人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実

筆者も紹介文で書かれている通り書かれているように子供から,大人までを対象としており,新社会人にもうってつけの一冊となっています。

目次は,
【第1章】 人生とお金で大事なことをざっくりおさえよう
1 若いうちは「稼ぐ能力」を鍛えよう
2 借金はできるだけしない
3 保険はできるだけ節約しよう
4 自分の人生をだまし取られないために
5 人生とお金をざっくり把握するツール
6 「家を買うかどうか」は投資の観点から考える
7 45歳になったらセカンドキャリアについて考える
8 歳を取っても、お金の考え方は変えなくていい

【第2章】 お金は、だまされずになるべく増やそう
1 運用の「俗説」を信じない
2 運用の判断を人に任せない
3 投資の本質をシンプルに理解する
4 なるべく増やすための運用法
5 相場よりもウデよりもまず手数料
6 運用商品は合理的に売買しよう
7 最も得な運用の器を選択する
8 運用と依存症の危険な関係
<付録> 運用をめぐる地雷リスト

【第3章】 未来のお金とどう付き合うか
の構成となります。

『はじめに』ではお金は目的を達成するための手段にすぎず,それ自体が目的ではないと考えから,お金持ちになること自体を最終目標にすると,もしれを達成できたとしてもむなしいかもしれません,と書かれております。

これは心理/経済での分野でダニエル・カーネマン/アンガス・ディートン研究でも明らかになっているように,お金がある一定以上超えると幸福を生みづらくなるいう見解もあります。

またお金の正体として誰かに良いことをしてあげた時にその感謝のしるしと添えられることもできるとのこと。この辺りのことはこれまで山崎氏の書籍ではあまり言及されてきませんでしたが,アンソニー・ロビンズの書籍の解説をされた経緯からもしかしたら影響を受けているかもしれません。

【第1章】 人生とお金で大事なことをざっくりおさえよう

それぞれの章では,まず
【第1章】 人生とお金で大事なことをざっくりおさえよう
では,自身への投資についてさかれています。人的投資とも言いますが,自分がどれだけ頑張れるかでその後をある程度自分の意思で活躍できる仕込みをおっしゃっています。
価値のある人材になるため希少生を意識した(他人と交換しづらい)専門性を意識する必要性があるということです。こちらに関しては山崎氏が学生向けに書いた,偏差値「10」の差を逆転する 時間と努力の投資理論や,ダイヤモンド・オンラインでのなぜ人生で一番大切な時期が 「大学1、2年生」なのかを読まれると良いかもしれません。また,若い時の時間の投資へついても,積極的にそういう分野でのお金の使用には推奨しております。

1章の他のトピックについても,以下の検索をかけてみると,山崎氏が既にネット記事で言及されていたりします.以下ではいくつか抜粋すると
・「リボ払いをする人」と結婚してはいけない
・現金主義は貯蓄上手 「家・車・保険」は再考を
・今いくら貯蓄すべきか一発で分かる「人生設計の基本公式」
などと関連しております.奨学金に関しては借りるのは以外と悪くないということも発言されております。
また,ご自身の転職経験を通じて,人生の中で28歳と35歳の大切さは,これまで一貫して山崎氏は言ってこられましたが,それに加え,45歳も含まれました(「人生100年時代」28歳、35歳、45歳になる前に考えるべき事)。これについては,一生、同じ会社で働きますか? (Kindle Unlimited ¥0)などでも詳細に書かれております。

 

【第2章】 お金は、だまされずになるべく増やそう

【第2章】 お金は、だまされずになるべく増やそうでは,
普通の日本のビジネスパーソンにとって、お金の運用の大切さは、6番目くらいではないかと思っている。
と考えており,その順番として,( 1)稼ぎの多寡(2)支出・貯蓄の習慣(3)不動産(マイホーム)(4)生命保険(5)自家用車6)お金の運用として運用の順での6番目ぐらいではないかというご意見です)。

前半では貯金/運用での目標額の考え方,また相談を誰にすればよいのか(銀行/証券会社などの窓口は論外の愚挙とおっしゃっています)、また手数料や投資と投機の違いについて説明がなされており,その後に実際に何に運用すればよいのかを端的に書かれています。より詳しくは,筆者のほかの書籍「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」でも触れられております。または,梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー水瀬ケンイチ氏の書籍も実践的であります。

また, 目次でも書かれている通り,運用をめぐる地雷リストも毎月分配型の投資信託/外貨建て保険/ラップ口座/株主優待/無料相談/保険セールス/販売系のFP/銀行員とあげられております.

【第3章】 未来のお金とどう付き合うか

【第3章】 未来のお金とどう付き合うかでは,
(1)現金使用の縮小、(2)格差の拡大、(3)銀行の衰退についてざっくり書かれております。この辺りは,最近でも良書がでているので興味があるところをご覧になるのが良いかもしれません。(「なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか?」, 「MONEY もう一度学ぶお金のしくみ」「金融に未来はあるか―――ウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実」など),そしてメガバンクが2019年の採用者数ほぼ半減と発表とされたのも関連しているかと思われます。

総じて筆者、山崎氏の書籍の中ではコンパクトにまとまりつつも、数字をあげて具体的に説明されているので、すぐ実践できる書籍となっており始めの一歩としても良いです。そこからテーマ(投資、転職など)ごとで筆者の書籍もあたるもの良いでしょう。