【最新】防災のために読むおすすめ本 – 災害にあう前に確認しよう

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防災のためにこれだけは知っておこう

これまでの頻繁に起こる地震、台風だけでなく、最近でのコロナの影響など様座なところで天災、人災を含め人々は災害が身近にあります。一時的な避難以外に、保存食などの蓄えなどはメジャーな備えですが、他にもどのような事が必要なのでしょうか。今回は防災について知っておいて損のない事を書かれた書籍を紹介します。

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出典:出版社HP

避難所に行かない防災の教科書

自分と家族を守るための知識

2019年の台風15号/19号の被害の中で、実際に役に立った技術やツールの実践的な活用方法をわかりやすく解説しています。また、2020年には新型コロナウイルスの流行により、従来の「避難所に避難する」だけが正しい選択肢ではなくなってきています。そのための自宅の安全度を高める具体的な方法も紹介されています。

西野 弘章 (著)
出版社 : 扶桑社 (2020/8/30)、出典:出版社HP

まえがき……..「逃げなくてもいい防災」を考える

2019年9月8日深夜、東京湾を縦断した台風15号は、私たちが暮らす房総半島に甚大な被害をもたらしました。周囲の電柱はつぎつぎとなぎ倒され、ひと抱え以上もある太い樹木がエンピツのようにボキボキと折れる猛烈な風。自動車が横転するほどでしたから、もちろん建物も無事では済みません。近隣の家々では屋根やブロック塀などが吹き飛び、知人宅では隣の家から飛んできた屋根の瓦が窓ガラスを突き破り、寝室の枕元まで飛んできて命の危険を感じたそうです。

今回の台風では、最大瞬間風速8mの観測史上1位を記録。時速だと200km超、新幹線にも匹敵するスピードです。体感では、震度4ぐらいの地震が息もつかせぬように数十分、数時間も続くイメージといえば、そのリアルな恐怖を想像していただけるでしょうか。木造住宅の我が家は、かなり丈夫に造っていたつもりですが、家全体がひと晩中ミシミシ、ガタガタと大きく揺れ続け、そのうち木っ端みじんになるのではないかと一睡もできませんでした。

結局、この台風による住宅被害は千葉県内だけでも7万戸超。約2,000本の電柱が損壊し、5万戸が停電になりました。一部の地域では、1カ月以上停電が続いたところもあったようです。ところで、たとえば100年に一回レベルの超大型台風が接近しているとき、自分の家を離れて避難所に駆け込むことができるでしょうか。2018年の西日本豪雨では、特別警報の避難勧告が何度もアナウンスされていたにもかかわらず、実際に避難所に行った人は全体のわずか5%。2013年の京都の大雨特別警報で避難した人は1%だったそうです。
人は、なぜ逃げないのでしょう?一説によると、「正常性バイアス」という人間にとって都合の悪い情報は無視するという特性からきているもののようです。実際、今回の千葉県の台風でも、正直、私を含めて多くの人が「大丈夫でしょ?」と甘く考えていて、台風前に避難した人はいませんでした。

その一方、私が暮らす地域では、避難所の収容能力が足りないという現実的な問題もありました。ましてや、都市部の人口過密エリアで避難者が殺到すれば、あっという間に避難所は定員オーバーになってしまうでしょう。2011年の東日本大震災では、10万人の方々が避難所で生活しました。そして、今後発生するといわれている南海トラフ地震では950万人もの避難者が想定されていて、避難所に入れる可能性は格段に低くなってしまうのです。
運よく避難所に入れても、停電が続いていれば冷暖房はなく、堅い床に直接寝なければならないこともあります。もちろん、プライバシーが守られる保証はありません。そうした過酷な環境からのストレスで体調不良になり、とくに高齢者はそれが原因で亡くなる方も少なくないそうです。さらに 2020年には、コロナ禍によって「三密」の典型である避難所へ行くこと自体がリスクになるという新たなハードルも考えなければならなくなりました。
もちろん、東日本大震災の津波の例のように、いち早く避難したおかげで助かった命は多いですし、洪水や土砂崩れの 危険があるときも絶対に避難するべきです。それでも、災害 が通り過ぎた後は、住み慣れた自分の家に帰りたくなるのが人間の本能なのかもしれません……。

そこで、これからの防災の新常識として、現在まさにクローズアップされているのが、「逃げない防災=自宅避難」です。内閣府や人口の多い首都圏エリアの行政でも、前述の理由から自宅や職場などでの避難を推進する方向に舵を切り始めました。職場や学校などは行政の指導で災害時の対策も整えられつつありますので、さしあたっては自宅を災害に強い家にすることを目指してみませんか?強烈な台風や大地震などでも「逃げなくていい家」に。
私が考える逃げなくてもいい家とは、「立地、強度、断熱&調湿、日常対策、備蓄、ライフライン」を考慮した建物です。飲食料や生活用品の備蓄といった簡単なことから、家具の転倒防止、さらには建物の耐震化・耐風化、ライフラインの自給自足など、災害に備えて準備できることはたくさんあります。災害時には、正常性バイアスが想像以上の強さで人々 の行動を制限することが判明していますが、安心な避難所としての自宅を確保できていれば、これ以上心強いものはありません。まずは、自分たちの身の安全を守ること。こうした「自助」のスタイルの確立が、地域でお互いに助け合う「共助」につながっていくのです。
「もちろん、立地や状況によっては、すみやかな避難が大切なことは過去の災害からも明らかです。そうした逃げる避難のノウハウは、東京都が発行している冊子『東京防災』にくわしいので、ぜひ一読することをお勧めします。その一方、本書では「逃げなくてもいい防災」をテーマに、家族を必ず「守ってくれる家をDIYで実現する方法、停電や断水などとうまくつきあいながらストレスなく避難生活を送るためのノウハウをご紹介したいと思います。

2020年8月 西野弘章

目次

逃げない防災2週間の体験
被災体験で学んだ知恵のいろいろ
まえがき

第1章 DIYで災害に強い家にする
災害時でも「逃げなくていい家」の6つの条件とは?
ハザードマップで、自宅の「危険度」をチェックする
DIYで手軽にできる自宅の「台風・大雨対策」
DIYで手軽にできる自宅の「地震対策」
DIYで自宅の「調熱&調湿性能」を高める
DIYで自宅の「断熱性能」を高める
DIYで自宅の「耐震性能」を高める
DIYで自宅の「耐風性能」を高める
◆COLUMN◆ 私が「防災住宅」にこだわる理由

第2章 災害で役立つライフラインの自給自足
防災用に絶対に備えたい「非常用電源」とは?
「モバイルバッテリー」は大容量タイプがお勧め
「エンジン発電機」を安全、かつ賢く使う方法
3万円で「ベランダ発電所」を実現する方法
役立つ防災アイテム「ポータブル電源」の賢い選び方
停電時に「自動車」を非常用電源にする方法
「太陽熱温水器」が再脚光を浴びている理由とは?
究極の料理器具「ロケットストーブ」を作る
「トイレパニック」を乗り切るためのアイディア
断水時に役立つ「雨水利用」の仕組み
◆COLUMN◆ 災害時の「SNS」の威力に驚愕した日々

第3章 体験してわかった「備蓄」のノウハウ
体験したからわかる「食料の備蓄」の本音とは?
「生活用品」の備蓄は、使い慣れたものでOK!
あると便利な補修アイテムとDIYツール
「小さな子供」や「高齢者」に必要な備蓄を考える
「ペット」の自宅避難のための対策と備蓄
◆COLUMN◆ 災害時の「保険」を考える

第4章 災害後の2週間を生き延びる技術
災害発生! まずは生き延びることを最優先に
初期行動で頼りになる被災時の「情報収集」
非常用電源で自宅内の「ライフライン」を稼働させる
「暑さ・寒さ対策」が自宅避難の最大のポイント
停電が3日続いたら「断水」に備えよう!
一時避難を「車中泊」で乗り切る方法
避難生活でもおいしく食べたい「防災クッキング」
自宅を DIYで応急修理する① 雨漏り対策
自宅をDIYで応急修理する② 壁や窓、浸水対処

西野 弘章 (著)
出版社 : 扶桑社 (2020/8/30)、出典:出版社HP

地震イツモマニュアル

特別ではなく、「いつもの暮らし」を備えに

普段の暮らしの中に工夫を入れることで備えになる、新しい防災マニュアルです。災害時の連絡手段や家の安全のチェックポイントを確認できます。それに加えて、家具の転倒防止法や実際に役に立つ防災グッズなど、イラストを交えて紹介しています。また、GoogleやTwitterなどの人気企業が防災に役立つ情報を紹介するページもあります。

地震イツモプロジェクト (編集), 寄藤 文平 (イラスト), プラスアーツ
出版社 : ポプラ社 (2019/7/31)、出典:出版社HP

はじめに

この本の前身、『地震イツモノート』が発行されたのは2007年のこと。阪神・淡路大震災の被災者167人の声と工夫をまとめた一番です。それは、防災を身近に考える「キモチ」の防災マニュアルでもありました。

あれから9年。地震はまた、起こりました。でも人は、悲しみから学びます。強くなってもきたのです。今、地震はすぐそばにある。そう感じる人も多いのではないでしょうか。これまで蓄積してきたたくさんの知見を、今こそ、誰もが「使える」かたちにしよう。私たちはそう考え、『地震イツモノート』の実践版をつくりました。

あの被災地の声から学んだこと。それはこの本のスローガンでもあります。
「Save Yourself」、自分の身は自分で守ること。
「モシモ」ではなく「イツモ」、地震とつきあっていくこと。
すぐできそうなこと、ひとつでも。そのイツモが、あなたをきっと守ります。

地震イツモプロジェクト (編集), 寄藤 文平 (イラスト), プラスアーツ
出版社 : ポプラ社 (2019/7/31)、出典:出版社HP

目次

はじめに

1 知ることから始める防災
日本のまわりの4つのプレート
「プレート境界型地震」のメカニズム
「内陸活断層型地震」のメカニズム
日本で起こる地震 避難者数は最大で950万人に
帰宅困難者数は最大で800万人に

2 サバイバル×電気&ガス
電気は使えなくなる
明かりがあると安心
電気が原因で起こる火災
電気による二次災害を防ぐには
感震ブレーカーがあると安心
消火器の使い方 ガスは止まる
ガスメーターは自動的に止まる
ガスメーターの復帰方法
カセットコンロとボンベは必需品

COLUMN
ガス、消しに行かなくていいんです。
今覚えておきたい三つの知識。
東京ガス株式会社 防災・供給部/広報部

3 サバイバル×水
水は止まる
水はどれくらい必要?
水の節約術
水を運ぶための工夫
水がない時のオーラルケア
下水道は使えなくなる
災害時のトイレは水が使えない
携帯トイレの種類と選ぶポイント
携帯トイレの使い方
携帯トイレはどれくらい必要?
緊急用トイレのつくり方
携帯トイレとあわせて必要なもの
使用済み携帯トイレの保管方法

COLUMN
歯みがきなんて後でいい。
そんな時こそ、オーラルケアを。
サンスター株式会社 研究開発部/広報部
下水道の復旧はすぐにはできない。
住まいによっては長引くことも。
埼玉県下水道局
下水道事業課/危機管理防災部危機管理課
自分らしく、人間らしく。
快適なトイレをあきらめないで。
株式会社エクセルシア代表取締役 足立寛一さん

4 サバイバル×キッチン
食料は不足する
「1週間分の食料」を工夫する
ローリングストック法で備蓄する
おすすめの「非常食」
水がない時に役立つキッチングッズ
紙食器のつくり方
ルポ 自然解凍で食べてみました
ルポ 「非常食」をつくってみました

COLUMN
カロリーと水、だけじゃない。
ほしいのは、「いつもの食」でした。
アサヒグループ食品株式会社
アマノマーケティング部

5 あの手この手を知っておく「連絡手段」
電話はつながらなくなる
家族で決めておく連絡のルール
災害用伝言サービスの種類
いろいろな連絡手段

COLUMN
東日本大震災のときと、今。
通信ネットワークは進化しています。
ソフトバンク株式会社 災害対策室/広報室
携帯電話という端末は、もっと役立つ防災ツールになれる。
Apple Inc. 広報部
もはや遊びではないSNS。
そのアカウントが、あなたを守る。
ツイッタージャパン株式会社 広報部
巨大なデータにふりまわされない。
情報の引き出しは、決めておく。
グーグル株式会社 クライシスレスポンスチーム

6 「家の安全」の チェックポイント
建物は倒壊する危険がある
知っておきたい「耐震基準」
家の耐震を調べてみる
割れないガラスはない

COLUMN
危ない家には住みたくない。
その見きわめ方と、直し方。
東京ガスリモデリング株式会社 CS推進部
そのガラスを凶器にしない。
ポイントは「割れかた」と「割れたあと」。
AGC旭硝子

7 すぐできる家具の転倒防止
ケガの半分が家具の転倒落下
家具転倒防止グッズの効果
身近なものを活用する転倒防止策
家の中の安全対策チェック
家具の配置を工夫する

8 身のまわりのものでできる応急手当
知っておきたい「救命の流れ」
心肺蘇生法
AEDの使い方
止血の応急手当
骨折の応急手当
毛布担架のつくり方

COLUMN
地震直後、あなたが救える命がある。
その勇気を「講習」がつくる。
日本赤十字社 救護・福祉部

9 本当に役立つ防災グッズ
持ち歩き用グッズ
家に置いておくグッズ
高齢者用グッズ
乳幼児用グッズ
会社に置いておくグッズ
ペット用グッズ

COLUMN
「ペットを飼う」ことは、「ペットの防災まで考える」ということ。
NPO法人アナイス理事長 平井潤子さん

おわりに
「全部やらなきゃ」と思わないでください。

出典
地震イツモプロジェクト メンバー

地震イツモプロジェクト (編集), 寄藤 文平 (イラスト), プラスアーツ
出版社 : ポプラ社 (2019/7/31)、出典:出版社HP

自衛隊防災BOOK

自分や自分の大切な人を守るために

本書は、世界一受けたい授業やノンストップ!などのテレビ番組でも紹介された話題の1冊です。災害時に私たちを助けてくれる、心強い危機管理のプロである自衛隊のノウハウが詰まっています。大災害はいつどこで起こるか分かりません。必ず役に立つ知識が身に付きます。

マガジンハウス (編集), 自衛隊/防衛省協力 (その他)
出版社 : マガジンハウス (2018/8/9)、出典:出版社HP

はじめに

地震、台風、大雨、崖崩れ……。いつどこで起こるかわからない、さまざまな大災害。自衛隊は、いざというときに 私たちを助けてくれる、心強い危機管理のプロフェッショナルです。人命救助はもちろんのこと、食料の確保や給水、緊急措置など、災害時のトラブルに対処する、さまざまなテクニックやアイデア。私たちでも簡単に取り入れることのできるピンチに役立つノウハウをピックアップ。

備えあれば憂いなし!災害に備えて、自衛官が日ごろから心がけているのは?

地震発生!まず最初にすることとは?

身近なものを使って、ピンチを切り抜ける方法

海・山・川で遭難したときに助かる方法

本書では自衛隊から教わった、誰でも実践できる
100の防災テクニックを紹介していきます
自衛隊公式ライフハックチャンネルでもテクニックの一部を公開しています!

マガジンハウス (編集), 自衛隊/防衛省協力 (その他)
出版社 : マガジンハウス (2018/8/9)、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに

まずは日頃からの“備え”が大切
LIFE HACK 001 自宅の家具配置を見直す!
LIFE HACK 002 自宅の周りの避難場所を知っておく!
LIFE HACK 003 外出先では非常口・非常階段の位置を把握する!
LIFE HACK 004 自衛隊あるある”自衛官は非常階段を試します”
LIFE HACK 005 初期消火の基本を身につける!
LIFE HACK 006 自衛隊あるある“自衛官の自宅には消火器が複数ある”

CHAPTER 01[1章] 災害時に役立つライフハック 【発災時編】
LIFE HACK 007 危険を察知する方法
LIFE HACK 008 料理中だったら
LIFE HACK 009 睡眠中だったら
LIFE HACK 010 入浴中だったら
LIFE HACK 011 自衛隊あるある“自衛官の自宅ではお風呂の水を空にしない”
LIFE HACK 012 オフィスにいたら
LIFE HACK 013 エレベーターに閉じ込められたら
LIFE HACK 014 スーパー・コンビニにいたら
LIFE HACK 015 街中を歩行中だったら
LIFE HACK 016 電車に乗っていたら
LIFE HACK 017 地下街・地下鉄構内など地下にいたら
LIFE HACK 018 車を運転中だったら
LIFE HACK 019 自衛隊あるある“自衛官は自家用車のガソリンを半分以下にはしない”
LIFE HACK 020 避難時の基本の服装
LIFE HACK 021 自衛隊あるある“自衛官は防水仕様の私服を着ることが多い”
LIFE HACK 022 子供と避難する方法
LIFE HACK 023 高齢者と避難する方法
LIFE HACK 024 ペットと避難する方法

CHAPTER 02[2章] 災害時に役立つライフハック【被災時編】
身近なもの
LIFE HACK 025 シャツを浮き輪代わりにする方法
LIFE HACK 026 ズボンを浮き輪代わりにする方法
LIFE HACK 027 ペットボトルを浮き輪代わりにする方法
LIFE HACK 028 手ぬぐいで止血する方法
LIFE HACK 029 自衛隊あるある“自衛官はハンカチよりも手ぬぐい率が高い”
LIFE HACK 030 骨折や捻挫のとき添え木を作る方法
LIFE HACK 031 プルーシートと新聞紙を寝袋にする方法
LIFE HACK 032 新聞紙を新代わりにする方法
LIFE HACK 033 懐中電灯をランタン代わりにする方法
LIFE HACK 034 ポリ袋をバケツ代わりにする方法
LIFE HACK 035 ポリ袋で食器洗いの手間をなくす方法
LIFE HACK 036 公衆電話から緊急通報する方法
LIFE HACK 037 ツナ缶・バターをローソク代わりにする方法

正しい運び方
LIFE HACK 038 一人でけが人を運ぶ方法
LIFE HACK 039 二人でけが人を運ぶ方法
LIFE HACK 040 上着で担架を作る方法

海・山・川で
LIFE HACK 041 炎天下で熱射病を避ける方法
LIFE HACK 042 湧き水が飲めるかどうかの確認方法
LIFE HACK 043 海で沖に流された際の対処法
LIFE HACK 044 泥沼から抜け出す方法
LIFE HACK 045 暗い夜の山で道を探す方法
LIFE HACK 046 熱射病になってしまったときの対処法
LIFE HACK 047 大きな音から鼓膜を守る方法
LIFE HACK 048 遭難時生存率がアップする方法
LIFE HACK 049 上空から見つけてもらいやすくする方法①
LIFE HACK 050 上空から見つけてもらいやすくする方法②
LIFE HACK 051 上空から見つけてもらいやすくする方法③
LIFE HACK 052 寒さから自衛する方法
LIFE HACK 053 寒さから自衛する方法
LIFE HACK 054 寒さから自衛する方法
LIFE HACK 055 雪崩に巻き込まれたときに生存率を上げる方法
LIFE HACK 056 雪や地面を保存庫にする方法
LIFE HACK 057 水筒の凍結防止方法

COLUMN 01 自分を守る! 防災アイテム&防災食品の備蓄
LIFE HACK 058 マネしたい自衛官のバッグの中身
LIFE HACK 059 お風呂道具を効率良く持ち運ぶ方法
LIFE HACK 060 自衛隊あるある“自衛官は自家用車に簡易トイレを常備している”
LIFE HACK 061 いざというときの自衛官の料理
LIFE HACK 062 自衛隊あるある“自衛官はスイーツ缶を非常食にすることが多い”

防災アドバイザーがレクチャー① 持ち出し袋に入れるもの一覧
防災アドバイザーがレクチャー② 防災用食品厳選リスト

CHAPTER 03[3章] 日常生活に役立つライフハック
レジャー
LIFE HACK 063 ハチに刺されたときの対処法
LIVE HACK 064 船で酔わない方法
LIFE HACK 065 車内のガラス曇りを軽減する方法
LIFE HACK 066 車に積もった雪を落とす方法

トラブル
LIFE HACK 067 静電気のビリビリを防ぐ方法
LIFE HACK 068 車のヘッドライトで目がくらむのを防ぐ方法
LIFE HACK 069 急に暗いところへ行ったときに素早く目を悟らす方法
LIFE HACK 070 傾斜が急な階段を下る方法
LIFE HACK 071 靴ずれを起こしにくくする方法
LIFE HACK 072 足のまめをつぶす方法
LIFE HACK 073 懐中電灯でチカンを撃退する方法

効率アップ
LIFE HACK 074 腰に負担をかけずに重いものを持ち上げる方法
LIFE HACK 075 節水時にうまくシャワーを浴びる方法
LIFE HACK 076 自衛隊式パッキング法
LIFE HACK 077 ビニールシート敷きを一発で決める畳み方
LIFE HACK 078 使い捨てカイロを二次利用する方法
LIFE HACK 079 書棚をきっちり整理整頓する方法
LIFE HACK 080 イヤホンを絡まず結ぶ方法
LIFE HACK 081 崩れにくい土のうの積み方
LIFE HACK 082 崩れにくいダンボールの積み方
LIFE HACK 083 正しい雪かきの方法協
LIFE HACK 084 最短でかまくらを作る方法

代用
LIFE HACK 085 ナイロン紐を素手で切る方法
LIFE HACK 086 開きにくいビンのふたを開ける方法
LIFE HACK 087 缶切りなしで缶詰を開ける方法
LIFE HACK 088 定規なしで長さを測る方法
LIFE HACK 089 ストップウォッチなしでの正確な時間を計る方法は
LIFE HACK 090 ブーツをピカピカにする方法
LIFE HACK 091 靴の消臭をする方法は
LIFE HACK 092 出張先でアイロンを使わずに服のシワをのばす方法

知恵袋
LIFE HACK 093 はさみの切れ味を良くする方法
LIFE HACK 094 双眼鏡を安定させて見る方法
LIFE HACK 095 冷たいものを触るときに手をくっつかせない方法
LIFE HACH 096 正しいロープの結び方①(ヒッチ)
LIFE HACK 097 正しいロープの結び方②(ベント)
LIFE HACK 098 正しいロープの結び方③(ノット)
LIFE HACK 099 いざというとき役立つほふく前進の基本
LIFE HACK 100 自衛隊体操で日頃から動ける体作りを!

COLUMN 02 自衛官の妻が夫の留守を守るライフハック

あとがき

マガジンハウス (編集), 自衛隊/防衛省協力 (その他)
出版社 : マガジンハウス (2018/8/9)、出典:出版社HP

クロワッサン特別編集【増補改訂】最新版 地震・台風に備える防災BOOK (MAGAZINE HOUSE MOOK クロワッサン特別編集)

命を守るための備えと対策

災害はいつどこで起きるかわかりません。そんな万が一の状況に備えて、普段からできることや災害時に冷静に行動できるような知恵など、防災の基本が身に付きます。また、災害時だけでなく、あらゆる場面で活用できる情報が満載であり、日常の備えがどれほど大切なのかを実感させられる1冊です。

地震・台風に備える

備え編
対処編

[台所の片づけ方] 刃物、割れ物、燃えやすい紙類…… 台所こそ防災を考えた片づけを。
[日用品の収納] 震災を経験してわかった、家具・日用品リスクの軽減法。
[日ごろの持ち物] 被災してわかった必要なモノ。 女性同士は助け合えるんです。
[常備したい物] 避難する時、何が必要か 女性目線で厳選しました。
[災害に強い家] 被災してもここで暮らす、震度7に耐える家と備えとは。
[日ごろの片づけ] いざという時も安心です。地震に備えた片づけ方。
[安全な家づくり] 自宅被災生活を送る。 そのための工夫とは。
[室内の対策] 家の中は危険がいっぱい、家族を守る防災片づけ。
[家具の準備] 正しく使おう耐震器具、 取り付け方を徹底指南。
[地震後の動き] 自助と「近助」は防災の両輪、暮らしの中で実践しよう。
[とっさの行動] 大地震が起きたら、最初の動きが決め手です。
[連絡の取り方] 離れ離れになった時の、 安否確認の方法。
[家族を助ける] 子ども、高齢者、ペットの避難、 どのようにサポートするか。
[トイレ問題] 被災時のトイレ問題は切実、 こうして解消します。

チェック式! 防災グッズ、 食品備蓄リスト、記入式家族データ。
ローリングストックに最適な、 おかゆを非常食に常備しよう。
本格手延べ麺にこだわった、 つるりとおいしい保存食。

年々高まる風水害の危険性、 命を守るための備えと対策がある。
台風、豪雨、洪水など、全国各地で大被害を起こす風水害。ますます重要になるのが気象情報だ。その専門家、斉田季実治さんに防災術を聞いた。
文 ひらり、イラストレーション・イオクサツキ

常に最新の気象情報を入手して行動することが安全第一の鉄則。

台風
温暖化で海面水温が上昇、 勢力を維持して日本襲来も。
2014年の台風2号は9年ぶりに「非常に強い」勢力で上陸。 「近誌を中心に記録的な暴風や高 潮、利な南がりました。台風 は進行方向前と右側は大雨が降りやすく、右側は風も強まります」

さいた・きみはる2006 年からNHKで気象キャスターを務める。現在は「ニュースウオッチ9」に出演中。書に「いのちを守る気象情報」(NHK出新書)など。

平成最後の昨年7月に発生した西日斉田季実治さん 本豪雨は死者237人、行方不明者8人(消防庁発表)という大きな被害を出した。「台風7号によって運ばれた湿った空気があるところに、前線の活動が活発化。さらにった空気が流れ込み、雨雲が線状に発達する線状降水帯が西日本に数十カ所できて、同じ場所で長時間、記録的な大雨が降りました。

天気予報では早い段階から災害の危険性をお伝えしてはいたのですが、結果的に甚大な被害が出たことは、この仕事をする上で大きなショックでした」と話すのは気象予報士の斉田季実治さん。西日本雨は行政主導の究対策に限界があることを浮き彫りにした。「今後は自分の命は自分で守るということが大前提で、行政はサポートするという形になっていきます。ですから常に自分から気象情報を入手し、事前に備えていくことが大切になります。 地球温販化の影響で今後ますます風水害は多くなっていくと予想されています。

でも台風や集中豪雨は地震と違って事前に予測できるので、対策が立てられます。それは大きな強みです」そのためには自分の住んでいる地域 が災害でどのような危険性があるのかのをちゃんと知っておく必要がある。「まず住んでいる地城の「ハザードマップ』を入手し、浸水や土砂災害など どんな危険性があるか調べて、家族で 避難経路を決めておくこと、風水害は 豪雨になるので、焼指示が出てからでは歩くのも危険な状態になるおそれ があります。早めの避難が大切です」

気象情報は災害から命を守るために ある、と清田さん。その言葉をしっかりと心に刻み、被害を防ごう。

集中豪雨
同じ地域に長時間にわたり、 大量の雨が降り続く。
西日本市では100年に一度 というほどの記録的大雨が降った。 「集中市は前線の停滞、台風などが原因となり、総雨量が数百 リと極めて多く、河川の氾濫、 水、土砂崩れの保険性があります」

ゲリラ豪雨
「グリラ豪雨(局地的大画は、 由が小さいため予測が来しい。 「短時間に数十ミリの大南が局地 的に降るのでな増水が起きやす く、短時間で浸水が起こる「都市 型水」が発生します」

まずハザードマップを見て危険を知ろう。
ハザードマップには居住地域の 災害発生時に考えられる被害の前 囲や程度、湿場所などがまとめられている。各自治体で公開して いるが、国土交通省のハザードマップポータルサイトから入れる。

直近の降雨予報はインターネットで
ゲリラ豪雨など急な大雨に備えるには気象庁のホームページの 「高解像度降水ナウキャスト」が 役に立つ。1時間後の南の位置 までわかり、土災害や浸水害、洪水の危険度も表示できる。

事前に予測できる台風。暴風、停電、浸水……、計画的な対策を。

排水溝、道路側溝
詰まったゴミや落ち葉、泥を掃除して取りのぞき、水はけをよくする。

鉢植え・庭木
鉢植えは屋内に入れる。庭木の枯れなどをとりのぞき、枝の剪定を。

◆断水に備える
集合住宅では停電すると断水になってしまうところが多い。「水は生命線です。地震対策にもなるので1週間分は備蓄して分散収納してください。お風呂の水は生活用水に使えます」

◆停電に備える。
台風や集中豪雨では停電が起きやすいので暗闇対策はマスト。「あかりがあるだけで不安が解消されます。情報を入手できるラジオや乾電池も常備を忘れずに」

ネックライト
両手が空くので作業がしやすい。 ヘッドライトでもよい。

LEDランタン
太陽光充電ができるランタンもある。 家族各人の席に置こう。

水は大人1日3日を目安に。
水は飲用なら大人1日13、みがき、 料理などを含めて1日3,必要になる。

乾電池式スマホ充電器
スマホは頻繁に使うため日常で使うものとは別に用意しておく。
蓄光テープ
暗闇でもわかるように懐中電灯、ドアノブ、 手すり等に貼る。

LED懐中電灯
各部屋に備えておく。LEDライトなら電力で電池も長持ち。

浴槽に水を張っておく
生活用水に使える浴槽の水は入れ替える時まで抜かずにキープしておく。

携帯ラジオ
停電時の貴重な情報になるので、手回し充電ができるものを。

足元ライト
真っ暗になる廊下には充電式の足元ライトを設置しておく。

乾電池
必要なサイズと本数を確認して、使ったら常に補充しておく。

◆ガラスの飛散を防ぐ
台風の風による飛散物で窓ガ ラスが割れる危険性も高い。 「割れて散らばったガラスは大怪我のもと、ガラス飛散防止フィルムを貼れば万全ですが、カーテン を閉めるだけでも効果があります」
◆浸水に備える
低地で浸水の危険があれば、パソコン、テレビなどの電化製品、重要書類、貴重品など、むれたら困る家財を2回に運んでおく。「浸水対策に土嚢があればいいですが、水嚢は作る事ができます。45lのごみ袋を二重にして水を半分ほど入れ、口を固く縛ればOKです。これを入り口などに隙間なく敷き詰めるか、さらにすい脳を入れた段ボールを隙間なくな並べると強度が高まります。」

ガラス飛散防止フィルムを貼る。
窓ガラスが割れるようなことになっても飛び散らない。地震対策にも有効。

濡れたら困るものは階上に。
床上浸水をして、10度 のアルバムなど貴重品を2階へ移動

台風の進路がほぼ決まる72時間前をスタートにして、被害を回避するスケジュールを立てておく。 「これは家族構成や暮らす地域で も変わるので、それぞれがどうするかを考えておく必要があります」

72時間前
台風情報、警報級の可能性、
天気予報に注意する。台風の大きさや強さを確認。家まわりを点検する。
48時間前
気象情報のチェック、天の変化に注意する。 ハザードマップで程先、ルートを確認する。停電・断水に備えて買いをする。
5時間前
土砂災害警戒情報。氾濫危険情報。避難勧告。
3時間前
避難指示(緊急)
被害発生
特別警報。

風水害が起きたときの避難行動。早め早めに危険を回避するには?

◆屋内にいるとき

◆外出先で

地下室に入らない。
大雨になって浸水すると地下には大量の水が流れ込み、水圧で中から扉が開けられなくなる。 「家が道路より低地にあると、1階も地下室と同じ状態になります。 2階以上にいるようにしましょう」

雨戸やカーテンを閉めて 窓からはなれたところにいる。
強風によって物が飛んできてガラスを割ることも。 「雨戸があれば閉めればいいのですが、マンションは雨戸がないことが多いので、カーテンを閉め、窓に近づかないようにしてください」

アンダーパスを歩かない。
道路が様品の下をくぐり抜ける アンダーパスは、地形的に雨水が 集中しやすい構造になっている。 「急激に道路が冠水してしまうの で通ってはいけません。水深50cmで大人でも姿行困難になります」

冠水した道路を歩かない。
水位が低くても、水の流れには勢いがあり、年をとられやすい。 「道路は濁った水であふれ、足元 が見えない。マンホールのフタが 外れていると落ちることも。近くの高い建物に避難してください」

崖や斜面から離れた 2階の部屋にいる。
自宅の裏が傾斜地の場合、傾斜地から離れた部屋にいること。 「土砂がれてきたら1階が生まってしまうこともあるので、2階のほうが安全です。気象情報に注意して早めの球をしましょう」

地下街・地下通路から出る。
大阪で道路が冠水すると、地下通路に滝のように水が流れ込む。 「地下にいると外の状況がわかりにくいですが、異変を感じたら速やかに地上に避難してください。 素早い状況判断が命を救います」

川に近寄らない。
大型台風が近に接近しているときや大雨が降り続いているときは、不要不急の外出はける。 「屋内にいるほうが安全です。時、風や雨が弱まったように見えても見回りに行くのは危険です」

外出しない。
泥の位関のある川から離れる。 「その場所で大量に雨が降ったと きだけでなく、上流に降った雨で 川は急に増水します。水位の上昇 のほか、水の濁りや木の枝が流れてくるのも険な僕です」

◆車に乗っていたら

冠水した道、 ガード下やアンダーパスを 走らない。
豪雨のとき、車がアンダーパスで立ち往生している光景がしばしばテレビで映し出される。「このぐらい大丈夫だろうという気持ちでしょうが、短時間で水位が上がるので油断できません」

30kmほどの水位でエンジンが故障・停止の危険。
高速道路では10cmの冠水で、ブ レーキが利かなくなることも。 「水深30cm、マフラーの排気口の高さより深くなるとエンジンが止まって走行できなくなります。冠水した道路は迂回してください」

車に閉じ込められないように、脱出用ハンマーを常備する。
水に浸かって動けなくなった車には危険が迫っている。水位が上がると水圧でドアが開かなくなるし、硬化し始める。水が床面をこえれば車が浮いて流されたす恐れも。脱出用ハンマーは必需品だ。

◆動きやすい服装で避難、長靴厳禁

風水害では早め早めの避難がカギ。時間がたつほど状況は悪化し、逃げ遅れることになる。「避難は動きやすい服装で上下に分かれたレインウェア、頭を守る帽子やヘルメットを、さらに、首からネックライトを下げると、両手が使えて便利です。長靴は水が入ると足を取られるので、底の 厚い運動靴やスニーカーを履いてください。夜の避難は危険なので明るいうちに行動を」

◆水平避難より垂直避難
避難とは命を守る行動。避難所を目指すこととは限らない。 「水平離より車直君離のほうが効果的なこともあります。たとえば避難所が増水した川にかかる橋をわたらないと行けないような場所にあるなら、安全に行ける高台にある知人宅とか、近くの丈夫な高い建物の階上などに対離します。 風水書では水平方向よりも直方向、つまり高い場所へ逃げたほうが有効と覚えておきましょう」
避難所などが少し離れている場合は、とりあえず近くの 高い場所を目指そう。そして上方向にを心がけて。

気象情報、避難情報から危険の切迫度を察知し、適切に行動する。
◆注意報・警報を知っておく(気象庁発表)
気象庁が発令するのは「注意報」「警報」「特別警報」の3種類。 「何らかの災害が起こる恐れがあるときは「注意」、重大な災害の恐れがあるときは「警報」、さらに数十年に一度の大雨など、これまでにない危険が迫っていると きに「特務」が発表されます。 「特別警報」が出されたときはすでに難が困難になっている場合 も考えられるので、段的に定表 される注意報・警報に注意し、早めに行動することが大切です」

◆避難情報を知っておく(自治体発表)
災害による被害が拡大する恐れがあり、命の危険が迫った時は、状況に応じて各市町村から避難勧告などが発令される。「避難情報は3段会で避難を促します、高齢者や小さな子供など、避難に時間がかかる人たちの避難を促す「避難準備・高齢者など避難開始」。居住者に立ち退き避難を進め、促す「避難勧告」。被害の危険が切迫したときに発せられるのが「避難指示」で、「避難勧告」より意見度が高いです」

レスキューナースが教えるプチプラ防災

お金をかけずに命を守るテクニック

防災グッズを揃えることは大事ですが、それだけでは助かりません。本当に必要なのはその代用テクニックと正しい知識を身につけることです。本書では、家にあるものや100円ショップなど気軽に手に入るグッズを例に、災害に備えるテクニックが詳しく紹介されています。

辻 直美 (著)
出版社 : 扶桑社 (2019/11/30)、出典:出版社HP

はじめに

2019年は台風による被害が頻発しました。また、政府の地震調査委員会は、南海トラフと根 室沖での巨大地震が今後3年以内に起こる確率を3%以 上に引き上げました。災害がいくつも重なり、今まで経験したことのない事態を日本は迎えています。備えの大 切さを実感している人も多いのではないでしょうか。

「具体的に何をしていいのかわからない」 レスキューナースとして9年間活動している私のところには、そのような質問が日々寄せられます。 その答えが、本書には詰まっています。

本編にいく前に、少し自己紹介をさせてください。
私の実家は1995年1月の阪神・淡路大震災で全壊 しました。発災時、私は夜勤明けで自宅にて被災しまし たが、ケガもなく、すぐに日常生活を取り戻すことがで きました。おかげで、2か月後には東京の聖路加国際病 院の3次救急センター(当時)に配属され、地下鉄サリ ン事件への対応にあたりました。そこから災害専門レス キューナースとして活動を始め、現在に至ります。

2018年6月には震度6弱の大阪北部地震に遭いま したが、我が家は調味料のボトルが4本倒れただけでし た。しかし、隣のお宅は被害が大きく、1か月以上も住めなくなってしまいました。マンション自体の被害も大 きく、いまだ完全な復興をしていません。一方、私自身 はその日のうちに普通の生活を取り戻し、レスキュー活 動もしていました。
なぜそんなことが可能なのか? それは「防災に興味 を持ち、情報を集め、実践してきたから」です。

防災というと、ハードルが高いと思う人がいるかもし れません。しかし、日本全体が今のままの防災意識では まずいと感じているこのタイミングだからこそ、誰にで もできる対策を教えたい。必要以上にお金をかけずに、 日常に取り入れることができる防災術”を届けたい、伝 えたい!と思い、この本をつくりました。
ツジナオ流・防災術の最大の特徴は、「シンプルで心地 よく暮らしているだけで、いつのまにか防災になっている」こと。今すぐ実践して、不安から解放されましょう!

辻 直美 (著)
出版社 : 扶桑社 (2019/11/30)、出典:出版社HP

目次

はじめに
第一章 命を守るための備え
columnこれからの防災標語は「よいこ」です

第二章 災害発生! 2時間を生き延びる方法
column「水害で避難するときは必ずビニール袋に服を包んで持ち出そう

第三章 被災後を生き抜く知恵とテクニック
column香りの効果は絶大! 傷ついた心を癒すアロマオイル

第四章 災害が起きても動じない心をつくる

備蓄量の目安
おわりに

辻 直美 (著)
出版社 : 扶桑社 (2019/11/30)、出典:出版社HP

警視庁災害対策課ツイッター 防災ヒント110

もしものときの備えに

災害が発生した際に警察として必要な対策を行う、いわゆる災害対策のプロである警視庁警備部災害対策課の人気ツイートを110の項目にまとめてあります。もしものときの便利技や豆知識など、災害時だけでなく日常生活にも役立つ情報が満載の1冊です。

日本経済新聞出版社 (編集)
出版社 : 日本経済新聞出版 (2019/8/8)、出典:出版社HP

はじめに

地震や豪雨、台風などによる災害は、いつも私たちのごく身近に存在しています。そんなときに役立つのが、プロフェッショナル直伝の日頃の備えと正しい知識です。災害対策のプロ中のプロ集団「警視庁警備部災害対策課」の人気ツイートを選りすぐり、110の項目にわかりやすく編んでまとめたのが本書です。ツイートはすべて、災害対策課の皆さんが実際に検証したものばかり。

なかでも本書に掲載したツイートは、「いいね」やリツイート数が上位の、人気も有用性もともに高いものばかりです。刊行にあたっては、災害対策課(災対)に取材協力いただき、「災対に聞いてみた!」として追記も掲載しています。誰でも実践できる防災ヒント110―。その内容を自分でも事前に実践しておけば、いざというとき、大切な家族や近所の人たちへの手助けになるはずです。日頃インターネットに接する機会のあまりない、ご高齢の方などにも本書を常備いただき、「自分で自分の身を守る」という危機意識育成につながることを願っています。

最後になりますが、本書の企画主旨に賛同くださり、多忙な業務の合間を縫って、ツイートの選定や取材、撮影など多方面でご協力いただきました警視庁警備部災害対策課の皆さまに心より御礼申し上げます。

2019年8月
日本経済新聞出版社

本書の使い方

以下の点にご留意いただき、
突然の災害から身を守ることにツイートをお役立てください。

○過去の経験則から「効果がある」といわれているもののほか、なかには十分な科学的検証が行われていないものも含まれており、それぞれのツイートの中から自分に合う効果があるものを選んで役立ててください。
(例)防災ヒント006「寒いときは手を振れば温かくなる」、015「重い荷物が軽くなる」、016「カイロは背中のツボに貼る」等
○大規模な災害の発生など、緊急時にやむを得ずに行う応急的な内容のツイートも含まれています。またメーカーや作成者が想定していない内容のツイートも含まれており、健康を害さないよう注意が必要です。
(例)防災ヒント061「水でもできるカップ麺」等
○使用・実践にあたり、各種事故防止のため十分な注意が必要な内容のツイートもあります。
(例)災ヒント040「タオルを「抱っこひも」に」、火気・刃物類を使用するもの等

日本経済新聞出版社 (編集)
出版社 : 日本経済新聞出版 (2019/8/8)、出典:出版社HP

目次

はじめに
本書の使い方

警視庁災害対策課インタビュー 前編
警視庁警備部災害対策課災害警備保 村田尚徳警部

第1章 もしものときの豆知識
防災ヒント001 10円玉で袋を簡単に開ける方法
防災ヒント002 5円玉でトゲを抜く方法
防災ヒント003 ペットボトルでカンタン室内灯
防災ヒント004 ボタンが取れて困ったときは
防災ヒント005 固くなったビンのふたは、こうやって開ける
防災ヒント006 寒いときは手を振れば温かくなる
防災ヒント007 かさばらない布ガムテープ
防災ヒント008 かさばらないトイレットペーパー
防災ヒント009 ツナ缶で簡易ランプ
防災ヒント010 サラダ油で簡易ランブ
防災ヒント011 ホテルの避難グッズ、透明ポリ袋の活用方法
防災ヒント012 缶切りがない!こんなときは
防災ヒント013 災害時は小銭が必要!/停電で冷蔵庫が止まったときは
防災ヒント014 アナログ時計で方角を知る方法
防災ヒント015 重い荷物が軽くなる
防災ヒント016 カイロは背中のツボに貼る/手ぬぐいは冷却剤にもマスクにも
防災ヒント017 持ち出し品と備蓄品がひと目でわかる!|
防災ヒント018 通勤通学に持ち歩き用簡易防災グッズを/高齢者用の非常用持ち出し袋
防災ヒント019 雪道で滑らない歩き方のコツ
防災ヒント020 緑色と白色、非常口のマークの違い
防災ヒント021 20分は暗くならない!万が一のときは避難口誘導灯を探す
防災ヒント022 遭難する前にブレーカーを落とす
防災ヒント023 ヘルメットは「労・検」ラベルを確認
防災ヒント024 車中泊で燃料の消費を抑える方法
防災ヒント025 車の道路情報(AM1620)をチェックしておこう

column1 もしものときの便利グッズ
単三電池が単二電池・単一電池に/キーホルダー付きライト/豆腐の空き容器/S字フック

第2章 もしものときの便利技
防災ヒント026 クッキングシートで鍋の焦げつき防止
防災ヒント027 はがれにくい絆創膏
防災ヒント028 マスクをつけてもメガネが曇らない方法
防災ヒント029 キッチンペーパーで簡易マスク
防災ヒント030 実践ロープワーク①もやい結び
防災ヒント031 実践ロープワーク②巻き結び
防災ヒント032 実践ロープワーク③本結び
防災ヒント033 ペットボトルで洗濯物を乾きやすくする
防災ヒント034 ペットボトルでホカホカ湯たんぼ
防災ヒント035 万が一、車が水没したときのために
防災ヒント036 ファスナー付き上着で着替え
防災ヒント037 ロープにライトを吊るして電灯代わり
防災ヒント038 段ボールで椅子を作ってみた①
防災ヒント039 段ボールで椅子を作ってみた②
防災ヒント040 タオルを「抱っこひも」に
防災ヒント041 ジャンパーで子供を抱っこ
防災ヒント042 シーツを背負いひもにする
防災ヒント043 Tシャツで三角巾
防災ヒント044 ラップがスマホを守ります/新聞紙で簡易ひざ掛け
防災ヒント045 長袖の服が靴になる
防災ヒント046 あっという間に毛布をたたむ
防災ヒント047 レジャーシートをきれいにたたむ
防災ヒント048 簡易土のうの作り方
防災ヒント049 簡易土のうの積み方
防災ヒント050 新聞紙で「薪」を作ってみた
防災ヒント051 車用のジャンプスターターの活用術
防災ヒント052 ラップを丸めてスポンジに
防災ヒント053 新聞紙で作る箱
防災ヒント054 手ぬぐいでペットボトルホルダー
防災ヒント055 毛布で作る簡易寝袋
防災ヒント056 毛布1枚でできる簡易担架
防災ヒント057 段ボールとボリ袋で貯水タンク/段ボールで簡易トイレ
防災ヒント058 歯ブラシがないときの歯磨き法
防災ヒント059 重曹を使って少量の水で洗濯する
防災ヒント060 バール1本で重量物を持ち上げる
防災ヒント061 水でもできるカップ麺
防災ヒント062 水でもできるカップ焼きそば/水でもできる袋麺
防災ヒント063 インスタントラーメンをそのまま食べてみた
防災ヒント064 乾バンを使った即席離乳食/アルファ化米をお茶(冷・温)でもどす
防災ヒント065 アルファ化米に野菜ジュースをプラス
防災ヒント066 アルファ化米の付属スプーンを取り出すときは

column2-① 古くなった備蓄品の活用術
期限の切れた保存水の利用法/使い捨てカイロは脱臭剤に

第3章 もしもに備えて今できること
防災ヒント067 必要な電話番号は紙に書いておく
防災ヒント068 蓄光テープを貼って簡単防災
防災ヒント069 1週間分の備蓄を「見える化」する
防災ヒント070 子供用の備蓄ボックスを作っておく/「独自の防災点検日」を設ける
防災ヒント071 愛犬には犬鑑札を
防災ヒント072 ペットの同行避難と同伴避難はどう違う?
防災ヒント073 ベットのプロフィールカードを作っておく
防災ヒント074 本棚の見直し、辞書やアルバムは下段、小説は上段に/枕元に靴を用意する
防災ヒント075 お薬手帳は貴重品や保険証と一緒に保管/笛は身近な物につける
防災ヒント076 車のトランクは簡易倉庫になる/車に毛布を積んでおく

column2-② 古くなった備蓄品の活用術
乾パン・クッキング ①お菓子、②おしるこ、③簡単グラタン、④お好み焼き

第4章 もしもに備えて練習しよう
防災ヒント017 ほどけない靴ひもの結び方
防災ヒント078 破れにくい靴ひもの結び方
防災ヒント079 新聞紙で生ゴミのニオイ防止
防災ヒント080 お酢で生ゴミのニオイ防止
防災ヒント081 公衆電話の使い方、知っていますか?/公衆電話を探しておこう
防災ヒント082 災害用伝言ダイヤルを使ってみよう
防災ヒント083 災害時に無料で使用できる特設公衆電話
防災ヒント084 和式トイレを使ってみよう
防災ヒント085 炊き出しに活用できる「かまどベンチ」
防災ヒント086 通学路を歩いてみよう/職場から保育園まで歩いてみよう
防災ヒント087 最寄りの避難所を確認しておこう
防災ヒント088 自宅から職場まで歩いてみよう/災害対応型自動販売機を見つけておこう
防災ヒント089 災害時帰宅支援ステーションを採しておこう
防災ヒント090 犬に靴をはかせてみよう
防災ヒント091 意外な道具で雑草の草取り
防災ヒント092 消火器の使い方を覚えておこう
防災ヒント093 「消費しながら備蓄する」を実践しよう

column2-③ 古くなった備蓄品の活用術
乾パン・クッキング ⑤ひと口カツ/クラッカーで唐揚げ

第5章 「非常用持ち出し袋」にひと工夫~便利グッズと活用術
防災ヒント094 ポケット付きベスト/ボリ袋
防災ヒント095 炭酸水/メガネやコンタクトレンズ
防災ヒント096 爪切り/雨合羽
防災ヒント097 風呂敷
防災ヒント098 子供用リュック/ラップ
防災ヒント099 軍手とゴム手袋
防災ヒント100 穴を開けたペットボトルのふた
防災ヒント101 電池の種類が異なるライト/熱中症対策グッズ
防災ヒント102 防臭袋/手回し充電式ラジオー
防災ヒント103 カラビナ/紙石けん
防災ヒント104 安全中敷き/トランブ
防災ヒント105 魚肉ソーセージ/蜂蜜
防災ヒント106 チョコレートペン/羊羹
防災ビント107 野菜スープやドライフルーツ/即席味噌汁
防災ヒント108 ペット用の避難グッズ/犬用の乾パン
防災ビント109 常備薬をかさばらずに入れる方法/かさばる衣類は圧縮袋に
防災ヒント110 災害時はズボンよりスカート/赤ちゃん用お尻ふき

column3 子供目線”を体験しよう
チャイルドビジョン

column4 避難所で子供ができる遊び
地面でオセロゲーム/背中の文字当て/いっせーのせ

警視庁災害対策課インタビュー 後編
警視庁警備部災害対策課災害警備係 村田尚徳警部

日本経済新聞出版社 (編集)
出版社 : 日本経済新聞出版 (2019/8/8)、出典:出版社HP

いつ大災害が起きても家族で生き延びる

大切な人を守る半径5メートルの防災手帖

自然災害の多いこの国に住んでいる私たちは、もしものときのための「備え」をすることが必要です。自分の大切な人を守るためにも、知らなくてはいけない知識があります。災害時にどう行動すればいいのか、また生死を分ける家具の配置の仕方など具体的な内容も載っています。

小川 光一 (著)
出版社 : ワニブックス (2016/9/1)、出典:出版社HP

大切な人を守るために。 漠然とした不安に振り回されないために。防災士であり被災地のリアルな声を全国に届け続ける著者が、いま本当に必要な知識を伝える。

プロローグ

あるところに、ネコの家族が仲良く住んでいました。ネコたちが住んでいるのは島国です。自然が豊かで、食べ物に困ることもありません。しかし、地震がたびたび起きる国でもあります。子どもネコは、とても不安を感じていました。そこで、物知りなパパに話を聞いてみることにしました。

「ねえねえ、パパ。最近、よく地震がおきるね。もっと大きな地震がくるんじゃないかって、僕とってもこわいよ」
「そうだな。でも、地震が多いのは今に限ったことじゃないんだよ。私たちが住んでいるところは昔から自然災害がとっても多いから、そなえることがとても大切なんだ」
「でも、僕たちが生きている間に、おうちが壊れちゃうほどの地震がぜったいにくるともかぎらないよね?」
「ふむ、確かに生きている間にそんな大地震はこないかもしれない。でも、もし起きてしまったときに、たいしたそなえもしてないと、大きな被害に遭ってしまうよ。そのときに何がつらいと思う?」
「うーん……、おうちが壊れたり、お金がなくなったりするのかな。でも、一番つらいのはパパやママ、友達に会えなくなることかなぁ」
「その通りだ。大切な人が亡くなってしまうことは何よりもつらい」
「絶対いやだよ!」
「そうだね。何もそなえずに過ごしてしまったばっかりに、守れたかもしれない命を失ってしまうなんて、誰もが味わいたくないはずだ。だから、私たちは大切な人のために、平穏な日常を送っている今こそそなえをしておくべきなんだ」
「そっか!自分のためよりも、大切な人のためって考えたほうが、やらなきゃいけないってパワーがみなぎってくる気がするね!なんだかやる気が出てきたよ!」
「よし、お前がやる気になっている今のうちだ。これから一緒に防災について勉強をしよう」

はじめに

災害で人が亡くなるたびに、思いを巡らせます。「その人は防災対策をしていたのだろうか」と。「災害に対して心構えを持っていたのだろうか」と。その一方で、生き残った方々は、テレビのインタビューに向かってこう答えます。「まさかこんなことになるとは」と。「まさか自分たちが災害に遭うとは」と。

あなたも「自分の街は大丈夫」と思ってはいませんか?私は東日本大震災で、友人を一人亡くしました。直後は周りに言うこともできず、悲しみをどこにぶつけていいのかもわからず、悶々とした日々を過ごしていました。そんな中で、自分のいる場所が地震で揺れるたびに、「自分も同じ立場だったら、生き延びることはできなかったのではないか」と考えるようになりました。いざとなると、助かるための具体的な方法がまったくわからないのです。これまでの人生で「防災」という分野を避けてきていたのだと、そのときに初めて自覚しました。

○防災は「大切な人」を守る

そんな自分が、大きな転機を経て防災に真正面から向き合うことになりました。そうすると備えることがいかに重要なのか、実感するようになりました。防災をするかしないかで、助かる確率は大きく変わります。

防災士の資格も取得し、気付けば7都道府県で約180回に渡って防災講演を行う身となり、数千人に及ぶ全国の防災関係者とつながりました。そして、その方々の思いを聞くたびに、「もう誰にも、災害で死んでほしくない」と強く思うようになりました。「大切な人のためなら、防寒をしたくなる」と信じて、一人でも多くの方が防災をしたくなるように努めています。私はもともと、アフリカのウガンダ共和国でホームスクールの運営支援を行ったり、カンボジアのエイズ病棟で「それでも運命にイエスという。」というドキュメンタリー映画を制作したりするなど、主に海外で活動をしてきました。

しかし、2011年3月11日に発災した未曾有の大災害を受けて、海外での自分の支援経験などを活かせないかと考え、岩手県陸前高田市を中心に被災地に入るようになりました。 被災地の方々と触れ合う日々の中で、防災をすることの大切さを感じ、現地で防災活動を行っている認定NPO法人・校ライン311に参画するようになりました。桜ライン311では、岩手県陸前高田市内の津波到達地点に桜を植えることで、防災のメッセージを後世の人たちに伝えようとしています。彼らの活動をサポートしながら密着取材を続け、防災ドキュメンタリー『あの街に桜が咲けば」という映画を製作しました。そして、日本各地での防災意識の喚起を目指し、この映画を抱えて全国上映を回り続けました。約2年間で、全都道府県171会場にて上映し、概界累計動員数2万人以上に防災のメッセージを伝えました。

○誰もが「自分の街は大丈夫」と思っている

映画を見た方の多くが防災対策をしてくださったり、映画を上映した地域で自主防災組織が発足したりしました。非常に有意義な瞬間も多くありました。しかしそんな中で、私の前に一つの大きな問題が立ちはだかったのです。それが「自分の街は大丈夫」問題です。

「この街は災害の歴史も少なくて安全ですが……」
「私の住んでいる地域は災害が少ない場所なので….」

上映スタッフから、来場者、役所の人、その街の市長まで、面白いくらい同機に、皆さんが「自分の街は大丈夫」だと繰り返すのです。もしその言葉が正しかったとしたら、日本はこんなに全国各地で災害による犠牲者を出していないはずなのに、です。私たちはどうしても心のどこかで、「自分は大丈夫」と言い聞かせながら、生きてしまっているのだということを痛感しました。たしかに、不安を抱えながら生きていくのは難しいことなので、仕方ないことなのかもしれません。しかし、地震を引き起こす活断層は日本の下に約2000以上あります。台風は年平均5個来ますし、活火山は110山あります。日本全国、いつどこで災害が起きてもおかしくありません。いざ、被災してしまってから、「まさ か自分が被災するとは思ってなかった」なんて、誰も言えない国に住んでいるのです。

東日本大震災が起こったとき、「阪神淡路大震災の教訓を東北で活かせたのか」といった声を聞くことがありました。そして、現在は、大きな災害が起きるたびに、「東日本大震災の教訓を活かせているのか」という話題が必ずあがります。そのような「直近の震災」に学ばなくても、日本には古く古墳時代の地震から記録が文字として残っています。1923年には関東大震災で10万人以上が亡くなりました。1940年代には4年連続で大地震が起き、死者1000名以上を出し続けた時期もあります。教訓が伝わっていない連鎖がずっと続いているだけで、教訓はあふれるくらい、すでに十分そろっているのです。

残念なことに、これからも災害は起き続けます。少しでも防災の知識を身に付けるだけでも、少しでも防災対策をするだけでも、助かる命、助からない命、未来が大きく変わっていくことは間違いありません。この本では、「災害が起きる前にできること」と「災害が起きたときにするべきこと」の前後編に大きく分け、事前に備えてほしいことや災害が起きた瞬間にするべきことをまとめました。この本を通して、家族と一緒に防災対策をしたくなったり、大切な人に防寒の話をしたくなったり、そんな温かい形で防災が広がっていくことを強く望んでやみません。

もう一度、お聞きします。あなたも「自分の街は大丈夫」だと思ってはいませんか?

2016年9月
小川 光一

小川 光一 (著)
出版社 : ワニブックス (2016/9/1)、出典:出版社HP

目次

プロローグ
はじめに

災害が起きる前に

第1章 災害心理を知ろう
災害が起こったときに、人はどう考え、どう動くのか?
災害心理① 正常性バイアス 「大丈夫。自分は危険じゃない」
災害心理② 凍り付き病 「えっ……どうしよう…」
災害心理③ 戻ってしまう病 「貴重品を今のうちに取りに戻ろう」
災害心理④ 多数派同調バイアス 「みんなでいるから大丈夫」
災害心理⑤ あきらめる病 「もういいよ。死ぬときは死ぬんだ」
コラム1 「非常口」が緑色なのはなぜ?

第2章 災害に負けない空間を作る
防災心理を学んでも、家が崩れたら意味がない
建物を強くする
部屋の安全性を高める
コラム2 「防災士」という資格を知っていますか?

第3章 大切な人とやってみよう!
災害が起きたときの「実践的な対策」を、大切な人と学ぶには?
「日常備蓄」で食料と消耗品は安心
「災害用伝言ダイヤル」でスムーズに安否確認
覚えておこう「応急手当」
「防災マップ」を持って実際に歩こう
家族で「防災体験館」へ行こう
「地域」とつながる
防災ゲームのススメ

災害が起きたときに

第4章 地震災害
私たちは地震大国に暮らしている
地震からどうやって身を守るか
火災にも注意する
コラム3 「防災の日」と「津波防災の日」

第5章 津波災害
「想定」を超える災害にどう立ち向かうか
津波からどうやって身を守るか
知っておきたい津波の基本知識
コラム4 アフリカの青年

第6章 風水害
風水害は身近に潜んでいる
大雨からどうやって身を守るか
土砂災害からどうやって身を守るか
危険が迫る前に避難する
コラム5 避難することは恥ずかしくない

第7章 火山災害
日本は世界有数の火山国
火山が巻き起こす災害
噴火からどうやって身を守るか

第8章 雪害
日本の半分は豪雪地帯
雪害からどうやって身を守るか
大雪のときには雪崩にも注意
「地震が起きたら机の下に潜れ」という教育の幻想

おわりに
エピローグ
参考資料

小川 光一 (著)
出版社 : ワニブックス (2016/9/1)、出典:出版社HP

どんな災害でもネコといっしょ:ペットと防災ハンドブック (小学館 GREEN MOOK)

猫を飼う人は必読の1冊

ペットを飼っている人は、ペットがいることを踏まえた上で防災の知識を身につけることが必要です。その中でも、猫を飼っている方が普段からしておかなければいけないことや心構え、避難方法、そのような状況下で猫が起こしやすい症状とその対処法など、具体的に解説しています。

みなさんは、被災者になったことが ありますか。

“災害時、家族を置いて 避難できる人なんかいない一。”
”非常時、人間は守るべき家族(ペット)がいるからこそ、より懸命に強くなれるもの。”
“過去の自然災害は他人事ではない。近い将来、突然に来る。自分自身の問題として考えよう。”
“ペットだから、人間だからではなく、「家族だから」一緒にいるべきなのです。”
”来るであろう災害に備えて、ペットと過ごそう。”

目次

熊本地震からの提言

1 「もしも」に 備える
猫の防災「か・き・く・け・こ」
(か)飼い主のマナー・責任
(き)キャリーバッグ
(く)薬・ごはん (備蓄品)
(け)健康管理
(こ)行動・しつけ
避難のシミュレーションをしよう

地震を経験して①

2 被災シミュレーション−発災から再建まで
あらゆる災害に備える
パニック猫の行動パターンとその対処法
発災時の状況別対応1 自宅で一緒に被災
発災時の状況別対応2 飼い主は外出先、猫は自宅
発災時の状況別対応3 飼い主は自宅、猫は外
もしもはぐれてしまったら
災害時の応急処置
避難生活1 在宅避難
避難生活2 避難所
避難生活3 車中泊
避難生活4 テント泊
日常生活の再建に向けて
被災地支援―私たちにできること
公助としての行政の取り組み

地震を経験してる②

3 熊本地震を経験して
竜之介動物病院(熊本市)の1か月
復興へ向けて

うちのコ情報
チェックリスト:

防災のために知っておきたい主な用語
自助・・・・・自分自身で、自分や家族を守ること。
共助・・・・・近隣などのコミュニティで助け合うこと。
公助・・・・・行政機関による救助や支援。
指定避難所・・・・各自治体が定めた避難所。
学校や公民館などの公共施設などが指定されている。
同行避難・・・・ペットと一緒に避難場所へ避難すること。
同伴避難・・・・避難所でペットと同じスペースで過ごすこと。
(ただし、環境省では「避難所でベットを飼養管理すること」を指し「同室での飼養管理」を意味するものではないとしている)
在宅避難・・・被災後、自宅の安全が確保されている場合、自宅で避難生活を送ること。
仮設住宅・・応急仮設住宅のこと。災害で住む場所を失った人に提供される簡単な住居
みなし仮設住宅・・・仮設住宅として利用する、民間の賃貸住宅。
前震・・・大地震が起こる前に、震源地近くで起きる地震。
本震・・・ある場所で、ある期間に起こった地震の中で、最も大きい地震。
余震・・・本震の後に起こる地震。
首都直下型地震・・・首都圏を直撃する地震。高確率で近年発生すると想定される。
ハザードマップ・・・自然災害による被害を予測し、危険な場所や避難の情報が示された地図。

熊本地震からの提言

ペットが一緒だから乗り越えられる。このコがいるから元気になれる!
竜之介動物病院(熊本市) 院長 德田竜之介

東日本大震災の 被災地を視察して

みなさんは災害時、愛猫とどうやって避難するか、避難した後はどうなるのか、考えたことがありますか?災害時のペットとの「同行避難」と いう言葉を聞いたことがあるかもしれません。阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、そして東日本大震災など、これまでの大規模災害の経験から、環境省や各自治体では災害時にペットと一緒に逃げる「同行避難」を「原則」としています。でも、避難所に行った後は、どうでしょうか。私がペットの防災や災害時の対応について深く考え、行動を起こすようになったのは、2011年に発生した東日本大震災の被災地への視察がきっかけでした。動物の状況を把握するために、獣医師仲間と訪れると、そこには報道などを見て、知ったつもり”になっていた内容とはまったく違う、飼い主とペットの現実がありました。

ペットと飼い主は別々 同行避難の先の現実

当時から「同行避難」は原則とされていたものの、広く浸透していなかったため、「ペットは連れていけない」と家に残してきた人が大勢いました。そのため、せっかく生き残ったというのに、行き場をなくしたたくさんの犬や猫たちが街中をさまよっていました。そして、がれきの下からペットを救い出して一緒に避難しても、ペットは避難所の中に入ることを許されず、外につながれているのです。さらに、避難所から遠く離れた場所に作られた一時預かりのシェルターでは、飼い主と一緒にいることがままならずに預けられ、不安そうにしている犬猫たちの姿がありました。家族同然のペットと離れたことで心の支えを失い、体調を崩した人もいると聞き、愕然としました。大変な時だからこそ、ペットと飼い主は一緒にいなければいけない!
この視察を通して、単なる「同行避難」ではなく、ペットと一緒に避難生活を送ることができる「同伴避難所」が必要だという想いを強くしました。

ペットと一緒に来てください! 熊本地震で同伴避難所を開設

その後、私は熊本市内にある竜之介動物病院を「もしもの時」にペット同伴避難所として開放できるように、マグニチュード9の地震にも耐えられる頑丈な構造に建て替えました。大きな地震が少ない熊本でそこまでする必要があるのかと笑われても、「同伴避難所は絶対に必要」という強い信念を貫き、2013年9月に、水や食料の備蓄、自家発電も備えた、竜之介医療センタービルを完成させました。そして、2016年4月11日と16日に、2度にわたる、震度7の大地震に見舞われたのです。のちに前震と呼ばれた1度目の地震が発生した4時間後には、「竜之介動物病院はペット同伴避難所として開放します」というメッセージをフェイスブックなどのSNSで発信し、ペットと飼い主さんが一緒 に過ごせるスペースを提供しました。

熊本でも、ペットがいるから避難所に行けないと考えた人はたくさんいたようです。また、指定避難所にペットを連れていっても、ペットは屋外だったり肩身の狭い思いをしたりして、当院の避難所に移ってくる方もいました。SNSの情報や口コミにより、発災から避難所を閉鎖する1か月間で延べ1500人の飼い主さんとペットを受け入れました。

被災しても笑顔があるペット同行避難所

私は被災した飼い主さんとペットの 健康状態を診るために、市内の避難所も回りましたが、避難している人たちの表情の違いを目のあたりにしました。一般の避難所では知らない人同士が隣り合わせで会話も少なく、横になって休んでいる人が多く見られました。けれども、当院で避難生活を送っている人たちは、同じ被災者なのに表情は明るく、活気にあふれていたのです。ペットがそばにいると、初対面でも、犬や猫という共通の話題があるから会話も弾みますし、動物たちの何気ないしぐさに場が和みます。

何より、ペットの世話は自分でしなければいけませんから、やることがいっぱい。「このコは自分が守らなければ」と、落ち込んでばかりはいられません。避難生活では、役割を持つことで自立へのモチベーションが高まります。炊き出しを手伝ったり、救援物資の仕分けをしたり、助けられるだけでなく、誰かを助けている人のほうが元気になるものです。ありがたいことに救援物資もたくさん届きました。当院は指定避難所ではないので、公的な救援物資はすぐには届きません。そこでインターネットなどで不足しているものの情報を発信したところ、全国から物資を送っていただきました。しかも、人のものよりも動物用のもののほうが早く届くのです。

ペットがいるから元気になれる、やる気が出る。ペットには人を動かす力があることを感じた瞬間でした。

同行避難の先にあるのは 同伴のための住み分け

災害時は人が優先、ペットのためにそこまでできないという声があります。けれども、同伴避難所はペットの救済場所ではなく、家族の一員であるペットの存在を必要としている「人」を支援する場所だと私は考えています。世の中にはペットが苦手な人も動物アレルギーの人もいます。今のように、みんなが集まる避難所にペット同伴スペースを作り、100%受け入れてもらおうとしても、トラブルのもとになりかねませんし、かなり厳しいと私も思います。ペット同伴避難の実現で重要なのは、避難所でのペット同伴者とそうでない人との住み分けです。そこで、別の場所に飼育スペースを作るというのがこれまでの解決方法でした。でも、冷暖房完備の立派なシェルターを建てるよりも、10のうち1つでもいいから、ペット同伴避難所を開設することのほうが、本当に求められている支援だと私は確信しています。

家族の一員から社会の一員となるために

もちろん、ペットを受け入れてもらうためには、同伴避難所の設置を訴えるだけでなく、飼い主さんも普段から災害に対して、しっかりとした心構えで備えておかなければなりません。「備え」とは「非常持ち出し袋」の準備だけでなく、しつけをはじめとする日頃の愛猫との生活全般に関わってきます。日本でペットと暮らしている世帯率は、2割程度に過ぎません。残りの8割がすべて動物嫌いというわけではありませんが、よい感情を持っていない人もそれだけ多いということも理解しておくべきです。

ペットは飼い主にとっては「家族の一員」ですが、人間社会で幸せに暮らしていくためには「社会の一員」にならなければいけません。そのためには、ルールやマナーを守り、迷惑をかけない暮らし方をすることが大切です。災害時のためにも、日頃から猫の飼い主さんに備えておいてもらいたい心得を、私はいつも「猫の防災『か・き・ く・け・こ」としてお話ししています。その詳細は本書でも紹介していますので、ぜひ実践してください。

今こそペットの防災の 在り方を真剣に考える時

私は熊本地震を通じて、災害時のペットの存在の大きさを確信し、「ペット同伴避難所」開設の必要性を訴える署名活動を行いました。全国から3万4000人の賛同者を集めて国会に提出しました。環境省や自治体からもヒアリングに来てくださり、一歩前進できたのではないかと思います。

熊本県内ではすべての仮設住宅でのペット飼育が認められるなど、熊本地震が災害動物の在り方を考える大きなきっかけになっているのは確かです。熊本地震を踏まえて、環境省はそれまでのガイドラインを見直し、2018年2月に「人とペットの災害対策ガイドライン」を策定しました。その中では私が推奨する「ペット同伴避難」の徹底には至っていませんが、私はこれからも声を上げ続けていきます。「災害は起きないに越したことはありませんが、南海トラフ地震や首都直下型地震など、日本では近い将来、大規模な地震災害がかなり高い確率で起こると考えられています。大都市で広域災害が発生すれば、被害はさらに拡大することでしょう。

ひとたび災害が起これば、ペットの問題は良くも悪くも注目されます。ペットは「家族の一員」から「社会の一員」として認識を転換し、熊本地震の経験を活かした災害時の動物に対する支援が重要です。今こそ、ペットの防災について真剣に考えてみませんか?

どんな災害でもイヌといっしょ (小学館 GREEN MOOK)

犬を飼う人は必読の1冊

ペットを飼っている人は、ペットがいることを踏まえた上で防災の知識を身につけることが必要です。その中でも、犬を飼っている方が普段からしておかなければいけないことや心構え、避難方法、そのような状況下で犬が起こしやすい症状とその対処法など、具体的に解説しています。

徳田 竜之介 (監修)
出版社 : 小学館 (2018/8/23)、出典:出版社HP

今、災害が起こったらあなたはどうしますか。

「ペットも家族の一員です。動物だから、人間だからではなく、「家族」だから、一緒にいるべきなのです。」
「動物たちは、不思議な力を持っています。そこにいてくれるだけでたくさんの笑顔を取り戻させてくれます。」
「非常時、不安な思いは人も動物も同じです。お互いが離れずにいることで、落ち着いて、行動ができます。」
「見えないところで。「支えている力」があるんだと知った時に、その存在に気づきます。その存在とは、私たちのあし元にいるペットなのです。」
「ペットと過ごす人たちへの理解がもっと広がることを願っています。理解されるための努力を惜しまず続けましょう。」

目次

災害を経験して考えたこと

1 「もしも」に備える
犬の防災「か・き・く・け・こ」
(か)飼い主のマナー・責任
(き)キャリーバッグ(クレート)
(く)薬・ごはん(備蓄品)
(け)健康管理
(こ)行動・しつけ
避難のシミュレーションをしよう

被災地からの声①

2 被災シミュレーション−発災から再建まで
あらゆる災害に備える
パニック犬の行動パターンとその対処法
発災時の状況別対応1 自宅で一緒に被災
発災時の状況別対応2 飼い主は外出先、犬は自宅
発災時の状況別対応3 外出先で一緒に被災
もしもはぐれてしまったら
災害時の応急処置
避難生活1 在宅避難
避難生活2 避難所
避難生活3 車中泊
避難生活4 テント泊
日常生活の再建に向けて
被災地支援―私たちにできること
公助としての行政の取り組み

被災地からの声②

3 熊本地震を経験して
竜之介動物病院(熊本市)の1か月
動物たちと歩んだ復興への道

うちのコ情報
チェックリスト

災害関連の知っておきたい主な用語

徳田 竜之介 (監修)
出版社 : 小学館 (2018/8/23)、出典:出版社HP

災害を経験して考えたこと

飼い主の「心の復興」のためにも、ペットと離ればなれになってはいけない。
竜之介動物病院(熊本市) 院長 德田竜之介

同行避難とは?報道ではわからない被災地の現実

いつやってくるかわからない、地震や津波、噴火や豪雨、土砂災害などの天災。この本の製作中の2018年6月に、震度6弱の地震が大阪北部に起こり、翌月の7月に、西日本地域に甚大な被害をもたらした「平成28年7月豪雨」が発生しました。亡くなった方や行方不明者の方々を思うと本当に胸がしめつけられる思いです。あの大水の中をどうやって動物たちと避難するのだろう。いちばん安全なはずの家の中で被災する恐怖は、何よりのトラウマになります。みなさんは災害時、愛犬とどうやって避難するか、避難した後はどうなるのか、考えたことがありますか?

環境省や各自治体では、これまでの大規模災害の経験から、災害時にペットと一緒に避難する「同行避難」を「原則」としています。でも、その先にはどんな避難生活が待ち受けているのでしょうか。「私がペットの防災や災害時の対応について深く考え、行動を起こすようになったのは、2011年に発生した東日本大震災の被災地への視察がきっかけでした。動物の状況を把握するために、獣医師仲間と訪れると、そこには報道などで見聞きして知ったつもり。になっていた内容とはまったく違う現実がありました。

「同行」できても愛犬とは一緒にいられない

当時から「同行避難」は原則とされていましたが、広く浸透していなかったため、「ペットは連れていけない」と家に残してきた人が大勢いました。そのため、せっかく生き残ったというのに、行き場をなくしたたくさんの犬や猫たちが街中をさまよっていました。がれきの下から愛犬を救い出して一緒に避難しても、犬は避難所の中に入ることを許されず、外につながれているのです。さらに、一時預かりのシェルターには、飼い主と一緒にいることがままならずに預けられ、不安そうにしている犬や猫たちの姿がありました。

家族同様のペットと離れたことで心の支えを失い、体調を崩した人もいると聞き、愕然としました。「大変な時だからこそ、ペットと飼い主は一緒にいなければいけない!この視察を通して、単なる「同行避難」ではなく、ペットと一緒に避難生活を送ることができる「同伴避難所」が必要だという思いを強くしました。

熊本地震で確信!同伴避難所は絶対に必要

被災地視察の後、私は熊本市内にある竜之介動物病院を「もしもの時」にペット同伴避難所として開放できるように、最大震度の地震にも耐えられる 頑丈な構造に建て替えました。大きな地震が少ない熊本でそこまでする必要があるのかと笑われても、強い信念を貫き、2013年9月に、水や食料、自家発電も備えた、竜之介医療センタービルを完成させました。そして、2016年4月1日と6日、震度7の大地震に見舞われたのです。後に前震と呼ばれた1度目の地震が発生した4時間後には、「竜之介動物病院はペット同伴避難所として開放します」というメッセージをSNS(ソーシャルネットワークシステム)で発信し、ペットと飼い主さんが一緒に過ごせるスペースを提供しました。

熊本でも、犬がいると迷惑がかかるので避難所には行けないと考え、多くの飼い主さんが愛犬との車中泊を選択していました。また、指定避難所に連れていったものの、犬は屋外だったり肩身の狭い思いをしたりして、当院の避難所に移ってくる方もいました。SNSの情報や口コミにより、発災から避難所を閉鎖するまでの1か月間で延べ1500人の飼い主さんとペットを受け入れました。

被災地に必要なのは涙ではなく明るい笑顔

私は被災したペットの健康状態を診るために、市内の避難所も回りましたが、避難している人たちの表情の違いを目のあたりにしました。一般の避難所では知らない人同士が隣り合わせで会話も少なく、横になって休んでいる人が多く見られました。けれども、当院で避難生活を送っている人たちは、同じ被災者でも表情は明るく、活気にあふれていたのです。それは、自分のペットを不安にさせないために、飼い主さんが意図的に笑顔を作っていたということもあります。さらに、犬や猫という共通の話題があるから、初対面でも会話が弾みますし、動物たちの何気ないしぐさに場が和みます。

何より、ペットの世話は自分でしなければいけませんから、やることがいっぱいで、落ち込んでばかりはいられません。犬の飼い主さんは毎日の散歩もあるので、特に元気。避難生活では、役割を持つことで自立へのモチベーションが高まります。炊き出しを手伝ったり、救援物資の仕分けをしたり、助けられるだけでなく、誰かを助けている人のほうが元気になるものです。ペットがいるから元気になれる、やる気が出る。ペットには人を動かす力 があることを感じた瞬間でした。

ペット同伴避難を実現するには 「すみ分け」が大事

災害時は人が優先、ペットのためにそこまでできないという声があります。けれども、同伴避難所はペットの救済場所ではなく、家族の一員であるペットの存在を必要としている「人」を支援する場所だと私は考えています。世の中には動物が苦手な人もアレルギーがある人もいます。今のように、みんなが集まる避難所にペット同伴スペースを作り、100%受け入れてもらおうとしても、トラブルのもとになりかねませんし、かなり厳しいと私も思います。ペット同伴避難の実現で重要なのは、避難所でのペット同伴者とそうでない人のすみ分けです。これまでは「飼い主」と「ペット」をすみ分けさせるために、別に飼育スペースを作るというのが解決策でした。でも、冷暖房完備の立派なペットの収容施設を建てるより、10のうち1つでもいいから、ペット同伴避難所を開設するほうが、本当に求められている支援だと私は確信しています。

犬をしつけ、マナーを守ることは何より大事な犬の防災対策

そして、災害時に愛犬を受け入れてもらうためには、飼い主さんが普段から犬の防災をしっかり考え、備えておく必要があります。「備え」とは、「非常持ち出し袋」の準備だけでなく、しつけをはじめとする日頃の生活全般に関わってきます。現在、日本でペットと暮らしている世帯率は、2割程度に過ぎません。残りの8割がすべて動物嫌いというわけ ではありませんが、よい感情を持っていない人もいるということも自覚しておくべきです。周囲に迷惑をかけないために、そして、愛犬の命を守るためにも、しつけは欠かせません。さらに飼い主さんは責任ある行動を取ることが大切です。

ペットを一緒に助けることが本当の被災者支援になる

私は熊本地震を通じて、災害時のペットの存在の大きさを確信し、「ペット同伴避難所」開設の必要性を訴える署名活動を行いました。全国から3万4000人の賛同者を集めて国会に提出しました。環境省や自治体からもヒアリングに来てくださり、一歩前進できたのではないかと思います。「熊本県内ではすべての仮設住宅でのペット飼育が認められるなど、熊本地震が被害動物の在り方を考える大きなきっかけになっているのは確かです。環境省は熊本地震を踏まえて、それまでのガイドラインを見直し、2018年2月に「人とペットの災害対策ガイドライン」を策定しました。その中では、私が推奨する、ペットと一緒にいられる「同伴避難」の徹底には至っていません。しかし、このたびの西日本豪雨の避難所は、ペットと同伴できる施設が数か所作られたようで、徐々に理解が広まってきているのを感じています。

日本では近い将来、南海トラフ地震 や首都直下型地震など、大規模な地震災害がかなり高い確率で起こると予測されています。大都市で広域災害が発生すれば、被害は計り知れません。ひとたび災害が起これば、ペットの問題は良くも悪くも注目されます。ペットは「家族の一員」から「社会の一員」へと認識を転換し、災害支援が行われることが重要です。私も、災害を経験した獣医師として、災害時の人とペットの在り方について伝えていく責任があると強く感じています。

徳田 竜之介 (監修)
出版社 : 小学館 (2018/8/23)、出典:出版社HP