レヴィット ミクロ経済学 基礎編

【スティーヴン レヴィットおすすめ本 – やばい経済学から最新ミクロ教科書まで】も確認する

気鋭の研究者レヴィットのミクロテキスト(基礎)

本書は、ミクロ経済学の中級テキストです。スティーブン・レヴィットとオースタン・グールズビー、チャド・サイヴァーソンが執筆し、邦訳された基礎編です。
数学の説明も詳しく記述されています。わかりやすい文章で書かれているため、理解しやすいのですが、ボリュームがあるため少し大変かもしれません。

ミクロ経済学のテキストの初級と中級とのギャップが大きいことを指摘し、数学が苦手だったレヴィットだから気づいたポイントや学生への配慮も含まれており、ミクロ経済学を学んでいる学生にとっては、役立つ部分があるでしょう。

また、ネット上で補論を公開しており、微分をどう使えばよいのかを知りたいときには、調べやすいでしょう。トピックを説明するための例も具体的で、全体的に理解しやすい仕組みを作っています。

スティーヴン・レヴィット (著), オースタン・グールズビー (著), チャド・サイヴァーソン (著), 安田 洋祐 (翻訳), 高遠 裕子 (翻訳)
出版社: 東洋経済新報社 (2017/4/21)、出典:出版社HP

オースタンから
何年も前に出会った憧れの少女に.結婚してくれてありがとう.

スティーヴンから
愛しの妻,ジェニーに.愛と感謝をこめて.

チャドから
妻のジェナと3人の子どもたち――クレア,アダム,ヴィクトリアに愛をこめて.

3人から
シカゴ大学に.そこは,ただ経済学を学ぶだけではなく,日々,実践する場である.シカゴ大学がなければ,経済学の世界もわれわれも,今とはまるで違っていただろう.

Original Title:
MICROECONOMICS
by Austan Goolsbee, Steven Levitt, and Chad Syverson

First published in the United States by Worth Publishers Copyright © 2013 by Worth Publishers
All rights reserved.

Japanese translation published by arrangement with Worth Publishers, a division of Bedford, Freeman and Worth Publishers LLC through The English Agency (Japan) LTD.

監訳者序文

ミクロ経済学に待望の中級テキストが刊行された! スティーヴン・レヴィット,オースタン・グールズビー,チャド・サイヴァーソンという,シカゴ大学が誇る三人のスター教授たちによるMicroeconomics (Worth Publishers, 2013)である.本書『レヴィット ミクロ経済学』はその邦訳で,原書が700ページ以上の大ボリュームのため,読者の使いやすさを配慮して基礎編と発展編の2冊に分けて刊行することにした.

『レヴィット ミクロ経済学』の最大の特徴は,初学者でもこれ一冊で「使えるミクロ経済学」がマスターできることにある.経済学の前提知識が無くても,独学で中級レベルのミクロ経済学の使い方をきちんと身につけることができるように,随所で工夫がされている.もちろん,初学者だけでなく,入門書では物足りない読者や中級テキストに挫折してしまった学生が,ミクロ経済学をきちんと学び直すのにもぴったりだ.ミクロ経済学の理論をビジネスに活かしたいと考えている社会人,ビジネススクールの学生にも強くお薦めしたい.

実は,ミクロ経済学の分野では,定評ある初級の入門書はすでに何冊も出版されている.特に,洋書はどれも記述が丁寧で,マンキュー,スティグリッツ,クルーグマンなどに代表されるように,文字どおりゼロから学べるテキストが充実している.こうした良書の共通点は,ほとんど数式を使わず,身近なケースをたくさん用いて,鍵となる考え方を繰り返しわかりやすく説明していることにある.しかし,本書と同じ中級レベルのテキストになると,途端に理論重視で無味乾燥な内容になり,詳しい説明もなく,数式や小難しい(ように見える)概念が次から次へと出てくることが珍しくない,さらに,そこで登場する数理的なテクニックが,どのような形で経済学の実践に役に立つのかを示す,具体的な実例が紹介されることもほとんどない.これでは,苦労してまで中級レベルの内容を勉強しようとするモチベーションが湧きにくいだろうし,せっかくコアとなる理論を身につけても宝の持ち腐れになってしまう事例が豊富で数式がほとんどない初級テキストと,数式ばかりで事例のない中級テキストとのギャップを埋めるテキストが,長らく求められていたのである.

本書は,まさにこの初級と中級のギャップを埋める,画期的な中級テキストとなっている.類書でほとんど触れられていない,現実の事例や理論の使い方については,「理論とデータ」「応用」のセクションで,様々な実証研究やデータなどを取り上げることでカバーしている.さらに「ヤバい経済学」のセクションがあるおかげで,常識はずれな経済学の活用法を知ることができると同時に読み物としても楽しめる,というのも他のテキストにはない大きな魅力だろう.では,中級テキスト最大の泣きどころとも言える,数学の多用についてはどうだろうか,残念ながら,入門から一歩進んだ本格的なミクロ経済学をマスターするためには,数式やグラフの理解は欠かすことができない,なぜかと言うと,入門書でおなじみの「言葉による説明」だけでは,内容が漠然としすぎていて,具体的な個々の問題に対して答えを導くことが難しいからだ,そのため,本文をパラパラと眺めれば明らかなように,本書でも数式やグラフはかなり頻繁に登場する.ただし,式の展開やグラフの意味などが懇切丁寧に説明されているので,数学が苦手な人でも心配することはない,途中のプロセスを一切省略することなく,ここまで細かく手を抜かずに,数学について解説した経済学の中級テキストはなかなかない.この非常に丁寧でわかりやすい数学の説明の仕方こそが,独学で「使えるミクロ経済学」の修得を可能にする,本書最大のカラクリと言えるだろう.

余談ではあるが,数式を使いながらわかりやすさも損なわず,「かゆいところに手が届く」書き方になっている要因は,著者の一人であるスティーヴン・レヴィット教授が学生時代に数学を苦手としていたからではないだろうか.彼の代表作『ヤバい経済学(増補改訂版)』によると,大学時代に一つしか数学の授業を取らなかったレヴィットは,MIT (マサチューセッツ工科大学)博士課程の最初の授業で隣に座った学生に,学部レベルで知っておくべき初歩的な数式の記号の意味を聞いて周囲を驚かせたらしい.当時のクラスメートで本書の共著者でもあるオースタン・グールズビー教授によると,周りは彼を見限り「あいつ,おしまいだな」などと囃していたという(そこからレヴィットは独自の道を切り開き,ノーベル賞の登竜門と言われるジョン・ベイツ・クラーク賞を受賞するほどのスター経済学者となるのだから,人生は面白い!),自身の体験を通じて,数学の苦手な学生がどこでつまずくのかを熟知していたレヴィット教授だからこそ,先回りして,読者のかゆいところに手を差し伸べることができたのかもしれない.

さて,本書『レヴィット ミクロ経済学』は,昨年すでに原書の第2版が刊行されている.新版では新たに「第13章 要素市場」が追加されたほか,細かいアップデートが行われた.ただし,この第13章は,初版の第5章の一部の内容を移して1章分に拡張したものであり,見た目ほど大きな変更ではない,書籍全体を通じて,初版から大きく内容が変わっている点も特に見当たらない.なお,原文の意味や説明がわかりにくいところは,訳出の際に,こちらで読みやすいように少しだけ修正を加えてある.最新版の邦訳でないことを気にされる方がいるかもしれないが,ぜひ安心して本書を読み進めていただきたい.

最後に,本書の翻訳作業を引き受けてくださった翻訳家の高遠裕子氏と,編集作業でお世話になった東洋経済新報社の矢作知子氏に感謝したい,お二人のお陰で,中級レベルであるにもかかわらず,非常に読みやすいテキストとして本書を完成させることができた.高遠氏による,堅苦しさを感じない自然な日本語で訳出された『レヴィット ミクロ経済学』を手に,ぜひ一人でも多くの方に「使えるミクロ経済学」のマスターを目指してもらいたい.本書を読了すれば,きっと世界が今までとは違うように見えるはず!

2017年3月
大阪大学大学院経済学研究科准教授 安田 洋祐

スティーヴン・レヴィット (著), オースタン・グールズビー (著), チャド・サイヴァーソン (著), 安田 洋祐 (翻訳), 高遠 裕子 (翻訳)
出版社: 東洋経済新報社 (2017/4/21)、出典:出版社HP

序文

ミクロ経済学は経済学の根幹を成すもので,経済学のあらゆる学派・分野に共通する基本的な知識で構成されている.ミクロ経済学はすこぶる役に立つものでもあって,企業や政府,そして個人が効率的な意思決定をするのに欠かせないツールを提供してくれる.ミクロ経済学の厳密性と有用性は,必ずや学生を惹きつけ,わくわくさせるはずであり,教科書はそれを後押しするものでなければならない,とわれわれは考えている.

なぜ本書なのか

本書の執筆にあたって目指したことが1つある.学生1人ひとりが,経済学の原理を学ぶだけにとどまらず,経済学者のように経済分析ツールを使いこなし,現実社会に応用できるようになってもらいたい,そのための手助けをしたいのだ.

われわれは中級ミクロ経済学の主要な教科書に目を通したうえで,それらとは違うものをつくりたいと考えた.現在主流の教科書は,学生がミクロ経済学に対して抱いている2つの疑問に答えられていない.すなわち,個人や企業は理論どおりに行動しているのか,そもそもミクロ経済学の理論は現実に使えるのか,という疑問である.これらの疑問に対する答えを本書で探っていく順番にみていこう.

個人や企業は理論どおりに行動しているか

ミクロ経済学の既存の教科書は,どれも標準的なツールと経済学の理論を提示し,事例を紹介している.だが,学生の素朴な疑問に答えることはなく,理論は正しいと頭から信じることを学生に期待している.理論が具体的にどう現実に応用できるのかが必ずしも効果的に示されていないのである.

さらに,現在主流の教科書は,応用ミクロ経済学の分野で急速に存在感を高めている実証研究に十分に追いついていない,理論を説明するだけでなく,その活用法を示し,それを支える現実のデータを提供するミクロ経済学の教科書があれば,学部やビジネススクールの学生も納得するのではないだろうか.われわれは,「理論とデータ」や「応用」のセクションを通じて,経済学者が現実のデータをどう活用して理論を検証しているかに注目しながら,理論の背後にある現実に迫っていく.本書では,こうした実証的側面を取り入れることによって,ミクロ経済理論で現実の行動を説明できることをしばしば意外な形で示し,理論のどの部分を修正する必要があるかをあきらかにする.

ミクロ経済学は現実に使えるのか

中級ミクロ経済学といえば抽象的で理論的なものである,といった見方が幅を利かせている.学生にはかなりの努力が求められるので,自分たちが学ぶことがなぜ役に立つのか,どう役に立つのかを知っておいてしかるべきだろう.それがわかっていないと,学ぶ意欲も湧いてこないというものだ.

ミクロ経済学の既存の教科書では,役に立つかどうかは二の次になっているが,われわれは「使える経済学」の教科書を書きたいと考えた,正しく使えば,経済学はすこぶる役に立つ学問である.ビジネスに役立つのはもちろん,政策に生かすこともできるし,日常生活でも使うことができる.本書は,ミクロ経済学の理論と研究で,日常の出来事や市場の性格,企業戦略,政府の政策がどう説明できるのかをあきらかにすることで,ツールを身につけ,使いこなす方法を教示していく.

もう1つ言っておくべきことがある,理論と現実を結びつけ,ミクロ経済学がいかに使えるかを示すという目標も,不完全で不正確な説明や,曖昧で退屈で味気ない書き方では叶えられない.われわれは,経済学的に考えることがいかに優美かつ強力で,役に立ち,現実に使えるかをわかりやすく伝えるため,現在進行形の目立つ実例,時に奇抜とも思える実例を取り上げ,明確な文体で記述するという方法をとるよう心がけた(奇抜な実例の一部は,スティーヴン・レヴィットが担当した「ヤバい経済学」というコラムに収めてある).

われわれ共著者のこと

われわれ三人は長年の友人である.中級ミクロ経済学の教科書を共同で執筆すると決めたとき,重要かつ実際的で多様な見方を持ち込みたいと考えた,三人はそれぞれ経済学部とビジネススクールで教えるかたわら,ミクロ経済学の実証研究に積極的に取り組んでいる.実証研究のさまざまな分野に軸足を置いていることで,過去20年間に検証され,洗練されてきた基本的な理論の根拠を示すことができる.教育と研究の成果を盛り込んだ本書の理論と応用は,他の教科書とは一線を画すものになったと自負している.

学部やビジネススクールで教える利点は他にもある.われわれが相手にしているのは,高い授業料に見合わない講義には容赦のない学生である.前述のように,学生は理論がどう使えるかを知りたがっている.われわれはこうした学生を念頭に本書を執筆した.

ミクロ経済理論をどう現実に結びつけるか

入念に検討された本書の構成に沿って学習を進めていけば,経済学の基本原理を理解し,それを応用して強力で明快な経済分析ツールを使いこなせるようになる.とくに事例の選択には時間をかけ,ごく一般的な事象に独自の視点を提供する事例や,学生にとって有意義かつタイムリーで広く関心のある事例を選ぶよう心がけた.

以下の3つのセクションでは,ミクロ経済学の理論を現実に結びつけ,目の前の現象を理解するうえで理論がいかに有用であるかを示す.

1. 理論とデータでは,経済研究を簡潔に紹介し,実例を用いて理論の背後にある現実をあき
らかにする.データの収集・分析が容易になった結果,ミクロ経済学では急激な変化が起きている.現在,ミクロ経済学の主要な研究では,ミクロ経済理論の根本は押さえつつ,データ,フィールドないし研究室での実験,そして実証に重きが置かれている.理論はつねに検証されるものだが,本書ではその成果を紹介する.

具体的には,以下のような事例を取り上げる.ゴルファーの後方屈折型労働供給曲線(第5章),新薬の潜在市場を決定する(第9章),サウスウエスト航空参入の脅威に対する既存の航空会社の反応(第12章),盗難車追跡システムの正の外部性(第16章).

2. 応用は各章に配され,消費者や生産者がミクロ経済理論を実際の意思決定に生かす方法を論じる.さまざまな出所のデータを活用しながら,理論をどう生かすかを示していく.
以下のような事例を取り上げる.ミクロ経済学を学んで賢くネットオークション(第1章),米国製造業の技術変化(第6章),映画会社は赤字確実の映画をなぜつくるのか(第7章),市場支配力なしに価格差別はできないと思い知らされたプライスライン(第10章),サッカーの混合戦略(第12章).

3. ヤバい経済学軽い読み物の「ヤバい経済学」は,一般的な事象だけでなく,経済学の範疇に入らないとされる事象も経済的に分析できることを意外な形で示す.経済的センスを身につけてもらうのが,その狙いだ.単行本の『ヤバい経済学』〔スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナーの共著,望月衛訳,増補改訂版,東洋経済新報社,2007年)で,経済学とは身のまわりのあらゆる事象を扱う学問であることを示したが,本書の『ヤバい経済学』のエッセイを読めば,常識はずれの出来事を理解するのにもミクロ経済理論が使えることがわかるだろう.
以下のような事例を取り上げる,トーマス・スウェイツのトースター(第1章),動物もセールがお好き(第5章),インドの漁師が携帯電話を手放せないわけ(第6章),シークレットではなかったヴィクトリア・シークレットの価格差別(第10章),文字どおり世界の果てで経済理論を検証する(第17章).

ミクロ経済学をわかりやすく学ぶための工夫

経済学の教科書のわかりやすさには2つの要素が求められるが,本書はどちらも取り入れるよう工夫した.

■第1に,議論の厳密性や深さを損なうことなく,読みやすくわかりやすい文章を書くよう心がけた.強力で高度な理論だからといって,抽象的で乾いた文体で書いたり,難解な言葉を使ったりする必要はない.
■平易な文章でわかりやすく説明するのと同じくらい重要なのが,わかりやすいグラフで視覚に訴えることだ.カラーを使い,簡潔に表示し,詳しい解説をつけることで,文章による説明を補い,より深く理解できるように配慮した.

ミクロ経済学への理解を深めてもらうための工夫

中級ミクロ経済学は難易度が高く,理論をしっかり頭に入れ,さまざまな状況に応用するのは簡単ではないが,以下の練習問題やエッセイが参考になるはずだ.

1. 練習問題「解いてみよう」 閲読者やフォーカス・グループの参加者,試験的に講義を行った教師から繰り返し聞かされたのは,学生は学んだ知識をどう生かして問題を解けばいいかがわからない,という声だった.各章の本文中に,「解いてみよう」と題する練習問題を設けた.これらの細かい練習問題を粘り強く最後まで解いていけば,経済学のツールや分析を駆使して1つの問題を考え抜き,答えを導き出すプロセスをたどることができる.解答では,問題で何が求められているのかを正確に分析し,必要なツールを見極め,それらのツールを使って段階的に正解にたどり着く模範例を示した,「解いてみよう」の問題は,各章末の演習問題と関連づけられており,これを解いておけば,章末の演習問題はもちろん,小テストや試験にも十分対応できるようになる.

2. エッセイ「これで合格」は,学生が陥りやすい落とし穴を指摘し,ミクロ経済理論の微妙でむずかしい点をうまく切り抜ける助けになるものだ宿題やテストでよく出されるトピックについての実用的なアドバイスになっている.具体例としては,所得効果,代替効果に関して覚えておくべきシンプルなルール(第5章),これは価格差別と言えるのか(第10章),チェックの方法(第12章)などがある.

3. 章末の「まとめ」と「問題」各章のおわりには,その章で学んだことを振り返り,身に
つくように「まとめ」,「復習問題」,「演習問題」を配した.すべての復習問題と一部の演習問題の解答は巻末に掲載しており,解答のある問題には*印をつけている〔本訳書では省略. https://store.toyokeizai.net/books/9784492314951に掲載予定〕.
本文中の「解いてみよう」と演習問題との関連性にも注意を払った,「解いてみよう」をしっかりやっておけば,演習問題は難なく解けるはずだ.それぞれの問題が,その章で扱った範囲の理解度を試すものになっているかどうか,大学の教師に徹底的に点検してもらったことを付け加えておきたい.

数学をどう扱うか

数学は経済分析の強力なツールであり,学生にはこれを自在に使いこなせるようにスキルを身につけてもらいたい.多様な学生の要請に応えて,各自にあった数学のスキルを生かし経済分析ができるよう後押しする教科書をつくったつもりだ.本書は幅広い用途に応じたものであり,副教材と併用すれば,標準的な代数と幾何だけを使う学習と,微分を取り入れた学習のどちらも可能である.

わかりやすい文章とグラフには,簡潔かつ網羅的で順を追った説明がつけてある.数式の各段階でなぜ,どうしてそうなるかが懇切丁寧に説明してあり,数学が苦手な学生にも,数式を使いこなせれば経済分析が容易になることがわかってもらえるはずだ.本文中では代数と幾何しか使っていないが,補論とネット上に公開している補論で微分を解説することで,理論や練習問題,応用に微分を取り入れることが可能になっている.

微分を使う読者へ

ミクロ経済学の一部のツールは微分を取り入れると使い勝手がよくなるため,「使える」教科書をつくるにあたって,ある程度,微分を採用することにした.どの程度取り入れるかどう提示するかがむずかしい点だった.講義で微分を使っている教師と話し合うなかで,既存の教科書での微分の扱われ方に不満が多いことがわかった.理由はさまざまで,扱いが多すぎる,あるいは少なすぎるといったものから,微分が前面に出すぎて経済学そのものがわかりにくくなっているとか,微分を経済理論に取り込みすぎている,あるいは微分と経済理論がしっくり馴染んでいないといった不満もあった.本書の方向性を決めるうえで,微分の扱いをどうするかはむずかしい課題の1つだった.最終的にたどり着いた答えは,多くの人にとって「ちょうどいい」ものになったと自負している.

微分は「補論」として扱うことにしたが,本文と同様に語りかけるような文体で直観に訴える書き方を心がけた,補論でも事例を取り上げ,「解いてみよう」の問題を収録しているが,これらは,代数をもとにした本文中のものとほぼ同じである.そうすることで,微分を使った分析が代数を使った分析を補強するものであることを示す.学んだことを実際に試して身につけてもらうために,補論には微分を使わなければ解けない問題を収録してある.適度に微分を使う講義向けに,別に本書では5つの補論を用意したより広範に微分を活用したい読者には,別にネット上で10の補論を公開している.

本文の記述と補論の記述を関連づけるために,本文に「注」をつけている.この注は,適切な補論を参照するよう注意を促し,概念を理解するために微分をどう使えばいいのか具体的に説明したものである.この注を読んで微分に慣れ,使いこなせるようになってもらいたい.

以下は,本書またはネット上で公開している補論のリストである.ネット上の補論はすべて以下のサイトで閲覧できる.
http://macmillanhighered.com/launchpad/gls2e.

スティーヴン・レヴィット (著), オースタン・グールズビー (著), チャド・サイヴァーソン (著), 安田 洋祐 (翻訳), 高遠 裕子 (翻訳)
出版社: 東洋経済新報社 (2017/4/21)、出典:出版社HP

本書に収録されている微分に関する補論

第4章 効用最大化および支出最小化の微分
第5章 所得効果および代替効果の微分
第6章 費用最小化の微分
第7章 企業の費用構造の微分
第9章 利潤最大化の微分

ネット上で公開している微分に関する補論〔英語のみ〕
第2章 均衡と弾力性の微分
第3章 消費者余剰と生産者余剰の微分
第4章 効用関数の微分
第5章 需要の微分
第6章 生産関数と投入需要の微分
第7章 企業の費用構造拡大の微分
第8章 長期競争均衡の微分
第10章 価格戦略の微分
第11章 クールノー競争と差別化されたベルトラン競争の均衡の微分
第12章 ゲーム理論の混合戦略の数学

数学の復習の補論
基礎的な代数であれ微分であれ,中級ミクロ経済学を学ぶほとんどの学生にとって,数学の復習は役に立つはずだ.巻末につけた補論(本訳書では省略]では,本書全体をとおして使われる数学をおさらいできるようになっている.

本書の構成(各章の概要)

以下では,とくに注目されるテーマや他の教科書とは異なる点をあげながら,各章の概要を説明していこう.第1章から第11章までが本書の核心部分であり,ほとんどの教師が講義で使うことになるだろう,残りの第12章から第17章までは,それぞれ個別に活用することができる.

【第1部 基礎概念】
第1章 ミクロ経済学の冒険
冒頭には,導入部として短い章を配した.ミクロ経済学に興味と関心を持ってもらうために,身近な飲料であるコーヒーを取り上げ,コーヒー豆を栽培する生産者とコーヒーを購入する消費者の立場から市場について考える.「応用」,「理論とデータ」の各セクションと,コラムの「ヤバい経済学」を通して,ミクロ経済学のツールが,経済学やビジネスを学ぶうえだけでなく,日常生活においてもすこぶる役に立つものであることをあきらかにする.

第2章 需要と供給 第2章と第3章では,需要と供給を深く掘り下げることで,しっかりとした土台をつくる.そのうえで消費者行動と生産者行動をみていく,需要・供給モデルは単純ながら強力なモデルであり,既存の教科書では基本的なモデルを提示し,応用は別に論じられるのが一般的であるだが,最初にモデルのあらゆる側面を提示するほうが理に適っていると考えられる.われわれは(そして,試験的に本書を使った人たちは),この方法を講義に取り入れて成果をあげている.
第2章ではまず,需要と供給の基本的なモデルを示す.特筆すべきは,「需要・供給モデルを支える主な仮定」の小節であり,ミクロ経済理論を構築し,説明するうえでの留意点を具体的に示している.

第3章 需要と供給のツールを使って市場を分析する 第3章では,需要・供給モデルを活用して,消費者余剰および生産者余剰,価格規制および数量規制,税金および補助金などを幅広く分析する.これらの概念を早いうちに紹介し,より完璧な説明をしておけば,コース全体をとおして無理なく活用できると考えられる.第3章で取り上げるトピックは融通がきくように挿入されているので,必ずしもすべてに目を通す必要はない.自分で選択してもらいたい.
【第2部 消費と生産】
第4章 消費者行動 膨大な数の商品やサービスが手に入るとき,何をどれだけ消費するかを消費者はどうやって決めているのだろうか,決定的に重要な本章では,まず一節を設けて,消費者行動に関する想定を明確に打ち出す.現場の教師が試した結果,学生にとってこの方法がきわめて効果的であることが明らかになっている.本章では,効用理論や消費者の予算制約といった概念も,明快だが厳密な形で紹介する.

第5章 個人の需要と市場の需要
本章では,消費者の選好から市場の需要曲線を導出する方法を示す.5.3節の「価格変化に対する消費者の需要量の変化を,所得効果と代替効果に分解する」では,学生がむずかしいと感じることの多いこのテーマを,細心の注意を払いながら説明していく,豊富な応用事例を示し,避けるべき落とし穴を論じることで,このテーマが身近で興味深いものになる.
第6章 生産者行動 どの投入物をどう組み合わせて生産するのか,企業はどのように決めているのだろうか.また,この決定が生産費用にどう影響しているのだろうか.本章では,消費者の章と同じように,最初に「企業の生産行動に関する単純化した想定」を明確に打ち出す.章の後半では,一節をまるまる使って,企業の長期的な生産性に技術変化が果たす役割について論じる.学生にとっては,いくつもの応用事例が「生きた教材」になる.(「ヤバい経済学」のコラムでは,携帯電話によってインドの漁師の生産者行動がいかに変わったかを取り上
げている).

第7章 費用 費用曲線は,企業の生産水準に応じて費用が変化する様子を描いたものであり,市場の供給曲線を導出するうえで重要である.機会費用とサンクコスト(埋没費用)はわかりづらい概念なので,冒頭でこれらの概念の区別と意思決定に果たすそれぞれの役割について丁度に説明する.スポーツジムの会員の種別と利用頻度の関係,映画会社が赤字覚悟で映画を制作する理由など,本章で取り上げる実例は学生にとって身近な話題であり,わかりづらいとされる概念への理解が深まるはずだ.

【第3部 市場と価格】
第8章 競争市場における供給 本章から市場構造に関する記述が始まる.競争市場がどのように機能しているかを説明するため,テキサス州の電力業界,マサチューセッツ州ボストンやノースダコタ州ファーゴの住宅市場など,現実の産業を取り上げる.事業から撤退すべきか否かの判断は,学生が混乱しやすいトピックであるが,これを注意深く明快に,粘り強く説明していく.

第9章 市場の支配力と独占 本章ではまず,市場支配力の源泉と,こうした支配力が企業の生産と価格決定に与える影響について包括的に論じる市場支配力を持つ企業が利潤を最大化する決定に至るプロセスを3段階に分けて考えることで,理解しやすくなる.マシュマロ製造のダーキー・ムーアやソーダ製造のドクター・ブラウンなど,独占に近い企業を例にして,独占的市場支配力の概念を現実に即して考える.また,サウスウエスト航空が運賃を引き下げて路線を拡大した例など,豊富な事例を取り上げることで,学生の興味をさらに引くものになっている.

第10章 市場の支配力と価格戦略 本章はきわめて現実に近く,有用な章であり,とくに企業で働いている人たちに訴えるはずである.企業が価格支配力を活用できる多様な状況を包括的に取り上げ,それぞれの状況で有効な価格戦略を明快に論じる.学生にとってとりわけ有用なのが,図10.1の「価格戦略の概観」と,「活用できる場合」と題した教育的な項目であり,価格戦略を有効に活用するために,市場や顧客について企業が最初に把握すべきことを説明している.

第11章 不完全競争 本章では,寡占企業および独占的競争企業に注目する.これらの企業は,完全競争企業や独占企業とは異なり,利潤を最大化しようとする競争相手の行動や戦略を考慮しなければならない.さまざまな不完全競争モデルを理解してもらうため,各節の冒頭で「モデルの想定」を設け,モデルにあてはまる条件を列挙している.

第12章 ゲーム理論 ゲーム理論のツールは,企業間の戦略的相互作用を説明し,市場への影響を予測するために活用される.本書ではチェック法を使ってゲームを単純化し,ナッシュ均衡と支配/被支配戦略が一目でわかるようにしているので,ゲーム理論の分析は理解しやすいはずだ.サッカーのペナルティーキックにはじまり,有名人のワインづくり,航空会社の新規参入への対応,映画の「博士の異常な愛情」にいたるまで豊富な話題は,ゲーム理論がビジネスだけでなく日常の意思決定に役立つことを示している.

【第4部 基礎から応用へ】
第13章 投資,時間,保険 長期のリスクや不確実性の役割を理解すると,個人や企業は,投資や保険についてより良い経済判断ができるようになる.企業や消費者が日々直面する多くの意思決定において,現在費用,将来価値,時間,不確実性が大きな役割を果たしていることを明確に論じる.これらのテーマを1つの章にまとめて簡潔に論じている点が,本書の閲読者に高く評価された.

第14章 一般均衡 本章では,一国の経済が効率的に機能するための条件について分析する.一般均衡の概念は,需要・供給の枠組みの延長線上で直観的に説明できる.具体例として,教員の質の低下や,住宅市場と労働市場の相互作用を取り上げる交換,投入,生産効率の関係についても説明をくわえ,それらを厚生経済学の定理につなげる.

第15章 情報の非対称性 これまでの章で市場が効率的に機能するのに必要な条件をみたのに続いて,本章では市場が効率的に機能しない状況に注目する.本章では,取引の関係者問で情報が等しく共有されない場合に,市場が歪むことをあきらかにする.ここでも自動車保険から不動産取引,海賊に至るまで幅広い事例を取り上げることで,ミクロ経済学で学ぶ概念が生活のさまざまな分野で役立つことを示していく.

第16章 外部性と公共財 本章でも引き続き市場の失敗を考察する.取引が買い手でも売り手でもない人々に影響を与える場合,市場に何が起きるのか,逆に,ある財の便益が同時に多くの人々に共有される場合,何が起きるのかに注目する.本章を読めば,なぜ外部性が起きるのか,どうすれば解決できるのかがわかるはずだ(排出権取引やコースの定理について取り上げている).公共財に関する記述では,消防署の建設が火災を誘発しかねない理由をあきらかにする.

第17章 行動経済学と実験経済学 近年の行動経済学の台頭は,従来のミクロ経済学に疑問を投げかけている.行動経済学は,人間が既存の理論どおりに行動しないのではないかと考えている.この疑問に関して,中級ミクロ経済学の教科書はむずかしい立場に置かれる.行動経済学を信奉すれば,教科書で学んだ手法を軽視することになりかねないからだ.
行動経済学について述べた本章では,不合理な世界で合理的に考える方法を示す.誰かが経済的に不合理な決定をすれば,他の市場参加者はその不合理に乗じて自分に有利になるよう行動する(どういう状況で間違いを犯しやすいかを示す).

閲読者への謝辞

下記の本書の閲読者,フォーカス・グループの参加者,その他のコンサルタントの提言やアドバイスに感謝する〔氏名のアルファベット順〕.

Senyo Adjibolosoo, Point Loma Nazarene University
David Anderson, Centre College
Anthony Andrews, Governors State University
Georgeanne Artz, Iowa State University
Kevin Beckwith, Salem State University
Scott Benson, Idaho State University
Tibor Besedes, Georgia Institute of Technology
Volodymyr Bilotkach, Newcastle University
David Black, University of Delaware
Victor Brajer, California State University-Fullerton
John Brock, University of Colorado Colorado Springs
Keith Brouhle, Grinnell College
Bruce Brown, California State Polytechnic University-Pomona
Byron Brown, Michigan State University
Donald Bumpass, Sam Houston State University
Paul Byrne, Washburn University
Benjamin Campbell, The Ohio State University
Bolong Cao, Ohio University
Shawn Carter, Jacksonville State University
Fwu-Ranq Chang, Indiana University-Bloomington
Joni Charles, Texas State University-San Marcos
Ron Cheung, Oberlin College
Marcelo Clerici-Arias, Stanford University
John Crooker, University of Central Missouri
Carl Davidson, Michigan State University
Harold Elder, University of Alabama
Tisha Emerson, Baylor University
Michael Enz, Framingham State University
Brent Evans, Mississippi State University
Haldun Evrenk, Boston University
Li Feng, Texas State University
Chris Ferguson, University of Wisconsin-Stout
Gary Fournier, Florida State University
Craig Gallet, California State University-Sacramento
Linda Ghent, Eastern Illinois University
Alex Gialanella, Manhattanville College
Lisa Giddings, University of Wisconsin-La Crosse
Kirk Gifford, Brigham Young University
Darrell Glaser, United States Naval Academy
Tuncer Gocmen, Shepherd University
Jacob Goldston, University of South Carolina
Julie Gonzalez, University of California Santa Cruz
Darren Grant, Sam Houston State University
Chiara Gratton-Lavoie, California State University-Fullerton
Thomas Grennes, North Carolina State University
Philip Grossman, Monash University
Steffen Habermalz, Northwestern University
Jennifer Hafer, University of Arkansas
James Halteman, Wheaton College
David Hammes, University of Hawaii at Hilo
Mehdi Haririan, Bloomsburg University
Daniel J. Henderson, University of Alabama
Paul Hettler, California University of Pennsylvania
Tia Hilmer, San Diego State University
Gary Hoover, University of Alabama
Jack Hou, California State University-Long Beach
Greg Hunter, California State University-Pomona
Christos A. loannou, University of Southampton
Miren Ivankovic, Anderson University
Olena Ivus, Queen’s University
Michael Jerison, State University of New York-Albany
Bruce K. Johnson, Centre College
Daniel Johnson, Colorado College
Leo Kahane, Providence College
Raja Kali, University of Arkansas
Pari Kasliwal, California State University-Long Beach
John W. Keating, University of Kansas
Russell Kellogg, University of Colorado Denver
Chris Kennedy, George Mason University
Rashid Khan, McMaster University
Vasilios D. Kosteas, Cleveland State University
Carsten Lange, California State Polytechnic University, Pomona
Jeffrey Larrimore, Georgetown University
Sang Lee, Southeastern Louisiana University
Daniel Lin, American University
Qihong Liu, University of Oklahoma
Jeffrey Livingston, Bentley University
Kristina Lybecker, Colorado College
Guangyu Ma, State University of New York-Buffalo
Teny Maghakian, University of California-Merced
Arindam Mandal, Siena College
Justin Marion, University of California Santa Cruz
Timothy Mathews, Kennesaw State University
Ata Mazaheri, University of Toronto-Scarborough
John McArthur, Wofford College
Naranchimeg Mijid, Central Connecticut State University
Lijia Mo, Kansas State University
Myra Moore, University of Georgia
Tamah Morant, North Carolina State University
Thayer Morrill, North Carolina State University
Felix Munoz Garcia, Washington State University
Kathryn Nantz, Fairfield University
Pascal Ngoboka, University of Wisconsin-River Falls
Hong V. Nguyen, University of Scranton
Michael Nieswiadomy, University of North Texas
Matthew J. Notowidigdo, The University of Chicago
Constantin Ogloblin, Georgia Southern University
Alex Olbrecht, Ramapo College of New Jersey
Heather O’Neill, Ursinus College
June O’Neill, Baruch College, City University of New York
Patrick O’Neill, University of North Dakota
Alexei Orlov, Radford University
Lydia Ortega, San Jose State University
Emily Oster, The University of Chicago
Orgul Ozturk, University of South Carolina
Alexandre Padilla, Metropolitan State University of Denver
James Payne, University of South Florida
Anita Alves Pena, Colorado State University
Marie Petkus, Centre College
Jeremy Petranka, University of North Carolina-Chapel Hill
Barry Pfitzner, Randolph-Macon College
Brennan Platt, Brigham Young University
James Prieger, Pepperdine University
Samuel Raisanen, Central Michigan University
Rati Ram, Illinois State University
Ryan Ratcliff, University of San Diego
Marie Rekkas, Simon Fraser University
Michael Reksulak, Georgia Southern University
Malcolm Robinson, Thomas More College
Juliette Roddy, University of Michigan-Dearborn
Brian Rosario, American River College
Nicholas Rupp, East Carolina University
Robert Rycroft, University of Mary Washington
Shane Sanders, Western Illinois University
Sudipta Sarangi, Louisiana State University
Tom Scheiding, Cardinal Stritch University
Helen Schneider, University of Texas-Austin
Barbara Schone, Georgetown University
Kathleen Segerson, University of Connecticut
Quazi Shahriar, San Diego State University
Carl Shapiro, University of California-Berkeley
Alexandre Skiba, University of Wyoming
Rachael Small, University of Colorado at Boulder
Christy Spivey, University of Texas-Arlington
Kevin Stange, University of Michigan
Lee Stone, State University of New York-Geneseo
David Switzer, St. Cloud State University
Ellen Szarleta, Indiana University-Northwest
Kerry Tan, Loyola University Maryland
Gwendolyn Tedeschi, Manhattan College
Jeremy Thornton, Samford University
Irene Trela, Western University
Regina Trevino, Loyola University-Chicago
Brian Trinque, University of Texas-Austin
Victoria Umanskaya, University of California-Riverside
Michael Vaney, University of British Columbia
Jennifer VanGilder, Ursinus College
Jose Vazquez, University of Illinois at Urbana-Champaign
Annie Voy, Gonzaga University
Bhavneet Walia, Western Illinois University
Joann M. Weiner, The George Washington University
Jeanne Wendel, University of Nevada-Reno
Benjamin Widner, New Mexico State University
Keith Willet, Oklahoma State University
Beth Wilson, Humboldt State University
Catherine Wolfram, University of California-Berkeley
Peter Wui, University of Arkansas-Pine Bluff
Erik Zemljic, Kent State University

スティーヴン・レヴィット (著), オースタン・グールズビー (著), チャド・サイヴァーソン (著), 安田 洋祐 (翻訳), 高遠 裕子 (翻訳)
出版社: 東洋経済新報社 (2017/4/21)、出典:出版社HP

学術面での助言者への謝辞

Linda Ghent (Eastern Illinois University) には大変お世話になった.彼女は,学術面での エディターであり,優秀なエコノミストであり,天性の教師でもある.文章から構成,図表にいたるまで,本書のかなりの部分に彼女の意見が反映されている.着想を得てから最終的に本として完成するまで,良い教科書にしようと献身的に協力してくれた.彼女の助言は何物にも代えがたく,共同作業をするのは本当に楽しかった.

Alan Grant (Baker College)は章末の問題を作成してくれた.本文の内容を問うだけでなく,理解を深めてくれる問題になっている. Scott Houser (Colorado School of Mines)と Anita Pena (Colorado State University)は微分の項目を整え, Skip Crooker と Kristina Lybeckerと共に,本書を幅広い教員や学生に役立つものにするために多くの手助けをしてくれ
た.

先がなかなか見通せないとき,頼れる人たちがいて,積極的に関わり貴重なアドバイスをく れたのは幸運だった. Tibor Besedes (Georgia Institute of Technology) , Lisa Giddings (University of Wisconsin-La Crosse) , Alan Grant (Baker College), Scott Houser (Colorado School of Mines) , Kristina Lybecker (Colorado College), Naranchimeg Mijid (Central Connecticut State University), Kathryn Nantz (Fairfield University) , Anita Alves Pena (Colorad State University) , Jeremy Petranka (University of North Carolina-Chapel Hill) , Sudipta Sarangi (Louisiana State University), Jennifer VanGilder (Ursinus College), Annie Voy (Gongaza University) の各氏に感謝申し上げる.

草稿段階の本書をいち早く使ってくれた, Lisa GiddingsとAnnie Voyの受講者にはとくに感謝している.本書の核となる章には,彼らの経験が生かされている.

鷹の目のような鋭さで本書全体をチェックしてくれたMichael Reksulak (Georgia Southern University)にはとくに御礼申し上げたい,細部にまで行き届いた仕事のおかげで,文章が整い,読みやすくなり,理解しやすくなった.Michaelは800メートル先のタイプミスでも見つけられる,誰もがその恩恵を受けている.

出版関係者への謝辞

本書が形になるまで多大な尽力をしてくれた,クリエイティブな人々に大いに感謝したい. 何年も前に著者の1人であるAustanのドアをノックし,道筋をつけてくれたのは,当時ワー ス(Worth)社の経済学担当編集者だったCraig Bleyerだ.Craigは,経営陣のElizabeth Widdicombe, Catherine Woodsの支持を得て,本書のための専門チームを組んでくれた. Craigが別の部署に移ると,後を引き継いだCharles Linsmeieは,編集者として考え抜いたう えで方向性を示し,全体を見通すために必要な手助けをしてくれた.

チームのメンバーは,それぞれにユニークな才能と視点を提供してくれた.ワース社の有能 で実績のある経済学担当エディターのSarah Dorgerは,高い専門性と並々ならぬ情熱をもって本書の進行を管理してくれた.3人の著者と編集者や閲読者,コンサルタントらと何度もやり取りを繰り返し,練り上げていくなかで,彼女の大車輪の活躍と常人にはない忍耐があったから こそ,脱線せずにまとめあげることができた.

制作エディターのJane Tuftsは,これまで経済学の代表的な教科書の編集をいくつか手掛けている.本書のすべての要素,すべてのページに,彼女のクリエイティビティが生かされている.学生の気持ちを本当の意味で理解し,学生の立場に立って原稿を読めるという比類ない才能の持ち主の彼女が最初に草稿に目を通し,貴重な助言をくれたおかげで,読みやすく,魅力的な学生本位の教科書に仕上がった.

ワース社の制作エディターで,確かな知性と優れた判断力を持つBruce Kaplanは,広範な制 作プロセスを穏やかにてきぱきと仕切ってくれた.彼の指示を受けたアシスタント・エディターのMary Melisによって,われわれの草稿は,疲れを知らないプロダクション・チームに引き渡された, Melissa Pelleranoは,プロセス全体を通してしっかりサポートしてくれた.

シカゴ大学では,とくにErin Robertsonのアシストがなければ,途方にくれるところだった.経験を生かして,リサーチ,編集,校正,出版社との連絡全般にわたって助けてくれた. 彼女が自分の本を出す準備は万全だ!

本書を読者に届けるために知恵を絞り,支えてくれたワース社の多くの関係者に感謝申し上 げる. Tracey Kuehn, Barbara Seixas, Lisa Kinneは,当初の企画段階から最後まで基本的な 方向性を示してくれた,度重なる締切破りとハリケーン・サンデーの後,Rob Erreraは,きめ 細かに目配りしながら,制作プロセス全般を見守ってくれた,注意深い目をもった,コピー・ エディターのPatti Brechtにも感謝している.デザイナーのKevin Kallは, その独創的な装丁で,本書を一般的な中級の教科書とは一線を画すものにしてくれた. Ted SzczepanskiとElyse Riederは,各章ごとに,面白くて興味をそそる写真を探してくれた.明快で有用なグラフの原図を描いてくれたGreg Ghentにも特段の感謝をおくりたい.

中級ミクロ経済学は,教師と学生が自ら作りあげるコースであり,教室の内外での学習を充 実させるため,質の高い指導要領や学習の手引きには高いニーズがある. ワース社のメディ ア・補助教材担当エディターのLukia KliossisとJaclyn Ferryは,教師にも学生にも役立つ画期的なツールを提供するために尽力してくれた.本当に役立つメディアや補助教材というプラン を現実にものにしてくれたLukiaにはとりわけ感謝したい,彼女をはじめ同僚のStacey Alexander, Edgar Bonilla, Ashley Josephが形にしてくれた補助教材は,教師にとっても学生にとっても,中級ミクロ経済学のコースを充実したものにしてくれるはずだ.

初版のマーケティングには,特別なむずかしさとチャンスがあるが,ワース社のマーケティ ング・チームは,クリエイティビティを発揮しながら熱心に取り組んでくれた. Paul Shensa の知性と経験は何物にも代えがたく,彼がナビゲートしてくれたおかげで,教師や学生の幅広いニーズを知ることができた. Steve RigolosiとScott Guileが制作プロセス全般にわたってマーケティングに緻密な方向性とひらめきを与えてくれたことで,本書は一段と有用なものになった.おかげで熱い市場にうまく参入できた.その間,大いに励まし,専門家としての調整力を発揮しながら,テストとレビューをきめ細かに取りまとめてくれたKerri Russiniにも御礼申し上げたい.

最後に

われわれの仕事を絶えず応援し,感謝を伝えることができないほど忙しいときでも支えてく れる,それぞれの家族に心からありがとうと伝えたい.
結局のところ,教科書はあくまでツールにすぎないのであって,学生が授業やそれ以外の場 で互いに学び合うことを補助するものだ.本書をきっかけに,学習を続け,いずれは経済学を 使いこなせるようになってくれることを願っている.

オースタン・グールズビー
Austan Goolsbee

スティーヴン・レヴィット
Steven Levitt

チャド・サイヴァーソン
Chad Syverson

スティーヴン・レヴィット (著), オースタン・グールズビー (著), チャド・サイヴァーソン (著), 安田 洋祐 (翻訳), 高遠 裕子 (翻訳)
出版社: 東洋経済新報社 (2017/4/21)、出典:出版社HP

「レヴィットミクロ経済学』総目次

序文

第1部 基礎概念
第1章 ミクロ経済学の冒険
第2章 需要と供給
第3章 需要と供給のツールを使って市場を分析する

第2部 消費と生産
第4章 消費者行動
第5章 個人の需要と市場の需要
第6章 生産者行動
第7章 費用

第3部 市場と価格
第8章 競争市場における供給

以上,基礎編

第9章 市場の支配力と独占
第10章 市場の支配力と価格戦略
第11章 不完全競争
第12章 ゲーム理論

第4部 基礎から応用へ
第13章 投資,時間,保険
第14章 一般均衡
第15章 情報の非対称性
第16章 外部性と公共財
第17章 行動経済学と実験経済学

以上,発展編

レヴィットミクロ経済学 基礎編――目次

監訳者序文
序文

第1部 基礎概念
第1章 ミクロ経済学の冒険
1.1 ミクロ経済学の枠組み(およびそれがロサとローレンについて教えてくれること)
■ミクロ経済学のツールを学ぶ
【ヤバい経済学】トーマス・スウェイツのトースター
■ミクロ経済学のツールを活用する
【これで合格】他の条件はすべて不変とする
1.2 部別にみた本書の構成(およびロサとローレンの見方)
■消費者の決定と生産者の決定
【応用】ミクロ経済学を学んで賢くネットオークション
■市場の供給
■基礎から応用へ
■データにフォーカスする
【理論とデータ】経済学を学ぶことのメリット
■さぁ,楽しく学ぼう!
まとめ
復習問題

第2章 需要と供給
2.1 市場とモデル
■市場とは何か
■需要・供給モデルを支える主な仮定
2. 2 需要
■需要に影響を与える要因
■需要曲線
■需要曲線のシフト
【理論とデータ】嗜好の変化とタバコの需要
■需要に影響を与える要因のなかで,価格だけが特別扱いされるのはなぜか
2. 3 供給
■供給に影響を与える要因
■供給曲線
■供給曲線のシフト
■供給でも価格が特別扱いされるのはなぜか
2.4 市場均衡
■均衡の等式
【これで合格】均衡点で供給量と需要量は等しくなるか
■なぜ市場は均衡に向かうのか
【2.1 解いてみよう】
■需要曲線のシフトの影響
【2.2 解いてみよう】
【ヤバい経済学】名声の値段――オバマ大統領とパパラッチ
■供給曲線のシフトの影響
【2.3 解いてみよう】
■需要曲線および供給曲線のシフトの影響のまとめ
【応用】供給曲線のシフトと1983年のビデオゲーム市場の崩壊
【2.4 解いてみよう】
【これで合格】曲線がシフトしたのか,曲線上を動いただけなのか
■価格と数量の変化の大きさを決める要因は何か
【応用】住宅の供給曲線と住宅価格――2つの都市の物語
■需要曲線と供給曲線が同時にシフトするときの市場均衡の変化
2.5 弾力性
■傾きと弾力性は同じではない
■需要と供給の価格弾力性
■価格弾力性と価格感応度
【応用】需要弾力性と代替財の入手可能性
■弾力性と線形の需要・供給曲線
【2.5 解いてみよう】
■完全非弾力的な需要・供給と完全弾力的な需要・供給
■需要の価格弾力性,支出,売上げ
■需要の所得弾力性
■需要の交差価格弾力性
【2.6 解いてみよう】
2.6 結論
まとめ
復習問題
演習問題

第3章 需要と供給のツールを使って市場を分析する
3.1 消費者余剰と生産者余剰――市場で得をしているのは誰か
■消費者余剰
■生産者余剰
【3.1 解いてみよう】
【応用】イノベーションの価値
【応用】近視の人にとって,レーシック手術の価値とは
■市場環境の変化によって生じる損得
【応用】9.11同時多発テロが航空業界に与えた打撃
【3.2 解いてみよう】
3.2 価格規制
■上限価格規制
■下限価格規制
3.3 数量規制
■数量割当
■政府による財やサービスの供給
【理論とデータ】公的医療保険は民間医療保険をクラウドアウトするのか
3.4 税金
■税金が市場に及ぼす影響
■なぜ税金は死荷重を生み出すのか
■なぜ大型税は小型税より悪いのか
■租税帰着(税負担) ——納税主体は問題ではない
【これで合格】死荷重を正確に計算しただろうか
【3.3 解いてみよう】
3.5 補助金
【応用】黒液の抜け穴のコスト
【3.4 解いてみよう】
【ヤバい経済学】経済的なインセンティブで子どもを産む気にさせられるのか
3.6 結論
まとめ
復習問題
演習問題

第2部 消費と生産

第4章 消費者行動
4.1 消費者選好と「効用」という概念
■消費者選好に関する想定
■効用という概念
■限界効用
■効用と比較
4.2 無差別曲線
■無差別曲線の特性
【これで合格】概念を本当の意味で理解するために,いくつか無差別曲線を描いてみよう
■限界代替率
【ヤバい経済学】ミネソタの住民には紫の血が流れているのか
■限界代替率と限界効用
■無差別曲線の傾き
【4.1 解いてみよう】
【理論とデータ】電話サービス利用者の無差別曲線
■無差別曲線の湾曲度——代替財と補完財
【4.2 解いてみよう】
【応用】「バッズ」(bads) の無差別曲線
4.3 消費者の所得と予算制約線
■予算制約線の傾き
■予算制約線をシフトさせる要因
【4.3 解いてみよう】
■一般的でない予算制約線
4.4 効用,所得,価格の組み合わせ――消費者は何を消費するか
■消費者の最適化問題を解決する
【4.4 解いてみよう】
■効用最大化が意味するもの
【理論とデータ】電話サービス利用者の無差別曲線,再論
■特殊なケース――コーナー解(端点解)
【4.5 解いてみよう】|
■消費者問題の代替的な解法――支出の最小化
4.5 結論
まとめ
復習問題
演習問題
第4章補論 効用最大化および支出最小化の微分
■消費者の最適化問題
■限界代替率と限界効用
■効用最大化
■ラグランジュ式を使った効用最大化
【4A.1 解いてみよう】
■支出最小化
演習問題

第5章 個人の需要と市場の需要
5.1 所得の変化が個人の消費選択に及ぼす影響
■正常財と下級財
■所得弾力性と財の種類
■所得消費曲線
■エンゲル曲線
【応用】エンゲル曲線と住宅の大きさ
【5.1 解いてみよう】
5.2 価格変化が消費選択に及ぼす影響
■需要曲線を導き出す
■需要曲線のシフト
【ヤバい経済学】動物もセールがお好き
【5.2 解いてみよう】
5.3 価格変化に対する消費者の需要量の変化を,所得効果と代替効果に分解する
■代替効果を切り離す
■所得効果を切り離す
【これで合格】価格変化による代替効果と所得効果を計算する
■総効果
■代替効果と所得効果の大きさを決定する要因
【5.3 解いてみよう】
【応用】後方屈曲型の労働供給曲線と余暇の所得効果
【理論とデータ】プロゴルファーの後方屈曲型供給曲線
■下級財の所得効果の例
■ギッフェン財
【応用】ギッフェン財を探して
【これで合格】所得効果と代替効果について,おぼえておくべきシンプルなルール
5.4 他の財の価格変化が,ある財の需要量に及ぼす影響――代替財と補完財
■代替財の価格変化
■無差別曲線の形状,再論
【応用】映画館とホームシアター――代替財か補完財か
5.5 個人の需要曲線を結合して,市場の需要曲線をつくる
■市場の需要曲線
■数式を使って市場全体の需要量を求める
【これで合格】需要曲線を垂直ではなく水平に足す
【5.4 解いてみよう】
5.6 結論
まとめ
復習問題
演習問題
第5章補論 所得効果および代替効果の微分
【5A.1 解いてみよう】
演習問題

第6章 生産者行動
6.1 生産の基本
■企業の生産行動に関する想定を単純化する
【応用】現実の企業はつねに費用を最小化しているか
■生産関数
6.2 短期の生産
■限界生産物
■平均生産物
【6.1解いてみよう】
【応用】短期はどのくらい短いか
6.3 長期の生産
■長期の生産関数
6.4 企業の費用最小化問題
■等生産量曲線
■等費用曲線
【6.2 解いてみよう】
■最小費用を見極める――等生産量曲線と等費用曲線を結合する
■費用最小化グラフによるアプローチ
【6.3 解いてみよう】
■投入物価格の変化
【理論とデータ】病院の投入物の選択とメディケアの払戻しルール
6.5 規模に関する収穫
■規模に関する収穫に影響を与える要因
【これで合格】生産関数の規模に関する収穫を確認する方法
【6.4解いてみよう】
6.6 技術変化
【応用】米国製造業の技術変化
【ヤバい経済学】インドの漁師が携帯電話を手放せないわけ
6.7 企業の生産拡張経路と総費用曲線
6.8 結論
まとめ
復習問題
演習問題
第6章補論 費用最小化の微分
■労働の限界生産物と技術的限界代替率
■微分を使った費用最小化
【6A.1 解いてみよう】
■企業の生産拡張経路
【6A.2 解いてみよう】
演習問題

第7章 費用
7.1 意思決定に関係する費用——機会費用
【応用】本業を休止して大金を稼ぐ――機会費用に関する教訓
【7.1 解いてみよう】
【ヤバい経済学】テストへの支払い——カンニングの経済学
7.2 意思決定に関係しない費用——サンクコスト
■サンクコストと意思決定
【理論とデータ】スポーツジム会員
【応用】映画会社は赤字確実の映画をなぜつくるのか
7.3 費用と費用曲線
■固定費用
■可変費用
■融通性と固定費用対可変費用
■費用曲線を導き出す
■固定費用曲線
■可変費用曲線
■総費用曲線
7.4 平均費用と限界費用
■平均費用の測定
■限界費用
【7.2解いてみよう】
■平均費用と限界費用の関係
【7.3解いてみよう】
7.5 短期費用曲線 対 長期費用曲線
■短期の生産と総費用曲線
■短期の平均総費用曲線 対 長期の平均総費用曲線
【7.4解いてみよう】
■短期の限界費用曲線 対 長期の限界費用曲線
7.6 生産過程における経済性
■規模の経済
■規模の経済対規模に関する収穫
【7.5解いてみよう】
【応用】規模の経済とベーコン製造
■範囲の経済
■範囲の経済はなぜ生じるのか
7.7 結論

第3部 市場と価格

第8章 競争市場における供給
8.1 市場構造と短期の完全競争
■完全競争
■価格受容者からみた需要曲線
8.2 完全競争市場における利潤最大化
■総収入,総費用,利潤最大化
■完全競争下の企業はどのように利潤を最大化するか
【応用】企業はつねに利潤を最大化しているか
■企業の利潤を測る
【8.1 解いてみよう】
【8.2 解いてみよう】
【これで合格】3つの曲線の話
8.3 短期の完全競争
■完全競争市場における企業の短期供給曲線
【応用】電力会社の供給曲線
■完全競争産業の短期供給曲線
【応用】原油の短期供給曲線
■競争企業の生産者余剰
■生産者余剰と利潤
■競争産業の生産者余剰
【8.3解いてみよう】
【応用】発電事業における産業全体の短期供給曲線と生産者余剰
8.4 長期の完全競争産業
■参入
■退出
■産業の長期供給曲線をグラフ化する
【理論とデータ】市場における参入と退出の実際——住宅用不動産
【ヤバい経済学】そう単純ではない「恐喝」の経済学
■長期均衡間の調整
【応用】トウモロコシの需要拡大
【8.4 解いてみよう】
■費用一定・費用逓増・費用逓減産業の長期供給
8.5 生産者余剰,経済的レント,経済的利潤
■完全競争下の費用格差と経済的レント
8.6 結論
まとめ
復習問題
演習問題

用語集

スティーヴン・レヴィット (著), オースタン・グールズビー (著), チャド・サイヴァーソン (著), 安田 洋祐 (翻訳), 高遠 裕子 (翻訳)
出版社: 東洋経済新報社 (2017/4/21)、出典:出版社HP