これから始める人の簿記入門

【最新 – 簿記を初歩から理解するためのおすすめ本 – 知識ゼロから簿記を学ぶ】も確認する

楽しみながら簿記が学べる

「簿記とは何か」から始まり、仕訳や決算のおおまかな流れまで説明されています。イラストや漫画が使われているため、スラスラと簿記3級の基礎を固めることができます。初心者の方はもちろん、途中で断念してしまった方や復習をしたい方にもおすすめの入門書です。

佐々木 理恵 (著)
出版社 : 新星出版社 (2013/11/1) 、出典:出版社HP

はじめに

これから簿記の勉強をはじめようと思っている、あなたへ。

きっと不安なこともあるでしょうね。でも、安心してください。
この本を読むかぎり、簿記がむずかしいと感じることは、いっさいありません!読み終える頃には、あなたの不安は吹き飛んでいます!

あなたはなぜ、「簿記を学ぼう」と思ったのでしょうか?
理由はいろいろあるでしょう。でも、とにかくこの本は、「簿記とはどんなものか」を手っ取り早く知りたい人のために、スラスラ読めて、しっかりと簿記の初歩が身につくようになっています。
だから、心配はいりません。安心して、読み進めていってください。

それでも、半信半疑な人もいるでしょうね。
例えば、「数字アレルギー」の人!
「簿記には、数字がたくさん出てくるから、算数や数学が苦手だった自分には、きっと理解できない…」と思っている人。
じつは私も、簿記の勉強をはじめるまでは、そんなふうに思っていました。
でもね、それはちょっと違います。
簿記は、算数でも数学でもありません。

簿記とは、「お金の計算」です。

「今日は給料日だから、○○円入る」
「昨日、クレジットカードをつかって、○○円の洋服を買った」
「明日はマンションの家賃○○円と電気料金○○円が、銀行口座から自動引き落としされる」…。

そんな、あなたがふだんの生活の中でしている、「お金の計算」です。
数字には興味がなくても、お金の計算となれば、興味がわいてきませんか?

実際に、お金の計算=簿記の知識があれば、毎日の生活の中でとでも役に立ちます。
簿記の知識が必要なのは、会社の経営者や、経理担当者だけではありません。本当は、だれもが身につけておきたい知識なのです。
だって、だれにとっても、お金はとても大事なものですからね。

ただ、簿記にかぎらず、新しいことを勉強するというのは、気が重いものですね。
聞きなれない用語や、覚えなくてはならないルールが次々と出てきて、それがイヤで、途中であきらめてしまう人もいるでしょう。

私だって、簿記の勉強をはじめたばかりの頃は、簿記のテキストを開いたとたんに、アタマの中が混乱してしまったものです。
でも、「途中であきらめたら、もったいない!」と自分をはげまして、少しずつ、少しずつ勉強を進めていくうちに、だんだんと「あっ!これってこういうことだったんだ」と、わかるようになっていったのです。

その経験をもとに書いたのが、この本です。
ですから、これからはじめて簿記を勉強するあなたにとって、「ここでつまづきそうだ」「ここが壁になりそうだ」と思われるポイントは、先回りしてしっかりとおさえ、やさしく解説しています。

新しく、ゼロからスタートする人はもちろんのこと、途中で断念してしまった簿記を、もう一度勉強し直したいという人にとっても、本書は楽しく、わかりやすく読める入門書になっています。

本の中では、私も「まさえ先生」として登場しますよ。
さあ、一緒に、気軽に楽しく学んでいきましょう。

税理士 佐々木理恵

本書は、2014年1月現在の会計基準、法令等をもとに解説しています。

佐々木 理恵 (著)
出版社 : 新星出版社 (2013/11/1) 、出典:出版社HP

目次

はじめに

プロローグ 簿記ってどんなもの?
1 あなたの人生が変わるかも!? たのしい簿記の世界へ、ようこそ!
●簿記ってホントにおもしろい。ハマります!
●お金の動き、流れって、わかるとすごくおもしろい!
2 「毎日10分で、できちゃった!」 大事なのは続けることです
●勉強は「ものたりない」くらいがちょうどいい
●自分のやりかた、自分のペースでいいんです
3 おこづかい帳を思い出すことからはじめます
●「なにを」と「いくら」を知ることが大事です
4 家計簿になると、ちょっぴり簿記らしくなります
●やっていることは、おこづかい帳と変わりません!
●あなたも金銭感覚をみがきましょう!
5 会社の“家計簿”は、うちの家計簿とは違います!
●うちの家計簿は「1つだけ」だからわかりやすい
●会社の“家計簿”は、お金を「2つの面」から見ます
6 「家賃を払った」を2つの面から見てみると?
●「おサイフからお金が出ていった」と、もう1つ…
●むずかしそうなことができてしまうから楽しい!
7 どうして、面倒な簿記をやるのでしょうか?
●それは、どうしても知りたいことがあるからです
●簿記は決算書をつくるための技術です
8 決算書の中身はこうなっています!
●あらわされていることが5つあります
9 電車賃、携帯代、ジュース代は別の呼び方になります
●家計簿よりも、あらたまった言い方をします
10 取引なのに、取引ではないものがあります!
●契約書にサインしても、それは取引ではありません
11 取引が発生したら仕訳をします
●勘定科目と金額を、2つの欄に記入します
12 では実際に、仕訳を1つやってみます
●「複式」の意味を思い出しましょう
13 富士山でいうと、もう五合目まで来ました!
●ひとまず知ってほしいのは、ここまでです。楽勝でしょ!

第1章 貸借対照表ってなに?
1 会社の財産が、どれだけあるかがわかります
●プラスだけじゃない。マイナスの財産もあります
●左側と右側でバランスがとれています
2 資産は将来、お金になるものです
●資産の勘定科目にはなにがある?
3 負債は将来、お金を払わなくてはならないものです
●負債の勘定科目にはなにがある?
4 純資産は、資産と負債の差額です
●純資産の勘定科目にはなにがある?
[コラム] 勘定科目はペアで覚えよう

第2章 損益計算書ってなに?
1 会社のもうけが、どれだけあるかがわかります
●1年間の経営成績をあらわします
●費用は借方、収益は貸方に書きます
2 収益は、会社の財産を増やすお金です
●収益の勘定科目にはなにがある?
3 費用は、収益をあげるためのお金です
●費用の勘定科目にはなにがある?
[コラム] 損益計算書の様式は2つある

第3章 これさえわかれば仕訳はOK!
1 仕訳のときは、2つの表を思い浮かべます
●カギになるのは貸借対照表と損益計算書
●覚えなくてもOKですが…「仕訳のルール」とは?
2 仕訳がすんだら終わり、ではありません!
●仕訳の結果は、仕訳帳に記入します
●仕訳帳の内容は、総勘定元帳に転記します
[コラム] 勘定科目の「相手科目」とは?

第4章 仕訳のレッスンをしよう
おもな勘定科目
1 資産が増えたら、借方(左側)に記入します
◆普通預金の仕訳
◆売掛金の仕訳
◆受取手形の仕訳
◆貸付金の仕訳
◆備品の仕訳
2 負債が増えたら、貸方(右側)に記入します
◆買掛金の仕訳
◆支払手形の仕訳
◆借入金の仕訳
◆未払金の仕訳
◆預り金の仕訳
3 純資産が増えたら、貸方(右側)に記入します
◆資本金の仕訳
◆資本準備金の仕訳
◆繰越利益剰余金の仕訳
4 収益が発生したら、貸方(右側)に記入します
◆売上の仕訳
◆受取利息の仕訳
◆売上返品の仕訳
5 費用が発生したら、借方(左側)に記入します
◆仕入の仕訳
◆旅費交通費の仕訳
◆接待交際費の仕訳
◆通信費の仕訳
◆租税公課の仕訳
◆水道光熱費の仕訳
◆消耗品費の仕訳
◆仕入返品の仕訳

第5章 決算ってなに?
1 簿記の最終ゴールまでの道のりを見てみましょう
●決算に向けて毎日、毎月、期末にすることは?
2 会社のおおざっぱな成績表をつくります
●試算表をつくれば、財産やもうけがわかります
●総勘定元帳から試算表をつくってみます
3 決算はおおざっぱではダメ。正確に、厳密に行います
●決算を正しく行うために必要なこと
4 売上と仕入を、もう一度正確にチェックします
●決算で一番大切なのは、期末商品の棚卸です
●棚卸をして決算整理の仕訳をします
5 回収できそうにないお金を費用にします
●掛売りや貸し付けた相手が倒産しそうなときは?
6 資産の価値が下がった分を費用にします
●ものの価値は時間の経過とともに下がります
7 収益と費用も、正確にチェックし直します
●当期分の収益、費用をくわしく確認します
8 決算書づくりは、会計ソフトにおまかせ!
●決算整理をしたら、精算表を作成します
●実際の経理では仕訳の入力まででOKです!
9 決算でミスをしないように、表を1つつくります
●精算表をつくり、決算整理の結果を記入します

付録 仕訳のレッスン[実践編] おわりに

デザイン・DTP 田中由美
イラスト 坂木浩子(株式会社ぽるか)
編集協力 有限会社クラップス

この本に登場する人

ともこ社長
OL時代の貯金をもとに、退職後、念願の輸入雑貨店を営む会社を設立。
商売には自信があるものの、経理や簿記ははじめて。というか数学が大の苦手。でも社長になったからには、そうもいっていられない!

なおみ
ともこ社長の親戚の娘。雑貨店を手伝うことになった。高校の授業で簿記を習ったはずだが、うろ覚え。

まさえ先生
女性税理士。働く女性の味方!
簿記を知らない人にも、わかりやすく、ていねいに説明してくれる。一緒に会社を育て、成長させていく頼もしい存在。

佐々木 理恵 (著)
出版社 : 新星出版社 (2013/11/1) 、出典:出版社HP