【最新 – 廃棄物管理を学ぶおすすめ本 – 入門解説から実務まで】も確認する
産廃処理を委託する側・受託する側の両方に役立つ
産廃処理の基本と仕組みが学べます。一般と産廃の違いから法規制まで、事細かく網羅されており、項目的にも辞書的に使える、用語の説明が平易である、図表がふんだんでわかりやすい、他人に説明しやすいといった点でとても優秀な一冊です。
●注意
(1) 本書は著者が独自に調査した結果を出版したものです。
(2) 本書は内容について万全を期して作成いたしましたが、万一、ご不審な点や誤り、記載漏れなどお気付きの点がありましたら、出版元まで書面にてご連絡ください。
(3) 本書の内容に関して運用した結果の影響については、上記(2)項にかかわらず責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。
(4) 本書の全部または一部について、出版元から文書による承諾を得ずに複製することは禁じられています。
(5) 本書に記載されているホームページのアドレスなどは、予告なく変更されることか
あります。
(6) 商標
本書に記載されている会社名、商品名などは一般に各社の商標または登録商標です。 なお、本文中にはTM、Rを明記しておりません。
はじめに
最近、廃棄物の不法投棄などが発覚した際、その廃棄物の処理を業者に委託 した、排出事業者自身の責任が問われるケースが増えています。常識的な感覚としては、「行政から許可を受けた処理業者に廃棄物を渡しているのに、なぜさ らに責任を負わなくてはいけないのか?」と考えたくなりますが、「廃棄物処理法」では、「廃棄物の処理責任は、排出事業者にある」と定められていますので、排出事業者は処理責任から免れることはできません。
近年は、環境問題や企業のCSRにも、大きな社会的関心が寄せられていますので、委託した産業廃棄物が不法投棄されてしまうと、「不法投棄に関与した会社」というイメージを持たれてしまい、企業活動にとって大きなマイナスとなっています。
このようにお話しすると、排出事業者の責任というものは、途方もなく大きく、 重いものに思えるかもしれません。しかし、やるべきことをやり、やってはいけないことはしないようにすれば、排出事業者の責任の重さをそれほど恐れる 必要はありません。
本書は、2008年1月に初版が出版されました。その後、2010年の廃棄物処理法改正を受け、2011年2月に第2版に改訂しました。そして、2017年に 廃棄物処理法が再度改正されましたので、新たに増補改訂を行い、第3版を出版する運びとなりました。2017年改正では、「電子マニフェストの運用義務付け対象」の他、「同一企業グループによる産業廃棄物処理の特例」等、排出事業 者にとっては規制の強化と緩和の両方が行われました。それらの新たな法令改 正については第5章にまとめていますので、ご参照いただければ幸いです。
本書は、産業廃棄物の基礎知識や、処理業者の選定方法、委託契約書や産業 廃棄物管理票(マニフェスト)の運用方法など、産業廃棄物を処理する上で、理 解しておくことが不可欠な内容を網羅していますので、本書に書かれている内 容を実践していただければ、廃棄物の処理や委託に伴う不安の多くを解消する ことが可能です。
本書を、産業廃棄物の処理に初めて携わる方の入門書として、あるいは、実務で何か問題があったときに参照しなおす座右の書として、幅広い読者の方に 利用していただければ幸いに思います。
2018年7月
尾上雅典
図解入門ビジネス
最新 産廃処理の基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版]
CONTENTS
はじめに
第1章 産業廃棄物とは
1-1 産業廃棄物ってどんなもの?
1-2 産業廃棄物にはどんな種類があるか
1-3 特別管理産業廃棄物とは
1-4 どのくらいの産業廃棄物が排出されているか
1-5 どのくらいの産業廃棄物が再生利用されているか
コラム 信頼できる処理業者を教えて欲しい
第2章 産業廃棄物処理の流れをみてみよう
2-1 産業廃棄物処理の流れ
2-2 収集運搬
2-3 収集運搬に使われる車両
2-4 収集運搬に使われる容器
2-5 破砕施設
2-6 汚泥の脱水施設
2-7 焼却炉
2-8 選別機
2-9 油水分離施設
2-10 固化施設
2-11 溶融施設
2-12 最終処分施設
2-13 安定型最終処分場
2-14 遮断型最終処分場
2-15 管理型最終処分場
コラム 行政が立入検査に来たら
第3章 産業廃棄物はどう処理されているか
3-1 燃え殻とばいじんの処理方法
3-2 汚泥の処理方法
3-3 廃油の処理方法
3-4 廃酸・廃アルカリの処理方法
3-5 廃プラスチック類の処理方法
3-6 紙くずの処理方法
3-7 木くずの処理方法
3-8 繊維くずの処理方法
3-9 動植物性残さの処理方法
3-10 金属くずの処理方法
3-11 ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くずの処理方法
3-12 鉱さいの処理方法
3-13 がれき類の処理方法
3-14 感染性廃棄物の処理方法
3-15 アスベストの処理方法
3-16 PCB廃棄物の処理方法
コラム 産業廃棄物処理施設で事故が起こった!
第4章 産業廃棄物を適正処理するには
4-1 産業廃棄物の処理を委託するには
4-2 産業廃棄物の処理を委託するときのルール【委託基準】
4-3 処理業者と委託契約書を結ぶ
4-4 委託契約書にはどんなことを書くのか
4-5 排出事業者が行うべき情報提供
4-6 やってはいけない委託契約書の記載ミス
4-7 毎月処理費が変動する場合の委託契約書
4-8 再委託は禁止されている
4-9 委託契約の締結後に注意すること
4-10 適正処理のためにマニフェストを使う
4-11 なぜ、マニフェスト制度が導入されたのか
4-12 マニフェストにはどんなことを記入するのか
4-13 マニフェストの使い方1
4-14 マニフェストの使い方2
4-15 やってはいけないマニフェストの運用ミス
4-16 マニフェストを紛失したときの対応
4-17 電子マニフェストの仕組み
4-18 紙と電子のどちらがよいか!?
4-19 産業廃棄物処理業者がつける帳簿
4-20 産業廃棄物処理業者の帳簿の記載事項
4-21 排出事業者に帳簿が必要な場合もある
4-22 2010年度廃棄物処理法改正の概要
4-23 建設廃棄物の取り扱い
4-24 廃棄物保管場所の事前届出
4-25 マニフェスト交付後の注意点
コラム 廃棄物処理法違反が発覚したら
第5章 2017年度廃棄物処理法改正のポイント
5-1 2017年改正法の概要
5-2 電子マニフェストに関する法律改正
5-3 雑品スクラップの保管に関する規制
5-4 同一グループの企業に認められた特例
5-5 水銀廃棄物に関する法令改正の概要
5-6 水銀廃棄物管理の実務
第6章 処理業者選定のポイント
6-1 委託先処理業者の現地確認が義務となった
6-2 適切な処理業者を選定するためには
6-3 許可内容を確認しよう
6-4 行政処分歴の有無を確認しよう
6-5 処理フローは明確になっているか
6-6 事業場の様子をチェックしよう
6-7 情報公開の姿勢はどうか
6-8 処理業者の経営状況を分析しよう
6-9 近隣住民から評判を聞こう
6-10 優良産廃処理業者認定制度を利用しよう
6-11 委託先処理業者の危険な兆候とそれを見抜くための着眼点
コラム リサイクル偽装に注意!
第7章 不法投棄の実態
7-1 不法投棄の現状はどうなっているか
7-2 どんな廃棄物が不法投棄されているか
7-3 不適正処理の実行者は誰か
7-4 不法投棄された廃棄物はどのように撤去されるのか
7-5 不法投棄された廃棄物はどのくらい残っているか
7-6 過去の大規模不法投棄事件をみる
7-7 どうして不法投棄が行われるのか
7-8 不法投棄を防ぐさまざまな手立て
コラム 罰則をどう考えるか
第8章 数字でみる産業廃棄物処理業界
8-1 産業廃棄物処理業の許可件数は減少傾向
8-2 許可取り消し件数の推移
8-3 他産業に比べて高い労働災害の発生率
8-4 最終処分量の減少で残存年数は改善