日本の妖怪完全ビジュアルガイド

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妖怪のビジュアル大図鑑

本書は、150種類以上の妖怪をフルカラーのイラスト付きで紹介しています。各妖怪の昔話、逸話や伝承を紹介しているほか、昔の人が描いた妖怪の絵も掲載されており、幅広い層が楽しめる一冊となっています。また、妖怪研究の第一人者で本書を監修した小林和彦氏のインタビューも必見です。

小松和彦 (監修), 飯倉義之 (監修)
出版社 : カンゼン (2014/6/20)、出典:出版社HP

妖怪は日本が誇る幻想文化

マンガやアニメ、ゲームの世界においては、ドラゴンや魔法といった神話や伝承などをもとにした西洋ファンタジーはおなじみのモチーフとなっている。しかし日本にも、それに負けないほど魅力的な幻想世界の住人たちがいる。それが「妖怪」という存在だ。

妖怪とは、おもに身の回りで起きる不思議や怪異な現象を引き起こす、とりわけ怖いことをするお化けたちのことである。怪異現象の理由づけをして安心するために、人々はそれを妖怪のせいだとし、名付けをして、独立したキャラクターをどんどん想像のなかで生み出していった。こうした妖怪たちの世界は、日本の人たちが楽しみながら増やしていった独特の存在で海外にはないものなのである。

妖怪の存在は怪異・恐怖の方向を向いているとはいえ、立派な幻想=ファンタジーだ。昔の人が体験した話や伝承、また昔の人が描いた妖怪画の数々を見れば見るほど、そのフクフクやドキドキが表現されているのがわかるだろう。怖いけれども、ちょっと面白い。面白いのにやっぱり怖い。そんなキャラクターたちの世界は、世界中を探してもなかなかないのではないだろうか。

かつての日本には、こうした妖怪という存在を想像する環境、風土があった。ところが明治時代以降に近代化がどんどん進み「妖怪は迷信である」と排除され、一時期は忘れ去られた……はずだった。だが、妖怪たちは生きていた。口裂け女などの都市伝説のうわさは、メディアを通して全国をかけめぐり、「絶対にウソだ」と思いながらも心のどこかで日本の人たちは恐れている。西洋ファンタジーの世界においても、それらを絵空事だとバカにされながらも、マンガやゲームといった文化のなかで展開されるそれは、我々を魅了してやまない。本当にいるいないはともかく、そうした怪異や幻想を想像する心は、決して忘れようもないものなのだ。

本書はそんな日本の妖怪たちを、描き下ろしイラストや昔の妖怪画を交え、多数紹介している。こんな妖怪たちが日本にはたくさんいた。いや、いるのだ。そんなことを想像しながら、ぜひとも妖怪の世界を堪能していただきたい。

小松和彦 (監修), 飯倉義之 (監修)
出版社 : カンゼン (2014/6/20)、出典:出版社HP

全国妖怪マップ

本書で紹介している妖怪たちがどこに伝承されているのか、その妖怪の掲載ページといっしょに地図にしてみた。

北海道地方

大入道
木霊
大蛇


コロボックル
妖狐

関東地方

大入道
送り犬

木霊

猿神
大蛇
ダイダラボッチ

天狗
山姥
雪女
小豆洗い
安宅丸
イクチ(あやかし)
岩魚坊主
産女
海坊主
河童

人魚
船幽霊
舞首

天邪鬼
火車
髪切り

鬼女
頽馬
のっぺらぼう
化け狸
一つ目小僧
見越し入道

妖狐
雷獣
ろくろ首
金霊

化け猫
枕返し

東北地方

大入道
送り犬

おばりよん
木霊

大蛇
ダイダラボッチ
手長足長

天狗
山姥
雪女
小豆洗い
岩魚坊主
産女
海坊主
河童
猩猩

水虎
人魚
化け蟹(蟹坊主)
船幽霊
舞首

天邪鬼
火車
鎌鼬

鬼女
頽馬
のっぺらぼう
化け狸
一つ目小僧
見越し入道

妖狐
雷獣
ろくろ首
かいなで
座敷童子

化け猫
枕返し

中部地方

大入道
送り犬

おばりよん
木霊

大蛇
ダイダラボッチ
手長足長

天狗
山姥
雪女
小豆洗い
岩魚坊主
牛鬼
産女
海坊主
河童
猩猩
絡新婦

共潜
波小僧
人魚
化け蟹(蟹坊主)
船幽霊

天邪鬼
火車
鎌鼬
髪切り

鬼女
頽馬
のっぺらぼう
化け狸
一つ目小僧
べとべとさん
見越し入道

妖狐
雷獣
ろくろ首
金霊

化け猫
枕返し
夜泣き婆

小松和彦 (監修), 飯倉義之 (監修)
出版社 : カンゼン (2014/6/20)、出典:出版社HP

近畿地方

猪笹王
大入道
送り犬

木霊

大蛇
ダイダラボッチ
土蜘蛛

天狗
ひだる神
山姥
雪女
小豆洗い
イクチ(あやかし)
磯撫で
牛鬼
産女
海坊主
河童
猩猩

共潜
人魚
船幽霊

天邪鬼
姥ヶ火
朧車
火車
片輪車

鬼女
砂かけ婆
頽馬
手の目

のっぺらぼう
化け狸
一つ目小僧
べとべとさん
見越し入道

妖狐
雷獣
ろくろ首
以津真天
小坂部姫
かいなで
金霊
清姫

鉄鼠

化け猫
目競

四国地方

大入道
送り犬

子泣き爺
三目八面
大蛇
ダイダラボッチ

天狗
ぬりかべ
ひだる神
古杣
山彦
山姥
雪女
小豆洗い
牛鬼
産女
海坊主
河童
川姫
七人みさき

人魚
船幽霊

天邪鬼
火車

鬼女
頽馬
のっぺらぼう
化け狸
見越し入道

夜行さん
妖狐
雷獣
ろくろ首
犬神


化け猫
枕返し

中国地方

大入道
送り犬

おばりよん
木霊
すねこすり
大蛇
ダイダラボッチ
天狗
山彦
山姥
雪女
小豆洗い
牛鬼
産女
海坊主
河童
七人みさき
猩猩

人魚
濡れ女
ハンザキ
船幽霊

天邪鬼
火車

鬼女
頽馬
のっぺらぼう
化け狸
一つ目小僧
見越し入道

妖狐
雷獣
ろくろ首
犬神

山ン本五郎左衛門

化け猫

九州・沖縄地方

油ずまし
大入道
送り犬

キジムナー
木霊
大蛇
ダイダラボッチ
手長足長
天狗
ぬりかべ
ひだる神
山童
山姥
小豆洗い
アマビエ
イクチ(あやかし)
磯撫で
磯女
牛鬼
産女
海坊主
河童
川姫

人魚
船幽霊

天邪鬼
一反木綿
火車

鬼女
ケンムン
のっぺらぼう
化け狸
一つ目小僧
ひょうすべ
見越し入道

妖狐
ろくろ首
犬神


化け猫

小松和彦 (監修), 飯倉義之 (監修)
出版社 : カンゼン (2014/6/20)、出典:出版社HP

日本の妖怪 完全ビジュアルガイド 目次

妖怪は日本が誇る幻想文化
全国妖怪マップ
東日本
西日本
この本の見方

第一章 山林の妖怪
油ずまし
猪笹王
大入道
送り犬

おばりよん
キジムナー
木霊
子泣き爺

猿神
三目八面
すねこすり
大蛇
ダイダラボッチ
土蜘蛛
手長足長

天狗
ぬりかべ
ひだる神
古杣
百足
山彦
山童
山姥
雪女

第二章 海川の妖怪
小豆洗い
安宅丸
アマビエ
イクチ(あやかし)
磯撫で
磯女
岩魚坊主
牛鬼
産女
海坊主
河童
川姫
七人みさき
猩猩
絡新婦

水虎
共潜
波小僧
人魚
濡れ女
化け蟹(蟹坊主)
ハンザキ
船幽霊
舞首
魍魎

第三章 人里の妖怪
天邪鬼
一反木綿
姥ヶ火
朧車
火車
片輪車
髪切り

鬼女
倩兮女
ケンムン
コロポックル
砂かけ婆
頽馬
手の目
百々目鬼
泥田坊

ぬらりひょん
のっぺらぼう
化け狸
一つ目小僧
ひょうすべ
震々
べとべとさん
見越し入道

百々爺
夜行さん
妖狐
雷獣
ろくろ首

第四章 人里の妖怪
垢嘗
縊鬼
以津真天
犬神
煙々羅
小坂部姫
おとろし
陰摩羅鬼
かいなで
金霊
加牟波理入道
清姫

座敷童子
山ン本五郎左衛門
しょうけら
鉄鼠
天井嘗
付喪神

化け猫
二口女
枕返し
目競
目目連
家鳴
夜泣き婆

妖怪時点

小松和彦先生のお話

妖怪用語集

妖怪索引
第一夜 『人を怨み鬼と化す』
第二夜 『羅生門の鬼』
第三夜 『鍛冶ヶ谷の蛇』
第四夜 『朝日山の大蛇』
第五夜 『源頼光の土蜘蛛退治その1』
第六夜 『源頼光の土蜘蛛退治その2』
第七夜 『天狗隠し』
第八夜 『3枚の札』
第九夜 『雪女』
第十夜 『海坊主の話』
第十一夜 『河童のあやまり証文』
第十二夜 『八百比丘尼』
第十三夜 『船幽霊』
第十四夜 『3つの湖のものがたり』
第十五夜 『身を捨て油壺』
第十六夜 『越後新潟にかまいたちある事』
第十七夜 『旋風怪の事』
第十八夜 『安達ヶ原の鬼婆』
第十九夜 『鵺』
第二十夜 『むじな』
第二十一夜 『阿波狸合戦』
第二十二夜 『一眼国』
第二十二夜 『白面金毛九尾の狐』
第二十四夜 『姫路城の化け物』
第二十五夜 『家の盛衰』
第二十六夜 『鍋島の猫騒動』

コラム
京の都を騒がせた鬼の頭目
妖怪旅めぐり1〜鬼編
日本神話に登場する蛇の妖怪
各地に伝わる天狗の妖怪
妖怪旅めぐり2〜天狗編
石も妖怪?不思議な石たち
鬼の大将を討ちとった源頼光
妖怪と戦った名将たち
全国の七不思議1〜本所七不思議
海坊主の仲間
河童の仲間
九頭龍伝説
妖怪画の世界
妖怪旅めぐり3~河童編
鬼火と怪火
有名な鬼女たち
妖怪旅めぐり4~妖狐編
妖怪旅めぐり5~化け狸編
のっぺらぼうの仲間
有名な化け狸
全国の七不思議2~遠州七不思議など
有名な妖狐
妖怪研究人物伝
都市伝説と妖怪
妖怪旅めぐり6~化け猫編
座敷童子の仲間
有名な化け猫

小松和彦 (監修), 飯倉義之 (監修)
出版社 : カンゼン (2014/6/20)、出典:出版社HP

この本の見方

1 タイプ
見た目による妖怪のタイプ。人型・獣型・異形型の3つに分類した。

2 出現する場所
山林 山や森などに出現。
海川 海や川、湖など水辺に出現。
人里 村の中や田んぼなど、人が住む場所の近くに出現。
家屋 家のなかに出現。

3 名前
妖怪の名前。

4 伝承がある地域
その妖怪を見た、出会ったという話などが伝わっている地域を赤くぬっている。

5 妖怪の解説
どんな妖怪なのかを解説している。

6 妖怪のイラスト
伝承から想像する妖怪の姿。

7 昔の人が描いた絵
昔の画集などで描かれている妖怪の絵。

8 妖怪の能力
強さ、妖力、怖さ、奇怪さ、知名度の5つの項目について5段階で評価。なかでも特徴的なふたつの項目について解説をしている。

強さ 腕力が強そうな妖怪ほど高い。
妖力 より怪しい力を振るう妖怪ほど高い。
怖さ 人にとってより危険な妖怪ほど高い。
奇怪さ 見た目や性格、特徴などが、変わっている妖怪ほど高い。
知名度 より多くの人々に知られている妖怪ほど高い。

小松和彦 (監修), 飯倉義之 (監修)
出版社 : カンゼン (2014/6/20)、出典:出版社HP