楽しくわかる! 簿記入門

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簿記のコツが掴める!

はじめて簿記を学習するという方向けの入門書です。簿記に関する基本的な考え方や、実務にも使える知識が身に付きます。マンガを用いて分かりやすく解説されているので、数字が苦手という方でも挫折せずに楽しく学べる1冊です。

東山 穣 (著)
出版社 : 日本実業出版社 (2012/7/26) 、出典:出版社HP

はじめに

「どうしてこんなに難しいんだ?」

私がはじめて簿記の本を読んだときの第一印象です。
簿記のテキストを読んでいると、見たことも聞いたこともない単語が次から次に出てきて、わけのわからないしくみを覚えろと言ってくる。
頭の中は「?????」だらけです。

はじめて学ぶことは、たいていとっつきにくいものですが、簿記のとっつきにくさは特にヒドい。そう感じた覚えがあります。
「簿記は難しい」。これは日商簿記1級に合格して、経理職として日々簿記の知識を活用している現在でも感じていることです。とても「簡単だ」とは言えません。かなり複雑で奥が深い分野です。
それと同時に簿記が実生活にも活用できる有益な技術だということも、実感しています。ですから、多くの方に簿記を知ってもらいたいという気持ちがあります。
そこで私は、2つの問題に直面しました。

1) 簿記は難しい(覚えることが多い、理解しにくいしくみがある)
2) 簿記の知識は社会生活で役立つので知ってもらいたい

どうすればこの2つが共存できるでしょう?
そこでちょっと思い出してみてください。学校の授業。話の面白い先生っていませんでしたか?
大して好きでもない教科だったのに、その先生の話を聞いていたら不思議と楽しみながら勉強できた。そんな経験はありませんか?
あれは、なぜ楽しみながら勉強できたのでしょうか。話の間の取り方や、冗談を交える手法も理由の1つでしょうが、やはり学習内容をトコトンわかりやすくしてくれたからではないでしょうか。理解できるから面白くなる。すると知識欲を刺激される。さらに勉強の意欲がわく、という好循環が形成された結果、勉強が楽しく感じられたのだと思います。
本書の目的はそんな「話の面白い先生」の役割を担うことです。難しい簿記を楽しみながら理解できる助けになる。これを目指しました。

ところで、私は漫画こそが最強の学習ツールだと考えています。文章に比べ情報量は少ないですが、興味をひきつける力やわかりやすさは絵のほうが格段に高いからです。特に入門書には最適でしょう。
そんな理由から、本書は漫画と文章による補足説明で構成されます。
本文では以下の登場人物が主になって話が進行します。
パンダさん、インコくん、そしてトラさんの会話には、簿記のポイントが満載です。簿記の基本を楽しく学びながら読み進めていただけたら幸いです。

東山 穣 (著)
出版社 : 日本実業出版社 (2012/7/26) 、出典:出版社HP

もくじ

はじめに

1章 会計と簿記の基本を知ろう
01 会計って何もの?
「会計」は簿記の親分!
02 会計の具体的な流れ
まずは会計の流れをつかもう
03 会計は万能ではない?
会計で表現できるもの・できないもの
04 「簿記」って何もの?
「簿記」は会計の記録係
05 簿記を勉強していいことあるの?
簿記はみんなの役に立つ
06 家計簿と会社の帳簿はちょっと違う?
簿記には「単式簿記」と「複式簿記」がある
07 複式簿記の利点は何?
複式簿記だからできること
コラム①

2章 簿記の1年間の流れをつかもう
01 簿記の具体的な流れ
簿記の基本と流れを押さえよう
02 仕訳とは?
仕訳のルールを覚えよう
03 会計の用語
繰り返せば覚えられる!
04 5つのグループ
簿記の最重要ポイント! 5つのグループ図を覚えよう
05 元帳って何?
元帳はキレイにまとまっている帳簿
06 帳簿の種類
主要簿と補助簿の役割
07 資産・負債・純資産とは?
資産・負債・純資産を具体例から考えよう
08 収益・費用とは?
押さえておきたい「収益」と「費用」の話
コラム②
5つのグループとそこに属する勘定科目の例

3章 八百屋さんの商売から仕訳を学ぼう
00 3章の概要
01 商品売買①
■商品を現金で仕入れて売る(分記法編)
02 商品売買②
■商品を現金で仕入れて売る(三分法編)
03 現金・当座預金
■いろいろな「通貨代用証券」
04 掛取引
■後払いのメリット
05 手形取引
■手形取引の流れをつかもう
06 貸倒引当金
■損失は予想の段階で計上する
07 前渡金・前受金
■解説は…
08 値引・返品・割戻
■「値引」と「割引」は違います!
09 未払金・未収金
■本業以外の後払い
10 仮払金・仮受金
■取引がはっきりしない「仮払金」と「仮受金」
11 付随費用
■運送費や取付費用は「付随費用」になる
12 有形固定資産
■企業の成績を正しく表すために
13 減価償却
■「定額法」と「定率法」は何が違うの?
14 無形固定資産
■形がなくても立派な資産
15 有価証券
■利益を得るための有価証券
16 借入金・貸付金
■お金を借りたとき・返したとき
コラム③
ちょっとひと休み♪

4章 1年間のまとめ! 決算書をつくろう
01 会社の成績表をつくる
決算書作成の流れ
02 試算表とは?
残高試算表作成の流れ
03 決算整理とは?
決算整理で必要な仕訳
決算整理①商品在庫
決算整理②減価償却
■減価償却にはいろいろな計算方法がある
決算整理③貸倒引当金
決算整理④有価証券
■有価証券の評価替えの2つの方法
決算整理⑤収益・費用の見越・繰延
■特殊な勘定「経過勘定」って何?
04 決算振替と帳簿の締め切り
決算振替の流れ
05 損益計算書をつくろう
損益計算書で会社の本当の力が見える
06 貸借対照表をつくろう
貸借対照表で会社の経営が見える
コラム④

5章 会社の成績表を読んでみよう
01 決算書を読む
決算書から会社の実力を読み取ろう
02 キャッシュフロー計算書とは何ぞや?
キャッシュフロー計算書で現金の流れをつかむ
03 決算書は単独では見るな?
複数の決算書を一緒に見て歪みを見抜こう
04 決算書の指標
ポイントを押さえながら決算書を見比べてみよう

おわりに

カバーデザイン/モウリマサト
本文デザイン・DIP/ムーブ(新田由起子、川野有佐)

東山 穣 (著)
出版社 : 日本実業出版社 (2012/7/26) 、出典:出版社HP