【最新】デジタルマーケティングについて学ぶためのおすすめ本 – 入門から実務まで

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デジタルマーケティングとは?どのように実行していく?

デジタルマーケティングとは、WebやSNS、メールなど、あらゆるデジタルテクノロジーを活用して行うマーケティングのことです。今や多くの人がスマートフォンを持っており、企業と消費者との接点が多様化しています。この流れに乗ることは、企業のマーケティングにとって重要です。そこで今回は、デジタルマーケティングについて入門から実務に至るまで学べる本をご紹介します。

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出典:出版社HP

1からのデジタル・マーケティング

デジタルマーケティング入門書

デジタルマーケティングの基本概念や考え方について理解できます。ハウツーよりも概念の説明がメインのため、全体像を掴みやすいです。いくつかの企業のデジタルマーケティング戦略における事例紹介もしています。独学をしようとしている方や初学者におすすめの入門書です。

西川 英彦 (編集), 澁谷 覚 (編集)
出版社 : 碩学舎 (2019/2/23)、出典:出版社HP

序文

皆さんは、デジタル・マーケティングは何だか難しそう、自分には縁がないものだと思っているかもしれない。だが実際には、「LINEでクーポンを手に入れた」とか、「お気に入りの商品の画像をインスタグラムにアップした」などの経験をしただけで、すでに皆さんはデジタル・マーケティングに関わっているのである。このように、皆さんにとってデジタル・マーケティングは実はとても身近な現象なのである。「本書は、デジタル・マーケティングをはじめて学ぶ方、あるいは1から学び直したい方のためのテキストである。デジタル・マーケティングを学ぶための書籍は、世の中にたくさん存在する。だが、これらの多くは、技術的ノウハウやツールの使い方などを解説する実践書であったり、専門用語が多くて難しかったり、あるいは内容に偏りがあったりと、デジタル・マーケティングの基礎知識となる「理論」や「概念」を体系的にわかりやすく学べる標準的なテキストは見当たらない。このことの背景には、デジタル・マーケティングを取り巻く市場の変化が速いことや、関連する理論や概念の変化が速いこと、そして、そのために標準的なテキストを作成することが難しいこと、などの業界や書き手側の事情もある。
このような事情にもかかわらず、本書はあえてデジタル・マーケティングの標準的なテキストを作成することを目指して執筆と編集を行った。そのため本書では、いくつかの工夫をしている。

まず第1に、従来からの伝統的マーケティングの枠組みを使って、伝統的マーケティングを説明しつつ、デジタル・マーケティングの理論や概念を解説していることである。そのことで、デジタル・マーケティングの理論や概念を体系的に理解しやすくなるというだけでなく、伝統的マーケティングとの違いが理解できる。具体的には、伝統的マーケティングのSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)や、4P(製品、価格、チャネル、プロモーション)が枠組みとして利用され、その変化が説明される。このような方法を用いた理由は、今日のデジタル社会においても伝統的マーケティングとデジタルマーケティングは両方とも必要だからであり、そして、そのために両方を体系的に関連付けて理解することがきわめて重要だからでもある。

第2に、理論や概念の変化が激しい中でも、変わらずに重要であり続けている、デジタル・マーケティングの基礎として学ぶべき理論や概念を説明していることである。そのために、多くのデジタル・マーケティング関連のテキストや研究を参考にしつつ、マーケティングの各分野の優秀な研究者を執筆陣に招き、何回もの議論を重ねて、基礎となる理論や概念を選別した。とりわけ、『コトラーのマーケティング4.0:スマートフォン時代の究極法則』は、本書の全体を通して参考とした。ぜひ、本書の次に読んでもらいたい。

第3に、アマゾンや食ベログ、メルカリ、無印良品など身近な企業のケースを通して、デジタル・マーケティングの概念や理論を説明していることである。執筆陣と重ねた議論の中で、それぞれの概念や理論を理解する上で代表となる事例を選別し、メインケースとして詳しく取り上げ関連づけることで、皆さんの理解を手助けしている。

第4に、理論や概念をできるだけわかりやすい言葉で、そして事例を使いながら具体的に説明していることである。専門用語を使う際にも、はじめて学ぶ方が理解できるように、その意味の説明を行うようにしている。

第5に、シンプルな3部構成にして、理解をしやすくしていることである。まず「第Ⅰ部デジタル・マーケティングとは」において、デジタル社会の特徴や、顧客側の消費者行動の変化、企業側のビジネスモデルの変化などのデジタル・マーケティングの全体像を理解した上で、次の「第Ⅱ部デジタル・マーケティング戦略」において、4Pの各戦略の基本と拡張を学び、最後の「第Ⅲ部デジタル・マーケティングのマネジメント」において、デジタル・マーケティングを実践するためのツールやインフラを理解できるようにしている。

このように本書を通して、デジタル・マーケティングが皆さんにとってとても身近な現象であることが理解できるだろう。言い換えれば、それだけ身近な現象であるデジタル・マーケティングを学ぶことは、皆さんにとって不可欠であるともいえるのだ。デジタル・マーケティングの基礎知識を身につけ、身近な現象と結びつけつつ深く理解することを通じて、ますます進展するデジタル社会で皆さんが活躍されることを期待している。

2019年1月
編著者 西川英彦・澁谷覚

西川 英彦 (編集), 澁谷 覚 (編集)
出版社 : 碩学舎 (2019/2/23)、出典:出版社HP

CONTENTS

序文

第Ⅰ部デジタル・マーケティングとは

第1章デジタル社会のマーケティング—アマゾン
1 はじめに
2 アマゾン
創業
サイト開始
エブリシングストア
マーケットプレイス
プライム会員
さらなる拡大
3 リーチとリッチネス
リアル社会:情報とモノの一体
デジタル社会:情報とモノの分離
4 デジタル・マーケティング
デジタル・マーケティングとは
デジタル・マーケティング戦略
デジタル・マーケティングのマネジメント
5 おわりに
Column1-1 インターネットと情報端末
Column1-2 アーキテクチャの生態系
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第2章 デジタル社会の消費者行動—食ベログ
1 はじめに
2 食べログ
食べログの概要
外食市場における標準的なカスタマー・ジャーニ
消費者行動の変化と対応
3 カスタマー・ジャーニー
カスタマー・ジャーニーとタッチポイント
消費者購買意思決定モデルとカスタマー・ジャーニー
4 デジタル・リテラシー
デジタル・リテラシーとは
食べログとデジタル・リテラシー
デジタル社会とデジタル・リテラシー
5 おわりに
Column2-1 ソーシャルグラフとインタレストグラフ
Column2-2 90-9-1の原則
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第3章 デジタル社会のビジネスモデル—メルカリ
1 はじめに
2 メルカリ
メルカリとは
メルカリの仕組み
メルカリの成長
3 プラットフォーム
プラットフォームとは
プラットフォームの特徴
4 ネットワーク効果
サイド内ネットワーク効果とサイド間ネットワーク効果
ネットワーク効果が企業の成功にもたらす影響
5 おわりに
Column3-1 先発優位・後発優位
Column3-2 スイッチングコスト、マルチホーミングコスト
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第4章 デジタル・マーケティングの基本概念—無印良品
1 はじめに
2 無印良品
主婦の一言
顧客との共創
ネットとリアルの補完
3 協働
一方向から協働へ
STPから顧客コミュニティによる承認へ
4 マーケティング・ミックス
4Cの重要性
デジタル社会のマーケティング
デジタル社会のマーケティング・ファネル
5 おわりに
Column4-1 パーミッション・マーケティング
Column4-2 絶対価値
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第Ⅱ部 デジタル・マーケティング戦略

第5章 製品戦略の基本—アップル
1 はじめに
2 アップル
アップルミュージック
音楽配信事業の市場環境
HomePodの市場導入
3 デジタル財
デジタル財とは
カスタマイゼーション
4 IoT
IoTとは
IoTがもたらす機会
5 おわりに
Column5-1 標準化戦略
Column5-2 n次創作
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第6章 製品戦略の拡張—レゴ
1 はじめに
2 レゴ
レゴの沿革
マインドストーム事件
次世代マインドストームの開発
レゴアイデア
3 クラウドソーシング
クラウドソーシングとは
問題解決と予測
クラウドソーシングの有効性
クラウドソーシングの参加者
4 イノベーション・コミュニティ
消費者主導のコミュニティ
オープンソースソフトウェア
イノベーション・コミュニティの有効性
イノベーション・コミュニティの参加者
イノベーション・コミュニティと企業の関係
5 おわりに
Column6-1 オープン・イノベーション
Column6-2 メイカー・ムーブメント
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第7章 価格戦略の基本—ANA
1 はじめに
2 ANA
ANAの設立と成長
ANAの価格戦略の経緯
ANAのマイレージ・プログラム
3 時期に対応したダイナミック・プライシング
ダイナミック・プライシングとは
需要予測の重要性とレベニュー・マネジメント
時期に対応したダイナミック・プライシングにおける注意点
4 顧客に対応したダイナミック・プライシング
ダイナミック・プライシングの拡大
顧客の収益性に応じたダイナミック・プライシング
顧客に対応したダイナミック・プライシングの課題
5 おわりに
Column7-1 フリーミアム
Column7-2 サブスクリプション
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第8章 価格戦略の拡張—エアビーアンドビー
1 はじめに
2 エアビーアンドビー
エアビーアンドビーの成り立ち
エアビーアンドビーのビジネスモデル
エアビーアンドビーの料金システムと決済方法
3 消費者間取引のダイナミック・プライシング
消費者間取引における価格の役割
消費者間取引における参加型価格決定メカニズム
消費者間取引のダイナミック・プライシングとは
4 電子決済
電子決済とは
電子決済システムの買い手側のメリット
電子決済システムの売り手側のメリット
電子決済システムと消費者間取引
5 おわりに
Column8-1 クラウドファンディング
Column8-2 電子通貨と仮想通貨
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第9章 チャネル戦略の基本—ユニクロ
1 はじめに
2 ユニクロ
ユニクロの概要
ユニクロのビジネスモデル
デジタル社会におけるユニクロの対応
3 ダイレクトモデル(直販)
間接流通と直接流通
流通における中間業者介在の意義
ユニクロのダイレクトモデル
ビジネスモデル変化の背景
4 オムニチャネル
チャネルの変遷
チャネル変化とカスタマージャーニーの変化
ユニクロのオムニチャネル化
オムニチャネル化の背景と課題
5 おわりに
Column9-1 ショールーミングとウェブルーミング
Column9-2 消費シーンに近づくチャネル機能
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第10章 チャネル戦略の拡張—ウーバー
1 はじめに
2 ウーバー
ウーバーの概要
ウーバーの成長と対立
ウーバーを支える技術と仕組み
3 消費者間取引
消費者間取引の仕組み
消費者間取引を支えるポイント
4 シェアリング・エコノミー
シェアリング・エコノミーの特徴
シェアリング・サービスに向いている製品やサービス
5 おわりに
Column10-1 3D技術
Column10-2 レンタルとシェア
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第11章 プロモーション戦略の基本—ローソンクルー♪あきこちゃん
1 はじめに
2 ローソンクルー♪あきこちゃん
SNSアカウントの開設と「あきこちゃん」
「あきこちゃん」機能の発展
「あきこちゃん」の効果
「ローソン研究所」での活躍
3 トリプル・メディア
ペイド・メディア
オウンド・メディア
アーンド・メディア
4 コンテンツマーケティング
コンテンツ・マーケティングとは
コンテンツ・マーケティングが重視される背景
コンテンツ・マーケティングの実行
5 おわりに
Column11-1 企業アバター
Column11-2 YouTuber
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第12章 プロモーション戦略の拡張—トリップアドバイザー
1 はじめに
2 トリップアドバイザー
トリップアドバイザーとは
情報の透明化
消費者と施設に与えた影響
3 クチコミ
消費者のクチコミ動機
広告とクチコミ
4 共同格付け
消費者が共同格付けを参考にする理由
バンドワゴン効果とスノッブ効果
共同格付け情報のメディア性
5 おわりに
Column12-1 インフルエンサー
Column12-2 炎上
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第Ⅲ部 デジタルマーケティングのマネジメント

第13章 デジタル社会のリサーチ—グーグル
1 はじめに
2 グーグル
創業の原点
競合他社との違い
さらなる成長
3 探索的リサーチ
ビッグデータの収集と分析
ソーシャル・リスニング
4 検証的リサーチ
マーケティング活動の効果測定
A/Bテスト
5 おわりに
Column13-1 ネトノグラフィー
Column13-2 エムロック
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第14章 デジタル社会のロジスティクス—ヤマト運輸
1 はじめに
2 ヤマト運輸
宅配便の誕生
宅配便の高付加価値化
物流情報システムの整備
3 ロジスティクス
物流ネットワーク
物流改革の動き
4 再配達
オンライン小売業との法人契約
ドライバーの配達業務量
配達先とのすれ違い解消
5 おわりに
Column14-1 ドローン
Column14-2 倉庫・RFIDタグ
考えてみよう/次に読んで欲しい本

第15章 デジタル社会の情報システム—セールスフォースドットコム
1 はじめに
2 セールスフォースドットコム
企業向けクラウドのパイオニア
高い成長性と効率性の両立
顧客情報のセキュリティが肝心
スクラム開発への転換と顧客への展開
3 クラウド
クラウドの全体像
クラウドの特徴
4 アジャイル開発
ウォーターフォール開発
アジャイル開発の背景
アジャイル開発の特徴
5 おわりに
Column15-1 プライバシー
Column15-2 AI(人工知能)
考えてみよう/次に読んで欲しい本

[参考文献] [索引]
西川 英彦 (編集), 澁谷 覚 (編集)
出版社 : 碩学舎 (2019/2/23)、出典:出版社HP

はじめてでもよくわかる! デジタルマーケティング集中講義

デジタルとマーケティングの「いま」と「これから」がわかる

デジタルマーケティングの動向を浅く広く扱っている入門書です。初学者でも全体像を掴みやすくするため、トピックごとに章に分け講義形式で解説されています。確認問題もあるので理解度をチェックしながら進めることができます。

カティサーク 押切 孝雄 (著)
出版社 : マイナビ出版 (2017/4/14)、出典:出版社HP

はじめに

映画『her』(スパイク・ジョーンズ監督)は、感情を持つ人工知能(AI)がテーマでした。2014年に日本で封切られた時に、この映画を観た大部分の人は、AIに好意を抱くなんて映画の中だけの世界で、非現実的だと思ったことでしょう(私もその1人でした)。
それが、たった3年後の2017年以降に再度この映画を見てみると、これは近い将来に実現するのではないかと思えてくるから不思議です。
本書で紹介するAmazon EchoやGoogle Homeといった、パソコンでもスマートフォンでもない、音声で日常的に人工知能とやりとりするIoT機器が、米国などの国や地域によっては徐々に自宅に入り込んできている時代だからです(詳しくは第12講で紹介します)。
そして、AIが機械学習をして、テクノロジーが指数関数的に成長しているため、たった3年で、人々の生活を大きく変えています。
本書は、『her』の日本公開と同じ年、2014年に刊行された拙著『はじめてでもよくわかる!Webマーケティング集中講義』(マイナビ出版)の続編にあたります。
この3年は、実に大きな3年でした。インターネット革命の第3次産業革命が成熟し、同時にIoTに代表される第4次産業革命が幕を開けた時期です。
第4次産業革命時代のマーケティングの書籍を執筆するにあたり、Webマーケティングの枠組みよりも大きな「デジタルマーケティング」という枠組みで取り組むことにしました。
Webマーケティングとは、主にパソコンやスマートフォンを介してのマーケティングです。それに対して、デジタルマーケティングでは、パソコンやスマートフォンだけでなくIoT機器も含めたより幅の広いマーケティング活動が含まれます。
前著ではGoogleトレンドやキーワードプランナーなどGoogleのツールの出番が多かったのですが、今回はAmazonのサービスが多数出てくることに読み進めていくうちに気づくと思います。Amazon Goや、Amazon NowにAmazon Dashなど、リアルとネットをつなぐサービスをAmazonが矢継ぎ早に提供しはじめたからです。

私は大学講師としてのアカデミックな側面と、Webの制作やコンサルティングを中心としたデジタルマーケティングの会社を経営する者として、企業の論理も知る立場にいます。
そこで本書では、前作と同様に、理論と実際の企業のデジタルマーケティングの事例を織り交ぜながら全12回にわたって講義をすすめています。
EC市場やWeb広告といった基本から、マーケティングオートメーション、シェアリングエコノミー、3Dプリンティング、4Dプリンティングまで、デジタルグの幅広いトピックを扱っています。
さらには第5次産業革命のシンギュラリティまでを見据えた内容を提供しています。

前著(はじめてでもよくわかる!Webマーケティング集中講義』)と内容の重複をなるべく避けるため、前著の情報は、適宜、欄外に前著の第何講に書かれていると明記しています。本書だけでも学習するには問題ありませんが、興味がある方はぜひ前著も読んでみてください。

本書は、実際に大学の講義での教科書としても採用されています。
はじめてデジタルマーケティングを学ぶ人向けに構成されていますので、大学生~大学院生~社会人のデジタルマーケティングに関心のある人までを想定しています。
本書を手に取ったあなたのことです。

読みすすめていくうちに、何か一つでも発見がありましたら幸いです。

2017年4月
株式会社カティサーク代表取締役 押切孝雄
www.cuttysark.co.jp

カティサーク 押切 孝雄 (著)
出版社 : マイナビ出版 (2017/4/14)、出典:出版社HP

もくじ

第1講 デジタルマーケティングと第4次産業革命
1・1 デジタルマーケティングとは何か?
1・2 モノのインターネット(IoT)とは?
1・3 IoTですべてのモノがネットにつながる
1・4 デジタルで売れる仕組みを構築
1・5ドローンによる第4次産業革命
1・6第1次から第5次産業革命まで
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第2講 ネットとリアルの融合、テクノロジー自動化
2・1 Amazonの3つのテクノロジー自動化
2・2 ネットとリアルの融合:Amazon Dash
2・3 Amazon Goとリアル店舗の変化
2・4 ロボットが稼働する倉庫
2・5 金融分野のテクノロジー自動化Fintech
2・6 見込み客の育成にマーケティングオートメーション(MA)
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第3講 顧客心理モデルとデジタルマーケティング
3・1 マーケティング4.0とは何か?
3・2 「人間の4つの根本的欲求モデル」とは?
3・3 Googleローカルガイドと4つのニーズ
3・4 「AISARE」とエヴァンジェリストの創造
3・5 Webサービスを「AISARE」で読み解く
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第4講 限界費用ゼロのデジタルマーケティングとUI・UX
4・1 限界費用とは
4・2 Airbnbの破壊的なビジネスモデル:限界費用ゼロ
4・3 ユーザー体験(UX)とは?
4・4 ユーザー体験(UX)を上げる重要な要素:自動化
4・5 スマートフォンのUI/UX
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第5講 ローカルビジネスSEOとエンゲージメント
5・1 ローカルビジネスに適用しやすくなったデジタルマーケティング
5・2 ローカルビジネス戦略とAISARE
5・3 ローカルビジネスのSEOとは
5・4 Googleマイビジネス
5・5 競合がいる場合のローカルビジネスSEO
5・6 LINE@で顧客との絆を築く
5・7 LINE@の特徴とエンゲージメント
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第6講 EC市場の進展、リアルの展開とシェアリングエコノミー
6・1 EC市場とリアル市場の大きさ・Webの伸び
6・2 納品までの時間を短縮:Amazon Prime Now
6・3 リアル店舗でのアプリ活用:IKEA Store アプリ
6・4 シェアリングエコノミー
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第7講 SEOの歴史とコンテンツマーケティング、Webメディアと倫理
7・1 コンテンツマーケティングについて
7・2 SEOの要点
7・3 SEOの歴史
7・4 コンテンツSEOの要諦
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第8講 SNSと動画のマーケティング
8・1 SNSのデジタルマーケティング
8・2 Facebookと「つながり」について
8・3 TwitterとSNS分析
8・4 フリーミアムとしてのYouTube
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第9講 Web広告とアドテクノロジーの進展
9・1 インターネット広告の進化
9・2 Facebook広告
9・3 Twitter広告の進化
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第10講 動画とWebサイトの分析ツール
10・1 YouTubeアナリティクス
10・2 Googleアナリティクス
考えてみよう!
ちょっと深堀り
復習クイズ

第11講 オウンドメディアを強化する10のツール+1
11・1 自社メディアとキーワードの重要性
11・2 自社を知るツール
11・3 コンテンツを作るツール
ちょっと深堀り
考えてみよう!
復習クイズ

第12講 ポストスマートフォン時代からシンギュラリティ、第5次産業革命へ
12・1 第4次産業革命ポストスマートフォン時代
12・2 第5次産業革命のシンギュラリティへ
ちょっと深堀り
考えてみよう!
復習クイズ

あとがき
INDEX
参考文献

 

カティサーク 押切 孝雄 (著)
出版社 : マイナビ出版 (2017/4/14)、出典:出版社HP

マンガでわかる デジタルマーケティング

マンガでデジマがよくわかる

知識経験ゼロから始めるデジタルマーケティング入門書です。デジタルマーケットの基本概念や考え方、インターネットの特長を活かした実践ノウハウまで紹介されているため、明日から使える知識が身につきます。初心者の方におすすめの1冊です。

西井 敏恭 (著), 桓田 楠末 (イラスト), サイドランチ (イラスト)
出版社 : 池田書店 (2020/9/28)、出典:出版社HP

はじめに

こんにちは、デジタルマーケターの西井敏恭です。本書を手に取ってくれたということは、あなたはマーケティングに関する仕事に携わっている方だと思います。デジタルマーケティングと聞くと、どんなイメージが思い浮かびますか?SEO、アクセス解析、広告配信、SNS運用……。ITやWebの知識が必要で、細かいデータを読み解く必要がある専門的な内容、そんな印象を持っている人は多いと思います。いずれもデジタルマーケティングにおける重要なテーマですが、これらはあくまで手段です。マーケティングの目的は「売れ続ける仕組み」をつくり、継続的に売上をアップさせること。それをデジタルで行うのがデジタルマーケティングなのです。売上のアップは企業が一体となって取り組む目標です。つまり、デジタルマーケティングは職種・企業を問わず、あらゆるビジネスパーソンにとって重要なテーマなのです。

ただ、初心者の方がこれからデジタルマーケティングを学ぼうと思っても、「何から始めればいいのかわからない……」と感じるでしょう。そこで本書では、知識や経験がゼロの方に向けて、デジタルマーケティングの基本的な考え方を丁寧に説明していきます。企業でも個人商店でも役立つ「売れ続ける仕組みづくり」のために、顧客データの扱い方や広告配信、SNS運用といった施策について、わかりやすく解説します。

私がマーケティングの世界に飛び込んだ頃は、デジタルのツールやノウハウがほとんどありませんでした。そんな時代に手探りでマーケティングを習得しながら、デジタルマーケティングを使った売上の伸ばし方を体感してきました。今ではオイシックス・ラ・大地株式会社でマーケティング部門の執行役員や、株式会社シンクロでいろいろな会社のマーケティング支援をしています。本書ではそんな私の経験もたくさん交えていますので、ぜひ参考にしてください!

西井敏恭

西井 敏恭 (著), 桓田 楠末 (イラスト), サイドランチ (イラスト)
出版社 : 池田書店 (2020/9/28)、出典:出版社HP

目次 マンガでわかるデジタルマーケティング

マンガ プロローグ:初心者マーケターの救世主・西井敏恭
はじめに

第1章 デジタルマーケティングって何?
マンガ マーケティングの目的は「買いたくなる気持ち」をつくること!
1-1 「マーケティング」とは「売れ続ける仕組み」づくり
1-2 デジタルマーケティングは自社の分析から
1-3 顧客の心理を理解して施策を考えるヒントに
マンガ デジタルだからできることって何だろう?
1-4 インターネットの3つの特性「検索性」「双方向性」「即時性」
1-5 デジタルを使って「顧客の時間軸」を把握する

第2章 売上アップの秘訣は継続顧客を増やすこと
マンガ 「新規顧客を増やして売上アップ」の落とし穴?
2-1 売上アップの第一歩は継続率を高めること
2-2 顧客構造と売上の関係を理解しよう
2-3 「階段図」を作れば問題点を分析できる
マンガ 「2回目を買ってもらう」壁の越え方【F2転換】
2-4 F2の壁の越え方を考えよう
2-5 F2転換は「商品」「タイミング」「コミュニケーション」が重要
2-6 商品を通して得られる体験がF2転換の入口になる
2-7 顧客とのコミュニケーションにおける「3つのタイミング」
2-8 コミュニケーションは「最初の購入から30日以内」に

第3章 広告は顧客とのコミュニケーションの入口
マンガ 新規獲得のためにはどんな種類の広告を出すべき?
3-1 広告は顧客体験の入口である
3-2 広告設計の手がかりは顧客の思考と行動にある
3-3 ニーズが顕在化した顧客をつかむ広告を優先しよう
3-4 顧客の具体的な姿が描ければ広告効果はさらに高まる
3-5 SNSはWebサイトがなくても使える便利な広告ツール
3-6 デジタルマーケティングで「検索対策」は必須
マンガ 広告のコスト設計の指積:CPAって?
3-7 デジタルマーケティングで変わる広告費の計算方法
3-8 購入のハードルは低く体験のハードルは高く

第4章 サイトの改善ポイントは「林」で見つけよう
マンガ サイト改善はゴールを見定めて
4-1 現状分析からWebサイトの改善ポイントを見つけ出す
4-2 Webサイトの改善は顧客目線で体験を設計
4-3 サイト改善のカギは「林」=「流入元ごとの数値」

第5章 真のマーケターになるために必要なスキル
マンガ マーケターが身につけるべき50のスキル
5-1 特徴は「環境変化の速さ」「仮説思考力」「チームプレー」
5-2 マーケターとしてどんなキャリアを歩むのか
5-3 実践を繰り返して「仮説思考力」をレベルアップ
5-4 これからのマーケターに求められるもの
マンガ エピローグ:デジタルマーケティングって楽しい!

 

西井 敏恭 (著), 桓田 楠末 (イラスト), サイドランチ (イラスト)
出版社 : 池田書店 (2020/9/28)、出典:出版社HP

(無料電子版付) いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本 人気講師が教えるメディアと販促の新しい基礎 (「いちばんやさしい教本」)

実務と理論をやさしく解説

デジタルマーケティングをどこから学べばいいかわからない、また概念だけでなく実戦に取り組みたという方におすすめの入門書です。入り口が見えにくいデジタルマーケティングを実務と教養の両面から解説しており、デジタル施策に自信がつきます。

著者プロフィール

田村修(たむらおさむ)
株式会社アイレップ パートナー営業本部 副本部長

1985年に大学を卒業後、株式会社第一広告社(現I&S BBDO)に入社。11年の営業を経て、1996年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下DAC)設立時のスタートアップメンバーとして出向。インターネット広告黎明期より広告メニューの開発・営業・メディアプランニングに携わる。I&SBBDOに帰任後はネットメディアと制作の2部門を統合したインタラクティブ部を統括。その後DACに戻り戦略統括部門を経て、2007年にアイレップ子会社の株式会社レリバンシー・プラスの設立に参画。株式会社アイレップではメディアマネジメントグループを率いて純広告を主としたプロモーションプランニングを推進、現在はアイレップにおいて広告会社向けのサービスを牽引する。一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の新人研修実施プロジェクトリーダーとしての顔も持ち、専門教本「インターネット広告の基本実務」の改訂と研修講師を務める。大学でのゲスト講師招聘実績多数。2017年より専修大学講師を兼任。業界の若手育成にも貢献する業界のベテラン。

・購入者限定特典電子版の無料ダウンロード本書の全文の電子版(PDFファイル)を以下のURLから無料でダウンロードいただけます。
ダウンロードURL:
https://book.impress.co.jp/books/1117101027
※画面の指示に従って操作してください。※ダウンロードには、無料の読者会員システム「CLUBImpress」への登録が必要となります。
※本特典の利用は、書籍をご購入いただいた方に限ります。

本書は、2017年8月現在での情報を掲載しています。
本文内の製品名およびサービス名は、一般に各開発メーカーおよびサービス提供元の登録商標または商標です。
なお、本文中にはTMおよび®️マークは明記していません。

はじめに

現在、「消費者のスマートフォンシフトが加速している」「デジタルでビジネスのイノベーションを」などと、デジタルをキーワードにしたビジネス戦略の重要性が叫ばれており、企業の各部門でもデジタルへの取り組みが進んでいます。本書を手に取られた方のなかにも、「営業部門でWebサイトを作ることになった」「マーケティング部門でネット広告を担当しなければならない」「人事部で新卒採用のサイトを立ち上げることに決まった」など、部門を問わずデジタルマーケティングに関わることになった人がおられるのではないでしょうか。

現在、デジタルマーケティング関連の情報は強く求められています。書籍が多く出版され、インターネットでも多くの事例が紹介されています。しかしそれらの多くは、解析ツールの使い方だったり、サイト構築のノウハウだったり、あるいは「○○マーケティング」という新しい概念の紹介だったりして、初めて自分ひとりで取り組むには難しく、高度すぎると感じられるかもしれません。
本書は「とりあえず読む一冊目」として、デジタルマーケティングの全体像を大まかにつかんでいただくことを目的としています。
今の企業が直面する主要な課題を洗い出し、「トリプルメディア」という考え方に沿ってその課題を解決していく方法を示しながら、デジタルマーケティングをいかに使うべきかが理解できるように設計しました。本書の流れに沿って、自社や自分の仕事の現状課題を洗い出し、解決方法を考えていけば、どんなゴールを目指すのか、まずは何から取り組めばいいのか、またさらに高度な取り組みに手を付けるなら何か、が次第に明確になってくるでしょう。

また本書は、社会人だけではなく学生にとってもきっと役立つことでしょう。デジタルがビジネスインフラになった今日では、どの業界であろうとデジタルマーケティングに関する基礎知識が求められるからです。

2017年8月
田村修

Contents目次

著者プロフィール
はじめに
用語集

Chapter1 デジタルとマーケティングの関係を改めて整理しよう
Lesson
01 デジタル化がマーケティングに与える影響を理解しよう
02 すでにさまざまなところでデータを使ったマーケティングが行われている
03 デジタルが変えた生活環境を理解しよう
04 デジタル時代でも、マーケティングの目的は「売上と利益」を作ること
05 売上を上げるために、「消費者が買わない理由」を考えよう
06 「消費者が買わない理由」をどうやってなくしていくのかを考えてみよう
07 トリプルメディアの分類で課題に向き合おう
08 トリプルメディアの特性を理解して解決方法を選んでいこう

Chapter2 オウンドメディアを正しく運営しよう
Lesson
09 企業にとってのオウンドメディアの役割と運営目的を再確認しよう
10 自社のオウンドメディアを再点検しよう
11 自社サイトの対象読者を想定し目的に最適化した発信を行おう
12 消費者はどういうときにWebサイトを見に行くかを知っておこう
13 Web担当者として知っておきたいサイト企画のワークフロー
14 オウンドメディアの運営体制とプロジェクトマネジメントの重要性
15 Webサイト制作で必要になる基本技術を知っておこう
16 Webページに使われる言語の基本も見てみよう
17 アクセスアップのためにWebサイトの訪問経路を意識しよう
18 SEOの考え方を正しく理解しよう
19 アクセスデータの分析からサイト運用の改善ポイントを探ろう
20 オウンドメディア運営において気をつけるべき法律

Chapter3 ペイドメディアの広告効果を最大化しよう
Lesson
21 まずはペイドメディアの役割を理解しよう
22 広告企画を考える前に施策の意図と条件を整理しよう
23 願客のステータス別にアプローチ方法を考えよう
24 ペルソナを使って顧客のインサイトを深め共通認識を持とう
25 広告メッセージを受け取ってもらえる表現を考えよう
26 インターネット広告の種類と特徴を理解しよう
27 インターネット広告を出稿する流れを知っておこう
28 メディアプランを作成してみよう
29 インターネット広告ならではの広告配信の手法を見てみよう
30 広告の効果は目標に応じて判断しよう
31 広告レポートでは、まず3つの指標に注目しよう
32 リアルとネットの得意不得意を考えてプランの相互補完も考えよう
COLUMN ブランドの価値とは何か?

Chapter4 アーンドメディアで評判力を高めよう
Lesson
33 評判が消費者の購買行動に与える影響を考えてみよう
34 企業がアーンドメディアに向かい合う基本三原則を理解しよう
35 ソーシャルメディアに正しい情報が流れる仕組みを作ろう
36 オウンドメディアの一部としてSNSプラットフォームを活用しよう
37 「ソーシャルリスニング」で反響や顧客のニーズを探ろう
38 ソーシャルメディアをペイドメディアとしても活用しよう
39 ソーシャルメディアに取り組むときはポリシーを決めておこう

Chapter5 購入に至るまでの消費行動について学ぼう
Lesson
40 「より良い消費をしたい」と思う消費者の行動について深く知ろう
41 「自分ごと」として感じられるものが記憶に残るプロセスを理解しよう
42 消費者が購入の判断をするプロセスを分析しよう
43 検討や選択のときにはさらに多くの影響を受けている
44 ランディングページを行動心理の観点から分析してみよう
COLUMN 自分で気づいているニーズと気づいていないニーズ

Chapter6 トータルなデジタルプランニングに向けて
Lesson
45 目的を見極めて施策をプランニングしよう
46 新しい顧客を獲得していくには
47 今の顧客を活性化させるには
48 マーケット全体に対してアプローチするには
49 全体を俯瞰しながらプロモーション施策を検討するスキルを身に付けよう
50 課題を知るためのヒアリングや調査の手法を知っておこう
51 カスタマージャーニーマップの読み方を確認しよう
52 データの連携でマーケティングの可能性を広げよう
53 新しいマーケティング概念に惑わされないようにしよう
54 いつでも顧客中心に考えよう

デジタルマーケティングの教科書

ビジネスパーソン必読の教科書

「デジタルマーケティングとは何か」。その本質やフレームワーク、そして活用法まで理解することができます。従来型のマーケティングのそれぞれの領域をどう進化させていくか、というアプローチで進んでいくのでデジタルマーケティングの全体像がよくわかる1冊です。

牧田 幸裕 (著)
出版社 : 東洋経済新報社 (2017/9/15)、出典:出版社HP

はじめに

インド発祥のジャイナ教の伝承に「暗闇の中の男たち、象を評す」の寓話がある。6人の暗闇の中の男たちが、象に触れ、王に「それが何だと思うか?」と問われる。足を触った男は、「柱のようです」と答えた。尾を触った男は、「綱のようです」と答えた。鼻を触った男は、「木の枝のようです」と答えた。耳を触った男は、「扇のようです」と答えた。腹を触った男は「壁のようです」と答えた。牙を触った男は、「パイプのようです」と答えた。それを聞いた王はこう答えた。「お前たちは全員正しい。しかし、お前たちの話は、それぞれ食い違っている。それは、お前たちが象の違う部分を触っているからだ。象は、お前たちの言う特徴を、すべて備えている」と。

現在のデジタルマーケティングは、まさに「暗闇の中の男たち、象を評す」の状態である。
誰かに「デジタルマーケティングとは何か?」と問うてみるとしよう。ある人は、「電子メディアを通して製品やブランドのプロモーションを行うことだ」という。またある人は、「お客様の行動をデータとして蓄積・活用することでマーケティング業務をさらに高度化させることだ」という。ある記事には、「顧客とつながりを持つためにデジタルチャネルを利用するマーケティング戦略のことを指す」と書いてある。どの説明も間違ってはいない。しかし、これらの説明は、それぞれ食い違っている。それは、彼らがデジタルマーケティングの違う部分を見ているからだ。デジタルマーケティングは、彼らの言う特徴をすべて備えている。

でも、これらの説明では、まだ「象」が見えない。デジタルマーケティングの全体像が見えない。だから、デジタルマーケティングが何なのか、ピンとこない。腑に落ちない。様々な企業で今、「わが社もデジタルマーケティングに取り組んでみよう!」という動きが盛んになっている。しかし、マーケティング担当者の多くは、そこで迷う。「デジタルマーケティングに取り組むべきだということはわかったが、具体的に何をすればよいのか?何から手をつけたらいいのか?そもそもデジタルマーケティングって何なんだ?」と。|デジタルマーケティングは、大きく2つに分解できる。「データドリブン」と「オムニチャネル」である。「データドリブン」とは、消費者理解と消費者へのアプローチを、「勘」や「経験」ではなく、データに基づいて行うということだ。「オムニチャネル」とは、消費者と企業の接点であるECチャネルとリアル店舗をシームレスに統合し、消費者へ購買の場を提供し、一方で、消費者購買行動データ取得の場とすることである。

そして、企業が消費者との関係性を深め、最終的に消費者のエージェント(代理人)になることを目標とする。消費者が何かを購入する場合、「あの人(企業)に頼もう!」とすぐに想起できる存在になり、消費者との絆を深めることがゴールである。
本書の目的は、このデジタルマーケティングの全体像をお見せすることだ。デジタルマーケティングは、サプライチェーンやロジスティクスといった他のビジネスターム(ビジネス専門用語)と比較すると、最近登場した新しいビジネスタームである。だから、未だ定義もバラバラで、「人によって、内容の捉え方も異なる。そんな状態で、「デジタルマーケティングを学びましょう」といっても、どこから手をつけていけばよいのかわからないだろう。本書を手に取っていただきたいのは、以下のような方々だ。

1.デジタルマーケティングを推進することになったが、そもそも何をすればよいのかよくわからないマーケティング担当者
2.デジタルマーケティングと今までのマーケティングの違いがわからず、何をすべきか指示できないマーケティング担当役員、担当部長
3.雑誌などでデジタルマーケティングの記事を見ることが多くなり、興味を持っているが、そもそもデジタルマーケティングとは何なのかよくわかっていないマーケティングに興味のあるビジネスパーソン、大学
4.デジタルマーケティングを現場で実践しているが、デジタルマーケティングの全体像を説明しようとすると言葉に詰まる広告代理店のデジタルマーケティング担当者、データマイニング企業のデジタルマーケティング担当者

では、どうやってデジタルマーケティングの全体像をお見せするのか。本書では、我々が国内外のMBAで学んできたマーケティングを活用し、デジタルマーケティングの全体像をお見せする。
MBAの多くではフィリップ・コトラーの「マーケティング・マネジメント」をベースにした講義が行われている。本書では、これを「従来マーケティング」と定義する。本文で詳細に説明するが、デジタルマーケティングと従来型マーケティングは別々のものではない。相反するものでもない。デジタルマーケティングは従来型マーケティングを進化させたもの、言い換えれば、包含して上書きしたものである。だから、すでに全体像が見えている従来型マーケティングを活用し、デジタルマーケティングは、従来型マーケティングをどう進化させているのかというアプローチで、デジタルマーケティングの全体像をお見せする。これが、本書の目的だ。
この目的を達成するために、本書は以下のような構成で検討を進めていく。

序章では、デジタルマーケティングが実現する近未来をご紹介する。現在進行形で進むテクノロジーの進化、それに伴いデジタルマーケティングで何を消費者に提供できるようになってきているのかという現在の状況を検討する。そのうえで、現在のテクノロジーではまだ実現できないが、複数のテクノロジーを組み合わせたり、現在のテクノロジーが進化したりすることで、実現できるようになるデジタルマーケティングの提供価値を予測する。そして、消費者にどのような購買体験を提供でき、その結果、消費者がどのような購買行動をとるのかということを大胆に予測する。

第1章では、「デジタルマーケティングとは何か」、本書における定義を詳述する。2017年現在、デジタルマーケティングの定義は、企業により、人により、異なっている。まさに「暗闇の中の男たち、象を評す」の状態だ。この収拾のつかない状態を類型化し、そのうえで、バラバラにしたり、組み合わせたりして、デジタルマーケティングの定義とは何なのかということを問い直したい。
第2章では、「従来型マーケティングの戦略策定プロセス」を確認する。もしかしたら、従来型マーケティングを十分に理解することなく、いきなりデジタルマーケティングの担当となった方もいらっしゃるかもしれない。心配する必要はない。従来型マーケティングの理解が十分ではないと思われる読者は、第2章を何度も読み返し、十分に理解してから、デジタルマーケティングの世界へ進んでほしい。なぜならば、従来型マーケティングは、デジタルマーケティングの基礎であり、土台だからだ。

第3章は、本書の核である。中心である。重心である。「デジタルマーアーティングの5つの進化とフレームワーク」として、デジタルマーケティングが、従来型マーケティングのどの領域を、どう進化させるのか、一つひとつ検討していく。その領域は「環境分析」「消費者理解」「セグメンテーション」「チャネル」「プロモーション」と多岐にわたる。デジタルマーケティングの全体像を捉えるためにも重要な章なので、頑張って読み進めていただきたい。

第4章では、マーケティングのキープレイヤーの変遷について検討する。市場成長期のマス広告が重要だった時代、市場成熟期の顧客理解が重要だった時代、デジタル化により顧客理解が飛躍的に進化する時代、顧客理解のためにビッグデータを所有する時代、それぞれの時代でマーケティングのキープレイヤーは異なってくる。それぞれの時代で、どのようなキープレイヤーがどういう役割を果たしてきて、現在果たしており、これから果たしていくのかということを理解しよう。

第5章では、デジタルマーケティングを実践するマーケティング部門、「リーダー、担当者がどう変わるべきか、ということを検討する。デジタルマーケティングを実践するためには、今までのマーケティングスキルだけではまったく足りない。一方で、今までのマーケティングスキルがないのに、いきなりデジタルマーケティングを実践することはできない。では、マーケティング部門、リーダー、担当者は、それぞれをどう(自し)変革しなければならないのか。求められる要件と、変革手法についてキャリア形成も含めながら検討していく。

本書の執筆において、今まで同様、東洋経済新報社出版局の藤安美奈チさんに、企画段階から編集までお世話になった。藤安さんには、実践門ビジネストレーニング誌「Think」連載時から、「フレームワークを使いこなすための50問』『ラーメン二郎にまなぶ経営学』『ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための23問』『得点力を鍛える』(いずれも東洋経済新報社)でもご担当いただいた。

本書の執筆は、今までとは一味違うエキサイティングな取り組みだった。とにかくテクノロジーの進化と、それに伴うデジタルマーケティングの進化が速い。だから、未来予測がどんどん実現し、私の執筆スピードを追い越していく。デジタルマーケティングの進化に応じて原稿の書き直しも多く、予定以上に執筆に時間を要した。しかし、藤安さんには、ディスカッションパートナーとして議論を深めていただき、様々なアイデアを出すことができ、本書を完成させることができた。改めて感謝を申し上げたい。

牧田 幸裕 (著)
出版社 : 東洋経済新報社 (2017/9/15)、出典:出版社HP

目次

はじめに

序章 20XX年のマーケティング―デジタルテクノロジーが実現する近未来
1 デジタルマーケティングが実現する近未来の消費者の購買行動
2 レジでの決済なしで買い物ができるAmazonGo
コラム◎20XX年のコンビニエンスストア
3 オムニ施策で先行する「マルイウェブチャネル」
コラム◎20XX年のアパレルショップ
4 顔認証と表情認識がもたらすデジタルマーケティングの近未来
コラム◎20XX年のデジタルサイネージ
5 Google、Amazon、Appleが想定する自動運転の進化
コラム◎完全自動運転がもたらす20XX年のマーケティング

第1章 デジタルマーケティングとは何か
1 本書で定義するデジタルマーケティング
データドリブン: ビッグデータ分析で消費者を理解し、消費者へのアプローチを決定する
オムニチャネル: ECチャネルでもリアル店舗でも同様の購買体験を享受できる
2 混沌とするデジタルマーケティングの定義
インターネットプロモーション、Webプロモーションとほとんど変わらない定義
データマイニング、ビッグデータ分析に偏った定義
格好良いのだが、中身のない意味不明な定義
3 現在の定義は対象範囲をカバーできていない
4 従来型マーケティングとデジタルマーケティングの関係

第2章 従来型マーケティングの戦略策定プロセス
1 マーケティング環境分析――PEST分析とSWOT分析
2 マーケティング戦略立案——STPからマーケティング・ミックスが決まる
セグメンテーション
ターゲティング
ポジショニング
マーケティング・ミックス
3 マーケティング戦略実行―まずは仮説を検証する
4 マーケティング戦略管理——市場導入後も検証は継続される

第3章 デジタルマーケティングの5つの進化とフレームワーク
進化1 環境分析——FOAで未来を定義する
過去から予測するPEST分析、SWOT分析の限界
未来を定義することから因果関係を考えるFOA
進化2 消費者理解——AISAS、ZMOTで消費者購買行動を理解する
従来型のAIDMAでは消費者購買行動を説明できなくなってきた
SNS時代の消費者行動はAISASとZMOTで説明できる
購買意思決定プロセスに関するフレームワークの進化
従来型マーケティングは消費者の「心理」と「行動」をどう理解してきたのか
デジタルマーケティングは消費者の「行動」と「心理」をどう理解していくのか
進化3 セグメンテーション——「全体から細分化」ではなく「個からの形成」で考える
進化4 チャネル——シングルチャネルからオムニチャネルへ
必須条件はオムニチャネル化
シングルチャネル
マルチチャネル
クロスチャネル
オムニチャネル
オムニチャネルを成功させる5つのカギ
ユーザーIDの統合と顧客理解
シームレスな購買体験の提供
シームレスな物流網の整備
決済情報の取得
売上計上の工夫
オムニチャネル導入のポイントと事例
製造企業のオムニチャネル導入——サントリー、森永製菓の事例
流通企業のオムニチャネル導入——メルクマールとなるのはアマゾン
製造流通企業(SPA)のオムニチャネル導入——メルクマールとなるのはユニクロ
進化5 プロモーション——「マス」から「OnetoOne」へ
デジタルで可能になるOnetoOneマーケティング
プロモーションのフレームワーク
ターゲット消費者絞り込みの進化
従来型マーケティングのターゲット消費者絞り込み
デジタルマーケティングのターゲット消費者絞り込み
製品やサービスの認知促進の進化
従来型マーケティングの認知促進
デジタルマーケティングの認知促進
興味、関心、欲求醸成の進化
従来型マーケティングの興味、関心、欲求醸成の進化
デジタルマーケティングの興味、関心、欲求醸成の進化

第4章 マーケティングのキープレイヤーはどう変遷するか
1 総合広告代理店:需要過多(もの不足)の時代のキープレイヤー
2 外資系戦略コンサルティング会社
供給過多(もの余り)の時代のキープレイヤー
3 デジタルコンサルティング会社: デジタルマーケティング変革期のキープレイヤー
4 消費者行動データ所有企業: デジタルマーケティング確立期のキープレイヤー

第5章 デジタルマーケティング実践に求められる能力
1 デジタルマーケティング部門リーダーに求められる役割
誰がデジタルマーケティング部門リーダーになるべきか
CEOのバックアップが必要となる
CMTという新たなCXO
デジタルマーケティング部門の組織図
2 リーダーに求められる「連携力」「統合力」「構想力」
「複数部門を束ねる「連携力」
ベクトルを合致させる「統合力」
未来を語る「構想力」
3 担当者に求められる従来型マーケティングを超える実践力
未来を予想し、環境変化を考える力
消費者理解を主導できる「仮説検証力」
サプライチェーンやロジスティクスを理解できるカ
プロモーションを融合し、デザインできる力
プロトコルを合わせるコミュニケーションカ
4 見えない未来を予想し、検証する

《付録》
デジタルマーケティングの勉強法
おわりに

牧田 幸裕 (著)
出版社 : 東洋経済新報社 (2017/9/15)、出典:出版社HP

図解 よくわかるこれからのデジタルマーケティング (DOBOOKS)

デジタルマーケの基本がよくわかる

営業・販売活動においてのデジタル対応は、あらゆる業種で導入されています。そもそも「デジタル化」とはどんなことなのか、自社は何をすべきなのか。このように今さら聞けないデジタルに関する基本的な知識が身につきます。

船井総合研究所 (著)
出版社 : 同文舘出版 (2020/8/12)、出典:出版社HP

はじめに

デジタルマーケティングの目的は「売上を伸ばす」ことであり「業績アップ」です。本書を執筆した船井総合研究所は、各業種・業界に特化したコンサルタントが700人以上在籍し、年間5500社以上の経営をサポートする総合経営コンサルティング会社です。業績向上(成果)に直結する提案を行なうことを旨とし、デジタルマーケティングの導入コンサルティングについても数多くの実績・成功事例を有しています。本書はその豊富な事例に基づいて執筆されています。

そして今、世の中は「7割経済」の時代と言われています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う不況の結果、何もしなければ自社の売上・利益はただ下がるばかりです。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」というキーワードがよく聞かれますが、まさにこのキーワードは、現在の「7割経済」にどう対処していくのかということに他なりません。では我々は、この「7割経済」にどう対処していけばよいのでしょうか?その答えが、本書の内容である「デジタルマーケティング」に取り組むことです。仮に「7割経済」であったとしても、現在の人員で売上を1.43倍にすることができれば、従来通りの利益を出すことができます。「デジタルマーケティング」を駆使すれば、それは決して夢物語ではありません。

本書はデジタルに詳しくない方でも「デジタルマーケティング」の全体像を体系的にご理解いただけるように、図解と平易な説明で構成されています。1章から10章まで順にお読みいただけると、自社が「デジタルマーケティング」導入のために、具体的に何をすればよいかがわかる内容となっています。「デジタルマーケティング」の導入を通じ、本書が皆さまの会社の業績向上のお役に立つことを心より願っています。

船井総合研究所 (著)
出版社 : 同文舘出版 (2020/8/12)、出典:出版社HP

『図解 よくわかるこれからのデジタルマーケティング』
目次

はじめに

第1章 デジタルマーケティングの基本
section01 デジタルマーケティングとは何か?
section02 Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
section03 デジタルマーケティングの購買行動モデル
section04 マルチデバイスと複数のタッチポイント
section05 顧客視点のカスタマージャーニーマップ
section06 キーワード戦略と商品戦略
section07 マーケティングの5P・5Cとデジタル「7適」を押さえる
section08 トレンド検索に基づく「多用途戦略」で市場を広げる

第2章 デジタルマーケティング導入のステップ
section01 デジタルマーケティング導入の流れ
section02 導入・立ち上げはアジャイル型で
section03 プロジェクトリーダー選定のポイント
section04 プロジェクトチーム結成と外部パートナー選定のポイント
section05 マーケティングプラン立案のポイント
section06 商品戦略・キーワード戦略立案のポイント
section07 カスタマージャーニーマップの作成と数値計画の立案
section08 コンテンツ制作・デジタルツール選定・導入のポイント
section09 デジタルマーケティングの全社展開・運用のポイント
section10 社外リソースをうまく活用しよう

第3章 新規問い合わせをガンガン増やすWebサイトの作り方
section01 当たるWebサイトを作る上での前提条件
section02 こんなサイトが検索されやすい! SEO対策の基本
section03 問い合わせを10倍以上に増やすソリューションサイトとは?
section04 Webサイトはトップページで9割が決まる!
section05 確実に問い合わせにつなげる誘導動線を意識しよう
section06 ページを自社でどんどん増やせるCMSの活用方法:
section07 SEO対策・インターネット広告を意識したサイト構造にしよう
section08 動画コンテンツ活用のポイント
section09 簡単に作れるLP(ランディング・ページ)とは?
section10 これから対応必須のSSLとモバイルファーストについて
section11 事例3つのサイト開設で数千万円の商談を獲得した老舗バルブメーカー

第4章 営業・販売の生産性を劇的に上げる MA(マーケティングオートメーション)導入のポイント
section01 マーケティングオートメーション(MA)とは何か?
section02 MA導入に失敗しないポイント1 顧客の購買プロセス
section03 MA導入に失敗しないポイント2 営業ファネル
section04 MA運用のポイント1 ステップメール
section05 MA運用のポイント2 スコアリングと閲覧履歴
section06 開封・クリックされやすいメールマガジンの作り方
section07 マーケティングオートメーション選定のポイント
section08 マーケティングオートメーションの導入がうまくいかない本当の理由
section09 事例 アポ成功率3倍以上、高額案件を受注した包装資材商社
section10 事例 50社の新規開拓と受注単価130%を実現した電子部品・プリント基板メーカー

第5章 Webサイトへのアクセスを増大させるSEO対策とPPC広告のポイント
section01 SEO、PPC広告とは何か?
section02 グーグルのSEOについての基本的な考え方
section03 Webサイト構造の規格団体「W3C」とは何か?
section04 SEOを強化する主要HTMLタグとは?
section05 SEOに適したライティングのポイント
section06 リスティング広告のポイント
section07 ディスプレイ広告のポイント
section08 リマーケティング広告のポイント
section09 対応必須のMEO対策とは何か?
section10 事例 販促費0円で年間8000万円の新規取引を獲得した板金加工業

第6章 フェイスブック・LINEほかSNS活用と広告のポイント
section01 マーケティングにおけるSNS活用の重要性
section02 主なSNSの分類とそのポイント
section03 フェイスブック活用のポイント
section04 インスタグラム活用のポイント
section05 ツイッター活用のポイント
section06 SLINE活用のポイント
section07 フェイスブック広告活用のポイント
section08 インスタグラム広告活用のポイント
section09 事例 SNSで年間400名のセミナー受講者を集めた士業グループ

第7章 デジタルマーケティングにおける分析項目
section10 デジタルマーケティングの分析に不可欠な登録要因
section11 EDMP(データ管理プラットフォーム)とは何か?
section12 グーグルアナリティクスでできることとそのポイント
section13 グーグルサーチコンソールでできることとそのポイント
section14 PPC・リスティング広告の分析のポイント
section15 Webサイトの改善につなげるアクセス解析のポイント
section16 検索エンジン順位チェックツール活用のポイント
section17 グーグルデータポータル等、BIツール活用のポイント
section18 分析結果を活かす、課題に対する解決策の進め方
section19 事例 分析に基づく改善で、Webサイトからの受注額を4倍にした設計会社

第8章 Web接客とリモート商談システム導入のポイント
section01 近年注目されるWeb接客ツールとは?
section02 チャットボットとは何か?
section03 チャットボットの活用法とその効果
section04 ポップアップバナー、差し込みバナー等の活用のポイント
section05 Web接客のためのシナリオの作り方
section06 急速に普及する「リモート営業」
section07 テクノロジーを活用して実現する「リモート営業」
section08 Web会議システム選定のポイント

第9章 中小企業は顧客管理と案件管理の徹底で業績が上がる
section01 CRM・SFAとは何か?
section02 情報が一元管理されていないことで発生する大きなロス
section03 業績を上げるCRM・SFAの活用方法
section04 CRM・SFAを選ぶポイント
section05 SSFAで重視すべきKPI(重要指標)
section06 SCRM・SFAを社内浸透させるコツ
section07 事例 SFA・CRMを活用して売上2・3倍を実現した葬儀会社
section08 事例 SFA・CRMを活用して生産性を2倍にした土地家屋調査士法人

第10章 これからのデジタルマーケティング
section01 デジタルマーケティングとDX(デジタルトランスフォーメーション)
section02 DXでアマゾンに負けない百貨店
section03 DXが求められる理由は顧客の購買行動の変化
section04 成熟産業×デジタルで、業績は劇的に伸びる
section05 事例 AIを活用して売上5倍、営業利益を2倍に伸ばした食堂
section06 ビッグデータ・IoT・AI・5Gで加速するデジタル化
section07 デジタルの進展とともにさらに開く企業間格差
section08 これから日本でも求められる「デザイン思考」

カバーイラスト 野崎一人 本文デザイン・DTP RUHIA

船井総合研究所 (著)
出版社 : 同文舘出版 (2020/8/12)、出典:出版社HP

「デジ単」デジタルマーケティングの単語帳 イメージでつかむ重要ワード365

ややこしい用語が直感的によくわかる

カタカナ語や略語の多くややこしいデジタルマーケティングの頻出用語がイラスト付きで分かりやすく説明されています。直感的にイメージしやすいため、頭に残りやすいです。また英語表記もあるため、海外や出張先でも役に立つ1冊です。

村山 亮太 (著), 糸乘 健太郎 (イラスト)
出版社 : 翔泳社 (2020/1/22)、出典:出版社HP

はじめに

現在、難解に聞こえる単語のオンパレードがデジタルマーケティングの理解への大きな障壁になっています。理解しようと調べても、難解な言い回しばかりで何を意味しているか伝わりにくいものであったり、平易な文章で書かれていても冗長的すぎて逆に本質が見えにくくなってしまっているものも多く、これらが様々な方々の勉励意欲を大きく削いでしまっています。
このような状況を克服すべく、本書は企画されました。本書の要諦は、重要単語にフォーカスを当て、各ジャンルの単語に初めて接する方々に、必要な情報を理解しやすい形で提供することです。

これを実現すべく、下記4つのコンセプトを設定し制作を進めました。
1 単語:各ジャンルの最新重要ワードを抽出。それぞれに英語表記を付記し、英単語帳としても機能するように(対応する英語がある場合)。
2 意味辞書的で理解しづらいものではなく、よりシンプルで実務に生きるものに。
3 解説:必要なファクトと実務事項をシンプルで理解しやすい形に。
4 イラスト:イラストだけ見てもその単語のイメージがおおよそつかめるレベルのものに。

単語は本来、様々な説明をショートカットし、お互いのコミュニケーションをより豊かで円滑にするものです。例えばアンパンマンの話をする際、アンパンマンのことを知っている者同士が話す内容と、そうでない者同士が話す内容とでは、会話の豊饒さには大きな違いがあることでしょう。また、アンパンマンのことを一方のみが知る場合、知らない一方に「アンパンマンとは、正義感が強く非常に心優しいが、パンチ力は高く、時に実力行使も辞さないアンパン要素を含んだ有機体(と思わしきもの)」などとどれだけその場で説明しようとも、会話が遅々として進まないばかりか、アンパンマンの一番大切な部分を伝えられていないようにも思います。「デジタルマーケティングにおいても、同様のことが起こっています。会話の中に出てくる単語にコンセンサスがある場合とそうでない場合とでは、打ち合わせの充実度が大きく異なってきます。また、参加者間で単語知識に偏りがある場合、単語は言葉のカーテンとしての機能を発揮して、参加者を分断し、建設的な議論を阻害してしまうのです。
本書を通して、デジタルマーケティングの頻出単語がそれぞれ単に理解されるだけではなく、少しでもアンパンマンと同じような親しみのある存在として認識してもらえれば幸いです。完成までに想定していた以上の時間を費やすことになりましたが、本書が1人でも多くの方々に好意でもって受け入れられ、満足でもって読了せらるることを切に祈願します。
著者

Special Thanks
本書の制作にご協力いただいたみなさま(敬称略)

アマゾンジャパン合同会社
プログラマティックパートナーマネージャー 五味ナンシー
インテグラルアドサイエンスジャパン株式会社
シニアアカウントエグゼクティブ&エバンジェリスト 山口武
GroundTruth Japan
Head of Japan 安里勇吾
株式会社スタディスト
CMO 森勇樹
Supership 株式会社
プラットフォーム事業部 事業部長 大野祐輔
株式会社 DAサーチ&リンク
ストラテジックセールスディビジョン吉川雅博
株式会社 DataCurrent
シニアマネージャー佐藤裕之
ブライトコーブ株式会社
プリンシパル・テクニカルコンサルタント 土屋尚
株式会社VOYAGE GROUP
ブランド戦略室 室長 吉濱正太郎

株式会社 LIVE BOARD
代表取締役社長神内一郎
株式会社電通デジタル
代表取締役社長 鈴木禎久
プラットフォーム部門部門長 高田了
プラットフォーム2部事業部長 北出季伸
グローバルアカウント事業部 グループマネージャー 餅原創平
アドバンストクリエーティブセンターコピーライター廣瀬大
プランニング第2事業部コミュニケーションプランナー 舩曳慧美
アドバンストクリエーティブセンター坊古居将平
株式会社電通
客ビジネス局統合ソリューション部中村祐斗
データ・テクノロジー・センター丸山裕史
データ・テクノロジー・センター江頭瑠威
データ・テクノロジー・センター 竹谷明泰
ラジオテレビビジネスプロデュース局一枝悟史

電通イージスネットワーク
アムネットチーフデータサイエンティスト近藤康一朗
* 2019年12月31日時点の所属会社・部署を記載しています

本書の使い方

本書では、デジタルマーケティングで使われる365の用語を解説しています。すべての単語はイラストとセットで説明しているので初めて学ぶときには理解しやすく、復習するときには思い出しやすくなっています。

ページ紹介
本書は6つの章(カテゴリ)に分かれており、それぞれ下記のページで構成されています。

1カテゴリの全体像

カテゴリは「基礎指標」「トラッキング」「広告配信」など6つに分類されています。各カテゴリの初めでは、そのカテゴリの全体像を 示します。

2単語解説(左ページ)

左側のページでは、単語の意味や使い分け、業務上のポイントを解説しています。
意味 単語の意味をわかり やすく一言で表して います。
解說 各単語を似た言葉との違い、業務上のポイント、例を交えながら解説しています。
代表例 その単語の代表的なサービスやツールがある場合は紹介しています。
英語表記 海外のサイトを読むときや、海外出張に便利な英語表記つき(※英語表記不明なものは省略)。
同義語 同じ意味で使われる単語も併記。索引からも探せます。

3イラスト(右ページ)

右側のページでは、各単語をイラストで解説。イラストを見るだけでもある程度意味がわかるようになっているので、説明を読む前にイラストを見てイメージをつかむ、という読み方もできます。

村山 亮太 (著), 糸乘 健太郎 (イラスト)
出版社 : 翔泳社 (2020/1/22)、出典:出版社HP

目次

はじめに
Special Thanks
本書の使い方

第1章 基礎指標
基礎指標の全体像
[目標設定と最適化] 01 目標設定
02 最適化
[広告基礎指標] 03 広告基礎指標
04 広告効率指標
05 広告コスト指標
06 費用対効果指標
[ユーザー周りの様々な用語] 07 訪問・閲覧数
08 到達・接触度
[ウェブサイト/ウェブページ] 09 サイトとページ
[デバイス] 10 デバイス

第2章 トラッキング
トラッキングの全体像
[アクセス解析] 11 トラッキングとアクセス解析
12 セッション
13 直帰と離脱
14 リファラとリダイレクト
15 アクティブ ユーザー
[アトリビューション] 16 アトリビューションモデル
17 ポストインプレッション効果

第3章 広告配信
広告配信の全体像
[第三者配信/アドサーバ] 18 第三者配信とアドサーバ
[計測タグ/ワンタグ] 19 計測タグとワンタグ
[広告配信基礎用語] 20 広告買付方法の種類
21 広告フォーマットの種類
22 ターゲティングの種類
23 オーディエンスターゲティング詳細
24 その他ターゲティングや配信設定
25 クリエイティブの最適化
26 運用型広告のアカウント構成
27 運用型広告における入札単価とオークションの種類
[リスティング広告] 28 クエリとキーワード
29 キーワードの分類
30 マッチタイプ
31 広告文と広告ランク
32 インプレッションシェア
[ディスプレイ広告] 33 代表的なフォーマット
[動画広告] 34 動画広告の基礎指標
[動画広告(インストリーム動画広告)] 35 インストリーム動画広告
36 スキッパブルとクリッカブル
37 広告のタイミング
[動画広告(アウトストリーム動画広告)] 38 アウトストリーム動画広告
[動画広告(その他)] 39 動画広告の規格
[TV 関連] 40 TVとデジタル
[ネイティブ広告] 41 ネイティブ広告の種類
[SNS広告] 42 SNS広告
[プログラマティック広告] 43 プログラマティック広告基礎用語
44 RTB
45 プログラマティックダイレクト
46 PMP
47 オフライン広告媒体のオンライン化
[媒体アドテクノロジー用語] 48 広告掲載位置
49 同期と非同期
50 媒体アドサーバと広告の差配
51 広告差配(基礎)
52 広告差配(発展)
53 インストリーム動画広告の挿入方法
[アフィリエイト] 54 アフィリエイト基礎用語
55 承認 [アドベリフィケーション] 56 アドベリフィケーションとビューアビリティ
57ビューアビリティとアドフラウド
58 vCPMとボット
59 ブランドセーフティとアドクラッター
60 アドベリフィケーション対策テクノロジー
61 業界団体

第4章 オーディエンスデータ
オーディエンスデータの全体像
[オーディエンスデータ基礎用語] 62 DMPとオーディエンスデータ取得タグ
63 オーディエンスデータとCookie ID
64 オーディエンスデータ(広告ID) [データソース] 65 データソース
66 Cookie の種類
67 データの種類と精度
[DMP] 68 DMPの種類
69 DMPの機能と拡張プラットフォーム
[オーディエンスデータの課題] 70 データ利用の制限
71 ユーザー許諾
72 ユーザーデータの分類

第5章 SEO
SEOの全体像
[SEO基礎用語] 73 SEO基礎用語
74 クローリング
75 ペナルティ
76 被リンク
77 ドメイン
[内部対策] 78 内部対策(タグ)
79 内部対策(タグ以外)
[外部対策] 80 外部対策

第6章 ソリューション
ソリューションの全体像
[マーケティング手法] 81 カスタマージャーニー
82 One to One マーケティングとマスマーケティング
[ファネル] 83 パーチェスファネルとダブルファネル
84 アッパーファネルとミドルファネルとローワーファネル
[消費者行動モデル] 85 AIDMAとAISASとSIPS
86 FMOTとSMOTとZMOT
[顧客/見込み顧客] 87 顧客と見込み顧客
88 リード詳細
89 B2CとB2BとB2B2C
90 C2CとD2C
91 チャーンレート
92 顧客分析の代表的な手法
93 RFM分析と定量・定性データ
94 ソーシャルリスニング
[CRM / MA / SFA] 95 CRM
96 MA
97 SFA
[セールス手法] 98 セールス手法
[チャネル] 99 チャネルとタッチポイント
100 トリプルメディア
101 オムニチャネル
102 020と0M0
[UI / UX] 103 UI と UX
[位置情報の利活用(来店計測やジオターゲティング)] 104 位置情報のデータソース
105 地点指定手法
106 来店コンバージョン
[サブスクリプション] 107 サブスクリプションビジネスとMaas
[その他] 108 よく利用されるテクノロジーや手法

参考文献・Webサイト
索引(単語・略語・関連語)
索引(英語)
著者・イラストレーター紹介

本書内容に関するお問い合わせについて
このたびは翔泳社の書籍をお買い上げいただき、誠にありがとうございます。弊社では、読者の皆 様からのお問い合わせに適切に対応させていただくため、以下のガイドラインへのご協力をお願い 致しております。下記項目をお読みいただき、手順に従ってお問い合わせください。
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正誤表
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本書の対象を越えるもの、記述個所を特定されないもの、また読者固有の環境に起因するご 質問等にはお答えできませんので、予めご了承ください。
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※本書に記載されたURL等は予告なく変更される場合があります。 ※本書の出版にあたっては正確な記述につとめましたが、著者や出版社などのいずれも、本書の内容 に対してなんらかの保証をするものではなく、内容やサンプルに基づくいかなる運用結果に関して もいっさいの責任を負いません。
※本書に記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。

 

村山 亮太 (著), 糸乘 健太郎 (イラスト)
出版社 : 翔泳社 (2020/1/22)、出典:出版社HP

デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?

成果の出ない施策に終止符を

デジタル活用の目的を整理し、成果を出すための施策パターンである定石を徹底的に解説しています。“顧客”を中心としたマーケティングをしているか、身近な行動に落とし込んで問いかけられているため様々な気付きを得られます。マーケティングに関わる全ての人におすすめの1冊です。

デジタルマーケティングには「定石」がある―はじめに

はじめまして、著者の垣内勇威と申します。
本書を手に取ってくださった方は、デジタルを活用して「売上を増やしたい」「ビジネスモデルを変革したい」「目まぐるしい変化に適応したい」などの期待をお持ちでしょう。
本書は、経営者・事業責任者・マーケター・デジタル担当者に向けて、時代の変化にのみこまれず、マーケティングでデジタルを使いこなすためのシンプルな手法を解説します。細かいテクニックやツールに惑わされず、デジタル活用の全体像がつかめるようになるでしょう。

デジタルで成果を出すための施策はパターン化できる
まずお伝えしたいのは、企業がデジタルをマーケティングに活用するなら、必ず知っておかなければならない「定石」が存在するということです。
ここでいうデジタルとは、インターネットを用いて顧客と接触可能な媒体を指します。Webサイト、アプリ、ネット広告、SNS、メール、などすべてが対象になります。
また本書で解説する「定石」とは、従来の顧客接点をデジタルに置換することで、大幅なコスト削減を実現する施策パターンです。デジタルに「できること」と「できないこと」を明確に線引きしたうえで、顧客の購買ステップ別にデジタルの活用方法を明らかにします。

「私が「定石」に気づくにいたった出発点は、コンサルティングを続ける中で「いつも同じ提案をしているな・・・・」と飽き飽きしてきたことがきっかけでした。
私は2005年から今日にいたるまで、デジタルを用いて売上増加やフフト削減を実現するコンサルティング活動を続けています。しかし、この域のコンサルティングは、ひどく単調で変化の少ない「淀んだ水たまり」のような仕事だと言わざるをえません。
なぜなら、2005年当時と2020年現在とで、市場環境や技術水準が大きく変化しているにもかかわらず、クライアントに提案している内容が本質的には何1つ変わらないためです。内心「また同じ提案か」と思いつつ、まったく同じ提案をすると、クライアントは決まって「目からウロコです」と感嘆してくれます。さらに、その施策の実現によって売上も伸びてしまうのです。

私がコンサルティングを始めた2005年といえば、Facebook、Twitter、YouTube、Wikipediaなどが次々に登場した時代です。検索エンジンでは、Yahoo!がそれまで使っていた人力のディレクトリ型検索エンジンを諦め、現在主流のロボット型検索エンジンに切り替えた年でもあります。「Web2.0」という言葉が流行したのもこの時期です。
もちろん実務レベルでは様々な変化がありました。検索エンジンで上位に表示するための方法、SNSでフォロワーを増やす方法、ネット広告の費用対効果を高める方法、格好良いとされるWebデザインの方法など、絶「えず変化してきました。
しかし私が「定石」と呼ぶ、売上やコストにインパクトを及ぼすビジネスにおけるデジタルの活用目的は、この15年間何1つ変わっていないのです。このように「定石」が存在するにもかかわらず、企業は知見をゼロクリアし続けており、我々のようなコンサルタントに頼る羽目になっています。

現在、私は自分のこの「停滞した仕事」に終止符を打っために活動しています。
一見属人的に見えるこのコンサルティングという業務は、実は再現性のあるパターンを蓄積し、何度も繰り返し提供して稼ぐビジネスにはかなりません。私は最初に過去100社以上コンサルティングした経験から、成果の出た施策をパターン化していきました。
予想通り明らかになったのは、本当に成果の出る施策は、企業規模や業種による差がほとんどないということです。コンサルティングをしていると、クライアントから「うちの会社は特殊だからほかの会社の知見は参考になりません」と言われることは日常茶飯事ですが、この言葉は視野狭窄だと言わざるをえません。もちろん具体的た実務作業レベルでの違いはあるでしょうが、成果を出すための方針はパターン化できるものであり、これこそが本書でお伝えする「定石」です。

「3万3000サイト以上の分析」を元に定石を開発
コンサルティング経験をパターン化しただけでは、まだ「定石」と呼べるほどの根拠はありません。そこで次は根拠となるデータ収集に奔走しました。
2015年にはデータ分析の知見を広く提供するため、「AIアナリスト」というプロダクトを作りました。このプロダクトは、ユーザがWebサイトの閲覧履歴データを登録すれば、それを自動で分析し、デジタルマーケティングの打ち手を教えてくれるソフトウェアです。私が培ったコンサルティングの知見をソフトウェアで提供する代わりに、Webサイトの閲覧履歴データをいただくというビジネスモデルです。
2020年現在、3万3000以上のWebサイト閲覧履歴データを保有しています。この3万3000サイトの中には、広告宣伝費上位100社の50%を含み、主要な業界はすべて網羅できています。
言い換えると、私は日本にある主要なWebサイトの閲覧履歴データをほとんど把握できます。この「資産」を元に、デジタルマーケティングの定石を開発しているのです。開発した定石は、弊社の主要プロダクトである「AIアナリスト」にフィードバックし、成果創出の確率を高めています。
本書で解説する定石の根拠となるのも、この国内3万3000以上のWebサイト閲覧履歴データを分析した結果です。

「ユーザ行動観察調査」で「成果の出る理由」が明らかに
もう1つ「定石」の根拠になるのは、「データ」の意味を解釈するため、に行なってきた定性的な「ユーザ理解」です。「データ」を見れば成果の出る施策はわかりますが、なぜその施策の成果が出るのかまではわかりません。「なぜ」がわからなければ、再現性を高めることも、さらに大きな成果を出すこともできません。「なぜ」を理解するためには、生のユーザと対峙し、データの裏側にあるユーザ行動を明らかにする必要があります。
私はそのために「ユーザ行動観察調査」と呼ばれる調査を累計500名以上実施しています。この調査は、ターゲットユーザの横に座って、Webサイトなどを普段通り使っているところを観察する手法です。
本書の主テーマの1つにもなりますが、デジタルは「顧客主導」であり、デジタルで成功するには生の「ユーザ行動観察」が欠かせません。

本書の「定石」に則って、デジタル活用を推進すれば、100点満点中80点までは誰でも到達可能です。成果の出るデジタル活用手法の多くは再現性が高く、それだけやっていても十分大きな成果(80点)を期待できます。
一方で100点満点を目指すとなると、最新トレンドの追求や、才能に依存するアイディア出しなど、再現性の低い手法にも取り組まなければなりません。世の中のマーケターは、80点に達していないにもかかわらず、始めから100点を取ろうとして高度なことにチャレンジしすぎています。
まずは歴史が証明した再現性の高い「定石」から着手すべきでしょう。
Introductionからその「定石」を一緒に見ていきましょう。

2020年8月 垣内勇威

目次

デジタルマーケティングには「定石」がある――はじめに

-Introduction-
デジタルマーケティングには「定石」がある

「定石」とはどのようなものか?
デジタルに「できること」「できないこと」を理解する
人材紹介会社のページ、登録率が高いのはどっち?
「会員登録型」のほうが倍以上の求職者に登録してもらえる理由
「定石を無視した「車輪の再発明」が繰り返される理由
デジタルの特性を十分に理解していないから
デジタルの限界「人間のようなおもてなしはできない」
デジタルの限界2「ユーザが目の前にいない」
デジタルへの理解が不十分で他部署に反論できないから
「車輪の再発明」を止める
デジタル人材はどこにいるのか?
「ジョブローテーション」が専門性を奪ってしまう
自社ビジネスを深く理解している人材が流出してしまう
デジタル初心者は「バズワードの流行」に翻弄される
「経営者」と「事業責任者」こそ定石を理解すべき
経営者や事業責任者は実務を理解する必要はない
本書の構成
CHECK Introduction まとめ

Part1 デジタルの特性を理解する

Chapter1 デジタルの限界を理解する
デジタルは万能ではない
アイディア一発勝負で大きな成果が出るわけではない
デジタルは既存ビジネスの機能を代替する「手段」の1つ
AIもデジタルを万能にするわけではない
限界①
3秒以上の営業トークは無視される
ユーザーは自分の好きなもの以外、一切見ない
デジタルでは「見込み客の質」を高められない
企業に「カスタマージャーニー」は操作できない
「デジタルでブランディング」は勘違い
限界②
ユーザの顔がまったく見えない
データで「行動履歴」は見えても「理由」はわからない
「ユーザのことを知っている」とはどういう状態か?
ユーザを理解すれば「無価値な仕事」を判別できる
「ユーザと対面している=理解できている」ではない
最も有効なユーザ理解手法は今もなお「アンケート」
ユーザの普段の行動と心理変化を知る「行動観察」
限界③
爆発力がなく、少しずつしか伸びない
デジタルの集客方法は5つ
なぜITベンチャー企業がマス広告を打つのか?
マス広告が弱体化し「ファネル」の概念も変化している
限界④
大量データを集めただけでは何もわからない
AIが「最適な説得パターン」を用意できない
理由AIは答えの理由を人間に説明できないデータ活用のカギは「ユーザ行動の仮説」にあり
CHECK Chapter1 まとめ

Chapter2 デジタル活用の目的はコストカットである
デジタルは「コストカット」で真価を発揮する
デジタルは「コスパ」が圧倒的に高い
DXとは既存のマーケティング手段をデジタルに置換すること
強み①
無料で無限に情報発信できる
もし、ビールメーカーの営業担当だったら?
TVCMよりデジタルのほうが効率良く説得できる
「顔の見えないお客さん」が「買いたくなるストーリー」を考える
強み②
ストックになり半永久的に集客できる
デジタルは「ストック」の効果が大きいマーケティング手段
Webページの「ストック」効果
Web広告の「ストック」効果
メール、SNS、アプリのストック効果
地道に継続できれば低コストで集客できる
強み③
大量のリアルタイムデータが無料で集まる
デジタルの強みは「データが取れること」ではない
「大量データ」でアンケートのコストカットを実現する
「リアルタイム」のデータで早めの変化対応ができるようにデータはデジタル施策の改善だけでなくオフライン施策にも活用できる
CHECK Chapter2 まとめ

Chapter3 なぜ、デジタルは無駄な仕事が増えやすいのか?
デジタル関連部署の局所最適化が「無駄な仕事」を生み出す
デジタルという手段にとらわれた「局所最適」
「細かい仕事」が増える3つの理
なぜ成果を期待できない「細かい仕事」が増えるのか?
今すぐやめるべき「重箱の隅をつつく」仕事
ABテストの「仕事した感」に酔う
SEOに一喜一憂する
印刷してチェックしないと気が済まない
アトリビューションを言い訳に使う
ユーザ不在の「自己満足」の仕事は捨てる
企業視点の「自己満足」は百害あって一利なし
Webサイトリニューアルで「変わった感」を求める
「全ページデザイン統一」も無駄
「Webサイトでブランディング」も無駄
「ポエムに命をかける」のも無駄
「データから宝物を見つける」は手段が目的化している悪例
CHECK Chapter3 まとめ

Part2 デジタルの定石を理解する

Chapter4 あなたは顧客に毎年会っているか?
「顧客重視」では生き残れない「顧客主導」の時代
「顧客重視」から一歩進んだ「顧客主導」を
デジタル活用すれば必然的に「顧客主導」になる
「顧客が買うまでの流れ」を知らないマーケターは失格?
マーケターの9割は「顧客が買うまでの流れ」を説明できない
顧客は「通える雑貨屋」のECサイトを何のために使うのか?
1000万円するBtoB商品でも担当者はWebサイトを細かく見ない
たった5名の行動観察でほぼすべてがわかる
「顧客が買うまでの流れ」を把握する3つのステップ
データ分析は「添えるだけ」
顧客の行動を一気通貫で見られるデータは作れない
仮説を補強するためにデータを用いる
「顧客が買うまでの流れ」は3つに分ける
コンサルティングの現場で生まれたフレームワーク
CHECK Chapter4 まとめ

Chapter5 「日常生活フェーズ」の定石
デジタルだけでニーズの火は起こせない
ニーズがない人に「買いたい」と思わせるのは難しい
日常生活フェーズで潜在ニーズを自覚させる方法
日常生活フェーズの目的は「純粋想起の獲得」「ニーズの最速検知」
TVCMを代替するデジタルの使い方
「ネット広告で認知を取る」は大きな間違い
「ターゲットユーザ」以外の純粋想起を捨てる
いつでも接触可能な「見込み顧客リスト」をつくる
「自社のターゲットがどこにいるか」を考え尽くす
営業の定期訪問を代替するデジタルの使い方
「定期訪問」はデジタルで代替できる
ターゲットリストに定期的に通知を出しニーズ発生を検知する
シグナル検知の仕組みを複雑にしすぎない
「純粋想起」「ニーズ検知」で費用対効果は向上する
CHECK Chapter5 まとめ

Chapter6 「初回購入フェーズ」の定石
火の点いたニーズは曲げられない
回りくどい説得は一切必要ない
初回購入フェーズでは「目的の情報」以外見てくれない
最速で的確にユーザのニーズを満たす
「ゴール直行」の仕掛けを作る
webサイトは入口ページの集合体になる
「入口ページの集合体」こそWebサイトの理想形
「ピラミッド型」Webサイトはゴールへの誘導力が弱い
ランディングページの「縦の長さ」と「ゴール到達率」に相関はない
ゴール設計による伸び幅が一番大きい
ゴールをどこに設計するか?
「ライフタイムバリュー(LTV)」を最大化するポイントを見極める
ゴールを変更するためには別部署との連携が不可欠
ゴールの障壁を少し下げれば集客施策の幅が広がる
3段階で変化する検索キーワードから集客する
Googleを起点に集客を検討する
検索には3つの段階がある
最も競争が激しいのは「候補洗い出し」検索
SEOだけの検索集客は視野が狭い?
SEOだけで集客しようとすると視野が狭くなる
「候補絞り込み」段階のキーワード
「候補洗い出し」段階のキーワード
「選び方の勉強」段階のキーワード
CHECK Chapter6 まとめ

Chapter7 「継続購入フェーズ」の定石
売り切り型のビジネスは終焉する
「売り切り型」から「継続購入型」へ
ほぼすべてのビジネスが「継続購入型」に移行する
「人的労働力」を「デジタル」に置換する
どのビジネスでも「定期課金」を狙うべき
LTV=D購入者数×購入単価×購入期間
「買う」行動を極力減らしてLTVを最大化する
「都度課金」を「定期的都度課金」に置き換える
「定期的に買う商品」+「ついで買い」を誘発する
購入後も情報発信し続ける
全業種でユーザの生活時間を奪い合う
ユーザの「生活時間」に入り込めないと解約・離反されてしまう
顧客との接触頻度を上げるほうが購入期間は伸びる
「コンテンツ」と「ルーティン」で生活時間に入り込む
「磨き抜かれたコンテンツを量産する
シンプルなルーティン導線の設計
「利用開始直後に「正しい使い方」を伝える
継続購入とは究極的には「愛」の世界
CHECK Chapter7 まとめ

Part3 定石を使って実践する

Chapter8 定石を様々なビジネスモデルに適用する
定石活用のため「DXアクセラレータ」に入力する
マーケティングにおけるデジタル活用の型は18種類ある

Chapter9 【Webto営業担当型】BtoBで営業につなぐビジネスの型
一般ビジネスパーソン向けのBtoB商材(ソリューションサービスなど)
専門的な技術者向けのBtoB商材(部品・素材、医薬品、建材など)

Chapter10 【Webto営業担当型】BtoCで営業につなぐビジネスの型
単価の高いBtoC商材(サービス業)
早価の低いBtoC商材(飲食店、サロン、宿泊など)

Chapter11 【Web完結型】ECの型
一般的なEC(複数商品を取り扱う)
実店舗への送客を狙うEC(百貨店・量販店・メーカーなど)
単品で定期購入を促すEC(健康食品・コスメなど)

Chapter12 【Web完結型】その他の型
ブランドサイト
記事メディア
商品紹介ポータル・契約申込サイト

本当に大切な仕事は何か?――おわりに

デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS)

“売りたい”を“買いたい”に変える

マーケターの売りたい気持ちを、消費者の買いたい気持ちにどう変換すれば良いのか。顧客へのアプローチが変わる10のメソッドがわかります。本書は、デジタルマーケティングにおける基本的な考え方や数字の見方、やるべき施策の優先度がわかる超実践的な入門書です。

西井 敏恭 (著)
出版社 : 翔泳社 (2017/10/23)、出典:出版社HP

はじめに〜この10年で世界はどう変わったか~

この本を手に取っていただき、ありがとうございます。

私はデジタルマーケターとして様々な仕事をしており、特に自社でECサイトを運営する企業の仕事に多く関わってきました。私にとってはじめてのマーケティング書となる本書では、主にECで得た知見をもとに、デジタルマーケターが知っておくべき考え方やノウハウを、わかりやすく紹介したいと思います。

皆さんご存知のとおり、デジタルマーケティングの一分野であるECでは、アマゾンをはじめとする先進企業が最先端のテクノロジーを投入し、激しく競い合っています。ネットを通じて企業が顧客と直接コミュニケーションし、購買に至る過程を可視化できるようになった今、私が学び、実践してきたノウハウは、EC業界だけでなく、これからデジタルマーケティングに携わる人、もう一度自社での取り組みを考えてみたいという人にも参考になるのではないでしょうか。

最初に自己紹介もかねて、私がデジタルマーケティングの世界に入ることになった経緯を簡単に説明したいと思います。

実は私がこの世界に入るきっかけになったのは「世界一周旅行」です。もともと旅行が好きで、大学を卒業した後、2001年に小さなノートPCとギターを持って、2年半かけて世界一周の旅に出ました。まだブログもない時代、アフリカや南米からその日に起きたことを発信していたサイトが思いがけず多くの人たちの目に留まり、帰国後にそのサイトを見ていたネット通販会社の方から「よかったらうちの会社に来ませんか」と声をかけていただいて、最初の会社に入社しました。

入社した2003年頃は、グーグルアドワーズが日本に入ってきて、アフィリエイトサービスがいくつかスタートし、ウェブマーケティングと言われるものが始まったばかりでした。私は小売業者として商品を仕入れるだけでなく、自分で管理画面を見ながら広告の入札をしたり、アフィリエイターと提携の交渉をしたり、SEOのためにHTMLコードを書くようになっていました。3~4年、そういうかたちで仕事をしながら、ウェブでモノを売る仕組みがわかってくると、商品で差別化できない小売とは違う立場で仕事をしたいと思うようになりました。そのとき、ちょうどウェブマーケティングの担当者を探していたドクターシーラボという化粧品会社に転職し、約6年間、メーカーECに取り組みました。2010年頃にはSNSやスマートフォンを利用する人が増え、ウェブだけでなく位置情報や各種データを使ったデジタルマーケティングへと広がっていきます。私が入ったとき、ECの売上は約20億でしたが、5~6年で100億くらいまで成長させることができました。

その後、2013年にドクターシーラボを辞めて、再び世界一周に出かけます。最初の旅から0年以上たってから出かけたこの旅行で、私は「世界は大きく変わったな」と実感することになりました。2000年代前半の旅では事前に宿を予約などせず、泊まる場所が見つからなければ野宿(笑)。旅先で日本語のガイドブックは手に入らなかったため、旅行のための情報源は写真がない英語の旅行ガイド『ロンリープラネット』だけ。それを見ながら当てずっぽうにフラフラと旅行をしていました。PCを持ち歩いている人はほとんどいなかったし、Wi-Fiもないのでネットを使いたかったらインターネットカフェに行くしかありませんでした。街を歩こうにも方向がわからないので、太陽を見て、こっちが南だからこっちへ行くかみたいな。そんな感じだったので非常に時間がかかる、ゆっくりした旅でした。

2014年の旅行でそれがどう変わったかというと、スマートフォンを持ち歩くのも、宿にWi-Fiがあるのも当たり前。グーグルマップを使えば道にも迷わないし、事前にネットで宿を押さえられる。象徴的だったのは南米の奥地に行ったときのこと。目的地に着いて宿を探そうとぶらぶらしていたら、日本人がたくさんいる安宿がありました。なぜこんな奥地の宿に日本人がいるのかと思って話を聞いてみたら、旅行者の間で人気のあるブログを見てそこに来ていると言うんです。食ベログで評価が高い店に人が集まるみたいなことが、南米の奥地でも起きていたのです。

南米を1年かけて旅行していた人が、今は3か月しか旅行しない。ここがいいと言われているところにピンポイントで移動してしまう。旅行先として人気のところといえば、インスタ受けするところ。さらに誤解を恐れずに言えば、「旅行に行くこと」がゴールではなく、「写真を撮ってインスタグラムにアップして共有すること」がゴールになったりしているのです。以前の私の旅行は、よくわからないけどとりあえず行ってみる、バスが来る時間はわからないけどバス停で待ってみようという感じだったのですが、今はそういう無駄が一切カットされている。本当はそこに面白さがあったりするのですが。こういう変化はあらゆるところで起きていて、消費者行動の変化にどう対応するかがビジネスにおいて大事なポイントとなっています。

2回目の世界一周から戻った私自身にも変化がありました。食品ECのオイシックス(現・オイシックスドット大地)にCMOとして参画しながら、シンクロという自分の会社を立ち上げ、現在では、年商100億くらいのECのコンサルティングをはじめ、モール系や商品点数100万規模の会社のCRM、アプリのマーケティングなど幅広く手掛けるようになりました。最近ではスポーツやカルチャーといった物販とは異なるデジタル事業の支援も行っています。都内でひっそりとやっていた鰻屋さんが食ベログの人気で予約困難なお店になったり、SNS映えする南米奥地の塩湖に多くの若者たちが訪れるように、これまでデジタルマーケティングと縁遠かった組織や会社にもチャンスがある。今後も、様々な分野にチャレンジしていきたいと考えています。

デジタルマーケティングは、とかくテクノロジーやツールの話になりがちですが、本当に大切なのはビジネスのロジック。自社の売上構造を分析し、どんな顧客から売上が上がっているのかを理解するところから始まり、顧客の層を積み上げていくことで、どうしても超えられなかった売上の壁を超えることができるのです。

本書では私自身のビジネスの経験を踏まえて、多くの方が気づいていないデジタルマーケティングの本当に大切な考え方を解説していきたいと思います。

西井敏恭

西井 敏恭 (著)
出版社 : 翔泳社 (2017/10/23)、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1章 デジタルでマーケティングはどう変わったか
そもそも「マーケティング」とは?
マーケティングファネルに足りないもの
マーケティングには順番がある
デジタルで何が変わったのか?
デジタルの3つの特性
売上の土台を作る
デジタルマーケティングの全体像

第2章 売上を「新規」と「継続」に分解する
新規顧客と継続顧客
顧客構造と売上の関係
「継続率」が上がると売上も伸びる
新規に依存したビジネスは厳しい
なぜ継続率が大事なのか
顧客の状態で翌年の売上も予測できる

第3章 「F2」の壁を超えるには
おすすめのラーメン屋さんの話
「F2転換」とは
その「F2」は本当にリピートなのか?
F2の高い壁
大切なのは「タイミング・商品・コミュニケーション」
タイミングで反応が変わる
F2に効く商品は?
コミュニケーションは熱いうちに引

第4章 CRMは心理学である
CRMを恋愛にたとえると
「お客様がどう考えているか」だけに集中する
お客様に直接話を聞いてみる
商品の見せ方を考える
離れられない仕組みを作る
マーケティングオートメーションを活用する

第5章 「広告費は売上の10%」は正しいか
「広告」はお客様との最初の接点
広告費はどのくらいかければいい??
初回購入のハードルを下げる
体験のハードルを少し上げる
設計がうまくいかないときの選択肢
入口体験の改善ポイント
コンテンツは安上がり?

第6章 優先度の高い広告をやり切る
いよいよ広告の話をします
最低限やるべき広告は何か
事業を拡大するときに使う広告
お客様の目線で広告を使い分ける
スマホ時代に急成長したSNS広告
なんとなく広告をやっていませんか?
SEOとSEMに対する考え方
SEOの2つの役割
SEMとキーワード
リマーケティング広告
ショッピング広告
アフィリエイトの考え方
SNS広告①フェイスブック
SNS広告②ツイッター
SNS広告③LINE
進化するディスプレイ広告
広告は気持ちづくりが大切
自分たちでできるところからやっていこう
こんなとき、どの広告を使う?

第7章 サイト改善とKPI
ページビューに一喜一憂する前に
サイト改修はゴールが大切
カートの改善は必ずやること
スマホ中心で考える
見るべきサイトのKPI
ノイズを減らす方法
数字の見方を変える

第8章 選ばれるブランドになるには
ブランドは何からできているのか
ブランドとカスタマージャーニー
アマゾンにどう向き合えばいい?

第9章 社内調整とチームづくり
2か月前に書かれたメルマガ、読みたいですか?
デジタル部門は組織横断型のチームに
社長がデジタルを理解していない会社
人材不足はチャンス
ECの部署にはどんな人が向いている?
専門家も必要です

第10章 〔まとめ〕デジタルマーケティング10のメソッド
あとがき

西井 敏恭 (著)
出版社 : 翔泳社 (2017/10/23)、出典:出版社HP

世界基準で学べる エッセンシャル・デジタルマーケティング

全体像がよくわかる

デジタルマーケティングの基本的な考え方や現状についてよくわかります。プレ・マーケティングから、戦略の作り方、代表的な施策まで内容をカバーしています。職種にかかわらず、全てのビジネスパーソンにおすすめの1冊です。

遠藤 結万 (著)
出版社 : 技術評論社 (2018/9/14)、出典:出版社HP

まえがき

本を書く人なら誰しも、自分が知っている全員の人に本を読んでほしいと思うものです。
しかし、現実に本を売るとなると、当然のことながらターゲティング、つまり、顧客を明確にすることが必要になります。

本書は、マーケティング担当の方、広告代理店の方、これからマーケターを目指す学生のために書かれていますが、とりわけ、中小企業や大企業、スタートアップの「経営層」の方々に読んでいただきたい本です。
デジタル戦略は、既に「やってもいい」という添え物の戦略ではなく、企業の基幹戦略の一つになりつつあります。しかしながら、その基幹戦略を充分に理解している人材が少ないのも現状です。
あえて申し上げるなら、このような現状はやむを得ないのかもしれません。
デジタル・マーケティングは複雑怪奇です。SEOにリスティング、ディスプレイにSNS、コンテンツマーケティング、ネイティブ広告、DSPにSSPにDBMに020。覚えるだけでも精一杯でしょう。
本屋に行っても、「Google Analytics入門」「SEOハンドブック」「リスティング広告の初歩」等々、無限にあり、現実的に全部読んでいる時間はありません。
本書は、そのような現状を踏まえた上で「基幹戦略を自分で建てられる」ことを目標に、企業の意思決定に関わるトップレベルの方々が網羅的にデジタル・マーケティングの知識を学んでいただくための書籍です。

主な対象として、事業立ち上げや起業など、自ら新たなデジタル・マーケティングを始めようとされている方を想定し、下記3つの特徴があります。

①戦略レベルから考える
本書は、「SEOのテクニック」や「Google広告の運用法」といった書籍とは一線を画し、様々なデジタル施策の中から「そもそもどのような施策を取るべきか?」「施策の優先順位はどのように付けるべきか?」ということを考えていただくための書籍です。
日本には、CMO(マーケティング責任者)や、CDO(デジタル責任者)が少ないと言われます。包括的な知識を持った人材の育成は急務でしょう。

②可能な限り数字で示す
「○○の施策をやりましょう」とクライアントに提案したとき、「それでどれくらい伸びるの?儲かるの?」と聞かれた経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。
「どの施策が推奨されるのか」という記述だけでは、実際に物事を動かすには充分ではありません。○○が実際にどの程度のインパクトをもたらすかを知っていただくため、可能な限り数字で示すようにしています。

③原典にあたる
デジタル・マーケティングの世界では、日本語の情報よりも英語の情報のほうが充実しています。それらをキャッチアップしていただくことが本書の狙いです。世界で実践されている、デジタル・マーケティングの最先端事例をわかりやすく解説します。

私はこれまで様々な形で、企業のマーケティングに関わってきました。Googleの中小企業担当のコンサルタントとして数百社以上の広告に携わる一方、大手企業、ベンチャー企業など、様々な企業の人材育成と戦略立案に関わってきました。
そこで気がついたことがあります。「機能しないマーケティング組織は、機能しない起業そのものだ」ということ。
経営者は数字だけを要求し、現場は数字をなんとか「お化粧」し、広告代理店の資料だけはますます分厚くなり、過重労働で苦しんでいく。
だからこそ、私は「このような現状を変えたい」という思いがあります。「状況を変えるには、まず、経営者を含め、トップにいらっしゃる方々が、デジタルに関する理解を深めるしかないのです。

「とにかく、売上(インストール/PV/会員登録)が伸びればいいんだよね!」
「売上が伸びればなんでもいいからさ」
トップがこういう認識であれば、企業のマーケティングが上手くいくことはありません。
このようなマインドの企業の場合、PDCAではなく「PD」になっているケースがほとんです。つまり、C(チェック)がないまま、P(計画)とD(実行)を無限に繰り返している状態です。
デジタル・マーケティングにおいて、「ほう(報)、れん(連)、そう(相)」だけでは上手く行きません。自ら知ろうとしない限り、そして理解しようとしない限り、本当に必要な情報は上がってこないのです。
もちろん、本書は現場のマーケティング担当者にも有益であるように書きましたし、マーケターではない皆さんにとっても有益であると考えています。
人事、営業、エンジニア、あらゆる職種にとって、デジタル戦略やマーケティングに対する理解は必要不可欠だからです。
本書は「デジタル・マーケティング」という領域を対象にしていますが、現代のマーケティングでデジタルと絡まない分野はほぼありません。
本書は専門書や技術書ではありません。
「そんな細かいことをいちいち勉強する暇はない」というお忙しい方や、「デジタル・マーケティングを勉強したい」という意欲的な方へ向けたビジネス書として、本書が多くの方々の“これからの仕事”に役立つことを期待しています。

2018年8月吉日
遠藤結万

遠藤 結万 (著)
出版社 : 技術評論社 (2018/9/14)、出典:出版社HP

CONTENTS

まえがき

part1 プレ・マーケティングって何?——マーケティングからはじめよう
1-1 デジタルの時代
デジタル・マーケティングは、何を変えたのか?
デジタル・マーケティングって、何?
デジタル・マーケティングの特徴❶——相互の影響力
デジタル・マーケティングの特徴❷——パーソナライゼーション
デジタル・マーケティングの特徴❸——スピード
デジタル・マーケティングの特徴❹——数値化
マーケティング3.0——よりよい世界を作るために
1-2 プレ・マーケティングの時代
プレ・マーケティングの時代❶——クラウドファンディングの流行
プレ・マーケティングの時代❷——リーンスタートアップの流行
プレ・マーケティングの時代❸——ドッグフーディングで既存事業を見直す

part2 本当にそれ、需要ある?——マーケティング戦略の作り方
2-1 マーケティングをはじめる前に❶——需要があるかを確認する
戦略とは何か
それって、本当に需要があるの?
ニーズに合わせたマーケティング
需要はどうやって調査する?
2-2 マーケティングをはじめる前に❷——明確な顧客像を作る
顧客の「ニーズ」と「デモグラフィック」
デモグラフィックは、潜在顧客のニーズを推定するために利用する
デモグラフィックに合わせた媒体選択
2-3 マーケティングをはじめる前に❸——競合と集客チャネルを把握する
競合によってビジネスは変化する
競合を知る
2-4 マーケティングをはじめる前に❹——統合的チームを作る
広告マインドから、統合的なマーケティングマインドへ
必要となった「統合的組織」
流入とランディングページ
2-5 マーケティングをはじめる前に❺——ブランドを定義する
媒体の違い——食ベログとホットペッパー
失敗事例——グルーポン
ブランドを作る❶——Facebook
ブランドを作る❷——Google
ブランドを作る❸——Apple
2-6 マーケティングをはじめる前に❻——ボトムアップのチームを作る
トップダウンからボトムアップへ
広告代理店任せからの脱却
まず行動が必要な時代
分厚い企画書は失敗の元
現場に権限を与える

part3 広告なんて、誰も見ていない?——デジタル時代の「RAM-CE」フレームワーク
3-1 フレームワークはなぜ必要なのか
マーケティングにおける様々なフレームワーク
「RAM-CE」——マーケティングフレームワーク
3-2 プロセス❶——Reach(顧客に届ける)
情報過多の時代
トリプルメディア戦略
トラフィック(流入)を分けてみる
トラフィック・ポートフォリオを作る
トラフィックの種類を確認しよう
3-3 プロセス❷——Attention(顧客の注意を引く)
広告を出しても見られていない?
クリエイティビティと顧客の注目
「目」の写真は人の行動を変える?
視線の流れを理解する❶——Zの法則
視線の流れを理解する❷——グーテンベルク・ダイヤグラム
視線の流れを理解する❸——Fの法則
3-4 プロセス❸——(Memory)顧客の記憶に残す
記憶に残ると何が起こるのか?
忘れられないためには「物語」を語るべき
ブランド構築は容易ではない
フリークエンシー(接触頻度)の効果
「認知」は必要か?
3-5 プロセス❹——Closing(締結する)
売れない理由は?
買う理由と買わない理由
クロージング❶——顧客を安心させる
クロージング❷——選択肢を絞る
クロージング❸——意思決定を簡単にする
クロージング❹——段階を踏ませる
3-6 プロセス❺——エンゲージメント
スマートフォンの普及と「つながる時代」
エンゲージメントの歴史
メールマーケティングと「スパム」メール
現代のメールマーケティング
MA(マーケティングオートメーション)とナーチャリング

part4 探しものはなんですか?——検索エンジンとSEO
4-1 検索エンジンの誕生とその歴史
Googleの誕生と覇権
4-2 SEOの基礎知識
SEOとは何か
SEOの必須用語
SEOが問題? Webサイトが問題?
検索スパム、ブラックハットSEOとは何か
4-3 SEOをはじめる
SEOの基礎❶——顧客にわかりやすいタイトルと説明を付ける
SEOの基礎❷——キーワード/クエリの選定
SEOの基礎❸——わかりやすいWebサイト構造とPLP
SEOの基礎❹——ページの速度を速くする
チェックポイント❶——検索順位とクリック率をチェックする
チェックポイント❷——読了率と滞在時間でコンテンツの質を確認する
チェックポイント❸——直帰率、セッション当たりページ数でUIを確認する
4-4 品質の高いコンテンツを作る
品質の高いコンテンツを作る❶——ページの目的を考える
品質の高いコンテンツを作る❷——コンテンツの種類を考える
品質の高いコンテンツを作る❸——Webページの外部評価について
品質の高いコンテンツを作る❹——ページ品質の評価とは?
品質の高いコンテンツを作る❺——YMYLについて
サマリー——高品質なコンテンツとは?
4-5 コンテンツマーケティング/オウンドメディアの立ちますけ方
コンテンツマーケティングとは
その媒体、本当に意味がありますか?
専門性の高いコンテンツとオウンドメディア

part5 つながり続ける時代に——ソーシャルメディアとモバイル革命
5-1 つながり続ける時代——ソーシャルメディアが変えたもの
ソーシャルメディアの誕生
ソーシャルメディアとユーザーデモグラフィック
5-2 インフルエンサー・マーケティング
インフルエンサーとは何か?
インフルエンサー・マーケティングの効果は?
5-3 Twitter、Facebook、Instagram、LINE——SNSの運用について
KPIの設定
SNSの特性を考える
❶オフィシャル型——スターバックス
❷ユーザーグループ型——良品計画
❸フリースタイル型——タニタ
❹カスタマーサポート型——ドミノ・ピザ
5-4 YouTubeと動画マーケティング
動画広告≠YouTube
Live vs 短時間動画——「生」のよさ
動画広告vs画像広告
動画の長さとサイズについて

part6 世界最強の広告ツール——リスティング広告
6-1 リスティング広告(検索連動型広告)とは何か
検索連動型広告の誕生
業界平均と比べてみよう
なぜGoogle広告は検索連動型広告の覇者となったのか?
SEOとリスティング広告の違い❶——短期間で流入をコントロールできる
SEOとリスティング広告の違い❷——広告文とランディングページをコントロールできる
SEOとリスティング広告の違い❸——「広告主=お客様」になる
6-2 リスティング広告の基礎の基礎
リスティングの基礎❶——キャンペーン構成を考えよう
リスティングの基礎❷——コンバージョンをセットしよう
リスティングの基礎❸——マッチタイプを考えよう
リスティングの基礎❹——無駄なものは除外しよう
リスティングの基礎❺——どんどん自動化していこう
Google広告とYahoo!プロモーション広告の違いとは?

part7 今、古きをたずね、新しきを知る——ディスプレイ・ソーシャル広告
7-1 バナー広告の歴史
バナー広告・ディスプレイ広告の誕生
アドフラウドとデータの重要性
7-2 媒体を選ぼう
Yahoo!と純広告
Yahoo!Japanとブランドパネル
DSPとSSP
リターゲティング/リマーケティング広告
7-3 Facebook/Instagram広告の基礎
Facebook広告の誕生とその意義
Facebook広告の特徴
Facebookクリエイティブの種類
Instagram広告は?
よりよい運用のために
7-4 Twitter広告の基礎
Twitter広告の種類
効果的な使い方

part8 成功するために失敗せよ——データ分析とA/Bテスト
8-1 なぜデータ分析はこれほど重要なのか
データ民主主義の時代
勘はあてにならない? テストしよう!
8-2 正しいデータを選択しよう
選手を買うのではなく勝利を買う
分析に必要な指標は何か
より深い指標で計測する(LTV/ROI)
フリークエンシー(購入頻度)で考える
どの指標にポテンシャルがあるかを考える
基準値を作る
数値を細かくする(チャンクダウン)
コンバージョン単価は下がれば下がるほどよい?
8-3 Google Analyticsの分析
アナリティクス分析の基本❶——期間で比較する
アナリティクス分析の基本❷——トラフィックで比較する
アナリティクス分析の基本❸——ユーザー属性で比較する
アナリティクス分析の基本❹——コンテンツで比較する
アナリティクス分析の基本❺——コンバージョンとアトリビューション
アナリティクス分析の基本❻——まとめてみる
よりよい分析のために❶——データ量を増やす/トライアル期間を作る
よりよい分析のために❷——統計的アプローチを学ぶ
よりよい分析のために❸——収集データを増やす

あとがき
索引

□本書に記載されている会社名、製品名などは、一般に各社の登録商標または商標です。本文中に™️、®️マークなどは特に明記しておりません。
□本書は情報の提供のみを目的としています。本書の運用は、お客様ご自身の責任と判断によって行ってください。本書の運用によっていかなる損害が生じても、技術評論社および著者は一切の責任を負いかねます。

遠藤 結万 (著)
出版社 : 技術評論社 (2018/9/14)、出典:出版社HP

知識ゼロからPV数、CVR、リピート率向上を実現! デジタルマーケティング見るだけノート

デジタル施策の基本とトレンドが2時間でわかる

あらゆるビジネスがオンライン化するアフターコロナ時代に必要なデジタルマーケティングの知識が網羅されています。SEOの歴史や、リスティング広告、PV数、CVR、UI/UX、MA、VRなど幅広く扱っています。知識がゼロでもイラスト図解で頭に入りやすく、すぐに使える知識が身につきます。

はじめに

テレワーク時代において
「デジタルマーケティング」は
すべてのビジネスパーソンに必須の知識である

みなさんは「デジタルマーケティング」という言葉を知っていますか?
本書を手にした方ならある程度、理解していらっしゃる方も多いと思いますが、その本質を本当に理解している人は少ないかもしれません。
「マーケティング」と聞くと、なんとなく何をするのか想像がつくかもしれませんが、そこに「デジタル」という言葉が入ってくると、途端に思考が停止してしまう…、という方が多いのではないでしょうか?

デジタルマーケティングとは、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなどのデジタル端末を介してインターネット上で行うマーケティング活動のことを指すと、一般にいわれます。
特にスマートフォンの普及によって、多くの人がオンライン上で情報に触れる回数や時間が大きく増加しました(現在では1日にスマートフォンを利用する時間は1人あたり約3時間が平均といわれています)。
そのような時代の潮流の変化を受けて、デジタルマーケティングは今注目を浴び、重要なマーケティング手法として取り入れる企業が年々増加しているのです。

ところで、意外と多くの方が、「デジタルマーケティング=自社のWebサイトを使ってのマーケティング」と誤解しています。
確かに狭義の解釈としては正しいのですが、本来デジタルマーケティングとは、より広範なデジタルメディアを活用してビッグデータを得る総合的な展開を意味するのです。

そこにおいては、Webマーケティングのように自社のWebサイトに隣接するデータだけではなく、口コミによる情報拡散に優れたTwitterやFacebook、LINEなどのSNS、設置場所の地域性を考慮した視聴者ターゲットの設定を行えるデジタルサイネージ、顧客データをデジタルで一元管理・利用できるポイントカード、どこでアクセスしたかといった位置情報なども含まれるのです。
加えて、ネットの情報からリアルな店舗へ顧客を誘導してネット店舗とリアル店舗とが連携するO2O(Online to Offline)を通じたアプローチも可能になります。そして、そのおかげで、最適なタイミングで最適なメッセージをピンポイントで送ることで、顧客ひとりひとりとより深い関係を構築することができるようになったのです。

現在では、デジタルネットワークは有機的に広がっています。
さまざまなシーンから顧客情報を集め、発信することができるようになりました。
その意味でデジタルマーケティングとは「デジタルデータ」を利用したマーケティングと再定義したほうがよいかもしれません。

コロナショックに端を発するリモートワーク推進で、対面営業が廃れ、EC(電子商取引)への移行がいよいよ本格化しています。
インターネット上で集客し、忠誠心の高いファンに育て、Web上でクロージング(成約=購買アクション)するための「デジタルマーケティング」の手法を学ぶことは、ビジネスパーソンにとって喫緊の課題です。
その意味で、インターネットを介して効率的に売上を最大化する「デジタルマーケティング」を学ぶことは、すべてのビジネスパーソンに合ったテーマといえます。

本書はデジタルマーケティングの「デ」の字も知らないような初心者の方でも理解できるように、豊富なイラストを用いて解説されています。
本書がみなさんのデジタルマーケティングのご理解の一助になることを、心から願っております。

Contents

はじめに

Chapter1
これだけは押さえておきたいデジタルマーケティングの基礎知識
01 そもそもマーケティングは何のためにある?
買いたい気持ち
02 デジタルマーケティングとは何か?
Webマーケティング、SNSマーケティング
03 マーケティングがデジタルにシフトすると何が変わるのか?
検索、SNS
04 デジタルマーケティングの特徴①「検索性」「双方向性」「即時性」
検索性、双方向性、即時性
05 デジタルマーケティングの特徴② ターゲティングとパーソナライゼーション
ターゲティングとパーソナライゼーション
06 デジタル時代の消費者の行動モデル「AISARE」
AIDMA、AISAS、AISARE
07 デジタルマーケティングのトレンドの変遷
メルマガ、アフィリエイト、SEO
08 デジタルマーケティングの基本は「集客→育成→商談」
集客、育成、商談
09 カスタマージャーニーとタッチポイント一顧客の消費行動を分解・予想しよう
タッチポイント、カスタマージャーニー
10 さまざまな業界における最新デジマ事例① Airbnb
UX、UI
11 さまざまな業界における最新デジマ事例② 日産自動車
可想化
12 さまざまな業界における最新デジマ事例③ メルカリ
匿名
13 さまざまな業界における最新デジマ事例④ 中村印刷所
Twitter、SNS
Column 覚えておきたい
デジタルマーケティング用語集①

Chapter2 競合サイトと差別化し、ライバルに勝つ
01 核を担うWebサイトの役割と種類
Webサイト
02 自社メディア(オウンドメディア)においては価値のあるキーワード選びが重要
オウンドメディア、キーワードコンテンツ、SEO
03 トリブルメディア戦略で顧客にリーチする
ペイドメディア、アーンドメディア
04 集客の種類を押さえて、トラフィック(流入)ポートフォリオを作る
トラフィック
05 デジタルマーケティングに欠かせない概念「SEO」とは何か?
SEO
06 SEOの歴史① ディレクトリ型検索エンジンからロボット型検索エンジンへ
ロボット型検索エンジン
07 SEOの歴史② 「ページランク」と「被リンクの数と質」がWebサイトでの影響度を決める
ページランク、被リンク
08 SEOの歴史③ 不正なSEO(ブラックハットSEO)の登場と撲滅対策
ブラックハットSEO
09 コンテンツSEOを充実させることでコンテンツマーケティングもうまくいく
コンテンツSEO
10 企業にも顧客にも利便性が高い「リスティング広告(検索連動型広告)」
リスティング広告
11 SEOとリスティング広告の違い
フレキシブル
12 ポータルサイトから自社サイトに顧客を流入させる
ポータルサイト
13 狙ったユーザー層に効果的に商品の魅力を訴求する「ディスプレイ広告」
ディスプレイ広告
14 成約率が非常に高いリマーケティング
リマーケティング
15 PV数とセッション数・ユーザー数との違い
PV数、セッション数、ユーザー数
16 直帰率が高くなる原因と改善方法
直帰率、回遊率
17 成果を出すWebデザインのポイント
Webデザイン
18 成果を出すWebライティングのポイント
Webライティング
19 Googleマップに店舗情報を掲載することで集客アップ
Googleマップ
20 拡張現実(AR)を用いたIKEAの戦略
AR
21 マーケティングにおけるVRの利点
VR
22 タイムリーな情報配信や印刷コスト削減を実現するデジタルサイネージ
デジタルサイネージ
23 効果的に見込み客を掘り起こす最新手法・ホワイトペーパー
ホワイトペーパー
Column 覚えておきたい
デジタルマーケティング用語集②

Chapter3
自社ブランディングで、見込み客をファンに変える
01 デジタルマーケティングにおけるリード育成のポイントとは?
リード(新規見込み客)
02 購買の動機付けとなるブランディングとは?
ブランディング、オンリーワン
03 低コストでブランディング実現させる「SNS」の力
バイラルマーケティング、インフルエンサー
04 無形商材のPRに有効!140字で企業の人格をPRするTwitter
Twitter、リツイート
05 クローズドな環境で信頼の情報を発信できるFacebook
Facebook、カスタムオーディエンス、類似オーディエンス
06 女性向けPRが有力!ビジュアルー直感的に購買を促すInstagram
Instagram、ビジュアルインパクト
07 現代版メルマガとして大規模会員組織を構築するLINE
LINE、国内最大
08 宣伝色を排したお役立ち動画でファンとの距離を縮めるYouTube
YouTuber、ロコミ効果
09 若年層向け商材のPRに最適!短時間CMのようなTikTok
TikTok、#チャレンジ
Column 覚えておきたい
デジタルマーケティング用語集③

Chapter4 思わずポチらせるCVの極意
01 最大の指標となるCVR(顧客転換率)とは?
CVR、コンバージョン
02 そもそもCVRが低い原因とは?
平均CVR1%
03 CVRが一気に上がるサイトの作り方
視線の動き
04 UI(ユーザーインターフェース)がCVRを決定づける?
UI
05 スムーズに購買まで完遂させるUX(ユーザー体験)とは?
UX、ユーザー体験
06 CVRを上げるランディングページのライティングの基本
読みたくなる、買いたくなる
07 CVRが激増したUI/UX改善事例① パナソニック
ヒートマップ分析
08 CVRが激増したUI/UX改善事例② クラウドワークス
情報の共有
09 何度もポチらせる!リピーター獲得のための施策
再訪率アップ
Column 覚えておきたい
デジタルマーケティング用語集④

Chapter5 より成果をあげるためのデータ活用法
01 IoTによるデータの活用が顧客体験価値向上につながる
IoT
02 IoTによるデータの活用の事例建機大手コマツ
ICT
03 ビッグデータを理解してマーケティングに利用する
4V
04 ビッグデータの活用事例① スシロー
ICタグ
05 ビッグデータの活用事例② ダイドードリンコ
アイトラッキング
06 ビッグデータの活用事例③ 城崎温泉
デジタル外湯券
07 顧客と良好な関係を保つためのCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)
CRM
08 CRMTロイヤルカスタマーを育成する
ロイヤルカスタマー
09 CRM導入の成功事例① 日産自動車
次世代ディーラーマネージメントシステム
10 CRM導入の成功事例② 昭和シェル石油
クラウド、カスタマーポータル
11 CRM導入の成功事例③ 靴の通販 ヒラキ
One to Oneメール
12 あらゆる活動を定量的に管理できるMA(マーケティングオートメーション)
MA
13 MAで見込み客の創出(リードジェネレーション)を行う
リードジェネレーション
14 MAで見込み客の育成(リードナーチャリング)を行う
リードナーチャリング
15 MAで見込み客の分類(リードクオリフィケーション)を行う
リードクオリフィケーション
16 MA導入の成功事例① キリン
PDCA
17 MA導入の成功事例② ベネッセホールディングス
レポーティング業務
18 MA導入の成功事例③ アンリツ
Face to Face
Column 覚えておきたい
デジタルマーケティング用語集⑤

Chapter6 Al×5G対応で変わるデジタルマーケティングのこれから
01 そもそも5Gとは何か?
5G、第5世代(5thGeneration)
02 5Gで変わるマーケティングの未来
高速・大容量化
03 5GがAIにもたらす影響
AI
04 AIを活用した「ダイナミックプライシング」
ダイナミックプライシング
05 運命の人と出会える?リアルタイムマッチングサービス
AIマッチング
06 さまざまな商品をシェアするシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミー
07 オンラインとオフラインを融合したOMO
OMO(Online Merges with Offline)
08 レコメンデーションを活用したマーケティング
レコメンデーション
09 顧客との一体感を生む動画のLIVE配信
LIVE配信
10 リアルとバーチャルが相互に影響しあう世界・MR
MR(Mixed Reality)
11 ドライバー不足を解消する隊列走行でコストダウン
隊列走行
12 ドローン配送とUGVで変わる流通ビジネス
ドローン、UGV
13 医療格差を解消するオンライン診療
オンライン診療
14 外部から遠隔操作が可能な介護ロボット
介護ロボット
15 5G・AI・4Kがもたらすセキュリティ革命
4K
16 デジタルマーケティングで変わる農業
顧客リスト
17 VRの活用で体験型授業が可能に変化する教育業界
体験型教育
18 金融(finance)と技術(technology)を組み合わせたフィンテック
フィンテック
19 テレワーク時代に変わるマーケティングのフレームワーク
オンライン営業
Column 覚えておきたい
デジタルマーケティング用語集⑥

用語索引
おわりに

デジタルマーケティング2.0 AI×5G時代の新・顧客戦略

15キーワード+50ソリューション

AI × 5G時代の新しい顧客戦略モデルが全て図解されています。次世代モデルにおける15のキーワドと業種・機能別の50のソリューションについて紹介されています。情報化社会において、AIなどの技術をどのように活用していくことができるのかを考えるきっかけを与えてくれます。

安岡 寛道 (著), 稲垣 仁美 (著), 木ノ下 健 (著), 松村 直樹 (著), 本村陽一 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/21)、出典:出版社HP

はじめに

マーケティングのモデルは常に進化を求められている。進化を迫る大きな要因は、新しい技術である。利用者に快適な体験を提供するアプリケーションやインターフェースの導入、それに合わせたバリューチェーンの変更などは、マーケティングの永遠の課題だ。これから当面の間、対応が必要な最重要ファクターは、AIと5Gであろう。では、Al×5Gの時代には、どんな進化が起きる可能性があるのか。例えば、「魔法の鏡」が登場し、スマホ並みの必需品になるかもしれない。鏡に顔を映し出すだけで肌の状態が分析され、見えないシミやしわなども含めて肌の状態をチェックした上で、最も美しく見えるメイクの方法をミラー上でシミュレーションしてくれる。シミュレーションしたパターンの中から、その日のお出かけ先や服装などに応じて、最適メイクを選べるようになる。

さらには、その最適メイクを「貼るだけ」で実現するメイクアップシート(化粧品が染み込んだ薄膜シート)を「印刷」できるようになる。メイクアップシートの印刷は、シミの位置や大きさや濃さを正確に捉える画像処理技術、化粧顔料をインクジェットで扱えるようにする材料科学の技術、そのインクを使って肌の色を正確に再現するプリンターの技術など、様々な技術によって実現する。こうなると、メイクは「塗る」ではなく「貼る」ものになる。
そして「魔法の鏡」の機能は、スマホやタブレットに搭載され、あなたの執事となり、外出先などでも利用できるようになるかもしれない。「スマートミラー」と「メイクアップシート」というアイデアは、夢物語ではない。既にパナソニックによって開発が進められている「スノービューティーミラー」など、実用化に向けた段階に入りつつある商品もある。

Al×5Gが普及する時代は、このような新しいマーケティングのモデルが次々に出現し、競い合うことになるだろう。その中で、人々に受け入れられ、社会に定着していくものは何か。そのヒントを提供するのが本書の狙いである。本書では、AIと5Gが普及する時代のマーケティングのモデル(ソリューション)を、〈業種別〉と〈機能別〉に解説していく。

※1:「マーケティング」の定義は時代によって変遷し、プロダクト〜関係性~社会志向へと、より広い概念になってきた。いずれにせよ、「売れる」ようにするための顧客視点の発想、仕組み作りである。つまり、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、頭客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客面直を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを主に指す。

Al×5G時代のキーワード
Al×5G

7つの主要コンセプト
リアルタイムマッチング
コラボレーション/シェアリング
lot/セルフ化による自動化
パーソナライズ/カスタマイゼーション
ダイナミックな需要予測/プライシング
MR化/ライブ化
OMOのレコメンデーション

8つの補完コンセプト
XaaS
X-Tech
スコアリング/信用価値算定
アバター/エージェント化
マルチデバイス化
シームレス決済
スマートミラー活用
スマートシティ化

安岡 寛道 (著), 稲垣 仁美 (著), 木ノ下 健 (著), 松村 直樹 (著), 本村陽一 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/21)、出典:出版社HP

もくじ

PART1 Al×5Gで何が変わるか?
・顧客行動と事業活動のシンクロ
・5Gで何が変わるか?
・AIで何が変わるか?
・Al×5Gで何が変わるか?

PART2 Al×5G時代のキーワード
・7つの主要コンセプトと8つの補完コンセプト
・7つの主要コンセプト
1 リアルタイムマッチング
2 コラボレーション/シェアリング
3 IoT/セルフ化による自動化
4 パーソナライズ/カスタマイゼーション
5 ダイナミックな需要予測/プライシング
6 OMR化/ライブ化
7 OMOのレコメンデーション
・8つの補完コンセプト
1 X aas
2 X-Tech
3 スコアリング/信用価値算定
4 アバター/エージェント化
5 マルチデバイス化
6 シームレス決済
7 スマートミラー活用一
8 スマートシティ化

PART3 業種別ソリューション
1 小売店
OMOが高精度化
店舗の運営コストは半減
2 百貨店・GMS
ショールーミングを収益化
データをもとに商品をプロデュース
3 アパレル
「見えなかった顧客の行動」を可視化
AIで店内レイアウトを最適に
4 飲食店
スマホが「顧客のエージェント」に
需要予測や食材調達はダイナミック化
5 スポーツ・エンタメ
5Gで未体験ライブ動画を提供
試合結果に応じてリアルタイム販促
6 アミューズメント施設
遊園地とスマホのゲームがつながる
「行列の待ち時間」をブロックチェーンで売買
7 ホテル・鉄道・航空
空室状況に応じて価格設定
MaaSの延長として商品やサービスも提供
8 インバウンド観光
「Al添乗員」が観光案内
スマホで撮影すると解説情報を表示
9 出前・デリバリー
ギグワーカーが配達員として活躍
状況に応じて需給をコントロール
10 タクシー
AIの需要予測で配車を最適化
空港に向かう車内でチェックインも
11 宅配便
配送の場所・時間・方法を最適マッチング
コストを反映した選択肢を提示
12 ガソリンスタンド
「監視」「給油許可」をAIが代行
EVへの対応と地域の拠点化で大変身
13 携帯電話サービス
家電製品や公共施設との連携が拡充
シームレスなサービス提供者として進化
14 教育サービス
アダプティブラーニングが主役に (塾・予備校)
「やる気」と「好奇心」を高める
15 外国語会話教室
世界中のネイティブ教師とマッチング
「受講券の余りはブロックチェーンで転売
16 サービス業(マッサージ、クリーニングなど)
サービスの品質をアルゴリズム判定
プラットフォーマーが事業者を認定
17 美容 (スキンケア・メイクアップ)
「魔法の鏡」でメイクのシミュレーション
「貼るだけできれいになるシート」を印刷
18 健康管理サービス
食事の画像から栄養データを分析
IoTデバイスと連携し異変を検知・助言
19 福祉・介護
高齢者を「仲良しマッチング」
医療施設とテレビ電話でつなぐ
20 医療機関
「どこでもマイ病院」を実現
マイナンバーカードと連携して販促
21 警備(一般顧客向け)
画像パターン分析で不審者に対応
避難誘導などのサービスも提供
22 自動販売機
生体認証の決済が可能に
健康管理と連動したサブスクも登場
23 駐車場
ドライバーの行動を予測して「つぶやく」
IoT化でプロモーションの基地に
24 自動車
MaaS型のサービスへ進化
地方の移動手段として自動運転推進
25 家電製品
情報家電化が加速度的に進行
レンタルや残価設定ローンも一般化
26 受注生産品 (住宅や自動車など)
VRシミュレーションで商品提案
注文した商品の完成までをライブ配信
27 エネルギー機器
設備の稼働状況をIoTモニタリング
スマートシティのシステムを構築
28 電力システム
需給に合わせるデマンドレスポンスが広がる
EVを蓄電池として利用へ
29 農林水産業
ドローンなどを使って「無人栽培」
需給バランスの最適調整が実現
30 損害保険
顧客のリスクに応じてパーソナライズ
月会費型のビジネスモデルも広まる
31 生命保険
個人のライフログをもとに保険を設計
生命保険会社が情報のハブに
32 金融(個人向け融資)
「個人情報」が「信用情報」に進化
強制的な返済条件付き融資が普及
33 金融(法人向け融資)
AIが信用力を算定
小規模資金調達が容易に
34 資産運用
メルカリ効果で投資対象が拡大
プラットフォーム企業もサービス提供
35 不動産仲介
ライフスタイルに応じて物件提案
スマートシティの運用を担う存在に
36 経営コンサルティング
属人的な知識と経験をデータで補う
多様なリアルタイム調査をもとに助言
37 セミナー・講演
受講者の興味をAIが予測
講師発掘などのマッチングも精緻化
38 公共サービス (社会保障、税務)
同意を得た個人に紐付くデータも活用
社会的コストを下げて「安全安心」に

PART4 機能別ソリューション
39 商品企画・開発
優秀な開発担当者の不足をAIが補う
3Dプリンターで商品化のスピードアップ
40 物流
AIで分析して「ヒヤリハット」の事故防止
人手不足対策の自動運転化も進む
41 販売企画・検証
顧客・棚割り・商品のIDを紐付け
プロモーションを最適化
42 広告制作
広告コピーをAIが作成
ユーザー別に最適の訴求案を提示
43 販売促進
リアルとデジタルの境界が消失
あらゆる顧客接点がプロモーションの場に
44 ポイント・クーポン・決済
最適の支払い手段を自動選択
SNS上の仮想通貨での決済も可能に
45 コールセンター
フォロー体制が高度化
要望とリソースを最適マッチング
46 カスタマーサポート
対応の自動化が進んで適切デバイスへ
顧客からの情報を画像・音声・動画で収集・活用
47 ユーザー検証(アンケート)
行動観察などのデータ収集が重要に
直感的な感想なども広く収集
48 顧客情報管理
個人データの「活用」と「保護」
代行事業者が台頭し行政とも連携
49 経理・財務
出張の「経済効果」をAIで分析
戦略提案部門としての役割が高まる
50 人事
昇進・昇格をAIが判定
「AI対応力」が評価の重要項目に

PART5 デジタルマーケティング2・0の思考法
・サイバーフィジカル化する社会の改善ループを回す
[スマホ普及0年、次にやるべきことは?] [雨の休日に来店する顧客は誰か?] ・デジタルマーケティング2.0を実現する2つのポイント
[イメージ創出の発想] [「それでも残る課題」への対応]

さいごに
謝辞
参考情報

安岡 寛道 (著), 稲垣 仁美 (著), 木ノ下 健 (著), 松村 直樹 (著), 本村陽一 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/21)、出典:出版社HP

デジタルマーケティングの実務ガイド

理論ではなく業務の体系を

デジタルマーケティングの理論や概念はわかるけど、実践の仕方がわからないという方におすすめの1冊です。どのように業務を設計していけば良いのか、具体的な手引きがよくわかります。初学者だけでなく、実務をある程度経験した方のブラッシュアップの手引書としてもおすすめです。

井上大輔 (著)
出版社 : 株式会社宣伝会議 (2018/4/22)、出典:出版社HP

CONTENTS
デジタルマーケティングの実務ガイド

1章 はじめに
1.1 なぜ「実務ガイド」なのか
1.2 本書の使い方
1.3 デジタルマーケティングを定義する

2章 デジタルマーケティングのSOW (スコープオブワーク)を定義する
2.1 スコープの定義は、
デジタルマーケティング業務設計のはじめの一歩
2.2 SOWを定義する
章末コラム
マーケティングはもはや組織の一機能ではなく、一つの思想である

3章 年間計画を策定する
3.1 戦略の定義
3.2 チームを編成するエージェンシーを選定する
3.3 マーケティングツール投資の計画を立てる
3.4 オウンドメディアの企画・運用
章末コラム
あらゆる「メディア」が終焉を迎えるとき、企業コミュニケーションの形が変わる

4章 キャンペーン(プロジェクト)を企画・実行・レビューする
4.1 カスタマージャーニーの位置づけ
4.2 カスタマージャーニーを作成する
4.3 キャンペーンのKPI設定・予算配分
4.4 ブリーフィング資料を作成する
4.5 メディアプランの策定
4.5.1 なぜ広告主にメディアの知識が必要か?
4.5.2 デジタル広告の分類に共通認識を持つ
4.5.3 ブランドセーフティーについて共通認識を持つ
4.5.4 ビークル選定・運用方針
4.6 クリエイティブプランの作成
4.6.1 コンテクストの管理
4.6.2 クオリティーの管理
4.6.3 プロジェクトマネージメント
4.7 キャンペーンの効果測定
4.7.1 効果測定総論
4.7.2 効果測定各論
章末コラム
カスタマージャーニーよさらば

5章 人材管理・社内調整
5.1 採用・教育
5.2 社内調整
章末コラム
生産性が低い現場のミーティングで起きていること

おわりに

井上大輔 (著)
出版社 : 株式会社宣伝会議 (2018/4/22)、出典:出版社HP

1章 はじめに

1.1 なぜ「実務ガイド」なのか

「マーケティングの4P」だったり「AIDMA/AISAS」だったり、マーケティングの教科書を開くと、マーケターは様々なフレームワークに出くわします。そういったフレームワークが「なるほどな」と腑に落ちたとして、それではその後皆さんの実際のマーケティング業務が具体的に変わったということは、これまであったでしょうか。否、ではないでしょうか。なぜか。それは、それらがあくまでマーケティング「理論」の体系であり、「業務」の体系ではないからです。どういうことでしょうか?例え話を使って説明します。
マーケターになるのにライセンスは不要ですが、医者になるには必要です。では、仮に、医者になるのにも免許は不要だったとします。皆さんが医学を志していると仮定して、近所には医学書が充実している図書館があるとします。さて、優れた医者になるために、皆さんはどんな勉強をするでしょうか。
まずは、医者たるもの、病気の発生メカニズムを把握する必要がありそうです。例えば、糖尿病というのは、膵臓のランゲルハンス島にあるB細胞で作られるインスリンというホルモンが、何らかの原因でうまく分泌されないことにより引き起こされるそうです。これは理論の体系である基礎医学の話です。

しかし、このような病気の発生メカニズムを把握していても、実際に糖尿病を罹患した人を治療することはできません。「うーん、これはランゲルハンス島のB細胞に問題がありますね」などと言われても、患者さんはただひたすら困惑するだけでしょう。
感には、病院のお医者さんは、症状や検査の結果から病名やその類型を伝説を立てた上で適切な治療法を選択します。「血液検査の結果が出ました。初期の2型糖尿病が疑われるので、食事療法と運動療法から始めすみましょう」などとなるわけです。これが実務の体系である臨床医学です。このように、医学には、基礎医学と臨床医学という2つの体系があります。
大図書館の医学書フロアーの糖尿病コーナーには、基礎医学(発生の仕組みなど理論の体系)の教科書があると同時に、臨床医学(どう診断し治療するか?という実務の体系)の教科書もあるのです。医者になるには、この2つの知識体系が必要です。
マーケティングやデジタルマーケティングの世界では、この2つが明確に区別されていません。その上で、大半の教科書・解説書は、ここでいう基礎医学的な「理論の体系」を主に扱っています。認知して、想起して、選択肢に入れ、購入して、リピートし、推奨する。これは消費行動のメカニズムです。それでは、そのメカニズムを、私たちマーケターは今日・明日の業務に実際どう活かしていけばいいのでしょうか。あるいは全世界、全業界を一般的に論じた抽象論を、特定の地域の特定のマーケットを相手どった自分の日々の業務に翻訳していくにはどうすればいいのでしょうか。大半の教科書・解説書には、例え初心者向けのものであっても、その答えは書いてありません。なぜなら、それらはやさしく噛み砕かれているとはいえ、マーケティング「理論」の体系だからです。

教科書・解説書のもう1つの類型は、事例の紹介です。事例は好まれがちですが、実際に他社の事例を学んでそれを自らの業務に活用できたことは、これまでどれくらいあったでしょうか。事例は実務の話ではありますが、それゆえ、基礎医学的な理論に辟易した読者には好まれるのでしょうが、そこに体系はなく、多くは個別具体的な状況においてのみ意味を持つものです。「私は糖尿病を乾布摩擦で治した」という事例を聞いて真似をしても、それが自分のケースにもあてはまるという保証は全くありません。
マーケティング実務家にとって今日、明日の業務を行う上で本当に必要なのは、この「理論の体系」「体系のない事例」のいずれでもなく、「実務の体系、なのです。これこそまさに本書で紹介していくものです。実務の体系と理論の体系は全く別のものというわけではなく、実務の体系は理論の体系を下敷きにしています。例えば、本書で紹介する知識の1つに、「コンテクスト管理シート」というものがあります。ウェブページなどを作成する際に、「どこから来た」「誰に」「何をしてもらうか」というコンテクスト(文脈)を整理することで、的外れなものを作ってしまわないようにする手法です。この「誰に」を決める際、「認知しているけど想起してくれない人」などと定義しますが、ここに理論の体系である「消費行動のメカニズム」が活用されています(本件はあとで詳しく説明しますので、ここでは「理論」と「業務」のイメージの違いだけをおさえてください)。

本書で紹介していくのは、まさにこういった実践的なツールです。デジタルマーケティングに関して、担当者として、あるいは責任者として、具体的にどのように業務を設計し進めて行けば良いのか。その手引きとなるべき知識です。本書を活用すればこれらを体系的に理解することができます。つまり、1つ1つの業務を相互に関連するものとして、全体の中での位置づけを明確にしながら把握することができます。マーケティング理論については深入りは避けますが、あまり一般的ではない用語・概念には、本書の内容を理解するのに必要な範囲で解説を加えています。その他の難解なビジネス用語や、デザイン・ウェブ開発・統計などの専門用語とあわせて、初掲の際に下線をつけた上で巻末の用語集で解説していますので適宜参照してください。
本書は、企業のデジタルマーケティング責任者はもちろん、その責任者の下につく担当者、あるいは責任者を管理する立場の上級マネージャーを主な読者として想定していますが、それらの人に提案する立場のエージェンシーの皆さんにもぜひ活用してもらいたいです。業務プロセスの設計まで提案することができれば最強のパートナーになれるでしょうし、本書を通じてクライアント業務の「裏側」を垣間見ることで提案の精度もさらに向上します。
最後に、「読者」と書きましたが、本書は「読む」ものではなく「使う」のです。本書のサブタイトルに「ハンドブック」という言葉を入れたのもこのためです。一読したあとは常にデスクの上に置いて、折に触れ参照しなながら実務を設計してもらうことを想定しています。本書を皆さんの仕事の友として、毎日書き込み顧みる手帳のように使い潰してもらえれば、筆者としては存外の喜びです。

1.2本書の使い方

本書では、2章「デジタルマーケティングのSOW(スコープオブワーク)を定義する」で「そもそもデジタルマーケティングとは何であるか」という大前提を整理し、3章「年間計画を策定する」で前年度末までに整理するべき年間計画の策定方法を論じ、4章「キャンペーン(プロジェクト)を企画・実行・レビューする」で具体的なキャンペーンの企画・実行方法を解説していきます。最後に5章「人材管理・社内調整」では、年間計画よりさらに息の長いテーマを取り扱っています。日常のマーケティング業務に明確な「始まり」も「終わり」も「順番」もないように、本書はどこから読み始めても問題ありません。それ以前に説明された内容には必ず索引をつけているので、理解できていないことがあればその項目のみを参照してから、また読んでいた章に戻って先を読み進めることができます。特に、3章「年間計画を策定する」は、実際に作業を遂行するタイミングは年度末に近いタイミングになり、今すぐに実行できない、あるいはする必要がないということもあるでしょう。その場合は、章ごとスキップして4章以降を読み進めてください。同じことは各チャプター(この章でいうと「なぜ『実務ガイド』なのか」「本書の使い方」などの小項目を、本書ではチャプターと呼んでいます)にも当てはまります。例えば4章「キャンペーン(プロジェクト)を企画・実行・レビューする」の「メディアプランの策定」「クリエイティブプランの作成」「キャンペーンの効果測定」などの各チャプターは、それだけ個別に読み進めても実践できる内容になっているので、特に困っていることがあればそこから読み始めることもできますし、一通り通読したあとで業務上の課題に応じて個々のチャプターを再度ピンポイントで参照することも可能です。

「また、本書では、サービスやメディアなどの固有名詞を極力記載しないようにしています。1つには、サービス選定・メディア選定において読者にバイアスがかからないようにするため。また常にアップデートされ続けているメディアやサービスの詳細と記載内容に食い違い=読者の誤解が生じないようにするためです。例えば、「プライベートDMP」を説明する際に、本書では具体的なプライベートDMPのサービス名を列挙するようなことも、特定のサービスを取り上げてそのスペックを解説するようなこともしていません。具体的にどのようなサービスがあるのかを確認したい場合は、本書に記載されている用語で検索すれば主要なベンダーが一覧できますし、多くの場合、サービスを比較した記事やブログも複数参照できます。もちろん馴染みのエージェンシーに問い合わせることも可能ですが、その場合は、当該エージェンシーが資本関係や提携関係を持つサービス・メディアがあれば、必ずその旨明示してもらうように注意しましょう。動画プラットフォームのYouTubeなど、カテゴリーのうちいくつかの固有のサービス、という状況で、具体的な説明をするためには固有名詞に言及せざるを得なかったケースもいくつかあります。そのようなケースでは特に、またその他具体的なサービス名・メディア名には言及していない場合でも、本書に記載されている情報は出版時現在のものであることに留意し、実際に皆さんが利用を検討しているメディアやサービスに固有の最新情報は、必ず各社に確認するようにしてください。

本書は「臨床マーケティング」の本ですが、各章末には「基礎理論マーケティング」を論じた章末コラムを収録しています。章末コラムは、AdverTimesで筆者が連載しているコラムの中から、各章で論じた内容と関連の深いものをピックアップした上で一部加筆・修正したものです。手元の業務ばかりに目線を合わせていたのでは時に考えが行き詰まってしまいますし、そうなると本書の理解も進みません。章末コラムは、そういう意味で視点を切り替え、頭をリフレッシュするという意識でお楽しみください。

1.3デジタルマーケティングを定義する

「デジタルマーケティングなるものは存在しない。デジタルとそれ以外のマーケティングを分けるのは、デジタルがあらゆるタッチポイントや業務領域と不可分に接続した今日、もはや無意味である」最近ではそういった議論も盛んですが、現実的には、デジタルマーケティング某というタイトルで仕事をしている人はたくさんいます。デジタルマーケティングを冠するチーム、部署、会社も枚挙に暇がありません。この本を手にとっているということは、皆さんもそんな中の一人、そんなチームや部署や会社で日々汗を流している一人である可能性が高いわけで、理想はともあれ「デジタルマーケテイングだけを論じることは無意味だ」と切り捨ててしまっては何も始まりません。皆さんの現実は何も変わらないのです。

突然ですが、中学校の社会科で「三権分立」というのを習ったと思います。国家権力というのはとても強大なので、立法、司法、行政の3つに分断して、それぞれを別の機関に担わせることで、国家の暴走にブレーキをかけようというコンセプトです。立法とはすなわち国会で、その役割は法律を作ることです。司法は裁判所で、国会が作った法律を政府や国民、あるいは国会自体がしっかりと守っているかどうかを監視する機能です。それでは行政は?
この行政の定義というのが意外と難しく、現在行政学の世界で通説的な考え方になっているのが、「国家機能のうち司法と立法を除いたその他全部」というものです。なんだか投げやりなようですが、「控除説」などという立派な名前もついたれっきとした学説です。そして、くどいようですが、これが通説なのです。
デジタルマーケティングの定義について、本書はこの「控除説」を採っています。デジタルマーケティングとは、「マーケティング活動のうち、明らデジタルではないものを除いたその他全部」です。一見とても投げやりですが、それ以外には定義のしようがありません。

「例えば、新聞広告は明らかにデジタルではありません。テレビ、雑誌、ラジオ広告も然りでしょう。では、ソーシャルメディアやウェブ上の企画と連動させたテレビ広告は?スマホのARアプリで見るインタラクティブ(双方向の)な雑誌広告は?これらには、ぜひともデジタルマーケティング担当の関与が必要です。デジタルマーケティング担当が主導していても不自然ではないでしょう。ゆえにこれらは一義的にはデジタルマーケティングの範疇に含めて考えるべきです。
控除説を採ると、デジタルマーケティングの守備範囲は広大になります。機能別、ブランド別、あるいはブランド別と機能別のマトリックス、どのようにマーケティング組織を切っても、デジタルマーケティングは全てのチームを横断する機能になります。次の章では、まずこのようなものとしてデジタルマーケティングを理解した上で、「では、この会社におけるデジタルマーケティングとは、具体的に何と何を担当し、何と何は担当しないのか」と、デジタルマーケティングチームのSOWを明確にしていきます。このSOWの定義こそ、まさにデジタルマーケティング業務設計のはじめの一歩です。これが明確でないと、誰も幸福にならない他部署とのコンフリクトが定常的に発生するばかりか、戦略もKPI(キー・パフォーマンスインディケーター)も年間計画も設定できません。

井上大輔 (著)
出版社 : 株式会社宣伝会議 (2018/4/22)、出典:出版社HP