いちばんやさしい Git 入門教室

Gitを始めるためのおすすめ書籍 – 6冊を紹介!も確認する

はじめに

Gitは、たくさんのファイルを更新履歴とともに管理するソフトウェアです。システム開発の現場において、とてもよく使われています。
年々、Gitを導入する開発チームは増えてきており、そうした現場で仕事をするデザイナーやプログラマーは、Gitを使えなければ仕事になりません。
本書は、そうした「もうGitから逃れられない人たち」のための入門書です。

デザイナーやプログラマーは忙しく、時間がありません。そこで本書では、「現場で使う機能だけを、最低限の操作でできるようになること」を目指します。
Gitはとても豊富な機能を持つソフトウェアなので、全機能を網羅しようとすれば、とんでもない量の紙幅を費やすことになります。実際、Gitを勉強しようと本を読み、諦めた人もいるかも知れません。

しかし実務で使う機能は、そのうちのごくわずかです。大半の機能は、Gitで管理されたファイルを整理するためのものです。整理作業そのものは、デザイナーやプログラマーの仕事ではありません。Gitに詳しい者が担当すればいいのです。

そう、現場にGitが導入されているということは、開発チームにはGitに長けた人がいるはずなのです。デザイナーやプログラマーがやらなければならないことはファイルを登録したり、取得したりする作業だけです。難しいことは長けた人に任せましょう。

Gitは、他のメンバーと共同作業するために使うので、少し癖があります。
ひとつは、他の人の変更と競合するときに発生するエラーです。ひとたび競合が発生すると、それを直すまでファイルの更新ができず、開発の進捗が滞ってしまいます。
もうひとつは、「こうしたやり方をしていい、ダメ」という文化です。たとえば不完全なファイルを登録すると、他の人にも不完全なファイルが配布されてしまい、皆が迷惑することがありそこで本書では、実務でありがちなエラーの解決策や、「ふつうならGitをこう使う」という慣例をできるだけ多く取り上げるようにしました。

本書の登場人物は、デザイナー、プログラマー、開発リーダー、開発マネージャーの4人。それぞれGitを使う目的が違う人たちです。さて、どのような物語が繰り広げられるのでしょうか。
Gitは面倒とか難しそうなどと言ったところで、時流には逆らえません。Gitを使ったチーム開発に参加できるだけの基本と教養を、本書がお伝えすることができれば幸いです。2019年夏 大澤文孝

大澤 文孝 (著)
出版社: ソーテック社; B5変形版 (2019/8/23)、出典:出版社HP

目次 – いちばんやさしい Git 入門教室

CONTENTS
Chapter 1
Gitをはじめよう
Lesson 1-1 Gitって何?
COLUMN 一人で使ってもGit は便利
Lesson 1-2 Gitの全体像
COLUMN Git クライアント機能を内蔵した開発ツールやデザインツール
Lesson 1-3 Git のキホン リポジトリとブランチ
COLUMN Git サーバーなしで使う「ひとりGit 」
Lesson 1-4 ローカルとリモートとのやりとり
COLUMN リモートリポジトリが壊れたときはローカルリポジトリから復帰できる
Lesson 1-5
Gitを使うときのコツ

Chapter 2
リポジトリを作る
Lesson 2-1リボジトリ作成の流れ
COLUMNリポジトリは安全第一で選ぶ
COLUMN GitHubとGitは別物
Lesson 2-2 GitHubのアカウントを作る
Lesson 2-3 GitHubでリポジトリを作る
Lesson 2-4ユーザーにアクセス権を設定する

Chapter 3
Git操作の基本
Lesson 3-1
Git クライアントの選び方
COLUMN Gitを操作するためのgitコマンド
Lesson 3-2
GitHub Desktopをインストールする
Lesson 3-3リポジトリをクローンする
COLUMN リモートリポジトリを使わない場合
COLUMN スタート画面が表示されなかったり一覧に表示されていなかったりするときは
COLUMN リポジトリの切り替え
Lesson 3-4 リポジトリの基本操作
COLUMN ネットに接続していなくても編集できる
Lesson 3-5 ファイルの新規追加 からコミット、プッシュまで
COLUMN 拡張子の表示
COLUMN 数ファイルの変更
COLUMN コミットハッシュ
Lesson 3-6 他人のファイルの更新を確認するプル
Lesson 3-7 Git基本操作のまとめ

Chapter 4
Lesson 4-1 ブッシュできない
Lesson 4-2 ブルしたらファイルが変になった
Lesson 4-3 ブルできないときの対処法
Lesson 4-4 コミットせずにブルしたい
Lesson 4-5 どうしようもなくなったときの対処法
Lesson 4-6 前の変更時点に戻すには?
COLUMNリペースとチェリービック
COLUMN GitHubやgitコマンドで詳しく比較する
Lesson 4-7 コミットの対象から外したい
Lesson 4-8 Gitの対象から外したい
Lesson 4-9 困ったときとその対策のまとめ

Chapter 5
運用とチーム開発
Lesson 5-1 チーム開発におけるGitの基本
COLUMIND ステージング環境
COLUMN Gitにコミットされたときに自動的にサーバーなどに反映させるには
COLUMNコードレビュー
COLUMN チケット駆動開発
COLUMN [Git-flow] と[GitHub Flow] Lesson 5-2 鍵が欲しいと言われたら
COLUMIN「Gitツールが見つからない」と言われたときは
Lesson 5-3チーム開発でのGit操作を体験してみよう
COLUMIND プルリクエストを使う場合

大澤 文孝 (著)
出版社: ソーテック社; B5変形版 (2019/8/23)、出典:出版社HP

本書サポートページについて
本書に掲載されているウェブサイトのURLへは、書籍サポートページのリンク集からアクセスしていただけます。また、万一誤りがあった場合、正誤表も掲載しますので、ご活用ください。
書籍サポートサイト
http://www.sotechsha.co.jp/sp/1246/

登場人物
本書では、ファイル管理ツール「Git」の基本的な使い方について、詳しく解説していきます。要となるのは「チーム開発」そして、「チーム運用の考え方」です。
そこで本書は、以下の5人の開発メンバーに登場してもらい、現場で直面するさまざまな問題・疑問に答える形で、解説を進めていきます。読者の皆さんが、実際にGitを利用して開発する際の参考になればと思います。

□大澤先生
Webシステムの設計・開発に従事する傍ら、企業研修やセミナーでエンジニア向けの講義を行う。Gitのスペシャリストであり、このツールはもはや体の一部。

□デザイナー
システム開発のデザイン担当。Git初心者だが、仕事熱心で勉強家。わからないことは何でも質問します。

□プログラマー
プログラミング担当。Gitはかじった程度。自信のなさが玉に瑕だが、仕事はきちんとするタイプ。

□開発リーダー
現場スタッフを束ねる中間管理職。バージョン管理や運用の効率化に「Gitは必須」と考え、勉強することに。

□開発マネージャー
システム開発の統括責任者。「Gitは進捗管理に便利」と聞き、使い方を学ぶことにした。

大澤 文孝 (著)
出版社: ソーテック社; B5変形版 (2019/8/23)、出典:出版社HP