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現役時は、鹿島アントラーズなどでプレーし、現在も解説、現場とマルチにこなす岩政大樹氏。数学の教員免許も持つ氏は論理的でわかりやすい解説としても評判があります。今回はこれまで出された書籍を紐解き、本当の意味で「サッカー」を知ることができる3冊を紹介します。
PITCH LEVEL: 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法
考察1 「崩された失点ではない」に潜む選手の心理
考察2 「ラインの高い」チームと「ラインの低い」チーム
考察3 「デュエル」は日本人に向いていないのか
考察4 「自分たちのサッカー」というマジックワード
考察5 試合の「流れ」はどのくらい結果に影響するのか
ピッチへの論点2 勝敗の分かれ目
考察6 アントラーズの勝負強さはどこから生まれたのか
考察7 大舞台に姿を現す勝者のメンタリティの正体
考察8 勝負強いチームにある「表の顔」と「裏の顔」
考察9 なぜかそこにいる選手。ゴールの決め手とは
考察10 「レベルの違い」はどこにあるのか
ピッチへの論点3 判断と想像力
考察11 「サッカーを知っている選手」とはどんな選手か
考察12 セットプレーのポイントは「体格」だけではない
考察13 判断に必要なものとは何か。――選択肢である
考察14 例えば、攻撃がうまくいかないとき改善する方法
考察15 「奇跡」。情熱と冷静の間に生まれているものとは
ピッチへの論点4 戦略と対応
考察16 ピッチ上の1シーンだけでサッカーを見るということ
考察17 日本サッカーには「ゴール前」の視点が抜け落ちている
考察18 「ラインの高低」でチームの状態は測れるのか
考察19 守備における緻密さ。欠けているのは「個」の能力なのか
考察20 ジャイアントキリングのなぜ。起こされる側の心理
考察21 レフェリーと行うべきは「駆け引き」か。それとも……
ピッチへの論点5 技術と心構え
考察22 ヘディングにはうまくなるポイントがある
考察23 守備時の「危険察知能力」はどう磨かれるのか
考察24 多様化するセンターバックの役割。欠かせない資質
考察25 守備目線でみたストライカーの技術論
考察26 怪我を防ぐ技術、付き合う技術
ピッチへの論点6 成長の仕方
考察27 才能がなくても武器を得ることはできる
考察28 大学サッカーから得たもの。「そこにあるもの」を探す
考察29 岡崎慎司と内田篤人から見るプロ選手としての成長論
考察30 「2年目のジンクス」の理由。待つことの重要性
考察31 経験は成長をもたらすのか
考察32 セカンドキャリアの考え方
考察33 夢は持つべきものなのか
ピッチへの論点7 持つべき思考
考察34 「当たり前」にある2つの捉え方
考察35 人生の選択。関東1部に移籍した理由
考察36 サッカー選手は何と戦っているのか
考察37 タイが教えてくれた人生において大切なこと
考察38 選手はブーイングに何を感じているのか
考察39 日本代表という存在を考える
最初のPITCH LEVELでは選手目線でこれまで岩政氏が感じたこと、それは自身を通して、そして対戦相手を通してのものとしてのものとして、ここまでサッカーを言語化されているものは数多くありません。メディアで踊る言葉、日本代表は決定力が。。。デュエルが。。。などと騒がれることがありますが、そういう言葉を紐解いていくとサッカーというスポーツを更に知ることができます。
それぞれの章としてなっている論点は7つから構成されていて、サッカーのコアサポーター、まだサッカーを知って間もない方々、そしてサッカーを部活でもされている選手たちが、それぞれの論点で自身の気になるところから読めるのではないかと思います。サッカーに関わる全ての方を「サッカーを知ること」のワンランク上に引き上げてくれるそのような一冊です。
ウィニング・ストーリー 一流サッカー選手・指導者の自己実現術
目の前にある場所で、いかに有益になるかを探求する
Ch2. 内田篤人から学ぶ「環境に適応する力」
指示の一歩先を考えて自分の色を加える融通無碍なパフォーマー
Ch3. 大迫勇也から学ぶ「上達する流儀」
過去の成功体験を捨てる勇気が、世界でも信頼を勝ち得た理由
Ch4. 阿部勇樹から学ぶ「コンディショニング術」
自分に向き合い、責任の所在を他人に向けない
Ch5. 興梠慎三から学ぶ「抜群の吸収力」
チームが己に求める力をスポンジのように吸収し発揮する
Ch6. 森重真人から学ぶ「失敗を生かす力」
失敗と向き合い修正し続け、経験として花開かせた
Ch7. 昌子源から学ぶ「聞く姿勢」
アドバイスを取捨選択できる己の強さが大器を育てる
Ch8. 反町康治から学ぶ「周囲を巻き込む力」
チームに巻き起こすうねり、で選手たちを躍動させる
Ch9. チヨウ・キジェから学ぶ「“言わない”マネジメント」
人間の変わる力を信じて成長を促す名伯楽
Ch10. イバン・パランコ・サンチアゴから学ぶ「言語化するコーチ術」
「プレーのストーリー」を理解し選手たちと共有する
Ch11. 中山雅史から学ぶ「ストライカーの資質」
ゴールへの道を探し続ける永遠のサッカー少年
クラウドファンディングにご支援頂きました皆様へ
おわりに
2冊目はインタビュー形式でスカパー!『スカサカ!ライブ』でのプログラムが土台になっています。
数々の名選手や監督など、興味深く、その時の出来事はそういう事を考えていたのかというそれぞれの選手のファンとしても楽しめますし、岩政氏がさらに深い質問をすることで、更に深い視点に連れて行かれます。
登場するのは、中村憲剛、内田篤人、大迫勇也、阿部勇樹、興梠慎三、森重真人、昌子源、反町康治、チヨウ・キジェ、イバン・パランコ・サンチアゴ、中山雅史です。最初の中村選手の章からお二人の「サッカーを知っている」2人の対談に惹きつけられます。知っている選手ならなおさら、知らない選手、コーチでも今後を追っていきたいとも思わせる書となっております。
FOOTBALL INTELLIGENCE フットボール・インテリジェンス 相手を見てサッカーをする
●序章 「相手を見てサッカーをする」を日本の常識に
●第一章 「相手」を見るための良いポジショニングとは?
ポジショナルプレーや5レーンといった機械的に聞こえる言葉に惑わされてはいけない/プレーしながら考えるべきは二つ「どこに立つべきか」「どこを見ておくべきか」
【1】センターバックにおける良いポジショニング
センターバックはビルドアップ時になぜ「開く」のか?/基準を常に「相手からずれること」にすれば判断は明確になる
【2】サイドバックにおける良いポジショニング
優秀なサイドバックが意識するボールの置き所/偽サイドバックが「内側」でボールを受ける理由
【3】ボランチにおける良いポジショニング
ボランチがボールを受けるときの「斜めの関係」/ボランチにとって基本となる逆サイドへの目線と立ち位置/押さえておくべき5レーンやハーフレーンの原理原則
【4】サイドアタッカーにおける良いポジショニング
求められるのは、自分で打開するか、相手サイドバックの背後を取るか/グアルディオラ時代のバルサのウイングのポジショニングの秀逸さ
【5】トップ下やシャドーにおける良いポジショニング
まず把握すべきは「アプローチをかけようとしているのは誰なのか?」/ライン間にポジションを取り、相手からずれることで生まれる優位性/一流選手が実践する、相手が自分を見失うタイミングの見つけ方
【6】ストライカーにおける良いポジショニング
優秀なストライカーは身体を常にゴールへ向けている/相手の逆を取ることを根気強く、再現性の高いプレーがその先にある
【7】守備者の良いポジショニングと立ち位置
鹿島の天才たちに対して「読み」で動いて逆を取られたときの衝撃/攻撃側に自分の背後を取られてしまうときの対処法
【8】ストーミングとポジショナルプレー、そして言語化と分類
言語化だけに躍起になると、選手たちの頭の中と大きくかけ離れる懸念も
Column1:なぜ結果論が蔓延るのか? 「ロストフの14秒」に見る、終わりのない議論が繰り返される理由
●第二章 システム上の急所を知る
システムを通して、相手の狙いや心理を想像せよ
【1】4-4-2におけるシステム上の急所
4バックに対して有効なサイドバックの背後/中央への長めのボールは非常に効果的
【2】4-2-3-1におけるシステム上の急所
一つの急所は縦関係の2トップの両サイド/有効なのは逆サイドのサイドバックへの斜めのヘディングボール
【3】4-1-4-1におけるシステム上の急所
ビルドアップを始めたときに見るべきは1ボランチの脇/外起点からサイドバック裏を何度も突くことで相手を迷わせる
【4】4-3-3におけるシステム上の急所
横幅をうまく使いながらハーフスペースへのパスルートを確保する/プレスを無効化すべくサイドバック裏へのボールを多用することも有効
【5】4-5-1におけるシステム上の急所
相手の「4 ?5」の前でフリーになる選手が縦への攻撃姿勢を持つこと/有効なのはピッチ中央付近から斜めにサイドバックの背後や外まで飛ばすパス
【6】5-4-1におけるシステム上の急所
ライン間で誰かがボールを受けたときがスタート、周りはズレたポジションを意識/パスも動き出しも「斜め」を意識することが5バックの相手には有効
【7】3-4-3におけるシステム上の急所
ウイングバックが出てきた背後を突いて相手の出方をうかがう/大きく空いているボランチの脇を狙うのも有効
【8】5-3-2におけるシステム上の急所
サイドの深い位置にボールを流し込んでまず相手の様子を見る/相手のプレスを回避すべく、一度中央にボールを入れてから攻める
【EX】良いポジションも動き出しも判断も「相手を見て」決める
空いたスペースも相手が知らせてくれる
Column2:なぜ4-4-2は主流であり続けるのか? 勝負を決めるのはシステムでも戦術でも監督でもない
●第三章 駆け引きで優位に立つ
相手のポジションから見る景色を想像し、勝つ確率を上げる
【1】最初の1プレーにおける駆け引き
最初の1プレーで強くいけたとき、その後試合の様相が変わった/大事なのはアタックにいく角度とタイミング/「駆け引き」の始まりは常にどちらかの明確な狙いや原則にある
【2】セットプレーにおける駆け引き
相手の前でヘディングすることを前提に動きを変える/肝は「後ろに立って前」を基本線とすること/駆け引きのタイプが全く異なる中澤佑二と田中マルクス闘莉王/VAR導入で攻撃側が有利になる今後、より重要になる立ち位置とタイミング
【3】ヘディングにおける駆け引き
自信満々な顔をしながら競ることで相手の印象を操作する/「必ずボールにプレーする」ケネディに対しては頭の上目掛けて飛ぶことで対抗/競り合いの分が悪い相手に狙いを出させない方法を心理から考える/ヨンセンとの勝負で感じた、他の選手との競り合いでは感じない恐怖
【4】立ち位置における駆け引き
いつも以上の集中を要した中村憲剛との駆け引き/広島の中で活きる青山敏弘のハイレベルな目線と技術/相手を見ながらサッカーができる遠藤保仁の優れた能力
【5】ゴール前における駆け引き
相手の背中を取り、瞬間的に前へ出る術を会得したゴールゲッターたち/佐藤寿人との対決は常に同じところを睨んだ神経戦に/歳を重ねるごとに洗練されていった前田遼一のゴール前の形/逆の動きを何度でも繰り返してきた北嶋秀朗とレアンドロ・ドミンゲスのコンビ
【6】メンタルにおける駆け引き
「最初の1プレー」で相手がいつも通りを発揮できるかどうかを図る/歳の時点で邪魔をされてもブレないメンタルを持っていた大迫勇也
●終章 フットボールインテリジェンスとは何か?
そして、この時点で最新版FOOTBALL INTELLIGNCEとなります。本書は「相手がいる」サッカーで勝つために書かれています。その具体性から選手目線でのここだったらどうアプローチという形で、かなり細かに書かれています。個人的にはサッカーをしている(部活でも、ユースでも)中学生の高学年、高校生またはその顧問、コーチなどに読んでもらえたりしたら日本のFOOTBALL INTELLIGNCE (サッカーを知っていることのレベル)は相当上がるのではと思っております。
まずは、自身が担当しているポジションから理解しようとするといいでしょう。練習の準備する道具として練習場に置いておくべき唯一の書籍になるぐらいのものです。
-下記は上記タブ内の掲載となります-
“全目次 – PITCH LEVEL: 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法”
ピッチへの論点1 サッカーの言葉
考察1 「崩された失点ではない」に潜む選手の心理
考察2 「ラインの高い」チームと「ラインの低い」チーム
考察3 「デュエル」は日本人に向いていないのか
考察4 「自分たちのサッカー」というマジックワード
考察5 試合の「流れ」はどのくらい結果に影響するのか
ピッチへの論点2 勝敗の分かれ目
考察6 アントラーズの勝負強さはどこから生まれたのか
考察7 大舞台に姿を現す勝者のメンタリティの正体
考察8 勝負強いチームにある「表の顔」と「裏の顔」
考察9 なぜかそこにいる選手。ゴールの決め手とは
考察10 「レベルの違い」はどこにあるのか
ピッチへの論点3 判断と想像力
考察11 「サッカーを知っている選手」とはどんな選手か
考察12 セットプレーのポイントは「体格」だけではない
考察13 判断に必要なものとは何か。――選択肢である
考察14 例えば、攻撃がうまくいかないとき改善する方法
考察15 「奇跡」。情熱と冷静の間に生まれているものとは
ピッチへの論点4 戦略と対応
考察16 ピッチ上の1シーンだけでサッカーを見るということ
考察17 日本サッカーには「ゴール前」の視点が抜け落ちている
考察18 「ラインの高低」でチームの状態は測れるのか
考察19 守備における緻密さ。欠けているのは「個」の能力なのか
考察20 ジャイアントキリングのなぜ。起こされる側の心理
考察21 レフェリーと行うべきは「駆け引き」か。それとも……
ピッチへの論点5 技術と心構え
考察22 ヘディングにはうまくなるポイントがある
考察23 守備時の「危険察知能力」はどう磨かれるのか
考察24 多様化するセンターバックの役割。欠かせない資質
考察25 守備目線でみたストライカーの技術論
考察26 怪我を防ぐ技術、付き合う技術
ピッチへの論点6 成長の仕方
考察27 才能がなくても武器を得ることはできる
考察28 大学サッカーから得たもの。「そこにあるもの」を探す
考察29 岡崎慎司と内田篤人から見るプロ選手としての成長論
考察30 「2年目のジンクス」の理由。待つことの重要性
考察31 経験は成長をもたらすのか
考察32 セカンドキャリアの考え方
考察33 夢は持つべきものなのか
ピッチへの論点7 持つべき思考
考察34 「当たり前」にある2つの捉え方
考察35 人生の選択。関東1部に移籍した理由
考察36 サッカー選手は何と戦っているのか
考察37 タイが教えてくれた人生において大切なこと
考察38 選手はブーイングに何を感じているのか
考察39 日本代表という存在を考える
“全目次 – ウィニング・ストーリー 一流サッカー選手・指導者の自己実現術
Ch1. 中村憲剛から学ぶ「雑草の生き方」
目の前にある場所で、いかに有益になるかを探求する
Ch2. 内田篤人から学ぶ「環境に適応する力」
指示の一歩先を考えて自分の色を加える融通無碍なパフォーマー
Ch3. 大迫勇也から学ぶ「上達する流儀」
過去の成功体験を捨てる勇気が、世界でも信頼を勝ち得た理由
Ch4. 阿部勇樹から学ぶ「コンディショニング術」
自分に向き合い、責任の所在を他人に向けない
Ch5. 興梠慎三から学ぶ「抜群の吸収力」
チームが己に求める力をスポンジのように吸収し発揮する
Ch6. 森重真人から学ぶ「失敗を生かす力」
失敗と向き合い修正し続け、経験として花開かせた
Ch7. 昌子源から学ぶ「聞く姿勢」
アドバイスを取捨選択できる己の強さが大器を育てる
Ch8. 反町康治から学ぶ「周囲を巻き込む力」
チームに巻き起こすうねり、で選手たちを躍動させる
Ch9. チヨウ・キジェから学ぶ「“言わない”マネジメント」
人間の変わる力を信じて成長を促す名伯楽
Ch10. イバン・パランコ・サンチアゴから学ぶ「言語化するコーチ術」
「プレーのストーリー」を理解し選手たちと共有する
Ch11. 中山雅史から学ぶ「ストライカーの資質」
ゴールへの道を探し続ける永遠のサッカー少年
クラウドファンディングにご支援頂きました皆様へ
おわりに
全目次 – FOOTBALL INTELLIGENCE フットボール・インテリジェンス 相手を見てサッカーをする
Football intelligence
●序章 「相手を見てサッカーをする」を日本の常識に
●第一章 「相手」を見るための良いポジショニングとは?
ポジショナルプレーや5レーンといった機械的に聞こえる言葉に惑わされてはいけない/プレーしながら考えるべきは二つ「どこに立つべきか」「どこを見ておくべきか」
【1】センターバックにおける良いポジショニング
センターバックはビルドアップ時になぜ「開く」のか?/基準を常に「相手からずれること」にすれば判断は明確になる
【2】サイドバックにおける良いポジショニング
優秀なサイドバックが意識するボールの置き所/偽サイドバックが「内側」でボールを受ける理由
【3】ボランチにおける良いポジショニング
ボランチがボールを受けるときの「斜めの関係」/ボランチにとって基本となる逆サイドへの目線と立ち位置/押さえておくべき5レーンやハーフレーンの原理原則
【4】サイドアタッカーにおける良いポジショニング
求められるのは、自分で打開するか、相手サイドバックの背後を取るか/グアルディオラ時代のバルサのウイングのポジショニングの秀逸さ
【5】トップ下やシャドーにおける良いポジショニング
まず把握すべきは「アプローチをかけようとしているのは誰なのか?」/ライン間にポジションを取り、相手からずれることで生まれる優位性/一流選手が実践する、相手が自分を見失うタイミングの見つけ方
【6】ストライカーにおける良いポジショニング
優秀なストライカーは身体を常にゴールへ向けている/相手の逆を取ることを根気強く、再現性の高いプレーがその先にある
【7】守備者の良いポジショニングと立ち位置
鹿島の天才たちに対して「読み」で動いて逆を取られたときの衝撃/攻撃側に自分の背後を取られてしまうときの対処法
【8】ストーミングとポジショナルプレー、そして言語化と分類
言語化だけに躍起になると、選手たちの頭の中と大きくかけ離れる懸念も
Column1:なぜ結果論が蔓延るのか? 「ロストフの14秒」に見る、終わりのない議論が繰り返される理由
●第二章 システム上の急所を知る
システムを通して、相手の狙いや心理を想像せよ
【1】4-4-2におけるシステム上の急所
4バックに対して有効なサイドバックの背後/中央への長めのボールは非常に効果的
【2】4-2-3-1におけるシステム上の急所
一つの急所は縦関係の2トップの両サイド/有効なのは逆サイドのサイドバックへの斜めのヘディングボール
【3】4-1-4-1におけるシステム上の急所
ビルドアップを始めたときに見るべきは1ボランチの脇/外起点からサイドバック裏を何度も突くことで相手を迷わせる
【4】4-3-3におけるシステム上の急所
横幅をうまく使いながらハーフスペースへのパスルートを確保する/プレスを無効化すべくサイドバック裏へのボールを多用することも有効
【5】4-5-1におけるシステム上の急所
相手の「4 ?5」の前でフリーになる選手が縦への攻撃姿勢を持つこと/有効なのはピッチ中央付近から斜めにサイドバックの背後や外まで飛ばすパス
【6】5-4-1におけるシステム上の急所
ライン間で誰かがボールを受けたときがスタート、周りはズレたポジションを意識/パスも動き出しも「斜め」を意識することが5バックの相手には有効
【7】3-4-3におけるシステム上の急所
ウイングバックが出てきた背後を突いて相手の出方をうかがう/大きく空いているボランチの脇を狙うのも有効
【8】5-3-2におけるシステム上の急所
サイドの深い位置にボールを流し込んでまず相手の様子を見る/相手のプレスを回避すべく、一度中央にボールを入れてから攻める
【EX】良いポジションも動き出しも判断も「相手を見て」決める
空いたスペースも相手が知らせてくれる
Column2:なぜ4-4-2は主流であり続けるのか? 勝負を決めるのはシステムでも戦術でも監督でもない
●第三章 駆け引きで優位に立つ
相手のポジションから見る景色を想像し、勝つ確率を上げる
【1】最初の1プレーにおける駆け引き
最初の1プレーで強くいけたとき、その後試合の様相が変わった/大事なのはアタックにいく角度とタイミング/「駆け引き」の始まりは常にどちらかの明確な狙いや原則にある
【2】セットプレーにおける駆け引き
相手の前でヘディングすることを前提に動きを変える/肝は「後ろに立って前」を基本線とすること/駆け引きのタイプが全く異なる中澤佑二と田中マルクス闘莉王/VAR導入で攻撃側が有利になる今後、より重要になる立ち位置とタイミング
【3】ヘディングにおける駆け引き
自信満々な顔をしながら競ることで相手の印象を操作する/「必ずボールにプレーする」ケネディに対しては頭の上目掛けて飛ぶことで対抗/競り合いの分が悪い相手に狙いを出させない方法を心理から考える/ヨンセンとの勝負で感じた、他の選手との競り合いでは感じない恐怖
【4】立ち位置における駆け引き
いつも以上の集中を要した中村憲剛との駆け引き/広島の中で活きる青山敏弘のハイレベルな目線と技術/相手を見ながらサッカーができる遠藤保仁の優れた能力
【5】ゴール前における駆け引き
相手の背中を取り、瞬間的に前へ出る術を会得したゴールゲッターたち/佐藤寿人との対決は常に同じところを睨んだ神経戦に/歳を重ねるごとに洗練されていった前田遼一のゴール前の形/逆の動きを何度でも繰り返してきた北嶋秀朗とレアンドロ・ドミンゲスのコンビ
【6】メンタルにおける駆け引き
「最初の1プレー」で相手がいつも通りを発揮できるかどうかを図る/歳の時点で邪魔をされてもブレないメンタルを持っていた大迫勇也
●終章 フットボールインテリジェンスとは何か?