会わなくても”指名”される トップ販売員のInstagram力

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No.1アパレル販売員の経験による実践

上流のマーケティング視点や企画力の話から実践的なテクニックまで、著者の経験に基づいてとても詳細に書かれています。ファッションビジネスに携わる方はもちろん、個人顧客に向けた事業をされている方には、すぐに実践できる学びがたくさん詰まっています。

艸谷 真由 (著)
出版社 : 大和出版 (2021/3/10)、出典:出版社HP

 

はじめに

「Instagram力」が見せてくれる販売員の未来

「来客数が減ったことで、売上ノルマが達成できない」
「本社からSNSに力を入れるよう言われたが、時間がない」
「インスタ運用は、個人の評価には繋がらないと思う」
「販売員の将来性に不安を感じながらも仕事を続けている」

あなたはこんなことを思っていませんか?
SNSが売上アップに繋がることは何となくわかっていたとしても、様々な業務に追われている状況では、「これ以上、仕事を増やさないで」というのが本音ではないでしょうか。たとえ、会社から「SNSに力を入れるように」と言われていたとしても、です。実は、販売員時代の私がまさにそうでした。

はじめまして、艸谷真由と申します。
苗字が珍しく、「なんて読むの?」と思われた方も多いと思いますが、「くさたに」と読みますので、この機会にぜひ覚えていただけたら嬉しいです。
私は、6年前までアパレル販売員をしていました。
株式会社TOKYOBASEに新卒で入社し、入社3ヶ月目に、当時200人ほどいた全販売員の中で、月間個人売上No.1の実績を獲得。同時に、当時最短のスピードで店長に就任。自分自身も店頭の接客で売上を追いながら、店舗を守る「プレイングマネージャー」として働いてきましたが、販売員当時は全く気づかなかった「SNSの力」を、独立後目の当たりにすることになりました。
ここでは、なぜ私が「販売員に向けたInstagramの本」を書いているのか、また本書をお読みいただいた先にどんな未来が待っているのか、そういったことを少し、お話ししたいと思います。

入社時目標に掲げた「年間優秀新人賞」を受賞し、販売員を退職した後、TVでたまたま見かけた「インスタグラマー特集」をきっかけに、私はインスタを運用して収入を得る「インスタグラマー」として活動するようになりました。
この経験から、数あるSNSの中でもインスタは、使い方次第で共感者(お客様)との関係性を深められる、最強のビジネスツールだと実感したのです。
現在はインスタグラマーとして培ったノウハウを基に、「法人向けのInstagramプロデュース」の会社を経営し、百貨店や商業施設、アパレル企業のインスタに特化した戦略立案やクリエイティブディレクション、運用支援などを仕事にしています。

また、アパレル業界全体を盛り上げたいという気持ちから、現役販売員や、アパレル業界へ就職を目指す大学生・専門学生に向けてインスタの研修・コーチングを行っているのですが、その中で大きな課題がありました。

それは、アパレル企業の「販売員へ向けたインスタ教育」が圧倒的に遅れているということです。なぜ遅れているのかというと、「教えられる人材がいない」「販売員の教育にまとまった予算が回せない」ことが挙げられます。
特にコロナ禍で企業の存続が危ぶまれるいま、「緊急な施策」を進めるブランドは多い一方で、「緊急でないが重要な未来のための対策」に手が回らない実情があります。

このような状況下で、いま私にできることは何か考えたときに、「販売員1人ひとりが、自分で学んで実践できる環境を整えること」だと思いました。
そのうえで、本書では「インスタ運用の目的」から「実践的なノウハウ」までを丁寧に解説しています。具体的には、次のような構成で進んでいきます。

Chapter01 「これからの販売員は”繋がり”が武器になる」では、
販売員が発信するメリットや、お客様とどのように繋がるのかを説きます。また、実際にインスタ運用に成功している「現役販売員さんの声」も掲載しました。

Chapter02「Instagramのプロから学ぶ”発信力のキホン”」では、
発信をはじめる準備として、インスタの先駆者である「ファッションインフルエンサー」は、自分をどう魅せてたくさんのファンに囲まれているのかを紐解きます。

Chapter03「目指すべきは、憧れの人よりも”会いたくなる人”」では、
ただスタイリングを発信すれば、お客様に見てもらえるわけではありません。ここではアカウントのコンセプト固めから、投稿内容のつくり込み方までお伝えします。

Chapter04「あなたの接客スタイルが、そのまま”発信の型”になる」では、
私の販売員時代のエピソードを元に、「店頭接客をインスタ発信に置き換えるとどうなるのか」を解説しています。

Chapter05「”店舗と連携”すれば、ファンは確実に増える」では、
販売員の「個人アカウント」と「店舗アカウント」を紐づける方法をお伝えします。実践すれば、販売員にとっても店舗にとってもプラスになる仕組みがつくれます。

Chapter06「このひと手間で、”売上アップ”の循環がつくれる」では、
実際に「商品を売る導線のつくり方」を伝えます。また、キホンが整ったうえで、影響力を高める・新規のお客様をつくるための、プラスα方法を解説します。

本書に書かれたこれらの方法をコツコツと実践していただければ、直接店頭でお会いしなくとも「あなたに会いたい」というお客様でいっぱいになります。
また、現在はEC(通販サイト)の台頭や、新型コロナウイルスの影響で、店舗への来客数が少ない状況ですが、インスタを活用することで、左記のような未来をつくることもできます。

●来客数に左右されず、安定した売上を生み出すことができる
●お客様が退店した後も繋がり続けることで、再来店のきっかけをつくれる
●インスタを通して、商品の取り置きや店舗通販の依頼がくる
●インスタ内でファンになってくれたフォロワーから来店予約が入る
●スタイリング提案に対するお客様の反応が直に伝わり、モチベーションが上がる

いかがでしょう。店頭での接客に、インスタでの発信を加えることで、あなたを指名してご来店される客様がたくさん増えたとしたら……、もっと仕事の時間が楽しくなると思いませんか?
さらに発信を続けていると、「楽しい」だけにとどまらず、あなたの「市場価値」も上がっていきます。それは、フォロワー数が増えるから「インフルエンサーとして活躍できる」という話ではなく、あなたの思考回路がレベルアップするということ。
いつのまにか、EC担当者がしている「編集力」や、現状の数値を分解し目標数値に近づけるための「分析力」、広報部が社外ヘブランドイメージを届けるために必要な「企画力・実行力」、販売促進部が購買に繋がるしかけをつくる「マーケティングカ」など、あなたが店頭で商品を販売する前のプロセスが身につきます。それこそが、本書でお伝えする「Instagram力」です。
売上アップのみならず、あなたが望めば、希望ポジションヘステップアップする可能性も高くなるのです。

いまからはじめても、全く遅くありません。
本書から新しい思考を手に入れて、あなた自身の価値を高めていきましょう!

きっと、1年後には、あなたの前に新しい景色が広がっているはずです。

艸谷真由

艸谷 真由 (著)
出版社 : 大和出版 (2021/3/10)、出典:出版社HP

 

トップ販売員のInstagram力 目次

はじめに 「Instagram力」が見せてくれる販売員の未来Instagram(プロフィール画面)のキホン機能

Chapter01 これからの販売員は”繋がり”が武器になる
01 なぜ、販売員こそインスタをはじめるべきなのか?
02 「あなた自身」のファンになってもらえる場所
03 「作業」するだけで、1日を終えていませんか?
04 売るために、切り離せない「3つの繋がり」
05 疑問や不安は「代替え試着」で解決できる
06 公式や店舗よりも、「個人アカウント」を選ぶ理由
Interview Instagramで売上を生み出す、現役販売員さんの声

Chapter02 Instagramのプロから学ぶ”発信力のキホン”
07 「ファッションインフルエンサー」は、自分をどう魅せている?
08 成功のコツは、いきなり発信しはじめないこと
09 「プロフィール文」は学びの宝庫
10 注目される人は「GIVEの視点」を常備している
11 「いい写真」が撮れるのは、偶然ではなく必然
12 「スタイリング写真」で日常をイメージさせる
13 置き画のプロ直伝「あか抜ける物撮りのコツ」
14 撮影してくれる人がいないときの対処法
15 「引き算の加工」をマスターしよう
16 短時間でおしゃれに仕上がる「文字入れ加工」
17 このルーティーンならば、無理なく続けられる

Chapter03 目指すべきは、憧れの人よりも”会いたくなる人”
18 「ファッションインフルエンサー」と「販売員」の違いって?
19 アカウントのコンセプトは、「あなたらしさ」で決まる
20 新しいお客様と出会える「4つのハッシュタグ」
21 磨いてきた接客トークは「投稿文」で伝えよう
22 「ブランドのお客様」を「あなた自身のお客様」へ
23 インスタをお知らせする絶好のタイミング
24 接客と「サンキューDM」はセットだと考える
25 「親しい友達リスト」でお客様リストが整う
26 お客様との関係値を築く「企画」のつくり方

Chapter04 あなたの接客スタイルが、そのまま”発信の型”になる
27 商品をオススメすればするほど、喜ばれたワケ
28 来客数が少ない日こそ、チャンスだと捉えよう
29 大切なのは、「担当しない範囲」を決めること
30 トップを走り続けるためにしていた工夫とは?
31 販売員を辞めてから気づいた「インスタの価値」

Chapter05 “店舗と連携”すれば、ファンは確実に増える
32 「店舗アカウント」における4つの必須要素
33 目的別・アパレルブランドの運用の型
34 「店舗に来てもらうこと」を目指すあなたへ
35 個人が頑張れば、「店舗アカウント」は盛り上がる
36 「個人アカウント」と「店舗アカウント」を紐づける方法
37 新しい評価指標は、「今日、何名と繋がれたか」
38 店頭に立つ前に、「今日の戦い方」を考えていますか?

Chapter06 このひと手間で、”売上アップ”の循環がつくれる
39 「商品購入」してもらうための導線づくり
40 いますぐ購入へ誘導できる「まとめ機能」って?
41 見込み客にアプローチする「いいね周り」のススメ
42 「インサイト」があれば、何度でもヒットはつくれる
43 「ストーリーズ」でサプライズを演出する
44 リアルな接客体験を「インスタライブ」で届けよう
45 拡散力の強い「リール」とどう向き合うか
46 「お礼周り」で感謝の気持ちが真に伝わる
47 「来店予約」してもらうための仕組みづくり
48 納得できるアカウントを持って、本社ヘアピール!

おわりに 考え方1つで、販売員の可能性は無限に広がる

取材協力 SHENERY新宿店
SHENERY池袋店
装幀者 藤塚尚子(e to kumi)

艸谷 真由 (著)
出版社 : 大和出版 (2021/3/10)、出典:出版社HP