改訂新版 すべてがわかるアンケートデータの分析

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データ分析を幅広く学ぶ

アンケートデータの解析手法を網羅し、どのような目的のときにどの手法を用いれば良いかを解説しています。具体的な事例についての解説もされているため、実際にデータ分析を行う具体的なイメージをすることができます。

菅 民郎 (著)
出版社 : 現代数学社 (2020/2/21) 、出典:出版社HP

はじめに

アンケートデータは、とても多くのことを分析者に語りかけています。そして、分析者はアンケートデータの中から「宝物」を見出す発掘者といえます。

アンケートにおける「宝物」とは、分析者が知りたいこと(目的)に対する「答え」です。したがって、アンケート調査とは、知りたいこと(目的)を明確にし、その目的を解明するために、調査企画、調査票の作成、集計、推定・検定、多変量解析を行います。目的を解明するためには、それらのどの工程も非常に重要で、またその工程それぞれに、分析者が最低限知っておかなければならないことが多くあります。そこで本書は、それぞれの工程に対する実務的知識が理解できるように、一般的なニーズを鑑みつつ、多くの事例を用いて、できるだけ噛み砕いて解説しました。

特に次の4点を留意して解説しました。
①アンケートデータの分析に必須の解析手法を網羅しました。
②数多くある手法の中からどのような分析目的のとき、どの手法を用いれば良いかを解説しました。
③具体的な例題・事例について分析し、結果の見方、解釈の仕方を解説しました。
④公式や計算方法の紹介では、ベクトルや行列などの複雑な式は避け、電卓で計算できるように配慮しました。

本の構成は、初級編、中級編、上級編、分析レポート編の4部構成としました。
初級編は単純集計・クロス集計について、中級編は相関分析・検定について、上級編は多変量解析について解説し、分析レポート編はレポート実例を掲載致しました。

本書の発行にあたり種々のご尽力を頂いた株式会社アイスタットの姫野尚子様には心から感謝いたします。また、執筆の機会を与えてくださった株式会社現代数学社富田淳様にはお礼申し上げます。

令和元年9月1日
著者 菅 民郎

菅 民郎 (著)
出版社 : 現代数学社 (2020/2/21) 、出典:出版社HP

目次

まえがき

初級編

1.アンケート調査におけるデータ
§1 質問のための分類「SA」「MA」「数量」「文字」の回答法
§2 集計・解析のための分類「数量データ」と「カテゴリデータ」
§3 「回答方法」と「数量データ・カテゴリ」との関係

2.集団の特色や傾向を調べる——単純集計
§1 調査集計
§2 単純集計
§3 カテゴリデータの単純集計の仕方
§4 カテゴリデータ単純集計における不明回答の比率計算
§5 カテゴリデータ単純集計における限定項目の比率計算
§6 数量データの単純集計の仕方
§7 単純集計をグラフで表現する方法
テスト1

3.質問間の関連を調べる——クロス集計
§1 クロス集計
§2 「カテゴリ/カテゴリ」クロス集計
①クロス集計とは
②集計の仕方
③集計の種類
④クロス集計における%ベース
⑤クロス集計における%計算
⑥クロス集計から分かること
§3 「カテゴリ/数量」クロス集計
§4 「数量/数量」クロス集計
§5 クロス集計をグラフで表現する方法
テスト2

中級編

4.関連の強さを調べる——相関
§1 相関の種類
§2 クラメール連関係数
§3 相関比
§4 単相関係数
テスト3

5.比率(平均)の差を調べる——検定
§1 母集団と標本調査
§2 母集団の比率(平均)を推定する
①推定の考え方
②母比率の推定
③母平均の推定
§3 母集団の割合(平均)の差を検定する
①検定の考え方
②母比率の差の検定
③母平均の差の検定
§4 アンケート調査のサンプルサイズ(n)決め方
テスト4

6.比関の有無を調べる——相関検定
§1 関連度に関する検定の考え方と検定の種類
①検定の考え方
②検定の種類
§2 カテゴリデータとカテゴリデータの関連度を検定
①2×2のクロス集計表
②2×2以外のクロス集計表
§3 カテゴリデータと数量データの関連度を検定
§4 数量データと数量データの関連度を検定
①無相関の検定
②母相関係数の検定
テスト5

7.一対比較法
§1 一対比較法で適用できるデータ
§2 サーストンの一対比較法
1.サーストンの一対比較法とはどんな手法
2.計算の仕方
§3 シェツフェの一対比較法「原法」
1.シェッフェの一対比較法とはどんな手法
2.計算の仕方
3.主効果の分析
4.商品相互の平均値の差の検定
§4 シェッフェの一対比較法「浦の変法」
§5 シェッフェの一対比較法「芳賀の変法」
§6 シェッフェの一対比較法「中屋の変法」
テスト6

上級編

8.クロス表からこんなことが分かる
§1 クロス表で有意なセルは——調整残差
1.調整残差とは
2.調整残差の求め方
§2 クロス表で類似しているカテゴリは——コレスポンデンス
1.コレスポンデンスとは
2.カテゴリスコアの求め方

9.顧客満足度調査で改善すべきサービスは——CSグラフ
§1 CSグラフとは何か
§2 改善度の求め方

10.各個体の総合評価とは——主成分分析
§1 主成分分析とはどんな手法
1.主成分分析でどんなことが明らかにできるのか
2.総合評価、系別評価を測定してくれるのはどんな式
3.固有値,固有ベクトル,主成分得点とは
4.「分散・共分散行列」「相関行列」による主成分分析とは
5.主成分負荷量とは
§2 総合評価の式の係数はどのような考え方で求められるのか
§3 系別評価の式の係数は項目相互の相関で決まる——変数クラスタの活用
§4 主成分分析適用の有無をクローンバックα係数で判断する
§5 マトリックスデータに対する主成分分析

11.評価スケールを作成する——因子分析
§1 因子分析とはどんな手法
1.因子分析でとんなことが明らかにできるのか
2.主成分分析と因子分析の違い
3.因子負荷量とは
4.因子得点とは
5.固有値と因子の数
6.固有値と因子負荷量との関係
§2 困子の解釈・ネーミング
1.因子負荷量を使っての解釈
2.因子得点の解釈
§3 因子軸の回転とは
§4 共通性の推定、反復計算とは
§5 因子得点属性別平均とは
§6 因子分析の適用例

12.人・物の類似度を調べる——数量化3類
§1 数量化3類とはどんな手法
1.カテゴリ間,個体問の類似度を得点化する
2.類似度を示すカテゴリスコアとサンプルスコア
3.固有値とは
4.カテゴリスコア算出の考え方
§2 数量化3類の2つの方式
1.フリーチェック方式とアイテム・カテゴリ方式
2.2つの方式の使い分け
3.2つの方式における累積寄与率
§3 軸の解釈・ネーミング
1.基本分析
2.項目選択
3.数量化3類——「性格のみ」で行った場合
4.軸の解釈・ネーミング
5.数量化3類——「性格と血液型」で行った場合
§4 5段階評価に対する数量化3類
1.2カテゴリに変換してフリーチェック方式で
2.5段階評価の処煙は目的に応じて数量化3類、因子分析、主成分分析を選択

13.人・物をグルーピングする——クラスタ分析
§1 クラスタ分析とはどんな手法か
§2 サンプルクラスタ分析
1.距離
2.クラスタ分析の計算の仕方
3.樹形図の作成方法
4.クラスタ数と各サンプルのクラスタNo.
5.クラスタ分析の種類
§3 変数クラスタ分析
§4 数量化3類因子分析とクラスタ分析とを併用する
§5 新製品開発のための消費者セグメンテーション
1.分析のすすめ方
2.分析結果のイメージ
§6 クラスタ分析のまとめ方

14.アンケートデータを使っての予測——数量化2類
§1 数量化2類はどんな手法か
1.予定率の大きさ、予定の有無を規定している要因の把握
2.予測を行う場合の数量化2類
3.カテゴリスコアとサンプルスコア
4.潜在来店意向率の予測
5.分析精度
6.カテゴリスコアの求め方
§2 判別グラフと判別的中点
1.判別グラフ
2.判別的中点
§3 各個体の来店予定を確率で表わす
§4 来店予定率を予測するのに重要な要因は——レンジ、偏相関
1.レンジ
2.偏相関係数
§5 変数選択
1.変数選択のルール
2.マルチコ現象
3.疑似相関に注意
§6 数量化2類を用いた分析の実例
1.分析目的
2.分析方法
3.調査ケースNo.1の分析
4.調査ケースNo.2の分析(1)
5.調査ケースNo.2の分析(2)
§7 目的変数のグループが3つ以上の場合の数量化2類
1.3グループ以上の数量化2類の適用例
2.目的変数が3グループ以上がおける数最化2類は複数個のスケールで
3.軸の数と固有値
4.軸の解釈の仕方
5.タイプに対する志向度を確率で表す
6.予測
§8 数量データの予測——数量化1類

分析レポート編

15.分析手順と分析手法の選択
§1 分析手順
§2 回答方法と分析手法

16.洗濯機に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.洗濯機総合評価
2.年代別洗濯機総合評価
3.機能別評価
4.年代別機能評価
5.洗濯機総合評価
6.機能の改善

17.健康に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.健康維持行為者の割合
2.属性別健康維持行為の割合
3.酒飲・喫煙と健康維持行為との関連
4.健康維持行為者が行っている内容
5.属性別健康維持行為内容
6.摂生、不摂生を測定するスケール
7.摂生、不摂生の度合に応じた人々のグルーピング
8.まとめ

18.プロ野球に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.人気チームの順位は
2.どの層で巨人ファンは多いか
3.巨人ファンと阪神ファンの違いは
4.日本人の性格は
5.性別、年代別、血液型別の性格.
6.性格の類似度を調べるスケール
7.性格類似度による人々のグルーピング
8.性格タイプと好きなプロ野球チーム
9.まとめ

19.新規開店の来店意向に関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.来店意向率
2.通行人の属性別来店意向率
3.潜在来店意向率
4.潜在来店意向率を予測するための項目選択
5.どのような店作りを行うべきか

20.ビールに関するアンケート
§1 分析目的
§2 質問文
§3 データ
§4 レポート
1.ビールの人気度
2.各年代層の好むビールは
3.各ブランドの印象

付録
索引

菅 民郎 (著)
出版社 : 現代数学社 (2020/2/21) 、出典:出版社HP