【最新】SDGsについて学ぶおすすめ本(小中学生・子供向け)

SDGsとは?私たちに何ができる?

SDGsとは、人類がより良い未来をむかえることができるよう、2030年までに解決すべき課題を17にまとめた、全世界共通の目標です。この目標の中には貧困や飢餓もあるなど、自分とは関係ないと考える人も多いかもしれません。しかし、実はとても身近な課題・目標がたくさんあります。そこで、SDGsの内容から、私たちがどう考え、どう行動していくべきかまで、中高生でも学ぶことのできる本をご紹介します。

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出典:出版社HP

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未来の授業 私たちのSDGs探究BOOK

SDGsの概要を学ぶテキスト

本書は、SDGsを子どもでも理解できるような構成で、紹介・解説しています。SDGsが生まれた背景から具体的な目標、自分たちに身近な問題など、SDGsの重要なポイントをわかりやすくまとめています。また、SDGsに関連した取り組みを行なっている企業についても紹介しており、SDGsを自分ごととして考えるきっかけになるかもしれません。

佐藤真久 (監修), NPO法人ETIC. (編集)
出版社 : 宣伝会議 (2019/10/29)、出典:出版社HP

はじめに

未来をよりよいものにしたい。
これは、年齢や性別や国や人種を超えた、全世界みんなの願いです。

ところが現在、人類はこれまでになかったようなたくさんの課題に直面しています。貧困、気候変動、不平等、格差、生態系の異常など、みなさんも暗い未来の話をよく耳にするのではないでしょうか。
そんな世界を変えたい、未来をよりよいものにしたいという思いから生まれたのが「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」です。SDGsとは2030年に向けて、世界の解決すべき課題を17にまとめた、全世界共通の目標です。

世界と言われると果てしなく広い空間の、果てしなくたくさんの人たちにかかわることで、自分のこととして考えるのが難しいかもしれません。そのためこの本は、今日本で起きている課題を理解しながらSDGsについて学べるものになっています。SDGsを少し身近なものとして感じてもらえるのではないでしょうか。

すでに、日本のあらゆる地域で、たくさんの団体や企業や子どもたちが実際に行動を起こしています。この本ではそういった事例もたくさん紹介しています。本書が、みなさんが生活するなかで、具体的に何をすればいのか、何を考えればいいのか、そういったヒントになればうれしく思います。

この本は、企業、NPO、自治体、教育関係者、クリエイター、あらゆるジャンルの方々の協力を得て完成することができました。取材・制作に協力してくださいましたすべてのみなさまに、心から感謝申し上げます。

株式会社宣伝会議

「SDGs」(持続可能な開発目標)って聞いたことがあるけれども、
英語だから、世界のことだから、自分には関係ないって思っていませんか?

SDGsは、大きな国も小さな国も、企業もNPO/NGOも学校も、友だちも家族も地域住民も力を持ち寄り、よりよい未来をつくろうという国際プロジェクトです。地球上にある豊かな自然や資源を未来に残し、一人取り残すことなく幸せに暮らせる世界をつくるために、世界中の人たちが取り組んでいます。

けれども、SDGSで言われている17の目標がなかなか自分ごととして捉えることが難しいと思っている方も多いかと思います。この本『未来の授業 私たちのSDGs探究BOOK』は、国連が発表した世界の目標「SDGs」と、日本の227のプロジェクトから抽出された「課題解決中マップ」を関連づけた、世界と日本をつなぐ「グローカル教材」です。さらには、SDGsの理解をさらに深める「探究型教材」として、「私の行動」、「私たちの協働」へとつなげる「実践型教材」として位置づけています。

インド独立運動の父と呼ばれるマハトマ・ガンディーは、「Be the Change You want to See the World」と述べ、地球に住む一人ひとりが自分ごととして社会の問題を捉え、変化の担い手になることの重要性を指摘しました。ぜひ、本書を通してさまざまなアイデアと取組事例にふれ、変化の担い手として、これからのみなさんのチャレンジに生かしてください。この本は、企業、自治体、学校の先生、国際協力団体、NPO/NGO、大学、クリエイター、デザイナーなどの多様な力を持ち寄りつくられました。このすばらしい国際プロジェクトに参加をして、一緒によりよい未来をつくっていきませんか。

東京都市大学大学院 環境情報学研究科 教授
佐藤真久

佐藤真久 (監修), NPO法人ETIC. (編集)
出版社 : 宣伝会議 (2019/10/29)、出典:出版社HP

目次

はじめに
SDGSチャレンジストーリー(前編)
本書の使い方

第1章
私たちの未来のためのSDGs
「SDGs」ってなんだろう?
SDGsってどうして生まれたの?
よりよい世界をつくるための、SDGs「17の目標」
「17の目標」がつながり合うことで、課題はどんどん解決していく
日本が変われば世界も変わる。それがSDGsのチカラ!
日本が抱えているこれから解決すべき課題たち

第2章
私たちの身近な問題から考えよう
01 先進国なのに高い相対的貧困率
日本では6人に1人がしい生活をしている?
02 日本で起きている食料問題
必要な食べ物を日本人がどんどん捨てている?
03 日本が一歩先ゆく超高齢化社会
日本ではまもなく3人に1人が高齢者になる?
04 チャンスに変わるか?人口減少
100年後には、日本の人口が半分になる?
05 マイノリティの人々の幸せ向上
人間は「男」と「女」だけじゃない?
06 希薄化・孤独化するコミュニティ
今の日本人は近所の人と話さない?
07 延ばしたい健康寿命
日本は寝たきりのお年寄りが多い!?
健康で長生きな人生をおくるには
08 世界が注目する水資源問題
日本は雨がたくさん降るのに、将来は雨不足?
09 持続可能なエネルギーの実現と普及
日本の電気やガスは、ほとんどが外国産?
10 伝統文化・技術をどう継承するか
楽しい夏祭りも、大事な伝統文化ってホント?
11 老朽化が進むインフラ
日本では古くなった橋やトンネルがどんどん増える?
12 自然災害大国日本
日本ほど災害が起こる国は、世界でも珍しい?
13 見直したいローカル経済
日本は都会が元気なのに、地域は元気がない?
14 止まらない気候変動
日本は世界のなかでもどんどん暑くなっている国?
15 グローバルでつながる経済の課題
これからのビジネスは、お金を稼ぎつつ世界の課題も解決できる?
16 高ストレス型社会からの脱却
日本は世界のなかでも特に自殺が多いってホント?
みんなの「未来意志」が世界を変える
明るい地域をつくる活動

第3章
未来のためにがんばっている企業の活動
●パナソニック
いいコトつづく、いいコトづくり。
●アドベンチャーワールド
豊かな自然とSmileであふれる、持続可能な社会を実現する循環型パーク
●カシオ計算機
子どもと環境にやさしい「水銀フリー社会」の実現
●ベネッセホールディングス
未来に向かって、世界の問題を”自分ゴト”として考え、行動する人を増やす
●ヤマハ
音楽の楽しさを広め、楽器の未来を守る、グローバルな活動
●AGC
地下水の有害物質を取り除き、世界に安全な水をつくる
●カンサイ建装工業
マンションを中心に広がる、みんなが笑顔のコミュニティ
●協和キリン
バイオの力で世界の子どもたちのすこやかな成長を支える
●新興出版社啓林館
世界の課題に”答え”を出せる
子どもを育てる
●サントリー
“水と生きる”持続可能な社会をつくる挑戦
●三陽商会
服を大切にする心を育てる
●日本ガイシ
気まぐれなエネルギーをつかいやすく
●パルシステム
資源を循環させ、自給できる畜産へ
●みくりや青果
食の恵みを支える”人づくり”活動
●ダヴ(ユニリーバ)
自分のいいところを見つけて、自分をもっともっと好きになろう
●リゾートライフ
みんなが幸せな笑顔あふれるホテルをつくる
企業の取り組み一覧
SDGsに関する子どもたちの活動
宣伝会議
大阪青年会議所
SDGsにかかわる方々の声
SDGsチャレンジストーリー(後編)
教材としての本書の活用方法
おわりに
参考になるSDGs関連書籍・教材
参考になるSDGs関連ウェブサイト
監修・編集協力・寄稿者

佐藤真久 (監修), NPO法人ETIC. (編集)
出版社 : 宣伝会議 (2019/10/29)、出典:出版社HP

ごみから考えるSDGs 未来を変えるために、何ができる? (楽しい調べ学習シリーズ)

ごみ問題に焦点を当ててSDGsを考える

本書は、ごみ問題を中心にして、SDGsをまとめた本です。持続可能な社会が求められる要因の一つでもあるごみ問題を入り口にして、自然環境に悪影響を与えている事例を挙げ、現状の課題を解決するためにどうすればいいかを提示しています。

はじめに

ごみ問題からSDGsを考えてみよう!

SDGsは、2030年までに世界全体で達成しようという国連の目標です。「貧困をなくそう」や「海の豊かさを守ろう」など、「どれも、大切な目標だけど、自分たちには関係がない」、と思ったりしていませんか? でも、「住み続けられるまちづくりを」などは、みんなにも関係ありますよね。よくよく考えてみると、SDGsの17の目標は、どれもわたしたちにとって身近なものなのです。SDGsの大きなポイントは、わたしたちの世界は「つながっている」、そしてそれは「一人ひとりの行動が起点」という点です。でも、こうした「つながっている世界」を、理解することはかんたんではありません。そこで、この本では、みんなと一緒に身近な「ごみ」からSDGsの世界を考えたいと思います。普段なにげなく食べているポテトチップスの袋や、飲み終わったペットボトルからも「つながる世界」が見えてきます。ウミガメの鼻にストローが刺さっていたり、大量のプラスチックがクジラのお腹から出てくるショッキングな映像を見たことがありませんか? 今、世界中で問題になっている。海洋プラスチックごみ問題。日本は、世界に誇るプラスチックのリサイクルシステムをつくってきました。しかし、分別がきちんとされずに、汚れが残った食品容器や自動販売機わきのペットボトルなどが、国内では手間や人件費がかかることからリサイクルされずに中国に輸出されていました。中国に渡ったプラスチックごみは、安いプラスチック製品の原料を作るために、劣悪な環境の下で、時には子どもも使って、仕分け・洗浄が行われ、そのまま処理されずに海に流れ出てしまっていました。自国の環境問題に目を向けた中国は、2018年にプラスチックごみの輸入禁止を発表しました。

「安い」「便利」というだけで購入して、きちんと分別をしない、それが他国の環境汚染や児童労働につながっていく。まさに、SDGsの本質「つながる世界」がわたしたちのごみ箱から見えてくるのです。かしこい消費者として選択していくこと、本当に必要なプラスチック製品とそうでない製品を見極めていくこと、ごみとなったものは分別をきちんと行って、海への流出を防ぐこと。こうした一つ一つの行動が、海洋プラスチック問題の解決につながっていくのです。この本を読みながら、SDGsの「つながる世界」について考えてみてください。

上智大学大学院
地球環境学研究科教授
織 朱實

ごみから考えるSDGs
もくじ

はじめに

1章 SDGsって何だろう?
●世界中の人に持続可能な未来を
●世界の人びとが協力して立てた目標
●調和のとれた世界に
●ごみを入り口にしてみよう
●1つの入り口がすべてにつながる

2章 ごみの一生から考えよう!
●何がごみになるんだろう?
●ごみなの? 資源なの?
●本当に必要なものは何だろう?
●手に届くまでにごみになる
●あふれるごみが地球をよごす
●海に流れ出たごみ
●一人にかえってくるプラごみ
●ごみは資源になる
●ごみを他国におしつけている

3章 どんなことができるんだろう?
●ごみをつくらないために
●一人でもできること
●家庭でできること
●みんなで集まってできること
●新しいものをつくる
●新しいことをする
●みんなによびかける

さくいん

世界を変えるSDGs

クイズや事例からSDGsに対する理解を深める

この本は、SDGsの17の目標をそれぞれ一つずつ解説しています。SDGsが生まれた背景について例を挙げて説明し、その課題を解決するためにどうするべきかを考えていきます。世界的な規模の取り組みであっても、自分自身との結びつきが示されているため、理解しやすいでしょう。

小林 亮 (監修)
出版社 : あかね書房 (2020/2/10)、出典:出版社HP

はじめに

みなさんはSDGsという言葉をご存じでしょうか? SDGsとは、英語の「Sustainable Development Goals」の略で、日本では「持続可能な開発目標」とよばれています。これは人類社会が持続可能な未来をむかえることができるように、2030年までに達成すべき17の重要な目標を国際連合が定め、2015年に採択したものです。

ではなぜ、国際連合はこのような目標を立てる必要があったのでしょうか。
それは現在の世界がこのままでは立ちゆかなくなる、つまり持続不可能になってしまう危機的状況にあるからです。自然に目を向ければ、気候変動と地球温暖化によって台風や津波などの自然災害が多発し、多くの被害が出ています。また日本では人口が減っているものの、世界では増加を続けており、食料問題やエネルギー問題、そして貧困問題がいっそう深刻化することが心配されています。さらに国際政治では、国や民族のあいだの対立が激化し、いつ人類を滅ぼすような大戦争に発展するかわからないような不安定な情勢です。
こうした課題山積の状況にあって、平和で持続可能な世界をつくっていくためには、わたしたちはなにをしなければならないのでしょうか。

SDGsの大事なメッセージは、地球が直面するこうした現実は、政府や国際機関などの指導者たちだけが考えればよい問題ではなく、あなたが自分の問題として考え、行動に移す必要があるのだ、ということです。
この本は、クイズやわかりやすい事例を通して、人類の共通課題であるSDGsへの理解を深めることができるように構成されています。ぜひ本書を手にとり、あなたが住む地球がかかえる問題を「自分ごと」として考えていただきたいと思います。
そしてできればクラスのみんなで意見を交わして、地球の未来についていっしょに考えてみましょう。それを通じて、あなたはこの「宇宙船地球号」の運転に参加する地球市民のひとりとして、知恵と行動力を身につけていくことができるだろうと思います。さあ、一歩をふみだしましょう!

監修 小林亮(玉川大学教育学部教授)

小林 亮 (監修)
出版社 : あかね書房 (2020/2/10)、出典:出版社HP

もくじ

この本のつかい方

絵本
SDGsを知るお話
SDGsの全体像をとらえよう

目標1 貧困をなくそう
目標2 飢餓をゼロに
目標3 すべての人に健康と福祉を
目標4 質の高い教育をみんなに
目標5 ジェンダー平等を実現しよう
目標6 安全な水とトイレを世界中に
目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標8 働きがいも経済成長も
目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標12 つくる責任つかう責任
目標13 気候変動に具体的な対策を
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標16 平和と公正をすべての人に
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

2030年、あなたは何歳?

巻末ふろく
SDGsの17個の目標と169個のターゲット
さくいん

小林 亮 (監修)
出版社 : あかね書房 (2020/2/10)、出典:出版社HP

この本のつかい方

この本では、SDGsの取り組みについて紹介しています。
SDGsがつくられた背景をものがたりとして読むことができる「SDGsを知るお話」や、SDGsの17個の目標にまつわる「SDGsクイズ」などをとおして、楽しく学ぶことができるつくりになっています。

SDGsを知るお話
「なぜいま、SDGsが必要なのか」ということを、絵本のかたちで読むことで、理解に近づきます。低学年の児童への読み聞かせにも使用できます。

SDGsの全体像をとらえよう
SDGsの成り立ちや、17個の目標を世界のみんなが理解して行動できるようにと定めた決まりごと、SDGsの理念などについて、知ることができます。

17個の目標の解説
SDGsには17個の目標があります。この本では、それぞれの目標を3つの見開きで解説しています。

クイズのページは、学校や家庭で、児童や生徒がSDGsを学習する副教材として使用する場合にかぎり、コピーをみとめています。

小林 亮 (監修)
出版社 : あかね書房 (2020/2/10)、出典:出版社HP

わたしがかわる みらいもかわる SDGsはじめのいっぽ

SDGsの絵本

この本は、SDGsとは何かを絵本の形式で説明しています。小さな子どもにSDGsが何を目指しているのか、SDGsが達成できれば、世界がどのようになるのかについて示されています。

原琴乃 (著, 監修), 山田基靖 (監修), MAKOオケスタジオ (イラスト)
出版社 : 汐文社 (2020/6/2)、出典:出版社HP

わたしたちのちきゅうでなにがおきているの?
せかいにはがっこうにいけないこどもたちがいるのに、がっこうがつまらないとおもうこもいる。
まずしくておなかがすいているひとがいるのに、たべものがどんどんすてられている。
しぜんさいがいがはげしくなってきているし、うみはよごれてごみはおさかなよりもおおくなりそうだ。
おかねもちとまずしいひとのさがひろがっている。そしておかねもちもまずしいひともびょうきでくるしんでいる。
これはせかいのどこかだけではなく、わたしたちのにほんでもおきているおはなし。
このままだとずっとうけついできたちきゅうを、みらいにつないでいけないかもしれない。

わたしたちはどうしたらよいの?

原琴乃 (著, 監修), 山田基靖 (監修), MAKOオケスタジオ (イラスト)
出版社 : 汐文社 (2020/6/2)、出典:出版社HP

こどもSDGs(エスディージーズ) なぜSDGsが必要なのかがわかる本

子ども向けにSDGsをわかりやすく

この本は、子ども向けのSDGsをテーマにした本です。17の目標が設定された理由がわかるようになっています。それぞれの目標で克服したい課題が説明されているため、自分にできることについても考えるきっかけになるでしょう。

バウンド (著), 秋山宏次郎 (監修)
出版社 : カンゼン (2020/7/11)、出典:出版社HP

はじめに

このままでは大人になったときに地球は立ち行かない!

本書は、2015年9月に国際連合サミットで採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げた17の目標と169のターゲットからなる「SDGs(持続可能な開発目標)」について説明していきます。
第1章では、世界中にあるさまざまな問題について考えていきます。世界には196の国(日本が承認している195カ国に日本を加えた数)がありますが、そのうちの146カ国(約74%)は経済と産業の発展がまだ進んでいない「途上国」です。
私たちが暮らす日本は、経済と産業の発展が進んだ「先進国」ですが、世界的に見れば少数派です。日本人のような暮らしは、決して当たり前ではないのです。
今の世界は、貧困、差別、環境問題、戦争など、さまざまな問題・課題を抱えています。途上国のほうが深刻な問題をより多く抱えているかもしれませんが、日本にも貧困や差別、環境問題はあるように、先進国にも問題がないわけではありません。
問題・課題を解決するためには、まずは世界にはどんな問題・課題があるのかを認識することが大切です。
第2章では、SDGsとは何か、何を目指しているのか、「持続可能な開発」とはどういうことなのかなど、基本的なことについて簡単に説明しています。
第3章では、私たちはSDGsについてどう考え、どう行動するべきかについて考えます。付録では、SDGsの17の目標の中身を詳しく説明しています。
SDGsは、世界中のすべての人々が達成を目指すべき目標です。目標を達成するには、文化や考え方が違う世界中の人々がともに成長しながら、他者を思いやり、協力し合うことが大切です。
このままでは未来の地球は立ち行かないほどの危ない状態です。将来の世界を引っ張っていく今のこどもたちが将来的に理想の世界で暮らせるようにするためには、今からさまざまな問題について考え、周りの人たちと話し合い、取り組んでいくことが大切です。
この本を読んだら小さなことからでも行動に移しましょう。それが大人になったときにより良い未来をつくることになるのです。

バウンド (著), 秋山宏次郎 (監修)
出版社 : カンゼン (2020/7/11)、出典:出版社HP

【もくじ】

はじめに

第1章
みんなの周りのさまざまな問題を理解しよう
1 学校に通えないこどもが世界にはたくさんいる
2 新型コロナウイルスが起こったのは人間のせい?
3 飢えている人がいるのに、食べものを捨てる人もいる
4 1日約200円で生きる人が7億3,666万人もいる
5 1億4,400万人は、湖や川の汚い水を使う
6 たくさんの動植物が絶滅している
7 環境が破壊され、地球温暖化が進んでいる
8 人間はお金儲けのために大切なことを犠牲にしてきた
9 企業が起こした公害で今も多くの人が苦しむ
10 有名企業の商品が児童労働でつくられていた
11 世界的企業が起こした労働問題
12 環境や人権に配慮しないと人々にそっぽを向かれる
13 自分が恵まれていれば、周りはどうでもいい?
14 同じ地球に生まれたのにこんなに差があっていいの?
15 あなたが今から世界の誰かと入れ替わるなら?

COLUMN
●タイには18種類もの性別がある!?

第2章
国連が決めた世界共通の目標SDGsって何?
1 SDGs(持続可能な開発目標)とは?
2 SDGsには17の目標、169のターゲットがある
3 ところで「サステナブル」って何?
4 なぜSDGsに取り組む必要があるの?
5 SDGsの「5つのP」とは?
6 このままではSDGsの達成は難しい
7 SDGsのもとになったMDGs(ミレニアム開発目標)
8 SDGsに無関係な人は誰一人いない
9 SDGsではさまざまな問題の同時解決を目指す
10 貢献できそうなことから始めよう
11 日本のSDGs達成度は世界15位

COLUMN
●SDGsに貢献できる「地産地消」とは?

第3章
自分ごととしてSDGsを考えることが大事
1 このままではまずいことが起こるの?
2 SDGsに取り組まなくても罰則はないけれど……
3 SDGsはビジネスでも貢献できる
4 グレタさんが大人たちに激怒する理由
5 「他人が悪い」でなく、「自分ができること」を考える
6 誰がつくっているかを考えたことある?
7 エシカル消費を考えよう!
8 未来のために今、やるべきことをやろう!
9 目標達成のために何が必要かを考えよう
10 できること、できそうなことからやってみよう
11 できることレベル1:ソファに寝たままできること
12 できることレベル2:家にいてもできること
13 できることレベル3:家の外でできること
14 できることレベル4:職場(学校)でできること
15 「いいことをしよう」だけでは長続きしないことも
16 「SDGsウォッシュ」をしてはいけない!
17 おうちの人に会社での取り組みを聞いてみよう!
18 「こどものことを考えて」と大人に働きかけてみよう

COLUMN
●学校給食から食品ロスを減らす

付録
SDGsの17の目標をもっとくわしく知る
SDGsの17の目標をもっとくわしく知る
目標1 貧困をなくそう
目標2 飢餓をゼロに
目標3 すべての人に健康と福祉を
目標4 質の高い教育をみんなに
目標5 ジェンダー平等を実算しよう
目標6 安全な水とトイレを世界中に
目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標8 働きがいも経済成長も
目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標12 つくる責任 つかう責任
目標13 気候変動に具体的な対策を
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標16 平和と公正をすべての人に
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

●SDGsお役立ちサイト
●SDGsを楽しく学べる便利ツール

●さくいん

バウンド (著), 秋山宏次郎 (監修)
出版社 : カンゼン (2020/7/11)、出典:出版社HP

世界がぐっと近くなる SDGsとボクらをつなぐ本

SDGsをもっと身近に

本書は、SDGsの17の目標に関連したテーマについて解説しています。現在世界で抱えている問題が包括的に理解できるようになっています。人間としての生き方を改めて考える必要を感じるかもしれません。

池上 彰 (監修)
出版社 : 学研プラス (2020/2/6)、出典:出版社HP

はじめに

このところSDGsという言葉をよく目にするようになりました。「持続可能な開発目標」という意味で、「エス・ディー・ジーズ」と発音します。世界中の国々が一緒になって、地球を住みやすい星にしようという取り組みです。

たとえば地球温暖化。世界が暑くなることにより、海水温が高くなり、日本にやってくる台風が強大化しつつあります。このままでは、「スーパー台風」と呼ばれる猛烈な台風がやってくるようになるでしょう。そうなれば今まで以上に、建物が倒れたり、川が氾濫したりするようになるでしょう。これでは、今までのような生活ができませんね。これは「持続可能ではない」ということです。「持続可能」とは、あなたの子どもや孫たちの世代にも、豊かな自然があり、きれいな水が飲め、みんなが健康に過ごせるような状態が残るようにすることです。

世界には、まだまだ貧困に苦しんでいる人々がいます。こうした人たちは、食べるものを作る土地をめぐって争うこともあるでしょう。飲み水を奪い合って戦争になるかもしれません。これでは持続可能とは言えませんね。

きれいな水が得られないと、病気になる人が出るでしょう。この病気が伝染病だとしたら、どうでしょう。現代は、飛行機に乗れば、世界のどこへでもあっという間に行くことができます。伝染病にかかった人が、飛行機に乗って、私たちの国にやってきたら、あなたやあなたの家族、友人が、病気に感染してしまうかもしれません。

水が大切なことや、病気の怖さなど、あなたは知っているでしょう。でも、どうして知っているのですか。それは学校で教育を受けているからです。学校で十分な教育を受けることができない子どもたちが、世界には大勢います。この子たちが、衛生観念を得られないままなら、伝染病は何度でも流行するでしょう。途上国の教育が充実するように応援することは、回りまわって私たちのためにもなるのです。世界はつながっているのですから。

こう考えると、「遠い国での出来事」と思っていたことが、身近な問題であることがあるのです。私たちの世界をよりよい場所にするためには、何が必要なのか。この本を通して考えてみてください。

2019年12月
ジャーナリスト 池上彰

池上 彰 (監修)
出版社 : 学研プラス (2020/2/6)、出典:出版社HP

目次

はじめに
目次
SDGsとは?
みんなでSDGsを考える:池上彰 SDGs 特別講義
1 [貧困]について知る。
2 [飢餓]について知る。
3 [健康]について知る。
4 [教育]について知る。
5 [ジェンダー]について知る。
6 [水]について知る。
7 [エネルギー]について知る。
8 [人間らしい働き方]について知る。
9 [インフラ]について知る。
10 [平等]について知る。
11 [まちづくり]について知る。
12 [消費と生産]について知る。
13 [気候変動]について知る。
14 [海の環境]について知る。
15 [生物多様性]について知る。
16 [平和と公正]について知る。
17 [パートナーシップ]について知る。
キーワード集
SDGsオススメ本紹介
索引

SDGsとは?

今、地球には77億人が暮らしています。
ですが、地球はさまざまな問題や限界に直面しています。
経済、社会、自然環境…どの面をとっても問題があるのです。
これらの問題に向き合うために、国連※は、2015年に「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」、通称「SDGs」を打ち出しました。
※国際連合のこと。1945年に設立され、平和や経済、社会、文化などのための国際協力の実現をめざす機関。

SDGsには、2030年までに達成すべき17個の目標があります。これらは地球を、そして私たちの世界を、将来にわたって持続させるための目標です。
SDGsが書かれた計画書は、その冒頭で次のように力強く述べています。

「我々はこの共同の旅路に乗り出すにあたり、誰一人取り残さないことを誓う。」
“As we embark on this collective journey, we pledge that no one will be left behind.”
この言葉は、「普通に」生活している人々に今一度、身の回りを見渡すことを求めるものです。そして、日本のような豊かな国にもじつは多くの問題があることを突き付けてくるのです。

SDGsは「途上国に暮らす人」や「世界で活躍したい人」だけのためのものではありません。この本を手に取ったあなたのための目標なのです。

SDGsを通して私たちの世界を見たとき、社会の現実とやるべきことがきっとわかるはずです。SDGsを知ることが、あるべき世界に向かう一歩になるのです。

池上 彰 (監修)
出版社 : 学研プラス (2020/2/6)、出典:出版社HP

みんなでSDGsを考える
池上彰 SDGs特別講義

この特別講義は、2019年10月、本書の作成にあたって、東京都市ヶ谷にある「JICA地球ひろば」で開かれました。
参加したのは、SDGsについて何も知らない5人の子どもたち、この講義を読み終えた時、みなさんは何を感じ、何をしようと思うでしょうか?

池上:この特別講義では、私たちが住んでいる日本だけではなく、世界のことをみんなで考えてみようと思います。そのカギとなるのが「SDGs」。
SDGsを簡単に説明すると、世界の国々はいろいろなことで対立しているけど、「同じ地球に暮らす人間として、これだけは共通の目標として2030年までに達成しよう」と決めた17の目標のことなんだ。
今日、講義するのは「JICA地球ひろば」という場所。この地球ひろばでは、今、ゴミ問題の展示が行われています。ゴミ問題はSDGsにも関わっているんだ。さあ、展示物を見ながら、考えていこう。

1 ゴミ問題と食品ロス

みんな、ゴミの分別はしているかな?
●子ども:燃やすゴミと燃やさないゴミ?あとはリサイクルできるゴミ?
えー、間違ってはいないんだけど、少しざっくりしている…という印象ですね(笑)。
まずは、この展示物を見てみましょう。4つあるゴミ袋をはかりの上にのせると、国名と、その国の1人当たりの1週間分のゴミの量がわかるというものなんだ。さあ、日本は一体、どれだろう?
●これかなあ。
お、いちばん大きいのを選んだな。<15.5kg>…これはアメリカだね。さあ、アメリカと比べて、日本はどれくらいだろう。
●これ!
じゃあ、のせてごらん。<6.7kg>。…日本はこれだね。アルゼンチンは<8.0kg>、ブルキナファソは<2.7kg>だ。
ゴミは豊かな国や今まさに発展している国で多くなるんだけど、日本のようにリサイクルや分別が進んでいる国はゴミの量が抑えられたりする。
●日本、すごい。
でも、ゴミはもっと減らせるはずなんだ。「食品ロス」って言葉は聞いたことがある?食べようと思えば食べられるのに、コンビニエンスストアなどでは賞味期限がギリギリになった商品を、ぽいぽい捨ててしまう。でも、そんなふうに食べ物をゴミとして捨てずに、うまく世界中のゴミ問題だけではなく、飢餓問題まで解決することができるかもしれない。
ところで、日本の食品ロスの45%は家庭から出ているんだよ。冷蔵庫の奥に入れていて、賞味期限が切れてしまったり、ずっと前に買っていたのを忘れて同じものを買ってしまったりしたりしたことはない?冷蔵庫の中身を確認するということが、立派な食品ロス防止になるわけ。これは君たちにもすぐにできることだね。

2 「4R」でプラスチックゴミを減らそう

さあ、次はプラスチック問題だ。
●海に捨てられたプラスチックを、魚とか亀とかが食べてしまうんですよね?
そう、その通り。じつは海に捨てられたものだけではなくて、多くのプラスチックゴミは川から流れ着いていることが、最近の研究でわかったんだ。川に捨てたものが海に流れ着いたり、道に捨てたものが風で川に落ちたり、海に着くまでの経路はさまざまなんだね。
魚や亀や海鳥は、食べてはいけないものだとわからずに、プラスチックを口にしてしまう。プラスチックは分解されないから、ずっと胃の中に残ってしまう。
さらに言えば、プラスチックは強い日差しに当たるとバラバラに砕けて、細かくなる。それを魚が食べるよね。じゃあ、その魚を食べるのは…?
●人間!
そう。プラスチック問題は他人事じゃないんだ。巡り巡って、私たち人間のもとに返ってくる。
最近は、スーパーでレジ袋が有料になったりしているね。中国では、国全体で禁止しているほど。ヨーロッパも広い範囲で禁止している。アメリカ・カナダも一部地域で禁止している。日本では、エコバッグの利用を推奨しているだけ。それで本当にいいのかな?
環境問題が叫ばれるようになってから、新しいレジ袋が世界中で生まれているんだ。ここにも展示されているね。プラスチックは分解されないのが特徴なんだけど、自然に還るように作られたのが、この「生分解性プラスチック」によるレジ袋なんだ。これ、何が原料か分かるかな?ヒントはね、飲みものの中に入っていて最近ブームになっている…。
●あーーー、タピオカ!
正解!タピオカはキャッサバが原料。このレジ袋には「I AM NOT PLASTIC(=私はプラスチックではありません)」と書かれているね。キャッサバでできた自然にやさしいレジ袋、ということなんだ。
そして、海洋へ流出するプラスチックゴミの代表格、ストロー。今、紙ストローや木のストローの開発が進んでいるね。
「3R」って学校で習った?
「Reduce=リデュース」「Reuse=リユース」「Recycle=リサイクル」の3つのことだね。最近は、もう一つRが増えた。それは何かというと「Refuse=リフューズ」。これは、「断る」という意味。ゴミになるレジ袋はいりません、ということ。こうすることで、ゴミが減らせると考えられているんだ。

3 水問題と教育の関係

次は水の展示。日本では、蛇口をひねれば水が出るのが当たり前。その水を飲んでお腹をこわすこともない。でも、途上国では決して当たり前のことではないんだ。水道がない国もあるし、地下から水を汲むための井戸さえない国もある。じゃあ、どうすると思う?
●川まで汲みにいく、とか…?
その通り。子どもが何kmも歩いて、山を越え、谷を越え、川や湧き水のあるところまで水を汲みにいく。重いバケツを持って、家と水のある場所とを何往復もするんだ。すると、当然、学校には行けなくなる。
これが子どもの生活にどう影響するか。学校に行けないと、「文字の読み書きができない」「衛生の知識がない」という問題が出てくるんだ。たとえば、そのまま親になると、子どもが熱を出した時に、消毒されていない水を与えてしまうことがあるかもしれない。すると、子どもは下痢を起こして、脱水症状にある。親は、何もわからず、水分を与えようと、汚れた水をまた飲ませる。途上国では、子どもが下痢で死んでしまうことが、決して少なくないんだ。こんな悲劇はなくしたいよね。水道を完備とまではいかなくても、途上国でも、せめて井戸がもっと増えればいいよね。そうすれば、遠くの川や湧水地まで数時間かけて行かなくて済んで、子どもたちは学校に通えるようになる。水問題を解決すると、さまざまな問題の解消にもつながるんだ。

4 現在のSDGsの達成率は?

ここは、世界中の国が、どれくらいSDGsを達成できているかがわかるコーナーなんだ。パネルの光った色が、それぞれの達成状況を教えてくれる。緑色が「達成」、黄色が「もう少し」、オレンジが「まだまだ」、赤は「まったくできていない」。どこの国から見てみる?
●全員:日本!

日本は156か国中、15位。展示は2018年度の達成状況。2019年度は、目標2がオレンジ、目標9が緑、目標14がオレンジ。
じゃあ、日本を見てみよう。あれ、達成できているのは「教育」だけだぞ。
●「飢餓をゼロに」が黄色だけど、どうしてですか?
君たちに身近な問題でいうと、「子どもの貧困」って聞いたことがない?たとえば、夏休みが終わって学校が始まると、以前より痩せてしまっている子どもがいる。なぜかというと、夏休みは給食がないから。食べるものがないほど貧しくはないけれど、栄養バランスの取れた食事ができるほど豊かではない。そういう家庭も少なくないんだ。そんな家庭の子どもたちのためにあるのが「子ども食堂」。家が貧しくて満足な食事ができない子どものために、安く、あるいはただで食事を提供しようっていう取り組みをしているんだね。
次にアメリカも見てみようか。…あれ、緑が一つもないね。じゃあ、最後にSDGs達成率1位のスウェーデンを見てみよう。…うん、緑が多いけど、黄色も多い。1位の国でも、できていないことがたくさんあるんだね。それだけ難しいことを、世界中の国々が達成しようと努力しているということなんだ。
最後にSDGsの17個の目標を解説していきましょう。

5 自分事としてのSDGs

❶貧困をなくそう
❷飢餓をゼロに
貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。前者は、世界的に見て貧しい状態。後者は、国内のほかの人に比べて貧しい状態です。たとえば、日本でも貧困や格差が広がっていて、「子ども食堂」や無料学習支援が全国的に進んでいます。絶対的貧困をなくすのも大事だけれど、豊かな人と貧しい人との差がなるべく少ない国づくりが必要とされているんだ。

❸すべての人に健康と福祉を
日本は、国民みんなが健康保険に加入する「国民皆保険」という制度を取り入れています。一方、アメリカでは、誰もが健康保険に入っているわけではない。そのため、保険に入っていない人は症状が深刻な状態になるまで、病院に行かない。行けないんです。日本では当たり前のように感じる医療保険制度は、世界的に見て、とても恵まれたものなんだね。

❹質の高い教育をみんなに
❻安全な水とトイレを世界中に
日本では、義務教育で中学校まで通いますね。高校などへの進学率も約99%。でも、世界には小学校に通えない子どもがたくさんいる。その理由の一つが、先ほど話した水問題なんだ。
安全な水が手に入ると、さまざまな問題が解決する。一部の途上国では、まだ水洗式のトイレが一般的ではなく、不衛生な環境にあります。日本でも、私が子どもの頃は「ぼっとん便所」という、汲み取り式のトイレでした。世界でも、清潔な水洗トイレが増えるといいですよね。

❺ジェンダー平等を実現しよう
❿人や国の不平等をなくそう
日本でも最近、一部の大学の医学部入試で、女性の合格者を減らすための意図的な操作があったことが発覚しました(2018年)。女性は医師になっても、結婚して家庭に入ったり、出産して子育てをしたりと、長くは働けないと思われているからです。
でも、それはおかしい。これって、差別だよね。男性も女性も平等であるべきです。私たちは、生まれる国や性別を選ぶことができないからこそ、理不尽な不平等はあってはならないのです。

❼エネルギーをみんなにそしてクリーンに
⓭気候変動に具体的な対策を
日本では、電気のない生活は考えられないよね。日本の電気の多くは、火力発電で生み出しているものです。石炭や石油を燃やして、電力を生み出すしくみです。しかし、石炭や石油を燃やすと、二酸化炭素がたくさん出て気候変動につながる。気候変動というのは、主に地球温暖化のことです。その影響に一つに、南極の氷がとけることによる海水面の上昇があり、将来的に水没してしまう島があると言われています。
最近話題のグレタ・トゥンベリさん。彼女は国連のサミットでスピーチし、世界中のリーダーたちに対して、温暖化対策への行動をしてください、と訴えました。

❽働きがいも経済成長も
経済成長というのは、国が豊かになることです。ただ、その成長を支える人たちが、いやいや働くのではなく、喜びを感じながら働ける環境をつくろうという目標です。
みなさんは、日本の「過労死」という言葉が海外でもそのまま通じるのを知っていましたか?海外の言葉に訳せない。なぜなら、海外では、働きすぎて死ぬなんていうことが考えられないからです。このところ、「働き方改革」が叫ばれているように、日本は働き方を考えなおすタイミングとなっていますね。

❾産業と技術革新の基盤をつくろう
⓬つくる責任 つかう責任
国が豊かになるには、人々が働く場所が必要ですよね。そのために必要なのが産業です。また、技術革新によって産業が発展すると、新しい仕事が生まれます。
一方で、先ほど話したプラスチック問題。プラスチックは便利だけれど、分解されないので地球にゴミが増えてしまう。それでは、私たちが地球に住み続けられなくなってしまいますよね。そのため、さきほど見たような木製のストローや、土に還る生分解性プラスチックによるレジ袋が開発されています。それが、地球に暮らす私たちの責任ですよね。

⓫住み続けられるまちづくり
この目標は台風や地震など、自然災害に対する防災のことでもありますが、環境問題にも関連しています。近年、日本で台風の被害が頻繁に発生しているのは、温暖化によって海水温が上がっているからとされています。こうした環境の変化に対応できるまちづくりが求められているのです。
すでに気づいている方も多いでしょうが、SDGsは一つひとつがつながっているんですね。

⓮海の豊かさを守ろう
⓯陸の豊かさも守ろう
プラスチックゴミは、海を汚すだけではなく、魚などが食べてしまう問題もあります。その魚を誰が食べるのか? 私たちでしたよね。安心して魚を食べ続けるためにも、海を守る必要があるということです。
また、森というのは、生物の食物連鎖が生まれる場所です。同時に、木々には二酸化炭素を吸収して酸素を出す役割もある。土には、雨が降った時に、水を蓄えて洪水や土砂災害を防ぐ役割もあります。だからこそ、森林破壊や砂漠化はふせがなければならないんですね。

⓰平和と公正をすべての人に
世界では、まだ戦争をしている国があります。中には、水争いが原因になっているものもある。言い換えれば、地球の環境をよくすることで、新しい戦争が起きないようにすることができるんです。

⓱パートナーシップで目標を達成しよう
豊かな国はこれからもずっと豊かであり続けられるように、そうでない国は豊かになっていけるように、17の目標達成をめざして協力し合いましょう、という目標。先ほど見た各国の達成状況が、2030年にはより改善しているといいですね。

最後に、みんなの感想を教えてくれるかな?
●本当に達成できるのかなって思う。
そうだね。でも、目標を掲げるっていうのも大切なことなんだ。全部は達成できなかったとしても、少しでも前に進めるといいよね。
●自分で出来る範囲で、温暖化対策にも取り組みたいと思いました。
その通り。あまり一生懸命になりすぎると、どこかで疲れてやめてしまう。だからこそ、持続可能な、できる範囲でやっていくことが大事だと私も思います。

池上 彰 (監修)
出版社 : 学研プラス (2020/2/6)、出典:出版社HP