産廃処理が一番わかる (しくみ図解)

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産廃処理についてよくわかる良書

産廃に携わることになった方はもとより、長年携わった方も総合的に知識を整理するのにも役立つ一冊です。著者が長年の実務で得た知識を僅か数時間で得られる上に、最後までストレスなく読むことのできる良書で、処分業許可内容を参照するために、座右の資料として欠かせない本です。

上川路 宏 (著)
出版社: 技術評論社 (2015/2/5)、出典:出版社HP

はじめに

日常の生活や企業活動において、廃棄物の処理は個人・法人を問わずすべての人に関係する根本的な社会要素のひとつです。
通常の商取引では、良質な商品やサービスにはそれなりの対価を支払うインセンティブが購入者に生じますが、廃棄物の処理では、目の前から廃棄物がなくなってしまえばそれで済んでしまうため、通常の商取引のようなインセンティブが働きにくく、処理費用は安ければ安いほどよいとされがちな現実があります。そして、その行き着く先には不法投棄が待ち受けているのです。廃棄物の不法投棄や不適切な処理は、環境や社会に極めて大きな影響を及ぼすだけでなく、解決のために長期にわたる多大な労力と費用負「担を強いる結果を招くこととなります。
このような背景から、廃棄物の適正処理を推進するためには、厳格な規制が必要であるとの考えが主流となりました。その結果、廃棄物処理法は数多の改正が重ねられ、規「制と罰則の強化が図られてきました。
廃棄物の処理という、私たちにとって身近な行為を規制する法律ですが、実はその内
容についてはあまり知られていません。ひとつの理由としてよく挙げられるのが、内容が難しく理解しづらいとされることです。多い年には1年間で6回も改正が行われるなど、改正数の多さにも一因があるのかもしれません。筆者は排出事業者の立場で20年を超える廃棄物処理の実務を担ってきました。本書はその経験を活かして、「廃棄物に興味のある学生や社会人になって日の浅い、廃棄物の学習を始めようと思った人たち」のための入門書として、また、廃棄物処理の実務を担う人にとっての参考書となるよう、平易かつ深みのある内容でまとめたものです。座右の書として、読者の皆様のお役に立てることができると幸いです。

2014年12月
著者 上川路宏

上川路 宏 (著)
出版社: 技術評論社 (2015/2/5)、出典:出版社HP

しくみ図解
産廃処理が一番わかる
廃棄物の種類や処理の流れ 法制度を実務に即して解説

目次

はじめに

第1章 処理の基礎知識
1 廃棄物処理法の概要
2 廃棄物の種類
3 産業廃棄物とは
4 日本の産業廃棄物処理の現状
5 廃棄物処理法で使われる用語
6 排出事業者責任とは
7 許可制度
8 廃棄物の処理委託

第2章 産業廃棄物処理の流れ
1 処理の基本的な流れと分別・保管
2 収集・運搬(1) 業の許可と車両表示規定
3 収集・運搬(2) 運搬用車両
4 収集・運搬(3) 積替保管施設
5 中間処理の概要
6 具体的な処理方法(1) 選別/破砕
7 具体的な処理方法(2) 圧縮/溶融
8具体的な処理方法(3) 焼却
9 その他の中間処理の方法
10 再生
11 最終処分

第3章 廃棄物種類別の中間処理施設
1 汚泥処理施設
2 堆肥化施設
3 がれき類の処理施設
4 金属くず、木くず、廃プラスチック類
5 焼却施設
6 総合中間処理施設(1) 建設系の総合中間処理施設
7 総合中間処理施設(2) 事業系の総合中間処理施設
8 RPF・RDF、廃液等の総合的な処理
9 特別管理廃棄物の処理(1) 石渡関連の廃棄物
10 特別管理廃棄物の処理(2) PCB廃棄物
11 特別管理廃棄物の処理(3) 感染性廃棄物

第4章 製造施設を使った処理とリサイクル
1 熱利用を前提とした製造施設
2 鉱さい、燃え殻、ばいじんの処理
3 有価物、専ら物と廃棄物の関係.
4 パソコン・事務機器
5 廃家電品などの回収
6 リサイクルへの対応

第5章 契約書とマニフェスト運用の実際
1 管理体制の整備
2 適切な委託業者の選定
3 適正性判断基準の詳細
4 処理委託契約書
5 標準的な契約書式の例(1) 連合会ひな形
6 標準的な契約書式の例(2) 東京都ひな形
7 標準的な契約書式の例(3) 建設系ひな形
8 標準的な契約書式の例(4) 住団連ひな形
9 産業廃棄物管理票「マニフェスト」
10 いろいろなマニフェスト書式
11 マニフェストの運用
12 マニフェストの記入方法

第6章 不法投棄と罰則規定
1 不法投棄の現状
2 日本の大規模な不法投棄事案
3 廃棄物処理法の罰則規定
4 両罰規定と秩序罰
5 行政処分と行政報告
6 処理困難通知と措置内容等報告書

第7章 環境法の概要と廃棄物処理の今後
1 環境法制の世界的な流れ
2 環境法の体系
3 廃棄物処理の今後(1) ゼロエミッション
4 廃棄物処理の今後(2) 中間処理業のふたつの側面
5 規制強化と規制緩和
6 望まれる法制度

Column
廃棄物の定義
事業者について
「おから裁判」
優良産廃処理業者認定制度について
古物と古物営業法について
野焼きについて
直接罰と間接罰
予防原則について
資源有効利用促進法について
ゼロエミッションについて
モーダルシフト
拡大生産者責任について

巻末資料
参考文献
用語索引

上川路 宏 (著)
出版社: 技術評論社 (2015/2/5)、出典:出版社HP