ビジュアル版 日本の妖怪百科【普及版】

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古来の妖怪画から見る妖怪百科

本書は、妖怪に関する伝承、言い伝えとともに、古来日本で描かれてきた妖怪画を紹介しています。昔の人々が描いた妖怪画を通して、日本人が妖怪をどのように思い描いてきたのかを知ることができます。

岩井宏實 (監修)
出版社 : 河出書房新社; 普及版 (2020/1/21)、出典:出版社HP

目次

◉妖怪大集合

1 山の妖怪
妖怪とはなんだろう 岩井宏實
鬼【人を恐れさせる鬼と人に恵みをもたらす鬼】
天狗【鼻の高い赤ら顔、山奥にする空を飛びまわる】
ダイダラボウ【富士山を背負い、沼をつくった巨人】
木霊【樹木に宿る精霊】
蛇【執念深い妖怪に変身する水の神・山の神】
狼【老婆に化けて旅人をおそう】
山姥・山爺【恐ろしい姿で人をおそう落ちぶれた山の神】
山童【祭っていれば助けてくれる山の神の子ども】
一つ目小僧・一本ダタラ【一つ目一本足は神さまの尊さのシンボル】
ヒダルガミ【山道で待ちかまえている腹をすかせた亡者】
覚【人の心を読みとる大猿に似た怪物】
鵺【真夜中に出るつかみどころのない妖怪】
大百足【体が鉄でおおわれた巨大な虫】
狒々【猿に似た姿で、動物を取って食う】
狢【狸に似て、二匹が示しあわせて化ける】
モモンガ・モモンジイ【毛むくじゃらで木から木へと飛びまわる】
鼬【眉毛につばをつければだまされない】
猩々【海からあらわれる酒好きな妖怪】
コナキ爺・粉挽き爺【泣いているので抱き上げると離れない】
山彦【呼びかければ叫び返す山の妖怪たち】
手長足長【山から長い手足をのばして悪さをする】

2 水の妖怪
妖怪と幽霊はどう違うのだろう 岩井宏實
河童【川や沼にあらわれるなじみの深い妖怪】
蟇【岩かと間違えるほどの大きなヒキガエルの妖怪】
スッポン【食用の亀も執念深い妖怪に】
牛鬼・濡れ女【谷川の淵や海にいて、人とおそう】
人魚【顔は人間、体は魚の女の妖怪】
小豆洗い・小豆とぎ・小豆はかり【小豆を洗う音だけさせて、姿は見えない】
シバテン・ケンモン【河童に似て、相撲が大好き】
亡者舟・海難法師【海上にあらわれる水死者の亡霊】
海坊主【ヌルヌル頭の巨大怪物】
舟幽霊【柄杓で水をくみ入れて船を沈めようとする幽鬼】
橋姫【橋の上に出現するしっと深い姫】
川姫【若者を惑わす川の美女】
川天狗【天孤に嫁入りした美しい妖怪】
獺【子どもや美人に化けて人をたぶらかす】
川熊【川のなかからのびる黒い手の持ち主】
アヤカシ【仲間を探す海で死んだ人の霊】
磯撫で【尻尾の針で海中に人を引き込む怪魚】
共潜【海女が海底で出会う自分と同じ姿の妖怪】
赤鱏【島ほどもある巨大魚』

【表紙】
『楠多門丸古狸退治之図』(早稲田大学図書館蔵)
『新形三十六怪撰 おもゐつづら』(静岡県立中央図書館所蔵)
『妖怪図』(早稲田大学図書館蔵)
【裏表紙】
『和漢百物語 宮本無三四』(国立国会図書館所蔵)
【扉】
『百怪図巻』より「くはしや」(福岡市博物館所蔵/画像提供:DNPartcom)
【目次】
『百鬼夜行絵巻』(国立国会図書館所蔵)

3 里の妖怪
妖怪があらわれるのはどんな場所だろう 岩井宏實
狐【稲荷神の使いも、いっぽうでは人を化かす】
理【八化けといわれるほどの化けの名人】
土蜘蛛【どこからともなくあらわれ、糸でからめとる】
産女・柳女【赤ん坊を抱いてくれと頼む母親の妖怪】
雪女【白い着物の女の姿であらわれる雪の精】
大首【雨上がりにとつぜんあらわれる笑う首】
魃・赤舌【日照りのときに出現する怪物】
鎌鼬【とつぜん鎌で切ったような傷を負わせる怪】
見越し入道【見上げれば見上げるだけ大きくなる坊主頭の巨人】
片輪車・輪入道・朧車【走りまわっては人々を恐れさせる車輪のお化け】
塗り壁・ノブスマ【夜道に立ちはだかり、人の行く手をさえぎる】
ずんべらぼう【顔に目も鼻も口もなく、人とおどろかす】
タテクリカエシ【山道ところがってくる目鼻手足のない奇妙な胴体】
釣瓶下し【木の上から急に下りてくる妖怪】
ミノ火【人里に出現する怪しい火】
ジャンジャン火・天火【怨霊が火となって飛びまわる】
夜行さん・首無し馬【首のない馬に乗って夜あらわれる】
泥田坊【「田んぼを返せ」と呼ぶ目一つの妖怪】
朱の盤【真っ赤な顔をした大皿の妖怪】
バタバタ・ベトベトさん【姿を見せずに音だけが聞こえる】
袖引き小僧【だれが引っ張るのか着物の袖】
そろばん坊主【そろばんをはじく音の正体】
手目坊主【手に目ができた坊主の執念】
一反木綿【空中を飛んで首に巻きつく白い布】
雷獣【雷といっしょに落ちてくる獣姿の怪物】
雨女【雨の降る日にあらわれる】
雨降小僧【傘をかぶった雨の神の召使】
小雨坊【修験道の霊地で物乞いする】

4 屋敷の妖怪
妖怪はいつあらわれるのだろうか 岩井宏實
化け猫【尻尾の先が二つに分かれて魔力をもつ古猫】
鼠【猫さえ食い殺すほどの力をもつ古鼠】
轆轤首【長くのびた首が空中を浮遊】
犬神【人間についてたたりをする犬の霊】
元興寺【毎晩、寺の鐘つき童子をおそう鬼】
ザシキワラシ【子どもの姿をした家の守り神】
油坊・油赤子・油返し【貴重な油を盗んだ者の亡霊】
垢なめ・天井なめ【風呂場の垢や天井をなめる不潔な妖怪】
枕返し【寝ているあいだに枕を動かす霊のいたずら】
恙虫・吉六虫・常元虫・お菊虫【虫の妖怪になった死者の魂】

●絵巻をよむ
稲生物怪録 稲生平太郎少年の妖怪退治
付喪神 道具の妖怪たち
装帧 佐藤大介(sato design.)
編集協力 小山茂樹・龍野真知子(有限会社ブックポケット)

銭神・金霊【天から降る金銀のふしぎ】
長壁【姫路城天守閣にすむ老婆】
加牟波理入道【便所に出現する大入道】
毛羽毛現【めったにお目にかかれない毛だらけの妖怪】
古庫裏婆【山寺の台所にすみついた老婆の妖怪】
目競【平清盛をにらんだ何千万もの骸骨の目】
小袖の手【着物に残った着ていた人のうらみ】
面癘鬼【古い面が化けて出た妖怪】
目目連【障子にできたたくさんの目】
二口女【二つの口でご飯を食べる】

妖怪は現代にもいるのだろうか 岩井宏實

索引
参考文献

岩井宏實 (監修)
出版社 : 河出書房新社; 普及版 (2020/1/21)、出典:出版社HP