ビジネス教養 地政学 (サクッとわかるビジネス教養)

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世界情勢を理解する視点を身につける

インターネットが普及した現在、世界はどんどん小さくなっています。この時代に教養として重要度を増しているのが、地球全体をマクロな視点で捉え、世界各国の動向を分析する地政学です。世界的な動きを正確に把握するには、地政学的な視点が絶対に必要なのです。本書は、世界情勢を理解する視点を身につけるための地政学について解説しています。

奥山 真司 (監修)
出版社 : 新星出版社 (2020/6/13) 、出典:出版社HP

はじめに introduction

国際政治が「劇」なら、地政学は「舞台装置」
国家の裏側にある思惑をひも解くスキル

現在では、インターネットを通じて海外のニュースに触れる機会も増え、ひと昔前にははるか遠い存在だった“国際情勢”というものがずいぶん身近になりました。世界はどんどん小さくなり、グローバル化が進んだ現在、教養として重要度を増しているのが、地球全体をマクロな視点でとらえ、世界各国の動向を分析する地政学です。

では、地政学とは何なのでしょう。研究者によってさまざまな答えがあると思いますが、私は「国際政治を冷酷に見る視点やアプローチ」と考えています。多くの日本人が思うよりも、国際政治での国家のふるまいは冷酷で残虐です。ここでいう“冷酷”とはどういうことか、詳しいことは、本編を読んでいただければおわかりになるはずです。

2020年現在、新型コロナウイルスの受延により世界中で未曾有の大混乱が起こっています。この混乱の背後で、アメリカと中国は世界の覇権をめぐって“新冷戦”ともいえる頂上決戦を行っているのにお気づきでしょうか?この決戦は、世界の将来を左右するものですから、海外で活躍するビジネスマンなどは当然として、ほとんどすべての人に影響を与えるでしょう。こうした世界的な動きを正確に把握するには、地政学的な視点が絶対に必要なのです。

例えるなら、国際政治を「劇」とすれば、地政学は「舞台装置」です。「劇」の裏側で、そのシステム全体の構造を決めているのは「舞台装置」ですから、国際政治の表面的な部分だけでなく、その裏にある各国の思惑を理解するには、地政学の考え方を身につける必要があるのです。

本書を通じ、今後ますます混乱する世界情勢を理解する視点を身につけていただければと思います。

奥山真司

奥山 真司 (監修)
出版社 : 新星出版社 (2020/6/13) 、出典:出版社HP

サクッとわかるビジネス教養 地政学 CONTENTS

はじめに
地政学とは…地理的に衝突が頻発する3大エリアをめぐる“国のふるまい”の研究
地政学を戦略に活用すれば“道”や“要所”をおさえてエリアを一気に支配できる
地政学を知ると見えてくる世界の姿
Column 01 昔のセオリーがドイツやイギリス、アメリカで体系化されてきた! 地政学の歴史

Chapter 1 地政学のルールを理解せよ! 基本的な6つの概念
基本的な概念1 地政学を駆使すれば世界を「コントロール」できる?
基本的な概念2 他国をコントロールする戦略「バランス・オブ・パワー」は、要するに猿山理論
基本的な概念3 「チョーク・ポイント」をおさえて国家の命綱である「ルート」を支配する
基本的な概念4 国際的な紛争に見え隠れする「ランドパワー」と「シーパワー」の正体
基本的な概念5 大きな紛争は「ハートランド」のランドパワーと「リムランド」のシーパワーの衝突
基本本的な概念6 国同士の衝突の火種に!? コントロールに必須の「拠点」の重要性
Column 02 その他の地政学の基礎概念「ビジュアライゼーション」と「大戦略」

Chapter 2 関係国とのリアルな情勢を知る 日本の地政学
地政学で考える日本の特徴
Question 01 結局のところなんで北方領土はロシアから返還されない?
Question 02 アメリカにとって沖縄米軍基地は完壁な拠点って本当?
Question 03 “世界の警察”たる米海軍の要!?米海軍横須賀基地の“世界一の設備”とは?
Question 04 対馬列島、尖閣諸島…衝突の根底にある“近海の争い”って何!?
Question 05 抑止力はわかるけど…それ以外、米軍って日本にどんな意味がある?
Question 06 今の段階では北挑戦のミサイルを恐れる必要はない?
Column 03 地政学戦略に深く関わる!「島国」や「半島」「内陸国」など国土のカタチの特性

Chapter 3 世界を動かす大国の戦略が見える アメリカ・ロシア・中国の地政学
地政学で考えるアメリカの特徴
Question 01 三大戦略地域Ⅰ アジア 中国の成長に対するアメリカの思惑は?
Question 02 三大戦略地域Ⅱ 中東 アメリカと中東諸国の関係って今どうなってるの?
Question 03 三大戦略地域Ⅲ ヨーロッパ 重要なボイントはボーランドと中東のトルコ?
Question 04 トランプ大統領の思い描くアメリカの未来とは?
地政学で考えるロシアの特徴
Question 05 ウクライナともめたけどロシアのクリミア併合にはどんな意味がある?
Question 06 P36にも登場したけど「北極海ルート」はロシアと日本にどんな影響が?
Question 07 ロシアの動きに大きく関わる「黒海・北極海ルート」以外の4ルートの現状は?
Question 08 プーチン大統領はロシアの将来的な戦略をどう考えている?
地政学で考える中国の特徴
Question 09 なぜ今になって中国は海洋進出を始めたの?
Question 10 明以来、2度目! 海に出る中国のいかにも“陸の国”らしい海洋進出アプローチとは?
Question 11 現代版シルクロードといわれる「一帯一路」とは“いったい”どんな構想なの?
Question 12 インドや東南アジアが反発!? 中国は水をめぐって周辺国と対立しているって本当?
Question 13 世界情勢を大きく変える! 新型コロナウイルス後の世界は中国がさらに台頭?
Question 14 習近平国家主席の思い描く中国の未来とは?
Column 04 広大な領域を支配! 地政学でよく登場する歴史上の大国

Chapter 4 さまざまな思惑が複雑に絡み合う アジア・中東・ヨーロッパの地政学
地政学で考えるアジアの特徴
Question 01 中国の裏で実は急成長。台頭するインドと中国の対立について教えて!
Question 02 東南アジアのベトナム・ラオス・カンボジア・タイと米中の関係って?
Question 03 小さな都市国家なのにシンガボールが発展したのは地政学的な優位性のおかげ?
地政学で考える中東の特徴
Question 04 ISは崩壊したのに混乱の増すシリア内戦…なぜこんなに衝突が続く?
Question 05 最近、さらに関係が悪化。そもそもイランとアメリカはどうして対立するの?
Question 06 意外と国土の広い中東の大国サウジアラビアとトルコは米露とどんな関係?
Question 07 イスラエル? パレスチナ? エルサレム? 宗教も絡んでよくわからない問題を歴史から整理して!
地政学で考えるヨーロッパの特徴
Question 08 EU離脱も地政学的にはイギリスの伝統的な戦略って本当?
Question 09 地政学的に不利なはずなのに現在、ドイツが優勢なのはEUのおかげ?
Question 10 自由・平等・博愛の国なのにフランスではなんであんなにテロが多いの?
Question 11 「ユーロ危機」の原因になったギリシャを救ったのは地政学的な優位性?
これまでの秩序が一新され、新しい世界になる可能性を秘めた米中による新冷戦のカタチとは
おわりに

STAFF
デザイン 鈴木大種、仲條世菜(ソウルデザイン)
イラスト 前田はんきち
DTP 高八重子
企画 千葉慶博(KWC)
編集 田山康一郎(KWC)、阿部雅美
編集協力 藤田健児

奥山 真司 (監修)
出版社 : 新星出版社 (2020/6/13) 、出典:出版社HP