【最新】アンケート調査についてのおすすめ本 – 統計解析、分析デザインも学べる

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アンケート調査を学ぼう

学生の論文、レポート、またビジネスでの調査などでアンケート調査が必要な時にどのようなプロセスをたどればいいか、またツールをどのように使えば、最終的な評価・結果をまとめるかなどの知識が必要になります。最近ではPC、ITの発達でアンケート調査の方法のオンライン化にも著しく進んでいます。今回ご紹介するアンケート調査での書籍でこれからの調査にいかしましょう。

ランキングも確認する
出典:出版社HP

紙を使わないアンケート調査入門

Googleフォーム・Rの扱い方を学ぶ

Googleフォームを利用したアンケート調査、統計解析環境Rを用いたデータ分析の方法を解説しています。主にアンケート調査を行う大学生などが対象ですが、数学Iの「データの分析」を学習した高校生も読むことができ、アンケートやデータ分析を「道具」としてどのように扱うかを学ぶことができます。

豊田 秀樹 (著, 編集)
出版社 : 東京図書 (2015/5/1) 、出典:出版社HP

まえがき

この本では,Googleフォームを利用してウェブ上でアンケート調査を実施し,統計解析環境Rを用いてアンケートデータを分析する方法を解説します。どちらも無料で利用できるツールです。読者対象としては,アンケート調査をする必要に迫られた大学生,数学Iの「データの分析」を学習した高校生,高等学校の数学の先生,大学で入門的な統計学の授業をしている先生です。

卒業論文の執筆を控えた大学生のきみへ
これまでアンケート調査(質問紙調査)で卒業論文を書こうとすると,(1)調査票を印刷し,(2)調査票を配布し,(3)調査票を回収し,(4)データを入力し,(5)調査票を注意深く保管・廃棄する必要がありました。しかしウェブ上でアンケート調査を実施すると,これらの労力は大幅に省略,または軽減でき,調査の本質的・知的作業に時間や労力を集中できます。(1)紙媒体の調査票を印刷する必要がありません。費用・森林資源を節約できます。アンケート実施のギリギリまで調査票を推談できます。(2)調査票を配布する必要がありません。メール等でURLを通知し,回答を依頼できます。(3)調査票を回収する必要がありません。遠方・海外に住んでいる人にも回答してもらえます。(4)調査票を見て,PCへデータを入力する必要がありません。楽だし,転記ミスがなくなります。(5)紙媒体の調査票を保管・廃棄する必要はありません。
調査が終了したら,集計・分析をします。ウェブ上には無料の解析ツールもありますが,この本では2つの理由から統計解析環境Rを使ってアンケート調査のデータを手元のPCで分析します。1つは,ウェブ上の解析ツールよりRは圧倒的に高機能だからです。もう1つは,仮に匿名であっても,調査データをいつまでもウェブ上に置くべきでないからです。収集後は,速やかにウェブからデータを切り離し,流出しないように責任をもって管理してください。

高校生なのにこの本を手に取ったきみへ
この本には数学I「データの分析」で習った内容を元にして,アンケート調査を行う方法が書いてあります。仲間の意見のとりまとめや,クラス選挙や,自由研究などに利用してください。高校数学I「データの分析」の学習内容は,第5章と第6章の前半に書かれています。第5章では,1変量の分析が説明されます。この章の学習内容はすべて「データの分析」で習った内容です。第6章では,2変量の分析が説明されます。この章では相関関係が中心に解説されます。しかしここでは標準化という「データの分析」では習わない知識が付加されます。アンケートの結果を解釈するかめには必要な知識ですから,ぜひ,理解してください。またクラメールの連関係数・残差分析という高校数学では習わない内容も登場します。こちらは数理的なしくみを理解する必要はありません。アンケート調査はとっても楽しいですよ。
第7章,第8章の内容も数理的なしくみを理解する必要はありません。たとえば,みなさんが日常的に使っているPCや冷蔵庫やテレビの原理はとても複雑で,そのしくみを完全に理解することは困難です。でも使い方が分かればとても便利です。「冷蔵庫はどうやって食べ物を冷やすんだろう」という冷却原理が分からなくても冷蔵庫は普通に使えます。アンケート解析技法もそれと同じです。必ずしも原理は分からなくてもいいのです。道具としてどのように使うのか,どのように結果を読み取るのかだけに注意して,これらの技法の使い方をマスターしてください。

高等学校で数学の授業をなさっている先生へ
数学Iを構成する章の中で「データの分析」は,「数と式」「2次関数」「図形と計量」「集合と論証」など他の章と比較して異質です。「データの分析」はマイナーであるとの印象を持たれることもありますが,それは間違った印象です。なぜなら高等学校を卒業したのち,2次関数や図形や集合の知識は,必ずしも必須の知識ではないからです。はっきり言ってしまえば,それらと全く関係のない人生というものを容易に想像できます。それに対して「データの分析」は,内閣支持率・選挙予測・世論調査・視聴率調査などの理解に深く関係します。「データの分析」は抽象的な数学ではありません。世論へのアンテナとして,日常生活とは切っても切れない実用的な学習内容なのです。
「データの分析」はアンケート調査を実習することによって,小学校における総合学習にも似た知的な体験を提供してくれます。質問文作成の奥深さは文章力を鍛える国語のよい学習となります。アンケートのテーマとして時事問題の賛否を問えば生きた社会科の勉強になります。アンケートが成功するか失敗に終わるかの首尾は,理科実験に通じる企画実行の体験になります。これまでの数学とは根本的に異なっています。この本を利用し,ぜひ教室の中でアンケート調査の実習をしてください。

大学で統計学の講義をなさっている先生へ
現在,高校生は数学I「データの分析」の中で以下の知識*1を学んでいます。
*1平成23年3月9日に新高等学校学習指導要領による検定済の数学Iの教科書301,302,303(東京書籍),304,305,306(実教出版),307(啓林館),312,313(数研出版),315(第一学習社)の10冊を参照しました。

度数分布表(離散変量・連続変量・度数・相対度数・階級値・階級幅・外れ値・5数要約・度数分布多角形・累積相対度数・単峰性・多峰性),代表値(平均値・調和平均・相乗平均・中央値・最頻値・仮平均・最大値・最小値・偏り(歪み)・抵抗性),散布度(分散・標準偏差・四分位数・四分位偏差・四分位範囲・パーセント点・偏差・偏差平方和・範囲),グラフ(ヒストグラム・箱ひげ図・散布図),2変量の関係(相関表・正の相関・負の相関・共分散・相関係数)

2012年度(平成24年度)から実施されている新高等学校学習指導要領による教育を受けた高校生は,2015年4月以降に大学に入学します。「データの分析」が数学の科目の中で最も履修者の多い「数学I」に置かれていることの意味は重大です。なぜなら「データの分析」の学習内容は,2014年までの大学における入門的な統計学の授業の最初の3,4か月の学習内容と完全にかぶっているからです。
理解している学生に,同じ内容を講義したら退屈し,失望されるでしょう。でも「データの分析」の理解度は学生によってまちまちです。だから一律に相関係数までは既知として授業を始めることもためらわれます。でも,少なくとも,これまでとまったく同じ内容の授業が許されないことだけは確かです。
1つの提案ですが,授業の開始時期に学生にウェブでアンケートを受けてもらい,そのデータを教材として利用し,いくぶん駆け足で具体的に講義をするのはどうでしょうか。自分達の回答で「データの分析」の内容を講義(高校の復習)されれば,退屈しないどころか,それらは生きた知識として定着します。同級生のことを知ることができる授業に興味を持たない学生はいません。このため理解度の怪しい学生の学習意欲だって,きっと呼び起こすことができるでしょう。

インターネットはとても便利です。高機能で,しかも無料のサービスが充実しています。でも世の中には「都合がいいだけの話」はありません。光りあるところには陰があります。インターネットを使って調査するときには,その陰の部分をしっかりと理解しなくてはいけません。調査を実施する際に気を付けなければいけないことは,回答者の個人情報を保護し,プライバシーの尊重することです。そのための原則は,以下の2つです。

無記名の原則 無記名で調査をします。調査データを最初から個人情報にしないということです。個人ではなく属性として理解するのが調査の基本です。
削除の原則 調査が終了したら手元のPCにデータをコピーし,ウェブ上のファイルを速やかに削除します。分析チームの誰かが誤って(たとえば共有関係を誤指定して)調査データをネットに拡散させてしまうことを防ぎます。

ただし好きな食べ物,タレント,休日の過ごし方や文化祭の出し物に対する希望など,比較的おおらかに質問できる調査内容もあるでしょう。この場合は無記名の原則を緩め,学生番号や出席番号を問う質問を加えてもよいかもしれません。それに対して思想信条・資産状況・身体や精神の障害に関する調査などは,細心の注意を払って無記名の原則を守り,匿名性を担保しなくてはなりません。
同一の回答者から継時的に回答してもらいたい。授業内での調査実習などで提出を確認したいなど,回答者を特定したいときもあります。この場合は,学生番号や出席番号のような公的なIDではなく,その調査だけに通用するIDを作り,回答者にその一時的なIDを記入してもらうとよいでしょう。
削除の原則を守るためには,手元のPCでローカルに調査データを集計しなければなりません。ウェブ上のスプレッドシートではなく,分析ツールとしてこの本でRを解説した主要な理由の1つは削除の原則を守るためです。無記名の原則と削除の原則を守ることにより,個人情報を保護し,プライバシーを尊重しながらインターネット調査を実施することが可能です。しかし残念ながら絶対安全ということではありません。
編者には,あるグルメサイトを利用しているときに,システムから突然「あなたは東京都**区**町にいますか。はい,いいえ。」という質問をされた経験があります。そのサイトに住所を知らせていないのに,だいたい正しい居場所を指摘されたのでとても驚かされました。ウェブの閲覧は1回1回が独立したものなのではなく,ログイン中の足跡は継続した同一人物の行動として把握される可能性があります。当時,自宅の周辺のスポット天気予報を,同じIDのサイトで毎日確認していました。もしかしたら自宅住所をそこから類推されたのかもしれません。グルメ情報の提供システムとしては,自宅近くのお店を推薦しようと,親切心で気を利かせてくれたのでしょうが,あまり気分の良いものではありませんでした。このようにIDを対応させて,複数のデータベースの情報を相互に関連づけることを紐付け(ひもづけ)といいます。
調査フォーム回答と,回答時にログインしているサイトでの足跡は紐付けられてしまうことが技術的には可能です。たとえばメールサービスのサイトにログインしたままだと,サーバーにメールの平文がありますから,無記名調査でも回答時の足跡と個人情報とは紐付け可能です。したがって無記名の原則は完全ではありません。ただしこれは飽くまでも技術的には紐付け可能であるということであり,このような目的外使用は違法行為です。
メールサービス・ツイッター・ライン・ブログ・その他の投稿サイトには,テキスト・画像・音声・圧縮ファイルなどさまざまなコンテンツがアップされます。アップした本人は,それらが自分の所有物であると信じ,必要なくなったら削除します。日常生活の感覚では,自分の持ち物をゴミ箱に捨てたという認識です。しかし,削除したはずのコンテンツは,もしかしたら非表示になっているだけかもしれません。サイトから本当に削除されているか否かは,サーバーの管理者にしか分かりません。コンテンツを本当に削除できるのはサーバーの管理者だけです。コンテンツをウェブ上に置くということは,そういうことなのだと理解してください。したがって削除の原則を守っていても,サーバー内で非表示になっていた調査データが悪意のあるハッカーによって違法に流出する可能性はあります。
したがって残念ながら,無記名の原則と削除の原則を組み合わせても,犯罪的な悪意からは絶対に安全であるとは言えません。しかし犯罪的悪意から絶対安全な状態など,なかなか望めるものではありません。よくよく考えてみると,メールサイトを利用すること自体,直接的な平文が有するプライバシーをサーバーの管理者に委ねているのです。これは相当に怖いことですが,私たちはそういう世界で既に生活しています。メールを利用することと比較すると,無記名のインターネット調査のリスクは相当に間接的です。インターネットをはじめとするネットワークには危険もあります。しかしそこから,ただ逃げているばかりでは,これからの世の中で生きてはいけません。ネットワーク社会における個人情報の保護・プライバシーの尊重の教材として,インターネット調査実習を適切に活用すれば大きな教育効果が期待できます。高校の先生,卒業論文指導の先生におかれては,その大きな可能性を活用していただけたらと願うばかりです。

2015年3月26日
豐田秀樹

著者紹介(2015年4月現在)

■編集者
豐田秀樹
早稲田大学文学学術院教授

■執筆者
久保沙織
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター(第1章·第2章·第8章)
秋山 隆
早稲田大学文学学術院(第3章·第8章)
池原一哉
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター(第4章·第8章)
拜殿怜奈
早稲田大学大学院文学研究科(第5章·第8章)
長尾圭一郎
早稲田大学大学院文学研究科(第6章·第8章)
磯部友莉惠
早稲田大学大学院文学研究科(第7章·第8章)
吉上 諒
早稲田大学文学部(第8章)

豊田 秀樹 (著, 編集)
出版社 : 東京図書 (2015/5/1) 、出典:出版社HP

目次

第1章 調査票作成を体験しよう
§1.1 フォームの例
§1.2 Googleアカウントの作成
§1.3 Googleドライブにログイン
§1.4 新規フォームの作成
§1.5 フォーム名とフォームの説明の入力
§1.6 質問の設定
§1.7 テーマの変更とライブフォームの表示
§1.8 フォームの送信
§1.9 調査票への回答
§1.10 回答の表示

第2章 フォーム上級者への道
§2.1 フォームの作成
2.1.1 既存のフォームから新規フォームを作成する方法
2.1.2 フォームの設定
2.1.3 質問形式の種類
2.1.4 回答者名やメールアドレスを入力させる場合
2.1.5 画像・動画の挿入
2.1.6 セクションヘッダー・改ページの追加
2.1.7 アイテムを追加
2.1.8 作成したアイテムの編集
2.1.9 テーマの追加
§2.2 フォームの送信とその準備
2.2.1 フォームの回答先の選択
2.2.2 フォームの事前入力
2.2.3 フォームの送信
2.2.4 フォームの共同編集
§2.3 回答の確認と管理
2.3.1 回答の削除
2.3.2 フォームのリンク解除
2.3.3 回答の概要表示
2.3.4 回答受付の停止

第3章 アンケート調査の企画
§3.1 調査のはじまり
3.1.1 調査テーマの設定
3.1.2 調査仮説の設定
§3.2 項目内容の収集
3.2.1 項目形式
3.2.2 アンケート調査の種類
3.2.3 調査設定例:「母娘の仲良し度調査」
§3.3 アンケートの構成
3.3.1 アンケート前文
3.3.2 項目の配列順序
§3.4 アンケート対象者への連絡
3.4.1 アンケート協力依頼文
3.4.2 リマインダー
3.4.3 調査協力へのお礼
3.4.4 問い合わせ対応
§3.5 予備調査
3.5.1 予備調査の目的
3.5.2 予備調査の確認事項
§3.6 倫理・データの管理
3.6.1 倫理的な配慮
3.6.2 アンケート実施者が事前に提供すべき情報
3.6.3 依頼文のチェックリスト
3.6.4 プライバシー保護
§3.7 調査レポートの作成
3.7.1 調査レポートの作成方針
§3.8 調査レポートの構成
3.8.1 調査レポートの構成事項チェックリスト

第4章 質問項目の作り方
§4.1 質問文の作成
4.1.1 平易な表現
4.1.2 明確な表現
4.1.3 丁寧で親しみやすい表現・簡潔な表現
4.1.4 否定語の多用
4.1.5 ダブルバーレル項目
4.1.6 誘導的質問
4.1.7 パーソナルな質問とインパーソナルな質問
4.1.8 キャリーオーバー効果
4.1.9 ろ過項目
4.1.10 事実と評価の区別
4.1.11 過去の記憶
4.1.12 ステレオタイプ化された表現の利用
4.1.13 仮定の質問
4.1.14 回答バイアス
4.1.15 選択肢に関する注意
4.1.16 その他
§4.2 嘘やタテマエの回答を避ける方法
4.2.1 比率と平均
4.2.2 ランダム回答法
4.2.3 アイテムカウント法
4.2.4 二重リスト法
4.2.5 Aggregated Response法
4.2.6 その他

第5章 アンケートの結果を確認しよう 単純集計~
§5.1 統計解析環境 R
5.1.1 Rのインストール
5.1.2 Rの使い方
§5.2 分析の準備
5.2.1 データと変量
5.2.2 データの成形
§5.3 比率
§5.4 データの整理
5.4.1 度数分布・ヒストグラム
§5.5 データの代表値
5.5.1 平均値
5.5.2 中央値
5.5.3 最頻値
§5.6 データの散らばり
5.6.1 範囲
5.6.2 四分位範囲・四分位偏差
5.6.3 分散・標準偏差

第6章 項目間の関連を分析しよう−相関分析・クロス表の分析−
§6.1 相関関係
6.1.1 散布図
6.1.2 共分散
6.1.3 共分散の限界
6.1.4 標準化
6.1.5 相関係数
6.1.6 多変量散布図
6.1.7 相関係数の限界
§6.2 属性ごとの集計とクロス表の分析
6.2.1 クロス表
6.2.2 クロス表による分析の利点
6.2.3 独立と連関
6.2.4 クラメールの連関係数
6.2.5 残差分析

第7章 分析上級者への道
§7.1 回帰分析
7.1.1 フォーム
7.1.2 データ
7.1.3 分析
7.1.4 レポートに書く際に注意すること
§7.2 リッカート・スケール
7.2.1 フォーム・データ
7.2.2 分析
§7.3 因子分析
7.3.1 分析
7.3.2 レポートに書く際に注意すること
§7.4 SD法
7.4.1 フォーム・データ
7.4.2 分析

第8章 応用的な分析へ
§8.1 MDS
8.1.1 分析
8.1.2 レポートに書く際に気をつけること
§8.2 一対比較法
8.2.1 手法の目的
8.2.2 フォーム
8.2.3 データ
8.2.4 分析
§8.3 コレスポンデンス分析
8.3.1 手法の目的
8.3.2 分析
§8.4 コンジョイント分析
8.4.1 手法の目的
8.4.2 調査票の作成
8.4.3 フォームによるデータの収集
8.4.4 分析
8.4.5 レポートを書く際に注意すること

索引

豊田 秀樹 (著, 編集)
出版社 : 東京図書 (2015/5/1) 、出典:出版社HP

SPSSによるアンケート調査のための統計処理

SPSSを用いたデータ分析

アンケート調査に欠かせない適切なデータ分析。このデータ分析をSPSSを用いて行う方法を解説しています。様々な統計手法ごとにデータ分析の方法を説明しているため、SPSSを使ってデータ分析を行う際の参考になります。

石村 光資郎 (著), 石村 貞夫 (監修)
出版社 : 東京図書 (2018/1/11) 、出典:出版社HP

まえがき

どのような研究分野においても,「根拠のない主張」は,重要視されません.
根拠がない場合,テレビの通信販売の宣伝文句のように,画面の隅の方に小さく,「これはあくまでも,使用者個人の意見です」と,なってしまいます.

では,どのようにすれば,「根拠に基づく主張」ができるのでしょうか?

近年,医学の分野ではEBM,つまり「根拠に基づく医療」が中心的話題です.
その根拠となるものは,医学の実験データやアンケート調査のデータであり,そのデータを適切な方法で分析することにより,
根拠に基づく結論
を導くことができます.

つまり,
「根拠」=「データ」
であり,
「根拠に基づく主張」=「データの適切な分析による結論」
となります.
研究分野のデータを集め,
「根拠に基づく主張」
をしてみましょう!!

ところで……
数値データが中心となる実験と違って,アンケート調査では,質問項目によって,名義データ,順序データ,数値データなど,いろいろなタイプのデータを取り扱います.

たとえば……
質問項目A:あなたの性別は?
>この場合,回答は名義データになります.
質問項目B:あなたは次の質問にどのくらい賛成ですか?
>この場合,回答は順序データになります.
質問項目C:あなたの年齢は?
>この場合,回答は数値データになります.

したがって,アンケート調査の統計処理は,いろいろなタイプの統計手法が必要となります.

この本では,そのようないろいろな統計処理を,SPSSを使って分析します.
この本のモットーは,次の3つ!
早い!
カンタン!
すぐできる!

さあ,SPSSの画面をマウスでカチッ!!

2017年12月
著者

本書で使われているデータは,
東京図書のホームページhttp://www.tokyo-tosho.co.jp
よりダウンロードすることができます.
また,使用しているオプションモジュールは以下のとおりです.

第2章 IBM SPSS Decision Trees
第3章 IBM SPSS Categories
第4章 IBM SPSS Categories
第5章 IBM SPSS Categories
第7章 IBM SPSS Categories
第8章 IBM SPSS Regression
第9章 IBM SPSS Regression
第10章 IBM SPSS Categories
第13章 IBM SPSS Conjoint
第14章 IBM SPSS Advanced Statistics

正確確率検定をする場合には,
オプションモジュールIBM SPSS Exact Testsが必要です.

◎本書ではIBM SPSS Statistics 25を使用しています.
SPSS製品に関する問い合わせ先:
〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町19-21
日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業ビジネスSPSS営業部
Tel. 03-5643-5500 Fax. 03-3662-7461
URL https://www.ibm.com/analytics/jp/ja/technology/spss/

石村 光資郎 (著), 石村 貞夫 (監修)
出版社 : 東京図書 (2018/1/11) 、出典:出版社HP

もくじ

まえがき

第1章 独立性の検定によるアンケート処理
1.1 はじめに
データ入力
1.2 クロス集計表と独立性の検定
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第2章 決定木によるアンケート処理
2.1 はじめに
データ入力
2.2 決定木の作図の手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第3章 コレスポンデンス分析によるアンケート処理
3.1 はじめに
データ入力
3.2 コレスポンデンス分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第4章 多重応答分析によるアンケート処理
4.1 はじめに
データ入力
4.2 多重応答分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第5章 名義回帰分析によるアンケート処理
5.1 はじめに
データ入力
5.2 名義回帰分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第6章 順序回帰分析によるアンケート処理
6.1 はじめに
データ入力
6.2 順序回帰分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第7章 カテゴリカル回帰分析によるアンケート処理
7.1 はじめに
データ入力
7.2 カテゴリカル回帰分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第8章 ロジット分析によるアンケート処理
8.1 はじめに
データ入力
8.2 ロジット分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方
●限界効果の求め方

第9章 プロビット分析によるアンケート処理
9.1 はじめに
データ入力
9.2 プロビット分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方
●限界効果の求め方

第10章 カテゴリカル主成分分析によるアンケート処理
10.1 はじめに
データ入力
10.2 カテゴリカル主成分分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第11章 ウィルコクスンの順位和検定によるアンケート処理
11.1 はじめに
データ入力
11.2 ウィルコクスンの順位和検定のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

第12章 クラスカル・ウォリスの検定によるアンケート処理
12.1 はじめに
データ入力
12.2 クラスカル・ウォリスの検定のための手順
統計処理の手順
SPSS による出力
出力結果の読み取り方

第13章 コンジョイント分析によるアンケート処理
13.1 はじめに
データ入力
13.2 コンジョイント分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方
13.3 コンジョイントカードの作り方と保存
SPSSによる出力

第14章 選択型コンジョイント分析によるアンケート処理
14.1 はじめに
データ入力
14.2 選択型コンジョイント分析の手順
統計処理の手順
SPSS による出力
出力結果の読み取り方
14.3 選択型コンジョイント分析の調査票の作り方

第15章 アンケート調査票のための信頼性分析
15.1 はじめに
データ入力
15.2 信頼性分析のための手順
統計処理の手順
SPSSによる出力
出力結果の読み取り方

付録 SPSSによるベイズ統計の手順――2つのグループの差の検定の場合
参考文献
索引

石村 光資郎 (著), 石村 貞夫 (監修)
出版社 : 東京図書 (2018/1/11) 、出典:出版社HP

図解 アンケート調査と統計解析がわかる本[新版]

図解で初心者にもわかる

アンケート調査、統計解析の実務的なポイントをわかりやすく解説しています。基本的なことを中心として、図表を多く用いたり、使うべきExcelの関数を示しているため、アンケート調査の初心者の強い味方になってくれます。

酒井 隆 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2012/1/26) 、出典:出版社HP

新版にあたってのまえがき

『図解アンケート調査と統計解析がわかる本』の初版が発行されたのは、2003年10月でした。それから9年が経過したことになります。この間、2005年に個人情報の保護に関する法律が全面施行となり、自治体の住民基本台帳や選挙人名簿の閲覧が商用目的では不可能になりました。その結果、統計的な標本調査としての訪問面接・留置調査が激減しました。

情報化社会では、マーケティング課題に対応するための意思決定にもスピードが求められており、アンケート調査では、インターネット調査が主流になっています。インターネットアンケート調査は、調査モニターの質や品質管理など様々な課題もありますが、従来型の調査よりも低コストで結果が早く得られるなどの理由で、活用場面は増える一方です。

統計解析の分野では、線形解析から非線形解析へ、大量データや自由回答データの処理解析の高度化へ、さらには数値アウトプットから図解アウトプットへといったような流れで研究開発が行われています。アンケート調査データの統計解析については、本書の解析手法の基礎知識があれば、新たに開発された解析手法についても理解できると思います。

データ収集から解析までが短時間かつイージーオーダー的に実施可能となった現代こそ、各種調査手法の基礎知識を十分理解したうえで、精査したデータに解析技術を応用してゆく姿勢が求められます。また、経営者や管理者には、情報の妥当性を見極め、適所に活用し、上手に説明する能力が求められます。意思決定に必要な情報の入手速度を優先しすぎて、情報品質を吟味しないままデータを使うことに慣れてしまうと、失敗の連鎖を招くことになりかねません。

本書ではインターネットアンケート調査の解説を追加し、従来の調査については、調査環境の変化を加味しました。アンケート調査の企画・実施・分析の手引書として、活用していただければ幸いです。

2012年1月
酒井隆

酒井 隆 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2012/1/26) 、出典:出版社HP

目次

第1部 アンケート調査はこうして進める!

第1章 これが代表的なアンケート調査だ
1 アンケート調査とは
2 アンケート調査の種類はさまざま
3 訪問面接調査とは
4 訪問留置き調査とは
5 郵送調査とは
6 来場者調査とは
7 会場アンケート調査とは
8 電話調査とは
9 インターネットアンケート調査とは
10 その他の調査手法
・column アンケート調査の活路と末路

第2章 アンケート調査の企画を立てる
11 企画・設計の進め方
12 調査課題を検討する
13 調査対象者を定義する
14 調査(実査)方法を検討する
15 アンケート項目を決める
16 調査に必要な期間を決める
17 調査経費を積算する
18 標本数を決める
19 回収率を高める工夫をする
・column 調査のバイアス

第3章 アンケート票を作る
20 アンケート票作成の手順
21 質問順序を考える
22 質問のタイプと回答のタイプを考える
23 調査対象者を測る4つの尺度とは
24 態度を測るものさしとは
25 質問文を作るときの注意点
26 調査ボリュームを調整する
27 対象者特性を5グラフィックスで把握する
28 アンケート票をレイアウトする
29 あいさつ状を作る
・column 質問のタブー

第4章 実査を行う
30 サンプリングとは
31 名簿からランダムに抽出するサンプリング◉単純抽出法と系統抽出法
32 地域と対象者を絞り込むサンプリング◉確率比例2段抽出法
33 住宅地図から抽出するサンプリング◉エリアサンプリング(ランダムウォーク)
34 通行人や電話番号を抽出する方法◉タイムサンプリング、RDD、プラス 1
35 訪問調査のポイント
36 来場者調査のポイント
37 郵送・電話・FAX調査のポイント
38 会場アンケート調査のポイント
39 回収した個票のチェック
・column アンケート調査の謝礼

第5章 インターネットアンケート調査を行う
40 インターネットアンケート調査と標本調査の違い
41 インターネットアンケート調査の実施方法の種類
42 インターネットアンケート調査の回答者の特性
43 インターネットアンケート調査の留意点
44 インターネットアンケート調査の企画・設計の基本手順
45 インターネットアンケート画面の種類と主な機能
46 インターネットアンケート調査のサーベイ手順
47 インターネット調査会社の選び方
48 インターネット調査会社との協議ポイント
49 回答バイアス・誤差に注意
50 回収データのチェックは不可欠
51 モバイルアンケートの長所と活用例
・column 調査モニターに応募する動機

第6章 データ集計を行う
52 集計作業の手順
53 データの最終チェック
54 自由回答をカテゴリー化する
55 集計計画の立て方
56 クロス集計とクロス分析のポイント
57 グラフ作成のポイント
58 調査報告書の作成ポイント

第2部 統計解析はこうして進める!

第7章 統計解析の基本を押さえる
59 統計解析の基本を押さえよう
60 度数分布とは
61 代表値とは
62 範囲と標準偏差とは
63 歪度と尖度とは
64 グループ間の比率の検定◉カイ2乗検定とは
65 平均値の差の検定◉t検定と分散分析とは
66 相関係数とは
67 単回帰とは
68 カテゴリーの得点化◉シグマ値法とは
・column アンケート調査の嘘

第8章 多変量解析はこうして進める
69 多変量解析にはこんな種類がある
70 マーケットの市場性を予測する◉重回帰分析
71 0から1の間の比率を予測する◉プロビット分析
72 カテゴリーデータから予測する◉数量化I類
73 新製品コンセプトの最適な組み合わせがわかる◉コンジョイント分析
74 属するユーザーグループを予測する◉判別分析
75 属するユーザーグループを非線形モデルで予測する◉ロジスティック回帰分析
76 カテゴリーデータを用いて判別する◉数量化II類
77 消費者心理を探り、イメージを分析する◉因子分析
78 マーケットをセグメントする◉クラスター分析
79 1か0のカテゴリーデータを用いてイメージをパターン分析する◉数量化III類
80 クロス集計表の表頭・表側カテゴリーを同じ空間にマッピングする◉コレスポンデンス分析
81 ブランドをポジショニングする◉多次元尺度法
82 因果関係をモデル化する◉共分散構造分析
83 多様な評価基準から意思決定するための◉AHP(階層化意思決定分析法)
さくいん

酒井 隆 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2012/1/26) 、出典:出版社HP

質問紙デザインの技法[第2版]

質問紙デザインから完成までのガイドライン

質問紙を作る際の実務的なガイドラインとなっています。質問紙の概要として、調査プロセスやデータ収集の技法から個人情報保護等の倫理的ガイドラインまで説明し、質問紙の具体的な作成方法では、どのような表現をすれば意図した回答を正確に得ることができるかについて詳しく解説しています。質問紙を作成する際にはとても参考になります。

鈴木 淳子 (著)
出版社 : ナカニシヤ出版 (2016/7/31) 、出典:出版社HP

第2版へのまえがき

本書は,質問紙法による調査実施までのプロセスおよび質問紙デザインの技法の体系的かつ実践的紹介を目的として執筆したものです。2011年9月の初版第1刷発行以来,予想を上回る多くの方々に手に取っていただくことができました。著者としてこれほど嬉しいことはございません。

近年の急速なITの高度化とサービスの向上,さらに社会のさまざまな場面における倫理的配慮への要望の高まりにはめざましいものがあります。このような調査環境の大きな変化が調査実施や質問紙デザインに与える影響について新たに検討を加える必要性を感じ,初版刊行からほぼ5年が経過したこの機会に第2版を作成することにしました。

第2版の執筆姿勢に初版との違いはなく,章立てなどの基本的な構成にも変更はありませんが,本書の内容をより充実したものにすることに加え,大学院生や若手研究者の方々にも質問紙調査を身近に感じて本書を活用していただけることをめざして執筆しました。

今回の大幅な加筆によって,質問紙調査や質問紙デザインに関心をもつ方々や実際に取り組んでいる方々のお役に立てる可能性が少しでも広がり,その楽しさとおもしろさと怖さがより具体的に伝わることを願ってやみません。

最後になりましたが,第2版の作成にあたって,ナカニシヤ出版の宍倉由高さんに初版同様の温かいご配慮と励ましとアドバイスをいただいたことに深く感謝申し上げます。また,めんどうな校正作業を忍耐強く担当してくださった編集部のみなさまにも心から御礼申し上げます。

2016年6月
鈴木淳子

まえがき

本書は質問紙法に関する体系的かつ実践的な入門書です。質問紙法による調査実施までの計画と準備のプロセスおよび質問紙デザインの技法に焦点をしぼって紹介しています。技法のみではなく,回答者に配慮すべき倫理的ガイドラインも重視し,詳細に説明しました。社会科学分野の質問紙法による調査に限定せず,どのような専門分野のどのような調査にも,質問紙作成を必要とする限りは参考にしていただけることをめざして執筆しました。

読者としては,研究や仕事で質問紙を作成する方だけでなく,リサーチ・リテラシーの基礎の習得や質問を通したコミュニケーションのスキル・アップを求める方なども想定しています。

質問紙法による調査の第1の特徴は,調査者と回答者が直接対面せず,質問紙に記述されたことばや記号や数字のみを通して行う双方向なバーバル・コミュニケーションであることです。原則としてノンバーバル情報は用いないため,調査者は書かれたことばだけで「勝負」せざるをえません。

第2の特徴は,多数の回答者に同一条件で,しかも自記式で答えてもらうための汎用性が求められることです。そのためには,会ったこともない多数の回答者に,意図したとおり正確に質問の内容を解釈・理解してもらわなければなりません。たずねたいことを頭のなかできちんと整理し,ことばで正確に表現し,すべての回答者に同じように解釈・理解してもらうことは実はたいへんむずかしいことです。

第3の特徴は,良質なデータを集めるために,回答者によい印象を与えて調査への信頼度や協力意欲を高め,事実に即した正確な回答を返してもらえるよう説得力を備える必要があることです。

この3つの特徴をみれば,質問紙法による調査はそれほど容易には実施できないことをご理解いただけると思います。また,「質問紙作成は,日本語がわかる人ならだれでも簡単にできる単純作業」という考えは大きな誤解であることもおわかりいただけるでしょう。単に自分のたずねたい質問を並べるだけでも質問紙の体裁はとれますが,それは質問紙ではなく質問の単なる寄せ集めにしかすぎません。質問紙にはデザインが必要です。

質問紙は創意工夫の固まりです。調査者が興味をもつテーマに関する知識と思考を質問の内容に反映させ,質問順序やレイアウトなどについて試行錯誤を重ね,時間とエネルギーを注げば,質問紙はそれに見合った質の良いものにどんどん変化していきます。しかし,質問紙は創意工夫だけでは未完成です。その上に回答者の心理や立場をさまざまに想像しながら倫理的配慮を重ね,やっと完成に至るのです。最初に作成した質問紙の試案と完成版を比較すれば工夫と配慮の成果がはっきりわかります。完成版では試案の原型がほぼ消えていることでしょう。これは,質問紙デザインの技法を身につけたということを自分で客観的に確かめることのできる,非常に嬉しい経験になります。

質問紙はまた個性的でもあります。同じテーマ・目的で同じ対象者を想定して同じ文献を読んで同じ予算で質問紙を作成しても,作成者が異なればまったく異なったものができあがります。質問内容,質問のしかた,ワーディング,質問順序,体裁やレイアウトなどが作成者の個性を反映し,それぞれ異なるからです。質問紙は作成する人の興味,パーソナリティ,知識,想像力,価値観,思考スタイルを映し出す鏡であり,そこにおもしろさと怖さがあります。

本書は第1部と第2部から構成されています。

第1部「質問紙法の調査デザイン」では,質問紙法による調査実施までのデザインの概要を紹介しました。まずイントロダクションとして質問紙・質問紙法とはなにかを説明し,調査における質問紙デザインの重要性を確認し,本書の目的と構成を明らかにします(第1章)。調査者が質問紙法について理解しているべき特徴,利点,課題について整理し,調査の基本姿勢として回答者への配慮について説明します(第2章)。続いて調査プロセス(第3章),データ収集の技法(第4章),サンプリングの技法(第5章),調査実施に向けての準備(第6章)を取り上げ,最後に全プロセスにかかわる倫理的ガイドラインを総括的にまとめます(第7章)。

第2部「質問紙デザイン」では,調査デザインのなかでも質問紙デザインに的をしぼって詳細に説明しました。質問紙デザインの各プロセスごとに独立した章を立て,それぞれの技法とガイドラインを解説していますが,実際に質問紙を作成する場合には,これらを総合的に検討することになります。具体的には,まず質問紙の完成に至るまでの作成の全プロセスを示し,質問紙デザイン上もっとも重要な基本的作業とガイドラインを紹介します(第8章)。その後に,質問紙の構成と体裁(第9章),質問の種類と順序(第10章),質問作成(第11章)ワーディング(第12章),選択回答法(第13章),自由回答法(第14章),予備調査(第15章)について技法とガイドラインをまとめています。

なお,質問紙を用いた調査では,質的データより量的データを求めることのほうが多いため,本書も量的データを収集するための質問紙デザインについての説明が中心になりますが,質的データの収集にも役立つように執筆しました。また,インターネット調査法は「紙と鉛筆」による従来の調査法とは技術面で異なりますが,質問紙デザインの技法に関しては根本的な違いはないと考え,本書でも随所で取り上げました。

質問紙デザインは,配慮と工夫と経験によって上達する技法です。「正解」はありませんが,繊細な配慮と工夫を重ねれば,また経験を積んでいけば,必ずより良い質問紙が作成できます。本書が技法の解説にとどまらず,質問紙デザインには創造することの楽しさとおもしろさと怖さが備わっていることを読者に伝えられれば,執筆者として望外の幸せです。先に出版されている拙著「調査的面接の技法」と合わせてお読みいただき,サーベイ調査法全般についての理解を深めてくださることを願っております。

最後になりましたが,ナカニシヤ出版の宍倉由高さんと慶応義塾大学名誉教授の三井宏隆先生には,公私にわたってさまざまなご配慮と温かい励ましをいただきました。東日本大震災の経験も含め,執筆中には心身ともに大きな試練を迎えた時期もあり,脱稿が予定より大幅に遅れましたが,おかげさまで最後まで執筆することができました。宍倉さんには本書の校正でもご無理なお願いを重ね,たいへんお世話になりました。おふたりに心から感謝申し上げます。

2011年8月
鈴木淳子

鈴木 淳子 (著)
出版社 : ナカニシヤ出版 (2016/7/31) 、出典:出版社HP

目次

第2版へのまえがき
まえがき

1 イントロダクション
1-1 質問紙とは
1-2 質問紙法とは
1-3 質問紙法による調査の現状
1-4 invisibleな質問紙の存在
1-5 質問紙の重要性
1-6 本書の目的
1-7 本書の構成

第1部 質問紙法の調査デザイン

2 質問紙法の基礎
2-1 質問紙法の特徴
2-2 質問紙法の利点
2-3 質問紙法の課題
2-4 回答者への基本的配慮

3 質問紙法の調査プロセス
3-1 調査プロセスの概略
3-2 調査テーマの発見
3-3 文献調査
3-4 調査デザイン1:調査テーマ・目的・タイトル・仮説の決定
3-5 調査デザイン2:スケジュール・予算の決定
3-6 調査デザイン3:調査対象者・データ収集法・サンプリング法の決定
3-7 調査デザイン4:データの編集・集計・分析デザインの検討
3-8 調査デザイン5:質問紙ドラフトの作成・予備調査・質問紙の完成
3-9 調査デザイン6:調査実施に向けての準備
3-10 調査デザイン7:倫理的問題の有無の検討
3-11 本調査実施
3-12 本調査実施後の調査プロセス

4 データ収集の技法
4-1 集合調査法
4-2 郵送調査法
4-3 留め置き調査法
4-4 インターネット調査法
4-5 電話調査法
4-6 構造化面接法
4-7 混合型調査法

5 サンプリングの技法
5-1 調査対象者の選定
5-2 サンプリング
5-3 確率標本抽出法
5-4 非確率標本抽出法
5-5 今後のサンプリングのありかた

6 調査実施に向けての準備
6-1 挨拶状・推薦状
6-2 第三者へのデータ収集依頼
6-3 ブリーフィング・ディブリーフィング
6-4 宛名ラベル・返信用封筒
6-5 フォローアップ・コンタクト
6-6 謝礼の方法
6-7 問い合わせ・苦情などへの対応

7 倫理的ガイドライン
7-1 倫理的配慮の必要性
7-2 インフォームド・コンセント
7-3 匿名性の保障とプライバシー・個人情報・人権の保護
7-4 回答者の権利
7-5 既存尺度の使用
7-6 倫理的ガイドラインをめぐる今後の動向

第2部 質問紙デザイン

8 質問紙デザインの基礎
8-1 質問紙デザインの重要性
8-2 質問紙デザインのプロセス
8-3 質問紙デザインの基本的作業
8-4 質問紙デザインのガイドライン

9 質問紙の構成と体裁
9-1 質問紙の構成
9-2 質問紙の表紙
9-3 表紙に記載する注意事項
9-4 最終項目群
9-5 質問紙の体裁
9-6 質問紙の書式
9-7 質問紙のレイアウト

10 質問の種類と順序
10-1 質問の種類
10-2 デモグラフィック項目
10-3 注意が必要なデモグラフィック項目
10-4 質問順序
10-5 質問順序デザインのガイドライン

11 質問作成
11-1 誘導質問
11-2 虚偽回答・タテマエの回答を招きやすい質問
11-3 ダブル・バーレル質問
11-4 反応バイアスを発生させやすい質問
11-5 回答者が答えにくい質問
11-6 否定の入った質問
11-7 質問作成と教示のガイドライン

12 ワーディング
12-1 ワーディングの微妙な影響
12-2 明確なワーディングのための5つの条件
12-3 ワーディング推敲のガイドライン

13 選択回答法
13-1 回答記入法
13-2 選択回答法
13-3 利点と課題
13-4 回答形式
13-5 回答選択肢作成のガイドライン

14 自由回答法
14-1 自由回答法
14-2 利点と課題
14-3 回答形式
14-4 自由回答法による質問作成のガイドライン

15 予備調査
15-1 予備調査の目的
15-2 予備調査の概要
15-3 チェック内容
15-4 質問紙の完成

引用文献
事項索引
人名索引

鈴木 淳子 (著)
出版社 : ナカニシヤ出版 (2016/7/31) 、出典:出版社HP

アンケート調査入門

リサーチの実務書

アンケートに限らず、調査一般に関する実務書です。特に、マーケティング・リサーチを行う際に役立つ内容となっています。アンケートの作成から、統計、情報発信までの一連のプロセスで注意すべきポイントについて解説しており、企業等でリサーチを行う方の参考になります。

朝野 熙彦 (著, 編集)
出版社 : 東京図書 (2011/10/8) 、出典:出版社HP

まえがき

顧客アンケートは、企業が顧客を知って顧客志向を実現するための重要な手段です。しかしせっかく調査した結果が、各企業の意思決定に役立っているかというと、なかなかそうもいかないのです。なぜ顧客アンケートは失敗しがちなのでしょうか。

まず利用目的がはっきりしないまま、とりあえず顧客アンケートが走りだすという失敗がしばしば起きます。次に採用した方法が、与えられたビジネス上の課題を解決するのに適していなかったというミスがあります。ビジネス全般にいえることですが、初動段階での誤りは、後からでは修復するのが困難なものです。幸いにしてアンケートが適切に計画できて、データ収集も大過なく終わったとしましょう。それでもデータから情報を抽出する統計処理の段階で間違いをおかすことがあります。使っている統計ソフトが悪いのか、それとも使っている人間が悪いのか?さらに意思決定者にデータ・リテラシーがないために、顧客データを読み誤る危険もあります。

このようにアンケート調査のトラブルは、企業内の人的資源や組織にかかわる問題もからんで多層的に発生するのです。

本書は、アンケート調査で失敗しないための基本的な考え方と実務手続きを紹介したものです。調査や分析に関して経験の浅い方々はもちろん、多少経験のある方々にもご参考になるように、やや専門的な内容も取り上げています。本書の特徴は次の3点にまとめられます。

1.アンケート調査で失敗しないためのトラブルシューティングを示した。
2.アンケート調査を有効に実施するためのメッセージを各章冒頭に掲げた。
3.企業での具体例や質問文例を多くとり入れることで読者が具体的な業務イメージがつかめるようにした。

執筆の基本姿勢としては、実務的な立場で顧客アンケートをできるだけ易しく解説するように心がけました。しかし、その一方で顧客アンケートには難しい問題もあることを正直に認めて、今後取り組むべき課題についても指摘しています。

顧客アンケートのエキスパートの方々もかつては初心者として苦心を重ね、次第に達人へと成長してきたはずです。ですから、まだ経験が浅いのに顧客アンケートの仕事をまかされてしまった、という方もぜひ前向きな姿勢で顧客アンケートに取り組んでいただきたいと思います。本書がそのような諸姉諸兄の後押しとしてお役に立てれば幸いです。

東京図書の平塚裕子さんと宇佐美敦子さんには、本書の企画から編集までご尽力いただきました。お礼申しあげます。

平成23年9月
編著者 朝野熙彦

朝野 熙彦 (著, 編集)
出版社 : 東京図書 (2011/10/8) 、出典:出版社HP

目次

まえがき

第1章 マーケティング課題とリサーチの変革
1.1 本書のパノラマ
1.2 草創期のマーケティング
1.3 産業界の新潮流
1.4 調査テーマの拡大

第2章 マーケティング・リサーチの方法
2.1 顧客アンケートの位置づけ
2.2 健康診断としての役割
2.3 測定データの性質

第3章 標本調査の前提と限界
3.1 破たんするフィッシャーの主張
3.2 リアリティーのない確率論
3.3 推定の真意と現実

第4章 リサーチのプロセスと実行管理
4.1 マーケティング活動とリサーチ
4.2 マーケティングのステップに対応した調査
4.3 リサーチのプロセス
4.4 リサーチ機能の組織化
4.5 リサーチ手法の選択

第5章 アンケート票の作成
5.1 アンケート票作成時の心構え
5.2 調査手法と質問項目の決め方
5.3 質問文と回答形式
5.4 アンケート票のブラッシュアップ

第6章 テキストデータからの情報抽出
6.1 アンケートや利用者カードの作成法
6.2 テキスト分析の方法
6.3 コールセンターや営業日報の蓄積データ
6.4 ブログやツイッターからの情報抽出

第7章 データの集計と統計解析
7.1 Excelによるデータの入力
7.2 集計の基本
7.3 グラフによるデータの可視化
7.4 データの視覚化に起因する誤解
7.5 統計的なデータの解釈

第8章 統計モデル
8.1 Excelで重回帰分析
8.2 重回帰分析の概念
8.3 説明変数のウェイト評価
【補足】基本的な統計量

第9章 情報発信
9.1 2次データの活用
9.2 報告書・プレゼンテーション
9.3 情報の活用と管理

第10章 リサーチに対するリサーチユーザーの期待

付録A アンケート調査の情報源
付録B リサーチに関する類似語・略語
引用文献
索引

執筆者紹介(執筆順:執筆時の情報です)

丸山 泰 4章
ライオン 生活者行動研究所 ブランドマネジメント開発担当部長を経て 熊本県立大学総合管理学部 教授
五條 雅史 5章
リサーチ・アンド・ディベロプメント 常務取締役
石原 聖子 6章
富士ゼロックス CS本部CR部CS革新センター グループ長
小代 禎彦 7章
TOTO コミュニケーション推進部 企画主査
高見 健治 9章
明治 マーケティング推進本部 マーケティング情報部長
星野 朝子 10章
日産自動車 執行役員市場情報室長

秋葉原MR(マーケティング・リサーチ)研究会について

本書ではマーケティング・リサーチの実学的側面を重視して、産業界で現在ご活躍中のエキスパートの方々に分担執筆をお願いしました。分担執筆者の一覧とそれぞれの担当章は上に示す通りです。BtoC企業、BtoB企業、そして日用品から耐久財まで幅広い産業分野の方々にご協力をいただいています。なお上記の分担執筆者はいずれも朝野が幹事を務める秋葉原MR研究会のメンバーです。この研究会は産学協同の勉強会として秋葉原を拠点にして2009年に発足し、以来定期的に研究会を開き共同研究を続けてきました。参加者は資生堂、キリンビール、ミツカン、アメックス、ベネッセの方など約40人からなっています。

朝野 熙彦 (著, 編集)
出版社 : 東京図書 (2011/10/8) 、出典:出版社HP

改訂新版 すべてがわかるアンケートデータの分析

データ分析を幅広く学ぶ

アンケートデータの解析手法を網羅し、どのような目的のときにどの手法を用いれば良いかを解説しています。具体的な事例についての解説もされているため、実際にデータ分析を行う具体的なイメージをすることができます。

菅 民郎 (著)
出版社 : 現代数学社 (2020/2/21) 、出典:出版社HP

はじめに

アンケートデータは、とても多くのことを分析者に語りかけています。そして、分析者はアンケートデータの中から「宝物」を見出す発掘者といえます。

アンケートにおける「宝物」とは、分析者が知りたいこと(目的)に対する「答え」です。したがって、アンケート調査とは、知りたいこと(目的)を明確にし、その目的を解明するために、調査企画、調査票の作成、集計、推定・検定、多変量解析を行います。目的を解明するためには、それらのどの工程も非常に重要で、またその工程それぞれに、分析者が最低限知っておかなければならないことが多くあります。そこで本書は、それぞれの工程に対する実務的知識が理解できるように、一般的なニーズを鑑みつつ、多くの事例を用いて、できるだけ噛み砕いて解説しました。

特に次の4点を留意して解説しました。
①アンケートデータの分析に必須の解析手法を網羅しました。
②数多くある手法の中からどのような分析目的のとき、どの手法を用いれば良いかを解説しました。
③具体的な例題・事例について分析し、結果の見方、解釈の仕方を解説しました。
④公式や計算方法の紹介では、ベクトルや行列などの複雑な式は避け、電卓で計算できるように配慮しました。

本の構成は、初級編、中級編、上級編、分析レポート編の4部構成としました。
初級編は単純集計・クロス集計について、中級編は相関分析・検定について、上級編は多変量解析について解説し、分析レポート編はレポート実例を掲載致しました。

本書の発行にあたり種々のご尽力を頂いた株式会社アイスタットの姫野尚子様には心から感謝いたします。また、執筆の機会を与えてくださった株式会社現代数学社富田淳様にはお礼申し上げます。

令和元年9月1日
著者 菅 民郎

菅 民郎 (著)
出版社 : 現代数学社 (2020/2/21) 、出典:出版社HP

目次

まえがき

初級編

1.アンケート調査におけるデータ
§1 質問のための分類「SA」「MA」「数量」「文字」の回答法
§2 集計・解析のための分類「数量データ」と「カテゴリデータ」
§3 「回答方法」と「数量データ・カテゴリ」との関係

2.集団の特色や傾向を調べる——単純集計
§1 調査集計
§2 単純集計
§3 カテゴリデータの単純集計の仕方
§4 カテゴリデータ単純集計における不明回答の比率計算
§5 カテゴリデータ単純集計における限定項目の比率計算
§6 数量データの単純集計の仕方
§7 単純集計をグラフで表現する方法
テスト1

3.質問間の関連を調べる——クロス集計
§1 クロス集計
§2 「カテゴリ/カテゴリ」クロス集計
①クロス集計とは
②集計の仕方
③集計の種類
④クロス集計における%ベース
⑤クロス集計における%計算
⑥クロス集計から分かること
§3 「カテゴリ/数量」クロス集計
§4 「数量/数量」クロス集計
§5 クロス集計をグラフで表現する方法
テスト2

中級編

4.関連の強さを調べる——相関
§1 相関の種類
§2 クラメール連関係数
§3 相関比
§4 単相関係数
テスト3

5.比率(平均)の差を調べる——検定
§1 母集団と標本調査
§2 母集団の比率(平均)を推定する
①推定の考え方
②母比率の推定
③母平均の推定
§3 母集団の割合(平均)の差を検定する
①検定の考え方
②母比率の差の検定
③母平均の差の検定
§4 アンケート調査のサンプルサイズ(n)決め方
テスト4

6.比関の有無を調べる——相関検定
§1 関連度に関する検定の考え方と検定の種類
①検定の考え方
②検定の種類
§2 カテゴリデータとカテゴリデータの関連度を検定
①2×2のクロス集計表
②2×2以外のクロス集計表
§3 カテゴリデータと数量データの関連度を検定
§4 数量データと数量データの関連度を検定
①無相関の検定
②母相関係数の検定
テスト5

7.一対比較法
§1 一対比較法で適用できるデータ
§2 サーストンの一対比較法
1.サーストンの一対比較法とはどんな手法
2.計算の仕方
§3 シェツフェの一対比較法「原法」
1.シェッフェの一対比較法とはどんな手法
2.計算の仕方
3.主効果の分析
4.商品相互の平均値の差の検定
§4 シェッフェの一対比較法「浦の変法」
§5 シェッフェの一対比較法「芳賀の変法」
§6 シェッフェの一対比較法「中屋の変法」
テスト6

上級編

8.クロス表からこんなことが分かる
§1 クロス表で有意なセルは——調整残差
1.調整残差とは
2.調整残差の求め方
§2 クロス表で類似しているカテゴリは——コレスポンデンス
1.コレスポンデンスとは
2.カテゴリスコアの求め方

9.顧客満足度調査で改善すべきサービスは——CSグラフ
§1 CSグラフとは何か
§2 改善度の求め方

10.各個体の総合評価とは——主成分分析
§1 主成分分析とはどんな手法
1.主成分分析でどんなことが明らかにできるのか
2.総合評価、系別評価を測定してくれるのはどんな式
3.固有値,固有ベクトル,主成分得点とは
4.「分散・共分散行列」「相関行列」による主成分分析とは
5.主成分負荷量とは
§2 総合評価の式の係数はどのような考え方で求められるのか
§3 系別評価の式の係数は項目相互の相関で決まる——変数クラスタの活用
§4 主成分分析適用の有無をクローンバックα係数で判断する
§5 マトリックスデータに対する主成分分析

11.評価スケールを作成する——因子分析
§1 因子分析とはどんな手法
1.因子分析でとんなことが明らかにできるのか
2.主成分分析と因子分析の違い
3.因子負荷量とは
4.因子得点とは
5.固有値と因子の数
6.固有値と因子負荷量との関係
§2 困子の解釈・ネーミング
1.因子負荷量を使っての解釈
2.因子得点の解釈
§3 因子軸の回転とは
§4 共通性の推定、反復計算とは
§5 因子得点属性別平均とは
§6 因子分析の適用例

12.人・物の類似度を調べる——数量化3類
§1 数量化3類とはどんな手法
1.カテゴリ間,個体問の類似度を得点化する
2.類似度を示すカテゴリスコアとサンプルスコア
3.固有値とは
4.カテゴリスコア算出の考え方
§2 数量化3類の2つの方式
1.フリーチェック方式とアイテム・カテゴリ方式
2.2つの方式の使い分け
3.2つの方式における累積寄与率
§3 軸の解釈・ネーミング
1.基本分析
2.項目選択
3.数量化3類——「性格のみ」で行った場合
4.軸の解釈・ネーミング
5.数量化3類——「性格と血液型」で行った場合
§4 5段階評価に対する数量化3類
1.2カテゴリに変換してフリーチェック方式で
2.5段階評価の処煙は目的に応じて数量化3類、因子分析、主成分分析を選択

13.人・物をグルーピングする——クラスタ分析
§1 クラスタ分析とはどんな手法か
§2 サンプルクラスタ分析
1.距離
2.クラスタ分析の計算の仕方
3.樹形図の作成方法
4.クラスタ数と各サンプルのクラスタNo.
5.クラスタ分析の種類
§3 変数クラスタ分析
§4 数量化3類因子分析とクラスタ分析とを併用する
§5 新製品開発のための消費者セグメンテーション
1.分析のすすめ方
2.分析結果のイメージ
§6 クラスタ分析のまとめ方

14.アンケートデータを使っての予測——数量化2類
§1 数量化2類はどんな手法か
1.予定率の大きさ、予定の有無を規定している要因の把握
2.予測を行う場合の数量化2類
3.カテゴリスコアとサンプルスコア
4.潜在来店意向率の予測
5.分析精度
6.カテゴリスコアの求め方
§2 判別グラフと判別的中点
1.判別グラフ
2.判別的中点
§3 各個体の来店予定を確率で表わす
§4 来店予定率を予測するのに重要な要因は——レンジ、偏相関
1.レンジ
2.偏相関係数
§5 変数選択
1.変数選択のルール
2.マルチコ現象
3.疑似相関に注意
§6 数量化2類を用いた分析の実例
1.分析目的
2.分析方法
3.調査ケースNo.1の分析
4.調査ケースNo.2の分析(1)
5.調査ケースNo.2の分析(2)
§7 目的変数のグループが3つ以上の場合の数量化2類
1.3グループ以上の数量化2類の適用例
2.目的変数が3グループ以上がおける数最化2類は複数個のスケールで
3.軸の数と固有値
4.軸の解釈の仕方
5.タイプに対する志向度を確率で表す
6.予測
§8 数量データの予測——数量化1類

分析レポート編

15.分析手順と分析手法の選択
§1 分析手順
§2 回答方法と分析手法

16.洗濯機に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.洗濯機総合評価
2.年代別洗濯機総合評価
3.機能別評価
4.年代別機能評価
5.洗濯機総合評価
6.機能の改善

17.健康に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.健康維持行為者の割合
2.属性別健康維持行為の割合
3.酒飲・喫煙と健康維持行為との関連
4.健康維持行為者が行っている内容
5.属性別健康維持行為内容
6.摂生、不摂生を測定するスケール
7.摂生、不摂生の度合に応じた人々のグルーピング
8.まとめ

18.プロ野球に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.人気チームの順位は
2.どの層で巨人ファンは多いか
3.巨人ファンと阪神ファンの違いは
4.日本人の性格は
5.性別、年代別、血液型別の性格.
6.性格の類似度を調べるスケール
7.性格類似度による人々のグルーピング
8.性格タイプと好きなプロ野球チーム
9.まとめ

19.新規開店の来店意向に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.来店意向率
2.通行人の属性別来店意向率
3.潜在来店意向率
4.潜在来店意向率を予測するための項目選択
5.どのような店作りを行うべきか

20.ビールに関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.ビールの人気度
2.各年代層の好むビールは
3.各ブランドの印象

付録
索引

菅 民郎 (著)
出版社 : 現代数学社 (2020/2/21) 、出典:出版社HP

アンケート分析入門: Excelによる集計・評価・分析

実務に役立つ入門書

アンケート調査を行う入門者向けの実務的な入門書です。調査票のつくり方から、集計、解析に至るまで、網羅的に解説しています。Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」のマニュアルも解説しており、実際にアンケート調査を行う際の参考になります。

菅 民郎 (著)
出版社 : オーム社 (2018/6/26) 、出典:出版社HP

はじめに

アンケートデータは、とても多くのことを分析者に語りかけています。そして、分析者はアンケートデータの中から「宝物」を見出す発掘者といえます。

アンケートにおける「宝物」とは、分析者が知りたいこと(目的)に対する「答え」です。したがって、アンケート調査とは、知りたいこと(目的)を明確にし、その目的を解明するために、調査企画、調査票の作成、集計、推定・検定、多変量解析を行います。目的を解明するためには、それらのどの工程も非常に重要で、またその工程それぞれに、分析者が最低限知っておかなければならないことが多くあります。そこで本書は、それぞれの工程に対する実務的知識が理解できるように、一般的なニーズを鑑みつつ、多くの事例を用いて、できるだけ噛み砕いて解説しました。以下に本書の大きな特徴を列挙します。

まず、インターネットの普及によって、近年はWeb上でアンケート調査が容易にできるようになりました。しかし、便利になった一方で、アンケートの質問文は自ら作成しなければならないため、調査票のつくり方がわからずに困っている人が多くいることでしょう。そこで、2章では調査票のつくり方を詳しく解説しました。

また、「アンケートはクロス集計に始まってクロス集計で終わる」といわれるように、「クロス集計」が非常に重要となります。私もその考えの信奉者ですので、4章ではクロス集計について、より詳しく解説しています。

最後に、現場で利用でき、実践的な内容とするために、7章~12章ではCS調査、一対比較法調査、コンジョイント調査、因果関係解明調査、消費者セグメンテーション調査における調査の仕方や解析方法について解説しました。

なお、この書籍に掲載したほとんどの解析結果は、アイスタット社のExcelアドインフリーソフトで出力しました。

以上が、本書の大きな特徴となります。アンケート調査の入門者、実務者にはとっておきの教科書になることを信じて執筆しましたので、ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

本書の発行にあたり種々のご尽力を頂いた株式会社アイスタットの姫野尚子様には心から感謝いたします。また、執筆の機会を与えてくださった株式会社オーム社の皆様にはお礼申し上げます。

2018年5月
菅 民郎

菅 民郎 (著)
出版社 : オーム社 (2018/6/26) 、出典:出版社HP

目次
CONTENTS

はじめに

第1章 アンケート調査の基本と準備
アンケート調査の目的とプロセス
調査設計
項目関連図と質問項目

第2章 調査票のつくり方と質問内容
調査票の基本
質問順序と調査票のレイアウト
プリコード回答法
自由回答法
段階評価
一対比較法とSD法
間接質問や回答者属性の聞き方
調査票の見本

第3章 アンケートデータの集計
調査集計とは
調査データのタイプ
単純集計
回答割合
平均値・中央値・最頻値
偏差平方和・分散・標準偏差
度数分布
段階評価の集計方法
単純集計のグラフ
ディテール集計

第4章 クロス集計
クロス集計
クロス集計の加工・編集
クロス集計のグラフ
クロス集計表作成・活用のための5カ条
母集団補正集計・母集団拡大集計

第5章 アンケートデータの解析
基準値・偏差値
正規分布
正規分布のあてはめ
価格決定分析
相関分析
クラメール連関係数
単相関係数
相関比
スピアマン順位相関係数

第6章 アンケート調査による母集団の把握
統計的推定
母比率の推定
母平均の推定
統計的検定
母比率の差の検定の種類
母比率の差の検定/タイプ1の検定
母比率の差の検定/タイプ2の検定
母比率の差の検定/タイプ3の検定
母比率の差の検定/タイプ4の検定
母平均の差の検定の種類
対応のない、対応のあるとは
母平均の差の検定/対応のない場合のz検定
母平均の差の検定/対応のない場合のt検定
母平均の差の検定/ウエルチのt検定
母平均の差の検定/対応のある場合のt検定
両側検定、片側検定
サンプルサイズ決定法
サンプル抽出法と標本割り当て

第7章 CS調査と分析方法
CS分析とは
満足度と重要度
CSグラフ
改善度指数

第8章 一対比較法の調査と分析力
一対比較法調査とは
サーストンの一対比較法
シェッフェの一対比較法
シェッフェの原法
浦の変法
芳賀の変法
中屋の変法

第9章 コンジョイント調査と分析方法
コンジョイント分析とは
コンジョイントカードに対する評価方法
部分効用値、重要度、全体効用値とは
コンジョイントカードの作成方法
コンジョイント分析の計算方法
直交表
具体例

第10章 因果関係解明調査と因子分析
因果関係解明調査における因子分析の役割
因子分析で把握できる内容と因子分析の手順
因子分析の仕方と結果の見方
因子得点の活用方法
因子分析の事例

第11章 因果関係解明調査と共分散構造分析
共分散構造分析とは
共分散構造分析から把握できる内容
共分散構造分析の統計指標の見方・活用方法
潜在変数のある共分散構造分析
共分散構造分析の事例

第12章 消費者セグメンテーション調査と数量化3類・クラスター分析
消費者セグメンテーションとは
消費者セグメンションの手順と解析方法
消費者セグメンテーション調査の事例

第13章 Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」の活用
Excelアドインフリーソフトで行える解析手法
Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」のダウンロード方法
Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」起動と終了方法
Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」の操作方法

巻末資料
索引

菅 民郎 (著)
出版社 : オーム社 (2018/6/26) 、出典:出版社HP

Excelを使ったアンケート調査―Excelによるアンケート集計システムを使う

アンケート調査の全体を俯瞰する

アンケート調査の初心者が、アンケート調査のプロセス全体を俯瞰して、やるべき最低限のことを把握できるようになっています。統計処理については、あえて必要最低限の記述にとどめることで、全体的な理解をスムーズに行うことができます。具体的な事例でも調査の一連のプロセスを解説しており、具体的なイメージを持つことができます。

岩田 安雄 (著), 小田 真由美 (著)
出版社 : カットシステム (2016/11/1) 、出典:出版社HP

はじめに

アンケート調査には、さまざまな壁や落とし穴が潜んでいます。たとえば、
●調査票が設計できない
●調査票ができても、回答者が回答できない
●回答者は回答できるが、ほとんど、みんな同じ回答になってしまった
●調査票は回収できたが、自由記述が多く、集計できない
●集計することはできたが、ここから何がいえるのか、いうべきか見当がつかない
などなど、数えれば切りがありません。しかも、そうした失敗を乗り越えるために、はじめからやり直さなければならなかったり、やり直すだけの時間も労力も残されていなければ、結局あきらめざるをえないという状況に追い込まれてしまうことになります。

本書の目的は、アンケート調査の全体を俯瞰し、つまり最小限やるべきことを網羅して、アンケート調査に潜むワナを回避しながら、そうした失敗を避けることです。それは、
●店頭における来店客を対象とした調査
●取引先の担当者を対象とした調査
●学園祭における研究発表の来場者を対象とした調査
●ゼミで取り組む課題のための調査
●卒業研究や、授業課題で用いるための調査
など、ちょっとしたアンケート調査であっても、失敗を避けるために必要なことを整理しています。

また、どんな調査であっても、調査票の印刷、配布、回収、最近ではそれをWeb上で行うにしても、人件費を含めたコストが発生します。ついては、そのコストに見合う、またはそれ以上の成果を報告書というアウトプットにまとめることが求められます。したがって、どんな報告書を目指すのか、つまりゴールを明確にすることによって、おのずと、その取り組みが決まるといっても過言ではありません。

つまり、アンケート調査の全体を見通し、一連のプロセスでやるべきことがらや注意すべき点を整理し、また、実際の事例に触れることによって、たとえ、それらは疑似体験であっても、アンケート調査に潜む壁や落とし穴を避けることが期待できます。

ただし、多くの入門書が統計処理を前提に展開されているのに対し、本書では、統計処理を必要最小限に留めることによって、最初にして最大の壁を避けようとしています。それはあらゆる分析手法や計算方法を理解しなければ、アンケート調査が始められないという呪縛から解き放ち、必要になったときに追加すればよいというルートを取りました。それは本書の目的がプロのリサーチャーを養成することではなく、より多くの初心者がアンケート調査のプロジェクト全体を俯瞰できるようにするためです。より高度な統計分析はそれが必要になったとき、必要と考えた方法を追加する方が、モチベーションも高く、はるかに効果的、効率的といえるでしょう。

また、本書で紹介している、表計算ソフトExcelのマクロで動くアンケート集計システムがダウンロードできます。このシステムでは、入力したデータのエラーチェック、単純集計、クロス集計などを簡便に行うことができます。もちろん、このシステムを使用しなくても表計算ソフトでそれらを行うことは可能です。しかし、表計算ソフトによる処理のように、何度も同じ処理を繰り返すことなく、マクロで効率的に処理する様子を確認することによって、実際の調査でありがちな、
●データに誤りがあり訂正してから集計し直す
●別の角度から集計し直す
などなど、さまざまなトラブルにも適切に対応することができます。なぜなら、そうした処理はマクロによってほぼ自動的に行うことができるので、データ処理のための操作に多くの時間を費やすことなく、なるべく多くの時間を、報告書作成を含めた後処理に使えることを確認するためです。

著者一同

岩田 安雄 (著), 小田 真由美 (著)
出版社 : カットシステム (2016/11/1) 、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1部 計画編

第1章 アンケート調査とは
1.1 社会調査とは
1.2 調査対象
1.3 調査主体
1.4 調査目的
1.5 調査内容
1.6 調査方法
1.7 アンケート調査とその方法
1.8 アンケート調査のプロセス

第2章 アンケート調査の企画
2.1 調査テーマの決定
2.2 調査目的の決定
2.2.1 実態調査
2.2.2 提案調査
2.3 既存調査資料の収集、分析
2.3.1 官庁統計
2.3.2 学術調査
2.3.3 民間調査
2.3.4 インターネットの有効活用
2.3.5 政府統計の総合窓口(e-Stat)の活用
2.3.6 添付ファイルの形式
2.4 調査仮説の設定
2.4.1 仮説とは
2.4.2 なぜ、調査仮説が必要か
2.4.3 仮説設定のアプローチ
2.4.4 統計データの傾向
2.5 調査対象者の選定
2.5.1 全数調査
2.5.2 標本調査
2.6 調査方法の決定
2.7 調査企画書

第3章 アンケート調査票の設計
3.1 質問の形式
3.2 質問の区分
3.3 質問文の設計
3.4 選択肢の設計
3.4.1 択一項目の選択肢
3.4.2 評定項目の選択肢
3.4.3 複数選択項目の選択肢
3.4.4 計量項目の場合
3.5 質問順序の考察
3.6 調査の協力依頼文
3.7 質問票の最終確認

第2部 実践編

第4章 アンケート集計システムの利用法(利用者マニュアル)
4.1 アンケート集計システムの概要
4.1.1 保護ビューの解除
4.1.2 Excelマクロの利用
4.1.3 ブックの構成
4.1.4 メニュー画面(「Top」シート)
4.2 データ定義とそのエラーチェック
4.2.1 データ定義
4.2.2 データ定義エラーチェック
4.3 データ入力とそのエラーチェック
4.3.1 データフレームの作成
4.3.2 回答データの入力
4.3.3 データエラーチェック
4.4 単純集計
4.5 クロス集計
4.5.1 集計パラメタ入力
4.5.2 択一項目の集計
4.5.3 複数選択項目の集計
4.5.4 数値項目としての集計

第5章 アンケート調査の実施
5.1 質問票の回収とその整理
5.1.1 目視チェック
5.1.2 ナンバリング
5.1.3 アフターコーディング
5.2 データ入力
5.2.1 OMRの利用
5.2.2 OCRの利用
5.2.3 手入力
5.3 エラーチェック
5.3.1 範囲エラー
5.3.2 条件エラー
5.3.3 回答数エラー
5.4 回収サンプルの確認

第6章 集計と分析
6.1 カテゴリーデータの集計・分析
6.1.1 カテゴリーデータの単純集計
6.1.2 カテゴリーデータのクロス集計
6.1.3 カテゴリーデータの検定
6.2 計量データの集計と分析
6.2.1 要約統計量
6.2.2 計量データのクロス集計
6.2.3 相関分析
6.2.4 回帰分析
6.3 グラフの活用
6.3.1 棒グラフ
6.3.2 円グラフ
6.3.3 帯グラフ
6.3.4 3Dグラフ
6.3.5 箱ひげグラフ
6.3.6 散布図
6.3.7 ヒストグラム

第7章 顧客満足分析
7.1 データの収集
7.2 データの整理
7.3 縦組み表への入れ替え
7.4 標準化とCSグラフ
7.5 改善度指標の計算

第8章 調査報告書の作成
8.1 文章の種類
8.1.1 研究論文
8.1.2 リポートとは
8.2 分かりやすい文章
8.2.1 句読点の使い方
8.2.2 二重否定を用いない
8.2.3 正確な表現
8.3 慎むべき表現
8.4 文章の仕上げ
8.4.1 構想と確認
8.4.2 文章の透明感
8.5 調査報告書の作成
8.5.1 調査報告書とは
8.5.2 調査報告書の構成
8.5.3 調査報告書の要約
8.5.4 調査報告書の具体例

第3部 事例編

第9章 学園祭研究発表の来場者アンケート
9.1 アンケート調査の企画
9.1.1 背景
9.1.2 調査目的
9.1.3 仮説の設定
9.1.4 調査対象の選定
9.1.5 調査方法の決定
9.1.6 アンケート企画書
9.2 アンケート帳票の設計
9.2.1 回答者属性についての質問
9.2.2 研究発表についての質問
9.2.3 健康に対する意識についての質問
9.2.4 協力依頼文の作成
9.2.5 質問票の最終確認
9.3 アンケートの実施
9.3.1 アンケート集計の準備
9.3.2 データの入力とエラーチェック
9.4 集計とグラフの作成
9.4.1 アンケート回答の集計(単純集計)
9.4.2 単純集計とグラフ(円グラフ)
9.4.3 クロス集計
9.4.4 クロス集計とグラフ
9.5 報告書の作成
9.5.1 アンケート調査の概要
9.5.2 来場者のプロフィール
9.5.3 健康に関する意識と研究発表に対する感想について
9.5.4 感想と実践したいこと
9.5.5 感想と見やすさ
9.5.6 健康に関する意識と動機づけの関連について
9.5.7 考察

第10章 社員食堂の満足度調査
10.1 アンケート調査の企画
10.1.1 背景
10.1.2 調査目的
10.1.3 調査仮説の設定
10.1.4 調査対象者の選定
10.1.5 調査方法の決定
10.2 アンケート調査の設計
10.2.1 回答者属性についての質問
10.2.2 社員食堂についての総合評価
10.2.3 社員食堂についての個別評価要素
10.2.4 協力依頼文
10.2.5 質問票の最終確認
10.3 アンケート調査の実施
10.3.1 回収サンプルの確認
10.4 集計と分析
10.4.1 総合評価
10.4.2 個別要素
10.4.3 顧客満足分析
10.5 報告書の概要
10.5.1 アンケート調査の実施状況
10.5.2 調査回答者の属性
10.5.3 個別要素ごとの評価
10.5.4 改善項目
10.5.5 まとめと提言

参考文献
索引

岩田 安雄 (著), 小田 真由美 (著)
出版社 : カットシステム (2016/11/1) 、出典:出版社HP

卒論・修論のためのアンケート調査と統計処理

Excelを使ったわかりやすい統計処理

統計処理は、心理学をはじめとした多くの文系分野で使われており、「統計処理をしていなければ研究として認めない」という教授もいるほど重要視されているものです。本書では、文系の大学3年生・4年生を対象として卒業論文作成のためのExcelを使用したわかりやすい統計処理を解説しています。

石村 光資郎 (著), 石村 友二郎 (著), 石村 貞夫 (監修)
出版社 : 東京図書 (2014/7/10) 、出典:出版社HP

はじめに

卒業式まで、あとわずか……

あなたは焦っていませんか?

データを統計処理しようと思って、統計の本を開いてみても、
どうすれば統計処理をしたことになるのか……??

わからない~~~っ??

統計処理の一般論では、具体的なデータを扱おうというときに、
どう当てはめればよいのかわかりません。
でも、統計処理は、心理学をはじめとする文系の分野でもよく使われており、
『統計処理をしていなければ、研究として認められません』
といった教授の意見もよく耳にします。

そこで……
本書では、文系の大学3年生・4年生を対象に
「すぐわかる卒業論文作成のための統計処理!」
といった感じで、わかりやすく統計処理を解説してみました!!

Excelを使った統計処理なので、誰にでも簡単に理解できます。

第1章と第2章では、卒業論文に取り組むとき、
どのようにして研究テーマを見つければよいか?

第3章では、アンケート調査によって得られたデータの
最適な統計処理の選び方は?

ここで紹介される統計処理は、アンケート調査だけでなく
実験などで得られたデータに対しても使うことができます。

第4章から第9章にかけては、具体的な例とExcelによる
アンケート調査の実施方法の調査結果のまとめ方は?
「統計処理の計算が何をしているのか?」という解説もあるので、
統計処理を理解しながらデータの処理を進めることができます。

第10章では、論文にグラフや表を載せるときのルールなど
分析結果の書き方は?
あなたが卒業論文を書くときの参考にしてください。

第11章で紹介されているコレスポンデンス分析や多重応答分析は、
アンケート調査の結果をよりいっそう深く掘り下げることができる手法です。
SPSSのような統計解析用ソフトを利用できる場合には、ぜひ挑戦してみましょう。

2014年4月8日
著者

石村 光資郎 (著), 石村 友二郎 (著), 石村 貞夫 (監修)
出版社 : 東京図書 (2014/7/10) 、出典:出版社HP

目次

はじめに
流れ図による統計処理の選び方

第1章 あなたの研究テーマは?
1.1 卒業論文を書くって?
1.2 研究テーマの具体例
1.3 研究テーマを見つけましょう

第2章 研究計画をたてましょう
2.1 研究計画は重要です
2.2 研究計画の予定表を作りましょう

第3章 データのパターンで決まる統計処理
3.1 データの型を見て統計処理を選びましょう
3.2 アンケート処理に必要な統計処理
1変数の場合
1変数で2つのグループの場合
1変数で3つ以上のグループの場合
1変数で対応のある2つのグループの場合
2変数の場合
3変数以上の場合
2つのカテゴリの場合
2つのカテゴリと2つのカテゴリの場合
2つのカテゴリと3つのカテゴリの場合
3つのカテゴリと3つのカテゴリの場合
アンケート調査の場合

第4章 アンケート調査票の作り方
4.1 アンケート調査の進め方
4.2 具体的なアンケート調査の企画づくり
4.3 アンケート調査票の作成と修正
4.4 これがアンケート調査票です!

第5章 アンケート調査結果の入力
5.1 アンケート調査結果のコーディング
5.2 アンケート調査結果を入力しましょう
5.3 大切なデータの保存と管理方法

第6章 人気No.1の海外旅行先はどこ? ▶︎グラフを描きましょう
6.1 いろいろなグラフ表現
6.2 棒グラフを作りましょう
6.3 円グラフを作りましょう
6.4 折れ線グラフを作りましょう

第7章 この意見は、多数派?少数派? ▶︎比率を調べましょう
7.1 データの並べ替えをしましょう
7.2 ピボットテーブルの利用
7.3 母比率の区間推定をしましょう

第8章 男女で意見はすれ違う?! ▶︎2つの比率に違いがありますか?
8.1 2×2クロス集計表の作り方
8.2 2つの母比率の差の検定をしましょう

第9章 意外な関係性!? ▶︎2つの項目の関連を調べましょう
9.1 2×3クロス集計表の作り方
9.2 独立性の検定をしましょう
9.3 SPSSを利用した独立性の検定

第10章 今から間に合う卒業論文!
10.1 卒論のための研究テーマ・研究目的
10.2 卒論のための研究計画
10.3 卒論のためのデータ集め
10.4 卒論のための統計処理
10.5 ここで、卒論をイッキに書き上げましょう

第11章 さらに進んだ統計処理 ▶︎コレスポンデンス分析と多重応答分析
11.1 カテゴリカルデータの統計処理
11.2 コレスポンデンス分析の使い方
11.3 多重応答分析の使い方

参考文献
索引

流れ図による統計処理の選び方

石村 光資郎 (著), 石村 友二郎 (著), 石村 貞夫 (監修)
出版社 : 東京図書 (2014/7/10) 、出典:出版社HP

アンケートによる調査と仮想実験

アンケート調査と施策の仮想実験を学ぶ

顧客満足度などを把握する方法としてアンケート調査が用いられることが多いですが、調査までで終わりになることが一般的です。本書は、アンケート調査の設計・解析の方法だけではなく、調査結果に基づいて顧客満足度を高める具体的な施策を仮想的に実験する方法をセットで解説しています。より効果的に顧客満足度を高めたい人におすすめです。

高橋 武則 (著), 川崎 昌 (著)
出版社 : 日科技連出版社 (2019/7/22) 、出典:出版社HP

まえがき

本書は書名でアンケートと表現しているが,本文中では質問紙調査という表現を用いる.このことについて最初に一言断っておきたい.アンケートという言葉は日本で広く用いられる言葉なので本書の書名にはアンケートの表記を用いている.この言葉はフランス語(enquéte)で,その本来の意味は「質問調査」である.それには口頭で質問して回答を調査者が記録する場合(他記式)も含まれる.しかし,回答者自身が質問紙に記述する場合(自記式)がほとんどである.本書は後者の場合に焦点を合わせるとともに,調査後は質問紙による実験も取り上げているために質問紙調査という表現にしている.

本書の主題は顧客満足度の把握・向上であるが,向上のために「何に対して」,「どういう対策を打つか」ということが不可欠になる.前者を質問紙調査で明らかにし,後者を質問紙実験で設計するというのが本書の主張である.

以上のように本書の目的は,質問紙を用いた調査と実験のための包括的なアプローチを提案するとともに,それをわかりやすく紹介することである.このために,本書は以下に示す4つの特徴のもとに記述している.

①全体を三段跳びの有機的な構造で構成している.
②質問紙調査のための5つの可視化ツールを活用している.
③選抜型多群主成分回帰分析(カプセル型因果解析)で解析している.
④調査と実験と設計(施策の策定)の包括的アプローチを採用している.

第一の特徴である「三段跳び構造」による構成とは,全体を「有機的な関連をもつ3つのステージ」に分けていることを意味する.最初は「ホップ」で,ここではコンパクトで極めてやさしい説明用の例を用いて全体像を理解できるようにしている.次は「ステップ」で,ここでは調査から実験を経て設計(施策の策定)に至るまでの全体を一貫したやさしい演習用実事例を用いて実務で確実に実施できるように解説している.最後は「ジャンプ」で,ここでは2つの実事例を紹介することによって実務で本格的に実施できるようにしている.

第二の特徴である5つの可視化ツールとは以下に示すもののことであり,これらを整合して活用することが調査と実験の成功の鍵を握っている.

(1)概念図:キーワードを本質的な構造でレイアウト(配置)した
(2)特性要因図:要因を漏れなく集めて樹形構造で体系的に整理した
(3)パス図:因果構造の本質の予想の概要を示す図
(4)解析模型図:準備段階で因果構造の本質の詳細を示す図
(5)構造模型図:最終段階で因果構造の本質の結果の詳細を示す図

これらを整合して用いることによってパワフルな調査と実験が可能になる.

第三の特徴である「選抜型多群主成分回帰分析」という「カプセル型の因果解析」とは,主成分を変数のカプセルに見立てて重回帰分析を行うことを意味している.主成分の実体は多数の変数の線形結合であるが,これを多数の変数を内包したカプセル(容器)と考えることができる.質問数が多い場合には,質問間に高い相関が存在することは避けられない.しかし,主成分というカプセルは互いに無相関(独立)なので主成分回帰分析を用いれば相関の問題は回避できる.ただし,多数の質問項目を合理的に群分割(群内での相関は高いが群間での相関はない,もしくは低いという構造に分けること)することがポイントである.主成分は実体のない抽象的なもの(カプセルという入れ物)であるが,主成分というカプセルの中に内包されている各変数は実体のある具体的なものである.つまり,多群主成分回帰分析で変数選択された重要な主成分というカプセルの中の重要な変数が施策の対象となるのである,抽象的な主成分に対して具体的な施策を策定することは至難の業であるため,具体的な変数に注目して具体的な対策を策定することがこの方法の本質である.

精選された純度の高い(明快な)主成分をつくるには事前に特性との相関の低い変数は排除するという選抜が必要である.ただし,この選抜は全体寄与率を覚悟して作成するモデルの明快さを優先することが実践の場では重要である.

第四の特徴である調査と実験と設計の包括的アプローチの採用とは,調査の設計から始まって調査結果の解析を行い,注目すべき質問項目に焦点を合わせたうえで質問紙実験を実施して,その結果から重回帰式を求めて最適化して施策を策定するということを意味している.そもそも質問紙調査というものは大きなコスト(費用)とパワー(労力)とタイム(時間)を要するものである.したがって,一度これを行うとなったら考察(解析とそれにもとづくコメント)だけにとどまるのはもったいない.その先の取組みとして,質問紙実験を行って重回帰式を求め,それを用いて有効な施策を策定し,その実現性の確認を行い,最終的にそれを実施して確実に成果を挙げることが重要である.

以上の中でもとりわけ重要なことは調査・実験の対象をどうとらえるかということで,これを図にしたものが概念図である.次に重要なのは,それにもとづいて因果構造を図にしたものがパス図である.この間に特性要因図を作成すると,かなり具体的な因果構造のパス図を作成することができる.ここでは概念図とパス図に関して簡単に解説して本書の特徴の一端を示したい.

《ホップ》で取り上げるビジネスホテルの顧客満足度の向上のようなテーマを扱う場合には,まず図1(1)のように「客の行動」と「ホテル側の対応」の構造を可視化した図1(1)のような概念図を作成する必要がある.

[A]客の行動は以下の6ステップである.
①予約,②チェックイン,③滞在,④睡眠,⑤食事,⑥チェックアウト

[B]ホテル側の対応は以下の3ステージである.
・ソフト(接客):フロントでの接客対応で,客と接触する.
・ハード(客室):客室の準備対応で,客とは非接触(接触せず)である.
・モーニング(朝食):セルフなので原則として客とはほぼ非接触である.

これにもとづいて顧客満足度(総合満足度)は図1(2)のように整理でき,このように矢印を用いて因果構造を可視化したものがパス図である.この後,3つのキーワード(その実態は複数の質問の集団を意味する群のラベルである)各々に複数の質問項目を準備すれば質問紙ができあがる.質問紙作成の詳細およびその後の調査,解析,実験,設計(対策立案)については本文で詳述している.

本書は質問紙の設計から施策の策定までの包括的なアプローチ方法を提案し,その内容と進め方をやさしくかつ事例を用いて具体的に解説するものである.しかしながら,視覚的説明を優先し数理的説明は極力避けている.このために主成分分析については必要最小限の図による説明にとどめている.近年,多くの統計ソフトは主成分分析の重要な結果を見やすい図(因子負荷量図など)として出力してくれる.したがって,出力された図があれば本書が取り上げている必要なことは図的操作でできるため,これを用いて視覚的説明を行っている.

また,本文では表現を変えてはいるが同じ内容を重複して説明する場合がいくつか登場する.それは繰り返すことで重要であることを強調するとともに,角度を変えた説明で多面的な理解を促したいからである.

本書の出版にあたり,日科技連出版社の鈴木兄宏氏には格別のご尽力をいただいた.原稿のすべてに目をとおしていただいたうえで数多くのご指摘とご助言を頂戴したことにより出版に漕ぎつけることができた次第である.ここ記して深甚の謝意を表したい.

2019年6月
高橋武則・川﨑昌

高橋 武則 (著), 川崎 昌 (著)
出版社 : 日科技連出版社 (2019/7/22) 、出典:出版社HP

本書の構成

本書は,ホップ・ステップ・ジャンプの三段跳びの構造で構成している.

《ホップ》アプローチの概要

《ホップ》のパートでは,多群質問紙調査の解析手法の一つである「選抜型多群主成分回帰分析」の考え方,手順をシンプルな事例を用いてわかりやすく説明する.このパートを読めば,解析結果にもとづく提案のアプローチの本質を理解することができる.
第1章多群質問紙調査とは
「ビジネスホテルの満足度調査」の例
第2章 第3章 第4章
【解析の基礎知識】と調査票の作成例

《ステップ》汎用的な基本的アプローチ

《ステップ》のパートでは,[多群質問紙調査]⇒[選抜型多群主成分回帰分析結果にもとづく質問紙実験]⇒[実験結果にもとづく施策提案]まで,一貫してやさしい例を用いて解説する.このパートを参考にすることで,多くの質問紙調査や質問紙実験に本書の解析手法を適用することが可能になる.
第5章 第6章 実践力をつけるための一貫事例
「スマートフォンの満足度調査」の解析例と質問紙実験例

《ジャンプ》ハイレベルな応用的アプローチ

《ジャンプ》のパートでは,市場調査やオンライン調査の高度な実事例を紹介する.これらの質問紙調査や質問紙実験の活用例を応用することで,実務や研究の幅を広げることができる.
第7章 実務で使うための準備
第8章 【市場調査事例】
第9章 【オンライン調査事例】

筆者らは,最低限《ホップ》と《ステップ》のパートを読み,本書で提案する統計的アプローチを実践的に活用してほしいと願っている.しかし,可能ならば《ジャンプ》まで読み進んで知識の幅を広げることにより,読者の実務・研究における問題や課題において,パワフルな解析を行っていただきたい.

質問紙における多数の質問(項目)の間には強い相関の問題が避けられないため,安易にそのまま重回帰分析を行うと失敗するリスクが極めて高い.そこで,似ている質問同士をまとめて複数の群として合理的な群分けをする.そのうえで群ごとに主成分をとることにより,多数の質問の間に存在する強い相関の問題を合理的に回避することができる.すなわち,群間の質問は似ていないので相関は低く,群内の似ている質問は主成分をとることでそれらは主成分というカプセル(容器)の中に保持されるとともに因子負荷量図で質問間の状況は視覚的にクリアに把握することができる.そして,同一群の主成分は互いに独立で群間の主成分の相関は低いのでこの回帰分析(多群主成分回帰分析)は明快な式となる.変数選択の結果として選択された主成分の中の重要な質問(主成分と相関の高い質問)が原因系の重要な質問として選抜され対策の設計対象になる.この一連の過程を示す可視化資料は関係者の合意形成に役立つ.

以上のアプローチにより,結果系の質問(顧客満足)に対して重要な原因系の質問の選抜が客観的でかつ視覚的にクリアな形で可能になる.なお,結果系の質問(顧客満足)が複数ある場合にはここでも主成分を用いることになる.

これまでの過程で得た情報にもとづいて質問紙による仮想実験(コンジョイント分析)を行うことによって対策の設計を行う.仮想実験までに得らた情報の活用により因子と水準は確実なものが準備できるとともに被験者の層別もしっかりと行われるので,実験結果から確度の高い設計が可能になるのである.

本文では統計ソフトを用いた結果を示すが,それらはSAS Institute社のJMPによるものである.

高橋 武則 (著), 川崎 昌 (著)
出版社 : 日科技連出版社 (2019/7/22) 、出典:出版社HP

目次

まえがき
本書の構成

《ホップ》
第1章 多群質問紙調査とは
1.1 ビジネスホテルの満足度調査における多群質問紙調査票の例
1.2 多群質問紙調査の解析ステップ
1.2.1 step1 結果系の質問項目の主成分分析
1.2.2 step2 原因系の質問項目の選抜
1.2.3 step3 概念群ごとの主成分分析
1.2.4 step4 選抜型多群主成分回帰分析
1.2.5 step5 重要な質問項目の確認と考察
1.3 多群質問紙調査結果にもとづく提案
1.3.1 ベクトルにもとづく提案の方向性
1.3.2 質問紙実験にもとづく具体的な提案

第2章 多群質問紙調査から施策提案までの流れとその準備
2.1 調査手法の特徴と多群質問紙の構造
2.1.1 オンライン調査と多群質問紙調査
2.1.2 企業におけるオンライン調査の活用
2.1.3 因果分析を前提とした多群質問紙調査票の構造
2.2 多群質問紙調査票のつくり方
2.2.1 調査計画
2.2.2 準備段階で用意したい5つの図表
2.3 調査の目的と仮説
2.4 概念群と質問項目
2.5 属性(フェイスシート)項目

第3章 基本的な解析
3.1 単純集計
3.2 平均値と標準偏差
3.3 グラフ
3.4 1変量の分布と要約統計量

第4章 多群質問紙調査の解析手法
4.1 調査および解析の歴史的変遷
4.2 多変量解析の発展
4.3 本書で活用する多変量解析
4.3.1 重回帰分析
4.3.2 主成分分析
4.3.3 従来の主成分回帰分析
4.4 選抜型多群主成分回帰分析

《ステップ》
第5章 「スマートフォンの満足度調査」の解析
5.1 多群質問紙「スマートフォンの満足度調査」の質問項目
5.1.1 結果系の項目
5.1.2 原因系の項目
5.2 入力データのチェック
5.3 「漫画をよく読む人」の選抜型多群主成分回帰分析
5.3.1 step1 結果系の質問項目の主成分分析
5.3.2 step2 原因系の質問項目の選抜
5.3.3 step3 概念群ごとの主成分分析
5.3.4 step4 選抜型多群主成分回帰分析
5.3.5 step5 重要な質問項目の確認と考察
5.3.6 「漫画をよく読む人」の提案の方向性
5.4 「漫画をあまり読まない人」の選抜型多群主成分回帰分析
5.5 解析結果にもとづく提案の方向性

第6章 「スマートフォンの満足度調査」の解析結果にもとづく質問紙実験
6.1 因子と水準の設定
6.2 プロファイルカードの作成
6.2.1 直交表の作成
6.2.2 プロファイルカードの準備と並べ替えの手順
6.2.3 実験の実施
6.3 データ解析
6.3.1 重回帰分析
6.3.2 得られた式の検討
6.4 提案施策の設計
6.5 確認調査

《ジャンプ》
第7章 実務で使うための準備
7.1 質問紙調査と質問紙実験における分類
7.1.1 属性分類
7.1.2 統計分類
7.1.3 上位の分類と下位の分類
7.1.4 事前層別と事後層別
7.2 群の再構成
7.2.1 事前と事後の群の構成の違い
7.2.2 層に分けた場合の解析
7.2.3 群の再構成の例

第8章 [市場調査事例]対応のある質問紙調査の積み重ね解析
8.1 対応のある調査票の活用
8.2 「コンビニエンスストアの満足度調査」の概要
8.3 個別および積み重ねデータによる重回帰分析
8.4 積み重ねデータによる選抜型多群主成分回帰分析
8.5 まとめ

第9章 「オンライン調査事例]キャリア意識に影響する要因の探索的検討
9.1 オンライン調査の準備
9.1.1 「キャリア意識」に関する概念図
9.1.2 「キャリア意識」に関する特性要因図とパス図
9.2 オンライン調査の概要
9.3 重回帰分析
9.3.1 事後層別
9.3.2 事後層別結果にもとづく重回帰分析
9.4 大企業で年収500万円以上の選抜型多群主成分回帰分析
9.5 他の層の分析と考察
9.5.1 大企業で年収500万円未満の既婚者の重回帰分析
9.5.2 大企業で年収500万円未満の未婚者の選抜型多群主成分回帰分析
9.6 階層の探索的アプローチにも
9.7 まとめ

付録1 選抜型多群主成分回帰分析【Excelでの実施手順】
付録2「スマートフォンの満足度調査」の調査票

あとがき
引用文献
参考文献
索引

高橋 武則 (著), 川崎 昌 (著)
出版社 : 日科技連出版社 (2019/7/22) 、出典:出版社HP