東大名誉教授がおしえる やばい世界史

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「すごい」と「やばい」で世界史を学ぶ

世界の偉人の「すごい」エピソードと「やばい」エピソードがまとめられています。それぞれ見開き1ページ程度でまとめられているのでテンポよく読めます。子どもでも読みやすい内容なので、歴史に興味を持つきっかけ作りにもおすすめです。

滝乃 みわこ (著), 本村 凌二 (監修), 和田ラヂヲ (その他), 亀 (その他)
出版社 : ダイヤモンド社 (2019/7/18)、出典:出版社HP

はじめに

犬や猫に心はあるのでしょうか。少しはあるかもしれないが、人間ほどではないだろうというくらいで話題は終わります。
しかし、人間は心身ともにすこやかであることを願っています。それほどに、身体とともに「心」や「精神」が大きな意味をもっています。そのために、近代になると、「身体の医学」ばかりでなく、「心の医学」も注目されてきました。

人間の心を研究する学者のなかでも、20世紀を代表する大家にユングというスイス人がいます。あるとき、かれは「精神が狂っていない人がいるなら見せてもらいたい。わたしがその人を治してあげよう」と忠告しました。

ユング先生の言いたいことは、心や精神が完全に正常である人間などいるわけがないということです。人間はだれもがどこかに異常であったり、正気ではなかったりする部分をもっているのではないでしょうか。
そう思えば、偉人であっても「やばい」ところがあるのは当たり前のことです。このような目で世界史をふりかえれば、本書は「すごい」本になるかもしれません。

東京大学名誉教授
本村凌ニ

世界がどんなに広くても歴史は人できている

日本の歴史だってよく知らないのに、まして世界史なんて、ぜんぜんわからない!そんなふうに思う人がいても、この本は読むことができるので安心してください。世界史は、じつはぜんぜん難しくありません。時代も国もちがう人がつぎつぎ登場するのでややこしい感じはしますが、かれらはみんな、ただの「人」。いろんな時代の、いろんな国の、数えきれないほどたくさんの人が考え、行動した結果が積み重なってできたのが「世界史」です。

世界は広くて、その歴史は長いですが、ひとりひとりの「人」にせまることで、きっと、見えてくるものがあるはずです。

人はすごい人とやばい人でできている。

なにか「すごい」ことを成しとげた人は、歴史に名前が残ります。でも「すごい」だけの人なんて、この世にひとりもいません。生まれた場所や時代によって、人の評価はガラリと変わる。

たとえば、ある国から見れば「すごい」人も、べつの国から見るととたんに「やばい」人になることもあります。けれど、歴史に名を残した人に共通しているのはそれぞれみんな、一生懸命生きていること。ときに失敗し、そこから学び、たまに成功する。カッコいい一面もあれば、ダサい弱点もある。

だからこそ人はおもしろいのです!

滝乃 みわこ (著), 本村 凌二 (監修), 和田ラヂヲ (その他), 亀 (その他)
出版社 : ダイヤモンド社 (2019/7/18)、出典:出版社HP

もくじ

はじめに
世界がどんなに広くても歴史は人でできている
人はすごいとやばいでできている

古代 第1章 あっちこっちで リーダー誕生の時代
この時代のざっくりマンガ解説
この時代にあったことざっくりまとめ
メソポタミアを統一し法律を作った ハンムラビ ハンムラビ法典はやたら子どもに厳しい
平和な外交でエジプトを発展させた男装の女王 ハトシェプスト 教育ママとしてがんばりすぎ歯周病で死ぬ
無知の知を唱えた哲学者 ソクラテス おしゃべりばかりで働かず妻から水をぶっかけられる
「万物は流転する」と唱えた哲学者 ヘラクレイトス 牛のうんこにまみれて死亡
巨大な世界帝国を築いた天才イケメン アレクサンドロス大王 親友の太ももに夢中で怒られる
やさしい教えでインドを統一する アショーカ 王になるため兄弟を99人殺した
12才で王になり中国全土を統一する 始皇帝 スピリチュアルにハマって強毒の水銀を飲む
人気者パワーで農民から漢王朝の皇帝に成り上がる 劉邦 敵からにげるために子どもを馬車からつき落とす
英雄ふたりを手玉にとったエジプト最後の女王 クレオパトラ じつは美人でも若くもなかった
病弱だが頭脳でローマ皇帝になる アウグストゥス 人の浮気に厳しいけど自分は平気で浮気する
魏王となった三国時代の切れ者の英雄 曹操 「妻を踏んだら殺す!」と部下をおどしたのに自分が真っ先に踏む

中世 第2章 ドンパチを始めた 宗教と戦争の時代
この時代のざっくりマンガ解説
この時代にあったことざっくりまとめ
寝ずに働きローマを奪還 ユスティニアヌス アイドルに恋して法律を変えて結婚する
クールに仕事をした中国史上ゆいいつの女帝 則天武后 呪いを信じて猫を飼うのを禁止する
ムキムキパワーで西ヨーロッパを手に入れる カール大帝 娘を溺愛しすぎて絶対に結婚させる
十字軍から聖地をうばい返し敵も尊敬された英雄 サラディン じつは泣き虫で戦いに行きたくなさすぎてダダをこねる
東アジアを征服しグローバル国家・元を築く フビライ・ハン 日本のうそ情報を教えられてその気になった
叙事詩『神曲』を書きルネサンスの先駆けとなった ダンテ フラれた初恋相手への執着心がすごすぎる
500年以上続いた朝鮮王朝の初代国王 李成桂 息子たちがモメすぎて引きこもりになる
ジャンヌ・ダルクを支えてフランスのために戦う ジル・ド・レ 破産して黒魔術にハマる

近世 第3章 世界を変えた 大航海の時代
この時代のざっくりマンガ解説
この時代にあったことざっくりまとめ
大航海でアメリカに到達した探検家 コロンブス アメリカをインドと思いこんだまま死ぬ
ルネサンス最高の彫刻家であり画家 ミケランジェロ 全裸の壁画を描いて怒られ逆ギレする
インドにムガル帝国を築いた初代君主 バーブル 極度のグルメでメロンが好きすぎて泣く
ヨーロッパ征服にチャレンジし地中海を支配 スレイマン大帝 奴隷に夢中になって女と子を追い出す
ドロ沼の家庭で苦労しながらイギリスを大国する エリザベス1世 1.3cmも盛る厚化粧で表情が固まる
絶対王政で権力をふるい華麗なヴェルサイユ宮殿を作る ルイ14世 おまるにまたがりうんこをしながら命令を出す

近代 第4章 はじけた庶民と 革命の時代
この時代のざっくりマンガ解説
この時代にあったことざっくりまとめ
するどい啓蒙思想でフランス革命に影響を与える ルソー 道ばたで下半身を出してつかまる
国民にやさしく他国に厳しくして、ドイツ帝国の影を作る フリードリヒ2世 女ぎらい、人ぎらいで犬だけを愛する
16人出産しなから国を守った「国母」 シマリア・テレジア お気に入りの子どもだけひいきする
夫を倒して皇帝となり、ロシアを拡大する エカデリーナ大帝 イケメンが好きすぎて彼氏にイケメンを探させる
5才で作曲を始めた天才作曲家 モーツァルト うんことおしりが好きすぎる
国民に支持されて皇帝になりヨーロッパ統一を目指す ナポレオン 妻の浮気を悲しむ手紙が新聞にのる
南北戦争に勝利し黒人奴隷を解放した大統領 リンカン 「奴隷解放の父」だけど先住民には冷たい
外国と戦い、中国を47年間支配したゴッドマザー 西太后 庭にお金をかけすぎて戦争に負ける
共産主義を主張してカリスマになる マルクス 金に困ると家族ネタ親父にたかりまくる
「発明王」として電灯や映写機などをつぎつぎ事業化 エジソン 部下の才能をつぶすために大人気ない電流バトルをする

現代 第5章 世界のリーダー 争奪戦の時代
この時代のざっくりマンガ解説
この時代にあったことざっくりまとめ
イギリス人だけどアラブ反乱の英雄になる ロレンス ムチで拷問されすぎて気持ちよくなる
インドを非暴力で独立させたハイパー指導者 ガンジー 禁欲主義なのに若い女性と添い寝する
ヒトラーと戦い世界大戦に勝ったイギリス首相 チャーチル セレブすぎて貧しい人の気持ちがわからない
ファッションで女性を自由にする ココ・シャネル お金のためにナチスを手伝う
大統領の妻となり女性と貧しい人々を助ける エビータ 逆らう新聞社をつぶしまくり自分を教科書に登場させる
人種差別と戦いノーベル平和賞にかがやく キング牧師 パリピすぎてFBIにおどされる
ロックで世界を熱狂させ妻と平和活動を行う ジョン・レノン ソロ曲で元メンバーをめちゃくちゃディスる
きらわれても厳しい政治をつらぬいた「鉄の女」 サッチャー 国民には厳しいけど息子には激甘の親バカ
俳優から大統領になり冷戦終結に力を尽くす レーガン 悪ふざけで核戦争を起こしかける
コンピュータをみんなのものにした スティーブ・ジョブズ ストレスがたまると便器で足を洗う

参考文献

本書でご紹介するエピソードには、諸説あるものがあります。
歴史人物に親でもらうために、おもしろく演出をしてお届けしていますが、
本書の内容はかれらを批判するものではありません。
偉大な功績をのこした人物への敬意をもって編集しています。
引用については、読みやすさを考慮して一部表記を調整している箇所があります。

滝乃 みわこ (著), 本村 凌二 (監修), 和田ラヂヲ (その他), 亀 (その他)
出版社 : ダイヤモンド社 (2019/7/18)、出典:出版社HP