雑談がおもしろい人、つまらない人

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人間関係が変わる雑談の新ルール

「話の内容」「頭の回転」「口のうまさ」雑談の面白さはこれらで決まりません。雑談の面白さは、「相手と楽しく無理なく会話できるかどうか」で決まるのです。相手と自分が心地よく、自然と会話できることが一番大切なのです。本書では、キャラクターの理解に重点を置いた「インプラ雑談術」について紹介しています。

渡辺 龍太 (著)
出版社 : PHP研究所 (2020/1/23)、出典:出版社HP

雑談がおもしろい人、つまらない人

皆さんは、「雑談のおもしろさ」って、何で決まっていると思いますか?

「話の内容」? 「頭の回転」? 「口のうまさ」?

実は、どれも違います。
いくら話の内容がおもしろくても、場違いなテンションで話してしまうと盛り上がりません。
頭の回転がどんなに速くても、相手が置いてけぼりだと伝わりません。
口が達者で話がわかりやすくても、相手が興味を持ってくれなければ意味がありません。
実は、雑談のおもしろさは、話の内容でも、頭の回転でも、のうまさでもなく、「相手と楽しく無理なく会話できるかどうか」で決まるのです。
雑談は、相手との共同作業です。相手と自分が心地よく、自然と会話できることが一番大切なのです。
では、相手と楽しく無理なく会話するためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
実は、本書でご紹介する雑談の基本は、たった一つだけです。
その方法について、これからご紹介していきたいと思います。

はじめに〜 インプロが教える「世界一簡単な雑談のルール」~

本書を手に取った方は、次のような悩みをお持ちかもしれません。

・「ロベタ・人見知り」で雑談が苦手….。
・相手に「話がつまらない」と思われていないか不安……。
・とにかく「沈黙が訪れる」のが怖い……。

しかし、これらはすべて、雑談の本当の役割を知らないことからくる誤解です。 ご安心ください。本書で紹介する「雑談術」は、これまでの本と一線を画しています。
私は、放送作家をする傍ら、「インプロ」というアドリブトーク術の専門家として活動しています。インプロとは、日本語で「即興力」「即興演劇」という意味で、その場の状況に応じて、即興で場を盛り上げる会話を行うためのコミュニケーションメソッドです。
そんなインプロの視点から言えば、雑談のルールはとてもシンプルです。雑談に必要なのは、
「お互いのキャラクターを理解し合うこと」
これだけなのです。この単純なルールがわかるだけで、圧倒的に会話がラクになり、自然と場が盛り上がるようになります。
さらに、お互いのキャラクターを理解し合えばいい、ということは、それ以外のことは一切考えなくてもいいのです。だから、先ほどの雑談に対する悩みだって、次のように変わるはずです。

・ロベタ・人見知りでも「ラクに話せる」!
・話の内容に関係なく、「話が盛り上がる」!
・「会話が途切れない」から、場が凍ることもない!

これが、本書でご紹介する雑談術です。では、お互いのキャラクターを理解し合うためには、何をすればいいのか? 雑談中、どんなことに気をつければいいのか? その詳しい話を、この後、ご説明していきたいと思います。

人生は実力よりも「雑談」で決まる

この本でご紹介する雑談術をマスターすれば、単に雑談に困らなくなるだけでなく、相手との距離が縮まり、人間関係も変わります。その結果、あなたの人生を大きく変える可能性をも、雑談は秘めています。
たとえば、人生の成功者の多くは、学歴が高いとか、才能豊かであるとか、仕事が圧倒的にできるなどといった、とてつもない実力を持っている人が多いです。しかし、そんな突き抜けた武器を持っている人はごく少数。多くの人は、学歴も、才能も、仕事の出来も、いたって普通のはずです。そんな普通の人が、正面切って「とてつもない実力」を持った人たちと勝負しても、なかなか勝てません。
しかし、会社の出世競争などで、「なんで、あんな実力のやつが?」と思われる人が出世していることはあります。

その場合、その人は間違いなく、「コミュ力勝負」で勝っています。コミュ力(コミュニケーション能力)を駆使して、様々な人々と信頼関係や人脈を築き上げ、自分の実力以上の成果をあげて、成功しているのです。仕事だけではありません。モテる、モテないとか、人から信頼される、されないといった、プライベートも含めた人生のあらゆる待遇の違いも、コミュ力で決まっていることも多いのです。
では、人生を実力勝負から「コミュ力勝負」に持ち込むには、どうしたら良いのでしょ
うか。

その答えが「雑談」です。「どこでも誰とでもスムーズに雑談できる人になる」ことが、人生をコミュ力勝負に持ち込み、成功を収める秘訣なのです。

「インプロ的雑談術」でコミュニケーションも人生も激変する!

とはいえ、私は、雑談が下手だと幸せな人生が送れない、と言っているわけではありません。本書の中でお話ししますが、私もインプロを学び、雑談の力で人生が大きく変わった1人です。
だからこそ、「こんなにシンプルで、誰でも身につけられる雑談のルールを知らずに、大変な実力勝負ばかりしているなんてもったいない!」という気持ちが強いのです。

本書では、キャラクターの理解に重点を置いた、「インプロ雑談術」について、余すところなく紹介します。
まずは、その心構えやテクニックを身につけて、「雑談って、こんなにラクで、おもしろいものだったんだ!」という感覚を味わってみてください。
そして、余裕が出てきたら、その感覚を持ったまま、今まであまり雑談できなかった人や場面で、積極的に雑談をするようにしてみてください。
そうすれば、人間関係も大きく変わり、雑談の力で「ラクして得する」人生が開けてくるはずです。
ではさっそく、「インプロ雑談術」の世界を、一緒に見ていきましょう!

渡辺 龍太 (著)
出版社 : PHP研究所 (2020/1/23)、出典:出版社HP

目次

はじめに
インプロ雑談術「7つの公式」
○ おもしろい人は、「キャラクター」を重視する
× つまらない人は、「雑談の内容」を重視する
○ おもしろい人は、自分と相手のキャラクターをつかむ
× つまらない人は、いくら話してもキャラがつかめない
○ おもしろい人は、話題をうまく深掘りする
× つまらない人は、話題をひたすら並列する
○ おもしろい人は、雑談は「冗談交じりでOK」と思っている
× つまらない人は、雑談は「意見を戦わせる場」だと思っている
○ 雑談は「卓球のラリー」と心得ている
× つまらない人は、雑談なのに「スマッシュ」を決めたがる
○ おもしろい人は、「共通点は必ずある」ことを知っている
× つまらない人は、「共通点なんてない」と常に思っている
○ おもしろい人は、話す時間は短くてもいいと思っている
× つまらない人は、話す時間は長くても印象に残らない

第2章 相手のキャラクターを引き出す技術
○ おもしろい人は、うなずきの達人
× つまらない人は、言葉だけに頼る
○ おもしろい人は、「知らない」と言って相手から学ぶ
× つまらない人は、「知らない」はタブーだと思っている
○ おもしろい人は、結論より「共感」を重視する
× つまらない人は、感情より「結論」にこだわる
○おもしろい人は、「目に見えること」をほめる
× つまらない人は、「心にもないこと」でほめる
○ おもしろい人は、相手の話を広げてネタが尽きない
× つまらない人は、自分の話ばかりしてネタ切れする
○ おもしろい人は、相手をまずは信頼する
× つまらない人は、相手を最初から嫌悪する
○ おもしろい人は、ソッコーであいづちを打つ
× つまらない人は、あいづちを打たずに語り出す
○ おもしろい人は、「相手との共同作業」が必要だと思っている
× つまらない人は、「聞くに徹すればOK」と雑談中に思っている
○ おもしろい人は、具体的な質問を心がける
× つまらない人は、抽象的な質問ばかりする

第3章 自分のキャラクターをうまく伝える技術
○ おもしろい人は、周りと違ってラッキーと考える
× つまらない人は、周りと違っていると不安になる
○ おもしろい人は、自分のキャラに合った発言をする
× つまらない人は、「なぜあなたが?」という発言をする
〇 おもしろい人は、会話の流れを切らずに本題に入る
× つまらない人は、会話の流れを無視して本題に入る
○ おもしろい人は、感情を織り交ぜ熱っぽく話す
× つまらない人は、事実にもとづき淡々と話す
〇 おもしろい人は、本題に入る前にワンクッション置く
× つまらない人は、急に本題に入って場を凍らせる
○ おもしろい人は、話の輪から離れた人に声をかける
× つまらない人は、話の輪に入ろうとして溶け込めない
○おもしろい人は、持論を「自虐ネタ」っぽく語る
× つまらない人は、持論をそのまま人にぶつける
〇 おもしろい人は、「おもしろい!」と相手にしっかり伝える
× つまらない人は、「つまらないですか?」と相手を不安にさせる
column 私が放送作家になったきっかけも、「雑談」だった?

第4章 知っていると得をする!すぐに役立つ「雑談ハック」
○ おもしろい人は、あいさつの後、今日の話をする
× つまらない人は、あいさつの後、沈黙が流れる
○ おもしろい人は、第一印象で失敗しても大丈夫だと知っている
× つまらない人は、第一印象で失敗したら終わりだと思っている
○ おもしろい人は、相手が話している間に次の展開を考える
× つまらない人は、相手の話を急かして自分はゆっくり話す
○ おもしろい人は、めげずに気の合う人を探す
× つまらない人は、一度失敗して話さなくなる
○ おもしろい人は、雑談が嫌いな人の前では話さない
× つまらない人は、雑談が嫌いな人に話しかけて凹む
○ おもしろい人は、絡みにくい人と絡む楽しさも知っている
× つまらない人は、絡みにくい人を徹底的に避けすぎる
○ おもしろい人は、非日常は雑談のチャンスと思っている
× つまらない人は、そもそも非日常のイベントがない
○ おもしろい人は、タブーな話題に触れて盛り上がる
× つまらない人は、タブーな話題に触れず無難すぎ
○ おもしろい人は、プライベートにも切り込む
× つまらない人は、プライベートに決して踏み込まない

おわりに

渡辺 龍太 (著)
出版社 : PHP研究所 (2020/1/23)、出典:出版社HP