銀行員はどう生きるか – 瓦解した銀行神話

三井住友FG、三菱UFJFG、みずほFGを始めとしたメガバンクが人員削減、また新卒採用の縮小化をアナウンスし始めたのが2018年からでした。そこから銀行もこれまでも安定という代名詞がなくなったかのように学生就職ランキングなどにも徐々に金融機関の名前もなくなってきました。今、金融機関に関わる方、そして興味がある学生には、これからの金融(バンキング)の役割がどのように変わっていくのかを掴むのに本書は解説しております。

全目次 - 銀行員はどう生きるか
目次
はじめに
第1章 メガバンク 「大量人員削減」の衝撃
瓦解した銀行神話
逃げ切り世代のはずが/お先真っ暗/これほどの高収益企業がなぜ/「黒田バズーカ」の影響/シャッターを開けるたびに支店は赤字/積極的な海外展開の代償/なぜ 地銀ではなくメガバンクが?/トランプが逆回転させた規制環境/欧米の機関投資家が無視し始めたメガバンク/「帰らざる河」/証券ビジネスのほうが有望?/もはや絶体絶命/ライバルに先んじるための隠密行動/幹部も驚いた実態/「業務量の削減」と「人員削減」/みずほの圧倒的なインパクト/片道切符という哀しい運命/大きく出遅れているメガバンク

第2章 激変する銀行員人生
「人員削減・配置転換の深層 地方銀行の憂鬱/地銀の過半数が本業で赤字/金融庁の退場勧告/中興の祖か、無能経営者か/銀行員の一生と再就職先/ゆがんだ社員構成/取引先からも必要とされていない?/逃げ出そうとする若手世代/これからの銀行の姿/どうやって 人員を圧縮するのか/浮いた人材をどう使うか/配置換えの落とし穴

第3章 米銀の現状に見る邦銀の未来 –
ー支店長の年収は激減 銀行業界を脅かすフィンテック・プレーヤー/銀行が焦る理由/銀行ビジネスの本 丸も落城/米銀「リストラ」の理由/セルフ型多機能端末と店舗内デザイン/聖域なき削減と無人店舗の増加/終わらない効率化/破壊的攻撃者の正体/信頼を回復す るために/繰り返される自業自得/米銀の「働き方改革」 ユニバーサルアソシェイト/米銀の「働き方改革」。 銀行なのにキャッシュレス/優等生銀行の巧みな戦 略/支店長でも年収600万~700万円/必要なのは「小売業」的なスタンス/ア プリ専業銀行の誕生

第4章 フィンテック時代の銀行
――金融業の本質を問う アリババ集団に関する非公式勉強会/顧客本位ではなく銀行本位/自己満足だけの 世界/ATMを拡充させてきた本当の理由/ファームバンキングという失敗の歴史 /破壊的攻撃者の取り込みに躍起/それで本当に勝てるのか?/銀行の最大の武器 とは/米金融業界の原点回帰/金融業の本質/顧客の信頼軽視の代償/連結収益をかさ上げするために/自滅へのカウントダウン/数名の小さな支店が続出/信金. 信組に学ぶべきソーシャル・キャピタル的思想/3年程度の転勤は見直しへ/いちばん変わるのは支店長/東大生の就職先第1位からの陥落は必至

おわりに

浪川攻 (著)
出版社: 講談社 (2018/4/19)、出典:amazon.co.jp

第1章 メガバンク「大量人員削減」の衝撃――瓦解した銀行神話

銀行員には高水準の収入と倒産する可能性の低い安定性を求めて入社した人が多いと考えられていましたが銀行の未来が明るく安定しているわけではないという本書の筋書きのはじめになります。収益力が弱くなり支店の赤字が続く状況から大手メガバンクは人員削減を決断したのは欧米の投資家からも日本のメガバンクの収益向上意識のない戦略を批判されている事でもあり、また銀行は50歳くらいでのセカンドキャリア制度としての子会社、関連会社への片道切符の出向がこれまでのスタンスだったが、今後は早期退職後の次の職場があるのかもわからないというのがこのままだとあります。

第2章 激変する銀行員人生――人員削減・配置転換の深層

それよりも厳しいのは地方銀行というのも現状であります。金融庁は地銀に持続的な経営モデルの構築を求めています。しかしながら市場環境の変化についていけない地銀はレースから退場してもらうという方向性を示唆した文章も発表されましたがしかし地銀に収益構造を変化させる動きは見られておりません。セカンドキャリアの席はすでに多くのOB・OGで埋まっておりこれから入り込む余地はほとんどないので、その争奪戦も激しくなり、また若い世代はこの状況に不安を持って転職の準備を始めているものが多いことがこれからの銀行は経費を削減しながら営業力を向上させていく必要があります。

第3章 米銀の現状に見る邦銀の未来

銀行のライバルはもはや他の銀行や証券会社ではなく、ファンティックという金融とITを活用する技術を使って金融業界に参戦してきたプレーヤーです。ファンティックの活動領域は広く、決済・送金サービスの利用や融資事業なども行なっており銀行の一番大事な収入源まで奪いつつあります。米銀ではこの影響で多くの社員がリストラされており、人員削減をした店舗で米銀が行なった働き方改革は主に2つあります。

1つは幅広い業務をこなすユニバーサルアソシエイトを中心とした人員体制での経営。
2つめはスマホなどでのキャッシュレス化を進める事。

また、リーマン・ショックや不祥事などで失った信用を顧客から取り戻すには、より満足度の高いサービスが求められる。銀行員は金融業から金融サービス業になることを余儀なくされています。

第4章 フィンテック時代の銀行――金融業の本質とは何か【商品解説】

最終章では、邦銀の生き残りのためのロードマップが掲載されています。絶対的に邦銀はファンティック導入の面で海外の銀行から遅れをとっており、海外の金融機関が改革を進めているので日本も改革を迫られています。しかしながら銀行が行なっているサービスは自己満足なものが多く、店舗政策も失敗に終わっているというのが筆者の見た今の銀行の姿であり、銀行独自の価値は、顧客と直接話すことによって信頼が得られるということであるというのが主張です。そのつながり(価値を置く場所として)は変わらないものの、今後は銀行間での競争でなくIT業界からの参入がある中で、単なるコストカットだけを求めているだけではない姿が求められます。この辺りはIT企業(フィンテック)からの視点で描かれたBANK4.0 未来の銀行も確認してみるのが良いでしょう。

浪川攻 (著)
出版社: 講談社 (2018/4/19)、出典:amazon.co.jp

全目次 – 銀行員はどう生きるか
目次
はじめに
第1章 メガバンク 「大量人員削減」の衝撃
瓦解した銀行神話
逃げ切り世代のはずが/お先真っ暗/これほどの高収益企業がなぜ/「黒田バズーカ」の影響/シャッターを開けるたびに支店は赤字/積極的な海外展開の代償/なぜ 地銀ではなくメガバンクが?/トランプが逆回転させた規制環境/欧米の機関投資家が無視し始めたメガバンク/「帰らざる河」/証券ビジネスのほうが有望?/もはや絶体絶命/ライバルに先んじるための隠密行動/幹部も驚いた実態/「業務量の削減」と「人員削減」/みずほの圧倒的なインパクト/片道切符という哀しい運命/大きく出遅れているメガバンク

第2章 激変する銀行員人生
「人員削減・配置転換の深層 地方銀行の憂鬱/地銀の過半数が本業で赤字/金融庁の退場勧告/中興の祖か、無能経営者か/銀行員の一生と再就職先/ゆがんだ社員構成/取引先からも必要とされていない?/逃げ出そうとする若手世代/これからの銀行の姿/どうやって 人員を圧縮するのか/浮いた人材をどう使うか/配置換えの落とし穴

第3章 米銀の現状に見る邦銀の未来 –
ー支店長の年収は激減 銀行業界を脅かすフィンテック・プレーヤー/銀行が焦る理由/銀行ビジネスの本 丸も落城/米銀「リストラ」の理由/セルフ型多機能端末と店舗内デザイン/聖域なき削減と無人店舗の増加/終わらない効率化/破壊的攻撃者の正体/信頼を回復す るために/繰り返される自業自得/米銀の「働き方改革」 ユニバーサルアソシェイト/米銀の「働き方改革」。 銀行なのにキャッシュレス/優等生銀行の巧みな戦 略/支店長でも年収600万~700万円/必要なのは「小売業」的なスタンス/ア プリ専業銀行の誕生

第4章 フィンテック時代の銀行
――金融業の本質を問う アリババ集団に関する非公式勉強会/顧客本位ではなく銀行本位/自己満足だけの 世界/ATMを拡充させてきた本当の理由/ファームバンキングという失敗の歴史 /破壊的攻撃者の取り込みに躍起/それで本当に勝てるのか?/銀行の最大の武器 とは/米金融業界の原点回帰/金融業の本質/顧客の信頼軽視の代償/連結収益をかさ上げするために/自滅へのカウントダウン/数名の小さな支店が続出/信金. 信組に学ぶべきソーシャル・キャピタル的思想/3年程度の転勤は見直しへ/いちばん変わるのは支店長/東大生の就職先第1位からの陥落は必至

おわりに