10年後、君に仕事はあるのか? 仕事が奪われる時代での提言

「10年後、君に仕事はあるのか?」という衝撃的なタイトル。人口知能(AI)の登場により、人間の仕事が奪われる時代だからこそ、著者はこれからの激動する社会を生き抜く若者に向けて、今後の社会を生き抜くノウハウを提供しています。元リクルート出身で、民間人として初の校長を務めた著者。数々の義務教育改革を実践してきたからこそ伝えられる内容は、若者だけでなく、若者を育てる親世代も勉強されられる内容となっています。

全目次 - 10年後、君に仕事はあるのか?
10年後、君に仕事はあるのか?
第1章 これからの10年で世界は激変する
・人間が人間らしくなる時代
世界中がスマホでつながる日
未来の社会はネット内に建設される
AIに取って代わられる仕事、生き残る仕事
・2020年は時代の変わり目
全国的に起こる就活の地殻変動
2020年代に現れる三重の衝撃

第2章 仕事が消滅する時代に身につけておきたいこと
・学力は必要なくなるのか
勉強すれば、人生を先送りできる
学力がなければ上手にググれない
「偏差値はいらない」はウソ
知識を積み上げて視野を広げよう
・情報編集力をゲットしよう
正解がない時代に必要とされる能力
「編集」ってどういう意味?
入社試験で考えよう
お題(1)食品ロス問題
お題(2)走れメロス問題
お題(3)片手で食べられる「かき氷」問題
・グローバル時代を生き抜く5つのリテラシー
英語が話せればグローバルなのか?
「インプット」と「アウトプット」
情報編集力がないと、これからは生き残れない
・処理脳から編集脳への変換装置
生徒が寝ない授業とは?
自分ごとで考えよう

第3章 「遊び」と「戦略性」が情報編集力の鍵になる
・アタマの回転の速さと柔らかさ
情報編集力はゲーム力
コミュニケーション力のないエリート
・受験で情報編集力を身につける
入試問題にはクセがある
5つのリテラシーを総動員しよう
2020年から始まる大改革
君は自分の長所と短所が言えるか?
・情報編集力がある人の特徴は?
情報編集力が高い人には、「遊び」と「戦略性」がある
「仕掛ける側」の人になろう
「ホンモノ」も部活で鍛えられた!
楽しいことだけをやっていても成長できない
・ジグソーパズル型学力とレゴ型学力
「ジグソーパズル」は正解を当てるゲーム
戦後の日本では、アメリカ人のような生活を目指した
1人ひとりが自分の人生をデザインする時代
何でも作り出せる遊び「レゴ」
仮説を作り出せる人になろう
「仕掛けられる側」の悪いクセ
仕掛けるか、仕掛けられるか

第4章 「雇われる力」の鍛え方
・「雇われる力」とは何か?
独立や起業をしても大切な「雇われる力」
10年後、どんな人が雇ってもらえるか?
グーグルに神が宿る日
ロボットには学ぶ喜びを教えることはできない
・「雇われる力」の基本は人柄と体力
君が人事部長だったらどんな人を雇いたい?
「雇われる力」はバランスが重要
学力と人間力、どっちが有利か?
・目の前にいる人に信用されるかどうか
人柄を高めるための3つの基本
昨日より今日、今より明日、進化するには?
とにかく手数を増やそう!

第5章
一生が90年の時代のライフデザイン

1 30代まではたくさん恥をかこう
無謀に生きて経験値を貯めよう
「恥」と「嫉妬」に縛られる日本人
人生は出会い頭の事故から始まる
成功する人のキャリアも偶然によって形成される

2 コミュニティという財産を蓄えよう
コミュニケーション力を伸ばす「ナナメの関係」
たくさんのコミュニティに参加しよう

3 1回の人生では生ききれない
『坂の上の雲』世代と昭和・平成の世代
一生が90年の時代のライフデザイン

4 希少性の時代には、レアカードを目指せ!
稼げる大人を目指そう
君の親の時給はいくら?
日本人の時給の差はおよそ100倍!
仕事も需要と供給で値段が決まる
自分自身をレアカード化しよう!

5 キャリアの掛け算で100万分の1の存在に
オリンピックのメダリスト級を目指そう
キャリアの大三角形を描こう
100万分の1の存在とは、同世代に1人ということ
ツアコンの例で考えてみよう
人生の目標はクレジットを大きくすること

6 就職では「逆張り」しよう!
それぞれ1人ひとりの道を行こう
捨てる、止める、避ける、断る、逃げる、減らす
嫌われる勇気

終章
君たちが日本の未来を拓く10の理由

理由1 厳しい経験をした人のほうが成長するから
理由2 子どもの頃からスマホを武器にした世代だから
理由3 オンライン動画で学び始めた世代だから
理由4 「それぞれ1人ひとり」の感覚が強くなっているから
理由5 シェアする感覚が強くなっているから
理由6 教育がシフトして、アタマがもっと柔らかくなるから
理由7 社会起業家やNGOで活躍する人が増えるから
理由8 仲間を募り、ビジョンに集う手法をマスターするから
理由9 祖父母の個人資産の恩恵を被る世代だから
理由10 そして何より、学校の支配が弱くなるから

あとがきにかえて

 

例えば、親世代と息子・娘(小中高生)世代のパラダイムシフトだ。大企業に就職すれば一生安泰、終身雇用で会社が面倒をみてくれるという時代は当に過ぎ、今は転職し、会社や職業を変えることは何も不自然ではない時代となりました。ここまではもう誰しもが納得する内容でしょう。著者はさらに、キャリアを掛け算し、希少性のある人材になることこそ、社会から必要とされると伝えています。この内容こそ「10年後、君に仕事はあるのか?」の問いであり、私たちがこの成熟社会を生き抜くヒントである。希少性という言葉にピンとこない方は“レア”な人材になると言えばわかり易いでしょうか。

「皆と一緒」では替えがきいてしまう。だからこそ、あえて自身の立ち位置を踏み外し、「あなたにしかできない」というポジショニングをとり、雇用の需要を創出するということでしょう。この点に関しては、第5章の206,207ページの図を見ながら、前後の文章を読むことでより理解が深まるはずです。

もちろん、会社の中でキャリアを積み続けることを否定しているわけではありません。しかしながら、若者の職業観や会社に求めることも多様化している時代です。一生が90年の時代のライフデザインを考えるとなると、自分自身もどのような立ち位置で仕事と向き合っていくことが本当の意味での幸せなのかを考えさせられる内容となっています。

第4章では、著者の教育観にも触れることができる。「10年後、どんな人が雇ってもらえるのか?」の問いに「教員」という職業を取り上げつつ、人間の持つ本来の強みを紹介してくれています。誠実さ、ひたむきさ、やさしさ、のような美徳になるもの。このような能力は雇われる力としては決定打になることがあると示唆しています。

やはり、最終的に必要とされる力は人間性、人柄であるということだろうか。挨拶ができること、約束を守ること、人の話が聞けること。以上は当たり前のことであるが、この当たり前をどこまでできるかが人しての信用を高める基本となり、人が人を雇いたくなる理由にもなるのであるようです。

繰り返しになりますが、人口知能(AI)の登場により、人間の仕事が奪われる時代となりました。そうした先行き不透明で不確かな時代ではあるが、我々はAIを恐れる必要も、将来を悲観することもない。なぜならば、人間は人間の美徳に惹かれるからであります。本著を読めば、仕事が消滅していく中で「稼げる大人」になるための対処法を学ぶことができます。「大人の学んでいる姿こそが、子供にとって最高の教材」と言われるように、若者だけでなく、親世代の大人にもぜひ学んでほしい内容になっています。

藤原 和博 (著)
出版社: ダイヤモンド社; 1版 (2017/2/9)、出典:amazon.co.jp

全目次 – 10年後、君に仕事はあるのか?
10年後、君に仕事はあるのか?
第1章 これからの10年で世界は激変する
・人間が人間らしくなる時代
世界中がスマホでつながる日
未来の社会はネット内に建設される
AIに取って代わられる仕事、生き残る仕事
・2020年は時代の変わり目
全国的に起こる就活の地殻変動
2020年代に現れる三重の衝撃

第2章 仕事が消滅する時代に身につけておきたいこと
・学力は必要なくなるのか
勉強すれば、人生を先送りできる
学力がなければ上手にググれない
「偏差値はいらない」はウソ
知識を積み上げて視野を広げよう
・情報編集力をゲットしよう
正解がない時代に必要とされる能力
「編集」ってどういう意味?
入社試験で考えよう
お題(1)食品ロス問題
お題(2)走れメロス問題
お題(3)片手で食べられる「かき氷」問題
・グローバル時代を生き抜く5つのリテラシー
英語が話せればグローバルなのか?
「インプット」と「アウトプット」
情報編集力がないと、これからは生き残れない
・処理脳から編集脳への変換装置
生徒が寝ない授業とは?
自分ごとで考えよう

第3章 「遊び」と「戦略性」が情報編集力の鍵になる
・アタマの回転の速さと柔らかさ
情報編集力はゲーム力
コミュニケーション力のないエリート
・受験で情報編集力を身につける
入試問題にはクセがある
5つのリテラシーを総動員しよう
2020年から始まる大改革
君は自分の長所と短所が言えるか?
・情報編集力がある人の特徴は?
情報編集力が高い人には、「遊び」と「戦略性」がある
「仕掛ける側」の人になろう
「ホンモノ」も部活で鍛えられた!
楽しいことだけをやっていても成長できない
・ジグソーパズル型学力とレゴ型学力
「ジグソーパズル」は正解を当てるゲーム
戦後の日本では、アメリカ人のような生活を目指した
1人ひとりが自分の人生をデザインする時代
何でも作り出せる遊び「レゴ」
仮説を作り出せる人になろう
「仕掛けられる側」の悪いクセ
仕掛けるか、仕掛けられるか

第4章 「雇われる力」の鍛え方
・「雇われる力」とは何か?
独立や起業をしても大切な「雇われる力」
10年後、どんな人が雇ってもらえるか?
グーグルに神が宿る日
ロボットには学ぶ喜びを教えることはできない
・「雇われる力」の基本は人柄と体力
君が人事部長だったらどんな人を雇いたい?
「雇われる力」はバランスが重要
学力と人間力、どっちが有利か?
・目の前にいる人に信用されるかどうか
人柄を高めるための3つの基本
昨日より今日、今より明日、進化するには?
とにかく手数を増やそう!

第5章
一生が90年の時代のライフデザイン

1 30代まではたくさん恥をかこう
無謀に生きて経験値を貯めよう
「恥」と「嫉妬」に縛られる日本人
人生は出会い頭の事故から始まる
成功する人のキャリアも偶然によって形成される

2 コミュニティという財産を蓄えよう
コミュニケーション力を伸ばす「ナナメの関係」
たくさんのコミュニティに参加しよう

3 1回の人生では生ききれない
『坂の上の雲』世代と昭和・平成の世代
一生が90年の時代のライフデザイン

4 希少性の時代には、レアカードを目指せ!
稼げる大人を目指そう
君の親の時給はいくら?
日本人の時給の差はおよそ100倍!
仕事も需要と供給で値段が決まる
自分自身をレアカード化しよう!

5 キャリアの掛け算で100万分の1の存在に
オリンピックのメダリスト級を目指そう
キャリアの大三角形を描こう
100万分の1の存在とは、同世代に1人ということ
ツアコンの例で考えてみよう
人生の目標はクレジットを大きくすること

6 就職では「逆張り」しよう!
それぞれ1人ひとりの道を行こう
捨てる、止める、避ける、断る、逃げる、減らす
嫌われる勇気

終章
君たちが日本の未来を拓く10の理由

理由1 厳しい経験をした人のほうが成長するから
理由2 子どもの頃からスマホを武器にした世代だから
理由3 オンライン動画で学び始めた世代だから
理由4 「それぞれ1人ひとり」の感覚が強くなっているから
理由5 シェアする感覚が強くなっているから
理由6 教育がシフトして、アタマがもっと柔らかくなるから
理由7 社会起業家やNGOで活躍する人が増えるから
理由8 仲間を募り、ビジョンに集う手法をマスターするから
理由9 祖父母の個人資産の恩恵を被る世代だから
理由10 そして何より、学校の支配が弱くなるから

あとがきにかえて