【最新 茶の湯について学ぶためのおすすめ本 – 正しい作法から茶の湯の魅力まで】も確認する
初心者におすすめの入門書
本書は茶室での足の運びに焦点をしぼり、普段の稽古の予習・復習に役立つ広間や四畳半及び台目席での足運びを、風炉・炉ともそれぞれに見やすく紹介しています。お客様としての席入りから退出までの進みかたも紹介しているので、初心者の方々にもお勧めしたい一冊です。
本書は、裏千家の点前や所作に基づく足運びを紹介しました。
点前のお稽古と同じく、自然に歩けるようになるまで くり返し練習することが大切です。
本書のイラストの説明
注 体格や年齢により、歩数や足を置く角度などは個人差があります。
足運びのポイントについては本文をご参照ください。
目次
はじめに
畳の名称
茶室での立ち居ふるまい
点前での足運び
盆略点前
広間
風炉
炉
四畳半
風炉
炉
台日语
風炉
炉
客の歩きかた
広間(八畳)
四置半
はじめに
畳の名称
茶室に敷かれている畳には、その役割に応じた名称があります。ここでは足運びの説明を理解するために必要な畳の名称を覚え、その役割を確認しましょう。
点前畳
点前のための道具を置く畳。道具畳、亭主畳ともいいます。
踏込畳
茶道口から入ったところの畳。亭主が茶道口から茶室に入る時、最初に踏み込むところからの名称です。
貴人畳
貴人の座に見立てられるところに敷 かれる畳で、多くは床前の畳をさしていいます。
通い畳
茶事や茶会において、亭主や半東が 給仕の折に歩く畳をいいます。
炉畳
炉を切る畳のことで、炉の部分が欠いてあります。
客畳
広義には点前畳以外を、狭義には客 が着座するための畳をいいます。
これらの畳は、一畳につき一つの役割とは限らず、茶室の つくりによって複数の役割を兼ねることもありますが、まずは一般的な八畳と四畳半について覚えましょう。
茶室での立ち居ふるまい
歩きかた
畳の上を歩くときは、腰を落として固定し、爪先を揃えて、踏み出した足の、足の裏全体で着地し、足を軽く畳にするようにして進みます。これを「すり足」といい、茶室での歩
きかたの基本となります。
歩幅は狭く、やや前傾姿勢で、上下の動きを少なくして静かに歩き、畳の縁や敷き合わせは踏みません。
原則として、茶道口の敷居、畳の縁、敷き合わせは、客付の足でこします。したがって亭主の場合(点前を する場合)は、客が亭主の右手に座る本勝手の席であれば、右足で畳の縁や敷き合わせをこして点前座に進み、帰るときは左足でこしてさがります。
亭主が道具を運び出すときは、体の正面でバランスよく持ち、亭主、客とも何も持たずに進むときは、子の指先を閉じ、自然におろして太腿 のあたりにくるようにします。このとき、女性は前におろし、男性は指先を軽くまるめて体の横につけます。客の席入りの際は、右手で扇子を軽く握って持ちます。
立ちかた
正座の姿勢から立つときは、両足の かかとを揃えて両足とも爪立てます (跪座)。そのまま立つほうの膝を立て、半足ほど前に出して立ち上がります。このとき、手は軽く両膝において体の動きに合わせ、立ち上がると男性は自然に体の横におろし、女 性は自然に前におろします。
座りかた
静かに上体を沈め、跪座の姿勢となり、足を寝かせて座ります。座る際には、男性は両膝を握りこぶし二つ分、女性は一つ分あけます。
躙りかた
席入りの際や、小間の席中で進むと きに立ち上がることなく座ったまま進むことがあり、この所作を「躙る」といいます。このときは、正座のまま両腕を膝より前に伸ばし、両手を 軽く握って畳につけ、体を支えて膝 を少し浮かせながら少しずつ進みます。
後ろにさがるときは、両腕をまっすぐ下におろし、同様に両手で体を支えてさがります。