図解 社会人の基本 マナー大全 (講談社の実用BOOK)

【最新 – ビジネスマナーを学ぶためのおすすめ本 – シチュエーションごとのマナーを学べる本】も確認する

マナーのルールを理解する

「マナーのルールは、先人たちが、私たちに思いやりの心を発揮するために、今に伝えている生活の知恵」という考え方をベースにして、「相手のことを思って、時にはルールを破ることも出来る」と柔軟な姿勢で書かれています。

岩下 宣子 (著)
出版社 : 講談社 (2014/2/28)、出典:出版社HP

はじめに

マナーは幸福学を学ぶこと

人は、一人では生きていけません。仕事も一人では出来ません。多くの人の力が借りられて人生は、心豊かに彩られていくものだと思います。多くの人の力が借りられるのは、なんででしょうか。それは人柄だと思います。人格の力です。その人柄が出たところにマナーがあるのです。マナーは「自分がこうしたら人にどう思われるのか」という体裁を繕うのでなく「一生懸命生きる心」と「思いやりの心」なのです。

ソチオリンピックで銀メダルをとったスキー・ジャンプの葛西紀明選手は、40歳を超えても記録の更新を続けています。「何とか家族に金メダルを見せたい」という強い思いが何よりの原動力のようですが、葛西選手の周りの人に対する思いやりの心が、大きな成果をもたらしたようです。渡瀬雄太選手が団体戦に出場できないとき、「お前は、あきらめなければできる」と励まし、出場したメンバーには「渡瀬選手のために頑張ろう!」と呼びかけて心が一つになり、団体での銅メダルを獲得できたのです。

司馬遼太郎氏も『21世紀に生きる君たちへ』の中で、「人間は自然物として、決して孤立して生きられるようには作られていない。このため助け合うことが人間にとって大事なこと。助け合う気持ちや行動のもとは、他人の痛みを感じる『いたわり』という感情、『優しさ』です。この感情は本能でないので訓練して身につけなければならない。例えば、友達が転ぶ。『ああ痛かったろうな』と感じる心をそのつど自分で作り上げていけばよい」と言っています。

それでは、マナーのルールはなぜあるのかというと、人間に心の余裕をもたせるためなのです。人とのおつきあいにおいて、この場合はどうしたらよいのだろうか?などと思っていたら自分のことで精一杯になり、他者を思いやる心は発揮出来ません。

マナーのルールは、先人たちが、私たちに思いやりの心を発揮するために、今に伝えている生活の知恵だと思っています。相手のことを思って、時にはルールを破ることも出来るのです。本書でマナーのルールを理解して、より相手の立場になって考える思いやりの心を育てていただけることを念じております。

そして、この思いやりの心は、人間の脳を活性化するとある脳科学者が言っています。まさに「情けは人のためならず」ですね。

岩下宣子

岩下 宣子 (著)
出版社 : 講談社 (2014/2/28)、出典:出版社HP

図解 社会人の基本 マナー大全●目次

はじめに

1章 マナー以前の社会人必須常識
あいさつの常識
お辞儀はあいさつ言葉が終わったころから
およばれの常識
「平服」は「ふだん着」ではない
祝儀・不祝儀の常識
祝儀袋は「上向き」、不祝儀袋は「下向き」に
日常のふるまいの常識
握手をしながらお辞儀をしない
おつきあいの常識
紹介する順序は「立てたい人」を最後にする
贈り物の常識
贈り物やお礼はタイミングよく
訪問の常識
履物は前向きに脱いで背中を見せず
おもてなしの常識
お迎え3歩、見送り7歩の心がけ
食事の席での常識
箸の上げ下ろしは必ず両手で
コミュニケーションの常識
便箋1枚だけでも失礼ではない
おつきあいのお金の常識
お祝いの金額は偶数でもかまわない

2章 お祝い
招待されたとき
返信ハガキの書き方には決まりがある
招待されたとき
招待状の返事は1週間以内に出す
招待するとき
遠方での披露宴、交通費は主催者が負担
お祝いをする
自らが招く内祝い、まわりが行う快気祝い
結婚のお祝い
結婚祝いは結婚式の1週間前までに贈る
現金を贈るとき
お祝い品は希望を聞いて贈るのが一番
祝儀袋
目的と金額に見合った祝儀袋を選ぶ
祝儀袋
水引・のし紙、包み方、お祝いの作法
祝儀袋を渡す
祝儀袋は袱紗に包んで持参する
お祝いの席で
乾杯のあとは、飲み干さなくてもよい
お祝いの席で
洋食マナーのポイントは「音を立てない」
お祝いの席で
日本料理のいただき方
お祝いの席で
中座するとき、ナプキンは椅子の上に
披露宴・パーティー
パーティーは「食4話6」の心がけ
披露宴・パーティー
立食パーティーでの食事マナー
慶事の忌み言葉
結婚式で使ってはいけない言葉がある

3章 お悔やみ
訃報を知らせる
近親者は遺族に代わり分担して連絡を
訃報を受けたら
弔問の時期、服装の基本
弔問の準備
金額と故人の宗教に合う不祝儀袋を選ぶ
香典袋
香典袋の名前は必ずフルネームで書く
通夜・葬式
社会人として知っておきたい弔問のマナー
弔問の作法
自分の都合だけなら通夜前の弔問は控える
通夜・葬式の受付で
香典は受付係の目の前で袱紗から取り出す
受付でお悔やみを言う
気持ちを込めて哀悼の言葉を述べる
遺族を慰める
悲しみを助長する言葉は使わない
参列の作法 仏式
香りで霊前を清めて故人の冥福を祈る
参列の作法 神式・キリスト教式
仏式の焼香にあたる玉串奉奠と献花
通夜ぶるまい
すすめられたら必ず箸をつけるのが礼儀
受付をまかされたら
「遺族の代理」という立場をわきまえる
葬儀のあとで
清めの塩は使っても、使わなくてもよい
葬儀のあとで
時間が経っていても手紙で弔意を表す
弔事の忌み言葉
お悔やみの席で使ってはいけない言葉

4章 日常のふるまい
ふだんの生活で
マナーは習慣、その人のしぐさに表れる
ふだんの生活で
みんながやっていても慎むべきことがある
外出先で
和室に通されてもあわてない「きれいな正座」
外出先で
洗練された印象を与える「椅子の座り方」
外出先で
誰かに言われてからではなく、自ら動く
外出先で
「他人に迷惑」はマナー以前の社会人非常識
ビジネスシーンで
用件を終えても電話はすぐに切らない
ビジネスシーンで
ケータイリテラシー向上で能力アップ
ビジネスシーンで
名刺交換は自分をアピールする絶好の機会
ビジネスシーンで
案内の秘訣は「後ろ姿を見せない」
ビジネスシーンで
お客様を案内したらお茶でおもてなしを
ビジネスシーンで
感じのよい接遇で会社全体の好感度UP
ビジネスシーンで
ビジネスの世界で役職、席次は敬称なり
ビジネスシーンで
「席次」で人間関係をより円滑に
ビジネスシーンで
宴会や接待も席次を意識して席を決める
ビジネスシーンで
出張や出先での「席次」は機転を利かせて

5章 おつきあい
訪問
ビジネスは5分前、個人宅はオンタイム
訪問
手みやげは手間ひまかけて持参する
訪問
チャイムを鳴らす前に身だしなみを整える
訪問
座布団は踏まない、動かさない、返さない
訪問
大人のふるまい・おもてなしを受けるとき
おもてなし
家の中を整え、おもてなしの準備をする
おもてなし
お茶、お菓子、手料理・おもてなしの作法
おもてなし
ご飯どきになったら食事を用意する
お見舞い
病気見舞いは相手の都合を第一に考える
お見舞い
お見舞いに行くとき、やってはならないこと
お見舞い
お見舞いにはふさわしい言葉づかいがある
贈り物
ちょっとした贈り物で感謝の気持ちを表す
贈り物
品物か現金か、相手が喜ぶのはどちら?
お中元・お歳暮
意外と知らないお中元・お歳暮の贈り方
お中元・お歳暮
「季節のあいさつ」として贈り続けるもの
親戚、近所とのおつきあい
快適な関係を築くためのおつきあいの心得

6章 食事の席で
食事の際の基本
作法はみんなが楽しく過ごすためにある
食事のNGマナー
「癖」ではすまない「恥」になる
日本料理店にて
毎日使うからこそ正しいお箸の使い方を
日本料理店にて
接待や宴会で「できる」と思わせる食べ方
日本料理店にて
気楽な集まりでも、きれいな食べ方で
日本料理店にて
これだけある「やってはいけない箸使い」
レストランにて
大人のふるまいで食事のおいしさもアップ
レストランにて
お店の品格にふさわしくふるまう
レストランにて
マナーにしたがうと料理は食べやすくなる
レストランにて
メイン料理を堪能できる美しい食べ方
中国料理店にて
なごやかに食事を楽しむことが一番のマナー
中国料理店にて
取り皿とちりれんげを使いこなす
中国料理店にて
食べにくい料理の上手ないただき方
お酒を飲むとき
おつきあいをなめらかにするお酒の席のマナー
お酒を飲むとき
「無礼講」にご用心。酒量も節度もわきまえて
お酒を飲むとき
ソムリエがいる店ではおいしさを堪能

7章 コミュニケーション
会話
「目は心の窓」。会話中の視線はやわらかく
会話
会議、商談、交渉は座る位置も要チェック
言葉づかい
ちょっとした物言いで印象は変わる
言葉づかい
過剰な「敬語」はときには嫌味になる
言葉づかい
丁寧・尊敬・謙譲、正しい言葉の使い方
言葉づかい
「お」「ご」「み」のつけ方には決まりがある
言葉づかい
「とんでもございません」はとんでもない
言葉づかい
「クッション言葉」でやわらかく表現する
手紙
ハガキは略式、封書は正式
季節のあいさつ
暮らしにメリハリをつける季節のあいさつ状
手紙
お礼状は「かたち」より「気持ち」が大事
ごちそうする・ごちそうになる
お互い気持ちよく、支払いはスマートに
旅行先にて
ホテル、旅館に泊まる。快適な旅のために
ご近所とのトラブル
角の立たない苦情の言い方を心がける
電話とメール
手紙・電話・メールを上手に使い分ける
ビジネス・コミュニケーション
仕事に不可欠「ホウレンソウ」と「ソーセージ」

8章 おつきあいのお金
結婚祝いの金額
贈る側の負担にならない範囲で決める
結婚する側が用意する金額
お礼や交通費は挙式前日までに用意する
出産祝いの金額
お祝いは産後1ヵ月くらいまでに
進学・就職祝いの金額
原則として身内以外は贈らなくてもよい
賀寿・結婚記念のお祝い
大切な人の長寿を祝い、長寿にあやかる
香典・供花・供物の金額
不祝儀のお金は迷ったら少し多めに包む
香典返し・関係者への謝礼の金額
香典返しや法要に向けて準備をする
お金を貸す・立て替える
口約束は禁物。親しき仲にこそ「借用書」
お金を借りる・立て替えてもらう
金銭トラブルを防ぐために
お中元・お歳暮の金額
予算の範囲内で喜んでもらえる品物を
新築・新居(引っ越し)祝いの金額
新居購入は人生の一大事。祝う心をかたちに
開店・開業祝いの金額
お祝いには事業の発展を祈る言葉を添えて
お見舞いの金額
病気、災害、イベントのお見舞いの贈り方
お餞別の金額
異動、離職する人への気づかいが大切
お返しの金額
「お返し」はすべて現金ではなく品物にする

岩下 宣子 (著)
出版社 : 講談社 (2014/2/28)、出典:出版社HP