【最新】防災・災害時の食について学ぶためのおすすめ本 – 普段の備えから被災時の調理まで

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備蓄はどうすべき?災害時の食事はどうする?

地震などの災害が起こると、水道やガスが止まったり、物流が滞るなど、様々な制限が生じます。そのような状況下でも食事を取ることは心身ともに大切です。そして、普段から食糧や水を備蓄したり、災害時の行動について考えておくことで、自分自身や家族を守ることができます。今回は、防災の中でも、災害時の食事の面について学ぶことのできる本をご紹介します。

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出典:出版社HP

全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました

体験ベースの防災実践

1223人の被災者の体験談から、どのような避難や事前の備えが必要になるかを、かわいらしいイラストとともに紹介している本です。子どもがいる家庭の被災体験談が多く紹介されているので実際に被災すると、どんなことが大変になるのかがよくわかります。自分の家ではどんな対策を立てればいいのか、そのヒントになることがいろいろ書かれていて参考になります。

まえがき

安心を手にするための本
楽しく生活することで、 自然と災害にも強くなる。それが、ママとパパが子どもを守るためにできること
特定非営利活動法人ママプラグアクティブ防災事業代表富川万美

2011年3月1日1時3分、私は娘と遊びに行っていた東京都内の友人の家で被災しました。夫は地方へ出張中で戻ってこられず、当日は友人宅に宿泊。当時娘は2歳。しばらくは子連れでの外出が怖かったので、ママ友と協力して買い出しに出たり、子どもの面倒を見合ったりしていました。東京での混乱が少し落ち着いたころ、一緒に仕事をしていた幼い子どもを 持つクリエイターらから「子どもが小さいから被災地に出向くのは難しいけれど、被災地のママのために何かできないか」という声があがりました。
2011年の夏から、ママプラグの前身となる「つながる .com」と いうプロジェクトを立ち上げました。世界的なクレヨンアーティストのミレ イヒロキ氏の花の絵がプリントされた帆布を用意し、被災地のママや子どもたちに色付けしてもらい、太田旗店でトートバッグに仕上げて販売。利益を支援物資に変えて配布しながら、同時に被災した家族の声を取材し、子どもの命を守るための体験談&防災術をまとめ出版。特定非営利活動法人を立ち上げ、行政とともに防災講座を開発し、全国で講座を行ってきました。
東日本大震災から8年。被災者の声をヒアリングしながら、子どもや要介 護者、特殊なケアの必要な方の防災術をブラッシュアップしてきました。その間も、日本を襲った災害は、数え切れません。2018年の世相を表す漢字には「災」が選ばれるほど、地震だけでなく、多くの災害に見舞われ ています。備えなくては、と思いながら面倒くさい、何から手をつけていい のかわからない、防災グッズはインテリア的に美しくないから気が乗らない と、後回しにしてしまいがちな防災。その陰には、向き合いたくない不安や 恐怖も潜んでいるのではないかと思います。
人は、命に関わる問題をオブラートに包んで遠ざけてしまうか、完璧にしようとしてつらくなる、ということがあるように思います。
だからこそ、本当に必要な防災を身につけ、安心できる生活を手に入れて ほしいのです。そう、本来、防災意識や備えは「いざという時のために、お金と時間をかけてしかたなくやるもの」ではなく、日常の中で安全性を高め 「家族みんなが安心して笑顔で暮らすため」にあるべき。この本はそのためにつくりました。
防災は千差万別です。家族の数だけ必要な防災があります。本書では、地震だけでなく、近年日本で起こった災害ごとに被災したママたちの声をまとめ、それに対応するための防災術を伝えていきます。また、災害支援に携わる医師や防災士など、専門家の協力を得て、心身のケアまでを網羅した本をつくることができました。
子どもを守るためにパパやママがやっていくべきことは、恐怖に怯えながらストイックに防災に取り組むのではなく「楽しみながら、日常生活の質を 底上げする」ということ。すべては、家族と子どもの安全と笑顔のために、どうぞお役立てください。

もくじ

まえがき
防災の基本姿勢

1そのとき、 どうやって身を守ったか
被災ママパパの声「あのときこうだった」
とっさのときの身の守り方
こんな場所で被災したら?
被災ママパパ体験談01-07
COLUMN5 被災証明書と罹災証明書

2体験談に学ぶ 本当に必要な防災とは
被災ママパパの声「災害のあとはこうなった」
被災ママパパ体験談 08 – 13
今すぐできる10のこと
被災体験から学ぶ防災術
被災体験に学ぶ「あれがあってよかったグッズ」
スマホに入れておきたいアプリ。
COLUMNS 女性と子どもの防災

3オーダーメイドで考える防災
本当に必要な防災を考える01
安心して暮らす。そのために必要な「モノ」を考える
安心して暮らす。そのために必要な「想像する防災」
オーダーメイド防災「状況別に考える」
オーダーメイド防災「グッズ別に考える」
オーダーメイド防災 避難バッグの考え方
オーダーメイド防災 防災にも時代性がある
オーダーメイド防災調べておくと安心
本当に必要な防災を考える02-03
COLUMNS ペットの防災

4もう一歩先へ自ら動く防災
体験談から実践するわが家の防災
COLUMNS 高齢者の防災

5医療従事者に聞く災害時に必要なこと。
医師から見た防災
災害医療の視点で考える

あとがき
防災お役立ちサイト

防災の基本姿勢

当たり前のように備える
日常の中でできることから子連れ家族にとって防災は、生活の一部にするべきこと
「どこまでやればゴールなのかがわ からなくて…」
ママプラグで開催している防災講 「座の中で、ママパパからよく聞かれるのがこの言葉です。子どもの命を 守りたいという強い思いが、備えの ハードルを高くし、防災をより難しいものにしているように思います。
確かに近年、災害は増えている のですが、耐震構造の建物に住み、ハザードマップで浸水などの危険 を把握し、必要な物を備え、いざと いうときの動きを確認しておけば、 災害がきても落ち着いて冷静な対処ができます。
「震度6では、地震の揺れで死ぬことは少ない。それよりも、子ども連れで大変なのは、災害発生からライ フラインが元どおりになるまでの 生活です」と語るのは、本書のイラストを手がけた、防災士のアベナオミさん。自身の東日本大震災の被災体験からも、このことが身にしみているといいます。
災害時に何が起きるのか、そして、災害後に何を備えればいいのか、被災者の体験からきちんと把握して、少しずつ備えていくこと。本書では「子連れ家族にとって本当に必要な 防災」をお伝えしていきます。

おかあさんと子どものための防災&非常時ごはんブック

防災の心構えがわかる

絵解きになっていますので「お母さん」も「子供さん」も分かりやすい解説書です。前半では状況別、災害別に、命を守るための行動や備えについて。後半では、非常時に役に立つ、目からウロコの調理法や備蓄法、レシピをふんだんに掲載しています。いざというときに備えて、ふだんからチャレンジしてみることをお勧めします。

草野かおる (著), 木原実 (監修)
ディスカヴァー・トゥエンティワン

I

1いざという時に必要なのは 「自分で考えて、行動する力」

安全な広口アルミ缶を「携帯トイレ」にし、さらに「即席カイロ」として活用。
津波が迫り来るなか、愛車を捨てて、見ず知らずの家に避難!
その時、その場所でできることは何かを考え、 母子で生き残るための最大のチャンスを自分で作り出した例です。
非常時は、マニュアルでは対応できないこと が続きます。まさに、一瞬の判断が生死を分けるといえます。
子どもを守る母は、どんな時も、冷静、臨機 応変に、時には常識を捨てて、想定外のことを乗り越えていかなければなりません。
そのためには、防災に限らず、ふだんからいろいろな知識を身につけ、想像力を磨いておくこと。それが、いざという時、自分自身と子どもを守ることにつながります。

2日本人の3人に1人が被災する時代

「南海トラフ」とは、水深4000m級の深くて長い溝のこと。このトラフで東海・東南海・南海地震が連動して起こることにより、巨大津波を始め、噴火による土石流や溶岩流、火砕流、原子力発電所の爆発などといった被害が起こるのではないかと恐れられています。
まさに、南海トラフ地震が起きたら国家の危機!
実際、南海トラフで発生したマグニチュード 8・6の宝永地震(1707年)の被害は、中部、近畿、四国、九州の広い地域にまたがりました。
発生した大津波は、西日本の沿岸を襲い、瀬戸内海や八丈島まで襲来しました。そして、地震発生から6日後に、富士山が噴火しました…。
いま、この日本で、どんなことが起きても不 思議ではない時期に、私たちは生きているのです。
そしてどの時代でも、子どもを一番に守ることができるのは母親なのです。

3備えあれば、生き残ることができる

「南海トラフ」は、大地震が100~200年ごとに発生している地震の巣。巨大地震が発生したら、最悪の場合、死者数は8万人にものぼると予想されています。これは東日本大震災の 約6倍です。
約300年前の宝永地震でも大津波が発生し、 2万人ともいわれる死傷者を出しました。しかし、そんな中、死者が1人も出なかった漁村も 存在します。
「大きな地震の後には、津波が来る。すぐに、 高台の山に逃げること」そう村の人全員が認識し、日頃から備えていたから。村の記録にも、「地震の後に津波が来ると考えていれば避けることができる」と記されています。
今よりも情報のない時代にできたのですから、私たちも、日頃の備えと心の準備があれば、どんな災害でも生き残ることができるんです!

4女は弱し、されど、母は強し

家族はひとつのチーム
子どもたちにとって、「お母さんは絶対」。極端な言い方をすれば、「生きるも死ぬも母親次第」と言っていいでしょう。大切な子どもの命を守るためにも、お母さんの「防災力」が試されます。
乳幼児に何が必要か。安全に 避難するにはどのルートがいい のか。今は急いで行動するタイ ミングか、それとも落ち着いて 様子を見る時か。トイレはどう する、お腹が空いたら、寒かったら…。子どもたちに、しっかり「どうしたらいいか」を教えられるのは「母親」です。誰も 助けてはくれません。
家族で強固な防災チームをつくりましょう。

5どんな時も お母さんは太陽でいよう

明るくて強い母は、 希望の光
突然の被災。将来の不安はつきないでしょう。でも、現実は 変えられません。
変えられるのは、自分と未来だけ。
家の中が暗いと、どんどん悪い方向に流れていきます。
一番に影響を受けるのは子どもたち。悲しくても、不安でも、踏ん張って、時には周りと協力して、今日1日生かされたこと に感謝しましょう。

草野かおる (著), 木原実 (監修)
ディスカヴァー・トゥエンティワン

もくじ

1 いざという時に必要なのは「自分で考えて、行動する力」
2 日本人の3人に1人が被災する時代
3 備えあれば、生き残ることができる
4 女は弱し、されど、母は強し……。
5 どんな時もお母さんは太陽でいよう

1章 これだけは知っておきたい防災の常識
1 地震だ! とにかく頭を守ろう!
2 地震だ! 脱出出口と足元の安全を確保
3 「津波避難標識」を覚えておこう
4 警報、注意報には限界がある!
5 津波警報の「言葉」に注意しよう
6 津波のベストな逃げ場所とは?
7 津波は繰り返し来る
8 ゲリラ豪雨は「報道される雨量」から警戒しよう
9 水の勢いは人の想像を超える
10 大雪でライフラインが途切れることも
11 自然災害対策だけではない時代

2章 外出先で子どもと被災! どうする?
1 いつも行く場所の非常口、知っていますか?
2 買い物中に地震発生! その時、どうする?
3 高層ビルのエレベーターにも注意!
4 ショッピングセンター内での地震、移動に注意!
5 周りの人に助けをお願いしながら逃げる!
6 災害時の道路はふだんとは違う!
7 子どもと歩いて帰宅する時は「帰宅支援ステーション」を目指そう
8 無理に帰宅しないという選択

3章 子どもと離れている時に被災!どうする?
1 母と子が離ればなれ 家にいない時にも災害は訪れる!!
2 知っておこう! 1人になった子どもの視線
3 知っておこう! 1人になった子どもの視線
4 知っておこう! 1人になった子どもの視線
5 子どもと連絡方法を約束しておこう
6 お母さんも大切な連絡先は紙で持ち歩こう
7 いまいる場所でできることをする
8 徒歩で帰宅するための準備をふだんからしておく
9 保育園はお泊り保育で対応する
10 これが大事!①必ず子どもと約束しておこう!
11これが大事!② 子どもと一緒に「防災マップ」を作ろう
12 これが大事!③ 子どもとの集合場所を決めておこう
13 これが大事!④ あわてず、冷静に避難

4章 電車や車に乗っている時に被災!どうする?
1 子どもと地下鉄で地震に!
2 子どもと地下鉄で地震に! 津波警報が発令!
3 地上まで脱出する時に気をつけること
4 車を運転中に地震が!
5 情報を集めてどうするか考える
6 時には車を避難所にすることも
7 大雪で車が立ち往生! すぐそばに迫る命の危険!
8 大雪で車が立ち往生!「内気循環」に危険がいっぱい!
9 知っておこう! 雪道運転の必須アイテム

5章 家にいる時に被災!どうする?
1 見直そう家の中の安全
2 地震直後の自宅の点検確認を
3 子どもと一緒に「台所で料理中」に地震!
4 「あわてて転倒」に注意! 子どもの分の「非常持ち出し袋」も
5 半壊した家に閉じ込められたら
6 ご近所づきあいが命を救う
7 いつでも避難できるように就寝
8 足湯でみんなの疲れを取ろう
9 木造住宅密集地域では火災に注意!
10 震災対策訓練に参加しよう:
11 炎の津波から逃れる
12 「広域避難所」はオープンスペース
13 火災がおさまったら寝泊り可能な避難所へ

6章 避難生活の常識、知ってる?
1 避難所で「お客さま」はいない
2 災害直後の避難所は混乱している
3 避難所での「トリアージ」
4 子連れ避難生活は親子共々大きなストレス:
5 環境を自分たちで整える工夫を
6 自分たちが使えるトイレを用意しよう!
7 今後の避難生活はどうする?

いざという時のための非常時ごはん
1 家庭の備蓄は1週間以上必要
2 「非常時専用」にする失敗
3 「ローリングストック法」で備蓄
4 食べまわしながら備蓄する
5 12日間家族を守る備蓄食料って?
6 「いつもの日常」と「避難生活」との落差
7 非常時の食事の回数は?
8 禅寺から由来する食のしまつ、「箱膳」の精神を
9 基本は「洗い物を出さない」「食材に触らない」
10 道具一つ、お鍋一つの調理の工夫
11 水の確保! 1人3リットルは必須!
12 くみ置きの水の賞味期限
13 水の使い方を工夫しよう
14 炎の温度って何度?
15 「ごとく」付き固形燃料
16 七輪と練炭の違い
17 簡単かまどイロイロ
18 「一斗缶ロケットストーブ」で本格かまど
19 2分で炭に着火する方法
20新聞紙で安全なマキを作る方法
21廃油を燃料にする
22牛乳パックで燃料を作る
23 基本のごはんの炊き方:
24お鍋の焦げつきを防ぐ「ハシのぐるぐる」
25 フライパンでスピード炊飯
26 電子レンジでもごはんが炊ける!
27 ほったらかしがうれしいオーブントースター炊飯
28 空き缶と牛乳パックでごはんを炊く
29 「食べ頃」もキープしてくれる水筒おかゆ
30 水と時間を節約できる無洗米
31 冷蔵庫には「保冷剤」を常備
32 おもちは「非常食」として活躍!
33 麺はもともと保存食
34 カップ麺は非常食になる?
35 缶詰には200年の歴史がある
36 肉や魚の代わりになるもの
37 フルーツの代わりになるもの
38 常温保存できるロングライフ牛乳を常備
39野菜は干して保存する
40 牛乳をヨーグルトにする方法
41 パンの代わりになるもの
42 先人の知恵「発酵食品」を利用しよう
43 伝統食「味噌」の力
44 漬け物を活用したメニュー
45 そそぐだけ味噌汁「かちゅー湯」
46 熱湯をそそぐだけでできるお手軽スープ
47 「ベトナム春巻きの皮」で水で戻すだけのインスタントごはん
48 「さきいか」を活用しよう :
49 常備食糧だけで作れる山形B級グルメ「どんどん焼き」
50 火を使わずに大豆を戻す省エネテクニック
51 カンパンはお湯やミルクと一緒に!
52 カンパン消費のアイディアレシピ
53 災害時に大活躍の「ミリタリー飯」
54 生野菜、生フルーツが取れない時のビタミンC補給
55 栄養の優等生「きな粉」からカルシウム摂取
56 配給のお弁当を即席熱々ごはんに
57 わが家の「人気メニュー」を常備しておく
58 パスタソース代わりになるものがいっぱい!
59 昔ながらのおやつ「炒り大豆」
60 中身いろいろアメリカンドッグ
61 食物繊維で便秘解消
62 おなかを壊している時の水分補給
63 妊産婦は栄養バランスと塩分に注意して
64 持病を持つ人は「自分用のいつも食事」の備蓄を
65 突然災害が起きたら?1日目当日は火を使わない食事を
66 突然災害が起きたら?2日目 「すいとん」と「鉄板焼き」
67 突然災害が起きたら? 3日目 「サバカレー」
68 突然災害が起きたら? 4日目 「乾物」利用の和定食
69 突然災害が起きたら? 5日目 「カウボーイ・トマトシチュー」
70 突然災害が起きたら?6日目 「手巻き寿司」&ソーダブレッド 7
71 突然災害が起きたら?7日目 ホットプレートで「粉もんアラカルト」
72 突然災害が起きたら? 8日目 「昭和オールウェイズ」メニュー
73 突然災害が起きたら? 9日目 「気分はアメリカン」メニュー
74 突然災害が起きたら? 10日目 「中華屋さん」メニュー
75 突然災害が起きたら? 11日目 そろそろ疲れた日には「イタリアン」
76 突然災害が起きたら? 12日目 みんな大好き、丼で元気に!

草野かおる (著), 木原実 (監修)
ディスカヴァー・トゥエンティワン

在宅避難で役立つ食まわりの知恵から日ごろの備えまで クックパッド防災レシピBOOK (扶桑社ムック)

防災サバイバル本

体育館などの避難所でストレスの高い生活をするより、できることなら自分の家を避難場所にしたい、そのような人に向けてどんな備えや予備知識が必要かをシンプルに網羅した1冊です。1191人の被災経験者の声を元に、なにをするといいかが端的に説明されていて参考になります。

はじめに

「在宅避難」に備えていますか?
自然災害はいつ来てもおかしくないと言われていますが、皆さんは日ごろどのような備えをしていますか?」

大きな災害が発生した直後は、危険な場所からの避難が最優先されますが、その後の避難行動において、自分や家族の安全性を十分に考慮した上で自宅で避難生活を送ることを、「在宅避難」と呼びます。

電気、水道、ガスなどのライフラインが停止した状態で避難生活が長引くと、疲れやストレスがたまっていきます。こうしたときに住み慣れたわが家での在宅避難が選択できると、何かと不自由な避難生活のなかでも負担を軽減することができるでしょう。在宅避難ではライフラインが復旧するまでの期間を自宅で乗り切るための「備え」が欠かせません。

本書では、クックパッドに掲載された約310万品を超える豊富なレシピから、さまざまな「防災レシピ」を紹介するとともに、在宅避難経験のある全国のクックパッドユーザーの声をもとに、在宅避難で役立つ備え方や知恵を紹介しています。

いつもと違う環境での料理、水や食料の確保、情報収集、家族のケアなど、何をどう備えておけばよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。家族の防災力を高めるため、またイザというときに、自分の頭で考えて行動するためのツールとして、ぜひ本書をご活用ください。

もくじ

はじめに
「在宅避難」に備えていますか?
在宅避難経験者1191人に質問!
あなたが在宅避難を経験した自然災害は?
最初に知っておきたい 在宅避難の判断基準

クックパッドユーザーの声
伝えておきたい! あのとき、困ったこと

経験者の声でわかった
在宅避難で本当に大事なこと

第1章 「食」の在宅避難サバイバル術
①食のストックはどうする?
② 何をどんなふうにストックする?
③ 冷蔵庫の食材をどう整理する?

知っておきたい サバイバル調理のベストテク5
テク1 災害時はポリ袋調理が大活躍
テク2 身につけるべきは節水のワザ
テク3 火いらずでできる調理のコツ
テク4 ストック食材で栄養バランスを調整
テク5 甘いおやつは心の癒やし 4

本当に役立つ サバイバルレシピ
●ポリ袋レシピ
【メイン】
パック肉ジャガ
鶏胸肉のハム
焼き鳥缶の卵とじ
鮭のみそバター
さんま缶と大根の煮物
鯖缶の洋風あえ
ツナ缶スープギョーザ
【サブ】
ナスの煮びたし
ミネストローネ/高野豆腐とワカメのみそ汁
【ご飯&麺&パン】
ポリ袋で炊くご飯
カルボナーラご飯
ニンジンバターライス
コーンポタージュのクリームパスタ
ウインナ入りおかず蒸しパン

●節水レシピ
【メイン】
鶏肉のトマト缶煮込み
豚肉と白菜の蒸ししゃぶ
豚肉と大根の炒め煮
【サブ】
ハム入りトマトスープ
白菜とシメジのみそ煮
【ご飯&麺】
卵ご飯ピザ
緑茶の和風パエリア
切り干し大根のすいとん
そうめんナポリタン

●火を使わないレシピ
【メイン】
アサリとキャベツのレンジ蒸し
鶏ササミのチーズ焼き
ホットプレートで豚バラの蒸し焼き
【サブ】
切り干し大根とニンジンのシンあえ
白菜の塩昆布あえ/キュウリの梅あえ
【ご飯&麺】
レンジ焼きそば
ツナとトマトジュースのクスクス/焼きカレードリア

●缶詰レシピ
【メイン】
鯖缶豆腐
いか缶とカブの煮物
鯖缶ハンバーグ
鮭缶とアスパラのそぼろ風 8 ツナジャガ
【サブ】
ツナとタマネギの煮物/ニラのツナあえ
ひじきのツナコーンあえ/大根とキュウリの鯖缶サラダ
【ご飯&パン】
焼き鳥缶の親子丼
まぐろ缶サンド/かつおおの三色丼

●おやつレシピ
バナナ蒸しパン
防災パンラスク風
ドライマンゴーのぷるぷるデザート
乾パンチョコバー
フルーツ缶フレンチトースト
フライパンクッキー
乾パンチョコサンド

クックパッドユーザーの声
知っていますか? カセットコンロの使い方

第2章 「生活まわり」の 第一在宅避難サバイバル術
①水をどう確保する?
②トイレはどうする?
③家族をどうする?
④情報収集をどうする?
⑤安否確認をどうする?
⑥部屋の片付けについて
⑦ 防犯対策はどうする?

クックパッドユーザーの声
隣近所とつながり、孤独を避ける

第3章 イザというとき便利な第在宅避難アイデア集
クックパッドユーザーの声 あってよかった! お役立ち備品

あるものでできる! こんな使い方
①ペットボトルと懐中電灯で明るさ確保
②新聞紙とポリ袋で暖をとる
③ツナ缶とティッシュでロウソク代わりに似
④キッチンペーパーと輪ゴムでマスクになる

クックパッドユーザーの声
こんなものも役立つ身近なもの活用のアイデア集
車も避難所になる
家族で防災訓練を

食材別レシピ索引

経験者の声でわかった 在宅避難で本当に大事なこと


在宅避難を経験した人で多かったのが、事前の備えが 大事という声。では、具体的にどのような準備をしておけばよいので しょうか。

クックパッドユーザーへの在宅避難に関するアンケート(上記) に よると、1位が「食と水の確保」で 食べ物や飲み水のストックに関す ること。2位が「トイレ、お風呂、 洗濯など生活用水」に関する悩みです。水に関係した課題が1位と2 位で半数以上を占めることがわか りました。
3位は「家族のこと、家の環境づくり」、4位は「情報収集」と続き、慣れ親しんだ環境をどのように維 持するかが、在宅避難生活のテー マであることがわかります。
次ページからは、これらの課題解 決に役立つ方法を解説します。

耐震基準をチェックしておく
在宅避難を選択する前に、「自分の住んでいる家」が現在の耐震基準をクリアしているかをチェックしておきましょう。1981年以前の建築基準法のもとで建てられた「旧耐震基準」の木造家屋などは、倒壊のリスクが高いので要注意です。また、改正以降の「新耐震基準」によって建てられた家であっても万全とは言いきれません。家具や家電を転倒防止グッズで固定する、ガラスに飛散防止フィルムを貼 るなど、できる限りの災害対策をしておきましょう。同時に「自分が住んでいる家や地域 にはどのようなリスクがあるのか」について、各自治体のホームページから確認できるハ ザードマップを参考に調べておきましょう。

親子で学ぶ防災教室 災害食がわかる本

親子でいっしょに防災を学べる一冊

「防災は『家族みんながわかっていること』がとても大切」という思いから作られた、災害食にフォーカスした一冊。災害食とはどんなものか、いざと言うときはどう行動すれば良いか、今からできることは何なのかなどについて絵や写真を用いてわかりやすく書かれている。子供向けではあるが、大人が読んでも十分役に立つようになっている。

今泉マユ子 (著)
出版社 : 理論社; 新装版 (2019/6/15)、出典:出版社HP

はじめに

災害時にいちばん大事なのは「命を守ること」です。 命を守るためには「地震のとき、家だったら、電車 の中だったら、どう行動する?」と考えながら生活することが重要です。しかし防災を難しく考える と大変になってしまい長続きしないので、できる ことからはじめてほしいと思います。まずは身近 な水や食べもののそなえについて考えてみてくだ さい。苦手なものはないか、こどもがひとりで作 れるか、必要な道具はなにか、相談しながらそな えるうちに防災について親子で会話する時間が増 えていきます。災害食で「防災ランチ」をする日を きめて練習しておくと、もしものときにすぐ行動 できて役立ちます。災害食のそなえをきっかけに、 非常持出袋や災害時の危険について、もっと知っ てもらえたらと思います。家族ひとりひとりが、 どんなときも元気に生きぬけるよう願っています。 全国のみなさんへ、思いをこめて。

もくじ

1時間目 災害について学ぶ
もしもって、どんなとき?
もしもって、どんなとき?
もしものときはまず命を守って!
もしもがおきたらどうなるの?
だから、もしもにそなえよう!

2時間目 災害食を知ろう1
なにからはじめる? 水と食のそなえ
はじめに水をそなえよう
食べもののそなえを考える
どうやってそなえるの?
水と食べものはどこにそなえる?
期限切れをふせぐには
大震災から学ぶこと

3時間目 災害食を知ろう2
災害食ってなに?
災害食ってどんな食べもの?
〈注目!災害食ニュース〉
1. 火を使わず温められる!
2. 年齢や体質を考えた食事が選べる
3. 宇宙食や自衛隊食も災害食に!
4. 味を追求した災害食をふだんの食事に
5. 野菜の保存食が増えています
〈定番の災害食を知ろう〉
1. カンパンってどんな食べもの?
2. パンの缶づめってどんな食べもの?
3. アルファ化米ってどんな食べもの?
4. フリーズドライってどんな食べもの?
5. レトルト食品ってどんな食べもの?
災害時のおやつ・・52

4時間目 災害食をそなえる
はじめよう!日常備蓄
ふだんのものを多めにそなえる
〈食べものをそなえるコツ〉
1. 主食になるもの
2. おかずになるもの
3. じつは大切!おかしのそなえ
4. 調味料のそなえ
5. 飲みものをそなえる
6. さまざまなそなえ
7. 冷凍食品を災害時に活用
8. 「災害食の日」を作ろう
防災ランチのすすめ

5時間目 災害食の食べかた
すぐできる!サバイバルレシピ
もしもの調理に役立つ道具
ごはんのたきかた1
ごはんのたきかた2
即食レシピ
お湯ポチャレシピ
食中毒に気をつけよう
新聞紙で食器を作ろう

6時間目 今日からやる防災
今自分たちにできること
自分用の防災マップを作ろう
家族と話をしよう
助けをよぶ練習をしよう
避難に必要なものを用意しよう
トイレのそなえ
防災の用語集

今泉マユ子 (著)
出版社 : 理論社; 新装版 (2019/6/15)、出典:出版社HP

「もしも」に備える食 災害時でも、いつもの食事を

いざという時に使える料理の知恵

本書は、東日本大震災で被災した方々の体験談を交えながら、災害時の食の大切さが述べられており、備蓄に対して抱く心理的な壁を打ち壊してくれる。それと同時に、災害食レシピが約40種類掲載されているため、災害時以外でも使える知識を得ることができる。

石川 伸一 (著), 今泉 マユ子 (著)
出版社 : 清流出版 (2015/2/13)、出典:出版社HP

はじめに

「災害に対して、備蓄をしていますか?」という質問を投げかけられたら、イエスと答えるでしょうか、ノーと答えるでしょうか。
いろいろな備蓄に関するアンケートを見ますと、災害に備えて食料品を備蓄していると答える人の割合は決して多くはありません。災害直後の防災意識が高まったときは上昇しますが、平常時は三~五割程度にとどまります。阪神・淡路大震災があった神戸市のあるアンケートでさえ、現在、備蓄している人は約三二%と少数派でした。
しかし、「今、家にある食料でどの程度生き延びることができますか?」とたずねれば、「数日」とか、「水とカセットコンロがあれば一週間」などのように具体的に答える方も多いのではないかと思います。

質問で「備蓄食」や「非常食」と訊かれると、日頃私たちが食べているものと違う、何か特別な食事のように感じる方も多いかもしれません。
しかし、私が暮らす宮城県仙台市で、3・11の東日本大震災によって被災し、強く感じたことは、非常時だからといって急に特別なものが食べたくなったり、必要になったりするのではないということです。むしろ非常時だからこそ、当たり前の食事を強く求めるということを、身にしみて感じました。
私たちの中で、地震は非常時のこと、日常生活とは違うことと考えがちです。しかし、長い年月のスパンで考えれば、私たちの住む日本では、どこかで地震や災害は絶えず起こり続けています。日本に住む以上、地震と縁を切ることは難しいのです。
そのため、地震や非常食を特別視したり、日常生活から切り離せば切り離すほど、私たちが生き抜くうえで、むしろ大きな障害になると感じます。つまり、地震は滅多に来ないものなのだからと思えば、わざわざ地震に対して準備することがおっくうにもなるし、備蓄食が普段食べないようなものになってしまうでしょう。

先のアンケートの結果からは、備蓄をしていない人から、「備蓄のことまで気がまわらない」という声が聞かれます。さらに、備蓄するのが面倒、うちに備蓄するスペースなどない、備蓄にまわすためのお金がないといった意見もあります。
しかし、私が社会の中の「備蓄しないこと」の背景に感じるのは、備蓄に対する人の「心理的な負担」です。
備蓄について考えるということは、その先の「地震」のことを想像しなければなりません。「地震なんて、来ないでほしい」と思うからこそ、備蓄について考えることが先延ばしになってしまうのではないでしょうか。平常時にわざわざ怖い地震のことなど考えたくないというのが、普通の人間の当たり前の心理です。

震災後、講演などで災害時の食について一般の方にお話する機会が何度かありました。その際、「備蓄してください」とアドバイスし過ぎると、それがむしろ心理的なプレッシャーになる場合があると肌で感じ取っています。
心理的な“壁”が存在する備蓄について、なぜ備蓄しなければならないのか、備蓄の必要性・重要性を感じてもらうことはとても難しいことです。災害時の食の大切さを意識してもらうためには、被災した人の個人的な体験談が有効であると感じています。

あの大震災時に、いかに「食」が身体と心の両面を支えていたかという、体験した人だからこそ語れるリアリティが、「備蓄したがらない壁」を壊す“ハンマー”になるのではないかと思います。
東日本大震災から時間が過ぎ、いい意味でも悪い意味でも、その記憶が失われつつあります。風化してはいけない大切な教訓を含んだ記憶については、今後も語り継がれていくべきでしょう。
災害時はまさに、極度に制限された世界です。食料、水だけでなく電気、ガスなどのライフラインも制限されます。また、それだけでなく、「考え方」も制限されます。難しい、まどろっこしい考え方をしていたら、災害時の状況に対応できなくなってしまうので、考え方も行動もシンプルになっていきます。

制限され、シンプル思考になっているときだからこそ、その限定された空間で生きるための工夫が生まれやすく、本質をとらえた発明や考え方が生まれる可能性があります。
災害時のことを考えるのは誰しも気が進みませんが、災害時に何が必要か、どんな心構えが必要かを考えておくことは、私たちの普段の生活でも何が大切なのかを考えさせ、食の大切さを示してくれるのだと、今、身にしみて感じています。

二〇一五年二月、もうすぐ東日本大震災から四年の仙台にて
石川伸一

石川 伸一 (著), 今泉 マユ子 (著)
出版社 : 清流出版 (2015/2/13)、出典:出版社HP

目次

はじめに・石川伸一

1章なぜ、食を備えなければならないか
地震を予測することの大切さ
自治体の防災対策を知っておこう
被災時の食は、命をつなぐもの
震災を経験しなかった人も、記憶の更新を
家族みんなで食の備えを
行列をしても品物を手に入れたいという心理
電気のない暮らしは予行演習ができない
こだわりすぎず、臨機応変に対処する
食の備えは行政に頼らず自助で
【コラム】何はなくとも水のストックを!・トイレ対策はとても重要

2章脳を満足させる食事で、非常時を乗り切る
同じものを食べ続けていると飽きる
食べ慣れたもの、温かいものは、ほっとする
満足感があれば、生きる気力がわいてくる
おいしい記憶を溜めるトレーニングを

3章何をどう備えればよいのか
市販の非常食(防災食)をチェックしておく
缶詰、乾物は「備える食」の代表格
乾物の実力を見直す野菜は買い置きできるものを常備して
震災時も、栄養バランスを考えたい
「食事バランスガイド」に沿って備蓄食を考える
備蓄食は「トコロテン保存」で新陳代謝をはかる
家族の一人ひとりに合わせた食品を用意

【料理編】
安全確保の次は、何をどう食べるか。冷蔵庫内の食材チェックと始末法を考える
熱源と最小限の調理道具は必需品
備えておきたい食品

火を使わない
コーンとわかめの和えもの
切り干し大根とささみのマヨサラダ
切り干し大根とにんじんの中華サラダ
さばマリネ
ひよこ豆の梅マヨあえ
桜えびのカリカリふりかけ
ホワイトアスパラのとろろ昆布

乾物を使う
高野豆腐ステーキ
ひじきと大豆の煮もの
お麩きなこラスク
車麩の角煮風
きくらげの佃煮
春雨の牛肉大和煮風味
高野豆腐ドライカレー

乾めんを使う
カルボナーラ風パスタ
ボンゴレトマトスパゲッティ
タイカレービーフン
焼きうどん
にゅうめん
◆そろえておきたい便利調味料・だし味アップに役立つ乾物

ごはんもの
焼き鳥丼
ひじき入りいか飯
カレーピラフ
かんぴょう入りいわし丼

いも・玉ねぎ・にんじんで作る
常備野菜とツナのコーンクリーム煮
さつまいものりんごジュース煮
じゃがいもとコンビーフのガレット
お麩じゃが
クラムチャウダー
ミックスビーンズと野菜のトマトスープ
さつまいもと鶏そぼろの煮込み
◆洗い物を減らす工夫

粉もので作る
ミルクくずもち
さばみそ入りすいとん
桜えびのお好み焼き
フルーツとナッツ入りホットケーキ
白玉フルーツあんこのせ

防災食を使う
もちラザニア
アルファ米のかぼちゃがゆ
乾燥野菜人りレトルトがゆ

おわりに・今泉マユ子

石川 伸一 (著), 今泉 マユ子 (著)
出版社 : 清流出版 (2015/2/13)、出典:出版社HP

必ず役立つ震災食

画期的なレシピ集

日本で生活していく上で、様々な災害と共存していくことは避けられません。本書は、災害が起きた時でも、美味しい料理を食べられるようにするための知恵を与えてくれるレシピ本です。掲載されているレシピは最小限の水、火、鍋、そしてポリ袋があればできてしまうものなので、災害時の限られた資材、食材でも簡単に作れるようになっています。

一人ひとりに食の知恵を

公益社団法人石川県栄養士会会長 新澤 祥恵

2011(平成23)年3月、東日本大震災が発生し、多くの方が 不自由な生活を余儀なくされ、今も故郷を遠く離れて暮らす方 がいらっしゃいます。私たちは、地震に限らず、様々な災害と無 関係には生きていくことはできません。
どのような状況におかれても、日々欠かすことのできないもの が食であり、また、何より大切な「生きる希望」を生み出してくれるものだと思います。そして、日々の食を確実につなぐことができ るよう、様々なかたちで支援をすることが、私たち栄養士の役割 だと考えています。

この「必ず役立つ震災食」は、石川県栄養士会に所属する乙川味巧さん(金沢市)の考案したレシピ集です。私たち栄養士 が各地でデモンストレーションを行い、普及に努めています。
本書は、おいしい料理を作ろうとするアイデアに溢れていま す。限られた資材・食材でも、これだけの料理を用意することができるということを教えてくれているのです。災害など予期せぬ。 事態に遭遇したとき、どのように対処すべきかを考えさせてくれます。


震災食の普及に努める栄養士会のメンバー

非常事態にどれだけのものが残されているか、どれだけのも のを手にすることができるかは分かりませんが、与えられた条件 の中で、人々においしい食を提供するため、我々一人ひとりがその知恵を持った人間でありたいと思います。
ぜひ皆さんもこのレシピ集を読んで、生きる力と希望を与えることのできる一人になってほしいと願うばかりです。

2012(平成24)年12月

石川県栄養士会 (編集)
出版社 : 北國新聞社出版局 (2012/12/25)、出典:出版社HP

火と水、鍋、そしてポリ袋。これでりっぱな料理ができる!
電気がなくても温かい食事を
電気・ガス・水道が使えなくなったら……。 地震など大きな災害に見舞われると、ふだん当たり前に使っているものが、役に立たなくなることを覚悟しなければなりません。災害時にはよく停電になります。電気が止まると、炊飯器やIHなどの調理器具はもちろん、冷蔵庫も働かなくなります。
そんなときのために、カセットコンロや七 輪など、お湯を沸かす方法を確保しておくことです。これからご紹介するポリ袋を使った調理法は、火を起こすための道具と水、鍋、そしてポリ袋があれば、おいしく、温かい食事がいとも簡単にできるのです。

特別な器具は使わない
特別な器具、高価なものは必要ありません。食材も穀類・豆類・乾物・野菜類が中心で、冷蔵保存し なくても良いものばかりです。
災害時には水は貴重なものとなります。本書で 紹介するレシピは、原則、1人分につき1カップ以上の水を使うものはありません。

調理時間の短縮にも
「震災食」と称していますが、 調理時間を短縮する調理法としても優れた点があります。真空調 理法を応用しているため、長い時間煮込まないと柔らかくならない根野菜も比較的手早くお好みの固さに調理できます。幼児食や介護食、糖尿病など食べる人によって塩分や糖分の調整が必要 な場合にも重宝するでしょう。アウトドアのシーンで試してもよい と思います。
平常時に作り慣れておくことが大切です。子どもや料理初心 者でも失敗なく作れる内容です。

ポリ袋の選び方
「高密度ポリエチレン」と表記された半透明タイプが耐熱温度も高めでポリ袋調理に向いています。お湯はいくら沸騰しても100°C以上にはなりませんから、袋の成分が溶け出すことはありません。ただし、ポリ袋を直接火にかけてはいけません。耐熱のポリ袋でも、材料に油を加えて加熱すると、袋が溶ける恐れがあるので注意して下さい。

震災食の献立例1
災害時こそ心も体も元気になる食事を

防災のっけ盛りご飯
大豆の水煮などを利用した丼風の一品。肉や魚が容易に手に入らない時に、豆類は貴重なたんぱく源と なる。バランスよくエネルギーを摂取できる。

かぼちゃのサラダ
火の通りづらい根野菜もポリ袋調理によって、食べやすい柔らかさに。彩りの豊かさも心には貴重な栄養となる。

なめこ汁
湯気のあがる味噌汁をいただくだけで、身も心もあったまる。

震災食の献立例2
手軽に栄養をたっぷりとれる

さつまいものサラダ
甘味のある食材は気持ちをリラックスさせてくれる。

お雑煮
おもちや麺類なども調理できる。 毎日同じ食事では飽きてしまうので食欲を呼び起こすためレパートリーは増やしたい。

ようかん
寒天の粉を使えば、ようかんやプリンなど和洋のスイーツが調理できる。

紅白なます、
酢の物は疲労回復に役立つ。

高野豆腐の煮物
高野豆腐は保存がきき、たんぱく源として便利な食材。

震災食の献立例3
洋食の一皿も簡単に調理できる

トマトスパゲッティ
本来はたっぷりの水を使うパスタ料理だが、少量の水でも調理できる。ソースに使うトマト缶は長期保存が可能で便利な食材。

サヤインゲンのトマト煮
オリーブ油を使えば、香りよく仕上げることができる。

かぼちゃのポタージュ
災害時は、体の弱い乳幼児やお年寄りこそ、しっかりとした食事をとる必要がある。スープは口にしやすく重宝する。

石川県栄養士会 (編集)
出版社 : 北國新聞社出版局 (2012/12/25)、出典:出版社HP

目次

一人ひとりに食の知恵を
火と水、鍋、そしてポリ袋。これでりっぱな料理ができる!
震災食の献立例
ポリ袋クッキングの手順
使用する主な備蓄食品

主食
ごはん
おかゆ
きのこの炊きこみご飯
さつまいもご飯
防災のっけ盛りご飯①
防災のっけ盛りご飯②
金時草と梅干しのさっぱりまぜずし
手巻きずし
きな粉パン
抹茶米粉パン
カンパンがゆ
お雑煮
とろろ昆布うどん
とろろそば
トマトスパゲッティ
ペンネ・アラビアータ
梅干しスパゲッティ
しそスパゲッティ

主菜
豆乳カルー
さつまいもと豆のカレー
さつまいものシチュー
高野豆腐の煮物

副菜
さつまいものサラダ
かぼちゃのサラダ
大豆とひじきの煮物
なすそうめん
かぼちゃと玉ねぎの味噌煮
サヤインゲンのトマト煮
大根の味噌煮
大根の田楽
ラタトゥイユ
加賀太きゅうりの昆布のせ
じゃがいもの梅肉和え
ごま和え
中華漬物
キムチ和え
紅白なます
甘酢漬け
きゅうりとワカメの酢の物

汁物
なめこ汁
玉ねぎとチンゲン菜の味噌汁
長芋のすりながし汁
じゃがいものカレースープ
かぼちゃのポタージュ
コーンスープ
ジュリエンヌスープ
ワカメスープ

デザート
ようかん
いもようかん
きな粉もち
さつまいものムース風
かぼちゃのムース風
プルーンの紅茶煮
りんご着

ワンポイントスタディ
①下ごしらえの豆知識
②食中毒を予防する
③加熱する温度と時間

「一汁三菜」って知ってますか?

あとがき

石川県栄養士会 (編集)
出版社 : 北國新聞社出版局 (2012/12/25)、出典:出版社HP

かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん

日常生活の延長としての防災

本書は、災害時の食材や調理器具が限られた環境下でも作れる料理が多数掲載されたレシピ本です。即作れて即食べられるという意味の「即食」と「省エネ」をキーワードに、短時間でできるレシピが多数紹介されています。それだけでなく、災害に備えるためにはどのくらいの食料や水を備蓄しておけば良いのかなどの、災害に関する知識も述べられています。

今泉マユ子 (著)
出版社 : 清流出版; A5版 (2016/8/4)、出典:出版社HP

「もしも」に備えて、食料備蓄のすすめ

今は、「震災後」ではなく、「震災がくる前」だと私は考えています。
東日本大震災から五年が過ぎましたが、震災後と考えると災害が過去のこととして遠ざかっていくからです。
今後も南海トラフ巨大地震や、首都直下型地震が予想されていますが、それでもどこか人ごとで「自分だけは大丈夫」と、災害対策に向き合うことを 避けていたところもあるのではないでしょうか。
そんな中、二〇一六年四月十四日、熊本地震が起きました。この熊本地震で多くの方が、災害は自分の身にもふりかかることとして、危機感をお持ちになったのでは……。
今を「震災前」と意識することで、災害に備えることの必要性が見えてくると思っています。
私は管理栄養士、日本災害食学会災害食専門員、防災食アドバイザーとして「災害食・防災食」、「備蓄食」の必要性とそのレシピをお伝えしています。また、家族の健康を気遣う母親としても、生きることと直結する「食料と水
の備蓄の大切さ」を、広くお伝えしていきたいと思っています。
私がおすすめするのは、日常生活の中での少し多めの食料備蓄。これは自然災害が起こったときだけではなく、病気やケガで、また新型感染症などによって家から出られない状況になったさいにも、食材のストックによって、当面の買い物をしなくてすむことからです。
でも、備蓄するだけで安心とはいきません。大切なのは備蓄しているものを「もしも」のときに活用することです。
災害時では致し方ないこととはいえ、備蓄食料をそのまま食べるのは味気ないもの。我慢して食べていると、食事がストレスになってしまいます。
災害時にも普段食べ慣れている味、好きな味のものを食べられることが、どれほど心を和ませることでしょう。
そこで本書では、災害時でもなるべく日常と同じ食事ができるように、機蓄に適した食材を使ったレシピをご紹介することにしました。

備蓄食材を使った料理は、災害時だけに食べる特別なものではありません。忙しくて食事作りに時間をかけられない方、お子様やご高齢の方から、普段あまり料理をしない方まで簡単に作ることができる、またアウトドアでも活用していただけるレシピです。
特別な材料を使わず、ライフラインが使えない状況でもおいしく食べられ
るように、火も水も包丁も使わない、名付けて「即食レシピー。
Step 1 では、ポリ袋に入れて混ぜるだけという超かんたん・時短レシピをご紹介します。
さらに、日常でほんの少し時間に余裕があったときに、食材をプラスして作ってみていただきたい「ひと手間アレンジ」レシピも考えました。
Step 2 では、災害時でも温かい料理が食べられるように、ポリ袋調理レシピをご紹介。災害時に温かいものを食べることは、生きる気力になります。湯気からたちのぼるいい匂いが嗅覚を刺激し食欲が増します。体が温まることによって心も温まる。しかもこのポリ袋調理は節水、光熱費節約にもなる「省エネレシピ」です。

そしてStep 3 では、「即食」「省エネ」を踏まえつつ、エネルギーチャージを考え、少しボリュームのある「整食レシピ」を考えました。

経験、体験したことはすべて自分の糧になります。普段から即食レシピやポリ袋を使った料理を作ってみてください。作り慣れた調理法が、「もしも」のときに、皆様のお役に立ってくれることを願っています。

今泉マユ子 (著)
出版社 : 清流出版; A5版 (2016/8/4)、出典:出版社HP

目次

はじめに――「もしも」に備えて、食料備蓄のすすめ
身の安全が確保されたら、「食」で命を守りましょう
食の確保、何をどれだけ備蓄したらいいの?
災害時にも大活躍、調理に役立つ便利用品
災害発生後の1人分・1週間の献立例

STEP1
即食レシピ 災害発生~3日目までに最適レシピ
ハイスピード・クッキング
食材をポリ袋に入れて混ぜるだけ
缶詰・レトルト食品・びん詰を使って、熱源不要
さばコーンおかか和え・トマトパン粉焼き
オーロラコーン+オーロラコーンサンドイッチ:
食後の洗いものを出さない節約法
チリコンカーン&ドライカレー+ チリコンカーンタコス&五穀米のドライカレー
ミックスビーンズのチーズ和え+生ハム&スモークサーモン巻き
ドライパックサラダ+巣ごもり卵
いかと大豆とひじきの煮物風+五目巾着焼き
あさりとひじきの青のり和え+具だくさん卵焼き
ひじきとコーンのなめたけ和え+厚揚げ具のせ焼き:
いわしのトマト煮風+地中海ドリア
さけとわかめのらっきょうサラダ+おろし和え
焼き鳥とカシューナッツのマヨ和え+鶏肉とカシューナッツの炒め物
ひよこ豆のフムス+ディップ&カナッペ:
大豆カレー和え&ゆかり和え+カレー豆ごはん&ゆかり豆ごはん
乾物は保存のきく、栄養価の高いおすすめ食品
ツナと切り干し大根のマ和え+ツナと切り干し大根の棒春巻き:
イタリアン切り干し大根+ロールキャベツ
切り干し大根のりんごジュース梅和え+しそ巻き切り干し:
さばとわかめのごま和え+さばわかめ餃子
ホタテのとろろ昆布和え+磯の香冷奴
ガスパチョ+具だくさんガスパチョ
さんまの冷や汁+さんまの冷や汁そうめん
ミックスビーンズのあんこ玉+どら焼き
大豆あんみつ/お麩チョコ

STEP 2 省エネレシピ 4日目~7日目までに最適レシピ
手早く作れる光熱費節約クッキング
カセットコンロと鍋、ポリ袋で作る温か料理
ピーラーで切って、混ぜるだけホタテと大根のサラダ
大根の海苔佃煮和え+冷やし海苔佃煮大根そば
いか人参+いか人参おやき
ツナと人参のごま和え十冷やし卵のせうどん
ポリ袋調理――ポリ袋1枚で作れる温かレシピ
ごはん&おかゆもポリ袋で作れる:
焼き鳥ひじきごはん
豆いかトマトごはん
さけコーンライス
なめたけさけごはん
お雑煮
カレー餅
オレンジパンケーキ
コーンパンケーキ
さんまとキャベツの煮物
親子煮+親子丼
マーボー高野豆腐&マーボー麺
高野豆腐とさんまの煮物
ビラビラ野菜のみそ汁/クリームコーンスープ
ようかん&フルーツかん
保温ジャークッキング
卵雑炊
鶏ささみ中華がゆ/スープ餅

STEP 3
整食レシピ 災害発生8日目~に最適レシピ
エネルギーチャージ・クッキングーしっかり食べて栄養補給、元気が出るレシピ
さば味噌じゃが
具だくさんシチュー
トマトコンビーフ煮込み
コンビーフとキャベツのチーズ蒸し
牛肉大和煮丼
切り干し大根の焼きそば風
お好み焼き餅.
芋けんぴ
カンパンアレンジレシピ
カンパンちょい足し.
カンパンピザ風/カンバンかりんとう
アルファ化米アレンジレシピ
焼き鳥なめたけごはん
野菜ジュースごはん/豆茶ごはん

「もしも」に備える知恵
「災害食」って、なんのこと?
どこに備蓄したらいいの?
在宅避難の場合は、まず冷蔵庫の食材の整理を
大地震のときは、家財道具が凶器になる?
わが家のルールを決めましょう
子どもの防災意識を高めるために、親ができること
「高齢者の低栄養に気をつけましょう
食物アレルギー対応は、多めの備蓄を心がけて
牛乳が手に入らない。どうしたらいいの?
非常持ち出し袋に何を入れたら?
食料と水の確保と同等に、トイレ対策が絶対必要

おわりにー「もしも」のときも笑顔でいるために

今泉マユ子 (著)
出版社 : 清流出版; A5版 (2016/8/4)、出典:出版社HP

身の安全が確保されたら、「食」で命を守りましょう

■なぜ備蓄が必要なのでしょうか?
いつ起こるか予測できない自然災害。被害の程度によって避難所生活となることも考えられますが、本書では、幸いにも自宅に留まることができた場合を想定したレシピをご紹介します。
「もしも」のさいには、自宅に食料、水などの備蓄をしていなかったために、慌てて買い出しに走っても、ほしいものは手に入らないので、自分で備える「自助」が必要となります。

■災害に備えて、備蓄食料を選ぶポイントとは?
災害時だからといって「生きるためだけの食事」、「我慢して食べる食事」では元気も出ません。体に必要な栄養の確保と、「おいしい」という心の栄養を摂ることが大切です。
大きなストレスを受けているときに、おいしいものを食べることは、ストレス解消にもなります。
備蓄食材のセレクトポイント
●家族や自分が好きなもので、食べ慣れているものを選ぶ。
●常温保存ができるもので、使い切りサイズを選ぶ。
●ライフラインが停止したさいでも調理できるものを選ぶ。
これらを参考に、家族の人数、高齢者や乳児がいるかによって、用意する食料を変えてください。
■備蓄食料は、ローリングストック法で消費する
備蓄食料を非常時に食べるものと捉えると、保存したままにしてしまい、いざ必要となったときに、賞味期限切れということも起こります。普段使いをしながら、食べたらその分を買い足すようにしましょう。
ローリングストックの利点
●いろいろな食品を食べてみることで、その中から好みのものを備蓄できる。
●賞味期限切れによる廃棄を減らせる。
●日常的に食べていれば、災害時でも食べ慣れているものが食べられる。

食の確保、何をどれだけ備蓄したらいいの?
「とりあえず食料の備蓄をしたので安心」と思って、しまい込んでしまうと、いつのまにか賞味期限切れとなっていたり、必要に迫られて、そのまま食べるだけの味気ないものになってしまいます。
災害時でも、日常食が食べられれば、ほっと心がなごむことでしょう。普段使いをするための備蓄にしてください。これまで目安として「3日分」の備蓄がすすめられていましたが、現在では大規模な災害に備えて「7日分」以上の確保が推奨されています。

水は人間にとって必要不可欠なものです。
水分補給は、熱中症対策のほかにも、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを軽減するためにも、大切な役目をもっています。健康維持にとって、一番の基本が水といえます。

●飲料用+調理用として【1人分】
1日分=3リットルをストックの目安に
7日分=21リットルのストックがあれば安心!
*ペットボトルの水の賞味期限は2年程度が一般的です。日常で使いながら買い足しておくことをおすすめします。
近年では5年、7年の年と長期保存できる水も市販されています。

注意ポイント
●2リットルのペットボトルの水は重いので、飲料用には500ミリリットルのペットボトルの備蓄も別にしておいたほうが安心。
●水には軟水と硬水があり、日本の水はほとんどが軟水。備蓄は軟水を。硬水はミネラル分が多く、飲み薬に悪影響を及ぼすこともあるので流が必要です。

〇生活用水として
飲料水のほかにも、多くの生活用水が必要となります。
わが家では使用済みのペットボトルに水道水を入れて保存しています。
ポリタンクを用意すると便利。水道水を入れて保存をしたり、断水のさいは給水拠点から水を調達することができます。

注意ポイント
●ポリタンクやペットボトルに入れた重い水を運ぶのには、台車やショッピングカートがあると便利。ただし段差や瓦礫などに注意が必要。
●2リットル用のポリタンクを持つのは重くて大変。10リットル用を2個用意するのがおすすめ。

食料
日常食として使いながら、常温で保存のきくものを備蓄。少し多めに備蓄し、使ったら買い足して、「もしも」に備えましょう。
主食―活動エネルギーの源
・米
※災害時には研がずに済む無洗米が便利
・レトルトごはん、レトルトおかゆ
・アルファ化米
・缶詰パン
・小麦粉、米粉、ホットケーキミックス、お好み焼き粉
・乾麺(うどん、そば、 そうめん、パスタ)
・カンパン
・餅
・クラッカー
・シリアル類ほか

副菜―ビタミン・ミネラルを確保
・切り干し大根、ひじき、わかめ、きざみ昆布などの乾物
・トマト、コーン、大豆などの缶詰
・らっきょうやピクルスなどのびん詰
・じゃがいも、さつまいも、大根、人参、玉ねぎなど日持ちする野菜
*梅干 ほか

主菜―良質タンパク質や脂質の供給源
・肉、魚、豆などの缶詰
・カレー、シチュー、ミートソース などのレトルト食品
・高野豆腐、お麩などの乾物
ほか

果物・菓子―おやつは心の栄養
・果物缶
・ドライフルーツ
・チョコレート、飴、ビスケット、煎餅 ほか

飲料一水分不足は不調のもと
・水
・お茶
・ジュース
・コーヒー、紅茶 ほか

調味料―使い終わる前に必ず補充
・みそ、しょうゆ、酢、塩、砂糖、食用油、ケチャップ、マヨネーズ、めんつゆ
・チューブ調味料(お好みで) ほか
※開封した調味料は、冷蔵庫で保管が必要なものが多くあります。停電のさいには、保冷酒を入れた保冷バッグに移し、早めに使いきりましょう。

注意ポイント
●高齢者、幼児、食物アレルギーや慢性疾患などを持っている方が家族にいらっしゃる場合は、その状況に合わせた食品の備蓄が必要となります。

1人分・1週間の備蓄食品例
名古屋市が行ったアンケートでは、東海地震が予知され警戒宣言が発表された場合、80パーセントの方が買い物に行くと答えているそうです。小売店舗にある在庫だけでは、足りなくなることが予想されるので、各ご家庭での備蓄が必要となります。大規模な災害に備えて「7日分」の備蓄をおすすめします。

■主食
・アルファ化米…7個
・レトルトごはん、レトルトおかゆ…3個
・缶詰パン…3缶
・乾麺(うどん、そば、そうめん、パスタ)…1袋
・シリアル類…1袋
・米、もち…適宜

■主菜
・肉・魚・豆などの缶詰…7個
・カレー、シチュー、ミートソースなどのレトルト食品…7袋

■副菜
・切り干し大根、ひじき、わかめなどの乾物…2袋
・スイートコーン缶、大豆缶など…7個
・じゃがいもなど(あれば)…5個

■果物・菓子
・果物缶、ドライフルーツ、チョコレート、飴、ビスケット、煎餅など…適宜

■飲料
・水…2ℓ×8本
・お茶、ジュース…500mℓ×10本

災害時にも大活躍、調理に役立つ便利用品
カセットコンロ
温かいものを食べると、心が落ち着くもの。電気が復旧するまでの熱源の確保のために、カセットコンロとボンベは必需品です。
注意ポイント
便利なカセットコンロとはいえ、使い方を間違えると大きな事故につながります。
①2台以上並べて使用しない。→熱がこもり、ボンベが過熱、爆発することがある。
②大きな調理器具を使用しない。→熱がこもり、ボンベが過熱、爆発することがある。
③コンロを覆う大きな台付きの魚焼き器を使用しない。→熱がこもり、ボンベが過熱、爆発することがある。
④コンロに指定されているボンベを使用する。→指定外のボンベを使用すると、ガス漏れや火災の原因になる。
⑤密閉した室内や、テント、車内で使用しない。→一酸化炭素中毒の危険がある。

ポリ袋
大き目の45リットルから、大小サイズ違いを用意。水を入れたり、食事のさいには食器を包んだり、調理のさいはボウル代わりにも使用できます。

ガスボンベ
ガスボンベは、1本約60~90分使用できるので、15~18本あれば安心(政府推奨による)。
注意ポイント
ガスボンベの保管方法と場所には注意が必要です。湿気が少なく、温度変化が小さな場所に保管。ガスボンベも普段から使って買い足すオローリングストックをおすすめします。

使い捨て食器(割り箸、紙コップ、皿など)
洗いものを出さないために、用意しておくと便利です。

クッキングシート
フライパンに敷いて調理すれば、油を使わずに調理ができて、洗いものを出さずにすみます。

ウェットティッシュ
手拭きや、体拭き、使った調理器具などを拭くために。

スープジャー
保温目的だけではなく、調理道具としても活躍します。

保冷バッグ
保冷剤を入れて食品保存や、冷蔵が必要な調味料などの保管に。

アルミホイル
フライパンに敷いて調理をしたり、器や蓋がわりとしても使用できます。

発砲スチロール
保冷が必要なさいの食品保存や、保温調理にも使えます。

レジ袋
水の運搬に使える。また段ボール箱にかぶせて水入れとしても使用できます。

調理バサミ、ピーラー、スライサー
包丁がわりに活用できるので、まな板を使わずにすみます。

使い捨てポリエチレン手袋
調理のさいに、食材に直接ふれないようにしたり、また、手にケガなどをしたさいの調理にも必要。

ラップフィルム
皿にかぶせると、洗いものを出さずにすみます。

食中毒に注意
衛生環境が悪化する災害時に気をつけたいのが食中毒です。
注意ポイント
①使い捨て手袋やポリ袋を使い、なるべく食材に触らない。
②作ったものは、すぐに食べる。
③食べ残しは、思いきって廃棄する。

災害発生後の1人分・1週間の献立例
ある日、ある時、突然に発生する地震。その精神的ダメージによって、直後は食欲も出ず、食事にまで頭がまわらないことでしょう。それでも、私はおいしい食事を摂ることで、生きるエネルギーが得られると確信しています。
災害発生後から1週間分、備蓄食材を使った献立例を作成しました。作り方は各レシピの掲載ページをご覧ください。

今泉マユ子 (著)
出版社 : 清流出版; A5版 (2016/8/4)、出典:出版社HP

備えいらずの防災レシピ 「食」で実践フェーズフリー

「いつも」の食事を「もしも」の食事に

本書は、「いつも」と「もしも」の垣根をなくす「フェーズフリー」をキーワードに、「もしも」のときに作れるほど簡単で、「いつも」の生活で食べても美味しい料理が全35品掲載されたレシピ本です。その35品全てが3step以内で完成できるので、災害時などの「もしも」の時にも簡単に作れるようになっています。

飯田 和子 (著)
出版社 : 東京法令出版 (2020/7/30)、出典:出版社HP

はじめに

日々忙しく生活していると、忘れてしまいがちな災害や危機管理のこと。災害は、日常の延長線上で突然発生します。
私たちは、常に災害によってガス・水道・電気といったライフラインが使えない、物資が流通しなくなるといった普段の生活が途切れる事象と隣り合わせの中で生活していると言っても過言ではありません。そのような非常時に対してどう行動するか、日ごろから事前に考えておくことが重要
です。
特に、私たちの生活に必要なのが「食」です。災害などの非常時の「食」には、備蓄してあるインスタント食品や災害食で乗り切るというイメージがあると思いますが、そんなときこそ、普段から食べている食事に近いものが食べられたら、心のゆとりに繋がり、がんばろうという気持ちになれると思うのです。
2019年4月、そんな思いが伝えられる月刊誌『月刊消防』(東京法令出版)で「家で職場で防災レシピ」の連載が始まりました。そして、より多くの人に「いつも」の食事を「もしも」の食事にすることの意義を伝えるべく、11月、単行本化に向けて、プロジェクトチームが立ち上がりました。2020年1月には、レシピ35品を決め、写真撮影のロケーションや動画撮影が進み、編集作業も着々と進められました。
しかし、突然、状況が一変しました。世界で猛威を振るう新型コロナウイルスが3月ごろから本格的に日本国内でも蔓延し、4月7日には7都府県、4月16日には全都道府県に緊急事態宣言が出され、一人ひとりが危機感を持ちながら日々を過ごす生活が続いていました。
そんな状況の中で我々も、出版をしていいかどうかを相当悩みました。
しかし、こんな時期だからこそ、現状を理解し、現実と向き合い前進しようというメッセージを伝えることがこの本を出す意義であると強く感じ、チーム全員で検討した結果、1日も早く皆さまのお役に立てるよう、『備えいらずの防災レシピ「食」で実践フェーズフリー』を出すことを加速させました。

つくったことのない料理を「もしも」のときにつくるのは難しいと思います。この本は、非常時のためだけの本ではなく、「いつも」の食事を楽しんでいただくことで、「もしも」に繋がるよう、日常時と非常時にいずれにも必要とされる「フェーズフリーな食」を提案した内容になっています。
食べることは、生きることに不可欠で、どんなときでも必要です。だからこそこの本で、これから続く新しい生活様式の中でも食べる力を養ってほしいと思っています。

2020年6月
飯田和子

飯田 和子 (著)
出版社 : 東京法令出版 (2020/7/30)、出典:出版社HP

Contents目次

はじめに
1「食」は、どんなときも、チカラになる!
「いつも」の食事を「もしも」の食事に-著者飯田和子インタビュー
2つくる前に知っておきたいこと
3備えいらずの防災レシピ35sellection

主食編
湯せんでできる!カンタンご飯
おなかにやさしい!ふっくらおかゆ
絶品!お豆がたっぷりトマトソースパスタ
長芋が決め手!ふわふわお好み焼き
大根の風味と旨味を味わおう!大根もち
湯せんでできる!ふんわり蒸しパン
フライパンでできる!本格スコーン
具をいっぱいのせちゃえ!フライパンピザ
棒に巻きつけて楽しい!ぐるぐるパン
カラダを温める!具だくさんミルクヌードルク
ラムチャウダー風味!スープそうめん

副菜編
塩昆布が決め手!お豆と切り干し大根の和え物
乾物のほうれんでつくる!ツナとほうれん草の和え物
おいしさ際立つ!基本のポテトサラダ
シャキシャキ食感!わかめとコーンの和風サラダ
冷蔵庫の残り野菜で!塩昆布で即席漬け
煮豆をカンタンに!黒豆のサッと煮
ピーラーでつくる!ひらひらにんじんサラダ

主菜編
ふっくら仕上げ!カンタン蒸し鶏
トマト缶が決め手!ウインナーと大豆のトマト煮込み
味付け不要!加熱も不要!さば缶と切り干し大根の煮物風
湯せんでできる!ぷるぷるオムレツ
しみうま!凍り豆腐の煮物
栄養バッチリ!お麩の炒め物

汁物・飲み物編
カラダほっこり!具だくさんシチュー
鮭の中骨缶でつくる!ほっこり団子汁
みそ味もいいけどトマト味もね!洋風すいとん
実は、みそと緑茶は合うんです!郷土料理茶節
だしと酸味がマッチ!梅干しと海苔のお吸い物
栄養をプラス!きな粉ドリンク
マイボトルでできる!お手軽経口補水液

スイーツ編
あんもちがあったかおやつに変身!ミルクぜんざい
やさしい味わい!もっちりきな粉ミルク団子
ザクザク食感!乾パンチョコスティック
懐かしの味わい!カンタンきな粉玉

索引
あとがき

飯田 和子 (著)
出版社 : 東京法令出版 (2020/7/30)、出典:出版社HP

災害時の食のお役立ちBOOK (メイトブック)

安心・安全の備えに

本書は、「子どものためにできることは何か」という視点から、災害時の食事について述べられています。災害時に実際に作れるレシピに加えて、災害に備えてどのような備蓄をしておけば良いのか、災害が起きたらどのように動けば良いのかなどについても掲載されているので、災害時の具体的な知識も身に付けることができます。

国崎信江 (監修), 井上 秀一 (イラスト), 大沢 幸子 (イラスト), 畠中美幸 (イラスト), マルオアキコ (イラスト)
出版社 : メイト; 初版 (2019/8/1)、出典:出版社HP

Contents

はじめに
①被災時に役立つ備蓄とレシピ集
災害時の「食」を知ろう –
「食」の備蓄
「ポリ袋調理法」の手順
混ぜるだけレシピ
混ぜる+加熱レシピ
切る+混ぜる+加熱レシピ
切る+混ぜる+焼くレシピ
食器は工夫して使おう
トピックス 東日本大震災から学ぶ 災害時の「食」

②災害時の「食事」
災害時の食事提供の考え方①
「預かり備蓄システム」の活用
食料の備蓄は何日分必要か?
「流通備蓄」による負担の軽減
何を備蓄すればよいか
災害時の食事提供の考え方②
食事提供再開に向けた園全体の動き
災害時の食事提供の流れ
食材納入業者との連携」 断水時の調理のコツ
ライフラインの代替品を準備する
献立をどうするか
3~5歳児への食事対応
1~2歳児への食事対応
0歳児への食事対応
乳児用液体ミルクを活用する –
食中毒を避けるために

③ 食物アレルギー児への対応
食物アレルギーとは一
災害時の食物アレルギー対応
食物アレルギーをもつ子どもへの食事提供
アレルギー症状が発生したときの対応
食物アレルギー児のための備蓄

④ 災害に向けた環境整備
園の災害リスクを知る
園舎の防災対策の基本
調理室の被害軽減対策
ライフラインの復旧方法
食に関わる地域・行政との連携
食に関わる保護者連携
災害時の連絡手段
防災マニュアルを作成する
食事提供訓練を実施する
ファーストミッションボックスのすすめ
子どもたちへの防災教育
あとかたづけと災害ゴミ

⑤ 災害発生! どう動く?
地震が起きたときの初動対応 1
調理中に地震が起きたら
食事中に地震が起きたら
園が避難所になったとき
災害時のトイレ
災害時に大切な口腔ケア
子どもがケガをしたら
災害時の医療体制

⑥巻末付録
施設・備品の安全管理チェックリスト
防災体制セルフチェックシート
備蓄品チェックリスト
園舎被災状況チェックシート(例)
被災状況一覧(例)
「預かり備蓄システム」依頼例
アレルギー対応備蓄チェックシート

国崎信江 (監修), 井上 秀一 (イラスト), 大沢 幸子 (イラスト), 畠中美幸 (イラスト), マルオアキコ (イラスト)
出版社 : メイト; 初版 (2019/8/1)、出典:出版社HP

はじめに

読者のみなさんは、災害時の備えについて、保護者の引き取りまでに提供する非常食の備蓄ばかりを気にされていませんか。通常保育を再開するために重要な、もう一つの食事提供の備えも欠かせません。ライフラインが長期間途絶えていて、食材も納入業者から届けられない状況下で 食事を提供するのは想像以上に大変なことです。食材の安定供給のための体制づくりや、断水時の食中毒防止策、限られた燃料、食材、人材で効率よく調理するための手順やレシピの開発、ライフライン代替品の確保や訓練など、事前にすべき対策が山ほどあります。 子どもにとって、食事はつらい被災生活での喜びの一つです。日常生活を取り戻すことが心の安定につながることを鑑みれば、一日も早く食べ慣れている食事を提供していくことが重要になります。食事で子どもたち の笑顔を引き出せるように、この書をご活用いただければ幸いです。

危機管理教育研究所
代表 国崎信江

国崎信江 (監修), 井上 秀一 (イラスト), 大沢 幸子 (イラスト), 畠中美幸 (イラスト), マルオアキコ (イラスト)
出版社 : メイト; 初版 (2019/8/1)、出典:出版社HP