱のまわりの流れを求める
「つばさ」のまわりの流れ―ジューコウスキー変換
14. 直線を折り曲げるーシュヴァルツ・クリストッフェル変換―
x軸を折り曲げて三角形を作る
セキ(堰)を越える流れ

第4部 積分せずに積分する—複素積分―
15. 複素積分の成り立ち
複素関数の積分
正則関数
複素積分の例
正則関数の周回積分
16. グリーン上のホール—特異点―
特異点
特異点の種類
ローラン級数
特異点とローラン級数
17. 積分の切り札—留数
ローラン級数を積分する
留数
留数の求め方
多くの特異点があるとき
18. これまでのまとめ
まとめ
複素積分の実際
19. 実数の定積分
あらすじ
タイプ1 ∫_(-∞)^∞▒〖g(x)/f(x) dx〗
タイプ2 ∫_0^2π▒f(sin⁡θ,cos⁡θ )dθ
タイプ3 ∫_(-∞)^∞▒〖(g(x) cos⁡mx)/f(x) dx〗,∫_(-∞)^∞▒〖(g(x) sin⁡mx)/f(x) dx〗
その他の定積分

クイズの解答
索引

鷹尾 洋保 (著)
出版社 : 日科技連出版社 (1997/10/1) 、出典:出版社HP