【最新】新卒就活について学ぶためのおすすめ本 – 就活の全体像から企業視点まで

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就活はいつ何をする?内定を取るためには?

就活を始めようと思った時、初めて経験する就活では、いつ、何から始めたらいいのかわからないと思うのは当然です。今回は、ゼロからの就活の始め方からエントリーシートの書き方・面接対策などのほか、企業視点での新卒採用に対する考え方などを学べる本をご紹介します。

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出典:出版社HP

「納得の内定」をめざす 就職活動1冊目の教科書

就職活動で必要なこととは

本書は、就職活動に関するポイントをまとめている本です。スケジュールの説明から始まり、自己分析のやり方やエントリーシートの書き方、企業研究といった一般的な内容が多く、スタンダードな就活本と言えます。就活に関するテーマがまとめられており、就活の初心者向けの内容です。

就活塾 キャリアアカデミー (著)
出版社 : KADOKAWA (2019/9/14)、出典:出版社HP

いざスタート! これが就活スケジュール

はじめに

就活成功のカギは「今この瞬間から準備をはじめること!」

就活塾キャリアアカデミーに入塾したばかりの就活生から「就活は、何からはじめたらいいですか?」と、よく質問を受けます。
たしかに、就職活動(就活)でやるべきことは、

・自己分析
・インターン
・エントリーシート
・グループディスカッション

など、たくさんあり、就活をはじめたばかりの人にとっては、「どれを」「いつ」「どのくらい」やればよいのか迷ってしまいますよね。

「就活で有利だと思ったので資格試験に申し込みました!」

「就活に役立たないことにかける時間」はもったいない!
たとえば、就活生から「就活で有利だと思ったので、秘書検定(秘書技能検定試験)の申し込みをしました!」などという話をよく聞きます。
本人にとっては、真剣に考えたうえでの判断だと思いますが、残念なことに、この行動は、就活においては適切な判断とは言えません。「就活」という観点から考えると、私たちの目には「ほかにもっとやることがあったのに……」と映ってしまいます(本書の中でも詳しく説明しますが、ちょっとがんばれば取得できるレベルの資格を持っていても、企業から、それほど評価を得られないからです)。

効率のよい準備の仕方を教えます!

就活にかけられる時間は十分にあるとは言えません。せっかくやる気があっても、適切な準備の仕方を知らなければ、時間を無駄にしてしまいます。
自分が納得できる内定を得られるどうかは、限られた大切な時間を、いかに適切で効率のよい準備にあてられるかどうかで決まります。

「早めに就活に取り組む=何かを諦める」ではない!
「納得の内定」を得るために、もうひとつ大切なことが、「早めに準備をはじめること」です。
就活に取りかかる時期は、早ければ早いほどよいですし、たとえば、キャリアアカデミーには大学3年生で入塾する人が最も多いですが、1年生のときに入塾している人もいます。

そんな早い時期から就活していたら、大学時代に就活以外のことができないよ…

そんなふうに思う方もいるかもしれませんね。
しかし、それは違います。
「早めに就活に取り組む」というのは、「就活のために何かを「諦める」という意味ではありません。
「大学の授業、ゼミ、サークル、アルバイトなどの時間を減らして就活に取り組むのではなく、大学時代のすべての活動に対して、「社会人になったときの自分にとって役立つ」ようなマインドを持って取り組むことです。
たとえば、学生時代、アルバイトを選ぶときに、なるべく楽で時給が高い仕事を選ぼうとする学生は少なくありませんが、たとえ時給が低くても、将来、自分が就きたい仕事に関わりのある業界でアルバイトをするほうが、未来の自分のためになるでしょうし、就活へとつなげられます。
仮に、大学時代のアルバイトで100万円稼いだとしましょう。
学生にとって100万円は大きなお金ですが、社会人になれば、会社によって1年目の年収に100万円以上の開きが出てくることはザラです。生涯給にすれば、1億円以上の開きがあります。
もし、「就活を意識した考え方」をしていれば、目先の時給100円、200円の違いにとらわれたアルバイト選びはしなくなるはずです。

みなさんの就活をサポートします!

「納得の内定」を得るために
私たち、就活塾キャリアアカデミーは、これまで多くの内定者を出してきました。
キャリアアカデミーの講師のほとんどは、採用する学生を実際に決めてきた人事や採用の経験者です。そして、さまざまな業界の出身者がいますから、業界ごとに異なる採用基準にも精通しています。
その講師陣の指導経験を元に、「自分が納得できる内定を取りたい。でも、その準備の仕方がわからない」という人に向けて書かれたのが本書です。
本書に書いてあることを隅から隅まで実践していけば、絶対に「納得の内定」が得られます。
この本を手にとった方の多くが、就活をはじめるにあたって、疑問や不安を感じているのではないかと思います。
過去の先輩たちのさまざまな疑問や不安に応えて誕生した本書は、必ずや、みなさんの就活を力強くサポートする存在しているはずです。
今は不安でいっぱいだと思いますが、大丈夫。
私たちがついています。
一緒にがんばっていきましょう!

2019年8月
就活塾 キャリアアカデミー
塾長 後藤 沙織

就活塾 キャリアアカデミー (著)
出版社 : KADOKAWA (2019/9/14)、出典:出版社HP

Contents

いざスタート! これが就活スケジュール

はじめに
就活成功のカギは
「今この瞬間から準備をはじめること!」

第1章 自己分析からはじめよう
1 なぜ自己分析が必要なのか?
2 自己分析で「人事に評価される自分」を発見しよう
3 自分の「特徴」を発見する3ステップ
Step1 自分の人生を振り返り、特徴を発見する
キャリアアカデミー式自分史シート
4 自分の「特徴」を発見する3ステップ
Step2 周りの人に、自分の特徴を聞いてみる
5 自分の「特徴」を発見する3ステップ
Step3 人事に評価される特徴を確認する
人事の視点シート

内定への道
エピソードを話すな!感じたことを話そう

第2章 想いが伝わるエントリーシートの作り方
1 企業研究の前にエントリーシートを完成させよう
2 ESにたいした経験は必要ない!
3 学チカ&自己 PR のテンプレートを作成しよう
4 キャリアアカデミー式 ES のルール
5 内定が出た人の ES ビフォーアフター

内定への道
NGワード「できます」「力があります」
「身につけました」

第3章 自分にとっての優良企業を見つける企業研究
1 数字に注目して企業を見つけよう

内定への道
年収1億円の人は年収 500 万円の人の 20 倍幸せなのか?
気になる企業の数字記入シート

2 「食品」「旅行」「航空」人気業界のワナ
3 「やりたくないこと」を見直そう
4 「やりたいこと」がなくてもいい?
5 自分にとっての優良企業とは?…

ワーク
自分にとっての優良企業を定義してみよう
ワークシートの結果別
おすすめ業界・企業・職種

内定への道
「育休」以外にも注目してみよう

第4章 インターンシップを有効に活用しよう
1 インターンシップの基本知識
2 就活生と企業「選ぶ」側はどちら?
3 インターン生の心得
4 インターンの成果を最大限にする3つのポイント
インターン振り返りシート

第5章 効率重視で突破!筆記試験& Webテスト対策
1 筆記試験& Web テスト対策法
2 試験対策は早めに取り組み、終わらせる

内定への道
意外と狙い目 社団法人・財団法人

第6章 グループディスカッションは 戦略的にのぞもう
1 グループディスカッションの目的を知ろう
2 グループディスカッションの基本
3 グループディスカッション実況中継
4 評価のポイントと対策

第7章 内定を勝ち取る面接のルール
1 面接の鉄則1「相手ファースト」を意識する
2 面接の鉄則2 誠実にのぞむ
3 面接の鉄則3 結論から話す
4 リーダーシップとコミュ力がなくても内定はとれる
5 社会人と話す機会を日常的に持とう
6 面接は準備で決まる
7 面接の第一印象を決める! 入室のマナー

内定への道
卒論は、論理的思考の訓練に最適!

第8章 信頼度がアップする就活のマナー
1 好印象の身だしなみとは?
2 面接官の印象アップ! 見た目を良くする7つのポイント
3 会社訪問 OB・OG訪問時のマナー
4 就活で必要な電話のマナー
5 就活で必要なメールのマナー
6 内定後のマナー① 複数の内定先から1社を選ぶ
7 内定後のマナー② 内定を辞退する
8ネットを使うときのマナー① ネットの情報だけに頼らない
9 ネットを使うときのマナー② 信頼できる情報の見分け方
10 ネットを使うときのマナー③ 企業はSNSを見ている

第9章 よくある就活のQ&A
Q1. 資格はあったほうがよいですか?
Q2.「就職留年」は不利ですか?
Q3. 就活がうまくいかないので、留学(または大学院)に行くのはどうですか?
Q4. 文系の大学院生は、就活で不利になると聞きましたが、本当ですか?
Q5. OB・OG訪問をしたいのですがどうやってOB・OGを見つけたらいいですか?
Q6. OB・OG訪問では、どんな質問をすればいいですか?
Q7. 証明写真はスマートフォンで撮影してもいいですか?
Q8. 私は中国からの留学生です。日本での就活で気をつけることはありますか?
Q9. リクルーター面談で気をつけることはありますか?

付録 内定者インタビュー&採用担当者座談会
付録1 就活って実際どうなの? 内定者インタビュー
付録2 採用担当者本音トーク新卒就活の舞台裏

塾長メッセージ
内定は、日々の行動から得られる!

本文デザイン・DTP / ISSHIKI
本文イラスト/平のゆきこ
撮影/小林祐美
モデル/井上幸志郎、山口侑里

※本書は原則として、2019年6月時点の情報をもとに原稿執筆・編集を行っています。最新情報はご自身でご確認ください。

 

就活塾 キャリアアカデミー (著)
出版社 : KADOKAWA (2019/9/14)、出典:出版社HP

マイナビ2022 オフィシャル就活BOOK 内定獲得のメソッド 就職活動がまるごと分かる本 いつ? どこで? なにをする? (マイナビオフィシャル就活BOOK)

就職活動は何をやればいいのか

本書は、就職活動でいつ、何をすればいいのかを一通り解説している本です。全体像からそれぞれの場面での基本的なポイントが紹介されており、より具体的なノウハウを知るためには、そのテーマの就活本を買うのがよいでしょう。就活の基本的な流れを知ることに役立ちます。

はじめに

就職活動とは相手の心に食い込む力を試される活動

就職活動の過程では、仕事や社会に対する「理解力」、面接官に対する「コミュニケーション力」、1日に何社もの説明会・選考試験をはしごする「フットワーク力」、ESでの「記述力」、面接での「プレゼンテーション力」など、さまざまなものが問われます。言うなれば、就職活動とはあなたの「総合的な人間力」が試される機会なのです。

就活知識ゼロの状態から、内定獲得レベルに成長できる

本書は、弱点を抱えた平凡な学生A君、B君、C子さんと、著者との会話形式で進行します。アドバイスは6段階・54項目にわたり、就活の局面ごとに細かく解説した内容になっています。また、4人の会話を通して、イメージを膨らませながら、内定獲得までの道筋を理解することができます。

採用担当者・面接官の考え方が手に取るように分かる

本書では、企業採用アドバイザーでもある著者の知識を元に、採用担当者及び面接官の考え方・求めるものを明らかにしてあります。皆さんは、就職活動の重要ポイントをただ暗記するのではなく、「なぜそれが必要であり、そうしたほうが良いのか?」を理解し、すっきりと納得できるでしょう。
毎年、多くの就活生が笑顔で社会に巣立っていきます。本書は、あなたの就職活動が笑顔で振り返られるものとなるよう、全力で応援します。

岡 茂信

目次

はじめに

巻頭特集
内定獲得までのポイントを5分でチェック!
「自己分析・ES・面接」就活実践テクニック

内定出る人 出ない人

Part1 就職活動の全体像を理解しよう
vol.1 就職環境を確認しよう
2 みんな、なぜ就職するの?
3 就活のプロセスを理解しよう
4 選考の全体像を知り、対策を練ろう
5 「求められる人材像」を元に作戦を練ろう
6 就活に勝つ人と負ける人の決定的な違い
7 就職に対しての不安と向き合う

Part2 就活対策/基本編
vol.8 自己分析の基本を確認しよう
9 自己分析に実際に取り組もう
10 他己分析で自己分析を充実させよう
11 業種研究で内定にぐっと近付こう
12 職種研究に取り組もう
13 志望業種・職種を絞り前進しよう
14 就活に必要な自己PRを認識しよう
15 会社と向き合う基本姿勢を理解しよう
16 会社選択基準を持とう
17 キャリアビジョンを構築しよう
18 志望動機の重要性を認識しよう
19 筆記試験対策の手を抜くな
20 ニュースを日々チェックしよう
21 インターンシップを活用しよう
22 就活では”動作”への意識も必要

Part3 就活対策/実践編
vol.23 エントリーで動き始めよう
24 合同企業説明会に参加しよう
25 合説を会社説明会につなげよう
26 会社説明会でアピール大作戦
27 OB・OG訪問で一石二鳥を狙う
28 選考直前総チェック/行動編
29 選考直前総チェック/知識編

Part4 履歴書&ES対策編
vol.30 履歴書&ES/基本知識と記入の注意点
31 ES/基本を理解しよう
32 ES/自己PR対策に取り組もう
33 ES/志望動機作成の基本

Part5 面接対策編
vol.34 面接対策/基本を理解しよう
35 面接対策/集団面接 (グループ面接)編
36 面接対策/集団面接実況編
37 面接対策/個人面接編
38 接対策/圧迫面接編
39 面接対策/グループディスカッション編
40 重要質問対策1「これまでに訪問した会社は?」
41 重要質問対策2「入社後にしたい仕事は?」
42 重要質問対策3 「5年、10年後の仕事の目標は?」
43 重要質問対策4「当社を選ぶ理由は?」
44 重要質問対策5「これまでの就職活動の結果は?」
45 重要質問対策6「当社は第一志望ですか?」
46 重要質問対策 7「最後に何か言いたいことは?」
47 面接対策/最終面接実況編

Part8 就活リカバリー編
vol.48 不合格スパイラルからの脱出
49 A君編「慎重派こそのチャレンジ」
50 B君編「明るいタイプの武器とは?」
51 面接突破トレーニング「脱・暗記を目指す」
52 面接突破トレーニング「突っこみ対応力をUP」
53 面接突破トレーニング「魅せる力を鍛えよう」
54 出会えてうれしい人を目指そう

就活コラム1 就活お役立ちサイト集
就活コラム2 採用担当者のハートをつかむキーワードはこれだ!
就活コラム3 財務指標で有望会社を発掘しよう
就活コラム4 これだけは覚えておきたい!敬語表現の基本
就活コラム5 就活にまつわるあの『噂』ってホント?Part.1
就活コラム6 就活にまつわるあの『噂』ってホント? Part.2
社会人となったA君・B君・C子さんから、皆さんへのメッセージ
まとめ 岡先生から就活生へのメッセージ

巻頭特集
内定獲得までのポイントを5分でチェック!
自己分析・ES・面接
就活実践テクニック

就職活動の準備はここから!自己分析、エントリーシート (ES)、面接の準備に欠かせないポイントを紹介します。予備知識がほとんどない人でも心配ありません。各項目、5分程度のチェック作業に取り組むだけで、就職活動に必要な業界・会社・職種研究、自己分析の方法やES作成、面接対策のコツをダイジェストで学べます。これを読めば、就職活動の不安解消に、また効率的な就職活動にきっとつながります!

【就活キーワード解説】

業種・・・メーカー、金融など、会社を事業内容でグループ化した場合のグループ名とイメージしましょう。就活では、自分の取り組みたい仕事が明確であることが必要です。そこで、業種研究に取り組んで、できるだけ早く志望業種を絞り込みましょう(詳しくはP88~91参照)。

職種・・・会社は例えば人事、営業など、複数の職が連動し成り立っています。企業は、学生が自分にマッチした職を自分自身で見つけることを求めますので、職種研究に力を入れ、志望職種を絞り込む必要があります(詳しくはP92~95参照)。

自己分析・・・志望業種を絞り込むにも、自分にマッチした職を発見するにも、自己PRするにも、自分のことを自分自身が深く理解する必要があります。自己分析、他己分析を通して、あなたのアピールポイントや価値観、興味の方向性を深く掘り下げましょう(詳しくはP76~87参照)。

エントリーシート(ES)・・・「大学生活で力を入れたこと」「当社を志望する理由」など、企業の質問に文章で回答するものです。業種、職種、会社研究、自己分析の結果を報告書としてまとめて提出するものとイメージすれば良いでしょう(詳しくはP168~185参照)。

面接・・・大きくは、集団面接、個人面接の2種類に分けられます。合格するために、外してはいけないポイントもありますが、最も大切なのは面接官とのコミュニケーションを実のあるものにすることです。そのためにもアピールしたいことを整理しておきましょう(詳しくはP188~247参照)。

キャリアビジョン・・入社後10年、20年と続く仕事において、あなたが設定する目標です。企業は、本気で志望している人はキャリアビジョンを持っていると考え、面接などで確認してきます。ですから、自分のキャリアビジョンをしっかりと形成する必要があります(詳しくはP112~115参照)。

マイナビ2022 オフィシャル就活BOOK 内定獲得のメソッド 就活ノートの作り方 (マイナビオフィシャル就活BOOK)

就活をうまく進めるためのノートの作り方

本書は、就活に関する情報をまとめたノート、就活ノートのつくり方を解説した本です。就活がうまく進められていない学生に向けた内容となっており、就活の内容を日々ブラッシュアップしていくことを勧めています。一つの具体的なツールのノウハウを解説した本で、かなりピンポイントな内容となっています。

はじめに

皆さん、はじめまして。
私はこれまで15年以上にわたり、学生の就職支援をしてきました。その中で、スムーズな就活を送るためには、就活ノートを上手に作り、活用していくことの重要性を感じてきました。
就活を進めるに当たって、知っておいてほしいことがあります。それは、就活ノートを上手に利用して情報整理をしたり、自分自身を理解したり、選考を振り返ったりすることができる学生の多くが、納得のいく結果を出しているという事実です。逆にできていない多くの学生は就活をスムーズに進められず、納得のいく結果を出せていません。まずは、就活ノートを作り、企業研究、自己分析、スケジュール管理などを書き留めていってください。そして、選考の様子や状況など、日々の就活で得た情報を書き足し、それを基に自分自身の就活を進めてみてください。そうやって、就活の内容をどんどんブラッシュアップすることが、内定獲得の近道です。
この本は私が主宰する就職塾『才木塾』に参加して、成功を収めた学生たちが実践した方法を基に、就活ノートの作り方、使い方のポイントをまとめたものです。この本が皆さんの納得のいく「就活ノート」作りに役立つことを願っています。

才木弓加

目次

はじめに
一般的な就活の流れ

第1章
内定獲得のために!
就活ノートを作る
就活ノートが内定を引き寄せる
就活ノートはどのようなときに使う?
就職活動に必要な情報を整理する

第2章
最重要ポイント!
自己分析ノート
自己分析とは何か?
自己分析ノートの作り方①
最初のページに重要なポイントをまとめる
自己分析ノートの作り方②
中学・高校・大学時代に打ち込んだことを書き出す
自己分析ノートの作り方③
「なぜ」「なぜ」「なぜ」と深く掘り下げる
自己分析ノートの作り方④
人自分を表す「キーワード」を見つける
自己分析ノートの作り方⑤
自己PRの文章としてまとめる
自己分析の間違い①
「最も打ち込んだこと」が間違っている
自己分析の間違い②
「キーワード」が間違っている
書き込み式:自己分析シート
才木先生が答える 就活ノートのギモンと悩み
Q 就活ノートには、どんなノートを使うといいですか?

第3章
ここを押さえる!会社説明会ノート
会社説明会とは?
会社説明会での情報収集とまとめ方
書き込み式:会社説明会ノート
才木先生が答える就活 ノートのギモンと悩み
Q 会社説明会での質問のマナーについて教えてください。

第4章
実際に企業へ!
OB・OG訪問&会社訪問ノート
OB・OG訪問&会社訪問とは?
OB・OGの探し方とは?
OB・OG訪問のアポイントの方法
OB・OG訪問&会社訪問ではこれを聞く
OB・OG訪問の注意すべきマナー
書き込み式:OB・OG訪問ノート
才木先生が答える 就活ノートのギモンと悩み
Q どんな先輩に声をかけたらいいのか
OB・OG訪問先の選び方について詳しく教えてください。

第5章
まずはこれから!
業界&企業研究ノート
業界&企業研究とは何かを知る
業界を理解しよう
さまざまな職種を知ろう
業界&企業研究のコツ
企業情報の集め方と整理術
書き込み式:業界&企業研究ノート
大木先生が答える就活ノートのギモンと悩み
やっぱり新聞は読んだ方がいいですか?

第6章
第一関門のクリア!
エントリーシート作成ノート
選考を通過するエントリーシートの書き方
書き込み式:エントリーシート

第7章
ここが重要!面接ノート
面接における回答のコツ
面接を振り返ってノートにまとめる
面接後は自己分析に戻ろう
書き込み式:面接ノート

第8章
再度確認を!
再自己分析ノート
就職活動がうまくいかない理由を探る
再自己分析のコツとは?

内定力

ゲームのような感覚で就活をする

本書は、いわゆる就活本の一つです。しかし、他の就活本と異なる点があります。それは、就活を苦労してやるものではなく、ゲームのように楽しんで取り組むものと考えさせている点です。就活が抱える問題をゲームとして捉えることで、心理的ハードルを下げていることはユニークです。

光城 悠人 (著)
出版社 : すばる舎 (2017/4/19)、出典:出版社HP

Chapter0 就活を「ゲーム」と捉える:苦労する就活は時代に合わない

「なんでこんなに真面目に頑張っている学生たちが、苦しそうなんだろう…」

就職活動というのは、学生が社会に出ていくための活動です。
自由気ままに過ごす立場から、社会に貢献できる存在になるための活動。自分の力で人生を切り拓いていく人間になるための活動。
それって本当ならもっと希望に満ちていて、楽しく、誇らしい活動のはずです。
なのに、いまや社会問題になるほどに、就活は多くの学生たちにとってしんどくて辛い活動になっている。そんな状況を、多くの人が「なんだかおかしい」と思っています。

みんな真剣になって自己分析をして、エントリーシートを書いて、面接の練習をする。
真面目に頑張ってるのに、就活を取り巻く状況はいつまでたっても暗いまま一。
そんな現状を見ていて、ふと気づいたんです。

「もしかして、真面目に頑張ってる、から、苦労しているのかも……?」って。

「就活」といったら自己分析や業界研究、OB訪問にインターンシップ。就活で評価されるマナーがあって、正しい自己PRがあって、志望動機はこんな言い方をすべき。
そんな「型」が溢れていて、学生たちはそれを真面目に頑張って、習得するために努力する。しっかり真剣に取り組んでいる。

だから、うまくいかないんじゃないのかな?
むしろ、もっとゆるく、もっと楽しむ気持ちでやったら、どうだろう?って。

そういう「真面目に頑張る」スタンスが、時代に合わなくなってきているのかもしれません。
たしかに昔は、真面目に頑張れば成功するという考え方が通用した時代もありました。
高度経済成長やバブルの時期は、みんなと同じように真面目に頑張ったら、みんな同じように幸せになれる「型」みたいなものがありました。
でも、いまはたぶんそんな時代じゃありません。
みんなが「同じ型の幸せ」は求めていないし、世の中もずっとゆるくなっています。
ソフトバンクの孫さんほどの人が、Twitterで「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」なんてことを言っちゃう。
役所や公的機関でさえゆるキャラを使っているし、自衛隊の募集広告は萌えキャラです。それくらいに、社会はゆるくなっている。
社会はそんな状態なのに、就活はいまだに「型」にならって真面目に頑張って努力するタイプの方法が残り続けているわけです。
つまり、いま「正しい」と言われている就活は、もはや時代とズレた方法になっているのかもしれない。就活も、もっとゆるく、もっと楽しみながらやってみたらどうだろう?
それが、数年前にぼくが気づいた「仮説」でした。

結論から言うと、その「仮説」はやっぱり正しかったようです。
就活は、もっとゆるく、楽しみながらやったほうが、うまくいく。

仮説を立ててから3年間、ぼくが採用側の立場で500社以上の企業の採用活動を手伝う中で得てきた知識や経験を踏まえて、学生たちに「実験台」になってもらいました。
彼らの相談にのったり、「こんなやり方は?」と提案したり、彼らの話を聞きながら気づかせてもらったりしながら、時代に合った、ゆるくて楽しめる新しい就活法を生み出しました。

それで完成したのが、「就活ゲーム」という考え方です。

就活を「ロールプレイングゲーム」にする就活法。
就活という冒険の旅。自分でキャラを選んで、武器を身につけながら進んでいく。そこから得意な闘い方を知って、レベルを上げる。自分が活躍できるパーティを見つけ出し、そのパーティの人たちから認められる力をつけていく。
そんなゲーム感覚での就活との向き合い方。

これまで約100人の「冒険者」たちと一緒に、そんな就活法を試してきました。
「たったの100人」かもしれません。
けれど、ぼくは彼らと一緒に酒を飲んだり、BBQをしたり、恋愛相談にものり、バイトやサークルの悩みを聞いたりして、日常的に関わってきました。
そんな「素の状態」の彼らを知っているからこそ、「彼らの良さをもっと引き出して、それを企業に伝える方法」を一緒に考えることができたと思っています。

彼らは「誰からも評価される超優秀な学生」ではありませんでした。
み~んな、ごくごく普通の大学生。
語れるほどの実績があるわけでもなければ、リーダー経験もない。英語力が高い学生もほとんどいないし、むしろ大学の単位すらも危うい。どこにでもいるような学生たちばかり。
普通にバイトをして、サークルも楽しみ、勉強はそこそこに恋人といちゃいちゃしたり、恋に破れて悩んだりしながら、普通の大学生活を送ってきた学生たちです。
早いうちから就活の準備なんてしていない。インターンシップにも行かない。OB訪問もほとんどしない。
むしろぼくのほうが、「そろそろ動き始めたほうがよくない……?」と焦っちゃうくらいにマイペース。

そんな彼らが「就活ゲーム」のやり方で、さまざまな企業から内定をとっていきました。
電通や博報堂、キーエンスに京セラ、アマゾンジャパン、NHKやリクルート、伊藤忠商事にUSJ、サイバーエージェントやオプトもいれば、LIXIL、ソフトバンクに資生堂、エルメスジャポンやアクセンチュア、船井総研やベネッセコーポレーション、京都市役所、SMBC日興証券といった会社から、続々と内定をとる。しかも、就活を楽しみながら。
就活って、多くの人が考えているほど、複雑でもなければ、しんどいものでもありません。
真面目にがんばればうまくいくものでもないし、型を学んで努力すればいいわけでもない。
とりあえず、これまでの就活で「正しい」と言われていた方法を捨てましょう。それらはぜんぶ「思い込み」にすぎません。

「就活が不安でしんどい」
「ちゃんと自己分析をしなくっちゃ」
「業界を絞って、業界研究しないと……」
「面接でちゃんと話せるようにしないと」
「マナーを知ってないとダメなのか」
「新聞も毎日読んでおかなくちゃ」

こんなの全部、要りません。
むしろ就活がそういうものだと思い込んでいるから、うまくいきにくくなっちゃう。
そんな「思い込み」によって、学生たちはどんどん元気がなくなって、どんどん就活を楽しめなくなっていく。
ちょっと誤解を生む残酷な言い方かもしれないけれど、端的に言うとこういうことです。

面白がってる人、楽しんでる人のまわりには人が集まる。
しんどうそうにしている人とはあんまり関わりたくないんです。
就活程度でしんどそうになったり、話していて楽しくない人とは、そりゃ働きたくない。
普通の人間関係だってそうなのに、お金を払う側の人たちがわざわざそんな人を採用したいと思うはずがありません。
とはいえ、だからこそ。
多くの学生たちが、ただの「思い込み」で、本来とれるはずの内定をとれないなんて、本当にもったいない。
ほんのちょっとした工夫でどうにかなるはずの学生が、それを知らないばかりに就活に失敗しちゃう。成功率の低い就活法で、本来の良さがぜんぜん発揮できないなんて、ぼくは本当にもったいないと思います。
ちょっとした思い込みをなくして就活の本質を知ると、就活は楽しめるようになるし、ほとんどの学生は十分に活躍できるようになる。

就活の本質は、本来シンプルです。
ちゃんと本質を押さえておけば、動き方も変わってくる。
就活の本質は、社会人から「信用を得る活動」だということです。
たったそれだけの話。たったそれだけなのに、誰もそれを教えてくれない。
自己分析や業界研究、OB訪問や筆記テスト、自己PRも志望動機も何もかも、世間の「就活」と言われることは、ぜんぶ「信用させる」ため。
逆に言えば、信用につながらない「就活っぽいこと」は、やってもあんまり意味がありません。
企業の人たちから信用を得ることができれば、内定は出る。
就活って、実はたったそれだけのことなんです。
この就活の本質さえ押さえておけば、あとはゲーム気分で、ルールや操作法を知って、ちょっとしたコツをつかみながらプレイする。
そんな就活ゲームの攻略法が、「就活ゲーム10則」です。この10個のポイントをひとつずつクリアしていけば、就活ゲームは誰でもちゃんと上達できます。

【就活ゲーム10則】

1. 「思い込み」を捨てよう。
2. すべては「信用」を得るために。
3. 「欲求」を知ろう。
4. 伝えるための「言葉」を磨こう。
5. 「おっさん」に慣れよう。
6. 「過去」を語るために整理しよう。
7. 自分の「活躍条件」を知ろう。
8. 「伝え方」を考えよう。
9. 知っている「世界」を広げよう。
10. そして「幸せな未来」を描こう。

具体的な内容は、これから説明していきます。
就活は楽しめます。あなたには、まだまだ秘められた可能性があります。
就活ゲームを通して、そんな就活の楽しさと、自分自身の可能性に気づいてもらえたら。
そして、世の中に「社会に出ていくワクワク感」を取り戻すことができたら。
そう考え続けて、ぼくは学生の就活を応援してきました。

ぼくが100人の学生たちと一緒に作り上げた就活ゲームで、この本を手にしてくれたあなたの人生がより良いものに変わりますように!
さあ、一緒に「就活ゲーム」を楽しんでいきましょう!

光城 悠人 (著)
出版社 : すばる舎 (2017/4/19)、出典:出版社HP

目次

Chapter0
就活を「ゲーム」と捉える:苦労する就活は時代に合わない

Chapter1
「就活ゲーム」の遊び方:就活のルールを知っておこう
1 「就活病」から抜け出そう!
その「定番」、時代遅れです!
2 就活ゲームの「クリア条件」は?
就活は「言葉で自分を信用させる」活動
3 「分析」や「研究」よりも自分の好みをわかっておこう
ウガンダ料理は、頼めない
4 就活をシンプルにする「SGモデル」
就活を最短でクリアするための地図
5 「信用獲得力」を高めよう
内定レベルはどれくらい?

Chapter2
自分の「キャラクター」を見つける:8タイプで考える
6 「自分のフィールド」はどこだろう?
方向性を決めるための8つの「キャラ」
7 【勇者】みんなを活かす組織の潤滑油
「好かれたい」×「しっかり系」の勇者
8 【旅芸人】まわりに活力を与える盛り上げ役
「好かれたい」×「ふり一系」の旅芸人
9 【戦士】いつも勝利を目指す勝負の鬼
「勝ちたい」×「しっかり系」の戦士
10 【武闘家】リスクを恐れない斬り込み隊長
「勝ちたい」×「ふり一系」の武闘家
11 【魔法使い】地道な修行を苦にしない努力家
「知りたい」×「しっかり系」の魔法使い
12 【発明家】「なぜ?」を求める戦略家
「知りたい」×「ふり一系」の発明家
13 【僧侶】信じる道を突き詰める求道者
「究めたい」×「しっかり系」の僧侶
14 【吟遊詩人】独自の世界で生きるアーティスト
「究めたい」×「ふり一系」の吟遊詩人
15 「伝説の勇者」なんていない
「求める人物像」の幻想を捨てよう
16 「欲求」がわかると、人がわかる
企業はいつも「欲求」を知りたがっている
17 それでもキャラ選択に迷ったら
「リーダー」だけでも選んじゃおう
「3つの特性」で考えよう
18 キャラの「揺れ」と「相場観」
調子の良し悪しでキャラも揺れる
「相場観」を持とう

Chapter3
言葉を磨くための「ぼうけんの書」:自分を理解し表現する
19 就活ゲームの必須アイテム「言葉」を磨く
「ヤバい」がヤバい。
20 感情を捉え、言葉を磨くための「ぼうけんの書」
使いこなすために「セーブ」する
21 「4本の矢」で言葉を強化する
感情の「タネ」から矢印を引いていく
22 「ぼうけんの書」の取扱説明書
毎日・手で・短く・なんでも書く
23 就活の意外な武器「対おっさん会話力」
ぼうけんの始まりは「酒場」から
24 「インタビュー」気分で面接を
面接官は「素の学生」を知りたがっている

Chapter4
キャラクター別「レベルアップ法」:適した「武器」と「戦い方」
25 「武器」と「闘い方」でキャラを立てる
キャラを証明する「ネタ」を集めよう
26 「勇者」の武器と闘い方
「誰かのため」を具体化する
27 「旅芸人」の武器と闘い方
「なんとなく」を言葉にしよう
28 「戦士」の武器と闘い方
「成果や実績」<「頑張り方」
29 「武闘家」の武器と闘い方
「初動」の欲求や動き方こそが強み
30 「魔法使い」の武器と闘い方
その「細かさ」に自信を持とう
31 「発明家」の武器と闘い方
自分も社会も「実験感覚」で
32 「僧侶」の武器と闘い方
理想にとらわれすぎず、想いを言葉にする
33 「吟遊詩人」の武器と闘い方
型にはまらず、わかってくれる人を見つける
34 就活の旅のコツ① 名詞の「好き」に要注意
「好き」の奥には何がある……?
35 就活の旅のコツ② 「迷子の達人」になろう
言葉の量を増やし質を高めるために
36 就活の旅のコツ③ 「解釈」と「相場観」を持つ
「解釈」で差をつけよう
冒険者どうしで協力プレイ

Chapter5
「必殺技」を身につける:刺さる自己PRを生み出す7つの方法
37 「必殺技」を生み出そう
必ず刺さる「自己PR」を作る7つの奥義
38 自己PRの奥義① 「ひと言コンセプト」
全ての方向性を決めるシンプルなコンセプト
39 自己PRの奥義② 「プロット作成」
自己PRにも「設計図」が必要です
40 自己PRの奥義③ 「予告編」
3倍書いて、「おいしいとこ取り」する
41 自己PR奥義④ 「映像化」
「情景」を描いてイメージ喚起
42 自己PRの奥義⑤ 「ギャップ」
良いところを際立たせるテクニック
43 自己PRの奥義⑥ 「1・5・1構造」
興味・理解・納得の黄金配分
44 自己PRの奥義⑦ 「未来宣言」
「未来」を伝え、「これから」を信じさせる

Chapter6
自分に適した「パーティ」は?:活躍できる会社を知る
45 本当に自分が活躍できる環境を探すために
企業の「マヌーサ」に気をつけよう
46 「童貞メンタリティ」が嫌われる
「好き」や「したい」じゃ響かない
47 シンプルで信頼される「志望動機」のつくり方
志望動機のジェットストリームアタック!
48 「志望動機」を進化させる
情報が「パーティ」を具体化してくれる
49 自分だけの「就活マニュアル」を作ろう
「シンクロノート」で自分と企業をつなげよう

Chapter7
シーン別就活ゲーム攻略法:頻出質問・面接などのポイント
50 「証明写真」の攻略法
証明写真を”盛って”も損をするだけ
51 「強みと弱み」の攻略法
「弱み」の答えは「キャラの揺れ」で解決
52 「〇年後の自分」の攻略法
「キャリアプラン」は必要ない
53 「挫折経験」の攻略法
思いどおりにならないときにどうするか
54 「満席の説明会」の攻略法
「電話する」という隠しコマンド
55 「グループ選考」の攻略法
「社会人ごっこ」に混ざらないようにしよう
56 「最終面接」の攻略法
クリアのための最後のピースは「本気」
57 答えはすべて「ぼうけんの書」の中に
ゆるく、楽しい就活を

EX あとがきに替えて
楽しく、気持ち良く、適当に!

光城 悠人 (著)
出版社 : すばる舎 (2017/4/19)、出典:出版社HP

通年採用時代の就活デザイン: 選んだ企業の内定を勝ち取る5つのメソッド

就活における自己プランニングに何が必要か

本書は、就活において、自分の魅力をどのように伝えていくかを解説している本です。新卒採用という、日本独自の採用慣習はどのような特徴があるのか、現状を踏まえた上で、広告的な就活の有用性を紹介しています。採用側のインタビューも掲載されており、他の就活関連の本とは異なる内容となっています。

アーロン ズー (著)
出版社 : 白桃書房 (2019/10/16)、出典:出版社HP

はじめに

日本の就職活動(以下、就活)は世界的に見てもユニークだと思う。いっせいに始まって、同じ時期に終わる。この本の執筆中にルールが廃止されると思いきや、しばらくは現行のルールでやっていくとのニュースが流れる中、一体いつになったらルールが変わるんだ? 結局、就活ルール廃止は発表されたが、ルールが変わっても実際は現状と変わらないのでは? と思ってしまう。二○二一年を機に日本が高度成 長期から厳守してきた就活スタイルは、一気に変革の道を歩む可能性が高い。私は電通のクリエーティブ・プランナーで、幼少期からアメリカ、日本、中国と三カ国を点々と暮らしてきた。今は日本という国に住み、広告という仕事に就いている。こうして当たり前のように日本語で執筆をしているのだが、混乱する読者もいると思うので少し自分について話そうと思う。何の前提もなしに外国人が日本の就活について語るのは、訳がわからないと思うので。
私は幼い頃から上海、東京、ロサンゼルスを点々としてきた。戦後、祖父が上海にあるアメリカ軍の駐在拠点である「洋房」と呼ばれている事務所に勤めていた経緯から、私は華僑として一八歳の時に単身アメリカに渡った。南カリフォルニア大学(USC)の在学時にはアメリカ空軍の将校訓練部隊(ROTC)に在籍し、大学を卒業後は日本の大手IT企業に就職した。当時はアメリカの連邦捜査局(FBI)や連邦航空保安局(FAMS)のような捜査機関に就職をしようとも考えていたが、時は二〇一一年で世界金融危機の二年後、アメリカの連邦政府が大幅に連邦予算を削減したのか、非常に求人が少なかったのを覚えている。「さあ、どうしたものか…」と思っていた矢先、ビジネスの道もあると思い、日本の民間企業を就職先に選んだ(なぜ日本の民間企業にしたかは後ほど)。「二十代はより多くの経験を重ねるべきだ」という考えから、通信、消費者行動、デジタル広告、そして外資ベンチャー企業の顧問として事業の立ち上げにも携わった。そんなことをいろいろとやっていたら、三十一歳の時に今までの経験を一回整理したくなり、MBA取得のために早稲田大学大学院経営管理研究科に入学。そして在学中にご縁あって、電通に入社することになった。これまでの経緯を数行で説明するのには無理があるが、要約するとこんな感じだ。

日本の大学院を修了したこともあってか、不定期的に後輩からOBOG訪問のオファーが来る。「社会貢献という意味で何かできたら」と思い、これまでに百人以上もの学生のエントリーシート(ES)や面接のアドバイスをしてきた。それと並行して若者の流行りや行動研究もしている。そんな経験をしていると「就活は広告手法を使えば、もっと上手くやれるんじゃないか?」と思うようになり、学生のESを読んだり、就活相談を受けていると、「これって、就社のための就活?」とか「この仕事、本当にやりたいの?」と疑問に思うことが多々ある。仕事を見つけるという意味では悪くないが、「せっかくの人生、毎日何時間も費やす仕事、もっとやりたいことに素直になって、上手くプランニングした方が良いよ」と老婆心ながら心配してしまう。だって残業抜きで考えても毎日の三分の一の時間は仕事に費やすんだから。中には選考の直前で駆け込み寺のようにアドバイスを求めてやって来る学生もチラホラいる。「あと一年早く会えていれば良かった…」と悔しくなることもある。なぜなら、もう少し時間があれば、自己プランニングはもっと上手くできるからだ。また、来てくれる学生の中には、「うん、これは良く書けているES。後はこの部分を強調して面接に臨むとより良くなるな」と思う子もいれば、「これは…うーん」と思ってしまう子もいたりする。

日本の就活事情は海外と比べて明らかに違うのは言うまでもないが、デジタル社会として「個」の時代が到来している中、私が就活していた頃と比べると、以前よりも自分をプランニングする機会も方法もグーンと増えたと思う。本書では、広告を稼業としている者として、「根本的な自己プランニングの方法を学生に伝えたい!」そんな思いで筆を執った。しかしながら、実は私もそんな偉そうなことが言える人間ではないので、章の最後に各業界の採用担当者のインタビューも載せた。複数の採用担当者に伺い、業界の動向も踏まえてまとめたつもりだが、各インタビューが業界を代表する意見という訳ではなく、また諸事情により会社名は明記できない。しかしインタビューでの言葉の一つひとつが採用担当者の本音なのだ。

就活に正解はないし、企業によっても採用基準は違う。でも自分という「個」は一人しかいない。その魅力を引き出したり、興味のあることを仕事にしたり、そのために行動したりする方法を広告手法の視点からアドバイスしていきたいと思う。海外を点々としてきた「アーロン・ズー」という個人が見た日本の「就活映え」の話に少し耳を傾けてくれたらと思う。本書が、加速するデジタル社会で活躍するであろう迷える学生たちの役に立ち、将来の仕事を人生の活力として貰えるきっかけになるのなら、それ以上に幸いなことはない。
(二〇一九年八月)

アーロン ズー (著)
出版社 : 白桃書房 (2019/10/16)、出典:出版社HP

目次

はじめに

Chapter1 通年採用の時代に知っておくべきこと
日本の就活はマイノリティーだった?
本業だけでは取り残される時代
「知」のアップグレード
OBOG訪問の盲点
最強の働きがい、軍隊式ブランディング
業界モデルは二つだけ
見落としがちなライバルの本音

Chapter2 「ショートケーキ思考」で自分の魅力を引き出す
受験型就活 vs. 広告型就活
「軸」と「ES」は広告設計図から学べ
内定の根幹は経験にあり
二万人のエントリーに埋もれない秘訣
就活は受験ではなく、ビジネス
組み合わせ式自分デザイン
言い方は違う、本質は同じ「意味的価値」

Chapter3 【独占インタビュー】採用側の告白
全てのサービスを集約できる王者に!(外資総合プラットフォーム)
問われる商社マンの三要素(総合商社)
様々なテーマに好奇心と粘り強さを!(コンサル会社)
核となるのは会社のビジョンと人柄(PR会社)
やはりプロフェッショナルですね。(自動車業界)
今はジェネラリストです(通信業界)
就活ルール廃止で採用は前倒し?(金融業/メガバンク)
就活ルール廃止には影響されない? 金融業(資産運用)
採用方針は常に柔軟(電機メーカー)
自分の価値を語れる大切さ(化粧品メーカー)

あとがき

アーロン ズー (著)
出版社 : 白桃書房 (2019/10/16)、出典:出版社HP

史上最強の内定獲得術

就職活動で本当に重要なこと

本書は、マインドや行動に焦点を当てた就職活動のノウハウ本です。内定を獲得するために何が必要かをテーマに、就職活動をうまく進めていくためのポイントがまとめられています。テクニック的な話題も多く、実用的ですが、テクニック以外の内容も解説されており、就活のために購入する本の選択肢になるでしょう。

武藤 孝幸 (著)
出版社 : 秀和システム (2020/3/11)、出典:出版社HP

まえがき

就職に有利な条件の認識は間違っている

数ある就活本の中から本書を選んでいただき、ありがとうございます。この本を手にとっていただいた方の多くは、このような悩みを抱えていることだと思います。

「何からはじめたらいいのか、悶々としている」
「誰に、何を聞けばいいのかがわからない」
「有名な会社への内定は難しいのではないか」
「失敗できない焦りとプレッシャーで眠れない」
「先輩に言われたとおりにやったのに上手くいかない」

あなただけではありません。かくいう私も、就職活動をしていたときに同様の悩みをもっていました。
このような不安を取り除くために、どうか安心して読み進めてください。

「何十社受けても内定がもらえない人」と「希望する会社の内定を勝ち取った人」、違いはなんだと思いますか?
高学歴である、資格をもっている、インターンに何十社も参加した、親が一流企業に勤めている……。ちまたでよく言われている就職に有利な条件ですが、どれも正解ではありません。
では、両者を分かつ要素は何なのでしょうか?

マインドと行動で内定を勝ち取れ!

私が大学4年生のとき、第一志望だった大手商業銀行から内定をもらうことができました。
現在は大学生を対象にしたスクールで就活コンサルティング』を行っています。これまでの一流企業への内定率は、99%という数字を誇っています。
残念ながら就職活動のためのスクールは認知されていないのが現状です。
「あやしいセミナーみたい」
「なんかうさんくさい」
「別のものに勧誘されそう」
そのように思われる方もいるかもしれません。
しかし、就職活動を成功に導くためのマインドと行動は確実に存在しており、本書ではそのノウハウを誰でも実践できるようお伝えしていきます。

第1章は、「マインド」。なぜ落ちてしまうのか、なぜ失敗してしまうのかというところから、成功するためのマインドを身につけていきます。
第2章は、「自己分析シート」のやり方です。もしいま「6歳のときにどんな子どもでしたか?」と聞かれて、とっさに答えられるでしょうか?
第3章は、「エントリーシート」。エントリーシートを書くときは、その先に控えている面接まで考慮して書かなければいけません。
第4章は、「Webテスト」と「資格」について。Webテストは場数が大事ですが、資格は数ではありません。資格の罠に陥らない方法もお教えします。
第5章の「面接」が、最初の5秒で決まる、と言ったらきっと驚かれるでしょう。
第6章は、「グループディスカッション」。周囲を圧倒するほどの討論ができたとしても、合格するわけではありません。勝負は、始まる前に決まるのです。
第7章の「OB訪問」ですが、そのときに「アイスコーヒーを頼むな」とお伝えしておきます。その理由は後ほどご説明したいと思います。
そして最後の第8章では、「就職活動において、成功する」とはどういうことか?」についてお話ししていきます。

就職活動で上手くいかないと感じていたら、ぜひ本書のとおりに実践してみてください。驚くほど簡単に内定をつかむことができるでしょう。
一人でも多くの方が内定を勝ちとることを祈っております。

2020年2月
武藤孝幸

武藤 孝幸 (著)
出版社 : 秀和システム (2020/3/11)、出典:出版社HP

目次

まえがき

第1章 大逆転内定を実現するためには、マインドを変えなさい
90日あれば一流企業からでも内定がもらえる
就活生が陥りやすい6つの落とし穴
一流企業に受かる就活生は”マインドセット”を大切にしている
小手先のテクニックだけではあなたは落ちる
挫折体験は成功体験として語れる
決断できない人は落ちる。あなたはこの決断ができるか?
誰に相談すべきかをよく考えて行動しよう

第2章 「自己分析シート」のやり方で採否は9割変わる
なぜ企業は自己分析ができている学生を採用したいのか?
間違いだらけの自己分析を今すぐやめなさい
自己分析シートの3大質問(学チカ・自己P・志望理由)もこわくない
「6歳のときにどんな子どもでしたか?」はよくある質問
自己分析シートでわかる苦しい体験の乗り越え方

第3章 「エントリーシート(ES)」は、最初の1行で決まる
エントリーシートは「10%の出来」でいい
エントリーシートで面接時の質問事項を誘導する
エントリーシートは3割盛ってもいい
誰かを喜ばせると必ずその後ろにいる人も喜ぶ
エントリーシートで落とされないための裏技
無料公開されているエントリーシートは参考にするな!
エントリーシートは必ず第1タームで出せ!

第4章 「Webテスト」はゲーム感覚で受けまくれ、資格に惑わされるな
Webテストの種類について知っておこう
なぜWebテストは中学受験をしている人が有利なのか?
Webテストで落ちてもあきらめるな!
無意味な資格勉強をするなら違うことに時間を使え!
TOEIC800点だけでは有利な条件にならない
「就職に有利な資格ベスト10」を気にしすぎるな!
資格マスターにならないために

第5章 受かる面接は最初の5秒で決まる
大企業は落とすための面接をする
あなたの夢と会社の夢が一致したら必ず内定が出る
面接官は就活生が100%ウソをつくと思っている
「明るく元気でハキハキ」は基本
自分が得意なことを得意げに語ってはいけない
聞かれたことに答える学生は二流
面接が始まる5分前にすべきこと
内定をとるための逆質問

第6章 グループディスカッションは始まる前に勝負が決まっている
席についた瞬間に、隣の人との共通点を3つ見つける
グループディスカッションで気をつける5つのこと
「成功した」と全員が思うチームは受かる
グループディスカッションでは得意とする分野で戦え
しゃべりすぎると落ちるのは本当か?
グループディスカッションで差別化するために1日5分引き出しを作る
他のチームとあえて真逆の回答をいけ
タイムキーパー役でもこうすれば受かる!

第7章 OB訪問ではアイスコーヒーを頼むな
OB訪問の目的は就活生と社会人との差をつめること
質問は前もってメモしておく
OB訪問で時間を守れない人が意外に多い
なぜOB訪問でアイスコーヒーを頼んではいけないのか?
OB訪問サービスとキーマン社員に出会う方法
OB訪問の目的をきちんと考えておこう

第8章 50社落ちても最後の1社が受かれば同じこと
結局、一緒に仕事をしたいかどうかで入社が決まる
就活と恋愛には共通点と相違点がある!
第一志望に内定するより大事なものがある
就活の成功がなぜ親孝行になるのか?
就活での挫折は人生での成功につながる

あとがき

武藤 孝幸 (著)
出版社 : 秀和システム (2020/3/11)、出典:出版社HP

Fラン大学でも東大に勝てる 逆転の就活

就活のノウハウを物語形式で学ぶ

本書は、就活のノウハウを紹介している本です。全体的にコミュニケーションをテーマに据えて、自己分析や志望する企業の選び方、テクニックなどが解説されています。ストーリーに沿った項目の解説が行われているため、より理解しやすく、実践しやすく感じるでしょう。

吉井 伯榮 (著)
出版社 : 光文社 (2020/4/21)、出典:出版社HP

Prologue

みなさん、はじめまして。吉井伯榮と申します。
私は企業の人材育成コンサルティングを行いながら、ビジネススクールを開講し、ビジ ネスパーソンにコミュニケーション術を教えてきました。産業カウンセラーの資格も取得し、その技術も磨き、2008年には武蔵野学院大学から招聘され、ビジネス関連の科目や「ビジネスコミュニケーションゼミ」を受け持ってきました。このゼミは、大学3~4年生が対象で、同時に彼らに就職指導も行ってきました。

私が担当するゼミに入ってきた学生たちは、正直なところ、勉強があまり得意ではありませんでした。偏差値でいうと、35~40前後。知識、学力という面では、企業担当者の興味を引くことは難しい、いわゆる「Fラン大学生」と呼ばれる子たちでした。
彼らと接していて、つくづく感じたことは、素直なのに「自己肯定感が低い」ということです。勉強が苦手で、でも高卒で社会に出るのが怖く、とりあえず受かりそうな大学に逃避してきたような感さえありました。胸を張れる特技や持ち味もなく、さらに自信もない。将来に対しても悲観的で、とりあえず正社員として雇ってくれるならブラック企業でもいいと考える学生も少なくありませんでした。
就活で一番大切なのは、自分がどんな人間かを知ることです。何が好きで、どんな時間をすごしているときに喜びを感じるのかを突き詰めること、そして、自分一人で未来を切り開いていく力を身につけることです。

ところが私が担当したゼミの学生の多くは、自己肯定感の低さから、自分の持つ才能や可能性に気づこうともしませんでした。勉強が嫌いなことを自覚しているだけでなく、親からも先生からも褒められたことがほとんどない。自分でも、まわりの環境からも、自信の芽を摘み取ってきてしまっていたのです。
私の就活指導は、そんな彼らの自己肯定感を高めることから始まりました。その上で、初めて就活を勝ち抜く戦略を教えていったのです。
その結果、私の担当するゼミ生の就職内定率は、これまで100%。就職先は、アップルジャパンやセブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ホンダ、JTB コールなど、一部上場企業を多数含んでおります。

勉強が苦手だった彼らがなぜ、一流企業に就職できたのか。それは、ビジネスマンに必要なコミュニケーション能力を身につけることができたからです。東大生も早慶の学生もコミュニケーションの知識においては、Fラン大学の学生と大差がありません。ですからそれを武器にすることで、私のゼミの学生たちは一流企業の内定を勝ち取ってきたのです。

本書では、私が学生たちに教えてきたノウハウを、物語形式でみなさんにお伝えします。 登場人物である先生と学生が交互に語る形式で、私がゼミでおこなっている実際のエピソードをご紹介します。
物語の形態を取ったのは、2つの狙いがあります。

1つは、学生たちが2年間どういう流れでコミュニケーションを体得していくかをみなさんに追体験してもらいたいからです。読者のなかには、大学に入ったばかりの人もいれば、3年生になり、就活に興味を持ち始めた学生もいるのではないでしょうか。「なにから始めていいものやら」と迷っている人は、本書を通して読んでいただければ、いま自分がなにをすべきかが見えてくると思います。
いますべきことを理解することは、就活というマラソンのコースマップを手に入れることでもあります。自分がいま何キロ地点にいるかを知っていれば、不安も少なくなりペース配分も容易になります。完走することは夢ではなくなるはずです。みなさんのなかには当然、就活マラソン真っ最中の4年生もいることでしょう。各章末に設けたコラムを読めば要点がまとまっているので、給水用のスペシャルドリンクとして役立てていただきたいと思います。

狙いの2つめは、物語を追体験してもらう形が、コミュニケーションに対する理解を深める方法として合っていると考えたからです。この物語には、対話の場面が多く描かれて います。一方的に説明を受けるのではなく、あなた自身が登場人物になりきって物語にコミット(積極的に関わること)することによって、理解度は格段に高まることでしょう。

全体の内容としては、コミュニケーションという大きなテーマを据えたうえで、自己分析から始まり、自己紹介、グループワーク、志望する企業の選び方、エントリーシートの書き方、面接テクニック、企業説明会に参加する際の振る舞いにいたるまで、私が実際に教えてきた、一流企業内定メソッドを網羅しております。コミュニケーション能力とAI時代にも重視されるスキルを身につけることができれば、学歴コンプレックスなんかに縛られる必要はなくなります。能書きはいいから早く教えてほしいですって? いいでしょう。

それでは講義を始めます。よろしくお願い致します。

スケジュール

大学3年生
4月
●一般常識を学ぶ
5月
●自己分析・自己紹介練習
6月
●コミュニケーションを学ぶ
●グループワーク練習
7月
●SPI対策
●スケジュールを組む
8月
●企業研究
●企業選び
10月
●ES作成開始
12月
●面接練習
2月
●プレエントリー
3月
●企業説明会
●エントリー
●ES提出
●筆記試験
●グループワーク
●集団面接
●個人面接
大学4年生
8月
●内定

吉井 伯榮 (著)
出版社 : 光文社 (2020/4/21)、出典:出版社HP

もくじ

Prologue
登場人物紹介

1章
学生脳から社会人脳に切り替える
「ソフト」「ハード」「ムーブ」の3つで考える習慣
コラム① 企業も「ハード」「ソフト」「ムーブ」で考えてみよう

2章
ブレない自己分析と自己紹介を作る
「自分」を理解することなく就活は進まない
コラム② マンダラボックスを使った自己紹介

3章
ビジネスコミュニケーションを磨く
面接官に「一緒に働きたい」と思わせる
コラム③ グループワークで見られているところとは?

4章
グループワークは最初の3秒が肝心
発言内容を考えるな、第一声を取れ
コラム④ グループワークでは自分の役割を見極めよう

5章
志望企業は12社に絞り込め
ムダがなくなる「3×4」のルール
コラム⑤ 3×4で選んだ企業を徹底的に調べよう

6章
エントリーシートに文才はいらない
「数字」で成果を伝えるESの書き方
コラム⑥ 「構成力」を身につけてESを攻略

7章
頭のいい奴らに勝つ面接術
15秒以内で話しきるレッスン
コラム⑦ 集団面接では15秒で伝えるべし

8章
最終面接の極意
後悔しない当日の迎え方
コラム⑧ 試験当日の心構え

Epilogue

※スケジュールはこの物語上での一例です

登場人物

吉田栄一
狭川学院大学国際コミュニ ケーション学部准教授。就職率100%を誇る人気ゼミであるビジネスコミュニケーションゼミを担当している。
与野光
狭川学院大学3年生。軽音楽サークルに所属しており、『ドロップアウト』というバンドでベースを担当。あまり自分に自信がないが、時には積極的な一面もある。

ビジネスコミュニケーションゼミ
深谷朝霞
内気な性格だが、真面目に授業に取り組む優等生タイプ。総合商社を志望。
熊谷和人
明るく元気もあり、授業でもよく発言するムードメーカー。バイト先は居酒屋。

バンド『ドロップアウト』
戸田拓馬
ドラム担当。与野の高校からの同級生。ふだんはノリと勢いがすべてのチャラい男。
川口彰
ギター&ボーカル担当。性格は冷静。授業よりもサークルよりも、バイト命。

 

吉井 伯榮 (著)
出版社 : 光文社 (2020/4/21)、出典:出版社HP

新卒採用基準―面接官はここを見ている

新卒採用の基準はどこにあるのか

本書は、企業が新卒採用を行う際に、どのような基準で学生を判断しているのかを解説している本です。企業が採用活動を行っている中で、何を重視しているのか、学生が就職活動を行う上で、何が誤解されているのかといった、新卒採用における企業、学生間双方のポイントが解説されています。

廣瀬 泰幸 (著)
出版社 : 東洋経済新報社 (2015/2/6)、出典:出版社HP

はじめに

私は、新卒でリクルートに入社して以降、さまざまな仕事をする中で、10年間、一貫して企業の新卒採用活動を支援する業務に携わってきました。
支援してきた企業は、ベンチャー企業から日本を代表する大企業まで多岐にわたります。業界も異なれば、企業の規模も大から小までさまざまな、歴史、風土、企業理念の異なる企業のお手伝いをさせていただきました。その数はトータルで1000社以上にのぼります。
このように数多くの企業の採用活動をサポートするうち、私は、あることに気がつきました。
各企業の経営者や人事担当者が描く「採用したい人物」は、話を聞く人によってさまざまに異なりました。ある人は「コミュニケーション能力の高い人」が欲しいと言い、またある人は「チャレンジ精神がある人」を採用したいと希望し、また別の人は、うちが採りたいのは「問題意識が高い人」だと、さまざまな人物像が挙げられました(実際に伸び盛りのベンチャー企業の経営者と、歴史のある通信キャリアの人事担当者では、求める人物像はまるで違っていました)。
しかし、実際に選考を経て内定を獲得する学生を見ると、彼らには皆、「共通する人間性や能力」が備わっていたのです。
考えてみれば当たり前のことですが、どの会社であろうと、お客様だけでなく、同じ部署の人にも好かれ、メンバーとうまくやることは、仕事をする上で欠かすことはできません。また、人から指示されたことをやるだけでなく、自分の頭で考え、自主的に行動したり、実行しないと仕事になりません。
このように、たとえば「仲間と協調できる」ことや、「主体的に考え、自ら動ける」といった素養は、仕事をする上で、どの会社でも共通して求められる「仕事ができる人」の「基準」として存在しているのです。
このような「基準」は、必ずしも経営者や人事担当者が「自覚」しているわけではありません。いえ、無自覚であるがために、人によって言うことが違うのでしょう。しかし、自覚していないからといって、その要素が重要ではないことにはなりません。むしろ無自覚であるからこそ、「やっかい」な基準だと言えるのです。

その後、私はリクルート勤務時代にお付き合いのあった、ある一部上場企業の人事責任者として転職しました。
そこでは社内の人事規定の改訂や社員教育の仕事に携わる傍ら、年間500名の新卒・中途採用の最終面接を行ってきました。このときの採用活動で感じた一番大きな課題は、人事がいいと思った「優秀な人」ほど、しばしば他社に逃げられてしまうということでした。
新卒採用は、一定期間に同時にさまざまな会社が採用・選考活動を行い、内定を出します。採用する企業の立場から言えば、熾烈な人材獲得競争に勝ち抜いていかなくてはいけません。
企業は、自社の風土に合致した人を採用したいと考えますが、同時に「仕事ができる人」を採用したいと思っています。そうした優秀な候補者をめぐり各社で争奪戦が行われている理由は、求めるレベル=「水準」に合致した候補者がそもそも少ないことに加え、企業が
求めている「基準」が同じであることにほかならないと、このときの経験を経て、私は確信するに至ったのです。

「新卒採用基準」を知らないことが、学生を苦しめている

こうした経験を経て、2010年より「就活コーチ」という、就活生の就職活動を支援する事業を始め、すでに1000名を超える学生の支援を行ってきています。成果の出方は人によって差は当然ありますが、おおむね高い満足感を味わってくださっていると自負しています。
「就活コーチ」で学生の支援を行っている過程で、私は3つのことに気がつきました。
1つは、学生たちがそもそも企業の「評価項目」=「基準」を知らないということ。次に、その基準に照らして、自分がどのレベル(水準)にあるのかわかっていないこと。そして、それゆえ、自分を客観的に見つめ、長所を伸ばし短所を改善する絶好の機会である、「就職を考え始めてから実際に活動する時期」に、小手先の「就活テクニック」の取得に走る学生が非常に多いことです。
企業の採用活動と、就活生の就職活動の双方の支援経験を持つ私なので、自信を持って断言できますが、企業の求める基準と学生の努力には、大きなミスマッチが生じています。これは、企業と学生の両者にとって不幸なことです。
多くの学生は、企業が学生に求めているのは、「コミュニケーション能力」「主体性」「粘り強さ」だと言います。確かに、こうした項目は実際に企業が学生に求めている「基準」であることも事実です。
しかしながら、これらは、企業が求めている基準のほんの一部でしかありません。他にも企業が求めている大切な基準はたくさんあります。
一方で、企業がそれほど重視していないにもかかわらず、重視していると学生が勘違いしている基準もたくさんあるのが実情なのです。
学生にとって、企業が求めている基準の全体像を知ることは、その後の就職活動の成否を左右する一大事でありながら、そのことを正確に伝えるマスメディアもなければ、的確な情報源も見当たらないのが現実です。
そこで本書では、企業と学生の間のミスマッチを解消することを第1の目的として、あらゆる企業に共通する「新卒採用基準」をリスト化し、公開することにしました。それが、本節末の「新卒採用基準 自己分析表」です。それぞれの項目の詳細は本文に譲りますが、このリストに沿って自らの能力を評価し、集計すれば、自分がどの程度の企業に合格できそうなのか、自分に足りない能力は何なのかが、すべてわかるようになっています。本書を
読み通していただいた後、ぜひコピーをとって、ご自身でチェックしていただければと思います。
企業の「新卒採用基準」の中には、意識するだけですぐに伸ばせる「能力」がある一方で、そう簡単に伸ばすことのできない「資質」のようなものもあります。ですから、本書を読んだだけで、すべての「新卒採用基準」を伸ばすことは難しいかもしれません。
また、企業が求める能力があまりにも広汎なため、モチベーションが削がれてしまうかもしれません。
しかし、それでも、そういった基準を知っているのと知らないのとでは、大きな違いがあることは間違いありません。また、すべての基準を完璧に満たす必要はなく、自分の得意なところを引き上げ、苦手を少しでも克服することで、就職活動は必ず有利に運びます。
ぜひ、本書にじっくりと目を通し、企業が採用しようとしている人材に何を求めているのかを理解した上で、できる準備をしっかりとして、就職活動に向かってほしいと思います。

 

廣瀬 泰幸 (著)
出版社 : 東洋経済新報社 (2015/2/6)、出典:出版社HP

新卒採用基準——目次

はじめに

序章 3つの誤解
■「企業が求めるもの」の誤解
□「基準」の誤解と「水準」の誤解
□なぜ誤解が生じているのか
■キャリアについての誤解
□「キャリアセンター」の役割
□キャリアデザインの3つの輪
「3つの輪」を大きく育てる
□「キャリアセンター」についての誤解
■「面接」に対する誤解
□就活本も先輩もあてにならない
□面接には2つの種類がある
一般面接
コンピテンシー面接
□コンピテンシー面接対策で能力向上を

第1章 新卒採用基準①人間性
■「自己肯定感」と「他者軽視感」
□自己肯定感
「自己肯定感」とは
□他者軽視感
□「人間性」の4タイプ
日本人には「自尊型」が少ない
□「自尊型」になるためにすべきこと

第2章 新卒採用基準②仕事力
■「仕事」について考える
□「仕事」とは何か
□仕事をする上で欠かせない「目標」と「目的」
「目標」とは何か
「目標」と「目的」の関係
「目標」と「目的」は車の両輪
■「仕事力」とは
□「社会人基礎力」こそ仕事力の根幹
□社会で必要な力を分解する
結局、すべては「社会人基礎力」に帰する
なぜ「リーダーシップ」は「仕事力」の構成要素ではないか
□「社会人基礎力」完全理解
前に踏み出す力(アクション)=一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
考え抜く力(シンキング)=疑問を持ち、考え抜く力
チームで働く力(チームワーク)=多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
□大企業に取り入れられる「社会人基礎力」
育成に活用する
大企業内定者の取り組み
■仕事力を高める
□「自己プロジェクト」とは
□自らPDCAサイクルを回す
ドラゴンノート
「緊急でないが重要なこと」に取り組む
□「自己プロジェクト」の具体例
ゼミ・研究室での取り組み
部活・サークル活動での取り組み
アルバイトでの取り組み
ボランティアでの取り組み
□「自己プロジェクト」は誰にでもできる
普通の学生でもできる
「就活のネタ作り」でも成長できればいい

第3章 新卒採用基準③表現力
■コミュニケーション力と表現力
□コミュニケーション力とは
□コミュニケーションカは「表現力」の一要素にすぎない
■Visual(ビジュアル)
①姿勢
立ち方
座り方
②手
滝川クリステルさんに学ぶ「手」の効用
面接では「手」を意識する
③目
目力
アイコントロール
④顔
表情と内容を合わせる
それでもやっぱり笑顔は重要
笑顔はトレーニングで鍛えられる
■Vocal(声)
□それは「性格」ではなく「声のくせ」だ
□心の状態声は心に左右される
心を整える
□呼吸法
腹式呼吸をマスターする
呼吸は「心」を左右する
□発声法
「口ごもる」「噛む」のは、発声法を知らないから
発音トレーニング
滑舌トレーニング
□声の表現
①抑揚(イントネーション)
②強調(プロミネンス)
③間(ポーズ)
④緩急(チェンジオブペース)
■Verbal(言葉)
□相手に「イメージ」が伝わる単語を使う
具体と抽象を意識する
□表現技法
伝わりやすい構造
印象に残る4つの表現
□強いコトバ
□パーソナル・ストーリー
赤裸々な語りが心を動かす
面接でのパーソナル・ストーリーの使い方

第4章 新卒採用基準④就活スキル
■選考までに準備するスキル
□自己分析
自己分析の分析指標は「新卒採用基準」
過去の振り返り方
他者分析
□長所と短所
長所と短所には、2種類ある
エニアグラム
□「自己PR」と「学生時代に力を入れたこと」
自己PR
学生時代に力を入れたこと
「学生時代に力を入れたこと」が特にない場合
□志望業界の選定
ビジネス・システム
仕事の行為(誰に・何を・どのように)
志望業界の選び方
□志望企業の選定
企業を見るフレーム
志望企業の選び方
何社にプレエントリーすればいいのか
□インターンシップ、会社説明会、OB・OG訪問
会社説明会
インターンシップ
OB・OG訪問
□自己管理スキル
倫理憲章のスケジュール変更に対応する
PDリストとCA表を活用する
自己プロジェクトをやめない
■選考に通過するスキル
□エントリーシート
エントリーシートを見れば「仕事力」がわかる
企業によって、エントリーシートの通過率が変わる理由
エントリーシートを見れば、面接の内容がわかる
エントリーシートは早めに出す
「unistyle」を活用
□筆記試驗
「SPI3」のアウトプット帳票
1. 性格特徴
2. 能力
3. 人物イメージ
4. チェックポイント
5. 職務適応性
6. 組織適応性
「構造的把握力」と「英語力」
「備考」
「SPI3-R」「SPI3-N」
「SPI3」出題の方法
筆記試験の対策方法
□グループディスカッション
グループディスカッションにおける価値発揮の方法
面接官はグループディスカッションでどこを見ているか
□リクルーター面談
会社がリクルーター面談を行う理由
質問力とは
傾聴力のスキル
□グループ面接
グループ面接とは
グループ面接の3つのポイント
□人事面接(人事以外の面接官も含む)
コンピテンシー面接
一般面接
技術面接
ケース面接
□役員面接

第5章 新卒採用基準⑤ +α
■大学・大学院名
□人気企業は倍率100倍の難関
□どこの大学からも人気企業に入れる
□偏差値上位大学でも油断は禁物
■国際性・英語力
□TOEICはとても重要
□企業は常に変化する
■読書量
□読書の効用
□「すごい人」はみんな読書をしている
■新聞・ニュースとの接触度
□キャリアと新聞・ニュースの関係
■感謝の心

第6章 山田君と新卒採用基準の全体像
■初年度の就活を振り返る
□山田君のプロフィール
□山田君の初年度の就活
■「人間性」「仕事力」を高める
□山田君の自己分析
■山田君の自己プロジェクト
■「表現力」「就活スキル」「+α」を高める
□山田君の「表現力」トレーニング
□山田君の「就活スキル」「+α」トレーニング
■新卒採用基準の全体像
□新卒採用基準
□志望企業群への「入社可能性」がわかる
■山田君の2度目の就活
□志望企業に内定するまで
□山田君の感想

おわりに
参考文献

廣瀬 泰幸 (著)
出版社 : 東洋経済新報社 (2015/2/6)、出典:出版社HP

序章 3つの誤解

■「企業が求めるもの」の誤解

「新卒採用基準」の具体的な説明に入る前に、序章では「3つの誤解」を紹介します。「新卒採用基準」の説明を理解するための大前提ですので、少々遠回りに感じられるかもしれませんが、しっかりと読んでほしいと思います。

□「基準」の誤解と「水準」の誤解

いきなりですが、図表序-1を見てください。

これは経済産業省が2009年に実施した「大学生の『社会人観』の把握と『社会人基礎力』の認知度向上実証に関する調査」から、企業が「学生に不足していると思う能力要素」と、学生自身が「自分に不足していると思う能力要素」を調べた結果を、比較したグラフです。
ちなみに、この調査は学生4000人、企業3000社を対象としており、この種の調査としては大規模なので、結果の信憑性はかなり高いと考えられます。
さて、図表序-1のデータからは、企業は学生に対し、「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション力」といった能力が不足していると感じているのがわかります。これらの能力に関して、学生自身はあまり不足しているとは感じていないようで、企業と学生の間には大きなギャップが存在しています。
このようにギャップが生じている理由は、企業が期待するレベルと、学生が「この程度で十分だろう」と考えるレベルに差があることが原因だと推察できます。
つまり、企業と学生の間には、ある能力に関して、求めるレベル(水準)の差が生じているのです。この3項目に関しては、企業は学生が考えている以上に高い水準を求めているのは明らかでしょう。
一方、学生は、自分自身について「語学力」「業界に関する専門知識」「簿記」といった、「知識」が不足していると考えています。
これらの能力に関して、自分に不足していると感じている学生は、それを補おうと努力するかもしれませんが、実はその努力はまったく実を結ばない可能性が大いに考えられます。
なぜなら、学生が不足していると考えている3つの項目は、まったくと言い切っていい程、企業の人事担当者は今の学生に不足しているとは考えていないからです。
このことに気がついていない学生は、無駄なことにパワーを注ぐことになるのです。なんとも切ない話です。

同じ調査の中には、「既に身に付けていると思う能力要素」について調べた結果も載っているので、そちらも見てみましょう(図表序-2)。

こちらのデータからは、学生自身は「チームワーク力」「粘り強さ」といった能力を既に身に付けていると考えているものの、企業はまだまだ十分に身に付いていないと考えていることがわかります。つまり、「チームワーク力」や「粘り強さ」に関しては、企業が期待する水準には、学生ははるかに達していないと評価されているのです。
また、「ビジネスマナー」に関しては、学生自身はまだまだ不十分だと考 えているのに対して、企業は十分身に付けていると評価していることもわかります。
このように採用する企業と応募する学生の間には、重要と考える能力(基準)のミスマッチと、それぞれの能力をどの程度身に付けるべきかの、求めるレベル(水準)の2重のミスマッチが存在していることが、この調査の結果から見出されました。

□なぜ誤解が生じているのか

企業と学生の間にミスマッチが生じている原因の1つは、学生の就活を支援する立場にあるものが、企業が学生に求める「基準」と「水準」を正しく伝えていないことにあるのではないかと考えています。
具体的には、巷に溢れている「就活本」がその一例です。
企業は、学生にいわゆる「小手先のテクニック」を求めているわけではありません。企業が知りたいのは、それぞれの学生に「仕事ができる力」があるのか否かだけだからです。
しかしながら、ほとんどの就活本に書かれている内容は、就活スキルの「ハウツー」の範疇に属するものばかりです。
誤解があるといけませんので、一言お断りをしておきますが、私は「就活スキル」を否定しているわけではまったくありません。それも学生が就活を成功させるための、大切な項目=「基準」の1つだと考えています。しかし、多くの学生が「就活スキル」ばかりを気にしすぎるため、もっとほかの大切なことが見逃されてしまっているのではないかということを危惧しているのです。

実際、私が主催している「就活コーチ」に、学生が最初に訪れてきた際の要望は、「就活の『方法』を教えてください」という類のものがほとんどです。
「エントリーシートの『書き方』を教えてください」「グループディスカッションの『方法』や面接でうまくいく『方法』を教えてください」。女子学生の場合は、すでに十分すぎるほどマナーが身についているにもかかわらず、「『面接でのマナー』を教えてください」といった要望を多くの皆さんからお受けします。
これらの要望を受けた場合、私は「当然、それも大事だけど、他にもっと大切なことってないの?」と必ず聞き、「就活スキルの向上=就活の成功」という枠組みに凝り固まった学生さんの頭の中を、まずもってほぐすことから始めています。
ところで、こうした学生と企業の求める基準のギャップについて書かれた書籍があります。マッキンゼーで採用マネジャーを2年間務めた伊賀泰代さんが2012年11月に出版された『採用基準』(ダイヤモンド社)という本です。
この本で、著者はマッキンゼーに応募してくる日本を代表する「優秀な応募者たち」には、以下の5つの誤解があると述べています。

①「ケース面接」に対する誤解
②「地頭信仰」が招く誤解
③「分析が得意な人を求めている」という誤解
④「優等生を求めている」という誤解
⑤「優秀な日本人を求めている」という誤解

著者は、経営コンサルティング業務の根幹は、企業経営者向けのサービス業と定義しています。したがって、その仕事は、①経営課題の相談を受ける、②問題の解決方法を見つける、③問題を解決するという3つのプロセスがあり、これらに対応することが経営コンサルティングに従事する者には求められる。しかし、この経営コンサルティングという仕事の本質を理解している応募者は極めて少なく、ほとんどの応募者が先に挙げた5つの誤解をしていると言います。
つまり、経営コンサルティング業務の中では、「②問題の解決方法を見つける」だけにとどまらず、「①経営課題の相談を受ける」や「③問題を解決する」ことが重要であるにもかかわらず、多くの「優秀な応募者」には、その理解が不足していることが誤解を招いている理由であると述べています。

この例はコンサルティング業界を志望する就活生と受け入れる側の企業の間に生じている認識のギャップを教えてくれていますが、他の業界でも似たり寄ったりのことが起きていることは、想像に難くありません。
就職活動を円滑に進めるためには、企業の「新卒採用基準」をきちんと理解し、自分のパワーを有効に注ぐことが重要なのです。

■キャリアについての誤解

□「キャリアセンター」の役割

リクルートに入社して最初の2年半、私は大学の就職部・課とリクルートとの関係を良好なものにすることをミッションとした部署に配属されました。そのために私は、大学の就職部・課に足を運び、職員の皆さんの仕事をサポートする日々を送りました。
ときには、学生向けの「就職講演」を依頼されたりすることもあり、ある体育大学で就職講演をさせていただいた際には、学生の私語がうるさくて思わず「うるさい! 静かに!」と声を荒げ、帰り際には「校門の前に怖い学生がいないかなぁ。大丈夫かなぁ」とひやひやしながら大学を失礼させていただいたこともありました。

ところで、当時の大学で学生の就職活動を支援する部署は、「就職部・課」という名称で呼ばれていました。皆さんに身近な「キャリアセンター」という名称が使用されたのは、1999年の立命館大学が初めてです。以降、2000年代に入ると多くの大学が、名称を「就職部・課」から「キャリアセンター」へと変更しました。
「就職部・課」を「キャリアセンター」へ、単純に呼び名が変わっただけのように感じる方も多いかと思いますが、実は名称が変わったことで、「キャリアセンター」には新たなミッションが付け加えられたのです。
「キャリアセンター」のミッションは、当然ながら学生のキャリア形成を支援することです。では、学生のキャリア形成を支援するとはどういうことでしょうか?
一言で言うと、「学生生活並びに卒業後も、学生が自分のキャリアを考え、選択することができるように支援すること」です。
ここに、キャリアセンターの前身である大学の就職部・課とキャリアセンターの大きな違いがあります。就職部・課は学生の就活を支援することに機能を特化していたのに対し、キャリアセンターはより広い領域をカバーしているのです。
具体的には、大学の1年次から学生に卒業後のキャリアについて、その大切さを考えさせ、自分の目指すキャリアが実現しやすいように、履修科目やゼミ・研究室を選択するときなどに学生の支援をするという役割も、キャリアセンターは担っています。

□キャリアデザインの3つの輪

それでは、「キャリア」について考えるとは、どういうことでしょうか? そのエッセンスは、「キャリアデザインの3つの輪」と呼ばれている図に表現されます(図表序-3)。

ここで言う3つの輪とは、「やりたいこと」「やれること」そして「やるべきこと」からなります。自分の「やりたいこと」を明確にし、それをやるために「やれること」の力をつけ、同時に周りから期待されている「やるべきこと」を果たしていくというのが、キャリアを考える際に大切だとされています。
この「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」の3つの輪の重なりの部分を大きくしていき、さらに輪自体を広げていくというのが理想的なキャリア形成の考え方です。

3つの輪の考え方を、就活の場面に置き換えて具体的に説明します。

やりたいこと
自分自身の持つ欲求や将来の希望や夢のことです。面接での質問で言えば、企業の志望理由、入社してやりたい仕事、世の中にどんな貢献をしたいかなどがこの輪の中に入ります。ここが明確になればなるほど、「モチベーション」が上がります。

やれること
会社や社会で活躍できる力のことです。もっと端的に言えば、「仕事をする力」です。これが、企業の人事担当者がもっとも気にしているポイントです。ここの力が身につくと、やりたいことが実際に実現できるし、成長感を味わえるために、「モチベーション」が上がります。

やるべきこと
周囲からの期待や役割のことです。学生生活の中では、ちゃんと勉強や研究をすること、部活やサークル、またはアルバイト先で自分の役割をきちんと果たすことです。就活の場面で人事担当者から期待されていることは、業界や会社のことを研究することであり、そのために会社説明会に出たり、OB・OG訪問を行い、それぞれの企業の事業内容や、仕事のことを理解することです。

社会に出てからも、自分の「やりたいこと」を明確にして、それをやるために「やれること」の力をつけ、同時に会社から期待される「やるべきこと」を果たしていくのが、皆さんのキャリアを考える上で大切なことです。

廣瀬 泰幸 (著)
出版社 : 東洋経済新報社 (2015/2/6)、出典:出版社HP

後継社長のための会社を変える「新卒採用」

後継社長にとっての新卒採用とは

本書は、先代から社長を後継した社長のいる企業における採用について書かれた本です。後継社長が持つ課題を解決するために、新卒採用を活用することがテーマになっています。新卒採用が持つ特徴、新卒入社した社員が如何に会社を変えるかなどについて、事例を紹介しつつ解説しています。

河本 英之 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2019/4/26)、出典:出版社HP

はじめに

新卒採用は、必ず”プラス”を生む

「○○人のエントリーがあって良かった」
「今年は、いい子が入ってくれた……」

それも大切ですが、それだけが、新卒採用の”本質”ではありません。

『「強い会社」を作るための採用・育成のしくみ』、『本質採用』に続く、私の3冊目が、本書となります。これらは、それぞれ「中小企業経営者の方のために向けた人材のポテンシャルを活かすための採用・育成」「大・中企業さまざまな企業・採用事例から、”新卒採用”の知見を得る」というものでした。
本書では、その流れも汲み、「”後継社長”のための新卒採用」をテーマとしました。

私はこれまで、大手企業から中小企業まで幅広く500社以上の、採用戦略から組織人事領域についてコンサルティングを行ってきました。自社採用においても、新卒採用を行わないかぎり、他社のコンサルティングはできないという考えから、設立2年目から新卒採用をスタートし、自社を実験台としてモデルケースをつくりながらノウハウや方法論をお伝えしています。

経営者の方や人事担当の方と、採用のためのアイデアや施策をともにする毎日なのですが、ここ最近、特にご相談をいただくのが「後継社長」のみなさまです。

後継社長の方こそ、悩んでいる。

そんな現場での実感から、この本を書くことにしました。

後継社長の方は、

・先代とは違う経営をしたい(しなければならない)
・次の時代に備えた、事業をするには……
・現在の経営・組織課題を解決したい

このような課題をお持ちです。
もう少し細分化すると、”業績向上” “後継者育成” “理念・ビジョン浸透” “離職防止” ”リーダー育成” “業務体系化” などに対して悩んでいらっしゃいます。これら課題は、後継社長に限らず、経営者なら当然抱えるものですが……(私も経営者の一人なので、身に染みてわかります)。
耳慣れた言葉ですが、経営資源は「ヒト・モノ・カネ・情報」です。
その大半は、「ヒト」が解決してくれます。
しかし、その「ヒト」をどう採用し、育成するか? それは簡単なことではありません。だからこそ、本書が何かお役に立てることがないかと、そのような気持ちでいます。
いざ、”いいヒト”を採用するとき、即戦力ならば経験や人脈がある「中途採用」も視野に入ります。もちろん、それも間違いではありません。しかし、会社の体質を変える(組織全体を変えると言いましょうか)ためには、”新卒採用”しかありません。
本書では、その点にフォーカスしています。

いまは、「超売り手市場」「人口減少時代」です。また、これからますます人材獲得が難しくなると思います。そのなかで、勝ち残っていく会社になるために行うべきことが、「新卒採用」なのです。
というのも、冒頭で「新卒採用は、必ずプラス”を生む」とお伝えしたように、”優秀な若い人材”を採用するだけ以外に、新卒採用活動そのものに”組織活性” ”組織浄化”の効果があるからです。

極論、新卒採用に力を入れて、本年度に,採用人数ゼロ”でもいいのです。
その理由を、本書で伝えられたらと思います。

本書は、

1章:新卒で会社が変わった(業績向上・後継者育成)…私たちのクライアントさまのご協力のもと、取り組んだ施策を”時系”とともにお伝えします。

2章:新卒採用で「組織課題」は解決できる…1章以外の、会社のあらゆる課題に着目し、”新卒採用”が、なぜ解決できるのか。多くの会社にありがちな「症状」に焦点を置き、解決策をご紹介します。

3章:新卒採用が「経営課題解決」につながるメカニズム…1、2章の話を踏まえ、「なぜ、新卒採用が組織課題を解決できるか」のノウハウや仕組みについてご紹介します。私たちとご一緒したクライアントさまとで行った施策の裏付けがここにはあります。

4章:中小企業が行うべき新卒採用のやり方…会社としての魅力整理、母集団形成、志望度醸成、入社意思決定までの具体的ノウハウを”資料”とともにご提供します。

5章:後継社長さまに伝えたいこと…営業型・人事型の経営者タイプについて、社長に必要な「断捨離」、付き合うべき外部パートナーについて、触れています。

新卒採用・育成は、中途採用に比べて、即効性がないと思われがちですが、「やり方次第」です。しかも、既存社員の力も伸ばし、会社の幹をじっくりと大きく育てるものとなります。
「今年、何人、採用できた!」ではなく、もっと長期的視点に立って取り組むことが大切です。
本書で、後継社長のみなさまが「ひとづくり」「会社づくり」のヒントを得ていただけるなら、これほどうれしいことはありません。

私が培ってきた、多くの事例とノウハウをご紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。

2019年4月 河本英之

河本 英之 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2019/4/26)、出典:出版社HP

目次

はじめに 新卒採用は、必ず”プラス”を生む

1章 新卒採用で会社が変わった(業績向上・後継者育成)

社長就任以降、5期連続粗利(売上総利益)増 (株式会社ティエスイー)
理念・ビジョン共感型採用から事業・仕事型採用へ

STEP1:理念・ビジョン再構築
STEP2:理念・ビジョン浸透
STEP3:理念・ビジョンを前面に押し出した採用の実現
STEP4:組織の状態を定点観測・社長と社員の対話強化
STEP5:事業・仕事型採用への転換

【参考図版・資料】
■理念・ビジョンの再構築の過程
■理念・ビジョン浸透研修(未来会)で使用した資料
■企業DNAを伝えるワーク
■対話会の資料
■説明会資料

【クライアント・ボイス】
株式会社ティエスイー・高橋電機株式会社 代表取締役社長 高橋正実
・社長就任と理念・ビジョン共感型採用
・対話会と採用戦略の変換
・大企業コンプレックスがなくなった

後継者育成に成功 (株式会社エスピック)
美点凝視採用から全社採用へ

STEP1:自社の価値観明確化
STEP2:新卒採用を通じた価値観浸透
STEP3:プロジェクトチーム編成による採用強化
STEP4:自走型組織への移行
STEP5:成功パターンからの脱却・抜本的な変革

【参考図版・資料】
■Good People 5箇条
■リクルーター養成研修資料
■採用振り返り&キックオフ会資料

【クライアント・ボイス】
株式会社エスピック 代表取締役会長 島至
・新卒採用は、社内に「教える文化」を醸成させる
・自社の魅力を、人から人へと伝播させる
・リクルーター活動が社員の成長を促す
・採用活動を通じて次の経営幹部層を育てる

2章 新卒採用で「組織課題」は解決できる
【理念・ビジョン形骸化症】
理念・ビジョンが形骸化していませんか?

【内定辞退&3年以内離職症】
“ヒト”が定着しないことに困っていませんか?

【次世代リーダー不在症】
管理職層に不安がありませんか?

【エース人材依存症】
業務が属人化していませんか?

【組織未成熟症】
組織のルールができていますか?

3章 新卒採用が「経営課題解決」につながるメカニズム
ティエスイー(業績向上)成功の要因
人事型社長と営業型社長
費用対効果をすぐに組織人事に求めるべきではない
理念は不変、ビジョンは可変
トップダウン型とボトムアップ型
4つの採用コンセプト
採用活動が既存社員にもたらす、2つの効果
社員満足度測定の必要性
批評家を当事者に変えていく
採用コンセプトの転換

エスピック(後継者育成)成功の要因
行動指針の作成
社員を採用活動に巻き込む
当事者意識を高める小集団プロジェクト
若手を育てる
後継者育成のための採用戦略会議
描く力と実行する力が業績向上に結び付く
120%訴求のススメ

新卒採用が「経営課題解決」につながるメカニズム
理念・ビジョンは、抽象から具体へ
理念・ビジョンが最も発揮されるとき
貢献効果と参画効果
管理職層のパフォーマンスを上げる
暗黙知から形式知へ
組織課題に着手する際の2つの観点

4章 中小企業が行うべき新卒採用のやり方
中小企業の魅力整理
[ステップ1]自社(カンパニー)視点で魅力整理をする
[ステップ2]ターゲットとなる学生(コンシューマー)視点で魅力整理をする
[ステップ3]競合(コンペティター)視点で魅力整理をする

目に見える魅力・見えない魅力

福利厚生の見せ方
[ステップ4]採用全体コミュニケーションマップを作成する

中小企業の母集団形成
若手社員による大学訪問
小規模イベントの活用
インターンシップの実施
社員リクルーターによるフォロー

学生の志望度を醸成する
企業の価値観体感ワーク
なりたい姿イメージワーク
ビジョンムービーの作成
面談で志望度を上げる

入社意思決定

【参考図版・資料】
■魅力整理・言語化 整理の仕方
■営業職の座標軸
■業界でのポジション
■”いい会社”の要素
■「目に見えない魅力」を知るためには
■会社を見る観点
■会社を見る観点〜時間軸〜
■福利厚生の見せ方
■福利厚生 整理シート
■採用ロードマップ
■価値観体感(意思決定)ワーク
■なりたい姿イメージワーク

5章 後継社長さまに伝えたいこと
「営業型」「人事型」のハイブリッド経営者になれますか?
人事型(HR型)社長のススメ
2代目、3代目社長に伝えたいこと
やはり、新卒採用という理由
社長がやってはいけないこと
人事への投資こそが、会社の存続・発展を支える
外部パートナーを選ぶ条件

おわりに “新卒採用・育成”こそが、会社を変える

読者特典

河本 英之 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2019/4/26)、出典:出版社HP

会社を成長させる新卒採用 戦略編

新卒採用をどのように活用するか

新卒採用は、日本独自の採用手法であり、その是非については、様々な議論が行われています。本書では、新卒採用の意義や目的意識を持った採用戦略の展開、具体的なプロセスの紹介などが解説されています。新卒採用をなぜ行うのか、会社をより発展させるために人材採用はどうあるべきかを考えるきっかけとなる本です。

曽和 利光 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング (2018/11/16)、出典:出版社HP

はじめに

少し前に、WEBや新聞で「新卒一括採用の是非」が議論されたことがありました。日本以外の多くの国では「必要な時に必要な人材を個別に採用する」のが主流であり、「大学在学中の一定の期間に就職活動を行い、卒業後すぐ一斉に就業する」という日本独自の就職文化はいかがなものか、というのがその内容でした。
ところが私自身は、その議論に加わることができずにいました。私の見聞きするかぎり、すでにかなり多くの企業が中途採用を重んじるようになっていましたので、今さらそんな議論をせずとも、「他の選択肢」もすでに十分に与えられているではないか、と思えたのです。新卒でも秋採用を採り入れる企業も増えていますし、留学生を別の時期に採用するのもふつうのこと。既卒や第二新卒マーケットも重要視されるようになっています。そんななか、一括採用された新卒だけが生粋で純正な社員として求められている、ということはありません(この実力主義の世の中、そんなことをしていたら会社は潰れてしまいます)。
ただし、日本において長い間「新卒採用」が主流であったことに異論はありません。それどころか、そこには数多くのメリットがあることも認めています。

ただ、誰もが「何も考えずに」「まわりがみんなそうしているから」というだけで新卒採用を続けているのだとしたら、それは思考停止であり、悪しき風潮であると感じます。
そこで本書では、いったんその「意義」に立ち返ることから始めて、新卒採用について考えていきたいと思います。
この「戦略編」では、概論としての採用全般についてまとめました。概論と言いましても、私の考える「新卒採用のあるべき姿」や「そのよりよい方法論」について、できるだけ具体的、詳細にまとめたつもりです。
これに続く「面接編」では、採用担当者にとってもっとも身近で喫緊のトピックである「面接手法」について、これもできるだけ具体的なテクニックを挙げ、論じています。

この採用難の時代、本書が少しでもみなさまのお役に立つヒントとして活用していただけるのであれば、これ以上の喜びはありません。

2018年8月 曽和利光

曽和 利光 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング (2018/11/16)、出典:出版社HP

目次

【はじめに】

【第1章】採用には間違った常識があふれている
経営者、現場、担当者の「持論」で採用を行ってはいけない
採用チームに必要なのは多様性、同質な人の集まりではいけない
現場が求める人材像が常に正しいわけではない
採用した人がいい人だと信じ込み、検証しない
志望度が高い学生ばかり採用する
前例を踏襲した「待ちの採用」を続けている

【第2章】「攻めの採用」をはじめよう
採用における「戦略」「戦術」「戦闘」
事業戦略から考える攻めの採用戦略
何を組織人事戦略の軸とするか
人材ポートフォリオと人材フローの戦略
人材ポートフォリオ戦略
人材フロー戦略
求める人物像を設定する
求める人物像を構成する要素の数
求める人物像の「具体的な」イメージ
言葉の意味の摺り合せをする
求める人物のイメージを統一させる

【第3章】攻めの採用戦術とは?
いかにして求める人材を採用していくか
新卒採用においてKPIを設定するべき7つの指標
自社に適した選考プロセスの設計

【第4章】優秀層を集めるための母集団形成
なるべく多くの優秀層に会うことが大事
「採用最適」と「採用担当者最適」は違う
エントリーシートは極力なくすか、軽くする
WEBサービスを使い、エントリーシートの手間を極力簡単にする
「書いて持ってこさせる」のでなく「来てから書いてもらう」
できるだけ後工程で提出させる
説明会は「学生にとってメリットのあるもの」にする
説明会への参加は義務化しない
説明会は小分けにして多回数実施し、学生が参加しやすいようにする
説明会は学生にとって便利な場所で行う
五月雨式・同時並行的に複数の選考プロセスを進めていく
早期受験者は早期に選考プロセスを進めていき、待たせない
途中辞退者にも接触を続ける
ネットワーク採用を実施する
学生にとって魅力的な出会いイベントを設ける

【第5章】新卒採用から会社を変える!
■実例① リクルートにおける採用改革
■実例② ブランド力のない地域限定型の企業での採用改革
■実例③ 応募者や新入社員の人脈を活かした採用改革
■実例④ 海外の優秀層を狙った採用改革

【第6章】会社の成長によりマネジメントはどう変わるか?
社員数が増えると何が起こるか

【おわりに】

著者紹介

曽和 利光 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング (2018/11/16)、出典:出版社HP

会社を成長させる新卒採用 面接編

新卒採用を成功させるための選考とは

本書は、企業の新卒採用担当者向けの本です。新卒採用を企業、学生双方にとってよりよいものにしていくための方法について書かれています。面接試験を行う際のポイントや内定を出す際の注意点、配属の手法など、実際に採用する手前の段階に関する内容が多くなっています。

曽和 利光 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング (2018/11/16)、出典:出版社HP

はじめに

「就活」というキーワードが多くの場合憂鬱な、重いものとして語られている現状が、私には残念でなりません。本来なら、その人が未来に漕ぎ出すという祝い事であるべきなのです。特に、事実上初めて実社会という海に泳ぎ出ようとしている「新卒就活生」にとっては、その海は途方もなく広く、深さもわからない、不安に満ちたものであるはずです。「戦略編」でも述べましたとおり、エントリーシートなどの形骸化したシステムや、採用する側・される側の双方が建前ばかりを述べて騙し合いをするような光景が繰り返されていることが、その「憂鬱な就活」の遠因であると私は考えています。
採用する側にとっても、これといった正解の見えない中で若者の人生を左右するような面接業務を繰り返すことは、おのずから重大なストレスとなっているはずです。

「採用」全般についての基本的な考え方をまとめた「戦略編」に引き続き、本書では特に多くの方々に関心を持たれる「面接」について、その手法や考え方について記します。私個人の経験則や独自論でなく、すでに広い体系が築かれている心理学や組織論にもとづき、「面接」というものを考え、論じてみたつもりです。
私ではまだまだ力不足ではありますが、こういった「原理・原則」に裏打ちされた面接が広く流布すれば、採用する側・される側の双方にとってより幸せなマッチングが実現すると考えています。
本書が企業と学生のみなさまにとってよりよい出会いのきっかけとなれば幸いです。

2018年8月 曽和利光

曽和 利光 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング (2018/11/16)、出典:出版社HP

目次

【はじめに】

【第1章】面接で、学生を口説けていますか?
「戦闘力」とは口説きの力
見つける勇気と口説く勇気
採用達成のカギは愛着
相手のことを深く理解する
理論を身につける

【第2章】優秀層を見抜く採用選考
各選考段階の目的の設定
面接合格率についての留意点
優秀層を見抜く面接の進め方
「わかりにくい人」をどうするか?
優秀な順から採用するためのジャッジ方法

【第3章】優秀層を口説く極意
採用ブランド以上の人材を獲得する方法
自己開示がもっとも大事
フラットな姿勢も忘れずに
口説きのポイント①「フォロートーク」
口説きのポイント②「意思決定サポート」
相手の関心に合わせて、必要な情報を提供する

【第4章】採用の成否をわける、内定の出し方
上手な内定出しの方法
その他の例外的対応について
誰もが陥る内定ブルーへの対処法
内定者に持って欲しい心構えについて
採用と同じ情熱で、配属も行う

【おわりに】

著者紹介

曽和 利光 (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング (2018/11/16)、出典:出版社HP