世界一よくわかる幕末維新 (祥伝社黄金文庫)

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幕末・明治維新という複雑な時代を理解するにはベストな書籍

入門書として主要な出来事がしっかりと平易にまとめられている本。主観も極力排除されているため、当時の変革の熱がしっかりと伝わってきます。ただ出来事を羅列的に書くのではなく、人物の言葉や考え方がしっかり記述されているので、教科書の内容では物足りない人にとってはかなりのお勧めです。写真も多く、歴史がグッと身近に感じられて、ますますこの時代を好きになれます。

山村竜也 (著)
祥伝社 (2018/3/14)、出典:出版社HP

入門書として読んでいただけるように、文章表現はやさしく平明なことを第一に考えた。内容的には、時代の流れを正確に追いながらも、専門書的な書き方は避け、物語のように読めるものになるように心がけた。

一例としては、できるだけ登場人物の生の声を生かすように配慮した。本人が実際に語った言葉を載せることで、その人物がぐっと身近に感じられるようになるからだ。だから、本文中のセリフ部分は想像ではなく、すべて何らかの史料にもとづいたものになっている。

また、本書のもう一つの特色として、登場人物の写真および肖像画をできるだけ多く収録した。歴史上の人物を知ろうとするとき、その人物がどのような容貌をしていたのかは大事なポイントである。幸い、幕末には西洋から写真技術が導入され、当時の人物の姿が多く後世に残された。私たちは運がよかったということができるだろう。
本書は、幕末維新が世界一よくわかるように書いたつもりであるので、この時代に興味 を持った読者の方々にはぜひ手に取っていただきたいと思っている。そして本書によって、この時代をより一層好きになっていただけたなら、同じ幕末維新好きとしてこれほどうれしいことはない。

刊行にあたっては、祥伝社黄金文庫編集部に大変お世話になった。心より御礼申し上げるしだいである。

明治維新から一五〇年目の春に
山村竜也

山村竜也 (著)
祥伝社 (2018/3/14)、出典:出版社HP

目次

はじめに
第一章 動乱の序曲 日本、泰平の眠りから覚める
黒船来航が招いた幕末の動乱
揺らぐ徳川幕府の鎖国政策
ペリーのアメリカ艦隊、再来する
ハリスと日米修好通商条約
尊王攘夷思想の大流行
政界を揺るがす将軍継嗣問題
安政の大獄により吉田松陰死す
長州藩の台頭と松下村塾
薩摩藩の躍進と名君・島津斉彬
勝海舟、咸臨丸で渡米する
大老井伊直弼、桜田門外で暗殺される

第二章 風雲の京洛 尊攘志士vs新選組
和宮降嫁で公武合体をはかる
寺田屋事件、薩摩藩の尊攘派が壊滅する
生麦事件、薩摩藩に翻弄される幕府
天誅の流行と人斬り以蔵
坂本龍馬、幕末の舞台に登場する
将軍上洛と浪士組の結成
新選組、京都に誕生する
奇兵隊、長州にて結成される
八・一八の政変、決行される
悲運の尊攘派・天誅組の暴発
参預会議から一会桑政権へ
新選組、池田屋を襲撃する
禁門の変、長州藩朝敵となる

第三章 倒幕への道 薩長同盟成立と幕府の終焉
高杉晋作、功山寺で挙兵する
龍馬、亀山社中を創設
薩長同盟、龍馬の仲介で成立する
第二次長州征伐も幕府軍敗れる
徳川慶喜、一五代将軍となる
土佐藩を海から援ける海援隊
薩摩と土佐、倒幕密約を結ぶ
船中八策と新時代構想
大政奉還、幕府が政権を返上する
龍馬、近江屋で暗殺される
徳川家を無力にした王政復古の大号令

第四章 戊辰の内乱 旧幕府軍の抗戦
鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争はじまる
江戸無血開城の快挙成る
旧幕府軍の徹底抗戦
上野戦争、彰義隊惨敗する
伊庭八郎と人見勝太郎の意地
奥羽越列藩同盟、瓦解する
北越戦争、河井継之助の秘策
会津戦争と白虎隊の悲劇
会津の女銃士・山本八重 旧幕府軍、蝦夷地に渡る
箱館戦争、土方歳三戦死する

第五章 迷走する明治政府 新政府の分裂と士族反乱
版籍奉還から廃藩置県へ
岩倉遣外使節団、海を渡る
留守政府、改革を進める
明治六年の政変で政府分裂する
江藤新平と佐賀の乱
不平士族の反乱相次ぐ
西郷隆盛、西南戦争に散る

おわりに
幕末維新略年表
主要参考文献

図版作製 J-ART
装丁 フロッグキングスタジオ

山村竜也 (著)
祥伝社 (2018/3/14)、出典:出版社HP