リースの仕組みを知る4冊 – リースとレンタル何が違う?

普段何気なく目にする場所、例えば商店街、高速道路、工事現場、病院などでリースが活躍しています。でもそれはほんの一部、リースはもっといろんな場所でその仕組が経済を動かしています。

たとえば、工場で新しい機械を買ったり、お店の設備をリニューアルした。 そのようなときにリースは、機械や設備をメーカーや販売会社から購入し、 顧客にリースする(貸す)ことによって、機械や設備を入れるお手伝いをしています。
リースするのは、工場の機械やお店の設備だけではありません。

病院の設備、建設機械、自動車、航空機、船舶、 さらには、発電設備、街路灯、ショッピングセンターの建物など、 さらには下記で紹介している通り様々な場所でリースがされています。

今回はリースの仕組み、またそれを動かくリース会社や・会計知識、実務としてリース取引の基本を紹介している書籍を紹介します。

図解でわかるリースの実務 いちばん最初に読む本

六角 明雄 (著)
出版社: アニモ出版 (2014/8/12)、出典:出版社HP

【詳細 / 目次 / はじめに】を確認する

リースは日本の経済活動を支える重要な役割を果たしていますが、日本での歴史は約50年ほどです。そのために、法律、会計、税務などは、まだ未整備と思われる部分が見受けられ、リース全体を理解することは難しいと感じてしまう方も多いと思う、と本書は指摘しています。

本書は、その状況を踏まえて、入門者向けに書かれています。1章は、リースの概要について説明しています。リースは、英語よりも狭い意味で用いられていることや、レンタル、割賦販売、融資などとの違い、メリットとデメリットを中心に説明しています。2章では、リース取引の流れについて説明しており、リース会社とユーザー、サプライヤーの3者間でどのような契約や取引が行われるのか、理解できるようになっています。3章は、リースの法律的側面について説明しています。

リースは、金融サービスと賃貸借契約を合わせた取引であるために、学者の間でも議論があり、法律を把握する必要があります。4章は、リースの会計について説明しており、様々なケースの会計処理について解説しています。図があるために、比較的理解しやすくなっています。5章は、リースに関わる税金についての説明をしています。リースの税務は、独特の規定があるため、利用を考えている場合、考慮しなければならないでしょう。6章は、リースの活用法をテーマにしています。

費用面で積極的な考え方をしない方もいるそうですが、本書では、サービス機能の活用が事業の成功の重要なポイントになるとして、リースを選択肢とする意義について理解できます。

図解入門ビジネス 最新リース取引の基本と仕組みがよ~くわかる本[第8版]

加藤 建治 (著)
出版社: 秀和システム; 第8版 (2019/7/23)、出典:出版社HP

【詳細 / 目次 / はじめに】を確認する

本書は、「パソコンから飛行機まで」といわれるほど、企業の設備投資に欠かせない手段となっているリースについてよくわからない、リースの初心者が理解できることを目的とした本です。リースは税務、会計、法律の制度の上に成り立っており、基本的知識や活用方法に加えて、それらの専門分野を網羅しています。

第1章では、リースの基本について解説しています。ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの分類から、メリットとデメリット、リース会計の基礎知識まで抑えています。第2章は、リースの活用と銘打ち、購入する場合と比較したときのメリットや具体的なリース取引の事例の紹介を行なっています。税制上の優遇制度についても触れており、どのような場合にリースが選ばれるか、基本的な考え方を知ることができます。第3章では、リース会計とリース税制についてわかりやすく説明しています。

第4章では、リースの法務について説明しています。リースは民法や商法に規定がなく、特別の法律もありません。そのため、契約自由の原則に従うことになります。つまり、法的な問題が発生した場合、リース会社とユーザーが合意した契約書に従って、解決が図られます。また、リース事業協会は参考となる契約書を作成し、公表しています。第5章では、リース産業の現状と課題について解説しています。業務内容についても触れており、リース会社に就職を考えている学生や社会人には参考になるでしょう。

リース会計のしくみ (【図解でざっくり会計シリーズ】)

新日本有限責任監査法人 (編集)
出版社: 中央経済社 (2015/2/11)、出典:出版社HP

【詳細 / 目次 / はじめに】を確認する

リースは、日本において、設備投資の一手段として広く利用されています。本書では、そのリース取引の会計処理について解説を行っています。聞きなれない専門用語が多いために、わかりにくい印象を持ちやすいですが、本書では、図やイラストが多く、理解しやすくなっています。序盤では、2000年代後半のリース取引に大きな影響を与えた会計基準の変更について解説しています。

もともと、単にリース料が費用として会計処理されていましたが、現在では、リースで借りている物件について、資産として計上することになっています。借りているのに資産と考えるのはなぜか、という疑問に対して、わかりやすく解説を行っています。ファイナンス・リースの特徴は、途中で解約できないことと、フルペイアウト(自分だけで使い切っている)の二つです。これらの特徴は、資産を購入した場合と状況がほぼ同じと言えます。レンタルは、どちらも満たさないケースまたはどちらかを満たさないケースであり、取引様態も異なるため、費用として計上されます。

本書の第3章では、所有権移転リース、所有権移転外取引リースについて解説しています。第4章では、リース取引の会計処理の解説をしており、第5章では、リース会社の会計処理について説明しています。第6章では、そのほかの論点と題し、最後には、リース会計の将来についても触れており、IFRS(国際会計基準)に沿った、国内基準の変更がなされるのではないか、としています。

東洋経済INNOVATIVE リースの新常識 変貌遂げるリース業界 そのすべてを一冊に

東洋経済新報社 (編集) , 東経= (編集)
出版社: 東洋経済新報社 (2018/6/28)、出典:出版社HP

【詳細 / 目次 / はじめに】を確認する

リースと聞いて、身近に感じる人はどのくらいいるでしょうか。個人では、リース取引を行うケースは少ないのは事実です。しかし、企業がリースしているモノは多種多様です。実は、私たちが普段利用しているお店やサービス、働いている現場やオフィスには、リースのモノが溢れています。本書では、そのリースの仕組みから、これまでのリースの変容、そして日本を代表するリース会社各社へのインタビューが掲載されています。

では、そもそも、リースとは何でしょうか。

リースは、利用者が借りたいものを指定し、リース会社がサプライヤーからそれを購入して、利用者に貸す取引です。リースは大きく2つに分けられ、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分けられます。ファイナンス・リースが基本的な取引で、中途解約不可、全額回収の2つの条件を持つ取引です。一方のオペレーティング・リースは、その2つの条件のどちらかが欠ける取引です。オペレーティング・リースの場合、リスクが比較的高くなりますが、仕組み上、リース料が抑えられるために、利用のハードルが下がります。

リースのメリットとしては、初期費用が抑えられる、手続きや修理などはリース会社が行うために、手間が省けるなどがあります。そのため、企業の91%がリースを何らかの形で利用しており、本書では、コンビニやスーパーの設備や医療機器が紹介されています。レンタルとリースの違いも解説しており、リースの概要がよくわかる本です。