(CD付き) ヴォイストレーニング大全

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「話す」から「歌う」までを網羅

歌唱から芝居等、幅広いニーズに答えられる一冊となっています。内容は極めてロジカル。で、ページ数276、付属CD二枚の大容量です。一冊でボイストレーニングの全体を掴むことができます。普遍的なトピックを厳選し、「基礎の徹底」に重きをおくことにこだわった解説となっているため、初心者のみならず、一生にわたって活用できる1冊です。

福島 英 (著)
出版社: リットーミュージック (2019/12/12)、出典:出版社HP

はじめに

本書の特徴は次の3点に集約できます。

第1に、掲載しているトレーニング内容は、客観性を重視してさまざまなジャンルのトレーナー が共通してレッスンに取り入れている要素から抽出しました。最大公約数的なものを厳選したので、 初心者に最適なる基礎教材となっています。

第2に、長期的に持続した上達に役立つことを目的としています。そのため、基礎的な説明に関 して単にわかりやすくするだけでなく、その本質的な意味や目的を詳しく丁寧に解説しました。プ ロや指導者にも使えるようにしています。最後に「知識編」も設けました。

第3に、「ことば(話すこと)」と「歌唱 (歌うこと)」を総合的に扱っている点です。従来、せりふ の声と歌の声は別ものとして考えられ、トレーニング方法や指導機関もわかれていました。しかし、 声の基本トレーニングという視点で言えば、本来は相手もジャンルも選ばないものというコンセプ トのもとに本書はまとめています。ただし、本書をお使いになる方がわかりやすいように、「ことば」 と「歌唱」は章を分けて解説しています。その上で、ことばと歌唱をつなぐトレーニングのコラム を加えました。

今や声の仕事もボーダーレスの時代です。現代の声のマルチタレントは、 語りも歌もできるお笑 いタレントです。そうした需要にも対応できる内容を心がけました。
私は、これまでヴォイストレーニングに関して、多くの本を執筆してきましたが、本書は「これ 1冊で十分に役立つ」ということを念頭に編纂しています。ぜひ本書を活用して、より魅力的な声 のためのトレーニングに励んでいただければ幸いです。

2019年12月
福島英
(ブレスヴォイストレーニング研究所所長)

福島 英 (著)
出版社: リットーミュージック (2019/12/12)、出典:出版社HP

目次

はじめに
CDの使い方
PART1 準備編
CHAPTER1 呼吸・発声
S1 ウォーミングアップと柔軟体操
S2 ストレッチと筋肉強化
S3姿勢
S4呼吸
S5 発声
S6共鳴とフェイストレーニング

PART2 ことば編
CHAPTER2 発音
S1 日本語の発音
S2 母音の発音
S3 子音の発音
S4 子音のトレーニング1 カ行ガ行
S5 子音のトレーニング2 サ行・ザ行
S6 子音のトレーニング3 タ行・ダ行
S7 子音のトレーニング4 ナ行・マ行
S8 子音のトレーニング5 ハ行・バ行・パ行
S9 子音のトレーニング6 ヤ行・ラ行・ワ行
S10 拗音・撥音・促音などの発音トレーニング

CHAPTER3 ことば
S1 アクセント~日本語は高低アクセント
S2 イントネーション~ことばの調子、抑揚
S3 プロミネンス~強調
S4 滑舌~早口ことば
S5 間とリズム~ポーズを最大に活かそう
S6 緩急とメリハリ~フレージングとチェンジオブペース
S7 さまざまなことばのトレーニング
S8 会話~日常コミュニケーションと聞くこと
S9 ビジネス~仕事に対応する声とコミュニケーション

CHAPTER4 せりふを読む
S1 ナレーション
S2 ラジオパーソナリティ
S3 司会者/アナウンサー/インタビュアー/レポーター
S4 演劇/ドラマ/アニメ
S5 吹き替え
S6 朗読/語りもの/落語

COLUMN 「ことば」から「歌唱」へつなぐトレーニング1

PART3 歌唱編
CHAPTER5 声量
S1 ハミングとリップロール
S2 ロングトーン
S3 クレッシェンドとデクレッシェンド
S4フレーズキーピング (声の保持)
S5 ヴォカリーズ
S6 レガートとスタッカート
S7 低中音を強くする

CHAPTER6 声域
S1 声域をチェックする
S2低音域
S3 中音域
S4 高音域/ハイトーン
S5 裏声とファルセット
S6 声域内の声の統一

COLUMN 「ことば」から「歌唱へつなぐトレーニング2

CHAPTER7 音程/音感
S1 音階
S2 全音と半音
S3 メジャースケールとマイナースケール
S4 1度と8度の音程
S5 2度/3度/4度の音程
S6 5度/6度/7度の音程
S7 音感を鋭くする

CHAPTER8 リズム
S1 リズムに慣れる
S2 テンポとタイム感
S3 拍子
S4 強拍と弱拍/表拍と裏拍/強起と弱起
S5 ビートとグルーヴ
S6 シンコペーション

CHAPTER9 歌唱技術
S1 音の感覚を磨く
S2 声に気持ちを込める
S3 フレーズ
S4 アーティキュレーションとダイナミクス
S5 ヴィブラート/パッセージ
S6 スキャット/フェイク/アドリブ
S7 コーラス/デュエット
S8 オリジナルフレーズを作る
S9 コンコーネ50番 Op.1を使った練習

PART5 知識編
CHAPTER10 声と体
S1 のどと声帯
S2 呼吸器官
S3 声区
S4 音痴/年齢による変化/性差
S5 声の管理と注意

参考文献
著者プロフィール
CD INDEX

福島 英 (著)
出版社: リットーミュージック (2019/12/12)、出典:出版社HP

CDの使い方

・付属CDは「DISC 1」と「DISC 2」の2枚で構成されています。
・「DISC 1」はCHAPTER 2からCHAPTER 4の「ことば編」で使用します。
・「DISC 2」はCHAPTER 5からCHAPTER 9の「歌唱編」で使用します。

サンプルのセリフ/歌唱について
各トラックには、サンプルとなるセリフあるいは歌唱が入っており、それらは男声もしくは女声のい ずれかで収録しています。同一フレーズを男女で収録しているのではなく、どちらかの声のみです。そ の理由は後述いたしますが、サンプル歌唱とあなたの性別が異なる場合は下記を参照してトレーニング してください。
・サンプル歌唱が男声で、女性が使う場合は、1オクターヴ高い音域にします。
・サンプル歌唱が女声で、男性が使う場合は、1オクターヴ低い音域にします。
・声域は性差によって決まるとは限りません。同性であっても個人差があるため、ご自分の音域に合わせてオクターヴを自ら選択してください。

サンプルの性別について

ヴォイストレーニングのレッスンでは、同性(同じ声質や声域)のトレーナーを見本にするとわかりや すいのは確かです。しかし、異性(異なる声質や声域)のトレーナーが教えることも一般的に行われて います。
同性によるレッスンでは、わかりやすくマネしやすい分、良くない部分や実は自分の個性に合わない ところもマネしてしまい、不要なクセを付けてしまうリスクがあります。

一方、異性のトレーナーによるレッスンでは、声そのものをマネしづらいため、客観的に発声や共鳴 といった人間に共通の原理を学べるメリットがあります。
そのため、本書でもサンプルを任意に男声もしくは女声のいずれかに限定しました。
なお、各トラックの音域は練習フレーズによって異なります。ほとんどは、女性が地声か裏声かのど ちらかで歌える1オクターヴほどを中心としました。もちろん、子供でも使えます。とはいえ、人によっ て低すぎたり高すぎたりするところもあるでしょう。中には、とても広い音域や極端な高音、低音ま で収録しているトレーニングメニューもあります。すべての音域で練習する必要はありません。声が出 ないところはカットするか聞くだけにとどめてください。途中で1オクターヴ上げたり下げたりして 使っても構いません。

CDに対応した楽譜の使い方

「歌唱編」のDISC 2に収録した音源は下記の構成となっています。
イントロ → サンプル歌唱+トレーニング用伴奏
音源によっては、トレーニング用伴奏の部分で、1フレーズだけでなく、同じ音型を繰り返しながら、 音を徐々に低くしたり、高くしていったりするものがあります。トレーニングの際は、伴奏に従って繰 り返していきましょう。楽譜と共に音域も示していますので、参考にしてください。例えば、「CD2 TRACK 01」は最高音が「ミ(ES)」に届くまで、半音ずつ変えていきます。なお、「E5」などは音名 を表します。アルファベット部分に関してはP183をご参照ください。

また数字に関しては「C4」から「B4」までが、ピアノの鍵盤の中央の「ド」から「シ」までを表して います。数字が大きくなれば高くなり、小さくなれば低くなります。つまり「C4~B4」より1オクター ヴ低くなると「C3~B3」、1オクターヴ高くなると「C5~B5」となります。

福島 英 (著)
出版社: リットーミュージック (2019/12/12)、出典:出版社HP