水の科学―新しい水の話

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必要不可欠な「水」についての知識

私たちが生きる上で欠かせない要素である「水」。自然回帰の優等生ともいえるそんな水から学ぶことはあまりにも多いです。本書では、水について7章に分けて詳しく説明されています。水の本質を理解し、自然そして生命とは何かを問い直すきっかけとなるでしょう。

大坪 亮一 (著)
出版社 : 東宣出版 (2011/7/1)、出典:出版社HP

目次

プロローグ―水が示唆する偉大なもの
人体はまさに水袋
水は宇宙進化の主役
水は単なる健康水ではない
水は体内で生命水に資化される
地球の歴史は水の歴史
溶質と溶媒を区別する
物質の元は水素原子(プロトン)
宇宙進化は水の生成と破壊のストーリー
水が宇宙と人体の営みをつなぐ

第1章 水は巨大な万物の器である―自然回帰の優等生3
水と火が現代文明の礎になった
物質中心の文明では幸せにならない
水は世界でいちばん大きい富
物質文明は絶対真理に背く
「生自然」はどこに行ったのか
すべての出発点を水に求める
胎児の誕生は地球進化の長編ドラマ
肉体は死後、また水に還る
水は人間生命の原型を伝える
水は時間・空間・重力…が溶け込む万物の器
宇宙は生命体を生み出すために作られた
人体は地球に運ばれてきた星屑
生命の素材はすべて宇宙に起源をもつ
水はエネルギーでもあり物質でもある

第2章 すべてが火と水から始まった―宇宙創造と生命誕生
ビッグバンのイメージ
宇宙の出発点は無の世界
火の玉宇宙から始まった
最初の物質、水素原子の誕生
水素原子は物質界のボス
水素原子は人知を超えた存在
水は水素の燃えかす
水の科学名は酸化水素
水が生成されるメカニズム
地球の水は彗星の衝突でもたらされた
水が太陽系をつくった
地球と月の水は太陽の残り水
灼熱地獄の原始地球
地球に降った最初の雨
化学進化によるRNAの世界
最初の生命は深海の熱水噴出孔で誕生した
水がすべての生命進化に関与する
無生物と生物をつなぐものとは?
新しい生命観を確立する物質「モネラ」
生命誕生の中心にはプロトンがあった

第3章 水の疑似科学を検証する―溶質の水と溶媒の水
溶かしている水の働きこそ重要
溶質から溶媒に視点を変える
水は細胞膜内で溶質から溶媒に転換される
病気や加齢により細胞内の溶媒は減少していく
水処理も溶媒作用による浄化が最も実用的
おいしい水「溶質の水」の疑似科学性
「外国有名ブランド水」は唾液成分に近い
「クラスターの小さい水」はすでに消滅
「海洋深層水」は本来飲用目的ではない
「波動水」は量子力学の波動とは無関係
「磁気(磁化)水」は信憑性に乏しい
「トルマリン(電気石)の水」は電気が微弱過ぎる
アルカリ性信仰で広められた「アルカリイオン水」
「アルカリイオン水」は本来の電解水とは異なる
「活性水素」は単に用語がひとり歩き
「還元水」はアルカリイオン水が姿を変えただけ
「水素水」は体内で過剰反応しやすく要注意
溶媒化した水「奈良県吉野郡の天川水」
エネルギー生の高い地層を潜り抜けた薬水
生物活性化作用のある雪解け水

第4章 活きた水は解離している―水はエネルギーの器
水の水素結合の世界が見えてきた
水はどのように化学結合されているか
二重の役割を果たす水の分子
水のエネルギーはどう運動しているか
「イオン積」によって水を定量化する
水の「イオン積」が増すとどうなるか?
水の解離度が高まると機能性が高まる
自然水は極微量が解離している
生命誕生の場・熱水噴出孔の水も解離していた
雷は水の神様として崇められてきた
雷が多い年は豊作になる生物学的根拠
光合成のスタートでも水の解離現象が起きている
生体内の一 が生命活動を支える
的として水の解離を追究
自然の摂理に則した電気二重層の化学的反応
解離指数が小さいほど水の機能性は高い
電解陰極水は生体内で抗酸化作用を示す
電解陽極水は強力な求電子作用のある高プロトン密度水

第5章 造血とエネルギー生成―水の体內作用が
水は代謝・解毒・排泄のすべてに関わる
ほとんどの水は細胞内に取り込まれる
腎臓が処理する水は1日1升ビン100本分
体における3つの重要な水の働き
造血の現場は胸骨や骨髄ではなく小腸
小腸で水や食べ物は未完成細胞となる
水は生きている物質「モネラ」を生む原動力
消化吸収とは物質を生命体に発展させるしくみ
未完成細胞から赤血球が作られていく
細胞は中心から外へ向かって発展していく
腸で血液が作られなくなると逆戻り現象が起きる
心や魂は腸管内臓系で発生する
現代人は本能が宿る腸管内臓系が弱まっている
植物は地下水の温度を感じて発芽、開花、落葉する
ATPの生成に水が深く関与する
代謝水が水力発電所の働きをする
代謝水から生体エネルギーが作られる
水を原動力とする水車と生命現象は似ている

第6章 水が円滑な解毒と排泄を支配する。
医療のスタートは薬草による解毒と排泄
腸管内臓系で取り込みと排泄の仕分けをする
円滑な解毒と排泄は水次第
現代人は腸内環境に関心が薄い?
共役性のプロトンと非共役性のプロトン
腸内の好気性環境は偏った食生活が原因
腸内は共役性プロトンで守られる
共役性プロトンでは活性酸素を解毒できない
フリーラジカル消去実験で電解水の陽極の有効性確認
たまりの臓器を解離度の高い水で常に洗い流す
活性酸素と余った共役性の水素イオンの処理
代謝系の解毒は厄介、一筋縄でいかない
すべての病気の発生源・消化管を解毒する
食餌が腸壁から内部へ取り込まれる条件
活性酸素に対しては還元酵素で対応する
水の電気化学的反応によるヒドロキシルラジカル追放
栄養効果を足し算で考える現代栄養学の誤り
水がなければ消化吸収の条件を満たすことができない
入れる栄養学から出す栄養学へ
生体解毒に必要な水の条件

第7章 水を中心にした自分医学を実践する
健康に必須のミネラルは体内では作れない
カルシウム、マグネシウム、カリウムの働き
リン、鉄、亜鉛は体内で何をしているのか
体のほこりを取って水とミネラルで若返る
水と良質のミネラルが健康の鍵
欲は少なく、足ることをわきまえる
大量の食べ物を詰め込むと上質の血液が作れない
プロトンを含んだ穀菜食と炭水化物を摂る
肉食系を柱にした現代栄養学の間違い
穀菜食と解離水の組み合わせが本当の栄養源
自らがプロトン・ホームドクターになる
プロトンをふんだんに用いて健康管理する
メガ・プロトン主義で毒素の海を乗り越える
細胞内の遺伝子は水に囲まれている
遺伝子決定主義では細胞活動は説明できない
環境が遺伝子の活動をコントロールする
生命現象を支えてきたのはRNA
目に見えない世界をコントロールしている何ものか
主役は水、RNAは準主役、DNAは脇役

おわりに

大坪 亮一 (著)
出版社 : 東宣出版 (2011/7/1)、出典:出版社HP

―水は地球の生命の血液である―
ヴィクトル・シャウベルガー

プロローグ―水が示唆する偉大なもの

■人体はまさに水袋

最近、いろんな分野において水に対する関心が高まってきました。私にも、水をテー マにした講演の依頼が増えています。

「水は単なる飲み物ではありません。根源物質です」

水の話をする時、いつも冒頭でいう言葉です。
昨年、NHKのラジオ深夜便「明日へのことば――水こそ命の源」にも出演させていた だきました(2010年7月7日、8月20日放送)。番組は担当アナウンサーとの対話形 式で進行していきました。

体の60%は水といわれていますね。
「私たちの体の隅々まで水がしみこんでいます。赤ちゃんは体重の90%は水で占められ ています。大人でも脳内は95%で水びたし。硬いと思われている筋肉で75%、骨22%、歯 でさえ15%が水です。150キログラムのお相撲さんも水分を抜くと普通の人の体格と変 わらなくなります」
―ちょっと、驚きですね。どうやって体内の水分が分かるのですか。

「一般的な測定法としては、希釈法というのがあります。同位元素(同じ元素群にあっ て原子量が異なる元素)を静脈注射する方法です。その希釈度から計算していきます。生 体解剖の臓器を摘出して生の状態での重量を測り、100から105℃で乾燥させた後の重量差が水分量に対応しています。その他には、近赤外線法・ラマン分光法・NMR法な どがあります。組織、細胞の水分量、水分子の運動性なども調べることができます」
―何でも計測できるんですね。ところで人間はどれくらいの量の水を飲んでいるのでし ょうか。

「食べ物もほとんど水ですから、1日、水と食物で約3リットル、1年で約1千キロリ ットル (1トン)になります。生涯80歳とすると約8万キロリットル (80トン) 5トント ラック16台分に相当する量です」
―まさに、人体は水袋ですね。

■水は宇宙進化の主役

こうして、5分間、水にまつわる話が続いていきます。話したいことが山ほどありましたが、私がいいたかったのは次の4点です。

1 水の生い立ちは137億年前の宇宙創成期にあり、太陽や地球よりもはるかに古い。
2 水は宇宙進化の主役を演じ、原子団、銀河系、太陽系、地球を生成した。さらに水は生 命を誕生させ、生物進化をうながしてきた。
3 四季の移り変わり(気温、芽吹き、桜前線、紅葉、動物の冬眠)をはじめ、大腸菌から 動・植物、人間まで生きとし生けるものすべてが水によってコントロールされている。
4 生命の設計図といわれているDNA、RNAは水の元素で構成されている。さらに血肉、タンパクをはじめとして体細胞は水から作られている。まさに、水は万物の根源で ある。

定められた時間内で私は懸命にしゃべりました。いかんせん時間切れになりました。 残念ながら尻切れトンボで、中途半端な結果となりました。それでも放送終了後、何日も の間、視聴者から問い合わせが続きました。水に興味をもっている人が多いことを実感さ せられました。

■水は単なる健康水ではない

一方、水に対して勘違いしている人もかなり存在していることも分かりました。そば 打ち名人が求めるこだわりの水など、嗜好品として水を見ている人もいます。人の味覚や 好みは曖昧です。官能で水は判断できません。

飲料に適する水ならば、どんな水でも10℃から5℃に冷やすとおいしく感じます。厚 生労働省も「おいしい水の条件」にあげていますが、低温で味蕾細胞が麻痺するのでしょ う。冷酒が口当たりがいいのと同じです。
市販されている清涼飲料水は、すべて冷やしてあります。冷たい水を常飲すると腸管 の温度(37度2分) が低下して免疫力が弱体化していくという報告事例もあります。体を壊してまで、おいしい水を求めるのもどうかと思います。

健康水という言葉も一人歩きをしています。どういう水が体にいいのか。判定が難し いのです。結果、体にいい水と称する「あやしい水」を買わされてしまいます。
「健康のために1日、2リットル以上の水を飲んだ方がいいという専門家もいますが、 どうなんでしょうか」
視聴者の方からこういう質問がきました。水を健康維持の手段として考えている人もい るようです。間違いではないのですが、ちょっと待ってください、といいたいのです。

■水は体内で生命水に資化される

どんな水が体にいいのか証明するのは困難です。プラシーボ効果(偽薬効果)かもし れません。イワシの頭も信心からという例です。
水飲み健康法をはじめサプリメントやダイエットの代替として水を推奨する専門家も います。メディアなどの情報を鵜呑みにして「健康や美容のためだったら水をたくさん飲 んだ方がいいんだ」と解釈して、質よりも量だと勘違いする人も出てくるわけです。

前述したように、成人であれば食べ物由来と飲料で、1日に2.5リットルから3リ ットルの水を取り込んでいます。通常の状態であれば、それ以上の飲料は苦痛になるはず です。真夏炎天下で熱中症に罹患した場合でも、急激な摂取は危険ですから生体は拒否するはずです。
体は細胞膜内のアクアポリン (水チャンネル)というタンパク質から成る特殊な装置 で水を生命水に資化させています。つまり、体に機能させるために反応性を高めたり、水 の物性を変化させているのです。
このときに、膨大な生命エネルギー (ATP=生体高分子)を消費します。消費する エネルギーによって細胞の寿命が決まるともいわれています。
体調を崩したり、老齢になると水が飲めなくなります。治癒やアンチエージングのた めにエネルギーが消費されて、水チャンネルまでエネルギーが供給されないからです。

■地球の歴史は水の歴史

重要なことは、毎日取り込んでいる「3リットルの水」の質です。水は牛乳やジュー ス、清涼飲料水と同じレベルでは語れません。なぜなら水は根源物質であるからです。生 命のエキスです。ゆえに、水の選択は命にかかわる問題です。水の本当の姿をつかまえな ければなりません。
今、生命を中心に据えた価値観の転換が求められています。地球の歴史は水の歴史で す。何のために地球上にこれだけの水が存在しているのか。
食べ物も90%は水です。私たちの生命は、水から生まれ、生命進化を促され今日に至っています。食べ物を粗末にすることは、水を粗末にし、水を汚すことに、そして命を粗 末にすることにつながっていきます。

「隗より始めよ」

まず、水の本当の姿を知ることが新しい生命観、文明観を生み出す原動力になると考 えます。水の本質とは何か。水の生い立ちまで遡って調べました。水が生命や我々の体と どのように関わっているのかを探っていきましょう。

■溶質と溶媒を区別する

水といっても、いろんな種類の水があると思われがちですが、本質的には、溶質と溶 媒の水に大別されます。
溶質の水というのは、溶けている物質によって影響された水です。水を外から見ると 溶質論で終わってしまいます。溶質論から見えてくる世界は、物質中心の世界で、水その ものは脇役に回されてしまいます。溶質論では、水の本質がまったく見えてきません。
なぜ、宇宙に水が生成され、なぜ、地球にこれだけの水が存在し、我々の体の隅々ま で水が沁み込でいるのか。

この世は、物質だけで成り立っているわけではありません。
生命現象をはじめとする森羅万象は、物質の次元を超えて質量のない世界まで広がっています。水を調べていきますと、物質の次元を超えたところにたどりつきます。ここで はじめて水の本当の姿に出会うことができるのです。水の本体は、質量のないエネルギー です。
20世紀になって、アインシュタインが「物質とエネルギーは等質である」と定義しま した。「物質はエネルギーにもなり、エネルギーは物質にもなる」ということを提唱して、 多くの科学者が実証したのです。

これによってこれまでの物質中心の自然観、価値観が大きく転換しはじめました。こ の影響を受けて、水に対する研究者の姿勢も変わってきたのです。
ここで溶媒論が登場してきました。水分子は物質ですが、原子レベルにおいては物質 性は壊れて、エネルギー性が高くなってくるという考え方です。溶けている溶質に惑わさ れるのではなく、溶かしている水の機能 (溶媒)に視点を転じなければなりません。
溶媒の水というのは、物質の特性より本来、水がもっているエネルギー性が勝っていま す。水を内部から見ていきますと、水の本質が分かってきます。

■物質の元は水素原子(プロトン)

宇宙物理学によると、この世のスタートは、火の玉宇宙でした。真空でのゆらぎが極微 の時空を産み出し、同時多発的に膨張を始め、宇宙空間ができていきました。小さなゆらぎの正体はエネルギーです。エネルギーからこの世が生まれ、物質が生成されました。
物質の元は水素原子です。水素原子がエネルギーと物質をつなぐ中間体の役割を担っ ているのです。水素原子が進化しての基本元素を作り出しました。水素原子は物質の生 みの親という意味のギリシャ語で、プロトン (根源)と呼ばれています。

水という物質 (分子)は、物質界の“ボス”であるプロトンを2個ももっています。 水分子のネットワークは、強大な創造力(GODエネルギー:アインシュタインのいう根 源的エネルギー)を秘めています。
ビッグバンから約70万年から100万年にかけて、宇宙空間で水分子のネットワーク が形成されました。水分子の誕生劇は、人知を超える時空で演じられたもので誰も見るこ とができませんでした。文献から再現するしか術がありません。

■宇宙進化は水の生成と破壊のストーリー

水素原子と酸素原子は、衝突をくり返した後に「爆鳴気反応」により融合し、巨大な エネルギーの渦に発展していきました。数万個の大型原子炉が生み出すエネルギー量であ ったと推察されます。自然エネルギーの原型は渦巻きです。渦巻きは水の求心力によって 発生しています。
水によって発生したエネルギーの渦は巨大な電子集団に吸収されました。電子はビッグバン直後から宇宙空間に存在し、水素原子や酸素原子の原子核を取り囲んで電子雲を形成 しています。

簡略に表現すると、「プロトン (水素原子)と酸素原子と電子が融合して水分子が生成 しました」となりますが、実際には、エキサイティングでダイナミックな出来事であった と推察されます。 プロトンと酸素原子の衝突時に発生したエネルギーが電子の集団に取り込まれていく 様子は、ちょうど投網に捕獲された魚群みたいな状態です。電子が強力な接着剤の役割を して水分子を固めてしまったのです。これが現在、私たちがコップの中で見るおとなしい 水の姿というわけです。
ところが、この電子の網を切断しますと、爆鳴気反応のエネルギーが飛び出してきま す。水分子に、電磁気や圧力、熱エネルギーを負荷すると水分子そのものが解離してさま ざまな形態のエネルギーが発生してきます。自然界で起きている雷放電や火山による水蒸 気爆発などは、水分子の破壊現象そのものです。
宇宙は水の生成と破壊によるエネルギーと物質の相互作用により進化してきました。 微惑星の誕生、恒星、銀河系の出現などの宇宙進化は、水の生成と破壊によるものです。 太陽系や地球の生成、生命誕生は、その延長線上での出来事です。

■水が宇宙と人体の営みをつなぐ

水が生成する時には、膨大なエネルギーが発生します。一方、水分子が壊れる時は、 遊離した物質にエネルギーが吸収されていきます。水分子が壊れる時の現象を「解離」と 呼んでいます。
驚いたことに、水の生成と解離の現象は、我々の体の中でも起きていることが分かり ました。科学ではフラクタル現象(相似形)といっています。
細胞内の電子伝達系で代謝水が生成されるとき、エネルギーが発生します。代謝水由 来のエネルギーを利用してATP(生体高分子)合成酵素のモーターが回転して、生命工 ネルギーが作られているのです。
小腸で血液が生成されるときにも、水は重要な働きをしています。血液は小腸の絨毛 組織で作られています。小腸壁の粘膜細胞膜内のアクアポリンを通過した水は解離してエ ネルギー性が高くなっています。

解離した水のエネルギーが働いて食べ物が溶かされ(イオン化)、血液の元である「モ ネラ」が出来ていきます。モネラこそ物質と生命をつなぐ中間体です。モネラは「生きた 物質」です。モネラを発見したのはドイツのヘッケルです。世紀の大発見と呼ぶにふさわ しい業績です。
水が食べ物という物質に生命の息吹を吹きこんでいるのです。水が生命を誕生させたヒントは、モネラにあります
腸壁の粘膜細胞内を通過する水分子は、膜電位を浴びて解離します。解離の OH-(電 子)と解離の H+ (プロトン)は、物質から遊離してエネルギー体になっています。共役 性(化学的に反応する物質)から非共役性(pHに影響されない遊離の中間体)に早変わり したのです。腸内で造血するときに、この解離した OH-と解離した H+が活躍しています。
137億年前に、宇宙創成期に生成された水は、生命を誕生させ、今も私たちの体の 中で不眠不休で働いている様子が想像できます。水を介して宇宙の営みと人体の営みはつ ながっています。人体が小宇宙といわれる所以です。
ここで水が示唆するものは何か、が見えてきました。

大坪 亮一 (著)
出版社 : 東宣出版 (2011/7/1)、出典:出版社HP