100万人が笑った! 「世界のジョーク集」傑作選 (中公新書ラクレ)

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珠玉のジョーク集

軽いジョークから、ブラックジョークまで気分転換になります。理屈っぽい部分があるので読み直しながら、なるほどと思って感心できるような本です。国が変われば笑いの沸点も内容も異なるので、そういった視点でも楽しめる一冊です。

早坂 隆 (著)
出版社 : 中央公論新社 (2011/11/9)、出典:出版社HP

まえがき

東日本大震災により、日本は先の大戦以来の国難に直面しているとも言われている。下を向きたくなるような報道が多くなるのは当然だが、こういう時こそ「笑い」の持つ力について改めて素直に信じたい。「がんばろう」が今の日本の合い言葉となっているが、この語句の由来は「顔が晴れる」にあるという異説もある。苦しい時こそ、「笑い」で涙の雨を払いたい。浮世の命あるものの中で、笑うことができるのは人間だけなのだから。

被災地を訪問した際、とある避難所で、一人の中年男性にこう言われた。「あなたのジョーク集、持っていたんですがね。津波で本棚ごと流されましたよ。こいつは失礼しました」
彼はそう冗談っぽく言って笑うのである。彼はこう続けた。「今、一番読みたいのはああいう本ですね。また、頑張って書いてくださいよ」

被災者に逆に励まされてしまう未熟な私であった。その他、直接の被災者ではない全国の読者の方々からも、「変に難しい理屈の本よりも、明るさがあって素直に心に届くようなものを今は読みたい」という声を数多くいただいた。 本書は以上のような言葉から生まれ落ちたようなものである。本書は拙著『世界の紛争地ジョーク集』『世界反米ジョーク集』『世界の日本人ジョーク集』『続・世界の日本人ジョーク集』『世界のイスラムジョーク集』『日本の戦時下ジョーク集満州事変・日中戦争篇』『日本の戦時下ジョーク集太平洋戦争篇』からの傑作選である。『中央公論』に発表した原稿も含まれている。適宜、文章に加筆、修正などを加えた。

最近は元々の本業である日本の近現代史に関する著作が続いていたが、久方ぶりのジョーク関連の本となった。 少しでも皆様の心の慰めになればと祈りつつ。

早坂 隆 (著)
出版社 : 中央公論新社 (2011/11/9)、出典:出版社HP

目次

まえがき
第一章 紛争地で笑え!!
◎紛争地にある「笑い」

【イラク】
誰が助かった? 誘拐事件 –
◎フセイン時代のイラク
結婚の決め手
二人の妻
助かった理由
行列
演説
攻撃の理由
大統領への質問
【パレスチナ】
大いなる矛盾
合格発表
◎パレスチナに響く笑い声
必死の捜索
ユダヤ人のバー
できるかな?
母と娘の会話
切手
モーゼ
消えた嘘つき
無料の床屋
狡猾
飛行機にて
【イスラエル】
◎賢い者ほどよく笑う
妙薬
アラブの子だくさん
ポーカー
死亡診斷書
ポラックとポッパー
【シリア】
◎シリアジョークの主人公
ピザ屋にて
ゆで卵
後悔
【レバノン】
◎アブ・アベドおじさん
激闘の理由
忘れ物
ダイエット
誰に!
重病
議会

なまけもの
【ルーマニア】
◎マンホールに住む人々
水着の中身
◎大行列とジョーク
謎のコップ
ブラはどこに?
マイクロソフトの車
名医?
再会
誰と?
強姦事件
サーカス
何の情報?
サバイバル
【他の東欧諸国】
バナナの皮(ブルガリア)
証言の食い違い(チェコ)
産み分け?(チェコ)
兄弟とは?(ポーランド)
ハンガリー人とロシア人の会話(ハンガリー)
埋葬(クロアチア)
作戦(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
◎ボスニア内戦
犯罪自慢(マケドニア)
欲の皮?(コソボ共和国)
大気成分(コソボ共和国)

地獄に落ちたネオコン
【九・一一】
確率
◎グラウンド・ゼロを訪ねて
【民族性】
第二章 アメリカを笑え!
◎反米論を越えて
【軍事大国】
野蛮の定義
本屋にて
◎戦争国家という側面
世界最強の軍隊
◎アメリカニズム
非常識
アメリカ人的行動?
口論
アメリカ流モデル
【健康】
驚くべき調査結果
人間の矛盾その一
人間の矛盾その二
◎肥満に悩む国
一○キロ減
ケーキの誘惑
◎今後の日米関係

第三章 日本人を笑え!その一
◎日本人が登場するジョーク
【ハイテク国家】
不良品
青いキリン
◎なぜ日本人がこんな所に?
サウナにて
◎モノづくり大国
死刑執行
四段階
◎独創性に溢れる発明品
正確な答え
◎世界中の家庭にある日本製の家電
メイド・イン・ジャパン
タクシー
遺品の行方
最先端手術の結果
◎メイド・イン・ジャパンの実力
橋の建設
橋の造り方
死人に口なし
日本の地獄と中国の地獄
象の本
◎小型化を図る国民性
ロボット秘書
新・世界の七不思議?
◎日本のフルーツ
宇宙進出 修理工場
【経済大国】
レストランにて
献金
◎豊かなお金持ち国家
病院にて
面接
なくしたもの
【日本的経営】
作文
日本的経営手腕
◎定番のビジネスマンジョーク
経営の合理化
クビ
日伊の違い その
日伊の違い その二
ビジネスチャンス
【勤勉・勤労】
◎世界の教育大国
望み
◎努力を惜しまない人々
ジャパニーズ・ビジネスマン
◎長い就労時間
【アイデンティティ】
早く飛び込め!
◎集団主義
秘境にて
遅刻の対処法
◎正確なダイヤ
どちらが遠い?
◎異なる文明圏の国
◎自分たちは世界からどう見られているのか

第四章 日本人を笑え! その二
◎ジャパニーズ・クール
【優秀】
脳の値段
症状改善
◎世界に最も好影響を与えている国
【日本食】
魚の効能
まずい料理
◎世界に広がる日本食
鯨の代わり
主食
【英語が下手】
肉屋にて
◎日本人の英語の発音
【大和撫子像】
キョウトの夜
幸福論
◎日本女性へのイメージ
理想の結婚相手
憧れのフジ
◎ゲイシャとジャポルノ
【宗教】
奇跡
◎ヨーロッパでの「ゼン」ブーム
【スポーツ】
ワースト
日本人プレーヤーの特徴
こんな人もいる
【マンガ】
各国のベストセラー
◎世界に進出する日本のマンガ
グローバリゼーションとは何か
【外交】
日本を怒らせる方法
本音
日中の仲
◎日本らしさとは

第五章 戦時下で笑え!
◎笑いを大切にする民族性
「尤もな話」
「天気予報」
◎雑誌に欠かせなかったジョークコラム
「それも一理」
「問題は簡単」
「論より証拠」
「親の情」
「相身互い」
「先刻御承知」
美代子・一蝶「燃えたシガー」
◎日本とヒトラーとの関係
「一対一」
「名は体を現す」
◎第一次近衛内閣の発足
「共産主義」
○共産主義に対する危機感
「排日、抗日」
「落葉の頃」
◎戦時中も行われていた大相撲
「似たもの夫婦」
「どなり組」
◎隣組と『ドリフ大爆笑』の意外な接点
「彼の戦法」
◎欲しがりません勝つまでは
「落書き」
「落書き」
「代用品」
「鯨」
「配給」
◎配給制度の定着
◎社会の矛盾を皮肉る狂歌
狂歌
『小原節』の替え歌
◎『愛国行進曲』の替え歌
替え歌『愛国行進曲』
「嫌天下」
「誤診」
「一人きり」
◎きのこ雲の下の芸人たち

あとがき 東日本大震災に関して
◎自然災害と日本人
◎阪神・淡路大震災の際の「笑い」
大震災の中で その一
大震災の中で その二
大震災の中で その三
大震災の中で その四
◎今こそ平成の「笑いの力」を

10万人が笑った! 「世界のジョーク集」傑作選

イラスト/つだゆみ 本文DTP/市川真樹子

早坂 隆 (著)
出版社 : 中央公論新社 (2011/11/9)、出典:出版社HP