クロワッサン特別編集【増補改訂】最新版 地震・台風に備える防災BOOK (MAGAZINE HOUSE MOOK クロワッサン特別編集)

【最新 – 防災のために読むおすすめ本 – 災害にあう前に確認しよう】も確認する

命を守るための備えと対策

災害はいつどこで起きるかわかりません。そんな万が一の状況に備えて、普段からできることや災害時に冷静に行動できるような知恵など、防災の基本が身に付きます。また、災害時だけでなく、あらゆる場面で活用できる情報が満載であり、日常の備えがどれほど大切なのかを実感させられる1冊です。

地震・台風に備える

備え編
対処編

[台所の片づけ方] 刃物、割れ物、燃えやすい紙類…… 台所こそ防災を考えた片づけを。
[日用品の収納] 震災を経験してわかった、家具・日用品リスクの軽減法。
[日ごろの持ち物] 被災してわかった必要なモノ。 女性同士は助け合えるんです。
[常備したい物] 避難する時、何が必要か 女性目線で厳選しました。
[災害に強い家] 被災してもここで暮らす、震度7に耐える家と備えとは。
[日ごろの片づけ] いざという時も安心です。地震に備えた片づけ方。
[安全な家づくり] 自宅被災生活を送る。 そのための工夫とは。
[室内の対策] 家の中は危険がいっぱい、家族を守る防災片づけ。
[家具の準備] 正しく使おう耐震器具、 取り付け方を徹底指南。
[地震後の動き] 自助と「近助」は防災の両輪、暮らしの中で実践しよう。
[とっさの行動] 大地震が起きたら、最初の動きが決め手です。
[連絡の取り方] 離れ離れになった時の、 安否確認の方法。
[家族を助ける] 子ども、高齢者、ペットの避難、 どのようにサポートするか。
[トイレ問題] 被災時のトイレ問題は切実、 こうして解消します。

チェック式! 防災グッズ、 食品備蓄リスト、記入式家族データ。
ローリングストックに最適な、 おかゆを非常食に常備しよう。
本格手延べ麺にこだわった、 つるりとおいしい保存食。

年々高まる風水害の危険性、 命を守るための備えと対策がある。
台風、豪雨、洪水など、全国各地で大被害を起こす風水害。ますます重要になるのが気象情報だ。その専門家、斉田季実治さんに防災術を聞いた。
文 ひらり、イラストレーション・イオクサツキ

常に最新の気象情報を入手して行動することが安全第一の鉄則。

台風
温暖化で海面水温が上昇、 勢力を維持して日本襲来も。
2014年の台風2号は9年ぶりに「非常に強い」勢力で上陸。 「近誌を中心に記録的な暴風や高 潮、利な南がりました。台風 は進行方向前と右側は大雨が降りやすく、右側は風も強まります」

さいた・きみはる2006 年からNHKで気象キャスターを務める。現在は「ニュースウオッチ9」に出演中。書に「いのちを守る気象情報」(NHK出新書)など。

平成最後の昨年7月に発生した西日斉田季実治さん 本豪雨は死者237人、行方不明者8人(消防庁発表)という大きな被害を出した。「台風7号によって運ばれた湿った空気があるところに、前線の活動が活発化。さらにった空気が流れ込み、雨雲が線状に発達する線状降水帯が西日本に数十カ所できて、同じ場所で長時間、記録的な大雨が降りました。

天気予報では早い段階から災害の危険性をお伝えしてはいたのですが、結果的に甚大な被害が出たことは、この仕事をする上で大きなショックでした」と話すのは気象予報士の斉田季実治さん。西日本雨は行政主導の究対策に限界があることを浮き彫りにした。「今後は自分の命は自分で守るということが大前提で、行政はサポートするという形になっていきます。ですから常に自分から気象情報を入手し、事前 に備えていくことが大切になります。 地球温販化の影響で今後ますます風水害は多くなっていくと予想されています。

でも台風や集中豪雨は地震と違って事前に予測できるので、対策が立て られます。それは大きな強みです」そのためには自分の住んでいる地域 が災害でどのような危険性があるのかのをちゃんと知っておく必要がある。「まず住んでいる地城の「ハザードマップ』を入手し、浸水や土砂災害など、どんな危険性があるか調べて、家族で 避難経路を決めておくこと、風水害は 豪雨になるので、焼指示が出てからでは歩くのも危険な状態になるおそれがあります。早めの避難が大切です」

気象情報は災害から命を守るためにある、と清田さん。その言葉をしっかりと心に刻み、被害を防ごう。

集中豪雨
同じ地域に長時間にわたり、 大量の雨が降り続く。
西日本市では100年に一度 というほどの記録的大雨が降った。 「集中市は前線の停滞、台風などが原因となり、総雨量が数百 リと極めて多く、河川の氾濫、 水、土砂崩れの保険性があります」

ゲリラ豪雨
「グリラ豪雨(局地的大画は、 由が小さいため予測が来しい。 「短時間に数十ミリの大南が局地 的に降るのでな増水が起きやす く、短時間で浸水が起こる「都市 型水」が発生します」

まずハザードマップを見て危険を知ろう。
ハザードマップには居住地域の 災害発生時に考えられる被害の前 囲や程度、湿場所などがまとめられている。各自治体で公開して いるが、国土交通省のハザードマップポータルサイトから入れる。

直近の降雨予報はインターネットで
ゲリラ豪雨など急な大雨に備えるには気象庁のホームページの 「高解像度降水ナウキャスト」が 役に立つ。1時間後の南の位置 までわかり、土災害や浸水害、洪水の危険度も表示できる。

事前に予測できる台風。暴風、停電、浸水……、計画的な対策を。

排水溝、道路側溝
詰まったゴミや落ち葉、泥を掃除して取りのぞき、水はけをよくする。

鉢植え・庭木
鉢植えは屋内に入れる。庭木の枯れなどをとりのぞき、枝の剪定を。

◆断水に備える
集合住宅では停電すると断水になってしまうところが多い。「水は生命線です。地震対策にもなるので1週間分は備蓄して分散収納してください。お風呂の水は生活用水に使えます」

◆停電に備える。
台風や集中豪雨では停電が起きやすいので暗闇対策はマスト。「あかりがあるだけで不安が解消されます。情報を入手できるラジオや乾電池も常備を忘れずに」

ネックライト
両手が空くので作業がしやすい。 ヘッドライトでもよい。

LEDランタン
太陽光充電ができるランタンもある。 家族各人の席に置こう。

水は大人1日3日を目安に。
水は飲用なら大人1日13、みがき、 料理などを含めて1日3,必要になる。

乾電池式スマホ充電器
スマホは頻繁に使うため日常で使うものとは別に用意しておく。
蓄光テープ
暗闇でもわかるように懐中電灯、ドアノブ、 手すり等に貼る。

LED懐中電灯
各部屋に備えておく。LEDライトなら電力で電池も長持ち。

浴槽に水を張っておく
生活用水に使える浴槽の水は入れ替える時まで抜かずにキープしておく。

携帯ラジオ
停電時の貴重な情報になるので、手回し充電ができるものを。

足元ライト
真っ暗になる廊下には充電式の足元ライトを設置しておく。

乾電池
必要なサイズと本数を確認して、使ったら常に補充しておく。

◆ガラスの飛散を防ぐ
台風の風による飛散物で窓ガ ラスが割れる危険性も高い。 「割れて散らばったガラスは大怪我のもと、ガラス飛散防止フィルムを貼れば万全ですが、カーテン を閉めるだけでも効果があります」
◆浸水に備える
低地で浸水の危険があれば、パソコン、テレビなどの電化製品、重要書類、貴重品など、むれたら困る家財を2回に運んでおく。「浸水対策に土嚢があればいいですが、水嚢は作る事ができます。45lのごみ袋を二重にして水を半分ほど入れ、口を固く縛ればOKです。これを入り口などに隙間なく敷き詰めるか、さらにすい脳を入れた段ボールを隙間なくな並べると強度が高まります。」

ガラス飛散防止フィルムを貼る。
窓ガラスが割れるようなことになっても飛び散らない。地震対策にも有効。

濡れたら困るものは階上に。
床上浸水をして、10度 のアルバムなど貴重品を2階へ移動

台風の進路がほぼ決まる72時間前をスタートにして、被害を回避するスケジュールを立てておく。 「これは家族構成や暮らす地域で も変わるので、それぞれがどうするかを考えておく必要があります」

72時間前
台風情報、警報級の可能性、
天気予報に注意する。台風の大きさや強さを確認。家まわりを点検する。
48時間前
気象情報のチェック、天の変化に注意する。 ハザードマップで程先、ルートを確認する。停電・断水に備えて買いをする。
5時間前
土砂災害警戒情報。氾濫危険情報。避難勧告。
3時間前
避難指示(緊急)
被害発生
特別警報。

風水害が起きたときの避難行動。早め早めに危険を回避するには?

◆屋内にいるとき

◆外出先で

地下室に入らない。
大雨になって浸水すると地下には大量の水が流れ込み、水圧で中から扉が開けられなくなる。 「家が道路より低地にあると、1階も地下室と同じ状態になります。 2階以上にいるようにしましょう」

雨戸やカーテンを閉めて 窓からはなれたところにいる。
強風によって物が飛んできてガラスを割ることも。 「雨戸があれば閉めればいいのですが、マンションは雨戸がないことが多いので、カーテンを閉め、窓に近づかないようにしてください」

アンダーパスを歩かない。
道路が様品の下をくぐり抜ける アンダーパスは、地形的に雨水が 集中しやすい構造になっている。 「急激に道路が冠水してしまうの で通ってはいけません。水深50cmで大人でも姿行困難になります」

冠水した道路を歩かない。
水位が低くても、水の流れには勢いがあり、年をとられやすい。 「道路は濁った水であふれ、足元 が見えない。マンホールのフタが 外れていると落ちることも。近くの高い建物に避難してください」

崖や斜面から離れた 2階の部屋にいる。
自宅の裏が傾斜地の場合、傾斜地から離れた部屋にいること。 「土砂がれてきたら1階が生まってしまうこともあるので、2階のほうが安全です。気象情報に注意して早めの球をしましょう」

地下街・地下通路から出る。
大阪で道路が冠水すると、地下通路に滝のように水が流れ込む。 「地下にいると外の状況がわかりにくいですが、異変を感じたら速やかに地上に避難してください。 素早い状況判断が命を救います」

川に近寄らない。
大型台風が近に接近しているときや大雨が降り続いているときは、不要不急の外出はける。 「屋内にいるほうが安全です。時、風や雨が弱まったように見えても見回りに行くのは危険です」

外出しない。
泥の位関のある川から離れる。 「その場所で大量に雨が降ったと きだけでなく、上流に降った雨で 川は急に増水します。水位の上昇 のほか、水の濁りや木の枝が流れてくるのも険な僕です」

◆車に乗っていたら

冠水した道、 ガード下やアンダーパスを 走らない。
豪雨のとき、車がアンダーパスで立ち往生している光景がしばしばテレビで映し出される。「このぐらい大丈夫だろうという気持ちでしょうが、短時間で水位が上がるので油断できません」

30kmほどの水位でエンジンが故障・停止の危険。
高速道路では10cmの冠水で、ブ レーキが利かなくなることも。 「水深30cm、マフラーの排気口の高さより深くなるとエンジンが止まって走行できなくなります。冠水した道路は迂回してください」

車に閉じ込められないように、脱出用ハンマーを常備する。
水に浸かって動けなくなった車には危険が迫っている。水位が上がると水圧でドアが開かなくなるし、硬化し始める。水が床面をこえれば車が浮いて流されたす恐れも。脱出用ハンマーは必需品だ。

◆動きやすい服装で避難、長靴厳禁

風水害では早め早めの避難がカギ。時間がたつほど状況は悪化し、逃げ遅れることになる。「避難は動きやすい服装で上下に分かれたレインウェア、頭を守る帽子やヘルメットを、さらに、首からネックライトを下げると、両手が使えて便利です。長靴は水が入ると足を取られるので、底の 厚い運動靴やスニーカーを履いてください。夜の避難は危険なので明るいうちに行動を」

◆水平避難より垂直避難
避難とは命を守る行動。避難所を目指すこととは限らない。 「水平離より車直君離のほうが効果的なこともあります。たとえば避難所が増水した川にかかる橋をわたらないと行けないような場所にあるなら、安全に行ける高台にある知人宅とか、近くの丈夫な高い建物の階上などに対離します。 風水書では水平方向よりも直方向、つまり高い場所へ逃げたほうが有効と覚えておきましょう」
避難所などが少し離れている場合は、とりあえず近くの 高い場所を目指そう。そして上方向にを心がけて。

気象情報、避難情報から危険の切迫度を察知し、適切に行動する。
◆注意報・警報を知っておく(気象庁発表)
気象庁が発令するのは「注意報」「警報」「特別警報」の3種類。 「何らかの災害が起こる恐れがあるときは「注意」、重大な災害の恐れがあるときは「警報」、さらに数十年に一度の大雨など、これまでにない危険が迫っていると きに「特務」が発表されます。 「特別警報」が出されたときはすでに難が困難になっている場合 も考えられるので、段的に定表 される注意報・警報に注意し、早めに行動することが大切です」

◆避難情報を知っておく(自治体発表)
災害による被害が拡大する恐れがあり、命の危険が迫った時は、状況に応じて各市町村から避難勧告などが発令される。「避難情報は3段会で避難を促します、高齢者や小さな子供など、避難に時間がかかる人たちの避難を促す「避難準備・高齢者など避難開始」。居住者に立ち退き避難を進め、促す「避難勧告」。被害の危険が切迫したときに発せられるのが「避難指示」で、「避難勧告」より意見度が高いです」