超一流の雑談力

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雑談力を高めるテクニックを学ぶ

雑談とは、意味のない無駄話をすることではありません。雑談とは本来、人間関係や仕事の質を根本から変えてくれる魔法のようなメソッドなのです。本書では、雑談力を高めるテクニックについて、数々の実践例から確実に効果のあった方法を取り上げ、誰でも日常に取り入れられるように具体的なアクションや指標に落とし込んで紹介しています。

安田正 (著)
出版社 : 文響社 (2015/5/22)、出典:出版社HP

はじめに

「意味のない雑談」から「超一流の雑談」へ

みなさんは「雑談」と聞いて、どんなイメージを抱かれるでしょうか?
「雑談」と書くくらいですから、「どうでもいいことをおもしろおかしく話すこと」、「あたりさわりのない話をして場を持たせること」といったイメージかもしれません。
ですが、その認識は本書であらためていただけたらと思います。
雑談とは、意味のないムダ話をすることではありません。
雑談とは本来、人間関係や仕事の質を根本から変えてくれる魔法のようなメソッドなのです。
ところが、多くの人が雑談の本当の力を知りません。そのため、気づかないうちにとても大きな損をしているということを、まずお伝えしたいと思います。
みなさんの中には、雑談をすることに「価値がない」「わずらわしい」「イヤだ」と思っている方もいるでしょう。「人見知り」「人に好かれにくい」「どうしても苦手なタイプがいる……」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。
そんな方にこそ、雑談のレベルを高めることによって起きる、そのすさまじい効果をぜひ知っていただきたいと思います。
たとえば、雑談のレベルが高まるとこのようなことが起きます。

・自分に対する印象や評価がガラッと変わる
・仕事が驚くほどやりやすくなり、成果も上がる
・苦手な人がどんどん減っていき、人間関係で悩まされなくなる
・どんな場所にも顔を出すことができるようになり、よい縁にも恵まれる
・チャンスにも恵まれるので「食うに困る」ことがない
・表情や気持ちが明るくなってきて、人生が充実しているように感じられる

といったように、コミュニケーションという枠を超えて、人生全体に大きなよい影響を及ぼしてくれます。
たとえば、出会ってすぐにもかかわらず「何だか感じのいい人だな」「一瞬でファンになってしまった」という経験をされたことはないでしょうか?
優秀なビジネスマン、リピーターの多いお店の店員さん、芸能界で活躍されるタレントさんなど、世の中にはたった数分にも満たないやり取りの中で「人に好かれる技術」を持っている人がいます。
「おはようございます」「いつもありがとうございます」「よろしくお願いします」など、ひと言交わしただけなのに、好印象を抱かざるを得ない言葉の使い方や物腰。
この技術こそが本書でお伝えしたい雑談力の神髄であり、世の中で一流と呼ばれる人があたりまえのように身につけているスキルなのです。
仕事の場面はもちろん、プライベートのさまざまな場面でも自分をより魅力的に見せたり、短時間で人の心の中にふっと入っていく方法。これが、本書でお伝えしたい「超一流の雑談力」です。
こう説明すると、「そんなことが本当にできるのか?」「生まれ持った素質や才能の問題ではないのか?」と思われる方も多いと思います。
しかし、雑談力を上げるには、スポーツ競技のように身体的な能力や特別な才能は必要ありません。
誰でも同じようにトレーニングすることができる。しかも、社会生活を営むうえで欠かすことのできない、他のどんなことよりも使う場面が多いスキルです。
つまり、鍛えれば鍛えるほど効果が出やすい。かつ、誰にでもマネ・応用ができるのです。

そもそも、「一流」と呼ばれるような人すべてが、元からコミュニケーションの達人だったといえば、そんなことはまったくないでしょう。
たとえばマイクロソフト元会長のビル・ゲイツ氏が本質的にはとても内向的というのは有名な話です。しかし、ゲイツ氏もいざ社交の場に立てば堂々と話し、ジョークも飛ばします。
もちろんゲイツ氏に限らず、世の中で活躍するすべてのビジネスマンたちも同じで、どんな人でも「若手」「未熟」と言われていた時代があります。一流と呼ばれる人は、「生まれてからずっと一流」なのではなく、一流になるべく自分を磨いてきたのです。
人前できちんと話せる、人と上手にコミュニケーションが取れるというのは、「変えなくてはいけない」「身につけなくてはいけない」と、進んでトレーニングをしたからこその結果なのです。

私は現在、企業の役員や管理職の方、そして一般社員などに向けて仕事のスキルや語学を教える研修会社を営んでいます。
仕事を通して、さまざまな人に出会います。
社会人になったばかりの新入社員。中堅社員や部長などの管理職。社員を束ねる役員や経営者の方々など……年間、数千~万単位の人と関わる機会をいただいています。
その中には、飛び抜けて優秀な方もいれば、あともう少しでもっと突き抜けられるのに……という方、また残念ながら「今すぐ会社をやめたい」「仕事がつまらない」という雰囲気を発している方もおられます。
たとえば「仕事がつまらない」人の典型的な例として、お客さんのところに何度出向いても「シッシ」と煙たがられる営業マンがいます。仕事を取るどころか、会う時間すらもらえないのです。
会う約束ができない、一度会えてもその次に会う約束がまったくできない。こんなことが続けば、会社からの風当たりも強くなってきますし、当然ながら働くのがイヤになってしまうでしょう。
しかし、このような事態に陥ってしまう人には、実に多くの共通点があります。
たとえば、次のようなことです。

・「声が小さい、声が低い」
・「話がおもしろくない」
・「自分が話すことばかり考えている」
・「リアクションがない、もしくはワンパターン」
・「質問をしない、質問が的外れ」

本人に悪気はないのですが、こうしたことが積み重なると、本来持っている魅力がまったく伝わらない、「つまらない人」に見えてしまっている可能性が高いのです。
ですが、これらを改善するとどうなるでしょうか?

・「声をいつもよりも3音くらい高くする」
・「相手が聞きたいと思う話をする」
・「相手の言いたいことを理解してから話す」
・「あいづちやうなずきのバリエーションを増やす」
・「質問で上手に会話を広げる」

そうすると、驚くべき変化が起きていきます。
それまで「シッシ」とされていたのが嘘のように、お客さんと会う約束ができるようになり、どれだけ足しげく通っても取れなかった契約が取れるようになるのです。
その結果、やめようとしていた会社をやめるどころか、そのあと数ヶ月でトップ営業マンにまでなる……そんな事例を何度も見てきました。
みなさん共通しておっしゃるのは、「仕事をすることが苦痛でなくなった」ということです。コミュニケーションの取り方を変えることで成功体験を積み、自分に自信が持てる。その結果、人と会うことが楽しくて仕方なくなったのです。これはもちろん仕事面だけでなく、プライベートの人間関係でもまったく同じことが言えます。
雑談というのは、あらゆる人間関係の入口です。自分という人間を認めてもらい、その後の関係をより深く、強いものにするためのきっかけであり、人間関係の方向性を決定する重要なステージになります。
本書では、雑談力を高めるテクニックについて、数々の実践例から確実に効果のあった方法を取り上げ、誰でも日常に取り入れられるように、具体的なアクションや指標に落とし込んでまとめました。
「実践的」「具体的」であることにこだわって紹介していますので、この中で1つでも2つでも、実生活に取り入れていただきたいと思います。
そして、みなさんの仕事やプライベート、人生が、コミュニケーションの取り方一つで変わることを感じていただけたら、これほど嬉しいことはありません。
みなさんが本来持っている魅力を人に理解してもらえるようになり、いきいきとご活躍をされることを、心よりお祈り申し上げます。

安田 正

安田正 (著)
出版社 : 文響社 (2015/5/22)、出典:出版社HP

もくじ

はじめに

第1章 「超一流の雑談」の始め方
三流は、出会った瞬間に悪印象を与える
二流は、記憶や印象に残らない
一流は、最初の1分で「忘れられない人」になる
① 「信頼できる」「好き!」と思ってもらえる自己開示
人の評価は会話開始1分で決まる
② 芸能人もよく使うオノマトペ
ひきつける話をする技術
③ 「ノープラン雑談」から「オチのある雑談」へ
へタな人ほど話が長い理由
④ 声は、ドレミファソラシドの「ファ」か「ソ」
低い声は感じが悪い
⑤ 開口一番は「よろしくお願いします!」から
君によろしくお願いされたくない、と人は言わない
雑談ゼミ1 「世界一の投資家が学生に伝えた「人生の財産」

第2章 何を話題にすれば、雑談は盛り上がるのか?
三流は、雑談で相手を不快にする
二流は、何も生み出さない雑談をする
一流は、雑談で信頼を築く
⑥ 「最初の話題」は天気やニュースなど、あたりさわりのないものこそが正解
話題はどんどん変わるもの
⑦ 必要なのは「Funny(笑い)」ではなく、「Interesting(興味深い)」な話題
人が食いつく「おもしろい話」とは
⑧ 人をつかむのは、「雑学」ではなく「使える知識」
相手の興味を引きつける方法
⑨ Yahoo! ニュースではなく、日経産業新聞
雑談力を身につけるための情報ソース
雑談ゼミ2 知識があってもうまく話せないのはなぜか?

第3章 思わず心を許してしまう聞き方
三流は、人の話をまったく聞かない
二流は、聞いたふりだけうまい
一流は、相手が気持ちよくなる聞き方をする
⑩ なるほどですね、そうですね、は「話を聞いていない人」の反応
相手の共感を呼ぶうなずき方
⑪ ソフトに見つめてテンポよくあいづち
相手の目を見て、ペースに合わせる
⑫ 「そうですね」で会話を止めず、「ひと言足して」返す
連想ゲームのように会話をつなぐ
⑬ つい話したくなるフレーズ「何か特別なことをされているんですか?」
話してもらうきっかけをつくる質問
⑭ 相手のバックグラウンドや思いを深掘りできる質問をする
空気をよくする質問と悪くする質問
⑮ 「なぜですか?」は愚問
雑談でしてはいけない質問
⑯ 知ったかぶりは「テキトー」な印象、能動的な質問は「誠実」な印象を残す
知らない話題に出会ったときの聞く技術
⑰ 会話が終わったらすぐにメモを取る
記録用の雑談ノートをつくる
雑談ゼミ3 「聞く」のは「話す」より3倍労力がいる

第4章 出会ってすぐに距離を縮める方法
三流は、人に嫌われて帰り
二流は、すぐに顔と名前を忘れられ
一流は、たった1回の雑談で親友になれる
⑱ 人は出会って2秒、1万4000の要素から第一印象を決める
不潔・ダサい人とは会いたくない
⑲ 「もりもりトレーニング」で食いつきたくなる話をする
ちょっと盛ると話は一気におもしろくなる
⑳ 意見が食い違うときは、「うかつでした!」
相手の反論を受け流す
㉑ 褒めるときは「つぶやき褒め」
相手から視線を唯一はずしてもいいタイミング
㉒ 「ファンになっていいですか?」でハートを打ち抜く的
会話の結びで好印象をさらに高める
雑談ゼミ4 億単位の取引が雑談で決まることもある

第5章 さらに距離を縮める二度目の雑談
三流は、会うたびに評価を下げる
二流は、一向に関係が進展せず悩む
一流は、会えば相手が笑顔になる
㉓ 「この前教えていただいた○○、さっそく試させていただいたのですが……」
出会った人をメンターにする
㉔ 高価なものでなく、500円の手みやげを
役員も喜ぶ手みやげの例
㉕ 本人がいないところでも必ず敬語
フレンドリーで丁寧な物言いを徹底する
㉖ まるで十数年来の友人のような電話をする時
好感レベルを上げる電話のかけ方と出方
雑談ゼミ5 イギリスで学んだコミュニケーションの本質

第6章 相手によって話し方や話題を変える
三流は、誰に対してもローテンション
二流は、お決まりのワンパターン
一流は、自在にコミュニケーションの型を操れる
㉗ 世の中には、雑談すべきでない人もいる
タイプによるアプローチの違い
㉘ プライドが高い人は上手に褒める
言いたいことをハッキリ言う「ボス」タイプへの傾向と対策
㉙ やさしくて話しやすい人は意外と危険
マイルドな「いい人」タイプへの傾向と対策
㉚ さっさと結論が欲しい人にはメリットを
賢い話し方をする「分析家」タイプへの傾向と対策
㉛ 社交的な人には楽しい話を
とにかく明るい「ネアカ」タイプへの傾向と対策
㉜ 大人しい人にはペースを合わせてゆったりと
あまり主張しない「控えめ」タイプへの傾向と対策
雑談ゼミ6 キーマンは肩書きでは決まらない

第7章 雑談から本題への移り方
三流は、ただただ迷惑がられ、
二流は、検討しますと言って帰され、
一流は、提案したことを感謝される
㉝ 「ところで本日は~」は最悪の出だし
会話の流れを断ち切らない
㉞ あくまでも雑談からヒントを得た体で
本題と相手の話との接点を探す
㉟ 大事な話をするときは、少し、溜める
間を取ることで耳を傾けてもらえる
㊱ 「ポイントは3つあります」と予告する
相手が思わずメモを取る話し方
㊲ 何についての話なのか10秒で伝える
相手の頭に内容をしっかり留めるコツ
㊳ 沈黙を恐れず、慈愛の顔で待つ
相手の言葉を待つときの表情
雑談ゼミ7 慈愛の表情とは、カウント・ベイシーの表情

第8章 今日から始める雑談トレーニング
「できていないことがわからない」人間は三流で終わり
「できない」ことを知り、あきらめる人間は二流で終わるが
できるまで、とことんやりきれる人間が超一流になれる
Level 1 エレベーターで「何階ですか?」と聞く
Level 2 お会計のときに店員さんとひと言話す
Level 3 混んだ居酒屋で店員さんをスマートに呼ぶ
Level 4 アウェイの飲み会やパーティーに参加する
Level 5 社内の苦手な人・嫌いな人と軽く雑談をする
Level 6 インプットしたことを社内で話す、ウケる社内スピーチを考え
Level 7 「謎かけ」を練習する
Level 8 結婚式などフォーマルな場で、おもしろい乾杯のあいさつをする

おわりに

安田正 (著)
出版社 : 文響社 (2015/5/22)、出典:出版社HP