注目のサブスクリプションを知る4冊

何かの商品・サービス入手する・また使用するとき、どのように選択して購入するでしょうか。

現在は「サブスクリプション」というビジネスが世界の中で潮流となっております。サブスクリプションとは何なのか、「定期購読」、「定額」、「メンバーシップ」、および「ストックビジネス」を意味します。 毎月や年間定額を支払うことで、毎月・年間に製品を入手し、サービスを継続的に使用できます。 この方法で製品やサービスを提供する企業の数は増え続けており、これは近年人気が高まっているビジネスモデルです。

なぜ、サブスクリプションは注目を集めているのでしょうか。今回はサブスクリプションの本質を知る4冊をご紹介します。

サブスクリプション2.0 衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル

日経クロストレンド (編集)
日経BP (2019/6/21)、出典:出版社HP

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本書は、サブスクリプションの実例を検証して、成功法則を探っていく本です。これまで、音楽や動画で、成果を上げてきたサブスクですが、これまでとは異なる変化が起きているといいます。それは、メーカーの参入、シェアの概念、個別カスタマイズです。しかし、撤退する企業が出始めており、簡単なビジネスモデルではありません。そこで、1章では衣、2章で食、3章で住、4章で動、5章で楽とテーマごとにサブスクの事例を検証しています。
6章では撤退事例から、失敗をしないための教訓を調べ、7章ではサブスクを成功させるための基準について記されています。

1章では、ラクサスやメチャカリなどが紹介され、買い切りの場合と比べて、低価格でありながら、高い価値の提供を行うための仕組みについて説明されています。2章では、金の蔵やキリンビールのホームタップなどの事例を取り上げています。3章では住居のサブスクやメニコンのメルスプランが取り上げられており、サブスクがもたらすメリットが多いことがわかります。4章ではトヨタや日産ボルボなど、自動車メーカーがサブスクに参入し、試行錯誤を繰り返していることがわかります。

5章では、エンターテイメントのサブスクの事例が挙げられ、U-NEXTの戦略やエステとジムの中間の店舗を展開するネクシィーズについて、かなり詳細に説明されています。6章では、サブスク事業から撤退した事例を取り上げ、その業種ならではの困難や、新規顧客の獲得と継続率の維持の課題が理解できます。7章は、サブスクリプションの成功のための5つの要点と題し、サブスクに参入する際に直面する課題をどのように対処すべきかをまとめています。

サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

ティエン・ツォ (著), ゲイブ・ワイザート (著), 桑野 順一郎 (監修, 翻訳), 御立 英史 (翻訳)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP

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本書は、サブスクリプションの基本的な解説書です。著者は、ビジネスが歴史の転換点を迎え、今後のビジネスの目標は、特定の顧客の欲求とニーズに向けて継続的な価値をもたらすサービスを創造することであると主張しています。これまでは、より良い製品を開発し、販売することで、収益を上げることが一般的でしたが、今後は、顧客の求めるサービスを追求し、提供する、製品中心主義から顧客中心主義への転換が起きているといいます。

現在のサブスクの新たな事業が生み出されている状況は、サブスクリプション・エコノミーと呼ばれ、所有から利用への転換を背景として、徐々に規模を拡大しています。本書でも、様々な産業にサブスクが大きな影響をもたらすことを示唆しており、人の移動、小売、メディアを例に、今後の展望を示しています。また、アドビがサブスクに転換した事例に関して、著者は大きく評価しており、従来の短期的な業績の評価から、長期的な業績の判断への転換や外部と内部の意識の改革の必要性を主張しています。

本書の後半では、実際にサブスクリプションの導入を考えるときに、具体的な事例を挙げて、サブスクのビジネスモデルで成功するための方法について解説されています。サブスクは、従来のビジネスモデルとは構造そのものから違うために、企業が新たに参入する際に、混乱を招く恐れがあります。また、顧客により高い価値を提供することが必要となるために、会社の変革は不可欠です。それらの対処法についても書かれているため、サブスクをより、身近に感じられるかもしれません。

サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ

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サブスクリプションは、昔から存在していましたが、インターネットの発展により、所有から利用への大きな変化が起き、現代社会の中心に躍り出ました。この流れは、継続し続け、今後も止まることも無く、加速し続けると筆者は予想しています。確かに、サブスクは、膨大な情報から判断を下す際の手間を省く利用価値を持っており、デジタル化が進行し、情報化が顕著である現代社会に適合しやすいでしょう

。本書では、サブスクを多面的に捉え、所有から利用へ消費者の嗜好が変化した、これまでの潮流の変化から、サブスクの成功条件、成功事例が第1章で紹介されています。第2章では、ミレニアル世代の消費に対する価値観の特徴に触れ、ビジネスモデルの転換をAdobeの事例を挙げて、説明しています。

さらにプラットフォーム型企業のサブスクについても紹介し、現在有名なサブスクの事業者が如何にして、顧客価値を高めているのか、企業戦略について詳細に解説しています。第3章では、アメリカのサブスク事情に焦点を当て、サブスクのタイプによる違いの説明から、ミールキットサブスクや美容、シェイビングなど、比較的新しい分野のサブスクの状況についても具体的な事例を紹介しています。

日本でも今後、アメリカのような、サブスクがあらゆるサービスに入り込む可能性が高いのではないでしょうか。第4章では、少子高齢化や格差の拡大懸念、AIがもたらす産業の変化を取り上げ、今後の社会について著者の意見を記しています。第5章では、あらゆるモノがサブスクになると予想し、自動車産業、コンテンツ産業、外食産業、家具、家電市場など、消費が当たり前だった業界にもサブスクへの転換が図られる可能性を指摘しています。サブスクがどれほど大きな潮流であるのかを実感させられます。

事例で学ぶサブスクリプション

小宮紳一 (著)
秀和システム (2019/9/12)、出典:出版社HP

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サブスクリプション、略してサブスクという言葉が現在、世間を賑わせています。本書では、国内24社、海外19社の計43社の事例を紹介し、サブスクの本質を明らかにしようとしています。序章では、サブスクの基本的な説明から、ITの進歩や消費者意識の変化、物流の高度化などの飛躍的にサブスクを進化させた要因などについて紹介しています。

第1章では、新しいサブスクのタイプをクラウド、ネット配信、定額で使い放題、フリーミアム、レコメンド系などに分けて、ビジネスの形態について解説しています。第2章では、国内の事例をIT・ビジネス、ファッション、エンターテイメント・メディア、ライフスタイル、美容・コスメとパートに分けて紹介し、第3章では、化粧品、アンダーウェア・洋服、カルチャー系、スイーツ・嗜好品・食材、日用品・子ども用品など幅広い分野から海外の事例を紹介しています。

第4章は、サブスクを支える物流やITを含めたシステム構築のコンセプトについて紹介しています。第5章では、サブスクのビジネスプランの立案の仕方と注意点について解説しています。本書で注目すべきは、国内の事例の豊富さです。

事例で学ぶ、とタイトルにあるように、最もページ数が割かれており、弁護士ドットコムやオフィスおかん、ラクサス、NewsPicksなどの事例が紹介されています。その企業独自のサービスや顧客に提供している価値を明らかにしており、ベストプラクティスを探すきっかけにもなります。本書は平易な文章で書かれているため、サブスクの入門にも利用できそうです。

週刊ダイヤモンド 2019年 2/2 号 [雑誌] (トヨタ・パナ・ソニーも参戦 サブスク革命)

ダイヤモンド社 (著), 週刊ダイヤモンド編集部 (編集)
ダイヤモンド社 (2019/1/28)、出典:出版社HP

現在、日本では「サブスクリプション」が注目を浴びていますが、本書は、そのサブスクリプションの説明とこれまでの経緯、日本での今後の展望について特集しています。サブスクリプションとは、一般的に定額制のサービスを指します。しかし、従来の新聞の定期購読などとは異なり、顧客の要望などに応じて、サービスを更新していくものが主流となりつつあります。なぜ、サブスクリプションが注目を浴びているのでしょうか。

本書では、その概要と企業間の競争の様子をまとめています。本書でも取り上げられていますが、世界的に有名なサブスクリプションは、アマゾンプライム会員やNETFLIX、マイクロソフトオフィスでしょう。これらの企業は、株式時価総額が上位に入っており、高収益企業の代表と考えられています。実は、その好調な業績を支えているのがサブスクリプションと言われています。

サブスクリプションは、企業に安定的な収益をもたらし、顧客にとっても、常に新しいサービス、個人に最適化されたサービスを受けられる、初期費用が抑えられるといったメリットがあります。企業と顧客双方にメリットがあるために、優れたビジネスモデルに思えますが、実際は、明暗がはっきりと別れる厳しい側面もあります。

現在も、様々な業界で、大企業、スタートアップ企業によって、サブスクリプションの導入が進められており、競争が激化しています。所有から利用へ、という消費者の嗜好の変化が、このビジネスモデルの大きな変化をもたらしたと言えますが、常に顧客のニーズに応え続けることは容易ではありません。また、競合他社との優位性を常に保つことへの課題は永遠に続くでしょう。変化し続けることが求められるサブスクリプションは、今後どのように私たちの生活に入り込むのかを考えさせられます。