30日間で身につく「地頭」が育つ5つの習慣

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知力が上がる家庭習慣

変化に対応できる応用力のある人間に成長するために、親子で簡単にできる5つの家庭習慣を紹介しています。日常生活のちょっとしたことが学力にも影響することがわかり、日常生活の参考になります。知力を上げたい方、お子様を持つ保護者の方にもおすすめの一冊です。

石田 勝紀 (著)
出版社 : KADOKAWA (2017/3/30)、出典:出版社HP

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プロローグ

私は、3歳で起業して以来、教育という分野に従事して、約3年になります。その間、私立の中高一貫校の経営、東京大学大学院での研究など、さまざまな領域で、多くの子どもたち、学生たちと出会ってきました。
その中でわかったことは、「どのような時代、どのような場所や分野でも、自分らしく生きていくための能力」というものが存在し、その能力を得てしまえば、これまでの教育(3世紀型の教育)で重視されている学力も上がるということです。
その能力が、「地頭」というものです。
本書の目的は、この「地頭」をよくするための、「(たった5つの)習慣を身につける」ことです。しかも、「家庭における日常生活で身につけよう」というのです。「本当にそんなことができるのか」と思われるかもしれませんが、本書を読めば、可能であることがよくわかると思います。
本書の出版に至った大きなきっかけは、2015年1月1日から隔週で長期連載している東洋経済オンラインでの『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』でした。
すでに掲載回数は2016年2月段階で3回を超えました。お陰様で毎回、大変な反響をいただいているのですが、その中でも特にアクセス数の多かった記事に、『地頭のいい子は家庭内の習慣で作られる!――アクティブ・ラーニングは親子でもできる』というものがあります。
掲載日のアクセスランキングで第1位をいただき、さらにその後の反響も大きいものでした。「地頭」という言葉と「アクティブ・ラーニング」という斬新な言葉に大きな関心を示す方が多いことに驚きを感じるとともに、じつは内容的にも非常に重要な教育内容であるということに気づいたのです。
そして、その内容をさらに詳しく、実用書として、誰もが効果を実感できるように構成したのが本書なのです。
このタイミングで本書を出版する目的はもう1つあります。それは、非常に大きな出来事であるにもかかわらず、多くの親御さんが知らない次の事実をお伝えするためです。

「2020年に日本の教育は大変革する」

ちょうど、東京オリンピックと同じ年です。
大変革とは、簡単に申し上げると、大学入試センター試験が廃止され、新しい試験になること、さらに日本の学校教育の大黒柱である「学習指導要領」が大きく改訂されることです。
小学5年生、6年生での英語教科化をはじめ、アクティブ・ラーニングという授業手法の導入など、さまざまな内容が転換、追加され、180度とまではいきませんが、大きく変わることが予定されています。
この変革を「明治維新以来150年ぶりの大変革」という方もいるぐらいです。
このような変革の背景に、世界が変化し、社会が変化し、「従来の教育のあり方では対応が難しい」という状況があります。これまでの教育を如世紀型教育といい、これからの新しい教育を1世紀型教育というならば、単純化してそれらを比較すると次のようになります。

◆20世紀型教育
知識集積型=簡単にいえば知識を習得し偏差値を上げる教育
→講義型授業が多い

◆21世紀型教育
知識活用型=簡単にいえば知識を使いこなす教育
→グループワーク型授業が多い

さてこれを見てどう思われますか。
21世紀型教育(といってもすでに始まりつつある)では、考える力、コミュニケーション能力、自分の意見を言う力、チームワークなどが重視され、クリエイティビティ(新しい考えを生み出す)や人と異なる考えを持つことが重要になります。
まさにグローバルな社会、21世紀の社会に適合する教育という感じなのです。それが正式に2020年から始まるということです。
そうすると、現在の小中学生は、このような新しい教育で評価される世界で生きることになります。
しかし、このような話を聞いても、
「まだ先だし、今の状況を何とかすることのほうが大切」
「確かに21世紀型の教育も大切だけど、勉強ができないと話にならない」
「まずは、短期目標である試験に合格することが重要」
「コミュニケーション能力も論理思考も重要だけど、今やっているテストの点数が伸びなければ無意味」
と考える方が多いのではないでしょうか。
それはそうです。私もそう思っていますから。

これまでの日本の教育がすべて悪いというわけではなく、新しい世界に対応するために、これまでのよいものを残し、改善すべき部分を改善するという形で移行します。ですから知識が重要であることに変わりはありません。
しかし、問題なのは、知識の獲得方法でしょう。黒板の字をただ書き写すだけの「作業」、テスト前に意味なく丸暗記で知識を詰め込むやり方、問題集を考えることなくただくり返す機械的作業ばかりでは「勉強=つまらない」状態が一生続き、「学校の勉強をしても意味がない」という言葉が発せられることでしょう。
そこで、私は本書を通じて、「地頭をよくすることで、知識を自然な形で吸収し、さらにそれが活用できる21世紀型教育もまるまるやってしまおう!」ということも主張していきます。
要するに、「地頭さえよくしてしまえば、これからの時代への対応も可能となり、ついでに偏差値も上げることができてしまう!」ということなのです。
それを、「たったの4週間で、お金をかけずに、家庭のほんのわずかな習慣を変化させるだけで行う」方法を本書で余すことなく公開していきます。
では、これからお話を始めていきます。

2017年3月
石田勝紀

石田 勝紀 (著)
出版社 : KADOKAWA (2017/3/30)、出典:出版社HP

もくじ

プロローグ
第1章 5つの簡単な家庭習慣で、「地頭のいい子」になっていく
第1節 地頭は生まれつきのものではない!
第2節 アクティブ・ラーニングは親子でできる
第3節 地頭をよくするための5つの習慣
第4節 習慣化までの4週間モデル
第5節 習慣化させる5つのポイント

第2章 【第一の習慣】「前を見る」習慣―最強マインドを手に入れる
第1節【第一の習慣】はこの2つで身につける
第2節 発する言葉の種類で「伸びる・伸びない」が決まる!
第3節 失敗や間違いを量産する!
第4節 【第一の習慣】が身につく親子アクティブ・ラーニング

第3章 【第二の習慣】『脳を動かす』習慣―ロジカル思考とクリエイティブ思考を同時に手に入れる―
第1節 ロジカルとクリエイティブを手に入れると人生が変わる
第2節 「考える力」はこうして手に入れた!
第3節 ロジカルな思考が養成される2つのマジックワード
第4節 国語力も高まる「要するに?」「例えば?」の効果
第5節 クリエイティブな思考を手に入れるたった2つのマジックワード
第6節 親子でのアクティブ・ラーニング「4つのマジックワード」事例

第4章【第三の習慣】『観る』習慣―観察し分析する習慣―
第1節 「観る」習慣をつけてしまえば、怖いものはない!
第2節 学びの3つの型
第3節 『観る眼』を作る親子アクティブ・ラーニング
第4節 事実を分析するための親子アクティブ・ラーニング

第5章 【第四の習慣】『見抜く』習慣―ポイントを見抜く『眼』を持つー
第1節 『見抜ける』人間になる
第2節 国語で本質を見破る訓練をする(親子アクティブ・ラーニングその1)
第3節 思考の樹を描く(親子アクティブ・ラーニングその2)
第4節 Gノートの作成(親子アクティブ・ラーニングその3)

第6章【第五の習慣】『話す』習慣|自分の意見を言う習慣―
第1節 「話す」習慣ができている子はじつは非常に少ない
第2節 感性を高める習慣を実践しよう!(親子アクティブ・ラーニングその4)
第3節 筋道を立てて話ができる習慣を作ろう!(親子アクティブ・ラーニングその5)
第4節 事実と意見を区別しよう!(親子アクティブ・ラーニングその6)
第7章 Q&A
エピローグ

第1章
5つの簡単な家庭習慣で、「地頭のいい子」になっていく

石田 勝紀 (著)
出版社 : KADOKAWA (2017/3/30)、出典:出版社HP