コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か

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コロナ危機と社会意識との関連を学ぶ

新型コロナウイルスは現在でも世界中で猛威をふるっており、各国で様々な対応がされています。本書では、新型コロナにおける世界や日本での経緯と対策を概観し、コロナ危機と社会意識の関連を論じていきます。コロナ危機の検討を通じて、有事に現代的な不安といかに向き合うべきかを考えることを期待しています。

西田 亮介 (著)
出版社 : 朝日新聞出版 (2020/7/20)、出典:出版社HP

目次

序章 感染の不安/不安の感染
感染症の猛威と「不安」
自然災害に比べ経験不足だった感染症対策
「管理できないもの」というリスク
世界的流行の始まりと「小休止」まで

第1章 アウトブレイクの経緯
中国からアジア、世界の危機へ(19年12月~20年1月)
WHOが緊急事態を宣言。中国は春節へ
日本政府、感染症の発生をいち早く認知し対応
補血:感染症を社会学から考える
全国一斉休校、総理が初会見 (20年1月31日~)
“小規模”な印象を与えた日本の経済対策
専門家会議が発足
2月27日、一斉休校の速報が流れる
国内感染拡大、パンデミック宣言(20年3月1日~)
マスクを求めて連日の行列
WHOが「制御可能なパンデミック」と認定
新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正へ
小池百合子都知事の「ロックダウン」発言
緊急事態宣言に向けて、高まる待望ムード

第2章 パンデミックに覆われた世界
緊急事態宣言。総動員的自粛へ(20年4月1日~)
一変した新年度の風景
4月7日、緊急事態宣言が粛々と発出
「ニュー・ノーマル」「新しい生活様式」の模索
補論:国によって異なる出口戦略の志向性
宣言の解除と新しい生活 (3年5月1日~)
前倒し解除で再開する日常

第3章 コロナ危機の分析
混迷するメディアと社会意識
最初の総理会見は遅かったのか
メディアによって増幅する不安
自粛を余儀なくされた湘南の海
感染拡大によって生じた問題
「迅速な」初動と「遅れた」WHOの判断?
繰り返し呼びかけられた「通常の対策」
ダイヤモンド・プリンセス号の混乱と「不評」
新型インフルエンザの忘却と反復
新型インフルエンザが国内で発生
感染拡大の反省から特措法立法へ
過去にも実施された学校休業
インフォデミックという新しい問題
賛否両論を呼んだ「実名反論」
「耳を傾けすぎる政府」
与野党ともに進むSNS利用
重なった政治スキャンダル
耳を傾けすぎた結果、残された禍根

第4章 新しい冗長性の時代
突きつけられた、古くて新しい問い
良識的な中庸はいかにすれば可能か
社会に求められる。新しい冗長性
イノベーションの源泉は余剰と余力

おわりに

参考文献

ブックデザイン
遠藤 陽一 (DESIGN WORKSHOP JIN Inc.)
図版作成
川添 寿 (朝日新聞メディアプロダクション)

西田 亮介 (著)
出版社 : 朝日新聞出版 (2020/7/20)、出典:出版社HP