【最新】ミニマリストを実践するためのおすすめ本 – 入門から応用!

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ミニマリストの片付け・生活を実践しよう

ものを最小限にしか持たない方々、通称ミニマリストはどのようなライフスタイルなのでしょうかと多くの人が気になっています。また自身はミニマリストとまではいかないまでも、部屋に溢れる荷物・所持品をできるだけ減らして行きたいと言う場合はどのような基準でものを捨てたりすればいいのでしょうか。今回はミニマリストを実践できる書籍を紹介します。これらで、ミニマリストの実践の第一歩を踏み出しましょう。

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出典:出版社HP

月10万円で より豊かに暮らす ミニマリスト生活

人間関係・モノ・お金のストレスから解放される

YouTuberとしても活動している著者が収入・貯金ゼロになりかけて学んだことが書かれています。ミニマリズムを生活に取り入れることによって、人間関係からお金・仕事まで、さまざまな悩みを解消してくれるでしょう。すぐに実践できるような具体的な内容になっています。

ミニマリスト Takeru (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2020/4/17)、出典:出版社HP

プロローグ 人生どん底で見つけた光、 それがミニマリズム

本書を手に取っていただきありがとうございます。
あなたがこの本を手に取ったのは、現在あなたは何かに悩んでおり、心の中で「人生を変えたい」「もっと人生を良くしたい」と思っているから かもしれません。 以前の僕もそうでした。自分の部屋をスッキリさせたい、もっと自由に生きたい、もっと好きなことをして楽しく生きたい、お金の不安から逃れたい。そう感じて「ミニマリズム」の本を手に取りました。

これは偶然ではありません。あなたは心の中で「この本を読めば人生が変わるかもしれない」と思ったからです。その直感にしたがって、この本 を読み進めてみてください。
はじめまして。ミニマリスト Takeru(タケル)です。僕は現在、登録者5万人のYouTuber(ユーチューバー)として、ミニマリズムという 「より少ない生き方」の魅力を世の中に広める活動をしており、月間150万回ほど再生されるまでになりました。そして、今ではこうして本を執筆しています。

でも、昔から自分の好きなことを仕事にして、自由に楽しく生きてきたわけではありません。僕は歳の時に潰瘍性大腸炎という難病を患い、 それから8年間ずっとこの病気とつき合って生きています。大学を卒業して社会人になってからは、とくに好きでもない仕事で地道に働いていま した。メンタルもかなり弱く、うつ状態や気分変調症という精神疾病を患ったくらいです。そんな体もメンタルも弱い僕は人生うまくいくはずもなく、1年間、無職・無収入だったこともあります。

僕の人生が変わったのは、言うまでもなく「ミニマリズム」との出会いでした。ミニマリズムとは、「必要最小限のモノで暮らすこと」です。僕 はもともと、大量のモノで溢れた汚部屋に住んでいました。同じモノが何個もあり、何がどこにあるかもわからない状態。十分なくらいモノがある はずなのに、欲しいモノを挙げ出したらキリがない。だからもっと稼ごうとする。お金が欲しい、収入を上げたい。でも働けば働くほど、身も心も ボロボロになっていく。生活に全く余裕がなく、いつも時間に追われていました。
そして1歳の時、難病の潰葛性大腸炎が再発して身も心も限界を迎えました。健康も仕事も失い、当時同棲していた元カノにもフラれ、人生どん底の状娘。そんなある日、「人生を変えたい」と思った時に、僕はミニマリズムという、人生を一変させるライフスタイルと出会ったのです。

約3年かけて3000個以上のモノを手放し、ミニマリストになりました。人によっては、ミニマリストなんて「宗教くさい」「貧乏くさい」 「モノを持たない暮らしなんて嫌だ」「そんな人生、幸せになれるはずがない」と思う人もいるでしょう。
真のミニマリズムを知らない人は、最初は誰もそんな反応です。でも、僕はミニマリズムという「より少ない生き方」と出会ってから、人生が大きく変わりました。この事実だけは、誰にも変えられません。 「モノを減らすだけで本当に人生変わるのか?」と疑問に思われる人もいるはずです。もちろん、モノを減らすことはキッカケにすぎません。ミニ マリズムというのは、今までの人生を一度リセットしてくれる考え方であり、人生のチューニングを行ってくれる手段です。人生をリセットし、チ ューニングを行い、再スタートを切る。誰でも簡単に、人生を変えられる手段がミニマリズムなのです。

あなたは、ご自身の人生を変えるためにどんなことを今までにしてきましたか? 本を大量に読む、セミナーに参加する、資格を取る、如万円 くらいする情報商材を買う。もちろん、それらも大事なことかもしれません。しかしそれらの自己投資には、お金も時間もかかる上に、人生を変えられる人はほんの一部です。事実、ミニマリストになる前の僕がそうでした。本を読んでも、資格を取っても、セミナーに参加しても、それほど人 生が変わらない。そんな人にこそ、この本を読んでもらいたいと思っています。 「モノを減らすことは、誰でも簡単に手っ取り早く始められます。そして、モノを減らして身軽になれば、なんとも言えない安心感と、自由が得ら れます。チャンスが目の前にパッと現れた時、すぐにチャンスを掴みにいけるお金も自由も手元にある状態です。だから人生が変えられるわけで す。これこそ、初めに取り組むべき自己投資です。まず身の回りの環境を整えなければ、どれだけ本やセミナーにお金をかけてもうまくいかないでしょう。

ぜひ僕を信じて本書を読みながら実践し、最後までおつき合いください。きっと、今あなたが想像もしないような未来が開けるでしょう。大事な ことは、読んだことを「実践」することです。本を読むだけでは人生は変わりません。ぜひ、あなたができることから始めてみてください。 きっとこの本を手に取っているあなたは、今よりも人生をより良くしていきたいと思っているはずです。では、人生がうまくいく人とうまくいかない人、何が違うのでしょうか。答えは、あなたの人生の中にあります。

あなたの過去を振り返ってみた時、人生で一番楽しかった時、充実していた時、結果を残せた時、お部屋の状態はどんな風でしたか? 逆に、人生どん底だった時、辛かった時、苦しかった時、お部屋の状態はどうでしたか?そこに成功のヒントが隠されています。 「人生の状態」と「お部屋の状態」は、無関係ではありません。成功している人ほど綺麗でスッキリしたお部屋に住み、こだわりのモノを持っています。そして、辛く苦しい人生を送っている人ほど、散らかった汚部屋に住んでいて、どうでもいいモノばかり持っている傾向があります。
ひと昔前までは、「More is better (モア・イズ・ベター)」という考え方が主流でした。これは、「多ければ多いほどいい」という意味です。 モノも、収入も、そして仕事も人間関係も、多い方が幸せになれると多くの人は思い込んでいます。 はたして、それは正しいのでしょうか?もしそれが本当に正しければ、日本は昔よりも幸せな人が多いはずです。ですが周りを見渡してみてください。あなたの身近に幸せそうな人はいるでしょうか。苦労して働いて、いつもお金と時間に余裕がなく、愚痴や不平不満ばかりで、週末になる と疲れ果ててグッタリしていませんか?本当に幸せな人生を求めるのであれば、その常識を変えなければいけません。
これからミニマリストを目指したい人、人生を変えたい人に覚えていただきたい大事な言葉があります。それは「Less is more (レス・イズ・モ ア)」です。意味は「より少ないことは、より豊かなこと」です。初めは信じられないかもしれませんが、これは真実です。
たとえ月収10万円でも、モノを減らせば自分らしく、身軽に自由に、好きなことをして生きられるようになります。いえ、モノが少ないから、 人づき合いが少ないから、収入が少なくても心豊かに生きられるのです。そこまで頑張って稼がなくてもいいわけです。
この本のテーマは、「減らすこと」よりも、むしろ「豊かに生きること」にあります。人は抱えるモノが多ければ多いほど、悩みごとも増え、ス トレスを感じます。でも、人生から不要なモノがなくなれば、あなたにとって最も大事なことに使える時間とお金が手に入ります。その結果、多く のチャンスを掴むことができ、多くのことを成し遂げ、人生の満足度が飛躍的に高くなるわけです。

ミニマリズムは僕にとっても、あなたにとっても希望を与えてくれる生き方です。それでは、夢と希望で溢れた「ミニマリズムの世界」へご案内 しましょう。

2020年春、
ミニマリスト Takeru

ミニマリスト Takeru (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2020/4/17)、出典:出版社HP

目次

プロローグ 人生どん底で見つけた光、それがミニマリズム
第1章 汚部屋を片付けて、身軽な人生に
1 モノの持ち過ぎは人生の重荷
2 僕に希望を与えてくれたミニマリズム
3 こんな人生にしたい!を明確にする
4 人生を一度リセットする
5 将来の不安を減らす
6 過去を断ち切る。
7 時間とお金に追われる生活からの解放
8 自分にとって最低限の幸せを明確にする
9 「夢見る人生」から「夢を実現する人生」に
10 最高の未来のために無駄を捨てていく
第2章 モノを手放し自分らしく生きる
1 大事なのは環境を整えること
2 あなたにとって大切な3つのモノ
3 すぐに効果を実感できる捨て方
4 どうしても捨てられないモノと向き合う
5 大きいより小さいがベスト
6 モノを買っても幸せになれない
7 遺品整理、生前整理から学んだこと
8 モノの多さが成功の国じゃない
9 生活の変化、喜びを周りに発信しよう
10 モノを手放すことは新たな夢の始まり
第3章 ストレスを減らす暮らし方
1 感謝の気持ちが心を豊かにする
2 やりたくないことリストを書き出す
3「やるのが怖いこと」ほど、あなたが心からやりたいこと
4 「できない理由」を探すなら、「できる理由」を探せ
5 成功したいなら、思考と感情を前向きに
6 人は、自身の成長に喜びと幸せを感じる
7 「なりたい自分」になりきる
8 お豆腐メンタルな僕のメンタルコントロール法
9 100%やりたいことができる時間の使い方
10 もし余命一年だとしたら何がやりたい?
第4章 その人づき合いやめませんか?
1 人生は周りの人間に影響される
2 憧れの人、尊敬する人を探す
3 ネガティブな人とは距離を置く
4 本音を言える人間関係を築く
5 言葉が変われば人間関係が変わる
6 見栄を張るから人づき合いに悩む
7 自分の欠点・弱点をさらけ出してみる
8 「嫉妬の感情」をうまく利用する
9 奇跡的な「ご線」が僕の人生を変えてくれた
第5章 大切なお金の問題を考えよう
1 収入ゼロ、貯金もゼロになりかけて学んだこと
2 誰でも間単に手っ取り早くお金を増やす方法
3 借金について考える
4 貯金と収入が増えるお金の回し方
5 何にお金を使うべきかを考える
6 「働き方」や「仕事」で幸せを感じるには?
7 好きなことを仕事にする5ステップ
8 月1万円、自分の力で稼ぐなら何ができる?
9 あなたの不安や悩み、失敗を「お金」に変える
10 与えるものが多い人ほどお金が増える
エビローグ
大好きなことに集中するために生きよう

ミニマリスト Takeru (著)
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2020/4/17)、出典:出版社HP

1歩ずつ、ミニマリストへ ~重荷を手放して身軽に生きる~ (20分で読めるシリーズ)

身軽な生き方がわかる! やさしいミニマリズム

優しさと易しさの両面からミニマリズムを取り入れることができます。自分に本当に必要な物だけを持ち、それを大切にしていくミニマリズムを身につけることで、生きやすさを実感できます。具体的な内容になっているので、すぐに行動につなげることができます。背中を押してくれる1冊です。

三月京介 (著), MBビジネス研究班 (著)
出版社 : まんがびと (2019/7/19)、出典:出版社HP

まえがき

はじめまして。三月京介(みつききょうすけ)と申します。ミニマリストとして主 にツイッターで発信しています。

僕の人生のテーマは「多くの人に、重荷を少しずつ手放して身軽に生きてもらうこと」です。自分らしく生きるための答えの一つが、ミニマリズムだと考えています。幸せになる選択肢はいくつもあります。あなたにもっとも合う方法を選んでいただきたい です。
「ミニマリスト」と聞いて、あなたはどんなイメージを描くでしょうか。何もない部 屋で生活している人、自分を追い込むストイックな人を想像した方もいらっしゃると思 います。「興味はあるけど、自分には無理」「独身で一人暮らしだからできるんでしょ う」と敬遠している方も多いのではないでしょうか。 本書では、ミニマリズムの本質に迫りつつ、そんな問いにも答えていきます。極限を追い求める必要はありません。少しずつ、快適なポイントを見つけていきましょう。

メインテーマは「やさしいミニマリズム」です。「やさしい」には、「優しい」と「易しい」の2つの意味があります。無理をしない「優しさ」と、誰にでも一歩が踏み出せる、できるところから見直していける「易しさ」の両面から、ミニマリズムを取り入れてもらえれば 幸いです。
本書を読み終わった後、いえ読んでいる途中でも、明確になった人生の重荷を手放していけるような、そんなお手伝いができたら筆者として最高にうれしく思います。

三月京介 (著), MBビジネス研究班 (著)
出版社 : まんがびと (2019/7/19)、出典:出版社HP

目次

まえがき
目次
1歩目 重荷を手放して身軽に生きよう
2歩目 ミニマリストとは
ひとやすみ 月一○万円の暮らしで見えたもの
3歩目 ミニマルに生きると「お金」と「時間」が手に入る
4歩目 やさしいミニマリズムとは
5歩目 場所別実践編・冷蔵庫
6歩目 場所別実践編・クローゼット
7歩目 場所別実践編・家具家電
8歩目 場所別実践編・財布
あとがき
参考文献
著者紹介
出版社メッセージ
出版情報

1歩目重荷を手放して身軽に生きよう
いきなりですが、人生の重荷とは何だと思いますか?
僕は「他人との比較に基づいた幸せ像」だと考えています。具体的には、大きく2つ に分けられます。

人生の重荷その1、作られた価値観
僕たちは、テレビや電車の広告、ネットの記事などから次のようなメッセージを日々 受け取っています。
・これを買えば幸せになれるよ

三月京介 (著), MBビジネス研究班 (著)
出版社 : まんがびと (2019/7/19)、出典:出版社HP

ミニマリストな暮らしのつくり方

自分ならではのミニマルを

19人のブロガー、インスタグラマーの暮らしのつくり方が写真付きで詳しく紹介されています。彼らがミニマリストになる際に、手放したもの、あえて残したもの、また物を持つときのルールやこれからの暮らしのことなど、参考になる内容が満載です。19の実例の中から自分の暮らしに合うヒントがきっと見つかります。

主婦の友社 (編集)
出版社 : 主婦の友社 (2019/8/7)、出典:出版社HP

目次

尾崎友吏子さん
今を豊かにしてくれるものだけ選んでいます。
香村薫さん
ものに振り回されない暮らしを心がけています。
SHEさん
心地よさを第一に、必要なものを選んでいます
H.Nさん
住まいを整えられているという自信が、支えになります
84KICHIさん
持たない暮らしが、考えをシンプルにしてくれました
蜜柑さん
処分するものが少しずつ変化してきました
Fujinaoさん
ものは同居人。愛着がわくものだけと暮らしたいです
nicoさん
ゆとりある暮らしで日々幸せをかみしめています
こはま ゆうさん
必要なものは余白。インテリアは欲していません
kurashi camera
管理できるなら、ものはあっていいと気づきました
harusan. 4649さん
空間と時間をうまく使い、余裕ある暮らしをしたいです
kinocoさん
ものが減ったことで思考もシンプルになりました
k.m.k.btさん
正解を求めすぎず、整えることを楽しみたいです
sayaka.さん
ほどよく飾りながら、すっきりした生活をめざしています
sima.kanaさん
失敗も経て、自分なりの処分基準を確立できました
かおるさん
ものが減ると、頭の中がすっきりしていきます
yukaさん
シンプルであることが、私にとって豊かさの証です
ihito.homeさん
ものを手放したら、自由になる時間が増えました
YUIさん
無駄をなくして残ったもの、こと、 人に幸せを感じています

column1 家計管理の考え方
column2 トースター、炊飯器やめました
column3 ストック品の持ち方
column4 来客アイテムの持ち方
column5 もの以外で変わったこと
column6 これからの暮らし
column7 防災対策
column8 シンプルに暮らしたい人へのアドバイス

01
尾崎友吏子さん

主婦の友社 (編集)
出版社 : 主婦の友社 (2019/8/7)、出典:出版社HP

デジタル・ミニマリスト: 本当に大切なことに集中する

本当に大切なことに集中できる

情報化社会に生きる私たちが生活をする上で、デジタル機器は欠かせません。そんな私たちには、一時的なデジタルデトックスではなく、デジタル・ミニマリズムという哲学が必要です。時間とお金、脳にまで影響を及ぼすスマホとの関わり方を見直すきっかけになるため、スマホ疲れ・依存を感じている方におすすめの1冊です。

カル・ニューポート (著), 長場 雄 (イラスト), 佐々木 典士 (その他), 池田 真紀子 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2019/10/3)、出典:出版社HP

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する

私のパートナーであり、ミューズであり、そして理性の声である ジュリーに

目次

はじめに
Part1 基礎
1 スマホ依存の正体
2 デジタル・ミニマリズム
3 デジタル片づけ

Part2 演習
4 一人で過ごす時間を持とう
5 いいね”をしない
6 趣味を取り戻そう
7 SNSアプリを全部消そう

おわりに
謝辞
解説:佐々木典士
原注

訳者による注は小さめの( )で示した。

カル・ニューポート (著), 長場 雄 (イラスト), 佐々木 典士 (その他), 池田 真紀子 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2019/10/3)、出典:出版社HP

はじめに

二〇一六年九月、週刊誌《ニューヨーク・マガジン》に、有名ブロガーで評論家のアンドリュー・サリヴァンによる〈かつて私は人間だった〉と題する七○○○語の長文コラムが掲載された。それには穏やかならぬサブタイトルがついていた――「ニュースとゴシップと画像の終わりなき 無差別爆撃にさらされて、我々は重度の情報依存に陥っている。私は魂を抜かれた。あなたも危 ないかもしれない」。このコラムは広く共感を集めた。しかし私には、正直なところ、サリヴァンが何に警鐘を鳴らしているのか、すぐにはぴんとこなかった。私は同世代では珍しく、ソーシャルメディアのアカウントを一度も取得したことがなく、長時間のネットサーフィンもめったにしない。そのため、日常生活におけるスマートフォンの出番はあまりない。つまり私は、サリヴァンの記事が指摘するような、世間の大多数が共有している危機感とは縁のない少数派の一人だ。言い換えるなら、 インターネット時代の革新的な技術が人々の生活を浸食しようとしている事実を知識として把握してはいたが、その意味するところを実感として理解してはいなかったのだ。しかし、あるできごとがきっかけとなって事情が変わった。

同じ二〇一六年の初め、私は『大事なことに集中する――気が散るものだらけの世界で生産性 を最大化する科学的方法』(ダイヤモンド社)という本を出版し、集中して深く考えるという過小 評価されがちなスキルについて考察し、絶えず人の注意を奪おうとするコミュニケーション・ツールが職場で幅を利かせているために、最良の成果を出せずにいる人が少なくないことを指摘し た。読者が増えるにつれ、私のもとにたくさんの質問が寄せられるようになった。メールをくれた人もいれば、講演会場などで質問攻めにする人もいたが、知りたがっていることはみなだいたい同じだった―――プライベートな場面ではいったいどうしたらいいのか。集中を妨げるものを仕 事場から排除しようという私の意見には賛成だが、仕事を離れた場面でもやはり新しいテクノロ ジーにつきまとわれ、生活の質や充足感が低下しているような気がして、そのことにさらに大き なストレスを感じているというのだ。これに興味をそそられた私は、現代のデジタル・ライフの 可能性と危うさに注目して、予定外の短期集中リサーチに取りかかった。

取材に応じてくれた人の大多数はインターネットの未来を信じていた。ネットは人生の質を向 上させる推進力になりえるし、そうなっていくだろうと考えている。誰もグーグルマップのない 生活を望んではいない。インスタグラムをやめるつもりもない。一方で、テクノロジーとの関係 をいまのまま維持していくのは無理そうだと感じてもいた。近い将来、何らかの変化が起きない かぎり、自分たちも魂を抜かれてしまうだろうと。
現代のデジタル・ライフについて議論するうえで繰り返し耳にしたキーワードは“疲労感、だ った。個別に見れば、どれか一つのアプリ、一つのウェブサイトだけが悪者というわけではない。 多くの人が問題だと思っているのは、あまりにもたくさんのアプリやウェブサイトがきらきらと 光を放って朝から晩までユーザーの注意を奪い合い、人の気分に影響を及ぼしていることだった。 このカオスの真の問題は、ディテールにばかり目を凝らしていても見つからない。問題はそこで はなく、自分ではどうにもできない状況になりつつあるという点にある。これほど多くの時間を ネットに費やしたいと思っている人はあまりいないだろうに、デジタル・ツールは、行為依存を 促すように設計されている。ツイッターをチェックしたい、レディット(英語圏で人気のあるソーシ ャル・ニュースサイト)に新しい投稿がないか確認したいという抑えがたい衝動は、目の前のことに 集中すべき時間を細切れにし、日々を主体的に過ごすのに必要な平常心を乱す。 リサーチを続けるうちに浮かび上がってきた事実、そして次の章で扱うトピックの一つは、デ ジタル・ツールが持つ依存性には意図せず生まれたものがある(テキストメッセージがこれほど までに人々の注意を独占すると予想した人はいないに等しい)一方で、意図的に生み出されたものも多い(ソーシャルメディア・サービスの多くは,使わずにいられないからこそビジネスとして成立している)ということだ。いずれにせよ、四六時中スクリーンを凝視せずにいられない せいで、人々は、どこに、何に注意を向けるべきかの判断を自分ではない何かにコントロールされているように感じ始めている。もちろん、サービスに登録した時点では、主導権を手放すつもりはなかっただろう。誰もが何らかのメリットを期待してアプリをダウンロードし、会員登録をしぃさ使い始めてみたところで、登録前にはそのサービスの最大の魅力と思えたものが、なん とも皮肉なことに、当のサービスによって損なわれていくことに気づくのだ。たとえば、遠く離れて住む友達と連絡を取り合うためにフェイスブックを始めたのに、いつしか目の前にいる別の 友達との会話を続けることができなくなっている。

リサーチをしてもう一つわかったのは、無制限にネットに接続していると心の健康をむしばまれることだ。私が話を聞いた人々の大半が、ソーシャルメディアはユーザーの感情を引っかき回すと訴えた。日常を切り取って念入りに編集した友人の投稿にしじゅう接していると、劣等感に さいなまれる。もともと気分が落ちこんでいたときなどはとりわけそうだろう。また、十代の若 者にとっては、誰かを仲間外れにする残酷な手段にもなる。
さらに、人はもともと感情的になると暴言を吐いてしまいがちだが、二〇一六年の大統領選と その余波に端的に表われたように、ネット越しの論争はその傾向をいっそう加速するようだ。これについて、テクノロジー哲学者ジャロン・ラニアーは次のような説得力ある分析をしている―「怒りや言葉の暴力がインターネット上にはびこるのは、ある意味、インターネットという媒 体の性質と切っても切り離せない現象といえる。誰もが自由に参加して他人の関心を奪い合う場 では、前向きで建設的な意見よりも、負の感情のほうが注目を集めやすい」。そういった醜いも のに繰り返し接していると、自分まで暴言を吐いて憂さを晴らすことになりかねない。多くの人 は、否応なく常時つながっていることと引き換えに、自覚のないまま法外な代償を支払っている。 デジタル・ツールの過度の使用がもたらす疲労感。主体性を弱め、幸福度を低下させ、負の感情を増幅し、より大事な活動から注意をそらさせる力――私はそういった憂慮すべき問題の数々 を目の当たりにして初めて、現代文化の支配者たるテクノロジーとのあいだに危険な関係を築いている人があまりにも増えていることに気づいた。こう言い換えてもいい。アンドリュー・サリ ヴァンが「かつて私は人間だった」と嘆いた意味が、このときようやくわかり始めたのだ。

読者とのやりとりを経て、テクノロジーが人々の私生活に及ぼしている影響をもっと詳しく調べなくてはならないと確信した私は、このトピックについて本格的なリサーチと執筆を始めた。 目的は二つ。問題の概略を把握すること、そして新しいテクノロジーを最大限に活用しながらも 主体性を失わずにいる希有な例を探し出すことだった。 調査開始からまもなく明らかになった事実の一つは、デジタル・ツールには有益な面と有害な面カ漬在しているために、現代文化とツールとの関係が複雑になっていることだった。スマート
フォン、どこでもつながるワイヤレス・ネットワーク、何十億もの人々をつなぐデジタル・フラットフォーム。どれも人類が誇るべきイノベーションだ!良識的な評論家なら、それらがまだ 存在しなかった時代に戻ったほうが幸せだなどとは言わないだろう。反面、人々は自分がデバイ スに使われているような現状に疲れを感じ始めてもいる。そしてその現状は、元気の出る写真を いつでもインスタグラムで探せる自分の力をありがたく思う一方で、以前なら友達とおしゃべり をしたり本を読んだりして過ごしていた夜のひとときに割りこんでくるインスタグラムに神経を すり減らすという、矛盾した心の風景を描き出す。
この始末の悪い問題への対抗策としてよく挙げられるのは、無理のない範囲で元凶を遠ざけましょうといった ハック” や ティップス”だ。デジタル安息日を設ける、夜はスマートフォンをベッドに持ちこまない、通知を切ってマインドフルに過ごす……といった対策を実行すれ ば、そもそもそのテクノロジーを利用する動機になったメリットはいままでどおり享受しつつ、 同じテクノロジーの害悪を最小限にできるだろうというわけだ。その控えめなアプローチに惹かれるわけは理解できる。なんといっても、自分のデジタル・ライフについて思い切った決断をせずにすむのだから。何かをきっぱりとやめたり、スマートフォンがもたらすメリットの一部をあきらめたりする必要はないし、友達を怒らせる心配も、重大な不便をこうむるリスクもない。

しかし、このタイプのちょっとした軌道修正を試したことがある人ならおそらくもう気づいて いるように、意思の力や小さな工夫、漠然とした決めごとだけは、ユーザーの意識に横暴に侵入してくる新しいテクノロジーを退けるのには力不足だ。デジタル・ツールは使わずにいられなくなるように設計されている。しかもその行為依存を助長する文化的な圧力はすさまじく、小手先の対処法ではとうてい歯が立たない。この問題を追究した結果、私は次のような結論に達した。 必要なのは、自分の根本をなす価値観に基づいた、妥協のないテクノロジー利用に関する哲学〟だ。どのツールを利用すべきか、どのように使うべきかという問題に明確な答えを提示できる哲学。そして、選んだツール以外のいっさいを無視できるだけの自信を与えてくれることも、 同じくらい重要な条件だ。
この二つの条件を満たす考え方は数多くある。極端な例では、ネオ・ラッダイト(ラッダイトと は技術革新反対者のこと)が挙げられる。新しいテクノロジーのほぼすべての利用を控えようと主張 する人々だ。これと対極に位置するのは、自己定量化に熱中する人々だろう。彼らは人生の最適 化を目標とし、生活のあらゆる領域にデジタル・デバイスを組みこむ。そういった多種多様な哲 学を吟味するうち、テクノロジー過多の時代をうまく渡っていきたい人々に最適な答えとなりそうな一つが浮かび上がった。私はそれをデジタル・ミニマリズム』と命名した。デジタル・ツールとつきあううえでは、少ないほど豊かになれる」とする考え方だ。

これは決して新しい発想ではない。ヘンリー・デヴィッド・ソローが「シンプルに、シンプル に、シンプルに!」と叫ぶはるか昔、マルクス・アウレリウスはこう説いた。「見なさい、充実 した意義深い生涯を送るためになすべきことがいかに少ないか」デジタル・ミニマリズムでは、 こういった古典的な識見を現代の生活におけるテクノロジーの役割にそのまま適用している。し力も、そのまま当てはめた結果はめざましいものになりえる。本書では、デジタル・ミニマリス トの実例を数多く紹介していく。彼らはオンラインで過ごす時間を容赦なく削り、ごく少数の価 値ある活動に集中することによって、大きなプラスの変化を経験した。デジタル・ミニマリスト たちがオンラインで過ごす時間は極端に少ない。そのため、ライフスタイルそれ自体が極端なものと誤解されがちだが、デジタル・ミニマリストに言わせれば、それは反対だ――長時間スクリーンを凝視して過ごすほかの人々のライフスタイルのほうが極端なのだ。

デジタル・ミニマリストは知っている。現代のハイテクな世界で生き延びていくために必要な のは、テクノロジーを使う時間を大幅に減らすことだ。
本書の目標は、根拠を示してデジタル・ミニマリズムの有効性を伝えることにある。実践には 何が必要か、なぜうまくいくのかを詳しく探求し、そのあとデジタル・ミニマリズムを取り入れるには何をすべきかを説明していく。
そのために、全体を二つのパートに分けた。パート1では、デジタル・ミニマリズムの基礎と なる概念を解説する。あまりにも多くの人々のデジタル・ライフをいよいよ耐えがたいものに変 えようとしている力とはいったい何なのか、それをじっくりと考察したあと、これぞ問題を解消 する答えだと私が考える理由も含めて、デジタル・ミニマリズムとは何か、詳しく説明する。パート1の後半では、デジタル・ミニマリズムをどのように実践したらよいか、私が提案する メソッドを具体的に紹介する。 デジタル片づけ”だ。ここまで述べてきたように、テクノロジーとの関係を根本的に変えるには、かなり思い切った行動が必要だ。デジタル片づけは、まさしくその思い切った行動となる。
デジタル片づけにあたっては、かならずしも必要ではないオンライン活動から三〇日間遠ざかることになる。この期間中に、デジタル・ツールの数々によって植えつけられた依存のサイクル から離脱し、より大きな充実感をもたらすアナログな活動を再発見する。散歩をする、友人と会 っておしゃべりをする、地域社会との関わりを深める、本を読む、雲をただ眺めるといったこと だ。しかし何より重要なのは、デジタル片づけによって、人生でもっとも大事なこととは何か、 理解を研ぎ澄ますための余白が生まれるということだ。三〇日の期間が過ぎたら、今度は、それ ら大事なことを達成するためにメリットがあるか否かという基準で厳選した少数のオンライン活 動を復活させる。そこから再スタートを切って、かつて時間を細切れにし、集中力をそがれる原 因となっていた注意散漫を誘う行為の大部分を退けて、厳選した主体的な活動のみをオンライン 生活の核とすることに全力を傾けよう。デジタル片づけは、強制リセットボタンを押すようなものだ―――始めたときのあなたは疲れ果てたマキシマリストだったが、終えたときのあなたは主体 的に行動するミニマリストに生まれ変わっている。

パート1の最終章では、デジタル片づけの具体的な方法を説明する。私は二〇一八年初冬に一 六○○名以上のボランティアを集めてデジタル片づけの集団実験を行ない、各人の経験を報告してもらった。それを元に、参加者の体験を数多く紹介しながら、どのような戦略が有効だったが、どのような罠を避けるべきかを述べていく。

本書のパート2では、デジタル・ミニマリズム生活を末永く維持していくために知っておくべき概念を詳しく紹介する。孤独の重要性を論じ、現在多くの人が漫然とデバイスを使うことに費 やしている時間を質の高い余暇活動で埋める必要性を検討する。ソーシャルメディアでいい ね”をしたりコメントをつけたりするのをやめ、テキストメッセージでは連絡の取りにくい人に なれば人間関係は強くなるという主張を提示し、それに対して出るであろう多くの異論に反論する。アテンション・レジスタンス、―ハイテク・ツールと厳格な運用ルールを活用することで、 注 意 経 済を駆動するデジタル製品から価値を引き出すと同時に常用の罠を避けることを目指 す、ゆるやかな組織的運動――についても簡単に述べる。 – パート2の各章の末尾にはいくつかの 演習 が並んでいる。ここでは、その章で紹介した概念 を実践するためのより具体的な戦略を紹介している。 演習 は、いってみれば新米デジタル・ミ ニマリストのための道具箱だ。各自の環境に合わせ、ミニマリストとしてのライフスタイルを築き上げるための道具として使ってほしい。

アテンション・エコノミー
ソローの『ウォールデン 森の生活』に、有名な一文がある――「多くの人は静かな絶望のなか日々を過ごしている」。しかしその直後の段落に、これを切って返すような楽観的な一節があることはあまり知られていない。
彼らは、それよりほかの選択はないと決めてかかっている。しかし注意深く賢明な人は、 朝日がまっさらな一日を照らしたことを忘れない。思いこみを捨て去るのに遅すぎるという ことはないのだ。

常時接続された世界を支えているテクノロジーと私たちの関係を現状のまま維持していくのは 無理がある。そのうえ、いまの関係は、ソローが一○○年以上も前に述べた静かな絶望へと私たちを導こうとしている。だが、ソローが指摘するように、朝日は「まっさらな一日を照らした」 のだ。現状を変える力が私たちにはまだ残されている。
しかし変化を起こしたいなら、インターネット時代ならではのツール、エンターテインメント、 そのほか私たちの注意を競って奪うものがでたらめにからみ合ったカオスに振り回されて、自分 の時間をどのように使うか、どのような気分で過ごすかの判断を他人まかせにしているようでは いけない。そういったテクノロジーの害悪を遠ざけたうえで有益なものを引き出す手段を講じなくてはならないのだ。私たちに必要なのは、いま決定権を握っているもの、すなわち人々の原始 的衝動やシリコンヴァレーのビジネスモデルを玉座から追い落とし、自分の真の望みや価値観に 従って日々の行動を選択するよう促す哲学だ。新しいテクノロジーを受け入れつつ、それを利用する代価カアンドリュー・サリヴァンの警告する人間らしさの喪失であるならば、迷いなく消防するような哲学。短期的な満足よりも、長期的な価値を優先するような哲学。 そう、デジタル・ミニマリズムのような哲学が、いまこそ必要なのだ。

*個人的な経験を活かそうにも私にはそれがないという事実を弱点とみなす人もいる。「使ったこともない人間にソー シャルメディアを批判する資格はない」――この問題について公の場で発言すると、一番多く聞こえてくる声の一 つがそれだ。この批判には当たっている部分がないわけではないが、二〇一六年に調査を始めた時点で、自分の当事者ではない立場が有利に働く場面もあることに私は気づいていた。先入観にとらわれることなく現代のテ クノロジー文化を見渡せるからこそ、思いこみと事実を区別したり、有意義に利用しているのか、それとも自分が 利用されているのかを見分けたりといったことがより的確にできるのではないかと思う。

Part 1
基礎

カル・ニューポート (著), 長場 雄 (イラスト), 佐々木 典士 (その他), 池田 真紀子 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2019/10/3)、出典:出版社HP

ミニマリストの愛用品 (TJMOOK)

ミニマリストのアイテムをヒントに

最低限必要な物だけを持ち、無駄なくシンプルに暮らしている今話題のミニマリストの愛用品を紹介しています。持ち続けているアイテムやそれを使い続ける理由などから、スッキリとした暮らしのヒントを見つけられるでしょう。

出版社 : 宝島社 (2019/11/12)、出典:出版社HP

ミニマリストの愛用品 (TJMOOK)

はじめに

持たない人が 手放さないものには一 理由がある。

少ないものだけで、 シンプルな暮らしをするミニマリスト。
不要なものは持たないと決めている彼ら・彼女らが、それでも身の回りに残して愛用するアイテムにはそれだけの理由や価値があるはずです。 シンプルでコンパクト な デザイン、ひとつでいろんな用途に使える多機能性、効率的な家事や片付けができる道具など。
この本では、ミニマリストの生活になじむアイテムの数々を、愛用者のコメントとともにご紹介。 厳選したものに囲まれた、快適 な暮らしのヒントを探ります。

目次

4 必要最小限の愛用品に囲まれた 暮らしのすべて
ミニマリストしぶさん
最小限のもちもので、身軽に自由に生きていく
やまだめがねさん
自分らしく、丁寧に。 ものを減らして気づいた本当に心地よい暮らし
saoriさん
「買わないと決めたら楽になった」 人気インスタグラマーのすっきり整う暮らし術
おふみさん
身軽でおしゃれなミニマルライフを叶えるこだわりのもの選びと持たない工夫
Fujinaoさん
ものとの付き合い方で人生は変わる。整理収納アドバイザーが実践する家族4人のシンプルライフ
coyukiさん
4歳で始めたひとりの暮らし。 「私と相性がいい」ものに囲まれたシンプルで心地いい日々

40 ミニマリストに一 聞いた 私の愛用品
#ミニマリストのもちもの
身軽にお出かけ。ポケットにも収まる 薄くて小さな財布
旅行の荷物もコンパクトに。
トラベルポーチが大活躍
お気に入りを最小限。
文具もしっかり取捨選択
こまごましたものがすっきり。
収納トレーを上手に活用
洋服を美しく収納できる
こだわりのハンガー
「アウトドア」「コンパクト」
ミニマリストと、相性がいい高機能ウエア
#ミニマリストのリビング
大きなソファはなくていい。
くつろげるクッションソファ
床にものを置かない、が鉄則。
インテリアにもなる壁面収納
空間を自由に使う。
ダイニングテーブル&チェア・スツール
ベッドを手放し、もっと身軽に。
快適マットレス生活
#ミニマリストのキッチン
炊飯器はいらない。
ご飯を炊くお鍋たち
「多用途」「コンパクト」がポイントの
キッチンツール
用途ごとに揃えなくていい。
1つのうつわで使い方いろいろ
見た目美しく、使い勝手もよい
機能的なホーロー製品
料理をおいしくする
シンプルな調理器具
水切りカゴはいらない。
場所をとらない水切りグッズ
水回りが清潔・快適に。
置かない収納
通勤にも旅行にも大活躍
ミニマリストの黒いバックパック
COLUM
ミニマリストの洋服選び
選ぶのにはワケがある。
ミニマリスト的・優秀コスメ
体洗いか、洗濯も、掃除も
これ1本でOKの万能ソープ
快適&省スペース 月経カップ
# ミニマリストの掃除用品
掃除にこだわるミニマリストが選ぶ
洗剤、除菌剤、漂白剤
思いついたらパパっとお掃除
使い勝手バツグンの掃除家電
毎日に欠かせないペーパー類もこだわって。
おすすめのトイレ&キッチンペーパー
ミニマリストへの質問
手放してよかったものはなんですか?
とはいえ……、やっぱり買い直したものはなんですか?
COLUM2
ミニマリストの防災対策
人からのプレゼントは?
ものを買うときのルールは?
生活費は減った?
気になるアレコレを聞きました

必要最小限のもちもので、
無駄なくすっきりと
暮らすミニマリストたち。
どうしてミニマリストになったの?
ミニマリストの生活はどんなもの?
そんな疑問とともに、
6 人の暮らしぶりを拝見してきました。
人によって、家族 形 態も
ミニマルのとらえ方も違いますが、
共通していたのは 、
「自分に不要なものを
とことん減らし、
本当に満足できる愛用品だけに
囲まれた暮らしは
快適そのもの」ということ。
6人の暮らしを通じて、
ミニマルライフの本当の価値を
感じてみてください。

必要最小限の愛用品に囲まれた暮らしのすべて

出版社 : 宝島社 (2019/11/12)、出典:出版社HP

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 – 断捨離からミニマリストへ –

ミニマリスト入門書

持ち物を必要最小限にとどめるミニマリストという生き方は、人々の生活を豊かにします。モノを減らすことによって周りのノイズが消え、自分にとって本当に必要なこと、大切なことが何なのかが見えてきます。モノへの追求から距離を置くことで、改めて自分にとっての幸せが何かに気付かされる1冊です。

佐々木 典士 (著)
出版社 : ワニブックス (2015/6/12)、出典:出版社HP

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ

ミニマリスト?

2枚の写真とも、実は同じぼくの部屋。 「モノが捨てられず集めてばかり。 10年間引っ越せず、生き方まで停滞。 そんなときにぼくが出会ったのは、
モノを自分に必要な最小限に減らす 「ミニマリスト」という生き方。
「汚部屋からミニマリストへ。 モノを減らすと、なぜかぼくまで変わった。

ミニマリストへの道

1.冒頭の汚部屋はなんとか脱出。 お気に入りのモノも揃えながら、片 づければきれいな普通の部屋。
2.本はすべて処分。机も椅子も手 放してかなりすっきり。ここで止まればシンプルライフ。
3. マットレスも、テーブルもテレ ビも手放した。小物入れがテーブル。修行僧気分で生活する毎日。

こんな部屋に住んでいた
1,6畳の部屋になぜかソファが2つ。服を脱いでは散らかし、こんなアート作品が誕生する事態に。
2.汚れたままの机でビールを飲み、お菓子を食べながらゲーム。こんなことでは太るはず。捨てな!
3. アンティークのカメラ、よくわからないランプなどをオークションで買い集め喜んでいた時期。
4.廊下一面の本棚。CDとDVDも買えるだけ買い揃えていたが、残念ながら自分の身にならなかった。

Case1 ミニマリストのモデルハウス

10年ぶりの引っ越しでぼくが選んだのは「何の変哲もない」1Kの間取り、20mの部屋。 1人暮らしミニマリストのモデルハウスにするべく、何も置かずただの「部屋」にしている。

寝るときはこんな感じ。ミニマリスト御用達のアイリスオーヤマの 「エアリーマットレス」。太陽の光で、朝起きるのすら楽しみになる。
自炊もするけど、食器もミニマルに1人分。よく使うものだけ。 全部洗っても、時間なんてかからない。形もミニマルなものばかり。
クローゼット。ダウンジャケットから、スーツまで。白シャツを中心 にスティーブ・ジョブズみたいな「私服の制服化」を目指したい。
ラックなんて置かない、リンスもない。ただ 液体の石鹸で全身を洗う。お風呂あがりは、 手ぬぐいで全身を拭く。何の問題もない。
アブラサスの「薄い財布」に、家と自転車のカギ をつけている。この写真を撮っているiPhoneを ポケットに入れて、どこでもふらっと出かける。

Case2 ミニマリスト オリジネイターの部屋

ミニマリストブームを牽引した立役者の「人、肘さん。 「禅」を感じさせるシンプルな部屋に最新のデジタルガジェット。
この部屋に多くのミニマリストが影響を受けた。
Profile 肘(ひじ)。現役証券ディーラー。漫画と、ももクロに精通する。2012年頃よりブログを開設、ミニマリストブロ ガーの草分けの1人、ミニマリストブームを牽引した。 ブログ「物を持たないミニマリスト」minimarisuto.jp
廊下には何も出さず、ゴミ 箱も置かない。徹底したミ ニマリストぶり。冷蔵庫や 炊飯器、電子レンジ、必要 なモノだけが部屋にある。
肘さんの紹介で、ミニマリス ト御用達となった「エアリー マットレス」。たたんだ上に、 枕を乗せれば「マットレスソ ファ」の完成。
床に何もないので、場所 をとるボードゲームだっ て友達と楽しめる。団さ んおすすめの「カルカソ ンヌ」をプレイ中。
あまりにもガランと したクローゼット。 普段はしまわれてい る「Surface Pro」 と折りたたみチェア を出せば立派な書斎 が出現する。
SONYのヘッドマウントディ スプレイをつけた村さん。テ レビは捨てても、レコーダー 経由で番組を楽しめる。ホ ラー映画も大迫力に。

Case3 2人で作る 心地よい部屋

夫婦でミニマリズムに取り組んでいるおふみさん夫妻。 78m2→44m2への引っ越しをきっかけに130kgのモノを処分。 お気に入りのモノを大切にしつつ、ミニマルライフに取り組む。

Profile
夫婦2人揃ってミニマリスト。家を建てる直前、 持たない暮らし、ミニマリズムに目覚める。妻の おふみさんのブログ『ミニマリスト日和』mounthayashi.hatenablog.com Instagram(@ofumi_3) 旦那のteeさんのブログ『遅れてきたミニマリス ト』minimaltee.hateblo.jp

すっきりした和室にも 「sou・sou」の手作り掛 け軸でアクセントを。賃 貸でも「自分の家、陣 地」感が増したという。
「ほぼ日手帳」に断捨離したモノな ど絵日記をつけ、ブログにアップ。 配色、手の込んだ構図など、見てい るだけで楽しくなる絵日記。
友人などからのプレー ゼントは最小限にし、 ながらも大事に配 置。鳩時計、犬の置 物、ウクレレ。過剰 すぎず、なさすぎず のバランス。
リビングの壁。こちら にも「ミナペルホネ ン」の手ぬぐい。シン ブルな時計を配置、か わいいながらに禅の庭 のような空間の妙。

Case4 家族で暮らすミニマルライフ

もはや家具メーカーのショールーム。 お子様2人、4人家族でもここまですっきりと暮らすことができるという、見本のような家。掃除が行き届き、落ち着ける理想の住まい。

Profile
やまさん。夫と、子ども2人の4人家族で暮らす、家庭 持ち最強ミニマリスト。DIY、自作の洋服なども駆使し て、美しく落ち着ける住まいを追求。ブログ『少ない物 ですっきり暮らす』yamasan0521.hatenablog.com

庭も最小限の植物だけですっきりと。 目隠しとしても使える「トネリコ」が 植えられている。板壁も、やまさんの 手による自作の品。
かつて家族の「図書室」として使って いたスペースにも、何もない。何もな いからこそマルチスペースとして何に でも使えるという。
必要最小限に絞られ たインテリアが家族 の団欒を作る。イン テリアの色味も、目 に優しいものだけに 絞った「色のミニマ リズム」。
やまさんが着る、夏服のラインアップ 8枚。服の数も色も絞った、服のミニ マリズム。アイロンがけも、やまさん の大切な時間になる。
寝室として使用している和室。収納を 開けても、真っ白に統一された収納が お目見え。夫婦でも、お互いのモノに 干渉しないのがルールだとか。

Case5 世界一周できるミニマル・バックパック

伊藤光太さんが4年の試行錯誤の上、集めた「世界対応」の装備。 これさえあれば、世界一周しても困らないという厳選された持ちモノ。
バックパックひとつで生きていける。

Profile 伊藤光太(いとうこうた) Mac片手に世界中で音 楽を作りだす、若き冒険派ミニマリスト。持ちモ ノの最終リストはブログで要チェック。 ブログ『Minimalist Music Producer』 minimalist-music-producer.com

1MacBook Pro Mac 1台あれば、もはや 音楽は作りだせる。世界各 地で音楽を作ることが、伊 藤さんの仕事
2 ソーヤーミニ 高性能なポータブル浄水 器。有害な病原菌を除去。 汚れた水でもこれさえあれば安心して飲める
3 グラナイトギアのポーチ グラナイトギアのトレイル ワレット。軽くて丈夫なナ イロン製ポーチ。サブの貴 重品入れで使用
4mont-bellの寝袋 こちらはハンモックでは難 しい寒い場所で使用する寝 袋。「Down Hugger 800 #3」というモデル
5 Hennessy Hammock テントとハンモックがこれ ひとつで。引っ掛ける場所 さえあれば、どこでも寝床 へ変身する優れモノ
6 ヘッドランプ ブラックダイヤモンド社製] のヘッドランプ。暗い場所 を照らすだけでなく、ラン タン代わりにもなる
7 スパイベルト ベーシック 身体に巻きつけて使用す る、伸縮自在なベルト。貴 重品はどんなときでも肌身 離さず、が基本
8 Sony MDR-1ADAC こだわりのヘッドホン。デ ジタル信号のままデータを やり取りし、クリアな音が 聞こえるハイレゾ対応
9 iPhone 5S & LOKSAK 多機能なiPhoneは手放せな い。LOKSAKという60m防水 のケースに入れれば、どこ へでも持ちだせる
10 Sony a NEX-5N Sonyのデジタル一眼レフ カメラ。伊藤さんはSIGMA 30mm F2.8 DNというレン ズをつけて使用
11Amazon Kindle 言わずと知れた電子書籍端 末。コストパフォーマンス に優れた、スタンダードモ デルを選択し
12シュマグ(アラビアスカーフ) ストールだけでなく1枚で マスク、帽子、タオル、緊 急時にはろ過器になるとい う多機能なシュマグ。
13 洗濯物干しロープ | SEA TO SUMMITの便利な 物干しロープ。コンパクト になる上、洗濯物がずれな い仕組みになっている
14パスポート パスポートは常に持ち歩 く。緊急用のドルと一緒 に、これもLOKSAKに入れ て保管。最も大切な1品
15レトルト食品 いつもの「どん兵衛」だっ て、無駄なゴミのでないパ ウチ使用で。ゴミもミニマルに
16 レザーマンのマルチツール LEATHERMAN SQUIRT PS4 というモデルを愛用。はさ み、ナイフ、やすりなど機 能充実のツール
17 充電器&電源ケーブル 大切なデジタルガジェット の電源は、シルナイロン素 材のイーグルクリークの ポーチで大切に守る。
18 エマージェンシーブランケット 万が一のときにも、肌寒い ときにも使えるブランケッ ト。SOL社製でガサガサし ないしなやかさがある
19 BOSE Sound Link Mini Bluetoothスピーカー。音 楽を生業とする伊藤さんに は欠かせない1品。高級コ ンポを凌駕する音質
20 変換プラグアダプター 海外で必須なプラグアダプ ター。ミニマルなデザイン の無印良品のアダプターを セレクト
21MOLESKINEノートブック 他の旅行者にメッセージを もらったり、日記を書いた り、いまも欠かせないアナ ログのノート
22 MOLDEXO 最高レベルの遮音値を提供 する耳栓、Goin’Greenとい うモデル。あらゆるノイズ もミニマルに
23ポケットソープ SEA TO SUMMITのポケッ トソープ。シート状で、使う分だけ取り出せる。これ で簡単に洗濯できる
24トラベルキットパック FMラジオ、爪切り、ライ ターなどグルーミング用 品、小物を機能的に収納。 梅肉エキスもおすすめ

佐々木 典士 (著)
出版社 : ワニブックス (2015/6/12)、出典:出版社HP

本の構成について

1章では、ミニマリストとは何なのか、その定義について考え ています。次にここ数年のうちになぜミニマリストが生まれたのかその理由を探ります。

2章では、逆に、どうして今までこんなにモノを増やしてきた のか? 人の習性や本質的な欲求とからめ、増えすぎた「モノ」 が持っている意味を掘り下げます。

3章では、具体的にモノを減らすための心構え、テクニックを ルール形式でまとめています。数々の捨てるための方法、その集 大成をここにまとめたつもりです。さらに捨てたいミニマリスト 向け追加リストとミニマリストが陥りやすい「捨てたい病」の処 方箋も、ここにまとめています。

4章では、モノを最小限に減らしたことで、ぼくが変わって いった変化について書いています。単に減らしただけでなく、 「最小限」に減らしたことで変わるポジティブな側面、減らした ことで見えてきた「幸せ」について、心理学の成果と合わせなが ら、考察します。

5章では4章で考えたぼくの変化がなぜ「幸せ」につながった のか改めて考えました。
ミニマリズムについて理解を深めるためには最初から読んでい ただくのがよいですが、それぞれの章は個別に読むこともできま す。3章だけ読んでいただいても、モノを減らすためには、きっ とお役に立てるはずです。

本書では、1自分に必要な最小限にすること、 2大事なもののためにそれ以外を減らすことを「ミニマリズム」。
そうする人のことを「ミニマリスト」と呼んでいます。

目次

本の構成について
はじめに
第1章
なぜ、ミニマリストが生まれたのか?
誰もが最初はミニマリストだった
ミニマリスト以前のぼくの1日
ミニマリストのぼくの1日
ぼくが捨てたもの
ミニマリストになった理由
日本人はみんなミニマリストだった
逆輸入されたミニマリズム
ミニマリストの定義とは?
ミニマリズムは「目的」ではない
究極のミニマリストは一体誰か?
断捨離、シンプルライフ、ノマドワーク
到底手に負えない情報量
「人間」は5万年前のハードウェア
ぼくは、ぐるぐるしている重いパソコン
ぼくらはスマホで何でもできる
モノを減らすためのモノ
シェアする文化の浸透 「モノ」に殺されるリスク
第2章
なぜ、モノをこんなに増やしてしまったのか?
欲しかったすべてのモノを持っていた
「慣れ」という毒
なぜ人は新しいモノばかり求めてしまうのか?
なぜ少女はおもちゃの指輪で満足できなくなるのか?
W杯で敗れた本田圭佑をどうやって慰めるか
優勝の喜びが続くのは3時間?
ビル・ゲイツは6回ご飯を食べられるか?
50倍の価格のApple Watchの機能とは?
未来の感情は予測できない
ジャケットを10回目に着たときの喜び
石器と土器は「必要」なモノだった
「自分の価値」を伝えるためのモノ
誰でも「孤独」アプリがインストールされている
猫と犬の孤独
あまりに多すぎる自殺者
すべては「自分の価値」を感じるために
自分の価値を手っ取り早く伝える方法
内面をモノで伝える
自分とイコールになったモノ
本棚を自分だと思い込んだぼく
自分を損なうモノ
第3章
捨てる方法最終リスト5!
さらに捨てたい人へ追加リスト5!
「捨てたい病」への処方箋
第4章
モノを捨て、ぼくが変わった2のこと
時間ができる
生活が楽しめる
自由と解放感を感じられる
人と比べなくなる
人の目線を恐れなくなる行動的になれる
集中力が高まる
自己に徹する
節約だってできる
エコにもなる
健康になれる
安全である
人との関係が変わる
今、ここを味わえる
感謝できる
第5章
幸せに「なる」のではなく「感じる」
「幸せのお手本」を捨てる
幸せは50%遺伝で決まる
環境は0%しか影響しない
幸運にも不運にも人は慣れる
幸せに「なる」ことはできない
「なる」のではなく「感じる」幸せ
幸せは自己申告制
ミニマリストになって変わった40の行動
おわりに マキシマムな謝辞

佐々木 典士 (著)
出版社 : ワニブックス (2015/6/12)、出典:出版社HP

はじめに

モノが少ない、幸せがある。 だから、ぼくたちに、もうモノは必要ない。
この本で伝えたいことをミニマル(最小限)にまとめるとこうなる。 ぼくはモノが少ないことのすばらしさを、この本で伝えたい。
この本で伝えたいことと、今の「幸せのお手本」はまるで逆だ。とにかくたくさん持つ ほど幸せにつながる、将来何があるかわからないから、できるだけ蓄える。
モノを買うのでも、何でもお金で解決できるから、次第に人を持っているお金で判 るようになる。「お金さえあれば、何でも買える。……そう、人の気持ちだって買えるじ ゃないか、まるでモノみたいに。人の気持ちが買えるなら、幸せも買えるだろう。だから 稼ごう。ぼくだけ割を食うのはごめんだ。ぼくが稼ぐために、みんなに買ってもらおう」。

「ぼくのことを少しだけ。ぼくは3歳の男性で、独身。結婚経験はない。出版社で編集者 として働いている。0年住んだ東京都目黒区の中目黒(「住んでる場所? 中目黒」って ただ答えたかった)から、最近引っ越し、品川区の不動前というところに住み始めた。家 賃は6万7千円(前の家から2万円下がった)。貯金は引っ越しでほぼなくなっ(以下略)。
結婚もしておらず、いい年の割に大したお金も持っていない。ぼくのことを、この負け 犬が!と思う人もいるだろう。ともかく、ムダなプライドだけはあった以前のぼくなら、 とてもじゃないけど恥ずかしくて人に言えなかったことばかりだ。今は、かなりどうでも いい。なぜかは簡単で、こんなぼくでも、充分幸せだからだ。

10年前にぼくがどうしても出版の仕事がしたいと思ったのは、お金やモノでなく、価値 観自体を問える仕事がしたいと思ったからだった。だけどその初心は次第に失われていく ことになる。出版業界は斜陽産業だから、存続のためにはとにかくまず売れる本が必要だ。 売れる本を作らないと、価値のある本を出したくても、そもそも本を出すということ自体 ができなくなってしまう。そんな状況を目の当たりにし、ぼくは徐々に「大人」になって いった。出版を志した初心の気持ち、熱い気持ちはすっかり冷え込み、ぼくはついに屈したのだ。誰もがなんとなく思っている、「まあ、何だかんだで……『お金』だよね」とい う価値観に。

モノをたくさん捨てることでその価値観は、ぼくの中で完全にひっくり返ってしまった。
ぼくたちの社会で長期政権についているのは、自民党ではない。その後ろにある「お金 党」と「モノ党」と「経済党」の連立政権だ。その連立政権はあまりに蜜月で長期にわた っているので、もはや政権だとすら思われていない。当たり前の大前提になっているので、 疑うこと、もっと言えば意識することすら難しい状態だ。 連立政権が長らく座るイス。ぼくはまず、「モノ党」党首が座るイスに目をつけこう言 う。「ごめん、そこに座るの、1回だけ代わってもらってもいい? だめだったらまた座 ってもらっていいから!」。
持ちモノを自分に必要な最小限にする、ミニマリスト (最小限主義者)という生き方。 その生き方を通して見えてきたのは、単に部屋がスッキリして気持ちがいいとか、掃除が しやすいとか表面的なメリットだけじゃなく、もっと本質について。つまりどう生きるか、誰もが求めてやまない「幸せ」を、自分の頭で考えなおしていくことだった。
ぼくはモノをたくさん捨てた。 そして今、毎日幸せを噛みしめながら、生きられるようになった。 ぼくはモノを捨てることからスタートして、なぜか前より幸せを感じている。

誰しもが幸せになりたいと願い、生きている。毎日勉強に、スポーツに、仕事に、育児 に、趣味に励む。それは根本的には幸せになりたいと考えているからだ。他人から見れば 一見過酷で、孤独で、不幸を選択しているように見えても本人にとっての幸せを追求した 結果だ。人を突き動かしている根本のエネルギーは幸せを求めること。
今までぼくもご多分にもれず、モノを溜め込み、それが自分の価値、ひいてはぼくの幸 せにつながると考えていた。冒頭の汚部屋の写真を見てもらえばわかるけど、ぼくはモノ が大好きで、何も捨てられないタイプだった。ひたすらにモノを増やしたいタイプだった。
だがモノを持っていたぼくは、人と比べてばかりいて、みじめだった。自分がすべきことがわからず混乱ばかりしていた。何も深く考えられず、時間をムダにしていた。どうし ても、と自分で選んだはずの職業を後悔し始めてもいた。お酒に逃げ、女性に迷惑ばかり かけていた。自分はこの程度の人間だと、ただすべてに慣れていくことしかできなかった。

以前のぼくの様子はこうだ。汚部屋はなんとか脱出できた。週末に彼女が来ることにな ったら、片付けをし、見える部分だけの掃除をすれば、それなりに見栄えのする部屋にな る。センスがいいお気に入りの小物もバランスよく配置し、間接照明も効果的なつもりだ。
しかし普段は、収まりきらず本棚から溢れた本が、部屋のそこかしこに積まれている。 ほとんどがいつか読もうと思ったまま、ペラペラめくってみただけの本。借りたまま気が 乗らず長く返していない本たち……。

押入れを開けられては困る。かつてのお気に入りだった服がぐちゃぐちゃに詰め込まれ ているからだ。久々に着てみようかと引っ張りだして体に合わせてみるが、やはり外に出 かけるほどの勇気は出てこない。着た回数も少ないし、高かったし、天気がいい日に洗濯 してアイロンをかければ、いつかはうまくコーディネートできるかもしれない。
で投げだしたままの趣味の品々が部屋には転がっている。ホコリをかぶった入門用 のギターとアンプ。落ち着いたら手をつけようと思っている英会話の教材。すばらしいア ンティークのカメラにはフィルムを通したこともない。
ひとつの興味が続かないせいか家ですることがない。録画した『アメトーーク!』を見 終わったら、スマホでパズルゲームでもやろうか、いい加減やめたいけれどコンビニに行 って、またお酒をあおろうか。
人と比べてばかりいた。

大学時代の友人が住んでいるのは東京の埋め立て地にある高級マンション。きらびやか なエントランス、ダイニングには趣味のよい北欧家具と食器がならぶ。ぼくはいやらしく 家賃を頭の中で計算しながら、温かいおもてなしを受ける。友人は大手企業に入社し、安 定した高収入。社会人になって間もなく、映画の趣味が合う美しい彼女と結婚し、子宝に も恵まれた。おしゃれな服を身につけた赤ちゃんは本当にかわいい。大学では大差なかっ たのに、何が自分とこの友人を隔てていったのだろう?
真っ白なフェラーリのオープンカーが交差点をこれ見よがしに走り去っていく。ぼくが 借りているマンションが 2つは買えるだろうか? 友達から5千円で買い取った自転車の ペダルに片足をかけながら、消えていく車を見つめるばく。
そんな状態から、一発逆転の淡い期待を抱き、toto BIGを毎週買う。 この収入と貯金ではとても将来を考えられないと、彼女と別れたこともある。 そして、このすべての劣等感も妬みも巧妙に隠し、何も感じていないように振る舞った。 はっきり言って、モノを持っていた、かつてのぼくはクズだった。

モノを捨てて、本当によかった。 ぼくははっきりと、違う人間になり始めている。
おおげさに聞こえるかもしれない。 誰かに言われた。「モノを捨てただけ」。 確かにぼくは捨てただけだ。 まだ何も成し遂げていないし、人に誇れるようなことは何もない。
だけどこのことだけは、胸を張って言える。 ぼくはモノを少なくして、毎日幸せを感じられるようになった。幸せが何なのか、少し ずつわかり始めてきている。
かつてのぼくのようにみじめで、自分を誰かと比べてばかりの人、つまり自分のことを 不幸だと思っている人にはモノから一度離れてみることが、とにかくおすすめだ。最初か らモノに執着がない人や、モノのカオスの中から宝物を見つけられる天才はいる。だけど、 ぼくが考えたいのは、「普通」の人が、もっと「普通」の幸せを感じられるような在り方 だ。誰しもが幸せになりたいと願っている。だが、そう願って手にしたモノは、ほんのわ ずかの間しかぼくたちを幸せにしてくれない。 ぼくたちは幸せについて、あまりに無知である。
増えすぎたモノを減らすことは、幸せについてもう一度、考えてみること。 これもおおげさに聞こえるだろうか。
けれど、ぼくは本気でそう思っている。

epigraph
われわれは、幸福になるためよりも、
幸福だと人に思わせるため
四苦八苦している
ラ・ロシュフコート

お前の仕事はお前じゃない。
お前の銀行残高はお前じゃない。
お前はお前が乗り回している車じゃない。
お前の財布の中身はお前じゃない。
そのくそったれなブランドも、
お前とは一切関係がない。
タイラー・ダーデン『ファイトクラブ』

幸福とは、望んだものを
手に入れることでなく、
持っているものを、
望んでいる状態のことである
ラビ・ハイマン・シャハテル

佐々木 典士 (著)
出版社 : ワニブックス (2015/6/12)、出典:出版社HP

手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法

「手ぶら」のススメ

何かを買いたい、もっと稼ぎたいなどという望みは、本当に実現したいものではなく単なる「見栄」であることがあります。その見栄を捨て、最小限のお金で最大限の自由を得るためのコツが紹介されています。どこにお金を使いどこに使わないかを決めることで、自然と自分にとっての幸せが何か見えてくるかもしれません。

ミニマリストしぶ (著)
出版社 : サンクチュアリ出版 (2018/5/7)、出典:出版社HP

なにもない部屋の快適な暮らし
僕が暮らす4畳半、家賃2万円の部屋。とにかくなにもない。 冷蔵庫もテレビもないし、テーブルもベッドも収納もない。

カーテンもない。「部屋にいて落ちつかなくない?」と聞かれるが、むしろ僕は、 カーテンがあるほうが落ちつかない。若干変態なのかもしれない。

増やすなら、「投資になる物」を
生きるのに必要な物は、そう多くない。 無駄をなくした代わりに、「健康」や「時間」を生み出す物は、 躊躇せず手に入れたい。

仕事のときも、食事のときも、 だいたい出窓で過ごす。

玄関付近にキッチン、洗濯 乾燥機、クローゼットが横 並びになっているのがお気 に入り。家事の際に無駄に 動かないで済むようになっ たのは、「配置のミニマリ ズム」を重視した結果だ。

ジムに毎日行くので、 お風呂はほぼ使用しな い。シェーバーや歯ブ ラシだけ、トラベルポーチに入れている。旅 行のときはこのまま持 ち出す。シャンプーは ない。湯シャン歴5年。

調理器具は、「ジオ・プロダクト」のステンレス 鍋ひとつあれば十分。1.5合炊き炊飯器「ライスクッカーミニ」は、お米が20分で炊ける。サ ツマイモをふかすのにも使用。

冷蔵庫がないので、常 温保存できる野菜や缶 詰、玄米をシンクの下に。

パナソニックのド ラム式洗濯乾燥機 「Cuble」。型落ち 品を14万円で購入。 僕の家賃 7カ月分。 安い買い物ではなか ったけれど、おかげ」 で洗濯物を干す手 間や、コインランド リーへ行く費用が浮 いて大満足。

調理器具や食器も自分ひとりに合わ せて、必要最小限だけ揃えている。 調理器具は生活感のない「ホワイト ×シルバー」で統一、食器は毎日の 定番食材に合わせて、木製の皿をチ ョイス。

iRobot の床拭きロボット口腔洗浄器。「日本人の8割が歯周病」というニュースを見て購入した。
ラーバが、毎日床をピカピカに磨き上げてくれる。

部屋の照明は、スマホから 操作できるスマートLED電球 「プレイバルブ」。照明の 1600万色に変えることが 色をできるので、気分によっ て色を変えて生活にリズム をつけている。

ヘアードライヤーはダイソンの「Super sonic」。約4万円の高級家電だが、 最高レベルの風力で髪をすばやく乾燥させるために購入した。

こんな家に住んでいました
もともと家は裕福だったが、中学進 学の頃、父の自己破産が原因で両親 が離婚。なんでも手に入る生活が一 変、「お金がない」状況へと転落した。 右の写真は、いちばんお金に困って、 家に物が散乱していた時期。 「お金は減り続けるのに、物は増え続 ける」というループだった。

必要最小限の服と靴とカバンの中身
毎日の「制服」となる服や靴は、数も色もミニマルに。 1日の使用時間が長いガジェット類は、一つひとつ厳選を重ねている。
すべての衣類をハンガーでつるし、 すっきりと「見せる」収納を実現。 ハンガーは、肩の出ない「MAWA ハンガー」で統一。
黒のボトムス(ジーユー) × 2本
白の半袖トップス(ヘインズ) ×4枚、
白の長袖トップス (ユニクロ) ×4枚
靴は、コンバースオー ルスターのオールブ ラック×3足 ビルケンシュトックの サンダル×1足
下着4枚、靴下4足 無印良品の「そ のまま洗える衣類ケース」に収納。
僕の制服。「いろい ろな格好をする楽し み」よりも、「服を選 ばないで済む快適 さに圧倒的な魅力 を感じている。
ダスターコート(ユ ニクロU)×2枚 2017年春夏モデ ル(レディース)、 1枚買ってとても気 に入り、メルカリ で探してもう1枚 手に入れた。

1MacBook。「職業: ミニマリスト」として生きていくことを決めたときに、ローンを組んで購 入(返済済み)。
2アブラサスの「小さい小銭入れ」。
3モバイルWi-Fi。家で外でもこれひとつで高速インターネットに接続することができる。
4モバイルバッテリー兼充電器。スマホやカメラ、Wi-Fiなどの小型ガジェットはこれひとつで 充電可能。
5アブラサスの「薄いマネークリップ」。なにも収納していない状態で薄さ 6mm、紙幣10枚 とカード類5枚入れても11mm。
6iPhoneX。SNS、電子マネー、電子書籍を読む、思いついたことをメモするなど、スマホな くしてミニマリスト生活は成り立たない。iPhoneは毎年最新型に変えて、旧型は売っている。
7コードレスイヤホン「AirPods」。ケーブル配線のわずらわしさから解放された。

Apple社公認ブランド Cote&Ciel のリュック 「Isar Rucksack」。ス ティーブ・ジョブズが使 用していたモデル。
「小さい小銭入れ」は、 鍵と一緒に、必要最 低限の小銭も持ち歩 ける。
BOSE のスピーカー「SoundカメラはSONY「a5100」 ニンテンドースイッチ。家庭用 Link Mini」。片手で握れて、360°カメラ「Insta360 ONE」。ゲーム機でありながら、テレビ まうほどコンパクトでありなが小型カメラを iPhone に取り 「なしでも遊べて携帯しやすい。 ら、高級オーディオと同等の音付けて撮影できる。
まさにミニマリスト向け。 質を再現する。趣味である音 楽や動画鑑賞に欠かせない。

なんでもない日の過ごし方
やりたいことだけを集めた僕の1日。 大切な1%のために、99%をそぎ落としている。

なににお金を使い なにに使わないかを決めたら、 人生が動き始めた話

はじめに

僕は、なんにも持っていない。 家具や家電がほぼない4畳半の部屋に、家賃2万円で暮らしている。 月の生活費は7万円。 財布は持たない。 服と靴は毎日同じ。 食べるのは1日に1食だ。

これを読んだあなたは「我慢だらけの、切り詰めた生活じゃないか」と感じたかも しれないが、それは間違いだ。僕は今、これまでの人生でいちばん満たされている。
僕の生活を律しているのは、「ミニマリズム」という考え方だ。 よりストイックに、よりミニマルに自分を整えていく――この考え方に出合ったこ とで、僕の人生は一変する。
それまで僕をがんじがらめにしていた「お金」という存在から、ようやく解放され、 自由を手に入れたのだ。

ここで少しだけ、僕の生い立ちを聞いてほしい。 僕は、まわりからも「お金持ちのボンボンだね」と言われるような、とても裕福な 家庭で育った。家族は、デイトレーダーの父、専業主婦の母、妹、そして僕。
ありがたいことに親は放任主義。「これがほしい」「あれがしたい」がなんでも叶う、 今思えばとても甘い家庭だった。当然、家の中は物だらけ。いわば僕は、ミニマリス トならぬマキシマリストの家で育ったのだ。
中学進学の頃、父の自己破産が原因で両親が離婚。なんでも手に入る裕福な生活が 一変、「お金がない」状況へと転落した。

シングルマザーとなった母との暮らしは、とにかく貧しく、苦しかった。裕福だっ た頃とのギャップに慣れることができず、そして、思春期だったことで物欲もみなぎっ ていた僕は、自分の境遇を「なんて不幸なんだ」といつも呪っていた。
「幸せな人生に必要なのは金。そのためにはいい大学、いい企業に入るしかない」と 執念を燃やし、進学校の高校に入った。

ところが、大学受験にあえなく失敗し、浪人生活に突入。アイドルの追っかけやア ルバイトに明け暮れ、どうしようもない生活を送っていた。
それでいて、高いプライドはさらにエスカレート。「(みんなに自慢できる)慶應以 外行きたくない」と、意固地になっていた。今思えば、見栄っ張りのとんでもないク ズだ。 二浪したあげくに僕は、大学進学をやめ、人生もあきらめモードになっていた。
そして2014年の冬。フリーターをしていた19歳の僕は、実家を離れてひとり暮 らしをしたいと夢見るようになった。しかし、経済的な余裕はない。

そんなある日、Googleで「冷蔵庫なし」と検索したことが、僕の人生を変 えることになる。
たどりついたのは、冷蔵庫を持たないどころか、電子レンジや洗濯機、テレビなど、 一般的に必要とされる家具や家電をいっさい持たずに生活する人のブログだった。
こんなに少ない持ち物で、こんなに幸せそうに生活できるなんてー。 衝撃を受けると同時に、その生き方に強烈に惹かれていく僕がいた。
このミニマリズムとの出合いは、「とにかくお金を稼いで、物質的に豊かになれば 幸せになれる」と思い込んでいた僕に、「物では幸せになれない」ということを気づ かせてくれた。僕はすぐさま、自分の持ち物をバッサバッサと処分。
そうして、必要最小限の物だけで生きる僕は今、不安やストレスと無縁の生活を送っ ている。少ないお金で暮らせるようになり、お金を得るためになにかを犠牲にするこ とがなくなった。

そして、少ないお金で暮らしているからこそ、自分にとって大切なものがよりクリ アになり、僕の人生は劇的に動き出した。
「より少なく、しかしよりよく生きる」
最小限のお金と物で生きることで、見えてくるものがある。 そんな「手ぶらで生きる」方法を、これから紹介していきたい。

ミニマリストしぶ (著)
出版社 : サンクチュアリ出版 (2018/5/7)、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに
《序》 僕の始まりは「カネ・ミニマリズム」
第1章 暮らしを自由にする。
1 4畳半に住む。
家賃2万円、小さな部屋の快適な暮らし
2床にそのまま寝る
高級マットレスで寝ても、床で寝ても、睡眠の質は同じ
3 冷蔵庫は持たない
必要なときに、必要な量だけ。過剰なストック買いをやめる
4 テレビは持たない
受け身の娯楽を減らし、自発的な活動を増やす
5 月に7万円で生活する
自分が1カ月に必要な額を把握する
6 通信費は5000円以下にする
格安シム&モバイルWi-Fiで通信費を半額にする
7 変動費よりも固定費を大きくする
定額サービスを賢く利用する
8 収納は持たない
部屋に備えつけられた収納だけで収める
9 狭い家に引っ越す
「捨てる努力」より、「引っ越す努力」をする
第2章 物を自由にする。
10 財布は持たない
リスクなし、メリット多数のキャッシュレス生活
11毎日同じ服を着る。
お気に入りナンバーワンの服を、自分の「制服」にする
12「限定物」ではなく「定番物」を買う
「いつでも、どこでも」買える安心感
13「レンタル」「シェア」を使いこなす
世の中の流れは、「所有」から「利用」へ
14 スマホは大型サイズを選ぶ
物を選ぶときの、自分なりの優先順位を持つ
15「出口戦略」を考えて増やす
中古の口紅すら売れる「シェアの時代」に必要なスキル
16 増やすなら「投資になる物」を
価値を生み出す物は、躊躇なく増やす
17「好き」ではなく、「大大大好き」な物を選ぶ
「100の大好きリスト」で可視化する
18 悩む暇があったら、さっさと買う・捨てる
トライ&エラーの繰り返しで、直観力を磨く
19消費する側から、生産する側にまわる
消費はドラッグと同じ「不健康な快感」
第3章体を自由にする。
20 「1日1食」で生活する
人間本来の食事スタイルで、健康を取り戻す
21 食材を定番化する
加工品を避け、自然なままの食材を食べる
22 予防にお金をかける
必要最小限の「1日1万歩」で、健康な体は維持できる
23 食欲をコントロールする
食欲を抑えるのは、「我慢」ではなく「腸」
24 中毒性のある食べ物を避ける
重度のコーヒー中毒者が、カフェイン断ちをしてみたら
25 食で「最高の贅沢」を味わう
手間暇をかけて、自分に合った料理をつくる
26「健康」がなによりの資産だと知る
即効性がないからこそ、日頃から対策を
第4章 時間を自由にする。
27 自分の時間を幸せにしてくれるものを選ぶ
楽なほうに流されず、必要なものを見極める
28荷物はコンビニでしか受け取らない
24時間いつでも、サインレスで受け取りOK
29時間を生み出すツールに投資する
嫌いな家事をなくし、空いた時間を好きなことにあてる
30「物の消費=時間の消費」であると知る
「物に時間を奪われ続ける人生」からの脱却
第5章 思考を自由にする。
31 本当に大切な1%のために、%をそぎ落とす
必要なものは、そう多くない。人生にとって必要なもの以外は排除する
32「お金・時間・空間・管理・執着」の雑念をなくす
不要な雑念を頭から追い出すことが「手ぶら」への道
33「一点豪華主義」と「コンフォート原則」を守る
シンプルで満足度の高いお金の使い方
34 3択に絞る
選択肢を減らして「不幸の迷宮」から抜け出そう
35 足るを知らなきゃ富めない
「最大化人間」より「満足化人間」になる
36「努力しないための努力」だけする
「面倒くさい」を原動力にする,
37 生活の水準を上げず、満足の水準を下げる
自分の「天井」を知り、その水準を維持する
38「自分の定番」をあえて壊す
常に自分の常識を疑い、塗り替える
39「顔がわかる人」からの情報を最大限に浴びる
ポータルサイトでの情報チェックは愚の骨頂
40 人からの信頼を貯める
フォロワー数を増やし、信用をお金に変える
41 コンプレックスをポジティブ変換する
「少ない」「足りない」は魅力的
42 才能の無駄遣いをやめる
「ストレングスファインダー」で自己理解を深める
第6章 人間関係を自由にする。
43「物」ではなく「経験」を資産にする
旅行の思い出は、心に一生残り続ける資産
44 40万円以上は貯金しない
余ったお金は、どんどん人にまわそう
45「恩の奴隷」にならない
恩は返すものではなく、まわすもの
46「なにが嫌いか」をはっきりさせる
「あれが好き、これが嫌い」と言えるのがミニマリスト
47 人を傷つけ、人から傷つけられることを恐れない
「そういう考えもあるよね」で終わらせない
48 相手のエネルギーを奪う物はあげない
千羽鶴、年賀状、形の残る物は安易に贈らない
49 利益をもたらす人間としか付き合わない
人間関係は、損得勘定で成り立っている
50 物は少なく、「心の拠り所」は多く
人間関係を増やせば、リスクが減る

おわりに
参考文献・ウェブサイト
著者経歴

ミニマリストしぶ (著)
出版社 : サンクチュアリ出版 (2018/5/7)、出典:出版社HP

《序》僕の始まりは「カネ・ミニマリズム」

多くの人が抱くミニマリストのイメージは、「物を持たない人」だと思う。半分は 正しくて、半分は間違っている。
ミニマリストの語源になっているのは「ミニマル」― 「最小限の」という意味を 持つ言葉。
そして元をたどると、ミニマリズムは「ミニマル・アート」という美術の分野から 発達した概念だ。
もっともわかりやすい例が、Apple製品だろう。誰もが知るあのリンゴのマー クを強調するために、余分なデザインを極限までそぎ落としている。
つまり、ミニマリズムの本質は、ある1点を目立たせるために他をそぎ落とす「強 調」にある。

僕がミニマリストになった最初の目的は 「ひとり暮らしをしたい」というものだった。
お金が全然ない中で新しい生活を始める には、どうしたらいいか。稼ぎを増やす前 に、まずは無駄な出費をそぎ落とすことか ら始めた。
そして「無駄」を洗い出してはそぎ落と し、自分にとって大切な「強調」すべきポ イントを把握できた僕は今、必要最小限の 物に囲まれ、必要最小限のお金で生活して いる。

「あれを買わなきゃ、あれも食べなきゃ、もっと稼がなきゃ……」

それらの望みは、本当に実現したいものだろうか? 「人からよく思われたい」 「恥ずかしい思いをしたくない」 そんな「見栄」によるものではないだろうか?
僕が生まれる前、バブルという時代があったそうだ。みんな、お金を湯水のごとく 使っていたらしい。 その頃の気分を引きずっているオジサンたちは、こう言う。 「もっと上を見ろ、うまいメシを食え、いい車に乗れ、いい女を抱け」
だけど、埋めるべき空白のない時代に生まれ、あふれるほどの物に囲まれて育って きた僕には、全然ピンとこない。

「なににお金を使い、なにに使わないか」を決めることは、「自分にとって、なにが 幸せか」を知ることだ。

そして、そぎ落とすべき「無駄」は、お金の出費や物の量だけでなく、生活スタイ ルや思考、人付き合いまで、人生のあらゆる局面におよぶ。
カネ・ミニマリズム(お金) モノ・ミニマリズム(物) トキ・ミニマリズム(時間) ヒト・ミニマリズム(人間関係) コト・ミニマリズム(思考・行動)
僕の場合は「カネ」と「モノ」からミニマリズムを実践し始め、次第に「トキ・ヒ ト・コト」にまで浸透させていった。
ミニマリストを目指す最初の理由はなんだっていい。 物だけでなく、人生のあらゆる場面でミニマリズムを応用してこそ、ミニマリスト
だ。
今の僕は「職業 : ミニマリスト」。 「Minimalist」の代表として、ブログやSNSなどメディアを通して「ミ ニマリストの価値観を広める」ことを目的に事業を展開している。
僕がミニマリストになり、ようやく自分を取り戻せたように、多くの人にミニマリ ズムのよさを知ってもらえたらうれしい。

第1章暮らしを自由にする。

ミニマリストしぶ (著)
出版社 : サンクチュアリ出版 (2018/5/7)、出典:出版社HP

ぜんぶ、すてれば

何も必要ない、ぜんぶ捨てればいい

著者である寺田倉庫の元社長の中野さんの「何も持たない」という軸を持った生き方に関することが綴られています。何も持たないことで、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができます。本書では、内容が短い言葉と文章でまとめられており、心にスッと沁みわたります。人生に不安を感じている人にはおすすめの1冊です。

中野 善壽 (著)
出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン (2020/4/17)、出典:出版社HP

ぜんぶ、すてれば

実で変化の激しい時代。 個人の力が試される時代。 人生一○○年への備えが必要な時代。
日々の膨大な情報に対応し、 新しい技術や価値観へのアップデートが求められる。
過去の事例にはもはや頼れない。 ロールモデルも、人生プランも、描けない。
自分の意見や考えを持ち、
世の中に発信しなければならない。
しかし、実績も経験もなく、自信がない。
先の見えない将来のことを考えると、 不安で頭がいっぱいになり、疲弊してしまう。
こんな時代で生き残るには、 どのような知識を持ち、 いかなる力を身につけなければならないのか。

何も、必要ありません。 ぜんぶ、捨てればいいんですよ。
中野善壽、七十五歳。 伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げと海外進出を成功させる。 その後、台湾へ渡り、大手財閥企業で経営者として活躍。 二〇一一年、寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOに就任。 大規模な改革を実施し、老舗の大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた。
その手腕と独自の考え方、そして人柄により、各界の著名人に慕われている。 一方で、メディアにはほとんど姿を現さず、
社員にさえ、本当に実在するのか疑われていた、異端の人物。
その生き方の根幹にあるのは「何も持たない」こと。 家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。 お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付している。
何も持たないからこそ、 過去に縛られず、未来に悩まず、 今日を大切に生きることができる。
本書は、中野氏の話を聞くことにより浮かび上がった 現代を前向きに、楽しみながら生きるためのヒントを
短い言葉と文章にまとめ、紹介する。

今日を、生きる。

中野 善壽 (著)
出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン (2020/4/17)、出典:出版社HP

OKUDAIRA BASE 自分を楽しむ衣食住: 25歳、東京、一人暮らし。月15万円で快適に暮らすアイデアとコツ

豊かな暮らしのためのtips集

YouTubeでも暮らしの提案をしている奥平さんが、無理をしない、便利さや時短を求めない、暮らしの何もかもを楽しむという自分軸で生きるためのアイデアやコツをたくさん紹介しています。自分の暮らしを見直して、もっと楽しみたいという前向きな気持ちにさせてくれる1冊です。

OKUDAIRA BASE 自分を楽しむ衣食住:25歳、東京、一人暮らし。月15万円で快適に暮らすアイデアとコツ

はじめまして。奥平眞司です
「OKUDAIRA BASE」というユーチューブ・チャン ネルで、日々の暮らしの様子を発信しています。この本を作 っている今は25歳。もうすぐ26歳になります。
東京にある、築31年、家賃4万8千円の1DKのアパート で一人暮らし。毎月15万円で家計をやりくりしながら、自分 のペースで快適に暮らしています。

僕の趣味は「暮らし」。 料理やお菓子を作ったり、掃除や洗濯をしたり、DIYで 部屋をカスタマイズしたり、植物の世話をしたり、友人や家 族をもてなしたり、一人キャンプに出掛けたり。そんな何気 ない暮らしを送ることが、楽しくて仕方ありません。暮らし の楽しさを伝えたい、たくさんの人と共有したいという思い から、2年前にユーチューブで動画の発信を始めました。

ときどき「ミニマリストですか?」とか、「丁寧な暮らし を心掛けているんですね」とか言われることがありますが、 少し違います。なるべく物は持ちたくないと思っていますが、 最小限の物で暮らしているわけではありません。キッチンツ ールや鍋や器は好きでたくさん持っていますし、撮影機材も それなりにそろっています。
毎朝、だしをひいてみそ汁を作ったり、土鍋でごはんを炊いたり、ピザを生地から作ったり、コーヒーを豆から挽いて 淹れたりしていますが、どれも楽しいからやっていることで、 特別丁寧に暮らそうと意識しているわけでもありません。 「楽しく、無理せず、頑張らない」が僕のモットー。暮らし を楽しくしてくれる物ならたくさんあっても大歓迎ですし、 今日は疲れたなと思う日には料理も手を抜きます。 「暮らしを楽しむためには、お金も特別な才能や技術も必要 ありません。必要なのは時間だと思います。でも、それって ある意味、ありがたいことだと思うんです。時間はみんなに 平等に与えられているからです。僕は、自分のペースで暮ら しを楽しみたくて、今の働き方、生き方に辿り着きました。 「暮らしとは、料理や掃除、洗濯や整理整頓など「やらなき ゃいけないこと」です。でもその「やらなきゃいけないこと」 を「楽しくて仕方がないこと」に変えることができたら、毎 日が、そして人生が楽しくなると思うのです。

この本では、今の僕の暮らし方や時間の使い方、それらの 背後にある考え方を中心に、これまで動画では紹介してこな かった、ユーチューバーとしての仕事、家族のこと、お金の こと、将来のことも紹介しています。
この本が、それぞれの場所、それぞれの形で、暮らしを営 む皆さんの役に立ち、暮らしをもっと楽しもうと思うきっか けになってくれたら、こんなに幸せなことはありません。

はじめまして。 奥平真司です
(朝)の時間
朝5時に始まるモーニングルーティン
気づいたら朝食に1時間半
ホームベーカリーで作ったパンを網でトースト
目玉焼きは、自作の陶製フライパンで
買い物は個人商店か、野菜の無人販売所などで
食後の片付けは自転車のメンテナンスと同じくらい楽しい
コーヒーを1杯淹れ、仕事スイッチを入れる
僕が規則正しい暮らしをする理由
フリーランス生活の1日
ユーチューバーの時間術
DIYで作るワーキングスペース
お金よりも時間を大切にしたい
憧れだった一人暮らし。進路変更の相談
和の朝食作りで、心と生活のリズムを整える
だしへのこだわり。だしとコーヒーは似ている
利尻昆布と僕の街の水
椀を手に持つたびに「きれいだなあ」と思う
土鍋で炊くちょっとの不便さが楽しい
卵焼きの思い出。一人暮らしに巻きすは必要?
子どものころから親しんできた、愛知県産の「しんしろ茶」
部屋に枝ものを飾る。

(昼)の時間
昼休みは12時から13時まで。仕事は7時で切り上げる
暮らし系ユーチューバーの仕事術
僕の仕事道具を紹介します
「YouTube NextUp 2019」で教わった動画制作の心得
憧れには遠いけれど、植物のある生活は楽しい
家事を細かく分けて好きになる
部屋作りの原点は、子どものころの秘密基地作り
キッチンの壁、テーブル、物置き台を自作
自分の中にぶれない軸を作りたい
僕がこの家に出合うまで
収納ボックスを二つ重ねて食卓に
物選びは暮らしの醍醐味であり、ライフデザインである
七つのフライパンを使いこなす
どの鍋もレギュラーメンバーです
吟味しているはずなのに、不要品が出てくる不思議
修理、手入れをして長く使い続ける
手作りのラック、ビンテージのハンガー、古着、機能性
休日は火曜日と水曜日と決めています
一人キャンプの魅力は「不便さ」
ベランダおやつとエスプレッソ
季節の手仕事、始めました

(夜)の時間
ランニングと夕食作り、ときどき一人居酒屋
靴は7足。でもコレクションの趣味はありません
鍋にピザにスパゲッティ、煮付けに燻製も
我が家の夕食コレクション
器と料理。人生二度目の陶芸教室
僕のデザイン修業時代
「普通っていいな」5歳の誕生日の過ごし方
客人を手料理でもてなす。これ以上ない幸せ
オーブンがオープンする暮らしの会話
テレビを置かなくなった理由
奥平家のお正月
母とその友だち、弟とその彼女
大学生、一人暮らしの仕事と家計簿
デザイン専門学生、一人暮らしの仕事と家計簿
月5万円で、快適に暮らす
将来のこと、収入の不安、専業主夫、結婚
自分の欲望に忠実に。
僕の夜遊び 愛しの小倉トーストー
トントントン、ザクッザクッ。暮らしの中の音楽
階上の住人と仲よくなる
包丁研ぎは、只今修業中
寝る前3時間は、間接照明で過ごす
台湾でちょっと暮らしてみた

あとがきにかえて。この1年とこれからのこと

OKUDAIRA BASE 間取り図

間取り図省略

朝の時間

NHK出版 なるほど! の本 ミニマリストの持ちもの帖―家族5人 これだけで暮らしています (NHK出版なるほど!の本)

何が本当に必要なのかがわかる

ミニマリストとその家族の、シンプルかつ快適に暮らす極意が紹介されています。暮らしに関する思い込みを手放すことで、生活がもっと自由になります。ミニマリストの送る生活を覗くことで、より豊かに暮らすヒントが見えてくるでしょう。

はじめに

我が家はこれだけで 暮らしています。
結婚して20年。私は、夫と3人の息子たちと暮らしています。多くのものを、多大な労力で得て、そして多くの労力で管理することに限界を感じ、多くは持たない暮らしをしています。一年を通して6着の服と、4足の靴で過ごしています。一昨年には、大きな家から小さな家に移り住みました。そしてその結果、以前より支出は減り、家事が楽になり、暮らしがうまく回り、人生がより充実するようになったと感じています。それは、私がミニマリズム(最小限主義)という「道具」を手に入れたから。

先人が長い間かけて発明、発見してきた道具や 事象は、知恵の賜物です。そして、技術の進歩によって大量生産が可能となり、道具は安く大量に出回り、暮らしは豊かになりました。ところが今は、それが飽和状態。高度成長期以前の世代は、暮らしを豊かに導いてきたものたちを惜しんで手放すことができず、高度成長期以降の世代は、生まれたときから便利な道具があるのは当たり前で知恵の使いどころを知りません。「もっと、もっと」と求め続け、便利なはずの道具が、持ちすぎることで、私たちの暮らしに不利益をもたらすこともあります。それを解消するのが、ミニマリズムという道具であると考えます。 「ミニマリズムというツールを得て、私は以前よりも、持ちものを機能的、効率的に活かせるようになり、より愛着を持てるようになりました。
本書は、その残した大切な持ちものを紹介した本です。とある家族持ちのミニマリストというひとつの暮らしの形として、興味本位で楽しんでいただきつつ、あなたの「必要十分」を見つめるきっかけとなれば、この上ない喜びです。

尾崎友吏子

我が家のキッチンツール一式。包丁は、切る順番を考えればいちいち洗わずにすむので、2本で十分時短可能。

夫の祖母から譲り受けた足踏みミシン。メンテナンス をきちんとほどこし、今でもしっかり現役。最新の電 子ミシンよりも私にとっては使いやすいと感じます。

我が家のひとり分の食器、カトラリー一式。成長期の男の子3人のおなかを毎日しっかり満たすためには、これだけの食器が必要です。

家族5人分の食器はこれだけなので、シンクの上の吊り戸棚に収まります。よく使うものを取り出しやすい下段に収納。

息子たちはおなかが空くと機嫌が悪くなります。平日は仕事から帰って、いかに手早く食事を提供できるかがポイント。週末まとめて作り置きをする「手間貯金」をするため、保存容器は大活躍。

私の春の服は、撮影時に着ていたものを含めてこのとき全8着。自分のスタイルを決めたら、毎日着るものに悩 む時間と管理の手間から解放されました。

家族5人の衣服が収納されたファミリークローゼット。Yシャツなどはアルミハンガーに干して、たたまずそのまま収納。

消耗品ストックはこのカゴに入る分だけ。洗剤類は種類を減らせばグッと管理が楽になります。

感染症予防のために、フェイスタオルを家族各々2~3枚ずつ使っています。家族5人で16枚。

洗面も家族の歯ブラシとドライヤーだけでスッキリ。石鹸置きは、写真のようなマグネットでくっつくタイプ。

私が、ミニマリズムというツールで得た暮らしのメリットは、次の4つ

1 日々の暮らしが楽になる
スムーズに回る暮らし=管理するものが少ない。買うものも少ない。家事が能率的に早く終わる。主婦としてこの恩恵は大きいと感じます。
2 持ちものを工夫する楽しみ
「これは絶対必要」という思い込みが、「今あるこれで代用できる」と柔軟な発想に変わり、ちょっとした知恵や工夫で情報に振り回されすぎずに暮らせます。新しい使い方を発見したり、大好きなものを使い尽くしたときの喜びがあります。
3 人生で大切なものに集中できる
暮らしをそぎ落とす過程では、「これは自分にとって必要?不必要?」という選択を繰り返します。何を捨てるかよりも、何を残すかを考えていきます。その過程で、「自分が人生で何を大切にしたいか」輪郭が浮かび上がります。残したものは自分の暮らしに大切なものばかり。もの選びは生き方を選ぶこと、暮らしを選び取ること。重要でないことからエネルギーを奪われずに、大切なことに集中できるようになります。
4 変化に対応しやすい
必要なものが少ない暮らしは、加速度を増して変化する社会や、自分の暮らしの変化に柔軟に適応できます。

玄関には靴箱がひとつだけ。この中に家族5人分の靴(全部で19足)が収まっています。装飾も靴箱の上に小さな額に入ったポストカードのみでスッキリと。

目次

はじめに 我が家はこれだけで暮らしています

1章 台所用品

和洋中なんでもこい
プレート小/プレート大/小鉢

用途に合ったもの
どんぶり/深皿/汁椀/ガラスのコップ/コースター 耐熱カップ/ガラスの急須

我が家の台所用品で数が多いもの第1位は「水筒」
水筒

なんにでも使えるオールラウンダー
ガラスマグ/ボウル/プレート中

ほかの用途でも使ってみる
重箱/ティーウォーマー/ナイフ

「子ども用」はいる?いらない?
茶硬/I/フォーク/小さいすり鉢すりこ木/子ども用包丁/保冷しない水筒

なしでやってみる
カセットコンロ/ざる/ボウル/レシビホルダー/缶切り、栓抜き、包丁研ぎ/鍋帽子/取っ手が外せる入れ子鍋

いっぱいあることで時短に
耐熱ガラスの保存容器/菜箸/お盆

一役よりも多用途のもの
まな板/琺瑯保存容器

特別な道具はいらない
泡立て器/千切り用スライサー/ケトル

ていねいに手入れして使う
包丁/鉄のフライパン/アクリルたわし/台拭き

column001 手入れがかんたんなものを選ぶと長く気持ちよく使える
お弁当の色は食材でつける
曲げわっぱ/お弁当用カップ、つまようじ一式
収納しやすい形
箸置き/コーヒーバネット/スケール

Column002 家庭料理で必要な道具はそれほど多くない

2章 住用品

長く愛用できる
ダイニングテーブル/ダイニングチェア/天然素材のカゴ

必要なタイミングで買えばいい
ライティングビューロー/学習机

「循環する」素材
無垢材のシステムキッチン

使い道や形の自由度が高いもの
衣装ケース/引き戸のキャビネット/パイン材ボックス/布製ボックス/スチールラック/ファイルボックス

「小さい」「軽い」「折りたためる」
座いす/折りたたみ座卓/扇風機/湯たんぽ

とことん妥協しない
裸電球/キッチン用ごみ箱

飾らなくてもいい
額、ポストカード/クリスマスグッズ一式/おひなさま

column003 手放して後悔した唯一のもの

3章 衣類

今着る服しか持たない
フレンチリネンブラウス/スカート/キュロット

フル活用して使い切る
ワンピース/前開きのシャツ/セットアップ/カーディガン

真夏・真冬ものは少なめに
ウールのトレンチコート/カシミヤのケープ/レッグウォーマー

肌が喜ぶ素材を選ぶ
スリーパー、ガウン、パジャマ/メリノウールアンダーウェア/プラ、キャミソール、ショーツ

毎日使うものからミニマムに
ハンカチ/靴下/ウールのホームカバー

バッグは用途 × 大中小の5個
トートバッグ/レザー2wayバッグ大/布袋バッグ/ レザー2wayバッグ中/レザー2wayバッグ小

ポーチの中身は?
家族全員で靴は19足
ブーツ/ストラップシューズ/サンダル

衣服もローリングストックで管理
寝具をたくさん持たずにすむ工夫
敷き布団/掛け布団

大好きな布を使い切る

column004 「もの」も「こと」も増える「憧れ症候群」

4章 家族のもの

非常時の備えはふだん使うもの、食べるもので
飲料、食材/手元ライト/手のひらサイズのLEDライト/カセットコンロ/外付けHD/ティーキャンドル

一人ひとつずつ非常用持ち出しバッグを用意
非常用持ち出しバッグ

防災用品は3か所に分けて保管
手元に置いておく?どんどん手放す?
本や雑誌

思い出も少数精鋭で
思い出ボックス/写真

子どもが必要なものは子どもが選ぶ
子どもの作品/絵本/おもちゃ

column005 「ミニマリズム」と「家族」は共存できる?

5章 その他

ものを大切にする意味を教えてくれるもの
足踏みミシン/裁縫道具

ハンガーが100以上ある理由
アルミハンガー/アルミハンガージャケット用/ スラックス用ハンガー/洋服ブラシ

化粧品もミニマムに
ごま油/コスメグッズ

石鹸でなんでも洗う
固形石鹸/炭酸ソーダ/液体石鹸/酸素系漂白剤/酢

消耗品ストックは箱ひとつ分
レジ袋ストック

掃除グッズはすぐ手に取れる場所に
キッチンブラシ/ミニほうきとちりとり/無印の掃除グッズ

尾崎家の全持ちものリスト

おわりに 「これだけあれば十分」で、暮らしはもっと自由になる

無印良品とはじめるミニマリスト生活

スグにまねできる

家族がいても、片付けが苦手でも実現できるミニマリスト生活のコツが紹介されています。その中でも強い味方となるのが「無印良品」のインテリアや雑貨、洋服などです。すっきりした状態が続く部屋の作り方、収納方法など、身近なアイテムを用いた実例が載っているので、すぐに実践しやすいです。

やまぐち せいこ (著)
出版社 : KADOKAWA (2016/2/11)、出典:出版社HP

本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載することを禁止します。また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行うことも禁止します。本作品購入時にご承諾いただいた規約により、有償・無償にかかわらず本作品を第三者に譲渡することはできません。

インテリア好きだった私は、長い間
派手でかわいい家具・雑貨が好きだと思い込んでいました。

北欧の家具、ナチュラル可愛い雑貨……
雑誌に載っているお部屋に憧れて
せっせとモノを買ううちに
「あれ?私、何が好きなんだっけ?」
とわからなくなりました。

気づけば私の部屋は、私の人生とそっくりでした。

仕事、家事、子育て……
全部がんばろうと必死に駆け抜けるあまり、
「私はこれをやった!」そう思えるものが
何もないことに気づいたのです。

夫の転勤で引っ越しをするたびに、
たくさんのモノを捨てました。
大好きな家具を捨てるのは身を切られる思いでしたが、
捨てるたびに少しずつ、
大切なモノが見えてきました。

私はいろんなことをいっぺんにやるよりも、
好きなことをひとつだけ、
やるほうが向いているのかもしれないな。

――そう感じ始めたときに出会ったのが
「ミニマリスト」という言葉でした。

モノを捨てて、捨てて、捨ててふっと気づくと、
部屋には「無印良品」の家具ばかりが残りました。

あ、この人が運命の人だったんだ!
長年寄り添ってくれていた「友達」の大切さに、
気づいた瞬間でした。

「無印良品」の家具や雑貨と一緒に
ミニマリスト生活を始めて、3年。
家族との関係が、変わり始めています。
それは、「どうして片づけができないの?」と
子どもたちを叱っていた頃には気づかなかった、幸せなこと。

フローリングに映る光、白一色の洗濯物が風に吹かれる様子。
娘と過ごす朝の時間、白シャツのパリッとした着心地――。

日常生活の美しさ、小さな暮らしの幸せを
ミニマリスト生活から教えてもらっています。

 

 

はじめに

「暮らしを小さくしたい!」私がそう、思い立ったのは2012年頃。
当時はまだ耳慣れなかった「ミニマリズム(最小主義)」「ミニマリスト」という言葉を知りました。ちょうど、「少ない物ですっきり暮らす」というプログを立ち上げた時期でした。
そのころまで、私は自分が、色柄が派手でデザイン性が高いものが好きだと信じていました。雑誌に載っているようなインテリア、暮らしに憧れて、必死で真似していた頃です。でも部屋を片づけるうちに、だんだんそれが「思い込み」だったということに気づいたのです。「これは捨てる」「これは残す」。

引っ越しで、モノの選別をしているうちに、自分は、実はシンプルで無駄が少なく、いつの時代でも変わらず使えるモノが大好きなんだ、とだんだんわかってきました。
恋愛にたとえれば、デザイン性の高い雑貨や家具は、一緒にいて何だかドキドキするような相手。しかし、その刺激に夢中になる一方で「どこまで追い求めたら満足するのかな?」、そんな疑問がわいてきたのです。

生活の長い時間を共に暮らすうちに、ちょっとだけ無理している自分、疲れている自分に気づいた……そんなとき、ふっと横にいてくれたのが、「無印良品」でした。「足るを知る」という言葉がありますが、私は無印良品の「単機能に特化した機能性」「最低限の無駄のないデザイン」に、その言葉の意味を教えられた気がします。
現在30代後半の私たち世代は、モノをたくさん所有し、消費することをひとつのステイタスとして暮らしてきました。だけど、どうも「モノを持つ以外にも人生が豊かになる方法があるぞ!」と気づき始めています。
この本が、そのためのちょっとしたヒントになれば、これほどうれしいことはありません。

やまぐちせいこ

やまぐち せいこ (著)
出版社 : KADOKAWA (2016/2/11)、出典:出版社HP

もくじ

はじめに

Chapter 1 「無印良品」と、ミニマリスト生活をはじめよう
「転勤族」がきっかけで、ミニマリスト生活へ
ミニマリスト生活で、家族のけんかが減りました
捨てて、捨てて、捨てて…… それでも残ったのが「無印良品」でした
無印良品は「家族持ちミニマリスト」の強い味方です
ミニマリストは独裁者ではない。「干渉しない」は重要なルール
衝動的な「ドキドキ」よりも、日々の小さな「幸せ」
ミニマリスト生活は想ひとつからはじめられます

Chapter 2 今ある「無印良品」と暮らす ミニマリストの部屋づくり
ミニマリストの部屋づくりは「色の数」がポイントです
リビングの仕組み
キッチンの仕組み
和室の仕組み
「何もない」部屋の仕組み
子ども部屋の仕組み
ランドリー&トイレの仕組み
玄関の仕組み

Chapter 3 「無印良品」フル活用!ミニマリストの収納ルール
ミニマリストの収納とは「きれいにしまうこと」ではありません
ルール1 余白を4割つくる
ルール2 「オープン&クローズ」
ルール3 収納が増えるとモノが増える
ルール4 収納の外は「茶」、中は「白」
ルール5 使うとき以外は収納する
ルール6 モノを捨てる前に「考える」
ルール7 「デコボコ」をつくらない

Chapter 4 「無印良品」で着回すミニマリストのクローゼット収
服を「制服化」したら自分らしい着こなしができました
ミニマリストが手放せない「無印良品」のベストウエア5
コーディネイトを彩る小物たち
「少ないもので着回す」を徹底解明
子どもたちも「少ないもので着回す」
ミニマリストのクローゼット収納術
モノはメンテナンスをして愛す

Chapter 5 なぜ「これ」を選ぶのか?ミニマリストのモノ選び
モノ好きミニマリストの最小限のモノ選び
モノ選びの基準1 うっとりするデザインのモノを買う
モノ選びの基準2 値段にこだわらない
モノ選びの基準3 目的を持って買い物をする
モノ選びの基準4 くり返しメンテナンスができる
モノ選びの基準5 機能もミニマム
ミニマリストが厳選! 本当にすごい「無印良品」ベスト10
やまさん宅の「無印良品」すべて見せます!

Column
本好きミニマリストの本棚を持たない暮らし
シンプルていねいなメイク&ケア
ミニマリストのバッグの中身、財布の中身
簡単おいしいミニマムな食卓
問い合わせ多数!長く持ちたい室用の道具

やまぐち せいこ (著)
出版社 : KADOKAWA (2016/2/11)、出典:出版社HP

少ない物ですっきり暮らす (正しく暮らすシリーズ)

モノを減らして得られるものがわかる

インテリア、家事、掃除、あらゆる場面においてモノを減らすメリットやその楽しさを伝えています。家族みんなで暮らす家でもミニマリスト生活を保つ方法や、収納方法、子育て論や幸福論まで、著者の価値観が詰め込まれたボリューム満点の1冊です。

やまぐち せいこ (著)
出版社 : ワニブックス (2016/1/27)、出典:出版社HP

はじめに

朝7時「お母さん! 定規が見つからない!」、「俺のネクタイ、知らない?」
わが家は朝の忙しい時間帯に「あれがない、これがない!」から始まることが多い家庭でした。家を出る直前になって「どうしよう!」と私に言う、片づけが苦手な家族たち。
そんな家族にイライラし、朝から子どもたちを怒る日々……。
本当は家族の1日の始まりを笑顔で見送りたいのに、一番に望むことを一番にできないというジレンマを抱えていました。怒っていると何だか1日疲れてしまい、やりたかったことは後回しで、気がつくとテレビ台にほこりが積もっている……

「今日こそ棚の拭き掃除をしたかったのに……棚ひとつ、拭き掃除もできないなんて」

そんな暮らしを変えたくて、インテリアや収納をいろいろ変えてみました。でも変えたのはインテリアで、「暮らし」が変わったわけではありませんでした。そこで、棚に飾った雑貨をすべて取り除き、拭き掃除をしてみたところ、
「おや?何だか掃除がしやすい」
棚ひとつからでしたが、それまでの「棚ひとつ、拭き掃除もできない!」と不満を漏らす「暮らし」に変化が起こったのです。本当に自分のやりたいことは、もっと実現する!
これをきっかけに、ものを通して「暮らし」と「人生」を考え始めました。片づけが苦手な家族も、片づけができないわけではなく、それぞれがものを管理できる量をオーバーしていたことに原因がありました。このことに気がつくまで、私は家族を見ているようで見ていなかったのでしょう。私が最初に手放したのは、「どうして片づけてくれないの?」という相手を変えたい気持ちだったと思います。それからは、家族で向き合い、話し合い、考えるようになりました。こうして、以前の私が、一番にやりたいと望んでいた、
「家族の1日の始まりを笑顔で見送る」

という、とてもシンプルな願いは実現しました。ものを減らしてみると、自分のことや、家族一人一人のこと。そしてまわりのことを考えるきっかけがたくさんあります。本を手に取って下さった、あなたの暮らしのヒントになるなら、一主婦として嬉しく思います。

やまぐち せいこ (著)
出版社 : ワニブックス (2016/1/27)、出典:出版社HP

目次

はじめに
ミニマリストって何?
私の部屋ヒストリー
ミニマルな暮らしの好循環
日の家事スケジュール
わが家の間取り図

PART 1 「ミニマリスト」とものが少ないメリット
センスがいらなくなる
「お母さん、あれどこ?」がなくなる
掃除は劇的に簡単になる
いつでも人を呼べる部屋になる
迷うことが減る

PART 2 ミニマリストの インテリア
ものを少なく保つルール
家族がくつろぐリビング
ダイニングチェアは2つ
置き畳で多用途に使える部屋
何もないオールマイティな部屋
白い家電で見た目をすっきり
雑貨は飾らないという選択肢
「子どもが汚すテーブルこそ無垢
光のインテリアというごほうび

Column 1 過去の執着と未来の不安の断ち切り方

PART 3 ミニマルな炊事と収納
食器もシンプルに。最小限の数で
ミニマルな食器の選び方
人数ではなく、食べる量で揃える
「狭さ」が魅力になるキッチン
安全なキッチンで、子どもを叱らない
水切りカゴはタオルで代用
キッチンの収納
やかんが収納の特等席にあるわけ
苦手な料理は家族の総力戦で
シンプルなデザインで収納も美しく
からっぽ冷蔵庫のメリット
苦手な料理はシンプルにこなす
調理家電の収納は「家事終了」の証
便利グッズでスペースのミニマル化
クローゼット
押し入れはものの寝室
クローゼットをすっきり見せるルール
引っ越しのシミュレーションをしてみる
来客用布団は持たない
押し入れの洋服を減らすフロー

PART 4 ミニマルな掃除と洗濯
掃除は気持ちを整える儀式
当たり前の風景で気づく幸せ
ものがないと、毎日の掃除はここまで届く
掃除道具はシンプルなものを
毎日のゴミの「見える化」
月1の「中掃除」で大掃除をしない
タオル、シーツを白で統一する
お気に入りのグッズで快適ランドリーに
洗濯の気分を上げるもの
掃除の気分を上げるもの 方 アイロンがけが大好きな理由
浴室掃除はスピーディに
トイレ&洗面所

Column 2 マイペースな夫のものとのつきあい方

PART 5 少ない服の着回し、ワンコーデ制服化
「ワンコーデ制服化」ワードローブ全紹介
カバン、靴下、靴
メガネ&アクセサリー
服が少ないのに「おしゃれ」と言われる?
洋服が少ないメリット
色は「3色ルール」で
バッグ、小物で印象を変える
ワンコーデ制服化で1年間着回す
白シャツもアレンジ次第
ときめくニットは、ものを増やす
服が少ないからこそ手入れを
肌の手入れに時間を取る
「マイベスト」には初期費用がかかる
カバンの中身も最小限に
メイク用品は肌に合う1カラー

Column3 増える部屋着は洋服を格下げしない

PART 6 家族で少ないもので暮らす
家族で暮らすもの選び
ものを減らすとものを大事にする
子どもはシンプルなしくみが片づく
かならず相談してから処分する
家族のものをコントロールしようとしない
片づけの「3カウント」ルール
「片づけなさい」とは言わない
ものが見つかる子ども部屋
子どものクローゼット
子どもは18歳で独立を目指す
役割を与える、ごほうびを使う
育児の教科書
子育てで大事にしたいこと
毎日の家事に「余力」を残す
ホワイトボードは家族の伝言板
情報もミニマルに
心と体の調整術
問題は「家族会議」でスピード解決
ミニマリストは非常事態に強い

ミニマリストへのQ&A
おわりに

やまぐち せいこ (著)
出版社 : ワニブックス (2016/1/27)、出典:出版社HP

家族4人、最小限の暮らし

必要なものを残し、足りないものを買い足すことで、今の暮らしができ上がりました。 大事にしたのは、快適性と安全性。

ミニマリストって何?

ミニマリスト(=最小限主義者)とは、本当に大切なもの 以外を削り、自分が大事にしていることに全精力を注げる人。ものが多い少ないは表面的なものに過ぎず、その先のマインドが重要だと考えています

去年芥川賞を受賞したお笑い芸人の又吉直樹さんが、次のような主旨の話をしていました。「バイトを週1回にすれば、週の半分バイトしている人に比べて、お笑いに費やす時間をたくさん確保できる。その2人の才能が同程度なら、週1回のほうが、売れる可能性が早くなる。周りに迷惑もかけていたし、芸人仲間からは、人間としてヤバいと言われていたけれど、僕は気にならなかった

周囲からは奇異に見えても、その人にとって一番重要なものに全精力を注ぐ。これが私の考えるミニマリズムで、大事なことの順位づけができる生き方だと思います。「又吉さんの「お笑い」は、私にとっての「家族」。子育ては「期間限定の大事業」だと思っているので、限りある時間を子どもに注ぐつもりです。夫には仕事に集中できる環境を作ってあげたいし、家族には安心感を与えたい。そのために 必要な精神的・肉体的余裕を生み出すため、すべてのムダを 排除したいのです。
ものが少なければ、家事はラクになり、安全が担保され、家族と過ごす時間が増える。それが、ミニマリストとしての私の生き方です。

この本では「ミニマリスト」を大事なことのために最小限にする人、
「ミニマル」を最小限&シンプルで簡単な仕組みという意味で使用している。

私の部屋ヒストリー

ナチュラル、北欧、シンプルetc.
インテリアはさまざまなスタイルを経て、今のミニマルにたどり着きました。
30~33歳 「Come home!」期
幼い子どもを抱えながら、仕事を「する・しない」で悩んでいた時期。家にいる時間が長かったので、女性誌やインテリア誌をよく読んでいました。当時は100円グッズを使った手作り雑貨が大流行。手芸女子の私も手作り雑貨にはまり、花柄やチェックの生地を使ったクッションカバーやカーテンをせっせと製作。甘ナチュラルなインテリアを楽しんでいましたが、男性陣からは「落ち着かない」と不評。
34~35歳 北欧期
インテリアブログが流行り出し、「目の保養に」と見始めた北欧インテリアに夢中に。ファブリックパネルを手作りし、北欧雑貨のアイコン的存在、リサ・ラーソンのライオンも手に入れました。色や柄が派手な北欧雑貨は、ひとつ「置けば、またひとつ欲しくなって……と、ものがどんどん増加。ものに振り回される自分は執着の塊を見ているようで、イヤに。ものを断捨離し、壁の飾りを取り外したら、ホッと落ち着く自分がいました。
36歳~現在 シンプル~ミニマル期
足し算から引き算のインテリアに方向転換。ちょうどこの頃、『伊礼智の「小さな家」10のレシピ』に出会い、シンプルでナチュラルな空間に憧れるように。白と木、アクセントとして照明や時計などに黒を選び、ちょい辛口なインテリアを楽しんでいました。でも、次第に黒の存在に「ザワザワ感」を覚え、白のボリュームを多めに。家具や家電も「ザ・スタンダード」なものに替え、ミニマルなインテリアに落ち着きました。

ミニマルな暮らしの好循環

少ないもので暮らし始めると、時間の使い方ががらりと変わります。
物理的な余裕は心のゆとりを生み、家族との関係も良好に。

家事が簡単になる
ものが少ないと片づけもアッという間で、すぐ掃除にかかれます。また、障害物のないキッチンは料理がはかどり、後片づけがスピーディー。すべての家事が効率化、時間の節約につながります。

ゆっくりした時間ができる
家事、お付き合い、ネットサーフィン…。必要以上に時間を割くことが減り、時間に余裕が生まれます。平日は10時に掃除を終えたら、子どもが帰宅するタ方までは自由時間。ひとりの時間を楽しみます。

家族と向き合える
午後の早いうちに夕飯の支度を済ませ、子どもが帰ってきたら一緒に過ごします。話を聞いたり、遊んだり。触れ合うことで、子どもの成長を感じ取れ、ささいな変化にも気づくようになります。
物理的な余裕は心のゆとりを生み、家族との関係も良好に。少ないもので暮らし始めると、時間の使い方ががらりと変わります。

家族間のトラブルが減る
ものの管理がしやすくなり、「なくなった!」、「見つからない!」という兄弟間のバトルが減少。また、物事をシンプルに考えられるようになるため、話し合いがスムーズに、問題が長期化しません。

1日の家事スケジュール
1日の家事時間は働くお母さんに比べてやや多め。でも、自分時間がたっぷりあるので、家事に振り回されている感覚ありません。

朝の家事をひと通り終えたら、夕方まではひとりの時間。買いものに出かけたり、家で過ごすときは好きな読書を楽しみます。 午後にはアイロンがけや夕食の支度を済ませ、子どもの帰宅後は話し相手に。夕食後は家族みんなでテレビ鑑賞。21時には母親業を終え、再びひとりの時間に戻ります。

わが家の間取り図

やまぐち せいこ (著)
出版社 : ワニブックス (2016/1/27)、出典:出版社HP

より少ない生き方 ものを手放して豊かになる

より少なく生きると、大切なことに集中できる

ものを手放すことで、時間とお金から自由になることができます。人生から不用品を取り除くことの重要性、また所有物の適正量など本書を通して学べます。いちばん大切にしているものを優先し、その障害になるものは排除するというミニマリズム最大の利点である「豊かさが増える」を実現することができる1冊です。

ジョシュア・ベッカー (著), 桜田 直美 (翻訳)
出版社 : かんき出版 (2016/12/14)、出典:出版社HP

THE MORE OF LESS
by Joshua Becker Copyright © 2016 by Becoming Minimalist LLC
All rights reserved. uanslation published by arrangement with WaterBrook Press, the Crown Publishing Group, a division of Penguin Random House, LLC
through Japan UNI Agency, Inc., Tokyo
an imprint of the Crown Pub

私のウェブサイト「ミニマリストになる」に、集まってくれるすべての人たちに捧げる。みなさんの支援と励ましのおかげでこの本は生まれた。これからもみなさんの存在が刺激となって、少ないもので豊かに暮らす生き方が広まっていくことを願っている。

目次

第1章 より少ない生き方を始める
ものがありすぎると幸せから遠ざかってしまう
クローゼットの中身が教えてくれること
ものを手放すことで得られるメリット
ものを手放すと大切な夢を実現できる
少ないもので暮らすと人生が変わる
より少なく豊かな暮らしはすぐそこにある

第2章 ものを減らして自由になる
大切にしているものを最優先にする
少ないもので暮らすと心が豊かになる
イエスが教えた、ものに執着しない生き方とは
持ち物を最小限にすると自由に生きられる

第3章 自分らしいより少ない生き方を見つける
自分の目的を基準に生き方を見つめる
人はそれぞれ目的のために生きている
実行しながら学んでいくと目的がはっきりする
自分の目的がわかると人生が変わる
目的に合わせてシンプルにする方法を選ぶ
自分だけの生き方を見つける

第4章 消費社会の罠を知り尽くす
ものをいくら買っても幸せにはなれない方
世代による消費に対する考え方の違いを知っておく
過剰なライフスタイルは成功の証しではない
浪費を防ぐために広告業界の手口を知る
ものを買わないことで得られる自由

第5章 自分の中にある「欲しい」という気持ちを探る
私たちはなぜものをため込むのか
安心と快適を混同してものを集める誤り
所有するだけでは得られない本当の安心
人の価値は所有物では決まらない
満足感は物欲を手放すと見えてくる
ものを買う動機を知ると物欲から解放される

第6章 簡単なところからものを手放していく
なぜより少ない生き方を目指すのか考える
よく使う場所のいらないものから処分する
ものの少ない生活の利点はすぐに実感できる
自分なりの基準で順番にものを減らしていく
同じようなものは1つだけ残して処分する
ものを手放して得られた経験を人に伝えよう
今日からすぐにでも始めよう

第7章 どうしても手放せないものと向き合う
1つの夢の終わりは、もう1つの夢の始まり
思い入れの強い本を手放すには
郵便物などの紙類を処分するには
お気に入りだった電子機器を手放すには
家族の思い出の品をどうするか
車を持つことの価値を考え直す
小さな家の暮らしやすさを考えてみる
理想を実現するためには、あきらめないこと

第8章 少ないもので暮らす実験をする
実験は自分を理解するきっかけになる
自分にとっての「十分」を知る
3カ月間、33アイテムで生活してみる
手放すのを迷ったら一時保管してみる
すべての持ち物をいったん箱に詰めてみる
29日後にものを処分するかどうか決める
過剰に持つことの実験から学べる教訓
持たずに暮らしてみるとわかる

第9章 より少ない生き方を維持する
掃除をラクにするための10カ条
ものを買わないとお金のやりくりから解放される
浪費の元凶、テレビの催眠術から逃れる
本当に必要な贈り物だけに減らす
「足るを知る」と感謝の気持ちが育つ
物欲から解放されると新しい習慣が身につく

第10章 家族でより少ない生き方をする
自分が見本となって家族に我慢強く説明する
健全な関係を維持するためには妥協も必要
小さな子供に少ないことの大切さを教えるには
親が限度を決めないと子供はずっと欲しがる
10代に教えるのは簡単ではないが、大切なこと
10代で気づいたより少ない生き方
家族との関係が何よりも大切

第11章 ものを手放して「意味のある人生」を実現する
不要品を売るのは大変なこと
売るよりも、もっといい方法がある
指輪の寄付から世界に広がった助け合い
ものもお金も、あまったら手放す
お金を手放して、お金のありがたさを知る
時間を手放して、時間のありがたさを知る
手放すことで人は自由になれる

第12章 何のために生きるのかを見つめる
時間とお金に追われる忙しさ
自分の時間を取り戻すには
見た目よりも健康状態を大切にする
自分の意識を変えて健康的な選択をする
人生のすべてでより意識的に生きられる
人をものと同じように扱うのは間違い
すべての人間関係でより意識的になる
目的意識を持って能力を最大限に発揮する

第13章 ものの少ない暮らしの先にあるもの
生きるうえで大切な物語が教えてくれる教訓
本当に大切なこととは
ものを手放すと、逆に豊かになれる
ポジティブな変化を起こす
もっと豊かに暮らすためにできること

謝辞

カバー写真©️Erich Schmidt/glowimages
本文デザイン・DTP/松好那名(matt’s work)

ジョシュア・ベッカー (著), 桜田 直美 (翻訳)
出版社 : かんき出版 (2016/12/14)、出典:出版社HP

第1章 より少ない生き方を始める

2008年のメモリアルデーの休日は、朝からよく晴れていた。
5月末のバーモント州ではとても珍しいことだ。
そこで妻のキムと私は、せっかくなので買い物や家の雑用などをすませてしまうことにした。この週末を使って春の大掃除を一気に終わらせるという、大きな目標を立てたのだ。手始めはガレージの片づけだ。

そして土曜日の朝が来た。キムと、赤ちゃんの娘はまだ寝ていたが、私は息子のセーレムを起こし、ベーコンと卵で朝食をつくった。おいしい朝食を食べれば、息子もパパの手伝いをする気になるかもしれないと考えたからだ。5歳の子供がガレージの片づけに興味を持つかはかなり怪しいものだが、ともかくなぜか私はそう期待していた。朝食が終わると、私と息子はガレージに向かった。うちのガレージは車が2台入る。そしていつも、ものであふれている。箱がいくつも山積みになり、今にも棚から落ちてきそうなほどだ。壁には自転車が何台も立てかけてある。庭で使うホースは、隅のほうでとぐろを巻いている。熊手やスコップや箒は、あっちを向いたりこっちを向いたりしている。
あまりにものがありすぎるので、車に乗り降りするときに、横を向いてカニ歩きをしなければならないこともある。

私は息子に言った。「今日やることを説明するよ。冬の間にガレージがずいぶん汚くなってしまったんだ。これからここにあるものを全部外に出して、ホースを使ってガレージの中を水で洗う。そして中がすっかり乾いたら、今度は出したものを全部、きれいに戻すんだ。わかったかな?」息子はうんとうなずいた。そこでまず手始めに、隅で埋もれていたプラスチックの容器を掘り出すことにした。だが間の悪いことに、それはセーレムの夏のおもちゃを入れた容器だった。

もうおわかりだと思うが、息子は冬の間ずっと見ていなかったおもちゃと再会すると、もうガレージの掃除のことなどすっかり忘れてしまった。
そして子供用の野球ボールとバットのセットをつかむと、裏庭に向かって走り出した。息子は途中で止まってふり向くと、「パパも一緒に遊ぶ?」と言った。一緒に遊んでもらいたいと顔に書いてある。「ごめんね。パパは遊べないんだ」と、私は答えた。「でもここが終わったら一緒に遊ぼう。約束するよ」
セーレムの小さな頭がガレージの角を曲がって見えなくなると、私の胸はちくりと痛んだ。それなのに時間がたつにつれてやることが次々と出てきて、息子と一緒に遊べる可能性はどんどん小さくなっていった。キムが私とセーレムをお昼に呼んだときも、まだガレージの片づけは続いていた。お昼を終えてまたガレージに戻るとき、お隣のジューンが庭仕事をしているのが目に入った。花を植えて、水をまいている。ジューンは笑顔の優しいおばあさんで、いつも私たち一家のことを気にかけてくれる。私は彼女に手を振ると、作業に取りかかった。そのとき私は、ガレージの外に出したものをきれいにして整理する作業に取りかかっていた。これはかなり大変な仕事で、思っていたよりも時間がかかりそうだ。

最近はこうやって片づけをしていても、どうも身が入らないことがよくある。今回もそうだった。さらに悪いことに、セーレムが何度も顔を出して、まだ遊べないのとせっついてくる。私はそのたびに、「もう少しだよ」と答えていた。
ジューンはそんな私のようすを見て、心中を察してくれたようだ。ちょうどすれ違ったときに、「家を持つのって大変よね」と声をかけてきた。彼女もまた、家の管理に1日の大半を費やしていた。私は答えた。「昔から言われている通りですね。ものが増えると、ものに支配されるようになるんですよ」

そのときのジューンの言葉が、私の人生を変えた。「本当にそうね」と彼女は言って、「だからうちの娘はミニマリストになったそうよ。『こんなにものはいらない』っていつも言っているわ」

こんなにものはいらない。
その言葉が耳にこびりついてはなれなかった。私はふり返ると、午前中の仕事の成果を見わたした。汚れてホコリをかぶったものたちが、ドライブウェイに山積みになっている。そのとき突然、裏庭にいる息子の姿が目の端に映った。息子はまだ、たった1人で遊んでいる。山積みのガラクタと、1人で遊ぶ息子。この2つのイメージが、私の心に深く突き刺さった。そのとき初めて、自分の不満の原因がわかってきたような気がした。ドライブウェイに出現したガラクタの山が、その原因だ。ものがたくさんあっても、幸せになれるわけではないということは、もちろん昔から知っていた。だがそもそも、それを知らない人などいるだろうか?所有物は幸せを運んでくれない。みんな少なくとも頭ではわかっている。しかしあの瞬間、山積みになったガラクタを眺めたとき、また別の気づきがあった。「私の所有物は、幸せを運んでくれないだけではない。それどころか、むしろ私を幸せから遠ざけている!」「私は家の中に駆け込んだ。そして2階に上がり、バスタブを磨いている妻を見つけた。私は息を切らせながら言った。「キム、さっき信じられないようなことが起こったんだ。隣のジューンがね、「こんなにものはいらない』って言ってたんだよ!」その瞬間、わが家はミニマリストになった。

ジョシュア・ベッカー (著), 桜田 直美 (翻訳)
出版社 : かんき出版 (2016/12/14)、出典:出版社HP