宇宙探査機・ロケット (最先端ビジュアル百科「モノ」の仕組み図鑑)

【最新 – ロケットを理解するためのおすすめ本 – 入門からロケット工学まで】も確認する

ロケット・探査機をイラストや写真で見る

世界初のロケットから最新の探査機まで、15種類の宇宙探査機・ロケットの内部のつくりを精緻なイラストで説明し、活動中の宇宙機の様子を写真とともに紹介しています。これまでの宇宙機の歴史から民間宇宙機の未来までがわかります。

スティーブ パーカー (著), 上原 昌子 (翻訳)
出版社 : ゆまに書房 (2010/5/1) 、出典:出版社HP

もくじ

はじめに
V-2ロケット
スプートニク1号
エクスプローラー1号
ボストーク1号
サターン5型ロケット
パイオニア11号
ボイジャー2号
スペースシャトル
マゼラン
ハッブル宇宙望遠鏡
カッシーニ・ホイヘンス
スピリットとオポチュニティー
ビーナス・エクスプレス
スペースシップワン
国際宇宙ステーション
用語解説

スティーブ パーカー (著), 上原 昌子 (翻訳)
出版社 : ゆまに書房 (2010/5/1) 、出典:出版社HP

はじめに

大昔は、街灯も電灯も、ロウソクさえもなく、ただ赤々と燃えるたき火があるだけだった。古代の人々には、夜空にうかぶ月や惑星や恒星を、そしてそのほかのきらきらと光るたくさんのごく小さな点を見上げる時間があったんだ。そうして、はるか遠くのなぞめいた暗い世界の中に神話が生まれていった。1610年ごろから、望遠鏡を使って夜空の小さな点をもっと大きくして見るようになった。おかげで天文学者たちは、この小さな点が遠くはなれた天体で、「宇宙」というとてつもなく広い空間を動いている、と気がついたんだ。

地球の軌道にのるゆめ
1900年代初め、当時、学校の先生だったロシア人のコンスタンチン・ツィオルコフスキーは、「ロケット」という機械を使うことで、地球の重力からのがれ、地球の軌道にのれると考えついた。この軌道とは、地球の周りをぐるぐると回り続ける「終りのない落下」の道すじなんだ。1920年代になると、アメリカ人のエンジニア、ロバート・ゴダードが、姿勢や方向を調節できるロケットを初めてつくり、「ロケット」は現実のものとなった。そして、第2次世界大戦(1939~1945年)には、世界初の大型長距離ロケット、V-2が現れた。もともとミサイル兵器として設計されたものだったが、人間がつくったものとして、世界で初めて「宇宙」という、地上から高さ100キロメートルより上の空間にとどいたんだ。

宇宙開発競争
1950年代の「冷戦」は、2つの世界超大国、アメリカとソ連(現在のロシアとその近くの国々)の力くらべだった。2つの国がくり広げた「宇宙開発競争」で、ソ連は3つの大きな「世界初」を成しとげた。人工衛星、人間、そして宇宙ステーションを、それぞれ初めて地球の軌道にのせたんだ。アメリカはもっと長い期間をかけた目標に向かって進み、これまでで最も力のあるロケット、サターン5型ロケットを開発した。このロケットは、世界で初めて人類を別の天体に送りとどけた——1969年、アポロ11号の月面着陸だ。

土星着陸
2004年、打ち上げから7年たって、宇宙探査機カッシーニ・ホイヘンスが土星にたどりついた。着陸機ホイヘンスは土星を回る周回機カッシーニから分かれ、土星の巨大な月、タイタンヘパラシュートを使っておりていった。この着陸までの動きは自動でおこなわれたが、何も問題なくうまくいったんだ。

宇宙は大にぎわい
今の時代、国際宇宙ステーションへ行くことがニュースになる。でも、宇宙探査機はもっとずっと遠くまで出かけているんだ。太陽を回るすべての惑星や、その惑星を回る衛星、または小惑星やすい星など、もっと小さな天体にも行っている。探査機が発見したことは、宇宙がいつどのように始まったかを知る手がかりになっているんだ。そして、わたしたちの毎日の生活にずっと身近でもっと役に立っているのが、地球を回っている何百もの人工衛星だ。テレビ中継や、電話やコンピューターの通信ができるようにしているのも人工衛星だし、天気の予想や地球温暖化の見はり、またスパイ活動にも使われているんだ。

スティーブ パーカー (著), 上原 昌子 (翻訳)
出版社 : ゆまに書房 (2010/5/1) 、出典:出版社HP